科学的な(ふりをしている)料理レシピでよくある「浸透圧によってうまみが抜けない」「浸透圧によって肉汁が抜けない」など
ていうかはてなは理系エンジニアが多いんだから高校化学で学習する浸透圧くらいちゃんと指摘・訂正してくれよと思った
浸透圧は半透膜(多くの場合は細胞膜)を挟んだ「溶媒」分子の移動に伴って生じる圧力のこと
あらゆる物質は濃度勾配に従って濃度が高い方から低い方へと移動する
この移動に際して小さい分子のみを通す穴の空いた膜が挟まると、小さい分子のみが移動できる状態になる
細胞膜は(厳密には違うが)水のみを受動的に通す膜と考えていい
水に食塩など様々な物質が溶け込むと、相対的に「水の濃度」が低くなる
水は濃度が高い(他の物質が溶けてない)方から濃度の低い(いろんな物質が多く溶けている)方へと移動する
浸透圧は水の移動のみに関わるため、当然だがうまみ成分(核酸やアミノ酸)を留める働きなどはしない。
細胞膜を通り抜けられるものは通り抜けていくし、通り抜けられないものはその場にとどまるだけ。
では肉や魚を食塩水に漬けることによるメリットは何かというと、
真水に漬けるのとに比べて肉に余計な水が浸透せず、水っぽくならないということになる。
これを防ぎつつ、細菌の働きで表面に生じた臭み成分などを塩水中に溶かし出すことで旨い肉を作る。
(もう一つ、水溶性タンパクを溶かし出して熱変性による硬化を防ぐというのもある。ブライニング処理という。)
また、高張液に肉などを浸すと逆に内部の水分が流出し、うまみを含む成分が濃縮される。
(やり過ぎると水分が抜けすぎてしわしわになり食感が損なわれる。漬物を想像するといい。)
以下は補足だが、昆布の出汁が海の中で出ないのはなぜかというと
そもそも生きている昆布はうまみ成分を多く持っていない。あれは天日で干す過程で死んだ昆布の中で作られるためだ。
当たり前だが浸透圧は一切関係ない。生の昆布を真水につけてもうまみは出ない。
【追記】
伸びると思ってなくてビビった
サイエンスコミュニケーションとしてはこの辺(高校化学)が限界かと思ったよごめんね
間違っているとだけ言った人はぜひ参考書籍などを書いていってくれ頼んだぞ
はい、ごめんなさい私の間違いでした。
うまみ成分(アミノ酸や核酸)は生体に必須な物質なので基本的には膜内へ能動的に輸送しているので
細胞膜が健全に保たれているうちは外においそれと出てくるものではないってことね
これは言及しようか迷ったが「うまみが逃げる」という文章が細胞の破壊にまで言及してると読み取れなかったから元増田では省いた。
同様のことは冷凍・解凍のプロセスでも起こっていて、食材が水っぽくなる現象の一部はこれによるもの。
ただ、例のレシピ程度の時間(室温から茹でて沸騰するまで)の時間でそこまで破壊が内部まで進行するか疑問ではある。表面のごく一部だけではなかろうか。
ついでに、3%の食塩水は細胞内に比べてかなり高張で(生理食塩水が1%弱)
「水の出入りを無くす」というより「水を抜く」方へ作用する濃度になっている。
これ料理的には塩味をつけることへの貢献のほうが大きいと思う。
焼き魚を同様に食塩水で味付けすると全体に均一に塩味が入ってうまいという調理法があるので、それの応用ではなかろうか。
【追記2】
・「浸透圧はそうじゃない」指摘について
これは私の書き方が誤りでした。
上で私が言ってる浸透圧は正確には「2つの浸透圧の異なる溶液が半透膜を介して接したときに生じる溶媒の移動に伴う圧力」ということね?
溶液それぞれに浸透圧という値があるわけで(これがポテンシャルということかな)、その差によって浸透現象が起こるということが正確に書けていなかった。
時間差で氷砂糖が溶けて浸透圧変化であれこれっていう話に言及してるブクマがあるけど
昆布のうま味成分自体は、生の昆布でも細胞内に蓄えられているけれど、 生の昆布の細胞からは放出されにくく、いったん、干して細胞を殺すことで出やすくなるって聞いたんだけど。
うまあじ
は、うまみだし
は、うまみだし
は、うまみだし
うまあじね
そもそもそんな意味不明な「浸透圧」の使い方をするレシピや動画に出会わないので責められても困るわ ていうかはてなは理系エンジニアが多いんだから高校化学で学習する浸透圧く...
昆布の旨味が茹でることで細胞壁破壊されて漏れることを考えると、 肉でも旨味は漏れるな
ブラックボックスは真水に漬けろ
水が細胞内に浸透すると細胞の内圧が高まり、破壊されて細胞の内容物が水中に流出するものと考えられる。 一例として人間の赤血球は真水内では破壊され、溶血と呼ばれる現象を引き...
(・ω・)先に書かれてたわーそだよねー
浸透圧と言えば浸透実験池跡ってどんな実験してたんだろうって気になってたのを思い出した https://goo.gl/maps/iM2f7rtdsof7dbpr9
浸透圧先生 昆布の生き死にを語る
スマホの通信容量のキャパのことを「ギガ」と呼ぶのと同じで、 テレビの料理番組なんかで言う「浸透圧」は、杓子定規に化学・物理学での 浸透圧とは違う意味を与えられた単語なん...
根本的に何か勘違いしていないかい? 水に食塩など様々な物質が溶け込むと、相対的に「水の濃度」が低くなる 違う。溶質が溶け込むと溶液の濃度は高くなる。当たり前だろ? 水...
みんな、昆布が好きなんだねw
最初の「はてなはちゃんと指摘しろ」 みたいなのって書く必要ある?どういう気持ちなの? 誰もそんな義務負ってないでしょ あなたは書きたくなったから書いただけだよね?
それがツンデレ話法というやつ。 べっべつに、あんたのために指摘してるわけじゃないんだからね。 (本当は自分が指摘したい) はてなが指摘しないのがわるいんだからね。 (本当...
追記見たので書いとく 浸透圧って、位置エネルギーなのよ 高いところに水を入れた水槽を置いて、低いところにも水槽を置いて、その2つをチューブで繋げば高いところの水は低いとこ...
増田からは、なにか、啓蒙に対する圧を感じる。
こういう専門用語が一般的には正確に使われない事例はありがち。知識のある人からすれば気になるのだろう。
ちゃんと記事は何に対して言及してるのか書いておいたほうがいいかと。 こちらの大西さんのですよね。 https://twitter.com/bbq0024/status/1589067301592371201 浸透圧とアミノ酸は私も疑問。同じ論...
化学の人がきたやで 浸透圧は水の移動のみに関わるため、当然だがうまみ成分(核酸やアミノ酸)を留める働きなどはしない。 これはまあそうなんだけど、逆に浸透圧で煮ている最中...
ナメクジに塩をかけるやつだね。 水分が抜けて縮むやつ。
追記2見た 大学で植物生理学なんか習うと水ポテンシャルって単語が出てきて戸惑うよね 位置エネルギーの英語が potential energy だって知っておくとイメージ掴みやすいと思います
KINEN