2019-07-06

ある呟きを読んで、骨髄バンクドナー適合通知を断わろうと思った話

内容をまとめるならクソ長文の一言で終わる話。

https://togetter.com/li/1373336

その呟きは患者さんの視点で、登録者は増えた、でも受ける気がない偽善者登録しないで欲しいというものだった。

これを私が目にしたのは、正に適合通知を受け取って、悩みながら書類を書いている最中だ。

この方の一連の呟きを何度も読んだ。気持ちは私にわかものではないけれど、少しは推し量ることは出来る。

抱えている事情も、ご家族があることもTLを見てわかった。

その上で私はやっぱり今回のことを断ろうと、書類を書くのをやめて、今現在横で放置されている。

断るだけなら電話で出来るからだ。

何故私がそう思うに至ったのか、自分の為に整理したくてこれを書いている。

私は適合通知を受け取ってから、ともかく情報を調べていた。

何故なら事情があり、私が書類を受け取った時点で回答期限が直近だったからだ。

ネットの海を調べると、うんざりする情報で溢れていた。

ともかく第三者不可思議意見が多すぎる。

ドナーとして髄液の提供は素晴らしいことである自己犠牲自分の為になる、するべきという宗教的なべき論。

私は別に崇高なことがしたい訳じゃない。そう思うのは自由だけれど他人に強いるのはやめて欲しい。もししたとしても、そんな目で見ないで欲しい。

あとは偽善者だの自分が良い格好をしたいだけだという、一体誰の為に、何の為になのかわからない言葉達。

善と偽善を一体誰が決めるんだろう。

善悪なんていつだって変わる。時代でも場所でも立場でも。

けれど実際に提供した人のエントリー体験談骨髄バンクのものではなく、生の声が聞きたかった)、実際の患者さんの呟きやブログを見て、リスクを具体的に検討しながらもやる方向で決めかけていた。

休みの目処はなんとか立つ、その後のスケジュール大分変更されるだろう。

カレンダーを眺め、腰の痛みで運動は一ヶ月は出来ないだろうから遊べなくなるが、仕事は出来る。それでも仕方無い。

リストにあった病院のうち近隣なら平日に通えるだろう。

調べる中で、途中で断ることが迷惑になると知り、昼間親に話して同意を先に得た。

この段階では決心を確実にする為に、情報を得ていた。

私的動機は、全然違う病気だけれど病気で薬の手放せない友人がいるからだった。

遠いどこかで彼みたいな人が健康になるなら良いかな。

リスクは確かにあっても、暫く通院したり、入院時に仕事を休まなくてはいけなくてもそれでもと思っていた。

同時に元々あまり身体が強くない私は、そもそも是の返事をしたところで選ばれるかはわからない。

受け取った書類上で条件を確認する限り、健康面は恐らくギリだ。

ちなみに骨髄バンクの冊子で確認する限り、後遺症確率結構ある。0.58%はSSRより全然当たると思うソシャゲである

因果関係が明らかではないが比較重篤な中長期健康異常は2%以上である。これらはドナー承諾しなければガチャらなくて良いリスクだ。


また冊子を読む限りでは、もし重篤状態になって働けなくなっても生活保障はない。

当たり前だが、それでも今普通に働いている人にとって躊躇うには充分な内容だ。

しかも別ページの後遺傷害保険適用ゼロである。(因果関係証明されないか保険の支払いは出来ないということで、当然だろうが辛い)

関連在りそうな短期重篤障害は0.28%。肝機能異常が30日はそれ短期か?と思うし、頭痛4%、骨痛16%、倦怠感5%などはどれか当たるだろという気持ちにもなる。





これらを読みつつ過去医療情報を調べ(古い病歴なんて調べないと出て来ない)、書類を記入してる中、一連の呟きを目にした。

まりにもリアルタイムの話だったかホームまで行って何度も読んだ。

そして溢れる感情が良くわからなくて、一度書類を書く手を止めた。


時間後の今分析してみると、私はミーハー気分の偽善という言葉がすごく引っかかったのだと思う。

事情があって断る人を責める権利はありません。

でも「ミーハー気分の偽善で、本当の善意の方を大多数に埋もれさせないでほしい」とも言う。


患者さんが真実切羽詰まって、感情的になるのは人間から仕方無い。

しかし同様にドナーだって人間なのだ。残念なことに。

少なくとも私は、ミーハー気分の偽善と本当の善意勝手に決められたくはない。

私がドナーになろうとしたのは別に善意じゃない。そんな立派なものではなかった。

ただ検討してみて、出来そうで、そうしたいと自分が思ったから。怖くもあるしリスクもあっても、自分がしたいと思ったからする。それだけのことだった。


第三者がワァワァと安全から騒ぐ時にうんざりする程見た、偽善者という言葉で私は萎えたのだ。

したいからするだったのが、別にしたくないからいいやになってしまった。ちゃん善意があったり崇高な人なら、こんな気持ちにはならない。



決断時間を要したり途中で断ることも、結果としてミーハー気分の偽善扱いになるなら、ドナー登録なんて出来ない。

気軽に登録しただけの人が、実際その立場になってから必死真剣検討することだってきっとある

もちろん、絶対にごめんだって人もいるだろう。そいいう人を弾くシステム必要だと思う。


しかしだ。

そもそもこの、唐突書類のみで初期確認というのがクソシステムなのだ

せめて電話メール書類送るから検討して返事くれと言って欲しい。


私に書類が送られたのは、偶然海外にいるタイミングだった。

帰国後に受け取った時点で回答期限ギリだ。

もちろん待たせることは良くないわかっていたから、その時点から必死に調べ回った。

からこそ「生きる邪魔を、未来を望む邪魔をしないでください」の言葉が刺さったんだと思う。

たまたま海外に行っていたことが邪魔になるなら、もういいやと思った。

断る時に、ドナー登録のものも解除するつもりでいる。私は邪魔をしない。代わりに干渉もしない。

いつ来るかわからないドナー適合通知の為に、いつでも書類を受け取れるように生きるのは私には無理だ。

そしてそれを、断った、返事が遅いという結果だけで"偽善"と決められるのだろうか。

承諾したことで”善意”だと決めつけられるのもうんざりするが、そんな捻くれてる人間は、きっとそんなに多くない。




言いたいのは、これはシステム問題だってことだ。

患者からみて、断られるのがキツいしやめて欲しいのはその通りだ。

健康な方の3週間と、命をかけて待つ人間の3週間は大きく違います」というのは真実だ。あまりにも重さが違う。

からといって、健康な人の3週間が蔑ろにされて良いわけじゃない。

レアケースだからといって、急性C型肝炎になった例を無視して即断出来るわけじゃない。

私のように海外にいる人だっているだろう。外せない重要プロジェクトの途中の人だっている。近親者に何かあったところかもしれない。

断る場合簡単に断れるシステムがあって欲しいし、書面を送る前にせめて連絡が欲しい。

一週間以内の返答は、出張が多いなど家を空けがちな人は無茶が過ぎる。


せめて今断りたい人はwebから意思表示できるようにして欲しい。

断る電話が平日の9時から17時受付って、17時に帰れる人がどれだけいるのか。チャンスは昼休みだけである

ちなみに土日は断る事が出来ないので、彼女が言うところの患者にとって貴重な二日間を浪費させることになる。罪悪感がすごい。

webか少なくとも24時間なんらかの方法ステータス表示をできれば、無理な場合直ぐに次をあたることが出来る。検討中なら検討ステータス表示にも出来る。

家族の説得に私は時間がかからなかったが、ここで時間のかかる人だっているだろう。


ミーハーで殺されたくありません。」

この言葉はきっと真実だ。彼女感情からすれば、彼女を殺すのは無辜の"偽善"ドナーであり、病気ではない。

私は彼女を殺したくないし、誰も殺したくない。

そして10年以上来なかった適合通知がたまたま海外にいる時に来るなんて想像できなかったし、しなくて良いことだ。

それが殺意になるなら、私は登録しておくことが出来ないと思った。



から見れば彼女を殺すのは不完全なシステムだし、救うのもまた、この不完全な骨髄移植システムだ。

その齟齬はいかんともしがたい。あまりに私は無神経で、彼女感情とは隔たりがある。

当事者である彼女自分の苦しみと比べて、あまりにちっぽけで簡単リスクであるドナー鑑みるのは酷な話だ。聖人じゃないんだから



話は飛ぶか、本当に提供意思がある人は善意。する気がないのに登録してるのが偽善

レスや論争に沢山あったこの括りは危険すぎないだろうか。

他人本心なんて、誰もわからない。自分気持ちだって、人は正確に把握してない。

その気が本当にあるのかどうか、何をもって判断するのか。脳波?それだって思い込みがあれば欺けてしまう。

ある人は提供のつもりがあると思い込んで、毎回出来ない理由を探しているかもしれない。

する気はないけど登録だけしてみた人が、たまたまどうしても人助けがしてみたい気持ちの時かもしれない。

情けは人の為ならず的な、人を救うことで救われたい感情タイミング存在する)


善か偽善かの二択を第三者に決められることが、私にはぞっとすることなのだ。

この二つに仕分けられることが、もう嫌だ。

ドナー登録をこんな二択にしてはいけない。

別になんとなく登録して、なんとなく提供したって良い筈なのに。



あの呟きは、社会を動かす切っ掛けになるのかもしれない。

頭の良い人達が、もっと効率的システムを考えてくれるかもしれない。

出来れば、そうであって欲しい。

まとまらない内容だけど、リアルタイムでこんな思考だった話。





投稿を迷っている間に変化があったので追記

これを書いて少し寝て起きて感情の整理が出来たので、今、書類の記入に戻っている。土日でオーバーして間に合わないならもうそれはそれで良い。

しかしやっぱり、善意だの偽善だの、自分の行動が良いだの悪いだのを、他人から決められたくはないままだ。

書き終わった後に投函するかはわからない。けど書き終わらなければ投函は出来ない。

辞退の電話が出来るのは月曜日の9時からなのだ



先ほど更に呟きがあったので追記

論点のズレがなんとなくわかったかもしれない。

提供できないのであれば早めの返事or登録の解除・保留をお願いしたいのです。

現行システムだとこれが出来ない人も多いのに、返答が遅れるのは提供するドナー側の問題と捉えている。違うんだ。そうしたくても出来ない人がいる。

これを望むなら最低限電話24時間対応にして欲しい。自動応答でプッシュボタン式でも断るだけなら出来る。


意思がないのであれば、引いて道を開く優しさを持ってください。

返答が遅れたら優しさがないと判断されるのはプレッシャーだし、様々な事情があるのに遅れたら優しく無いと判断されるの、ドナー登録デメリットが大きすぎる。

本当に意思がない人と、事情があって判断が遅れる人を、第三者区別出来ない。

また返答を急がせるとしたら、どうしたって断る率が高くなってしまう。だから「どっちでも決めたらすぐ連絡して」という方が良いんじゃないだろうか。

彼女はそう言いたかったのかもしれないが、私は一連の表現をそう受け止められなかった。

もっといえば、時間をかけて検討するのは優しさじゃない、さっさと断るのが優しさだと感じる人もいるんじゃないだろうか。



私は深刻な事情がなく最初から優しさはないが、返答まで時間のかかった人は優しさを持ってない(と受け止められる言い方)は違和感がある。

なによりも ”判断すること自体他人患者からまれたり、優しく無いと後ろ指をさされるリスクがある" のを示すのは躊躇う人を増やさないだろうか。

提供すれば自己満足偽善者(本当にこういう人がいる)、登録したら提供すべき(本当にこういう人がいる)、断ればその気のない偽善者、返答が遅ければ優しくないってドナー登録障壁が高すぎる。

ドナー登録の解除を訴える=総数が減る=適合者が減るのだ。

かに適合者に断られることは減るかもしれない。ただ適合機会が減る。それのどちらが手術に至る確率が高いのか、私はわからない。

患者彼女だけではないから、何度断られ続けてもともかく適合機会が欲しい人もいるだろう。貴重な一意見ではあるが、彼女感覚けが全てではない。

無責任に「人生のいつでも提供できないならドナー登録解除すべき!」みたいな意見を大量に見てうんざりたから、これらを見るのも登録者数と手術数の相関データを漁るのも放棄してしまった。

論争するより、書類を埋める方が良い。

ちなみに、ドナー負担が断りの原因であるならばなぜ登録するのか?というのは、大多数の人は具体的なリスクを把握せずに登録しているからだろう。

登録時に70ページを越える資料を読み込み、各種データを把握し、リスク事例を納得するまで調べ、金銭負担や休業補償病院が遠い場合のことを考え、家族同意をとりつけてから登録する人は、恐らくだ殆どいない。

具体的なリスクを把握した人でも、タイミングが合えば提供したいと思っている程度で登録する人も多いだろうと思う。




追記が終わらないので、ここで終わり。

まとまりのない長文を最後まで読んでくれた人、ありがとうございました。

願わくば、今追い詰められてる患者さんに直接酷い言葉を投げないで欲しいし(本当にいた)、感情論でなくデータとして手術数を増やす方向になって欲しい。

追記追記

書類記入後、電話留守電もあるとの記載発見。全部の場所に書いておいてくれ。

こちらをはじめにお読みください」の冊子には電話番号だけで時間すら書いてないぞ。

  • 読んだし、淡々と一意見として支援する。 考えを書こうと思ったが、それによって重大な決断を無名の何かに影響されるべきではないのでやめとく。

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