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2024-05-12

2次元美少女コンテンツ レッドオーシャン格付け

一部重複あり。

気が向いたら追記します。

成功難易度激高、参入困難 ★★★★★

成功難易度高、参入かなり難しい ★★★★

成功難易度中、よく見かけるけどまだ擦られきっていない ★★★

見かけるけどあまり流行っていない ★★

全然見かけない、あるいは流行っていない★

とくに「そういえば意外と見たことないな」的なもの

追記

成功難度が低い」なんて一言も書いてなくて「流行っていない」としか書いていない。作品数が少ないかブルーオーシャンだけど、客が少ないかブルーオーシャンとも言える。

2024-04-04

自称学生のアレ

案の定反暇空の連中がアホみたいに担ぎ上げたことで

完全に降りられないところまで行っちゃったじゃん

この期に及んで嫌儲とかはてブみたいな反暇空色が強いところは

暇空最悪、学生(この設定を信じるフリするのもいい加減やめてやれよ)相手

かわいそうみたいなこと抜かしてるけど

ホントに最悪なのはアレを対暇空の鉄砲玉にしようとしたクズどもだろ

2023-11-07

anond:20231106233825

大人の娯楽書ではなく『空色勾玉』とか『ハリー・ポッターと賢者の石』とか勧めればいいと思うけどなー。一々検閲なんかしてられないじゃん。

2023-09-20

遊佐未森の思い出

好きなものを語りたくて、中学生当時、遊佐未森CD出会った思い出とか色々書いてみたものの、自分語り気持ちいからやっぱり全部消してしまった。

せっかくの出会いだと思って、ちょっと見てって。

代表曲地図をください」

遊佐未森を知らない人でも、シュワルツェネッガーが青い空の下で赤い車を持ち上げてるカップヌードルCMは知ってると思う。

あれで使われてたのが、遊佐未森の「地図をください」という楽曲

しかも使われた部分がサビじゃなくてAメロという面白さ。

CM雰囲気に合わせたんだと思うけど、あれはぜひ一曲通して聞いてほしい。

なんならそれだけで小旅行できちゃった気持ちになれるから

好きだからっていう贔屓目もあるけど、今聞いても全く色褪せてないの本当にすごいと思う。

かく言う自分も、15年くらい遊佐未森という言葉を忘れていた。

子供が成長して、書斎子供部屋に変えるということになったとき断捨離できなかった彼女CDを見つけて掃除BGMにしてみたのがきっかけ。

大体1988年から1993年作品なんだけど全然ふるさを感じさせないし、何なら最近個性派アーティストって紹介のされ方されても納得できるくらいに流行りに左右されない曲調だっていうことを、2023年再確認するとは思ってもなかった。

おすすめ楽曲

どれも好きすぎてランキングは作れないけど、せっかくだから10曲チョイスしてみる。

あくまで好みの話であって、名曲順ではない。

増田が好きなのはこんな曲なんだなって感じで見てほしい。

・M氏の幸福

・川

・夏草の線路

空色帽子

・山行きバス

・きみのなかに

旅人

ふたり記憶

・一粒の予感

星屑停留所

・0の丘無限の空

ときの駅

・I'm here with you

街角

10曲でおさまるわけなかった。

これでも厳選ライブラリ40曲くらいから絞り込んだ。

検索すればすぐに出てくるような代表曲も避けた。

並び順は好きな曲順でもなければ、年代作品バラバラに書いてある。

理由彼女作品の幅とかを先入観なく聞いてほしいから。だからあえて曲紹介もつけない。

・マイベスト3曲

全曲好きすぎるなかで、どうしても別格なのがこの三曲

シリウス

Destination

・桃

これが名曲だという意味でもなければ、人に勧めたいという曲でもない。

自分がこの3曲がどうしても好きだという表明。

どうしてかこの三曲琴線を鷲掴みにされてしまった。

久々に聞いても魂が静まるのがわかるくらいに落ち着く曲。

遊佐未森限定しない、人生で好きな3曲がこれ。(15年も忘れてたくせに。)

柔道部岡田くん

当時、中高通してアニメ研究所属自分とは住む世界が違う人間だと思ってたけど、たまたま席が近くなったときCDプレイヤーを聞いてたら声をかけてきた柔道部エース岡田くんは元気だろうか。

高校の終わり頃、J-pop全盛時代個性派アーティストを聞いてることを馬鹿にされるのが嫌で断ろうと思ったけど、そういう雰囲気でもなさそうだったので聞かせてみたところ目をキラキラに輝かせて感動してくれてめちゃくちゃ嬉しかった。

遊佐未森以外にも近藤名奈の「こんな日は早起きしてあなたに会いたい」でも盛り上がって、まさか高校の終わり頃にこんなに仲の良い友達ができるとは思ってもなかった。

オタク差別されるのが嫌で自分から壁を作っていたけど、差別してくるに違いないと色眼鏡で人を差別していたのは自分だったんだなと気付かされた出来事

彼との出会いがなかったら、人並みの人付き合いができないまま全く違った人生を歩んでいたと思う。

それをつないでくれた遊佐未森と、色眼鏡をかけていたのは自分だったと気づかせてくれた岡田くんへの感謝あらためて増田の片隅に。

2023-09-11

恐ろしい夢を見た話

増田大学2年、女。

昨日の夜から今日の朝にかけて、恐ろしい夢を見た話がしたい。

どこにも吐き出せないからせめてここにだけ書き残させて。

夢の内容は

高校時代の友人と数年ぶりに会って現在自分生活高校生活を振り返りながら談笑する」という字面だけ見れば何ら恐ろしい要素は無い他愛のない夢だった。

その友人との関係性を加味しなければの話だが。

・・・

その友人はみらい(仮名)という名前だ。

元々面識はなかったが、高2の新学期コロナによる数ヶ月にわたる臨時休校狭間で行われたクラス替えで同じクラスになり自己紹介で私が「趣味読書で◯◯◯◯◯と◯◯◯◯が好きです」と言ったのがきっかけで仲良くなった。

自己紹介が終わって自由に席移動して気になる人と話していい時間になった時、私は元々友達が少ないためクラス内に友達がいないこと、そして他人に執着しない性格だったこともあり手持ちの本を読んでやり過ごそうとした。

すると、「ねえ、◯◯◯◯◯好きってホントわたしも好きなんだ〜」とみらいが話しかけてきた。

第一印象は「綺麗だな」だった。

二重まぶたに通った鼻筋、光を湛える黒目がちの瞳、細く白い腕、赤い唇。

どこをとっても絵に書いたような美少女だ。

◯◯◯◯◯は私達の世代が好んで読むような作家ではないので本物の読書家だということは問わずとも明らかだった。

その後時間の許す限り◯◯◯◯◯や他の好きなこと、部活などの話をした。

その日の下校の時にはどちらともなく先生の目を盗んで校内でスマホの電源をつけ、LINEを交換するほど意気投合していた。

その日から臨時休校で暇を持て余していたこともありほぼ毎日のようにLINEでいろいろな話をした。

初めて話したときからなんとなく感じていたが、みらいは私と思考パターンが似ていた。

そして学力もほぼ差が無かった。

得意な教科の話になったとき時、二人とも同じ教科を挙げた。

その教科は私が1年の間たった1度だけ1位を名も知らぬ誰かに明け渡してしまった教科だった。

まさかと思いながら「もしかして1位取ったことある?」と返信した。

すると、「もしかしてずっと1位だったの◯◯(増田の下の名前)だったの!?私、1回だけ1位取ったことあってその回以外はずっと2位だったの!」と返ってきた。

こんなことってあるのかと思った。

それと同時に彼女のは切磋琢磨しあえる良い関係になる予感がした。

臨時休校が明けて登校が始まると私達はさらに仲良くなった。

それとともに私の中には負の感情が巣食いはじめた

初めて遠隔ではない担任の授業を受け、二人で談笑しながら教室へ向かっていると、担任からしかけられた。

増田新川(みらいの苗字)(仮名)!お前ら1年の頃から同じクラスだったのか?」

担任にはそれぐらい仲がよく見えたのだろう。

「違いますよ〜!担任なら前のクラスぐらい把握しておくのが筋ってもんじゃないですか〜?」

とみらいが軽口を叩いているのを横目に見ながら私は内心嬉しくて堪らなかった。

こんな美少女と対等な友人関係を築けていることが他人の目から見ても明らかなこと、私はその事実歓喜した。

しかし、その数日後私は地獄を見た。

その日、授業が終わると担任ロッカーを整理しているみらいの所へ向かうのが見えた。

その数秒後、廊下から二人の笑い声が聴こえてきて、今度は私のもとに担任がやってきた。

その担任第一声が

「ごめん。新川増田だと勘違いして声かけちゃった。だってお前ら背丈といい雰囲気といいなんか似すぎなんだよ。」

だった。

信じられなかった。あの美少女を私だと見間違えるなんて。

だって私は重い一重まぶたで背も彼女ほど高くはない。

それなのに見間違えるなんて許せない、彼女の美に対する冒涜だとさえ感じた。

きっと委員会の連絡か何がだったとは思うが、担任のその後の言葉が頭に入ってこないほどの衝撃だった。

担任と会話したあとチャイムがなったので自分の席に戻るともう一度さっきのことについて思索を巡らした。

そこで私は気付いてしまった。

私がおかしいということに。

普通人間なら心の中で喜ぶべきことを私は赦されないことだと感じて、しかも怒りさえも感じた。

どう考えてもおかしい。

他人に執着しないはずの私が、彼女には彼女に対しては何故かこんなに心を掻き乱されている。

もう手遅れだった。

その頃にはもう彼女への、そして彼女の美に対する感情はもはや信仰の域に達していたことを、その時ようやくわからされた。

私とみらいはいつもそばに居た。

休み時間になると彼女の方から私の所へやってくるのが当たり前だった。

その美しさや性格から友達は多いが、その数多くの友達の中で私のことを選んでくれた。

それが私にとっては至上の喜びだった。

クラスメイトが

「みらいちゃんかわいい〜」と言うと

みらいは

「まぁね〜」と当たり前だとばかりに返答していた。

そんな彼女自己肯定感の高さがこの上なく好きで、でもそんな彼女が眩しかった。

だってはいつも彼女の影だったから。

彼女が他のクラスメイトの「かわいい」と言われる時、私はいつも息苦しかった。

私をかわいいと言ってくれる人はいいから。

当たり前だ。わかってる。私が彼女より醜い事は私自身が誰よりも知っている。

決して表には出さなかったが称賛を全てほしいままにしている彼女が横にいると気が滅入ることも多々あった。

それでも私は彼女と一緒にいた。

二人でいる時だけは、その美しい瞳に私以外は映らないから。

それから数カ月後、修学旅行が始まった。

もちろん全ての行動を共にした。

一日目は某県の某資料館へ2学年全員で向かった。

みらいも私も暗い場所は苦手なのでドキドキしながら入館した。

手が触れたのを契機に、どちらともなくお互いに指を絡めて相手の震えを感じながら暗い館内を歩いた。

私は手汗が出やすい体質なので1度手を解こうとしたが、

「怖いから話さないで」と小声で訴えられたので逆らえるわけもなく結局出口までそのまま向かった。

その次の日は班別活動で某県の某洋館へ向かった。

私がお土産を見繕っていると、みらいが

「ねえ、◯◯こういうの好きでしょ?」といきなり声をかけてきた。

彼女の指差す先には、色とりどりの硝子でできた美しいエジプト香水瓶(中は空)があった。

美しい曲線と精緻彫刻

まさに私の求めるもののものだった。

凄く綺麗……とつぶやく

「全部一点ものらしいよ!せっかくだからお揃いで買おうよ!」とみらいはもう買う気満々でその手の中には桜色の香水瓶が収まっていた。

私は彼女のそれとデザインの一部がよく似た空色香水瓶を選び二人でレジへ向かった。

その日の夜食ホテルレストランで食べた。

なかなか量が多く、少食気味なみらいは食べきることができるのかと心配になったのでそれとなく隣にいる彼女を見やるともう限界という顔をしていた。

すると彼女の方から

「これとこれ食べれる?」と言ってきたので有り難く拝借した。

それで終わると思いきや、デザートミニケーキの二種盛りがやってきた。

私はぺろりと平らげたが、彼女はどうしても最後の一つが食べられないようだった。

そして

「ごめん。これ食べれる?」と聞いてきた。

私はうんと言おうとしたが、

私の食器フォークはつい先程席を巡回しているホテルの方に回収されてしまったので食べる術がない。

手で食べるのははしたないしと逡巡していると

はい、あ〜ん」

と私の方に彼女フォークで刺したケーキ差し向けてきた。

同じテーブルの生徒の視線彼女の手と私の顔に集まり、恥ずかしさで頬に熱が走るのを感じた。

いつまでもこのままではいられないと思い、覚悟を決めて顔を近づけ、食べた。

修学旅行でそんなことが起こったため、その後の学校生活ではクラスメイトに彼女との仲をからかわれることも増えた。

「なんかみらいちゃん増田さんって二人だけの世界?っていうか独特な空気感あるよね〜」と言われたりなんかもした。

今まではそう感じたことは無かったがあの修学旅行を経ると確かにと思う自分も居た。

その関係に心地よさを感じる一方、今振り返ればどこか嫌悪感があった。

念のため言っておくと、私は普通の女だ。

小中学生の頃は普通男子と付き合っていたし、好きになるのはいつも男だった。

でも共学は嫌いだった。共学の女が嫌いだった。

あらぬ噂を立てて私と彼氏を引き離そうとする、そういう汚い女が大嫌いだった。

から高校女子校を選んだ。

中学時代仲の良かった先輩から

女子校は本当に生きやすい。男がいないとそういう争いとかもないし。」と聞いていたのもあり必死勉強して女子校入学した。

女子校は先輩の言う通り生きやす空間だった。

秘密の花園なんてのは空想だけれど、進学校だったこともあり皆自分が一番大切だから自然無駄な争いを避けるようになっていたから本当に生きやすかった。

彼女存在けが想定外だった。

今思い返すとというより当時から薄々感じていたが、みらいはボディータッチが多かった。

1日に少なくとも2回以上はハグしてくるし、堂々と人前で手は繋ぐし、とにかく距離感おかしい。

最初こそ戸惑っていた私も仲良くなるにつれて気にしなくなってきたものの、時折嫌悪感に近いものを感じることさえあった。

でも、やめてとは言えなかった。

だってそうされている時だけは自分特別だと感じられたから。

2年の3学期になって3年生0学期なんていう進学校あるあるワード教師の口から出始める中、彼女との関係が変わった(と増田勝手に思っている)出来事が起こった。

2学年最後模試だ。

その前の記述模試から国数英3教科に加えて理社科目が追加された。

その記述模試ではあの教科は二人仲良く同点だった。

最後模試マーク模試だった。

2年最後だしここで一つ頑張ってあの教科でみらいに勝ちたいと密かに思っていた。

毎晩負けまいと勉強して迎えた本番。

習っていない範囲もあったが自分勉強してカバーした分自身はあった。

3月、結果が出た。

私はその教科で全国一桁の順位を取った。

模試順位掲示されるので早速見ると、みらいは私のすぐ下の段にいた。

しか偏差値には20程の差があった。

私は勝ったと思う前に彼女の不調が気になった。

トイレに行っていたみらいがこちらに来て順位が張り出された紙を見ると

「やっぱり◯◯はすごいよ、」と一言言って自分の席に戻っていった。

その日は話しかけてもどこか上の空だった。

次の日、彼女は休んだ。

心配休み時間隠れてスマホを起動させ、LINEを開いてメッセージを送った

すると数分後

明日は行ける。心配かけてごめん。」と返ってきた。

こんな時まで謝ってくるのが彼女らしいなとその時は思った。

次の日予告通り彼女は帰ってきたが、いつものボディータッチは無いしなんだかひどく静かだった。

結局2年の終業式の日まで彼女はずっとそんな感じだった。

3年になるとクラスが離れた。

前はあんなに同じクラスがいいと思っていたのに、最近彼女の煮えきらない態度をあまり好ましく思っていなかったので実際の所は

嬉しさ7割悲しみ3割といったところだった。

しかしその思いはすぐ覆された。

一つがクラスメイトの私に対する反応だった。

2年の時みらいと私ともう一人のクラスメイトの3人でたまに会話することがあった。

3年に進級してそのクラスメイトとはまた同じクラスになったので声をかけると

素っ気無いそぶりですぐ別の友達の所へ向かっていった。

そこで私は気付いてしまった。

結局私は彼女が隣りにいなければ価値のない、何も特別なところなどない人間だと。

みらいとはクラスが2つ離れていたため頻繁には話すことは無かったが、たまに会話するとそれはそれは惨めな気持ちになった。

彼女友達が多い。

私にとっての彼女はたった一人の心を許せる友人だった。

けれど彼女にとっては大勢友達の中の一人でしか無いという事実に串刺しにされる気持ちだった。

から私は彼女抜きで特別になると決めた。

2月模試の結果が私の背を押してくれた。

私にはポテンシャルがあることを教えてくれた。

それだけに縋って、今までの人生でやったことのないぐらい死ぬ気で勉強した。

その成果は存外早く出て6月模試では早速学年1位に躍り出た。

この結果には教師陣も驚いたのか露骨におだててくるようになった。

それをあしらいながら只管勉強した。

7月、もう何ヶ月もLINEなんて送ってこなかったのにみらいから急に連絡が来た。

夏休み日中学校勉強するよね?

良かったらうちの部室くる?」という内容だった。

彼女美術部の期待の星で、大学も某美大を目指していた。

3年に入ってからは画塾にも通い始めたと聞いた。

彼女には夏休み特別に部室の一角占領する権利顧問からもらったらしい。

私はその誘いにあっさり乗った。

彼女と実質二人だけで過ごせる時間をみすみす手放す訳がなかった。

夏休み、みらいの部活の日はみらいの部室で、それ以外の学校開放日はひたすら教室図書館勉強をする日々が始まった。

部室ではみらいが自分の背丈ほどの大きさのキャンパスにひたすら油性絵の具を塗りたくっていた。

正直油性絵の具の匂いは苦手だったが、みらいと同じ空間にいる方が大切なので我慢した。

他愛のない話をしながら、彼女は絵を、私は過去問をそれぞれ仕上げていった。

そんな夏が終わると、また連絡を取る回数が減った。

それもそのはず、彼女は推薦と一般美大受験するため、画塾に通うだけでなく面接練習なども必要になったからだ。

私はただ勉強していった。

この頃には志望校偏差値を大幅に上回る成績を取れるようになってきた。

冬がやってきた。

去年のクリスマス彼女と一緒に過ごしたのに今年はひとりだ。

そんなことを思いながら夜食で出されたホールケーキの残りを頬張りながら勉強していると突然LINE電話がかかってきた。

みらいだ。

素早くスマホに手を伸ばし電話に出た。

「ねえ、受験終わったら卒業旅行行こうよ。

修学旅行でまわったとこ、また二人で全部回ろう」

みらいは電話越しにそう言った。

私が

「うん、絶対行こう。約束

と言うと

「うん。約束。」という言葉最後電話が切れた。

突然そんな提案をしてきたのには驚いたが、その約束は私を鼓舞した。

そして迎えた共通テスト

かつて無い手応えを感じた。

自己採点をするとこれまで取ったことのないほどの高得点だった。

私は私大1本だったか2月受験は終わった。

みらいは家の都合で国公立しか受けられないと言っていたか3月にならないと結果は出ない。

祈るような気持ち2月を過ごした。

3月の頭、卒業式があった。

式が終わってもみらいの元へ向かった

「◯◯、待ってた」

そう彼女は言った。

写真撮りたい」

そう言うと彼女は私にカメラを向けてきた。

自分顔面に自信が無い私はせっかくだから二人で映ろうよと言って彼女スマホを借りてツーショを撮った。

その後は卒アル落書きをし合って別れた。

案外あっさりした別れだった。

そのときはそれでいいと思っていた。

だって卒業旅行に行こうと彼女は言ったから。

その日、LINE彼女スマホで撮った写真が送られてきたのを最後彼女からLINEが送られてくることは無かった。

みらいは志望校合格したら連絡すると言っていた。

彼女志望校合格発表日が過ぎても連絡が来なかったので、私はある決意をした。

整形をする決意を。

幼い頃から親に「醜い顔で産んだから形代は出すよ。ただし、高校卒業したらね」と言われていた。

今こそその時だと思い、すぐカウンセリングの予約をし、施術プランと日程も決まった。

私の思い一重は施術とダウンタイムを経て左右差のない整った二重になった。

大学が始まってからもみらいから連絡が来ることは無かった。

私は私で上京したので新しい暮らしと新しい環境に慣れるので精一杯でみらいに連絡している時間もなかった。

二重になってから人生難易度体感20レペル下がった。

大学同級生とはすぐに仲良くなれた。

それこそみらいが高校時代同級生から言われていたように

かわいい」なんて言われるようにもなった。

高校時代までの私からしたら信じられないほど環境が変わった。

やっぱり美は正義だなと感じた。

前期は友達遊んだテストレポートと格闘している間に過ぎ去っていった

夏休みも終わりに差し掛かった頃、ふとみらいのことを思い出した。

そして私からLINEを送った。

時間後、数日後、数週間後。

待てども待てども返信が来ない。

それどころか未読無視をされている。

プロフィール画像などは変更されているかLINEを見ていない訳では無いだろうに。

つの間にか私は彼女LINE確認しなくなっていった。

しかし私は今でもふとした瞬間にかつての彼女を思い出してしまう。

例えば鏡で自分の顔を見るとき

いつだっただろうか。

私とみらいはあの時担任が言ったように本当に瓜二つだと初めて気付いたのは。

卒業式の後、送られてきた彼女と一緒に写った写真をまじまじと見てみると

私と彼女は鼻の高さ、形、口の大きさ、頭蓋の形が本当によく似ていた。

そう、違っていたのは目だけだった。

私が二重に整形したことで、私の目はぱっちりと開くようになり、彼女の瞳の形そのものになっていた。

今の私と彼女双子のようにそっくりなのだろう。

今の彼女はどんな顔をしているのだろう。きっと美しさが増しているだろう。

そんなことを、私は鏡で自分の顔を見ると考えてしまう。

・・・

今日見た夢は

みらいと数年越しに会って食事なんかしながら

近況や今までのこと、あの時はお互いをどう思っていたかについて話し合う夢だった。

美しいのは相変わらずだなぁなんて彼女を見つめていると、

「◯◯、整形したの?良いじゃん似合ってるよ」なんて言ってきた。

本当に彼女らしいなんて思っているとアラームの音で現実に引き戻された。

起きて夢かぁと思いながら十数ヶ月ぶりに彼女LINEを開いたがやはり既読はついていない。

午後、用事を済ませて家に帰って来ると既読がつくはずないのになんとなくまたみらいのLINEを開きたくなった。

その衝動のまま、トーク画面を開き、自分の送ったメッセージを目で追う

「みらい!最近どう?元気?」

見慣れたそのメッセージの上に目を向けると、そこにはそのメッセージを送った日付が表示されていた。

それを見て息を呑んだ。

そこに表示されていたのは

「1年前の今日の日付」だった。

こんなに都合のいいタイミングで夢に出てくるほど彼女の幻影をいつまでもいかけている自分が心底恐ろしい。

という話。

2023-07-17

anond:20230717163905

ありがとう、それではない。

しかしそんなふうに「かき氷機をやたらに複雑にしたような、妙な機械」の候補がたくさん寄せられたら面白いなと思った。

私が見た機械は全体が空色をしていて、中央部の複雑な機構部分に一部黄色があった。

なにかの加工機械のようなたたずまいだった。

2022-09-12

ある戦いの顛末戦果の報告

鼻にむず痒さを感じ、ティシューを2枚取る

ティシューで包み込むように鼻を覆い、紙の上から右の小鼻を右手人差し指で抑える

まず左側の鼻腔から呼気を勢いよく排出する

少し湿った音が発せられ、同時に微かな爽快感を感じる

同じように呼気の排出を2度繰り返す

今度はただ空気が出る音だけが響く

次は左の小鼻を左手人差し指で抑える

同じように3度、右の鼻腔から呼気を排出する

こちらはただ乾いた空気が勢いよく出る音だけが繰り返し響く

ティシューで鼻の下を拭いつつ、二つに折り畳みながら鼻から離す

だが、まだむず痒い

ただし、先ほど感じたむず痒さではなく、なにかサワサワとくすぐられるような感触がする

右手人差し指の横側で鼻下をこする

軽く鼻から息を吸い込む

変わらずまだむず痒い

一昨日の夜、鼻毛カッターで鼻腔の外側に近い鼻毛を根こそぎ短くカットして以来の鼻の鏡像を見る

よく観察すると右側の鼻腔から毛が出ている

たった70時間ほどでここまで伸びるのかと感心するほど、鼻腔の外へ毛が伸びている

毛抜きを持ち、その飛び出た毛の先端付近を掴む

引き抜くために指先に力を込め引っ張る

しかし、毛は毛抜きからスルリと滑り抜ける

時間差で抜き損なった痛みだけを感じる

右目をじんわりと涙が濡らす

再度、鏡を覗きながら鼻下を伸ばし、飛び出た毛の先端から5mmほどの部分を毛抜きで掴む

軽くひっぱり、毛抜きでしっかりと把持できていることを確認する

少し息を整える

先程の未遂で残された痛みを反芻し、同じ失敗をしないようにと脳内シミュレートする

落ち着いた呼吸のおかげか、心は驚くほど落ち着いている

これは確実に成功裡に終えるだろう自信が湧き上がる

毛抜きを挟む指先に力を込め、一気に引き抜く

「ブッ」という音を追いかけるように、鼻の奥に鋭い痛みが走る

毛抜きの先端を見るとしっかりと把持された一本の毛が確認できる

そして、やはり鼻の奥にはじんわりとした痛みが残る

計測すると23mm

きっと彼は一昨日に見舞われた非道な大虐殺の生き残りなのだろう

仲間をいたずらに傷つけられた怨嗟を「むず痒くする」という唯一の対抗策で表明したのだろう

23mmを白いコピー紙の上に置き、スマートフォンで記念に撮影をする

メッセージアプリを開き、最上段に固定表示された妻のアカウント指定する

写真選択し本文には「23mm」と短い文章を添えて送り出す

背を押した23mmは電子の海に漕ぎ出し、幾つかの基地局を経て妻のスマートフォンへ向かうのだろう

この現代社会構成する大切な通信インフラを構築するために、日夜研究を続けた研究者の助けを借りてきっとたどり着くのだろう

『長いね

から本文とは真逆の短い返信が届く

かに長いが、まだまだこんなモノじゃないと少し感情が波たち、23mmをティシューに包みゴミ箱へと埋葬する

窓の外を見やると、真夏空色から幾分か白さを増した秋の空が広がる

近隣の幼稚園から運動会演目である太鼓の音が風に乗って流れてくる

太鼓を叩く彼らにもいつかはきっと23mmがやってくるだろう

その時の社会は一体どんな技術で満ち溢れているのだろうか

ただただ、楽しみだ

2022-09-08

なんでオリジナルでやらないんだろうなあ

ロードス島戦記みたいに褐色の肌のエルフの出てくるオリジナルファンタジーを作ってそれで勝負するんじゃ何故駄目なのか、さっぱり分からない。

ゲド戦記白人ばかりの既存ファンタジーに対する反発、

空色勾玉シリーズ日本独自ファンタジーを描きたいという意欲、

十二国記銀河英雄伝説に対する「死なないラインハルト」という着想から

ゲーム・オブ・スローンズ指輪物語への疑問からまれ作品らしいし

そうやって既存作品に対する批判独自昇華して新しい作品が生まれていく分には肯定的に見る人も多いのでは?

2022-05-25

anond:20220523225431

偉大なる青にして青の王 純粋の炎ゆえに青く輝く最強の伝説 

全ての力を従えし万物調停者の御名において 青にして空色の我は万古の契約の履行を要請する 

我は王の悲しみを和らげるために鍛えられし一振りの剣

ただの人より現れて 歌を教えられし一人の魔女 

我は招聘する精霊の力 我は号する天空を砕く人の拳

我が拳は天の涙 我が拳は天の悲しみ 

勅命によりて我は力の代行者として魔術を使役する 

完成せよ 精霊

2022-05-11

蔵書数とかわかんないけど凄いと思った百合漫画TOP?15を選ぶ

https://anond.hatelabo.jp/20220510105802

独断偏見による百合版やるね。

なるべく連載終了して評価が固まったものにする。

網羅してる自信は全くありません。

力尽きたのでとりあえず15作品します。思いついたら追記するかも…。

15 レンアイマンガ / コダマナオコ

  • コダマナオコ作品は(失礼ながら)小粒な印象があるんですが、これはなんだか好きなんですよね。一緒に頑張るのがいいんですね。たぶん。

14 Cotton Candy / 浜野りんご

13 相方システム / 袴田めら

12 雨でも晴れでも / あらた伊里

11 茶番劇 / りおん

10 エビスさんとホテイさん / きづきあきら + サトウナン

9 終電にはかえします / 雨隠ギド

8 水色シネマ / 乙ひより

  • 乙ひより作品どれも最高です。可愛らしさとさわやかな毒っ気というか…才能ですね。もう漫画描かないのかなあ。

7 かけおちガール / ばったん

6 ひみつ。 / 大朋めがね

5 オクターヴ / 秋山はる

4 青い花 / 志村貴子

3 となりのロボット / 西UKO

2 春とみどり / 深海

1 夢の端々 / 須藤佑実



どう入れるかなやんでいるもの

2021-07-13

和風ファンタジーと言ったら何と言っても空色勾玉シリーズでしょ!と思うけど

これってアニメ化とかはしてないのか

2021-06-17

ツイッターくせえなあ

こういう作り話・誇張話・脳内妄想を、自己顕示欲という名の風呂敷につつん独自ポエム口調で発信する、それがツイッターというプラットフォーム

おお臭い臭い

健診にきた90代女性エコー検査中に「私もういつ死んでもいいと思ってるんですよ、先生」って言うので「そう思えるってことは、素敵ないい人生なんですね」って言ってしまって。その後沈黙が続いたので、まずかったかなって反省してたら

「そんな風に言ってもらえるなんてとても嬉しい。」と。

2021-06-16 22:43:48

カノン🐳 @bluebeetle47

家族はみんなそれを言うとまだまだ頑張れってれいうのよ。私いろんなこと頑張ってきたのよ。もういいのよ。いい人生だったんですねって、ずっと誰かにそう言って欲しかったんです。先生ありがとう」って涙を流された。私ももらい泣きして2人で涙の超音波をした。

2021-06-16 22:43:49

カノン🐳

@bluebeetle47

医師 思いつくまま呟く垢 仕事ネタ育児ネタ 恋愛ネタ 愛車空色ビートル🚙に乗ってどこへでも♪ツイ消しと誤字脱字多めごめんなさい。ほぼフィクション アイコンGOMAさん @gomachan1026 thanks❤︎

2021-03-08

必読書コピペマジレスしてみる・やっぱりオススメの21冊編 (1)

思い出してどうしても書きたくなったので書く。

前回→ anond:20210301080225

小野不由美魔性の子

ベストセラー十二国記シリーズエピソード0なのだけれど、独立して読めるのでこれにした。

この作品に魅了された理由は二つある。一つは、二つの異世界出会うことで起きる惨劇SF的に面白いということ。こちらの常識が向こうには全く通じず、逆もまたしかり。ホラーではあるが、コミュニケーション不全の悲しみもある。作中の大量死の原因は、たった一つの誤解が原因なのだ

もう一つは、主人公の未熟さが残酷なほど明らかになっていくことだ。ある意味ファンタジーに逃避しようとする読者に喧嘩を売る態度で、後述するが僕は作者に喧嘩を売られるのが好きである

ヤスミナ・カドラ「昼が夜に負うもの」。

貧困による家族との別離恋愛もつれや政治的立場の相違によってばらばらになっていく幼なじみ人妻による少年の誘惑、昔の知人との思いがけぬ場所での劇的な再会などなど、個人的に好きな要素が濃密に詰め込まれている。それは安易な娯楽に堕しそうでいて、何とか踏みとどまっている。

カミュ小説では背景に過ぎなかった人々を主役にしているのもいい。「異邦人」のアラブ人はまったくの他者というか、理解できない原理で動く人格を描かれない、あるいはそもそも持たない存在だったように記憶している。

同著者の「カブールの燕たち」も面白かった。イスラーム原理主義者により公衆面前で恥をかかされたことで、妻は夫を軽蔑し、憎むようになる。タリバン政権下の苛烈描写は読んでいて苦しく、告発の書としても読めるのだが、同時に、ストーリー自体オペラのように派手なのだ。わざとだろうか?

小松左京「果てしなき流れの果に」

壮大な時間空間の中で行われる追跡劇で、歴史改変タイムパラドックス進化の階梯など、テーマスケールが大きすぎてこの長さでそれをやろうとするのは完全な蛮勇なんだけど、でもたぶん小松左京作品では一番好き。この作品にはエピローグが二つあり、そのうちの片方は比較的序盤に現れる。失踪していたある登場人物が帰ってくる場面だ。これを、小説最後まで読んでからもう一度読むと、深いため息が出る。本当に果てしない旅を経て、帰ってきたのだなあと。

扱われた科学技術は古びるかもしれない。未来世界女性観や社会描写も今では受け入れられないかもしれない。でも、表現しようとしたテーマは古びていない。SFはいだって宇宙時間の果てに手を伸ばそうと愚直なまでの試みなのだ

フリオコルタサル「石蹴り遊び」

冒頭で、パリのどこを歩いていてもお互いに出会ってしま恋人の話で始まったので、どんなロマンチックな話になるのかな、と期待したのだが、友人が服毒自死未遂したり恋人赤ちゃんが死んだりしてもひたすらマテ茶や酒で飲んだくれている、こじらせ芸術家ワナビを含む)たちのお話だった。

しかし、この作品には仕掛けがある。通常の順番通りに読む「第一の書」という方法と、著者に指定された順番で、巻末にまとめられた付録の章を挟みながら読む「第二の書」という方法、この二通りで読めるのだ。第二の書では章の番号が飛び飛びになり、まさに石蹴り遊びのようになる。そこでは第一の書で省かれていたいくつかの事実や、登場人物の秘めた行動原理が明かされる。そればかりか新聞から脈絡ない切り抜きや、この本の著者と思しき人物の晦渋な文学論を含んだ独白が含まれ、そこでは一貫性を過剰に求め、受動的にしか読もうとしない者が批判される。要するに読者に喧嘩を売ってくるわけだ。

読者に喧嘩を売る芸術が好きだ。なぜなら偉大な作家と同じ土俵に立てた錯覚を持てるから

シドニー=ガブリエル・コレット青い麦

「ダフニスクロエー」並にこっぱずかしいイチャラブもの。誰だって一緒に育ってきた少年少女が迎える性の目覚め的なシチュエーション萌えしまう時期があるのだと思う。もっとも、村上春樹作品場合、一緒に育ってきた幼馴染の男女は不幸な結末を迎えるのが常套なのだけれど。

少年人妻に誘惑され先に性体験をするというのも、王道でいい気もする。とはいえ、昨今は少女が先に目覚めるパターンも読んでみたいと思うのである

沢木耕太郎深夜特急

北杜夫の「どくとるマンボウ航海記」とか妹尾河童インド旅行記にしようかとも思ったが、終着地のロンドンについてからオチが笑えたのでこれにした(興味があったらこの二つも読んでください)。

元々はデリーからロンドンまでバスで行けるかどうかという賭けが旅のきっかけだが、「一人旅海外は二十六歳くらいがちょうどいい、それよりも若い経験値が少なすぎて、あまりにもすべてを吸収してしまおうとする」なんて趣旨のくだりがあり、初めての一人旅を読んでそうかもしれないとうなずいた。

少し前の時代旅行記面白い。今では身近なフォーケバブがすごく珍しいものとして書かれているし、天然痘が根絶されていない時代の怖さもある。一方、アフガニスタンイランが今ほど物騒ではなく書かれており、政変を身近な危険として感じることができる。

それはさておき、ほんと、スマホができて一人旅はずいぶんと楽になった。

アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ夜間飛行

強くてかっこいいことや、くじけずに挑むことに背を向けていた自分が気に入った数少ない強い人間物語。「星の王子様」が気に入った人は、ぜひぜひこちらを読んでほしい。いや、星の王子様子供向けに感じられた人や、表現が簡潔すぎたり抽象的過ぎたりしていると感じた人にこそ読んでほしい。あの物語の背後にあった、サンテグジュペリ飛行機乗りとしての経験がそこにある。

ウラジーミルソローキン「青い脂」。

はるか未来の、中国の影響下にあるロシア。そこでは文豪クローン物語執筆させることで、謎の空色物質を生成する、錬金術プロジェクトが稼働していた! この神秘物質をめぐって繰り広げられる陰謀の周囲には、ロシア文豪文体パロディあり、フルシチョフ×スターリンのイチャラブセックスあり、ナチス同盟を結んだ並行宇宙ソ連あり。

筒井康隆高橋源一郎矢作俊彦を足して三で割らずに、ロシア権威文学暴力セックスでぶっ飛ばす。ちなみにラストは爆発オチループオチだ。

筒井康隆残像に口紅を

章が進むごとに使える文字を一つずつ減らしていく趣向で、たとえば最初の章から「あ」の含まれ言葉を使えなくなっている。表現の自由と不自由について体を張って考える作品であり、使えない文字が増えるにつれ、新しい表現開拓しなければならない。その中で語られる文学論や自伝は、片言だからこそ重い。また、使える文字制限がある中での官能表現も、表現の自由について鋭く問う。

筒井康隆のすごいところは、狂っているように見える文章を書く才能だ。それがなんですごいのかっていうと、正気を失った人をそれらしく演じるのがとても難しいからだ。というのも、精神を病んだ人のなかにも、本人の中では一貫した理屈があり、全くのでたらめではないからだ。また、倫理観の壊れた人間を書くのがめちゃくちゃうまい。かなりグロ耐性のある自分も「問題外科」だけは気持ち悪くて読めなかった。これも、人間常識についてかなり深く考えないとできないことだ。

ちなみに、ジョルジュ・ペレックの「煙滅」はイ段の文字を一回も使わないで翻訳された小説で、これもただの遊びにとどまらない。語りえないホロコーストという事件モチーフにしていて、あるべきものが不在なのにそれが何かわからない居心地の悪さをテーマにしている。これが気に入ったらオススメしたい。

レフ・トルストイアンナ・カレーニナ

ドストエフスキーヤバいやつだが、トルストイもそれ以上にヤバいやつだ。家庭を顧みずに財産を国に残そうとする狂信者だ。正直、妻や子供たちがかわいそうだ。後期の「光あるうち光の中を歩め」もはっきり言って宗教の勧誘パンフレットであり、読んでいて内容が完全に予想できる。ヤバい新興宗教パンフレットのほうが何が書いてあるか予想できなくてある意味でまだ興味深い。

しかし、そんな将来そこまで頭の固くなる人間不倫の話を書いたのだから面白い。確かに、清純な愛を貫くいい子ちゃんカップル不倫カップルの対比はわざとらしい。けれども、まじめカップル愛情の細やかさと、一時の感情に負けた罪のあるカップル、どちらも美しい文章で書かれている。物事は正しくあるべきと考えている人間が、罪を犯してしまう悲しみを描いているのがいい。

これは、プロット道徳に完全に屈従させてしまう前のトルストイのすばらしさが詰まっている(そういうわけで好きな長篇の順番は年代順に「アンナ・カレーニナ」、「戦争と平和」、「復活」)。

あ、今思い出したけど、ソルジェニーツィンも好きだったんだった。

星新一「つねならぬ話」

作品根底には人間性への諦念が横たわっているのだけれども、初期の頃はそれが明確な暴力となって描かれていた。表現淡々としているが、殺人人類滅亡なんてよくある話だった。けれども、このころになるともっと表現が静かになっていった。悟りを開いた、というのとは違う。間違いなく諦念はある。けれども、苦い絶望とはまた別の感情がこもっている気もする。非SFのものが多いのも面白いので、星新一の芸風に飽きた頃に改めて手に取ってほしい。

続く→ anond:20210308082031

2021-01-28

 夜分に失礼します。中谷です。一昨日のまんがタイムきららオープンオンラインで優勝したことを受けて、今まで・大会中に抱いていた思いを吐露してみようかと思います気持ち悪い部分が多々あるかと思いますので、閲覧される方は自己責任でお願いします。

~開催まで~

 自分でも辟易としているのですが、僕は昨年、アニメけいおん!』を視聴してから11年を迎えました。当時の僕は小学5年生。『まんがタイムきらら』に触れてからの期間は人生の半分を占めていることになります。時の流れは末恐ろしいものですね。それ以前もゲーム漫画をちょこちょこと読んではいましたが、いわゆるオタクとしての人生はここからまりました。そこから現在まで、触れていない時期も多かったものの、『まんがタイムきらら』の作品を変わらず大好きでいました。

 中高・大学環境を変えながら、競技クイズにも出会いながら迎えた昨年の5月コロナ禍で自分生活崩壊している真っ只中に当大会の告知がなされました。当時は「頑張りてぇ~」くらいの軽い気持ちでいたのですが、時が経つにつれて「この大会で優勝したい」という気持ちがどんどん大きくなるのを感じ、次第に「何としても優勝したい」に変わるほどになりました。

 この大会に向けて準備するにあたり、まず「どういう人がまんがタイムきららオープンで優勝するのにふさわしいか」を考えました。月並みではありますが、僕は「最もきらら作品に触れている人が勝つ大会であってほしい」という結論に至りました。出題範囲は『まんがタイムきらら』と定められている以上、該当する全ての作品が出題されうる大会であってほしいし、そのような大会でこそ勝ちたいとも思いました。

 ただ、当時の自分がその条件を満たしていたかと言うとそうではありませんでした。自分が把握しているきらら漫画の体系はあくま氷山の一角しかないだろうと思っていました。兄が買ってきた4年間くらいのキャラット・本誌と幾ばくかの単行本アニメくらいですしね。なので、僕はきらら漫画をひたすら買っては読むを繰り返すことにしました。その過程の中で、自分が持っている漫画管理するためにKIRARA MENUを全てリストアップするなど、明らかに常人の道を踏み違えてしまったように思います

 『きららファンタジア』は一時期入れたもののすぐに消してしまいました。基本的スマホゲームに対してあまりいい印象を抱いていないので......。こと『きららファンタジア』においてのみ、完全に公式サイト情報頼りで知識を得ました。

 おかずさんが開催してくださったきららフリバもありつつ、漫画を読み漁り見ていなかったアニメを見つつしていた11月の頃、大会の延期・オンライン化が告げられました。数日前からCOVID-19の猛威が止まらなかったこともあり、どうあがいても避けられない事態ではあったのですが、心にぽっかりと穴が開いたような空虚感を覚えました。

 ひとまず予定していた遠征のための準備を全てキャンセルした後、今後の予定を確認すると、大きな選択が迫っていることに気付きました。(今はめちゃくちゃサボっていますが)現在取り組んでいる勉強3月に控える学生クイズ大会abc対策きららオープンに向けた準備。これら三つが共存しえないということです。

 結論から先に言うと、僕は断腸の思いabcを代償にすることを決めました。タスクを同時並行できないという自身不器用さも関係するのですが、今勉強を疎かにしてしまうと、もう取り返しのつかないことになる気がしたからです。もちろん1月から改めて勉強し直すのも大変であることは重々承知していますが、「この先のクイズ人生の中で大会で優勝する経験なんて一生来いかもしれないな」という自分の醜い欲が顔を覗いてきたのです。何より、一番思い入れのあるコンテンツに関する大会ふいにしてしまうと、この先自分自身を許せずに責め続けてしまうような気がしました。

 オフラインの開催が夢に潰えたことで下がったモチベーションは、そんなこんなでひとまず漫画を読み続けられるくらいには維持することができました。このあたりの時期から自分でも説明がつかない焦燥感のようなものが常に付きまとっていたように思います焦燥感は日に日に増していき、自分きらら知識に全く自信を持てないまま当日を迎えることとなりました。

大会当日~

 いくら生活習慣が崩壊しているといえど、前日から当日にかけては流石に早寝早起きを心がけました。余った時間は『あんハピ♪』の後半を読み返すなどしていました。そんな中大会の始まりを告げる神田君の声が聞こえてきて、そこで初めて「全身全霊で楽しもう」と意識が切り替わりました。

・1R

 ペーパーです。前半20問くらいははうんうんと頷きながら解き進めることが出来たんですが、20番代の前半あたりで躓きました。その後は「これ兄が買ってきていたなぁ」と懐かしんだり、「流石にこれは出ないだろ~」と思っていた問題がバシバシ出題されて昂るなど、様々な感想を抱きつつ終始楽しみながら解いていました。本当にいいペーパーでした......。残りの数分は「淑」をギリギリまで考えてひねり出すなどしていました。三上小又さんの由来は知っていたのですが元となった字までは知らなかったんですよね。終わってみてから初めてわかりますが、解答時間が18分に延びてくれて本当に助かりました。

 自分が間違えたのは「『ドージンワーク』」「686枚」「新垣柑菜と新垣陽菜」「3500円」「スカート」「ましろ」「仙人ごはん」の7つ。40番以降の問題ちゃんと打ち返せたことがとても嬉しかったですね。作品の内容について問うている「新垣柑菜と新垣陽菜」と「仙人ごはん」、単純に問題文をちゃんと読まずに解答してしまった「『ドージンワーク』」は取る余地があったのかもしれません。

 クイズ人生の中で初めてペーパー1位という名誉に預かったので、この時点である程度報われた気分になりました。

・2R

 1位なんて取ったこともないので、当然1位インタビューも初めてでした。自分の声はあまり好きではないし話し下手でもあるので、アーカイブを見返すと恥ずかしくて顔から火が出そうです。

 早押しについては、ひとまず分かるものを待ってみようと思っていたら『オリーブ! Believe, "Olive"?』問題と『うさかめコンボ!』問題で押し勝てたので勝ち抜け。どちらも数年前に触れていた漫画で、且つクイズの場で正解することなんてないだろうと諦めきっていたものでもあったので感慨深かったですね。勝ち抜けた後も問題を聞いていると、アニメ化・未アニメ化お構いなしに出題され、年代も広く分布しており、まさしく僕が思い描いていた理想通りの問題群でした。開始十数問でそのことが分かり、この大会100%楽しみきることが出来るよう準備してきて良かったと心の底から思いました。

3R

 アニメ化・未アニメ化を問わず漫画を沢山読んできたので、未アニメ化のコースが答えていて最も楽しいだろうと判断しました。

 蓋を開けてみると、開幕から連続で誤答......。本当に危なかったです。後の方の「『二丁目路地裏探偵奇譚』」は覚え間違いで仕方ないとして、前の方の「赤門大学」はただただ不用意な誤答でしたね。以降は誤答しないように注意を払い、「『リリィ』」「『スイートマジックシンドローム』」「千薪」「『女子大生生活様式』」「『空色スクエア』」を正解して勝ち抜け。先ほどの正解と合わせて、見事に一昔前の漫画しかありませんね。僕が一番好きな漫画であるなでしこドレミソラ』の問題はこれ以降も最後最後まで自分の手に渡りませんでした。悲しい......。

 キャラクタークイズ普通クイズビジュアルクイズのどれもとても楽しそうでしたね。今の自分だと普通クイズはあまり対応できなかったかもしれないですが。ビジュアルは観戦しながら自分でも解いていたんですが、台詞を問うクイズが悉く分からなくて面白かったですね。色々な漫画を読みたいとの思いを優先させたあまり、それぞれの漫画に対する時間相対的に減ってしまっていたのかもしれません。まとまった時間があれば好きな作品くらいは読み返したいものですね。

・敗者復活

 『きららファンタジア』をやっていないので、2問目で普通に間違えました。後夜祭で読んでくださったときも3択問題全然正解できなかったので、単に3択問題に弱かっただけかもしれないです。つくづくストレート準決勝に駒を進められてよかったと思いますね。

準決勝

 ボードクイズということで、一癖も二癖もある問題が出題されました。大会を終えて振り返ると、大会を通して一番危なかったのは準決勝だったように思います。後半10問は分からない問題が多く、もし前半で勝ち抜けられなかったら決勝には進めなかったです。それに前半で運よく正解できた問題も難しい問題が多く、自分の行いの何かしらが欠けていたら正解できなかったものばかりでした。せっかくなので、正解した5問についてそれぞれ所感を書いていこうかと思います

カラーページがそのまま収録

 最後に『GA 芸術科アートデザインクラス』の単行本が挙げられていたので、その特徴を書けばいいかなと思いました(多分「カラー絵が多い」みたいなふんわりした答え方をした)。『GA 芸術科アートデザインクラス』のカラーページは芸術についての情報に溢れているので、特に印象に残っている方も多いのではないでしょうか。朧気ではありますが、『夜森の国のソラニ』もカラーページが多かったように記憶していました。

〇「エトワリアのサンタクロース

 「『きららファンタジア』初のイベント「エトワリアのサンタクロース」で報酬として交換することができたキャラクターは、サンタクロース衣装に身を包んだ誰でしょう?(週刊きららvol.3)」という問題過去に作っていました。『きららファンタジア』を実際にプレイしてはいないのですが、ポツポツと問題を作っていたら正解に辿り着きました。正に「自作は身を助く」ですね。

〇『わかば*ガール

 今までのきららアニメをまとめていた時、このクールだけやけに多いなぁと驚いた覚えがあります。そのクール放送された3つの作品全てを覚えているわけではなかったですが、前の二つとは明らかに異質なものを答えに残すだろうとの考えから正解することができました。

榎戸駿

 ふとした拍子にきらら展のあの映像を作ったのは誰なのか気になって調べていたので、「早押しで眉毛と聞こえたら押そ~」と冗談交じりに思っていました。流石に難しすぎるだろうと当時の僕は自分自身に半ば呆れていましたが、まさか出題されるとは思わなかったです。

〇『まんがタイムきらりMAX

 きららフリバの時に『ゆるふわ革命』が答えになる問題を聞いた覚えがあったので、答えに「きらり」が含むことは早い段階で分かりました。ただ、シンキングタイム最後まで『まんがタイムきらり』にするか『まんがタイムきらりMAX』にするかで悩みました。悩みに悩んだ末、本作の掲載誌を信じて後者を選びました。掲載誌を信じて良かった......。正解音を聞いたとき、めちゃくちゃガッツポーズしてしまいましたね。

・決勝

 準決勝問題が難しいものばかりだったので、決勝はどうなるのかと冷や冷やしていました。未アニメ作品についての知識は他の方に負けないという自負はあったので、難しいにせよ易しいにせよ、基本的にはアニメ化されてない作品を待つスタンスで臨もうと思いました。

 最初の数問を聞くうち、2Rの問題とそう変わらず最高の問題群だなと感じました。大好きな作品2つをパラレルで並べた「コラージュ」や数年前に出会った作品(『アクアリウム』『ぷらいまりィずむ!』)など、一つひとつを噛みしめながら答えていました。学校名前ヒロイン名字と一緒だったことで反応した『恋愛専科』を答えてリーチになった次の問題が、

日本人ながら、隔世遺伝によって金髪碧/」

という問題でした。当日に読んでいた『あんハピ♪』、それも当作品の中で一番好きな人物を答えて優勝することができました。ボタンを押して解答するまでの間、これまできららを読んできた日々が駆け巡り、万感の思いでしたね。

最後に~

 「大会のため」という面もありはしましたが、大会の準備期間に膨大な量のきらら漫画を読むうち、改めて『まんがタイムきらら』という雑誌が大好きなのだと気付かされました。『まんがタイムきらら』は創刊以来、「希望、夢、勇気ときめきを与える」というコンセプトを変わらず掲げています。初めて『まんがタイムきらら』に触れて以来このコンセプトから力を貰い続けてきましたし、この雑誌が続く限り、これからも僕は『まんがタイムきららから希望や夢を貰いながら生きたいと、強く、強く思います

 最後になりましたが、厳しい情勢の中開催まで漕ぎつけてくださったスタッフの皆さん、全ての参加者、そして『まんがタイムきらら』に携わった全ての方々に最大限の感謝を申し上げて筆を置かせていただきます

1月25日 中谷 web

2020-12-19

恋歌を口ずさむ君は空色の画用紙を破り Che Sara と記す

2020-12-03

石を愛する話

さなから石が大好きだった。母の宝石箱を見渡して、じゃらじゃらと自分に付けてうっとりとした。何万円もする真珠も、イミテーションガラス玉も、どれも楽しくて見飽きなくいつも遊んでいた。そんな私の姿を見て伯母が「この子官能的やな」と笑った。私が目をとろーんとさせて石を愛でていたからだ。原初快感だった。

思春期になって、周囲の友人達軋轢ができた。話が合わなかったりおもしろい反応が出来ないと仲間はずれにされた。ストレスが多い学生時代、私は石を思い出していた。石と居る時間が何より落ち着く。当時パワーストーンなどというのは学生に手の出ない値段であり、金色でゴテゴテした金の願い系ブレスレットだったから買わない。私は空色の石を欲した。ブルーレースアゲート、人間関係のお守りだそうだ。初めて買った石は800円。空色の縞模様がきれいだった。友人関係は相変わらず。

時が経ってアクセサリーが欲しい年頃、アメジストネックレスを買った、これはビーズのように小さな球が沢山ついたチェーンで、1600円。なかなか好きな物出会えない。ブームがあったのか知らないが、石を売る店先を見つけて一盛り300円の水晶などを見て目をキラキラさせていた。石の種類を知るたびに私の胸は高鳴った、透明な石、白色の石、私の誕生石トパーズ。ただひたすら石を愛して欲していた。

母が高額な宝石を買うようになり、いずれお前にやると言われて、すべてを貰った。健康ブームの際のトルマリン 、七色真珠ダイヤモンドが散りばめられた時計バブルっぽい。

今どれも手元にあり、それらを新たに加工して楽しんでいる。結婚後、たくさん石を買ってもらった。宝石より少しグレードの低いハンドメイド用の石たち。私はこれらを溺愛している。当時欲しかった石がずいぶん手に入るようになった。どうしてこんなに石が好きなのかわからない。ずーっと小さい頃から変わらない私の嗜好。珍しい石も普通の石も、どれも大好きで手に取ると心が踊る。ミネラルショーにも足を運んだが、人に気圧されて楽しめなかった。でも人生初のハイクォリティジュエリーを一から作ってもらった。サファイアの石にダイヤモンドプラチナリング。今はネットにも希少な石が多く出ている。楽しくて仕方ない。手に入っても入らなくても、石は面白い自分人生の終わりに、たくさんの石がある未来が見える。石はどこかに旅立つだろう。それを私が見る事はないだろう。

2020-10-27

朽ちていく 6

私は、波で揺れる船上から降りて、ようやく土の固さの安堵を足で踏み締めた。真っ暗で、静かで、潮の匂いがした。

私は長い旅のあとで疲れていた。

私の長い旅の終わりに、まだ夜も明けきらぬ早朝、フェリーは港に到着したのだった。

船内のアナウンスが到着を告げると、船酔いの辛さなのか、寝不足の辛さなのかわからない私の身体に、革だけがやたら重く収納性の悪い古い鞄をひっさげた。重い鉄の甲板の上を歩き、フェリーに積まれた私の車へと向かった。何台もの車を、てきぱきと誘導する船の乗組員に案内されながら、私も車に乗りこんだ。自分の番になると、ゆっくりハンドルを切って、フェリーから地上へと繋がるスロープを、もったりとしたスピードで降りていった。

そうして、波に揺られ続け、狂った蝸牛を閉じ込める気分で、私は地上の健やかさを味わっていたのだった。しかし私は数分真っ暗な海を眺めやるやいなや、車の鍵をポケットから取り出して車へ戻った。

身体は長い旅の気怠さの中に居たはずだったのに、目だけはすっかり醒めていた。身体の疲れとは反対に、キーを思い切り回してエンジンをかけた。

真っ暗な道路に、街頭の明かりだけが、街をつくっていた。

何台ものトラックが、太い道路を走っていく。追い越し車線で走るか、このまま走行車線で走るか迷う。迷いながらも時々、追い越し車線でぐんとスピードを出してみる。けれども、すぐに後ろに馬力のありそうな車が見えて、また走行車線に戻る。これを繰り返していった。

つの間にか街の暗さは、遠くから気配する陽の光によって、黒から青へと移り変わっていた。

変わったと気がつくと、その青が空色へ、空色から黄金色へ、朝の明るさへ変わっていくのは一瞬だった。

2020-09-25

わたしは何色が好き?って言われたら黄色や緑などと答えることが多いのです。

ですがその度に父親(このたび古希をお迎えいたしました)に「色キチ」と言う言い方をされます

別に罵倒というわけではなく、普通の軽口のようなもの

というかこっちからしたら、普段着上下ビビット空色でコーディネートする人物に「色キチ」とか言われる謂れはない。

ただ疑問なのがなぜ黄色=色キチなのかという話。

わたし黄色と言われて思い浮かぶのは「黄色悲鳴」「黄色ハンカチ(映画)」「金運アップ」「バナナレモンなどの鮮やかなフルーツ」「明るく元気」と言ったポジティブイメージが多い。

父も「そう言われたら確かにそうかもしれないが、なんだかいけない色というイメージがある」とのことだった。

なんとなく思い至るネガティヴワードといえば「イエローモンキー(蔑称)」「黄色い救急車」などだろうか。だが後者については父自体知識がなかったためちがうことかとおもわれるが。

もしなんらかの面白い話を存じ上げる増田がいるようであれば教えてもらえなら嬉しい。

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