2014-05-06

stap細胞は、ありません!

バイオ修士卒。

研究職にはついていない。

論文はある程度読み取れる。

stap関連のあれこれはそれなりに追っている。

という立場で話をします。

とにかく声を大にして言いたいことは、これはサイエンスコミュニケーションにかかわる問題だということです。

科学者コミュニティ(だいぶアバウトなまとめ方ですが、便利なので使っていきますからすれば、

小保方さんが随分と悪質な捏造を行ったことはほぼ確定ルートと言って良い状況と思います

ここで修士を出た程度の僕があれこれ書き散らすまでもなく、

理研や有志の方々がいずれ粛々と事実を明らかにしてくださることでしょう。

そしてその結果得られた見解科学者コミュニティ共通のものとなることに、

(そこまで専門性の高い知識がなくとも判断できる程度の捏造があるので)それほど困難はないはずです。

周囲の方々についての見解はばらつくことと思いますが、

少なくとも小保方晴子という人の科学者としての信用は既に地に落ちていて、再び浮上することはないでしょう。

科学者コミュニティの中では。

しかし巷の人々に聞けば、

「よくわからない」「結局stap細胞があればOK」「佐村河内は悪いけど小保方さんはかわいそう」「理研の偉い人に利用されて、尻尾切りね」

と言いますよ。尋常ではない割合の高さでこのどれかが返ってきます

それこそがこの問題のすべてといっても過言ではない。

からこそ僕たちはこんなにもこの件に関して憤っているのではないですか?

この問題がここまで広がったことの一因は、最初の時点での広報戦略でしたが、

それ以上に寄与したのは小保方さんのとった事後対応でした。

理研疑義についての会見を開いた後、あれだけ不利な状況で弁護士を雇って反論会見を開くなどと、

度肝を抜かれたのは僕だけではないはずです。

しか世間の大多数の人々はこれを信用した。

小保方さんという人は一般の人々に対する訴えかけが本当に上手だった。

一方で理研の会見から、一般の人々が何か読み取ることができたでしょうか?

僕はそう思いません。

小保方さんが不正をしたんだぞって雰囲気が、理研の会見にはほんとになかったな…。

これだけわかりやす不正を、これだけ沢山の人々が認識できずにいることは、

大変に由々しき事態だと思います

からないことを印象だけで判断し信じこんでしまう人々にも問題はありますが、

仮に分野外の人がこの問題に感心をもち、実際何が起こっているかを独自に調べ始めたとして、

ことの本質理解できる状況に、現状なっていません。

この件に関して発信される情報ほとんどが、一般の人々に対する意味をなしていないのです。

例え話を使って上手に解説してくださっているブログ記事もいくつかありますが、数が少ない。

とにかく科学者の皆さんは、慎重で、控えめで、それは本当は素晴らしいことなのですが。

そりゃ、根拠となる資料は沢山公になっていますよ。

今回問題になった小保方論文だってオープンアクセスになっているし。

けれど真にフェアに問題を議論するためには、生命科学論文作成実験作法についての教養を身につけ、

論文を始めとする膨大な資料に全てあたってから論じなければならないわけです。

ぶっちゃけ僕でもそれを徹底的にやるのは結構しんどい

「あれだけ堂々とstap細胞あります!って言い切ってんだからたぶんあの子悪くないよ」って、なりますよ。

から科学者コミュニティが今しなければならないことは、ただ事実データを列挙することでも、

専門用語を駆使して不正検証していくことでも、他の研究者不正を洗っておくことでもなくて、

自分フィルターを通して、この問題を一般にもわかる言い方で伝えていくことだと思っています

本当はこれを、記者の方にやっていただきたいのですが…。

小保方さんばかり追及してないで他の研究不正も、という主張の方もいらっしゃいますが、

stapの件は全く他と異なる特殊な問題だと僕は考えます

内容のお粗末さもさることながら、

こんなに沢山の日本人が認識している研究不正は他に例がなく、

著名人にも小保方さんを的外れ擁護している方が散見されます

挙句山中さんにまで飛び火して、科学のものに対する信用の崩壊にさえつながろうとしている最中に、

悠長に他何人もの論文を調査して、「悪意のある捏造」の定義を詰めている場合ではないです。

不正を精査するなと言いたいわけではないです、念の為

ただそれを丁寧にやればやるほど専門化が進んで、コミュニティ内部でのみ効力を発揮することになっていくはずで、

少なくとも結果わかったことをそのまんま発信する意味ほとんどないと思います

正しく正確であればいいってものじゃない。

もちろん、

研究不正を防ぐため、あるいは明らかにしてこれを罰するために何をすべきか。

研究ができればいいというものではない、研究者間の人間関係権力争いのあれこれ。

W大学博士課程指導のお粗末さ…(これは本当にありえない)

など、

今回の件が提起する問題は山とありますが、研究不正はこの件に限った話ではないです。

ことstap論文問題について特筆される問題は、一般に対する訴求力です。

これに尽きます。このことをもっともっと問題視していただきたいと考えます

僕の拙い文章で、うまく伝わるでしょうか。

から、「stap細胞は、ありません!!!!」とこちらも言い切ってしまうくらいでいいと、思うんですけどね…。

  • 完全にただの一般人で研究のことなんて全く分からないが 論文の著者は小保方一人じゃないし、何人かの学者はあるっていってるし なにより小保方自身があるっていってるんだから、あ...

    • 麻原が飛んでるビデオを見せられて 全財産お布施すれば飛べる、って言われたら お布施すれば俺も飛べるようになる、って思っちゃうタイプだろ。

  • 小保方の言葉は、一般の人には伝わるが、科学者には伝わらない。 科学者の言葉は、科学者には伝わるが、一般の人には伝わらない。 それがもどかしい、ということですか。

  • こう書くとツッコミもあるだろうが、この手の研究成果というのは、再現性が無ければ話にならない。 例外的に、やむをえず再現性が無い状況を許されてしまっている分野もあるが(地...

  • お前みたいなエセ科学者がごちゃごちゃ言うのが一番一般人に悪影響だというのを心得よ 修士で出たお前は科学者ではなく、単なる一般じと同一。 何を言っても一般人の戯言。 余計な...

  • 全く関係ない人があれこれ物申しちゃうって点で、2chの誹謗中傷と似てるよね

  • 実名で言えばいいじゃん

  • 科学に真摯であればあるほど、STAP細胞は存在しないとは言い切れないし、小保方が悪意を持って捏造を行ったとも言い切れない。だから理研の会見はあんな煮え切れないことになったん...

  • 若山教授が違和感を感じず、かつ胎盤までになった細胞はなんだったの? その一点だけだろ、もう。

  • 少なくとも言えることは、小保方論文が科学的なのに対して、増田の態度は非科学的ということくらいか。それがたとえて、ていぞうであったとしても。

  • http://anond.hatelabo.jp/20140506020756 言いたいことは非常にわかるんだけど この問題はそもそも理研の研究不正についての規定がひどくて まともに小保方さんを処分できないのがマズイ。 そ...

    • 日本の会社の多くは不正をしないという前提で物事が作られているので 不正が蔓延する。 (問題が起きるまで)検査もしないし、規定もない。

    • だから弁護士が出てきてたし法律っぽい話が多かった。 そうか? 弁護士が弁護士の仕事だけして法律っぽい話だけしてるならそれはそれでそーねー、と思って聞けたけど、 あの会見...

  • 悪魔の証明に持ち込むのが狙いだったわけでしょ・・・

    • この場合、悪魔はいる!と言っているのがおぼちゃんなので、おぼちゃんに悪魔(すたっぷ)を召喚させてみればいいのでは?

  • http://anond.hatelabo.jp/20140506020756 言ってることは分かるんだけど、やっぱり一般人からしたら論文の捏造のゴタゴタより、 あれだけ世界的にしかも大々的に報道されたSTAP細胞があるかない...

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