はてなキーワード: 独り言とは
僕はあなたにむかつきましたで済む話を、みなさんこの手のやつは世界最悪のゴミクズなんですよとなんで演説しだし(ry
お前は間違ってるなんて言ってないしこの選択肢をとらないなら黙れなんて言うつもりまったくないです
だれかの価値観で押しつぶされるのが不幸だというのはわかってます
僕がやったのは「過去の自分」と「今の自分」を比較するかぎりにおいて「今の自分」が幸せで「過去の自分」に何か言えるならこう言うと、早い話独り言を言ってるだけです
はっきり言やぁ
「こんなところで救い求めても答えは得れないし、自分で考えるしかないんじゃねーの」てのが本音ですよね
考える素材になればいいなって独り言を言っただけよ
僕がほんとに人間として腐ってるなら「誰もお前を救わねーから自分で考えろ」て書いてます
で、あなたは何がそんなに辛いんですか?
他の人の独り言みたいな呟きに、どう反応するか一々悩んで疲れちゃう
これはスルーしない方がいいのかなーとか、愚痴かな?だったら共感して見せた方がいいのかな?とか
でも他のメンバーの手前この人にだけやたら同意するみたいのも悪いなとか、あんまり張り付いてレスしてると逆にキモいかもとか
むしろ自分も何か語った方がいいのかな?とか、あー語っちゃったら偉そうになってしまったーとか、
具体的な感想の方がいいのかな?とか、でも理屈っぽいと嫌がられるかな?とか、
今のは求められたリアクションじゃなかったかも…とか、あー何で自分はこんなにまともな反応ができないんだろうとか、
でもこんなウジウジされたら呟いた方も迷惑だよな…とか、もういっそ何も言うのやめようかとか
そんで疲れてしばらく無反応になるんだけど、これも「あいつメンタルの波でかいよな…ちょっと面倒くさい…」なんて思われてそうな気がしてうがー!!
書き方が悪かった、不快にさせたようだね。ごめん。
私の頭が悪いのと、何も考えずに思ったことをそのまま文にしてるのが悪いのだと思うのだけど、
反応があるとは思って書いてはなかったから、文章がひどかったかもしれない。
いや、書き方が悪かった。
人は人。と思っているから、勿論私と違う考え方の人は居るだろうし、というか居て当たり前だし、
それを、私と同じ考えにして!という感じに押し付けるほどアホではない。
私は何度かこういう長文を書いたことがあるけど、特にこれといった目立ったトラックバックとかを
もらったことがなかったから、そんな読まれることはないものなのかなー、と思っていたから、おおっぴらに言ったつもりはなかった。
私がそういう事に偏見が持てないから、偏見を持っている人は、どうして「偏見」を持っているのか、
http://anond.hatelabo.jp/20150515010417
自分が異性に対して思い描いている性的妄想が、同性愛者から自分自身に向けられていることに気づいた時の恐怖なんだ。」
というような事をただ知りたかっただけです。
思い返せば私は生まれてから30年以上一度も生身の人を好きになったことがなかった。
跡部様やルルーシュに恋をしやことはあっても、三次元の男には興味すら湧くことがなかった。
そんな私が30歳を越えて婚活を始めた。
間もなく定年を迎える親を早く安心させたいという思いがあった。
婚活パーティーは異性と上手く話せる自身がなかったので、ひとまずインターネットの婚活サイトへ登録した。
しかし、いざ会うとなると気が進まなかった。
メッセージのやり取りだけで会おうとしない私の態度が影響し、時が経つにつれて音信不通になる人が多かった。
そんな中、6ヶ月ほどメッセージをやり取りしていた男性が居た。
メールをする話題も尽きてきた頃にその男性と会うことになった。
会う前日は何を話そうか頭の中でシミュレーションし、眠れなかった。
当日待ち合わせの場所へ行くと、その場所へ現れたのは樺地崇弘のような容姿の男性だった。
全く私の好みではないが、自分が他人の容姿について贅沢を言える立場ではないのは心得ていたので数回会うことにした。
彼は根気よく私の話を聞いてくれた。
なにより私のアニメ好きを暖かく肯定してくれたのが嬉しくて付き合うことにした。
デートのたびに彼は私のことを好きだと言った。
「好き」という感情がわからないままだった私は、それに対して「ありがとう」と答えた。
1年程付き合った頃、彼にプロポーズをされた。
相変わらず恋愛感情というのがわからないままだったが、この人とならなんとかやっていけそうだと思ったので承諾した。
結婚の準備をする中で彼の新たな一面を知ることがきた。
将来のビジョンを明確に持っていて、話し合いながら私の意見も尊重してくれた。
結婚の準備をしながらひとつひとつ彼のことを知るうちに「好き」という感情が芽生え始めた。
しかし私は異性にそれを伝えたことが一度もない。
付き合う時ですら「付き合ってください」と言われて「はい」と言っただけ。
プロポーズされた時ですらそう答えた。
好きという感情をどう伝えれば良いのかわからず、一週間悩んだ。
私の父のお見舞いへ行った帰り道、疲れた彼は新幹線の中で眠ってしまった。
トイレに行くフリをしながら回りの座席に乗客がいないのを確認する。
そして再び席に座って深呼吸をした。
私は蚊の鳴くような声で「○○くん、好きだよ」と独り言のように呟いた。
すると眠っていた筈の彼が目を開けて飛び起きて、私の方へ向き直った。
彼の顔はみるみるうちに紅潮し、目には涙が溜まっていた。
そんな表情を見たのは初めてだったので、それを愛おしく思えた。
仕事に関係しそうな記事とかを得意げに投稿しあってるオヤジ達。
オヤジ達が自分たちだけの小さい世界で満足してるのが、まず気に入らないです。
いい記事も多いのだけど、それは会社全体に伝えるべきだと思うけど、
自分のチームが成長することにしか興味が無いんだなって思ってしまう。
小さい会社でどのチームも密接に関わってるはずなのに。
そして、プライベートな時間で、わたしは仕事とどっぷり関わりたくないのです。
できれば業務以外の出来事共有位のつもりで繋がったのに、
業務時間外でもじゃんじゃか流される仕事を思い起こすような記事の数々。
「Facebookにもあげたけど、あの記事の通りで~~~」なんて話しされても分かりませ~~ん
2015/05/11 追記
会社ではChatworkを使ってるので、Facebookグループじゃなくそちらに書くように促してみたら、
「いやーやっぱりこのソーシャル時代、慣れるって意味でもFacegook使ったほうがいいのじゃないかな?」
ですって。
自閉症の症状を調べると、これまでの人生で失敗してきたことが、全て自閉症が原因だと気付く。
自閉症がきっかけで、私は空気が読めない男となり、人から嫌われ、鬱病を患った。
何度も自殺しようか考えた。鬱で明日が怖くなり、睡眠障害も患った。
睡眠障害は過眠症だったので、一日中眠かった。それも周りから馬鹿にされ、更に鬱になった。
大学時代は極楽だった。講義ごとに人が違うから、人付き合いを気にしないで良かったから。
その頃には鬱は晴れたが、過眠症は治らなかった。
少しでも興味が無い講義は、とてつもない眠気が襲い、寝てしまっていた。
寝るのは良くないと思い、ひたすらノートに書く事に集中したら、眠気は全く起きなかった。
書く事に興味を持っていたら、成績が良くなってしまい、何度も表彰された。
同時に何か異変を感じるようになる。音を気にしすぎるようになった。
社会人になったら、過眠症が原因でよく叱責されるようになった。
「寝ちゃだめだ」と思えば思うほど眠くなる、後にそれがナルコレプシーと判明する。
営業部の美人局ババアの独り言だけが耳に入るようになる。先の聴覚の問題が現れる。
周りからはさして気にするほどでもない音だが、私には気になって気になって、常にイライラしていた。
私は電話の取り次ぎがとても下手で、相手の名前と会社名と誰宛なのかを覚えられなかった。これもよく怒られた。
上司に仕事の報告をするにしても、事前にカンニングペーパーを入念に作らない限り、「君、何言ってるかわかんない」と返された。
言葉が出ない。思い浮かぶ言葉が関係ない言葉ばかり。そして話がとても長くなってしまう。
その会社は寝過ぎで解雇された。自己都合退職という名目になったのがせめてもの幸い。
その結果、自閉症と診断された。
ここまで読んだ人なら気付くかもしれないが、私は話を要約出来ない。これについても後々後悔する。
結局何が言いたいか。
俺の隣の席もそういうやつだわ。
の三人が固まって配置されていて、うざいおっさんはコミュ充に話しかけまくりで、俺とは対立。
席替えがあってコミュ充が少し離れた席になって、俺とおっさんが隣同士で話す相手がいなくなったもんだから、小声でずっと独り言をブツブツ言ってる。
http://oimoimomomo.sakura.ne.jp
ねねは、清正の主たる秀吉の、糟糠の妻だ。
清正がまだ虎之介と呼ばれた幼い頃から、正則と共に実の子のように可愛がってくれた、所謂母のような存在だった。
ねねの存在があったからこそ、今この肥後25万石を納める加藤清正があると断言して良い。清正や正則と言った子飼いの将が、他の古参の将兵を差し置いて高禄を食める身分になれたのは、一重にねねによる推挙があったからだ。
だからこそ清正は、大坂城に登城する機会があればねね――いや、北政所となった彼女のご機嫌伺いを欠かさなかった。
この度の出仕もそうだったはずだ。
簡単な挨拶を済ませた(と言っても、ねね自身が堅苦しい挨拶を好まないので、形式だけのものでさえなかったが)すぐ後に、ねねが言った。
一体なんだと訝る清正だが、それを面には出さずにただ頷くいた。
ねねが名を呼ぶ。
はい、と返事があって、軽い衣擦れの音が耳に入った。「……清正」
何事だ、と眉をしかめて声の方向を無遠慮に見た清正は、ますます仏頂面になった。
現れたのは、年若い娘だった。全くもって見覚えもなければ、呼び捨てにされる筋合いもない。
とっさにねねの方に視線をやったが、彼女はただにこにこと笑っているだけで何の説明もなされない。
そうこうしているうちに、娘が清正に駆け寄ってきた。
「清正!?え、本物…」
「おねね様」
娘の手が清正の身体に触れようとした瞬間、耐えかねて清正は声を上げた。
清正の拒絶する態度がわかったのか、そう言った瞬間娘は手を引っ込めてぴたりと止まる。
「…あの、説明していただけますか」
少し不機嫌そうに清正が言うと、ねねはやや困ったような顔をした。ついで苦笑を浮かべて、おいで、と娘に向かって手を差し伸べる。
すると娘は何の疑問もなくねねの隣に座った。ねねの隣…つまり上座だ。
いよいよもって清正は訳が分からなくなる。
恐らくこの天下で二番目に権力を持っているのは彼女、関白秀吉の正室、北政所だ。
余談ながら、秀吉が小身だった頃から夫をよく助けていた彼女に、秀吉は頭が上がらない。また、ねねは豊臣政権の内政や人事も把握し、秀吉によく助言している。秀吉の目に見えないところをねねがカバーしているような格好で、彼女によって取りたてられた者も少なくない。
雌鳥歌えば家滅ぶという故事もあるが、ねねはそんなものは知らぬとばかりに、秀吉を、国政を支えたのだ。
ともあれ。
そんな女性の隣に、図々しくも座れるようなこの小娘とは一体何だ。清正の疑念はますます膨れ、とどまることを知らない。
さまざまな想像をする清正に、ねねが弾けるように笑い声を上げた。
「やだよ、清正。そんなに怖い顔をしちゃ」
「いえ、…そのようなことは」
「ごめんね、何も説明しないで。紹介したかったっていうのは、この娘のこと。夢子っていうのよ」
その夢子が一体何なのだと、清正は喉元まででかかった言葉を飲み込んだ。
無意識に視線を動かすと、娘が清正を凝視しているのが目に入る。
居心地の悪さを覚えて目を逸らすと、清正はねねの次の言葉を待った。
若干いらいらとする清正に、ねねはどこまでもマイペースかつ笑みすら浮かべて楽しげだ。
*** ** ***
というのが清正の正直な本音だった。納得出来ない。出来るわけがない。
何故こうなった、と清正は頭を抱え込みながら――隣を歩く娘をちらりと盗み見た。何も考えてなさそうに、少し楽しげに、弾むようにして歩くこの娘。
着物が変だ。丈が短すぎる。しかし、貧しいから丈を詰めていると言う風でもない。汚れてもいないし擦り切れてもいないし、何より露出した肌には貧困を表すものが何一つとしてなかった。思えば、南蛮人の着物の形に近いものがある。
ねねによると、突如として光の中から現れたという。そこからしてまず、信じることが出来ない。しかし、ねねは清正の大恩人。ここは素直に信じることにした。
しかし、百歩譲ってこの娘が光の中から現れたとしよう。問題はその次だ。
この娘が、今から4、500年先の世界からやってきたということ。
ねねは信じたらしいが、清正には無理だ。第一、4、500年の未来がどうなっているか想像もつかない。
秀吉やねねは、その人柄と広すぎる懐ゆえか、この怪しすぎる娘を稀なる客人としてもてなしているらしいが、清正には無理だ。
なのに現状、清正はねねからこの娘を押し付けられてしまった。いや、“押し付けられた”というのは表現が悪い。ねねは無理にとは言わなかった。『出来れば』という表現をした。そして、他ならぬねねの頼みだから断れなかったのは、清正だ。今更この決定を覆していては男が廃るどころか、大恩をあだで返すことにもなりかねない。
とは言っても、薄気味悪いとは思った。
なんの変哲もない娘であるが、口を開けばおかしなことしか言わない。
娘は初めから、清正のことを知っていた。
ねねや秀吉との会話から発展していったらしい。どのような詳細があったかは知らないが、ともかく、娘が“会ってみたい”と言ったそうだ。
そして今日に至った。
ねねの言い分としては、『故郷をとても懐かしんでいるから、かりそめとは言え、知った人間の元で過ごすのが一番だろう』とのこと。暗に、その恋人とやらの役をしろと命ぜられているかのようだ。
何より、本人の希望が強かったらしい。
今はおとなしいが、先ほどまではうるさいくらいだった。
清正、清正、と全く見知らぬ人間(それも小娘)から呼び捨てにされるのは、少々我慢がならない。
しかし、ねねの頼みを断ることは出来ないし、粗略に扱うことも出来ない。お願いよ、なんて手を合わせて頼まれたら断るなんてとんでもない。
(まったく、人がいい)
と思わないでもないが、そんなねねが好きだからと思えばそれ以上は何も言えない清正だった。
ともあれ、“客人の接待”と思えば良い。
屋敷に戻れば、部屋を確保し、家臣侍女に説明をしなければならないのだが、なんと言ったものか。
色々と考えをめぐらして、改めて面倒なことになったと思いながら清正は屋敷を目指したのだった。
ともあれ清正の行動は早く、“北政所様から客人をお預かりした。丁重に扱うように”とし、あとは黙殺していようと考えた。
ねねは、可能ならそばに置いてあげて欲しいと言ったが、機嫌を取れとは言っていない。
清正には他にも仕事があるし、この娘にばかり構ってはいられないのだ。
自室にて政務を執る清正は、こっそりと忍び寄ってくる気配を察知した。
普通なら何者だと人を呼ばうところだが、こんな白昼堂々、しかも気配だだ漏れでやってくる諜者がいるものか。何より、戦時でもないというのに。
何だ、と思っていると障子戸の向こうから声がかけられた。
一応返事をすると、控えめに開けられる。暫くぶりに顔を見た、あの娘だった。
文机に向かう清正を一瞥すると、どこか忍ぶようにして部屋に入ってくる。
「政務中だ」
一言断ると、分かっていると娘はしゃあしゃあと言った。だったら早く出て行けと心の中で思った清正だ。
娘はそんな清正など構いもせず、部屋の隅にちょこんと腰掛けると、どこから取り出したのか本を膝の上に置いて読む体勢を作った。
出て行く気配がないところを見ると、清正は嘆息をついてそう答えた。
初めは娘の視線が清正に寄せられていたが、暫くするとそれもなくなる。
しかし時折思い出したように娘の瞳が清正を見つめ、逸らされる。
当然のように会話はなく、わずかな物音さえ許さないそこは沈黙に包まれた。
それは、次の日も、その次の日も、その次の日もずっと続いた。
こっそりとやって来ては声をかけ、部屋の隅で本を読む。
読み終わっても出て行かず、ぼうっとしているか清正の後姿を眺めている。
そんな日が、続いた。
(何だ?)
と清正は訝ったが、その疑問をぶつけるわけでもない。
一度など、あまりにも静かで動く気配さえないので振り返ってみると、娘は打掛を布団代わりに部屋の隅で丸まって眠っていた。
清正は呆れる思いだったが、これを機にと思って気配を忍ばせて近寄ってみた。観察ばかりされているので、観察し返してやろうと。
よほど寝入っているのか気配に疎いのか、清正が近づいただけでは起きる様子も見せない。
畳の上に、短い(当代比)髪が散らばっている。
肌は白く、身体には傷ひとつなく、教養はないくせに読み書きは出来る。行儀作法は全くできていない(どころか常識にも乏しい)が、やはり下層民ということはないらしい。
小さい顔だと、清正は己の掌と比べて思った。清正のそれで顔面が覆えるのではないかと、興味本位でそろそろと手を伸ばした時。
折悪しくも娘が目を覚ました。
慌てて清正が手を引っ込めると、娘はゆっくりと身体を起こして何をしているのかと尋ねる。
狼狽した清正が正直に答えると、一瞬娘は目を丸くし、ついで笑った。
「同じことしてる」
誰と、と問えば清正、と娘は答えた。清正が変な顔をして困惑を示すと、娘は手を振って違うと言った。
それを境に、清正と娘は少しずつ会話をするようになった。
といっても、大体にして娘がしゃべり清正が相槌を打つという格好。内容も大したことはない世間話から、二人の共通の人物である秀吉やねねのこと。この話題になると、清正も少しばかり言葉を話した。
だが、一番多いのは“清正”のことだ。――娘の恋人であるという、清正のこと。これは、半ば娘の独り言のようにして語られることが多い。
回想するように、懐かしむように。
そして、いとおしそうに。
「……清正、今何してるのかなぁ」
初めは興味なさそうに聞いていた清正であったが、次第にどんな人間なのか気になりだしてきた。娘の言うことには、清正と同姓同名で背格好人相もそっくり、声まで似ていて性格も類似しているとか。
そして何より、娘が“清正”を愛していると言う。
単純に、どんな男なのか気になった。
最初は放っておいたが、こない日が三日、四日と続くと何かあったのだろうか思うようになった。
それとなく家臣の者に聞いてみると、屋敷の外に出ているとのこと。供もつけずに。
放っておこうかとも思ったが、よくよく考えてみると、あの娘は北政所から預かった客人だ。白昼、秀吉のお膝元である大坂の武家屋敷で、妙な物がいるわけはないが、万が一ということがある。何より
あんな調子で他の者に話しかけていては、それが事情を知らぬ人間だったら命がいくつあっても足りない。清正は慣れたが。
考えあぐねた末、清正は娘の部屋を訪れることにした。事情を聞いて、必要があれば供をつけさせるよう、釘をさすつもりだった。
「供もつけずに、屋敷を抜けているらしいな」
突然の清正の来訪に、娘は驚いたようだったが、開口一番の清正の言葉にもっと驚いたようだ。
しかし驚いたのも一瞬で、はて、と言うように首をかしげてみせた。
「お供ってつけなきゃダメなの?」
この調子だ。
清正がため息を吐くと娘は、何よ、と戸惑ったような顔をする。
「だめも何も、普通身分の高い女性は供回りをつけずに出歩いたりしないもんだ」
「それでも、北政所様から預かった客人だろうが。お前に何かあっちゃ困るんだ」
どこまでも暢気そのものといった娘に呆れながら清正が言うが、彼女はまるで聞いてはいない。
嬉しそうな顔で、
「清正、私のこと心配してくれたの?」
などと言い出す始末だ。呆れ果てたヤツだ。
「とにかく、今度から外へ出るときは供をつけろ。世話役の侍女がいるだろ」
「あやのさんとお絹さん?」
「お前が勝手にふらふら出歩いて、怠慢だと叱責されるのはその二人だからな」
「え?!そんな、怒らないでね!私が勝手に…」
「これからはそうするな言ってるんだ。大体、何しに行ってんだ」
清正の問いに、娘は、どこかもじもじしてはっきりと答えない。
答えたくないのなら、と踵を返そうとした清正の裾を捕まえて、娘が、犬!と答えた。
「…散歩してたら、子犬が捨てられてたの。かわいそうだから、餌やりに行ってただけ」
別に怪しいことしてないよ、と娘は付け加えたが最初から疑ってはいない。
そうすると、確かに家臣の言葉と一致する。屋敷を出る前に厨によって、弁当を作ってもらっているというから尚更だ。
俺も焼きが回ったかな、なんて清正は歩きながら考えた。
供回りはなし、私的な用事で家臣を連れまわすことは出来ない。ごく軽装に身を包んだ清正は(といって、普段から質素であるが)、娘と二人で通りを歩いている。
どんどんと入り組んだ道に入って行き、しまいには神社のようなところについた。
こんなところもあったのか、としげしげと周囲を見渡す清正の視界の中で、娘が境内に走っていく。
清正が娘の後を追うと、太い木の根元に、布に包まれた子犬がいた。生後三月といったくらいか、すでに顔つきは成犬のそれに近づいている。
娘はそれを撫で、声をかけた。すると子犬の方も懐いているのか、かがんだ娘に飛びつきじゃれ付いた。
子犬と戯れる姿は、無邪気そのものだ。そしてその笑顔は、今まで見たこともないほど輝いている。本来はこのように笑うのだろうかと清正は思った。
むっつりと考え込む清正の名を、娘が呼ぶ。
「ねえ、清正も触ってよ。もう、可愛いんだよ、人懐っこくて」
懐いているのは餌をもらったからだろうと思ったが、清正がアクションを起こすより先に、子犬の方から清正の足元にじゃれ付いてきた。
今まで特別に犬猫に何か思ったことはなかったが、懐かれて悪い気はしない。
「…まんまだな」
「いいでしょ、別に」
つっこみを入れた清正に、娘は少しばかり頬を膨らませて抗議した。
暫く無言で犬を眺めていた清正だが、立ち上がって帰るかと娘を促す。
一瞬、娘がなんとも言えないような瞳で清正を見たが、何も言わなかった。最後にクロをひとつ撫でて、また来るねと呟く。
清正は腰に手を当てて、そんな様子を見ている。
「飼うんじゃねえのか?」
と一言尋ねた。
すると、弾かれたように娘が顔を上げ、清正を凝視する。
清正がそれ以上何も言わないところを見ると、娘はありがとうと叫んだ。
「クロ、今日は一緒に帰れるんだよ!」
*** ** ***
ふと、通りがかった清正の目に、縁側に座り込んだ娘の姿が入ってきた。
わざと足音を立てて近付くが、娘がそれに気づいた様子はない。相変わらず気配に疎いヤツだと清正は思う。
娘は、縁の下に座っているクロを撫でながらぼんやりと空を見上げている。
しかしその横顔には、そこはかとない哀愁があって、望郷の念に駆られているのは明白だ。
清正はそんなことを思って、羽織を娘の頭からかぶせるように掛けた。
それでようやく、娘は清正に気づき、こちらを向いた。
清正が声を掛けると、娘は羽織を肩から掛けなおしてありがとうと呟いた。
そして清正を見上げて、微笑む。
「優しいね」
「…別に。おねね様から託された客人に何かあったら事だからな」
嘘は言っていない。清正がむっつりとして言うと、娘は肩をゆらしてクスクスと笑った。
そんな笑顔にほっとした己に気づいた清正は、誰から指摘されたわけでも、ましてやその安堵を悟られたわけでもないのに、
(別に)
そんな狼狽を誤魔化すようにして、清正はどうしたんだ、と言葉を紡ぐ。
「月なんか眺めて。ゲンダイ、とやらが恋しくなったのか」
「分かる?さすがは清正、一心同体ね」
なんでそうなるんだ、と清正は呆れたように口を閉じた。
「あのね、考えたことがあるのよ。聞いて。…今、目の前に居る清正と、…あなたのことね。あなたと、私の恋人の清正は、やっぱり違うなって」
「当たり前だ。俺は俺以外の何者にもなった覚えはない」
「それは、そうだけどさあ」
そして彼女の住まうニジュウイッセイキとやらには、清正とそっくりの“清正”が居て。…なんて途方もない話。
「でも、やっぱり似てる」
「…前にも聞いた」
「しゃべり方もね、むっつりした顔もね、全部全部。ご先祖様かな?それとも前世の姿かしら。不思議だわぁ…」
「俺は、俺だ」
伸ばされた手が、清正の手に触れた。
控え目な手つきは、清正の手の重さを測るように軽く持ち上げたあとさっと撤退していった。
「やっぱり、ここは戦国時代なのかぁ…。そうよね、あなたは戦国武将で、私のことをお世話してくれたおねね様っていうのも、…北政所様ってやつみたいだし」
「そうね。あなたは、清正!っていうよりもはや清正様って感じだもの。呼び捨てなんて恐れ多いわ」
と言うものの、娘は清正を呼びつけにする。
当初それに抵抗があったものの、慣れとは恐ろしいものだ。今の調子で娘が“清正様”なんて言おうものなら、かゆくて仕方がないだろう。
娘の話は続く。
「私の“清正”は、なんかちょっと尻に敷かれてる感じはあるし、似ててもやっぱり別人ね」
どこか苦笑気味に娘が言う。
清正はどこか違和感を覚えた。清正を呼ぶときのそれと、彼女の。。。清正を呼ぶ声音はまるで違うのだ。
「…お前の清正とやらは、よほど腑抜けらしいな」
違和感をかき消すようにそう呟くと、娘がくわっと睨みつけてきた。
「女の尻に敷かれる男なんて、腑抜けだろ」
「そんなことない!っていうか、秀吉さまだっておねね様の尻に敷かれてるでしょ」
「愚弄する気か?!」
「愚弄じゃないもん、本人が言ってたの!“わしゃあねねには頭が上がらんでの~”って」
「……」
想像するだにかたくない。それゆえ、清正は反論の言葉を失った。
黙りこんだ清正に、娘はすこしばかり申し訳なさそうにした。
「まあ、気分を害したのなら謝るけど。…でも、“清正”を他の人からそんな風に言われるのは、いやだなって」
「悪かったな」
「いいよ。そりゃあ、大名のあなたから見たら取るに足らないかも知れないけど、それでも“清正”はいい旦那様なんだからね。恋愛面ではちょっとヘタレだけど、それ以外だったら男らしいし、指圧うまいし、ノート超きれいに取るんだから!」
「そーかよ」
「そうよ」
少しばかり意味の分からない言葉もあったが、清正は適当に流した。
しかしそんな清正に構わず、娘は大いに胸を張る。自分のことのように誇らしげだ。
「まあ、オカルトはちょっと苦手でちょっと照れ屋だけど、料理は出来るし、朝も起こしてくれるし、本当に結婚したいくらい最高なのよ。清正の作るモヤシ炒め、食べたいなぁ…」
「清正は、俺だ」
「ジェンダー!“清正”はそんなこと言わないもん。むしろ『お前料理、味薄すぎるんだよ。俺が作る』とか言ってくれるんだから。最高よねえ、ホント」
「だから、俺が清正だ!」
鼓膜をびびりと揺るがすような清正の声に、娘はびくりと肩を揺する。娘どころか、縁の下のクロまでもピンと耳や尻尾を立てて驚いている。
覚えず大声を出してしまった清正は、彼女の反応でわれに返った。口をつぐみ、たまらず目を逸らした。
「…悪い」
「いや、大丈夫」
(何を馬鹿なことを)
清正の心中、後悔の大嵐だ。こんな詮無いことで怒鳴っても仕様がないというのに。
大体何を苛立っているのだと自問しかけて、清正ははっとした。
一方で娘は、清正の胸中など少しも知らず悩ましげなため息を吐き、帰りたい、とこぼしながらクロを撫でている。
「お前とのお別れはさびしいけどね。きっと清正が責任持って育ててくれるから、安心しな。…清正は、何してるんだろうか」
無意識に繰り出した手が、娘の手を掴んでいる。驚いて清正を振り返る彼女の肩を、もう一方の手ががっちりと掴んで離さない。
目を丸くした娘が何事か言葉を紡ぐより先に、清正が言った。
「俺は、ここに居る」
清正の正面の丸い瞳の中に、清正の姿が映りこんでいる。そして、恐らく清正のそれにも彼女の姿が。
言葉も出せずに固まっていた娘であるが、子犬が膝にもっとと言うようにじゃれ付いてきた拍子に、金縛りが解けたようだ。
少し恥ずかしそうに目を逸らしてから、苦笑し、娘はかぶりを振った。
「…参ったな。少しドキッとしちゃった」
「清正は、俺だ。俺が清正だ。。。。。」
「でも、…私は、“清正”じゃないとダメだ。だってね、私の好きな清正は、あなたみたいにびしっと決められない。でも、そういう清正が、私は好きだから」
「夢子、」
恐らく初めて、名前を呼んだ清正に娘が目を見開いた。
「…名前、知ってたんだ」
当然だと、清正が答えようとしたまさにその瞬間。
すっと娘の身体の輪郭がぼやけた。ぎょっとする清正の前で、娘の身体は色を失い、後ろの風景が透けて見えるまでになった。
「どういうことだ…?」
「帰れるみたい。清正“様”、これまでお世話になりました。豊臣ご夫妻にもよろしくお伝えくださいませ。…クロ、元気でね」
もう随分と薄くなった身体で娘はクロの身体に触れる。感触がないのか、クロは不思議そうな顔をするだけで。
清正は思わず捕まえようとして手を伸ばしたが、透き通るだけで掴むことは出来ない。
「ありがとう。清正の所に、帰るね」
その言葉を最後に、清正の前から人一人が消えた。「…っオイ!」
蛍がいっせいに飛び立ったような光の残像だけを残して。
どこか呆然として、清正は廊下に落ちた己の羽織を拾った。確かに暖かい。――体温はほのかに残っていると言うのに。
何もなくなった虚空を見つめていると、縁の下からクロが顔を覗かせて鼻を鳴らす。主の不在を嘆いているようにも見えた。
無意識に手を伸ばしてそんな子犬の頭をなでると、清正はぽつねんと言葉をこぼした。
「…清正って誰だよ…」
~fin~
会社の隣の席のおっさんは独り言を言いながら仕事をするかまってちゃんなんだけど、独り言で「は?」とか言うからマジいらいらする。
自分の前の席が空きそうだったんだけど、自分の隣、空く席からは斜め前の位置のジジイが割り込んできた。
腐っても老人なので普通の相手であれば譲ったのに、
席が空く前から「絶対俺が座るぞ」アピールが強すぎてイラッとしたので、あえて譲らずに自分で座った。
普通に座ればどう考えても自分の方が先に座れるし実際そうなったんだけど、
手を伸ばしてきて手だけでも先に席に付けて俺の席だと自己主張してみたり、
挙句の果てには自分の上に無理やり座ってきたのにはドンビキした。
結局もう一つ隣の席も空いたので、自分がややそちらにずれつつ、
ジジイは狭い隙間に窮屈に座る(尻の端をこちらの脚にやや乗り上げるくらいの感じで)という痛み分けみたいな状態になった。
ガチで争いにはならなさそうな範囲でやり返すという微妙な線を探った結果こうなった。
今でもガチでやり合うべきだったんじゃないかと少し後悔はある。
私がTwitterを始めたのは高校入学したばかりの頃だった。
私は自信のない人間だった。当時は自分に自信がないってことに気づいてすらなかった。
周りに合わせないと嫌われる、絶対に素を出しちゃいけない、って常時自分に言い聞かせてた。
コミックやアニメが好きで、でも腐女子じゃなくて、男子のオタクに声かけて混じるほどでもなかったから、
腐女子のふりをして腐女子グループに合わせてたっていうのもあるかもしれない。
けど、とにかく、余計なことをしたら嫌われるって固く思ってたし、
迷惑をかけたくない一心で、向こうから声かけてくれる人以外とは話さなかったから、趣味の問題は関係ないかもしれない。
今考えると迷惑をかけたくないんじゃなくて自分が傷つきたくなかっただけで、馬鹿だな自分って思うけど。
親や先生が時々「友人を選びなさい」って言うのを聞くといつも、
「友人を選べる立場になんてない、私は選ばれるのをじっと待ってるしかない側の人間だ」って思ってた。
そういう時に、素を出しても嫌われても構わないような場所としてTwitterを始めた。
好きなこと書けた。
こう言うと愚痴とか書いてたみたいだけど、学校で気を張ってる分、
Twitterでは、いわゆるほえーとかはにゃーんとか、お菓子がおいしいとか、本当に独り言を呟くのと、
腐女子の人達の前ではあまり口に出せない、女の子キャラ可愛い、ゲームのやりこみ面白い、のような話が中心だった。
ほえーとかはにゃーんも誰かに可愛いと思ってほしかったわけではなく、自分で自分を癒すようなもので、他意はなかった。
でも面白いように男性が釣れた。ということなんだと思う。今になってみると。
当時はそんなことは分からなかった。素で話せる友達が増えてうれしい!と思ってた。本気でそう思ってた。
数回だけ、サシはなかったけど、オフもした。
年上がほとんどだったこともあるのか、Twitterのフォロワーさん達は親切で良い人ばかりで、
ヘタレっぽい人達であるところも含めてアニメの兄妹物に出てくる兄みたいだ、と、本気で思っていた。
そう言ったら喜ばれた。
一応JKである自覚はあったので、ホテル目的、というのも気をつけていたつもりだったけど、全くそんなことはなかった。
ただ、アニメやインターネットが好きなお兄さん達だった。たまにお姉さんもいたけど、数は少なかった。
ゲーセンでとったぬいぐるみをくれる人もいた。ご飯を奢ってもらったりもした。
どうして私みたいな、年下で話もつまらない女子に色々してくれるんだろう、なんて親切な人達なんだ。って思ってうれしかった。
しかも私は学校と違って素だったから、素の私でも受け入れてくれる人達がいるんだ、って思った。
その後も特定の人と特別に仲良くなって付き合ったりすることはなくて、いくつかのグループとして仲が良くて、私だけ女、というのがほとんどだった。
つまりオタサーの姫だった。
素の自分でも好いてくれる(恋愛の意味じゃなく)人がいる、ということが、だんだん染みこんでくると、
それで、それまでは部活なんてしたら迷惑になるだけで嫌われるから絶対にやらない、と思ってたのに、
大学入学の時に、自分のしたいことをしてみてもいいかも、素の自分にも友達できるかも、と思えるようになって、サークルに入った。
それでも一日数ツイートは続けていたんだけど、私がうかつで、親にアカウントがばれそうになって、色々あってアカウントを消した。
仲良くなったフォロワーさんとは、まだちゃんとLINEやFaceBookで連絡がとれるから別にいいか、というのもあった。
まだその時にはオタサーの姫という言葉はなかったけど、自分がそういう存在だったのかもしれないという自覚が出てきて、悲しくなったというのもあった。
今でも、オタサーの姫が揶揄されてるのを見ると、複雑な気分になる。
誰にともなく言い訳したくなる。
別にそういうつもりじゃなかった。姫に奉仕することを、お兄さん達に強いてたのならすみませんでした。
でもお兄さん達のおかげで、私は本当に救われたし、少しは自分から人間関係が作れるようになりました。
まだそれほど上手じゃないけど、今では接客業のバイトも始めました。
あの時仲良くしてもらって私は本当に嬉しかったんです。
それは姫として扱われたからじゃない、それとは関係ない、姫じゃなくても構わなかった、と言いたいけど、
当時の私はたぶん、姫扱いしてもらうくらいじゃないと、「迷惑かも」「嫌われてるかも」と思って、オフに参加したりできなかったと思う。
だから、姫じゃなかった、ただ仲が良かっただけとは言えないけど、
でも、姫として得をしました♪オタサーの男どもちょろい♪というようなことは、絶対に思ってません。
あの頃オタサーの姫でした。
そうじゃないとやっていけませんでした。