はてなキーワード: 情けは人の為ならずとは
21世紀になってもなお、専制国家による軍事侵攻が後を絶たない。
チェチェン、シリアに続き、崩壊したソ連復活を狙うかのように、事実上の専制国家ロシアのプーチン政権は、西暦2022年、隣国ウクライナへ軍事侵攻した。
権力とその支持者らの横暴によって、他国を武力によって侵略することは、絶対に赦されるべきではないが、この軍事侵攻は、専制国家に限って起こる話なのだろうか。
近年、民主主義国家であるここ日本や米国に於いてでさえ、何かしら外交や政策的な行き詰まりなどによって時の政権が強権化し、それを支持する著名人たちが民族主義を煽り、マスメディアやSNS、路上などでも平気で差別や暴力行為を繰り返して自身の立場を優位に見せ、民衆の分断を謀る動きが彼方此方で散見されており、国家権力のみならず国民までもが、軍拡や軍事侵攻に傾倒し邁進して行く可能性は、充分に考えうるのではないだろうか。
現在のロシアでは、一般の国民に対して、プーチン政権が、自身にとって都合の悪い情報が流れないように、暴力(軍や警察)を使って情報統制している。
つまり、現在、ロシアの人々は、プーチン政権にとって有利な情報にしかアクセスできない状態にある。
これは、プーチン大統領が、自己にとって都合の悪い情報については、“ニセ情報”として扱い、その情報を流した者については厳しく罰するという法律を制定したからである。
したがって、ロシア国外で起こっている出来事についても、プーチン政権にとって都合の良い情報しか流れてこないであろうことは、容易に予測可能であろう。
プーチン政権の横暴が加速化し、ウクライナにおいて無差別殺戮が繰り広げられて行く中、それを他人事としなかった世界中の人たちが、少しずつではあるが、動き始めているのは言うまでもない。
例えば、アノニマスは、ウクライナに於ける本当の出来事をロシアの人々に伝えるべく奮起し、ロシア国営放送をハッキングし、電波ジャックを試みたようである。
プーチン政権の暴走を止める為には、ロシアの人々に真実を伝え、彼ら自らが立ち上がってこそと考えたからであろう。
そして、それが止まらなければ、やがては自分たちにも何某かの影響があろうことは容易に想像できたからではないだろうか。
見て見ぬふりをしていれば、明日は我が身なのだという危機感が、アノニマスを動かしたのかも知れない。
しかし、そのアノニマスの働きが、はたしてロシアの人々を統制から解放する上で、充分機能しただろうか。
否、それだけではない。
このままアノニマスの行動を頼みにし、或いは何もせず傍観をし続け、ロシアの人々に真実を伝える確率を上げる方法をまったく考えずして、我々、非暴力の民主主義者が日々やり過ごして行くことが、はたして、我々自身にとっても得策なのだろうか。
ロシアの人々に、より多くの真実を(とりわけ、プーチン政権にとって不都合な真実を)得られる確率を上げ、勇気を持って立ち上がったロシアの人々を私たちも心から応援しているのだと彼らに伝える方法が、もっと他には無いものか。
と、我々、外野の非暴力の民主主義者こそ、考える必要があるのではないだろうか。
ロシアの軍事侵攻に限らず、或る国がそのような事態に陥ってしまった時、我々一般の非暴力の民主主義者に、はたしていったい何が出来るのか、今こそ、この機会に、皆さんと共に考えてみたい。
ただし、断っておくが、これは飽く迄も、一素人の思考実験の一つに過ぎず、妄想の域を超えない可能性も否定出来ないため、例え、これを目にした読者の皆さんの誰かが、この記述をもとに実際に行動に移し、自身に何らかの被害が及んでしまったとしても、筆者は一切の責任を負えないので、その点は悪しからず御理解いただきたい。
(我ながら、なんて酷い言い訳なんだw恥ず)
さて、非暴力の民主主義者が取れるであろう考えられる方法の一つとして、風船爆弾作戦が挙げられる。
風船爆弾といっても、非暴力の民主主義者が打ち上げるとするならば、そこに搭載すべきものは無論、危険物や爆発物や細菌・ウイルスなど、人の命を奪うものでは無く、真実の情報を詰め込んだメディアや通信可能な情報端末や無線機などであろう。
──これについては、既に御存知の方もおられるだろう。
つい最近、韓国から、情報統制されている北朝鮮へ向けて、拉致被害者家族会や自由北朝鮮運動連合などの民間団体が中心となって何度か打ち上げ、実際、北朝鮮に届いた実績がある。
当時、風船には水素ガスなどを用い、そこに搭載したものは、真実の情報を記した印刷物(チラシ・ビラなど)が中心であった。
因みに、この風船爆弾作戦、もともとの発祥は、太平洋戦争中の旧日本軍だそうで、当時、米国へ向けて爆発物を載せて打ち上げたものの、その殆どが失敗に終わったのだとか。何とも皮肉である──
例えば、ヨーロッパ大陸の風向きを計算して、ヨーロッパ全土からロシア国内に向けて風船を打ち上げるというのも結構だが、現代では、かなりの長距離で、正確な位置にドローンを飛ばすことが技術的にも可能となっている。
(軍事面に詳しい方なら、レーダーに掛からないドローンが開発されていることも御存知なのではないか。)
そのドローンに、真実の情報を詰め込んだメディア(USBメモリやSDカードなど)、そして、ロシア政府の介入をもすり抜け自由に通信のできるSIMカード、もしくは、衛星回線を使用した情報端末(ノートパソコン、タブレット端末、スマートフォン、携帯電話)や無線機などを搭載し、勇気を持って反戦を訴え続けているロシアの有志たちに、或いは、プーチン政権に何某かの疑問を抱いている人々に向けて飛ばすのである。
特に、SIMカードや情報端末については、ハード面ではAppleやGoogleなどを始めとする端末そのものの販売・取り扱いをしている企業の物質的な支援が、ソフト面では、アノニマスなどを始めとするハッキングの技術的な支援が必要になろう。
そこに流す真実の情報については、国境なき記者団やWikiLeaksなどが中心となるのだろうか。
いずれにしても、非暴力の民主主義者こそが立ち上がり、それぞれ得意な分野で互いに協力し合い、時には企業の助けをも借りて、プーチン政権下で孤立したロシアの人々に向けて、少しでも多くの真実を伝え、我々が共に連帯していることを伝え、ロシアのみならず、統制されている他の地域でも、権力によって苦しい思いをしている人々に向けて、何らかの形で展開できないだろうか?
非暴力で。
真剣に悩んでいる。誰か知恵を貸してほしい。
今ハマっているジャンルは数年前リリースするや否や大ブームになったゲーム。今もある程度のファン規模を持っており、メディアミックスやグッズ、コラボ展開などを多岐に渡ってしている。
その一方で、ゲーム自体は非常にシンプルかつ、メインストーリーと呼べるものが希薄で、あるのは簡単な世界観とキャラクターの設定のみ。
その代わり、二次創作が公式に許可されているため、定番のキャラ同士のカップリングから独自設定を大いに盛り込んだ1.5次創作とでも呼べるようなものまで幅広く二次創作が行われている。
そんな中で私は独自設定強めの、キャラクター×プレイヤーキャラ(容姿年齢性別などが公式に提示されていないので、二次創作者によって自由にキャラ造形されている)もの、という比較的癖強めな嗜好で二次創作をしている。
元々私はこのジャンルでTwitterやpixivを通し、様々なフォロワーや友人と楽しく交流していた。
なにしろジャンル人口が多いので、上記のような癖強めの嗜好でもそれなりに愛好者がいたのだった。
彼女らは殆どが絵や漫画や小説やらの形で二次創作をする人だった。皆自分の独自設定やプレイヤーキャラの造形に愛着を持っており、それを他者に話したり、作品の感想をもらうことを求めていた。
私ももちろん同じように話したい、感想が欲しい欲求を持っていたけれど、交流するにあたっては、相手が楽しく話せるように聞き役に回ることが多かった。
理由は、自分がそういう風に話を聞いてもらったら嬉しいと思うから。それで相手が喜んでくれたらいいなと思っていたためだった。
ただ、最近相手が本当に一方的になるというか、私が自分の創作話をしようとしても相手の話題に持っていってしまう(いわゆる会話泥棒というやつに近いだろう)など、「これ私都合のいい無料話し聞きマシーンになってないか……?」ということが複数人との間で多発していた。
そんな中で私の心には不平等感と、本当は私も話を聞いてもらいたいのに……という欲求不満が積もっていった。
流石にちょっとそれは悲しいし私の話も聞いてもらいたいな、ということを相手に伝えた。
が、わかった、と言ってくれたのに次話したら元通り、みたいなことが複数人と続いた。
私はなんとか打開策を探して、他に誰か私の話聞いてくれる人いないかな、という旨のツイートをした。
ありがたいことに、数人聞くよーと言ってくださる方がいた。
が、結果、これが私のモヤモヤに追い討ちをかけた。蓋を開けてみたら、この方々も何故かめちゃくちゃ自分の話をしてきて私は相槌役……ということにしかならなかったのだ。
さすがに手詰まりだ。
この世に私の話聞いてくれる人はいないのだろうか。
私の話はそんなにも面白くないのだろうか。
これは本当に私の心の醜い部分だと思うが、
「私はみんなの話を聞いて、リアクションして、感想書いて、いいとこ見つけて褒めて……ってしているのに、私がそうして欲しいと思った時には誰も返してくれないんだな」……正直、そんな想いがよぎる。
見返りがほしくてやっていたわけではないはずなのに、そう思ってしまう自分にも自己嫌悪で、余計に辛い。
どうしたらいいんだろう。
お金を払って話を聞いてもらうサービスは、探せばあるのかもしれない。ただ、こんなオタク話、それもニッチな1ジャンルの1嗜好に付き合ってくれるもの、となると、ちょっと難しい気がする。
どうしたらいいんだろう。
どうして私には「話を聞いて、リアクションして、感想書いて、いいとこ見つけて褒めて」くれる人がいないんだろう。
どうして私には、
私(が他者にしてあげるように私にしてくれる人)
がいないんだろう。
好意の返報性とか、情けは人の為ならずとか、そういうものは存在しなかったのか。
楽しそうなタイムラインを見ながら、なにもつぶやけないでいる。
だれか、この思いを乗り越えて先に進める方法を教えてほしい。
あかんで。
そもそもそのセリフは劇中の三十年前のエピソードやし山岡は精子にもなってへん。
主人公の里井がトンカツ大王の店主にケンカ沙汰から助けられタダでトンカツ定食を食わせてもらって諭されたくだりが
「~それが、人間えら過ぎもしない貧乏過ぎもしない、ちょうどいいくらいってとこなんだ」
って言葉に繋がるんやが里井はこの恩義を礎に渡米して全米に支店を展開するスーパーマーケットチェーンのオーナーとして大成するんや。
ほんで30年ぶりに帰国したらトンカツ大王の店主は地上げ屋に騙されて店を取り上げられ路頭に迷っとった
思い出のトンカツが食いたかった里井は恩返しとして以前よりも立派な店を店主にプレゼントした
店主は渋ったが里井はタダが嫌なら儲けから少しずつでも返してくれればええんやで、と店主を説得して大団円になるんや
「働かざる者食うべからず」や「情けは人の為ならず」みたいに世間に誤って覚えられている格言とか諺教えて
「セクハラになるので使いません」キリッ、とやられるとウザいな。
まあ此方もキモくて金のないおっさんが倒れてても心肺蘇生はしないかな。心臓マッサージは力がいるし、人工呼吸も異性がやるとセクハラだからね。おっさんに訴えられたら嫌だしね。キモいし。汚ねえし。感染症もらいそうで触りたくないし。
救急車は呼んであげるね。私の代わりにKKOに人工呼吸してくれそうなおっさんも呼んであげる。AEDもってくるぐらいもしたげるよ。水と飴と保冷剤や上着ぐらいならくれてやるよ。気持ち悪いから触らないけどね。ごめんね。
私は見殺しにしてくれて構わないよ。死ねるときに死んどきたいからね。ほかの女は知らないが、助けたくなきゃほっときゃいいと思うよ。救助義務は法的にはないらしいよ。君は自由だ。
内容をまとめるならクソ長文の一言で終わる話。
https://togetter.com/li/1373336
その呟きは患者さんの視点で、登録者は増えた、でも受ける気がない偽善者は登録しないで欲しいというものだった。
これを私が目にしたのは、正に適合通知を受け取って、悩みながら書類を書いている最中だ。
この方の一連の呟きを何度も読んだ。気持ちは私にわかるものではないけれど、少しは推し量ることは出来る。
その上で私はやっぱり今回のことを断ろうと、書類を書くのをやめて、今現在横で放置されている。
何故私がそう思うに至ったのか、自分の為に整理したくてこれを書いている。
何故なら事情があり、私が書類を受け取った時点で回答期限が直近だったからだ。
ドナーとして髄液の提供は素晴らしいことである、自己犠牲、自分の為になる、するべきという宗教的なべき論。
私は別に崇高なことがしたい訳じゃない。そう思うのは自由だけれど他人に強いるのはやめて欲しい。もししたとしても、そんな目で見ないで欲しい。
あとは偽善者だの自分が良い格好をしたいだけだという、一体誰の為に、何の為になのかわからない言葉達。
善と偽善を一体誰が決めるんだろう。
けれど実際に提供した人のエントリーや体験談(骨髄バンクのものではなく、生の声が聞きたかった)、実際の患者さんの呟きやブログを見て、リスクを具体的に検討しながらもやる方向で決めかけていた。
休みの目処はなんとか立つ、その後のスケジュールは大分変更されるだろう。
カレンダーを眺め、腰の痛みで運動は一ヶ月は出来ないだろうから遊べなくなるが、仕事は出来る。それでも仕方無い。
調べる中で、途中で断ることが迷惑になると知り、昼間親に話して同意を先に得た。
この段階では決心を確実にする為に、情報を得ていた。
私的な動機は、全然違う病気だけれど病気で薬の手放せない友人がいるからだった。
リスクは確かにあっても、暫く通院したり、入院時に仕事を休まなくてはいけなくてもそれでもと思っていた。
同時に元々あまり身体が強くない私は、そもそも是の返事をしたところで選ばれるかはわからない。
受け取った書類上で条件を確認する限り、健康面は恐らくギリだ。
ちなみに骨髄バンクの冊子で確認する限り、後遺症の確率は結構ある。0.58%はSSRより全然当たると思うソシャゲ脳である。
因果関係が明らかではないが比較的重篤な中長期健康異常は2%以上である。これらはドナー承諾しなければガチャらなくて良いリスクだ。
また冊子を読む限りでは、もし重篤な状態になって働けなくなっても生活保障はない。
当たり前だが、それでも今普通に働いている人にとって躊躇うには充分な内容だ。
しかも別ページの後遺傷害保険の適用はゼロである。(因果関係が証明されないから保険の支払いは出来ないということで、当然だろうが辛い)
関連在りそうな短期の重篤障害は0.28%。肝機能異常が30日はそれ短期か?と思うし、頭痛4%、骨痛16%、倦怠感5%などはどれか当たるだろという気持ちにもなる。
これらを読みつつ過去の医療情報を調べ(古い病歴なんて調べないと出て来ない)、書類を記入してる中、一連の呟きを目にした。
あまりにもリアルタイムの話だったからホームまで行って何度も読んだ。
そして溢れる感情が良くわからなくて、一度書類を書く手を止めた。
数時間後の今分析してみると、私はミーハー気分の偽善という言葉がすごく引っかかったのだと思う。
でも「ミーハー気分の偽善で、本当の善意の方を大多数に埋もれさせないでほしい」とも言う。
患者さんが真実切羽詰まって、感情的になるのは人間だから仕方無い。
少なくとも私は、ミーハー気分の偽善と本当の善意を勝手に決められたくはない。
私がドナーになろうとしたのは別に善意じゃない。そんな立派なものではなかった。
ただ検討してみて、出来そうで、そうしたいと自分が思ったから。怖くもあるしリスクもあっても、自分がしたいと思ったからする。それだけのことだった。
第三者がワァワァと安全圏から騒ぐ時にうんざりする程見た、偽善者という言葉で私は萎えたのだ。
したいからするだったのが、別にしたくないからいいやになってしまった。ちゃんと善意があったり崇高な人なら、こんな気持ちにはならない。
決断に時間を要したり途中で断ることも、結果としてミーハー気分の偽善扱いになるなら、ドナー登録なんて出来ない。
気軽に登録しただけの人が、実際その立場になってから必死に真剣に検討することだってきっとある。
もちろん、絶対にごめんだって人もいるだろう。そいいう人を弾くシステムは必要だと思う。
しかしだ。
そもそもこの、唐突な書類のみで初期確認というのがクソシステムなのだ。
せめて電話かメールで書類送るから検討して返事くれと言って欲しい。
帰国後に受け取った時点で回答期限ギリだ。
もちろん待たせることは良くないわかっていたから、その時点から必死に調べ回った。
だからこそ「生きる邪魔を、未来を望む邪魔をしないでください」の言葉が刺さったんだと思う。
たまたま海外に行っていたことが邪魔になるなら、もういいやと思った。
断る時に、ドナー登録そのものも解除するつもりでいる。私は邪魔をしない。代わりに干渉もしない。
いつ来るかわからないドナー適合通知の為に、いつでも書類を受け取れるように生きるのは私には無理だ。
そしてそれを、断った、返事が遅いという結果だけで"偽善"と決められるのだろうか。
承諾したことで”善意”だと決めつけられるのもうんざりするが、そんな捻くれてる人間は、きっとそんなに多くない。
患者側からみて、断られるのがキツいしやめて欲しいのはその通りだ。
「健康な方の3週間と、命をかけて待つ人間の3週間は大きく違います」というのは真実だ。あまりにも重さが違う。
だからといって、健康な人の3週間が蔑ろにされて良いわけじゃない。
レアケースだからといって、急性C型肝炎になった例を無視して即断出来るわけじゃない。
私のように海外にいる人だっているだろう。外せない重要なプロジェクトの途中の人だっている。近親者に何かあったところかもしれない。
断る場合は簡単に断れるシステムがあって欲しいし、書面を送る前にせめて連絡が欲しい。
一週間以内の返答は、出張が多いなど家を空けがちな人は無茶が過ぎる。
せめて今断りたい人はwebから意思表示できるようにして欲しい。
断る電話が平日の9時から17時受付って、17時に帰れる人がどれだけいるのか。チャンスは昼休みだけである。
ちなみに土日は断る事が出来ないので、彼女が言うところの患者にとって貴重な二日間を浪費させることになる。罪悪感がすごい。
webか少なくとも24時間なんらかの方法でステータス表示をできれば、無理な場合直ぐに次をあたることが出来る。検討中なら検討中ステータス表示にも出来る。
家族の説得に私は時間がかからなかったが、ここで時間のかかる人だっているだろう。
「ミーハーで殺されたくありません。」
この言葉はきっと真実だ。彼女の感情からすれば、彼女を殺すのは無辜の"偽善"ドナーであり、病気ではない。
私は彼女を殺したくないし、誰も殺したくない。
そして10年以上来なかった適合通知がたまたま海外にいる時に来るなんて想像できなかったし、しなくて良いことだ。
それが殺意になるなら、私は登録しておくことが出来ないと思った。
私から見れば彼女を殺すのは不完全なシステムだし、救うのもまた、この不完全な骨髄移植システムだ。
その齟齬はいかんともしがたい。あまりに私は無神経で、彼女の感情とは隔たりがある。
当事者である彼女も自分の苦しみと比べて、あまりにちっぽけで簡単なリスクであるドナーを鑑みるのは酷な話だ。聖人じゃないんだから。
話は飛ぶか、本当に提供の意思がある人は善意。する気がないのに登録してるのが偽善。
他人の本心なんて、誰もわからない。自分の気持ちだって、人は正確に把握してない。
その気が本当にあるのかどうか、何をもって判断するのか。脳波?それだって思い込みがあれば欺けてしまう。
ある人は提供のつもりがあると思い込んで、毎回出来ない理由を探しているかもしれない。
する気はないけど登録だけしてみた人が、たまたまどうしても人助けがしてみたい気持ちの時かもしれない。
(情けは人の為ならず的な、人を救うことで救われたい感情のタイミングは存在する)
善か偽善かの二択を第三者に決められることが、私にはぞっとすることなのだ。
この二つに仕分けられることが、もう嫌だ。
別になんとなく登録して、なんとなく提供したって良い筈なのに。
あの呟きは、社会を動かす切っ掛けになるのかもしれない。
頭の良い人達が、もっと効率的なシステムを考えてくれるかもしれない。
出来れば、そうであって欲しい。
これを書いて少し寝て起きて感情の整理が出来たので、今、書類の記入に戻っている。土日でオーバーして間に合わないならもうそれはそれで良い。
しかしやっぱり、善意だの偽善だの、自分の行動が良いだの悪いだのを、他人から決められたくはないままだ。
書き終わった後に投函するかはわからない。けど書き終わらなければ投函は出来ない。
先ほど更に呟きがあったので追記。
>提供できないのであれば早めの返事or登録の解除・保留をお願いしたいのです。
現行システムだとこれが出来ない人も多いのに、返答が遅れるのは提供するドナー側の問題と捉えている。違うんだ。そうしたくても出来ない人がいる。
これを望むなら最低限電話を24時間対応にして欲しい。自動応答でプッシュボタン式でも断るだけなら出来る。
>意思がないのであれば、引いて道を開く優しさを持ってください。
返答が遅れたら優しさがないと判断されるのはプレッシャーだし、様々な事情があるのに遅れたら優しく無いと判断されるの、ドナー登録デメリットが大きすぎる。
本当に意思がない人と、事情があって判断が遅れる人を、第三者は区別出来ない。
また返答を急がせるとしたら、どうしたって断る率が高くなってしまう。だから「どっちでも決めたらすぐ連絡して」という方が良いんじゃないだろうか。
彼女はそう言いたかったのかもしれないが、私は一連の表現をそう受け止められなかった。
もっといえば、時間をかけて検討するのは優しさじゃない、さっさと断るのが優しさだと感じる人もいるんじゃないだろうか。
私は深刻な事情がなく最初から優しさはないが、返答まで時間のかかった人は優しさを持ってない(と受け止められる言い方)は違和感がある。
なによりも ”判断すること自体が他人(患者)から恨まれたり、優しく無いと後ろ指をさされるリスクがある" のを示すのは躊躇う人を増やさないだろうか。
提供すれば自己満足の偽善者(本当にこういう人がいる)、登録したら提供すべき(本当にこういう人がいる)、断ればその気のない偽善者、返答が遅ければ優しくないってドナー登録の障壁が高すぎる。
確かに適合者に断られることは減るかもしれない。ただ適合機会が減る。それのどちらが手術に至る確率が高いのか、私はわからない。
患者は彼女だけではないから、何度断られ続けてもともかく適合機会が欲しい人もいるだろう。貴重な一意見ではあるが、彼女の感覚だけが全てではない。
無責任に「人生のいつでも提供できないならドナー登録解除すべき!」みたいな意見を大量に見てうんざりしたから、これらを見るのも登録者数と手術数の相関データを漁るのも放棄してしまった。
論争するより、書類を埋める方が良い。
ちなみに、ドナーの負担が断りの原因であるならばなぜ登録するのか?というのは、大多数の人は具体的なリスクを把握せずに登録しているからだろう。
登録時に70ページを越える資料を読み込み、各種データを把握し、リスク事例を納得するまで調べ、金銭負担や休業補償、病院が遠い場合のことを考え、家族の同意をとりつけてから登録する人は、恐らくだが殆どいない。
具体的なリスクを把握した人でも、タイミングが合えば提供したいと思っている程度で登録する人も多いだろうと思う。
追記が終わらないので、ここで終わり。
まとまりのない長文を最後まで読んでくれた人、ありがとうございました。
願わくば、今追い詰められてる患者さんに直接酷い言葉を投げないで欲しいし(本当にいた)、感情論でなくデータとして手術数を増やす方向になって欲しい。