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はてなキーワード: 民事訴訟法とは

2024-02-20

anond:20240220085318

住所を偽って刑事告訴を起こした場合、バレたときにどうなりますか?

住所を偽って刑事告訴を起こした場合、以下の法的な問題民事上の責任が生じる可能性があります

法的な問題

虚偽告訴罪: 虚偽の事実告訴することは、虚偽告訴罪に問われる可能性があります

偽計業務妨害罪: 相手業務妨害しようとした場合偽計業務妨害罪に問われる可能性があります

民事訴訟法違反: 民事訴訟法では、訴状原告の住所氏名などを記載することを義務付けています。虚偽の情報記載することは、民事訴訟法違反となる可能性があります

2023-09-20

https://anond.hatelabo.jp/20230920031938



   数学では完全無欠であることが理想とされ、完全無欠なものの一番初等的なのはであるけれども、その円のように使用できる様々な完全無欠と考えられるもの存在する。

  ところでそんなことはどうでもよくてここで、現在問題を解くときに、何を用いたらよいのか?帰納法はなぜ円のように使用できるのか疑問なしとしない、しかしinductionが円のように

   使用できることは間違いないことである。ところが民事訴訟法などと呼ばれる、法と呼ばれるものが、全て、このように高度な知能指数がないと理解できないようなものであるかというと

  悪質すぎてまだ解明されていない。なぜなら誰も教えていないし理解しようがないかである数学帰納法とひとくちにいっても練習問題のように円ではないものがあることは誰でも理解できる

   だろう。しかし、民事訴訟法社会に出てからは円であるのかというと分からないという他ない。a,b,cの直角三角形に対して、a+bの正方形の中に一辺がcの正方形が与えられることに関しても

  完全無欠だから出てくると言われるが何をもって完全無欠というかは分からないところである

2023-09-09

https://www.crono-style.com/blog/entry-359936/

民法民事訴訟法では、

権利の上にあぐらをかく者は法律保護するところにあらず」という懈怠の法理があり、自らの権利行使しようとせず、「権利の上にあぐらをかく」ことで適切な時期に権利行使を行わなかった債権者を救済しないということです。

他に禁反言とか立法趣旨とか、法文にないものまでをよまないといけないのに暗記科目とおもってる受験生くんは大変だね、頑張ってwwwwm田くんみたいな法学部卒になっちゃだめだぞwww

2023-06-06

裁判官マニュアルの「民事訴訟法コンメンタール」って裁判規則理由説明とか何も書いてない

ああしろこうしろと書いてあるだけ

災害時は自衛隊のほうが余程良い仕事をするだろう

裁判裁判官によっては大災害

憲法はどうして裁判官地位を守るのだろうなあ

2023-05-20

司法試験難易度IT系試験でいうと

司法試験は7科目(憲法行政法民法商法民事訴訟法刑法刑事訴訟法)と1科目(倒産法租税法、経済法、知的財産法、労働法環境法国際関係法)の選択科目からなり、短答式試験記述試験が合計4日で行われる。

感覚でいう分量的にはこの1科目がそれぞれ応用情報NWSCなど高度試験対応するイメージになる。

なので、

IT系試験

応用情報CCNPAWS SAPDBスペシャリストNWスペシャリストSCスペシャリストITストラテジスト、E資格

を一斉に受けて全部で7割以上取るというくらいの分量と言える。

それか未受験なので難易度が分からないがAWS7冠を同じ日に取るようなイメージ

もちろん、これら資格ほど各科目の共通する部分が少ないので、各々の試験を1から勉強するくらいの難易度

あと、論述がエグい。(論文試験と言われる。理系出身なので学術論文じゃないものをそう呼ぶのは個人的に好きじゃないけど、書く量は論文と言える程の分量)

各科目で2000字程度の論述がある。原稿用紙5枚分ほど。

原稿用紙5枚の分量の文章論理構成を考えながら書き切るというのは他の試験では類を見ないと思う。

2023-02-27

3月1日民事訴訟は「第2フェーズ」に移行する

現在民事訴訟IT化が進められている。

最終的には民事訴訟の全面IT化を目指す、というものだ。

このIT化は、3つのフェーズ(段階)に分けて進められる。

既に第1フェーズ実施されており、この3月からは、第2フェーズへと移行するのだ。

(注1)

3つのフェーズ

民事訴訟IT化すると言っても、民事訴訟手続法律規定されている(民事訴訟法)。

そのため、完全なIT化を目指そうとすると、法改正必要になってくる部分がある。

また、システム開発必要になる部分もある。

そこで、IT化の工程は、3つのフェーズに分けられた。



第1フェーズ

法改正必要としない運用

ウェブ会議を利用した争点整理手続など。

第2フェーズ

法改正をすれば直ちに実施可能運用

ウェブ会議の利用による口頭弁論期日など。

第3フェーズ

法改正に加え、システム開発必要運用

訴訟提起のオンライン化など。

(注2)



第1フェーズ

そもそも民事訴訟法には、「争点及び証拠の整理手続」として3つの手続規定されていた(注3)。

弁論準備手続、書面による準備手続、準備的口頭弁論である。(注4)

このうち、おそらく最も多く使われていたのは、弁論準備手続だろう。

もっとも、弁論準備手続の期日においては、原告被告のいずれかの現実の出頭が必要である(一方だけなら、電話での参加も可能)という特徴がある。

他方、書面による準備手続は、原告被告双方が現実に出頭する必要がない(双方共に電話で参加できる電話協議日時を設けることができる)という特徴があり、地味な存在ながら、支部(注5)などで使われてきた(注6)。

なお、準備的口頭弁論は、おそらくほとんど使われてこなかった。



この状況に変化があったのは、IT化とコロナである

原告又は被告のいずれかが現実に出頭する弁論準備は、コロナ禍とは相性が悪い。

一方で、書面による準備手続では、法改正なしにウェブ会議(注7)によることが可能なのだ



かくして、書面による準備手続は、一気に注目度があがった。

争点整理手続は、書面による準備手続に付してウェブ会議で行われることも多くなっていった。



第2フェーズ

3月からの第2フェーズでは、ウェブ会議での弁論準備手続可能になる。

書面による準備手続では、主張書面の陳述や書証の取調べはできないが、弁論準備ではこれができる。

ウェブ会議において出来ることが大幅に増えるといえるだろう。

3月以降、ウェブ会議で書面準備と弁論準備のどちらが多くなるかはまだ分からないが、書面準備の影が薄くなることも考えられる。

なお、ほとんど使われていないであろう準備的口頭弁論であるが、民訴法改正でも廃止されることなく生き残った。

いつか準備的口頭弁論も、日の目を見る日が来るかもしれない。



フェーズ3

一般に、民事訴訟IT化、と聞いてイメージされるのは、フェーズ3の内容かもしれない。

フェーズ3の頃には、民事訴訟様相は様変わりしているだろう。


注1

https://www.courts.go.jp/sapporo/vc-files/sapporo/file/211129_iinkai47_shiryo.pdf

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/saiban/dai10/siryou1.pdf



注2

注1の各資料参照



注3

「争点及び証拠の整理手続」とは何か、という話を始めると長くなるので割愛するが、通常の民事訴訟手続のうち、尋問及び判決以外(すなわち大部分)は、主に争点及び証拠の整理が行われていることが多い。



注4

https://www.courts.go.jp/saiban/qa/qa_minzi/index.html



注5

地方裁判所には、主に県庁所在地にある本庁(「〇〇地方裁判所」の名称)と、それ以外の場所にある支部(「〇〇地方裁判所△△支部」の名称)がある。

北海道のみ県庁所在地以外にも3つの本庁がある。)

https://www.courts.go.jp/courthouse/map/map_list/index.html



注6

安西二郎「遠隔地・小規模の支部における書面による準備手続運用」(判例タイムズ1411号17頁)



注7

実際には、Microsoft Teamsが使われている。

2023-01-02

1 運転中に、〇川急便の見習いから、追突・押出し・引きひげの交通事故に遭った被害者がいた

2 被害者が依頼した弁護士は、着手金50万円振り込まれたあとは、相談すっぽかしたり、齟齬のある交通事故証明書修正申告もしなかったり、被害者迫害

3 被害者懲戒申立て弁護士はかろうじて戒告処分を受ける

4 被害者、着手金を返せ、と弁護士民事裁判を起こす

5 被害者は、東京弁護士会法律相談センター業務委託として委任するという旨のウソをつかれて契約してしまった、と主張した(懲戒請求でも主張したが認められずに終わったもの

6 被害者は、相談センター所定の契約書書式の正本で双方のハンコもある「受任報告書」を弁護士に提出させようと思い、「文書提出命令申立」(民事訴訟法)を行った

7 しか裁判所は、決定を引き延ばしたあげく、棄却法律上、契約書類の提出申立は棄却できないはずなのに、だ)

8 さら裁判所は、「証拠調べの必要がないときは、文書提出命令棄却抗告も認めない」旨の判例をこっそり作っており、即時抗告却下

9 被害者コピーを提出したが、裁判所証拠採用しなかった

10 被害者は、弁護士名誉棄損で反訴され(ムカついてツイッター弁護士登録番号を書き込んでいた)、弁護士は3万円、被害者5万円の支払い判決で、事実上敗訴

11 判決書の要約「弁護士ウソをついていたとしても、てめーが契約を決めたんだろうが? 口約束でも契約契約だ」

  

そもそも弁護士なんぞに相談すんな

奴らは企業弁護士で食えるし、被害者本人訴訟しかできないのが今の世の中だ

そして、ある種の東京地裁判事保険会社ナチスクズ野郎

2022-12-21

Colabo・東京都契約公法上の契約について

Colaboと東京都との契約が「公法上の契約」とのことで、その取扱いについて話題になっている。

東京都に予定価格算定に関する資料の開示請求をした所、公法上の契約のため当該資料存在しないとのことであった。

https://note.com/opp406/n/nd2618e696693

また、先行したまとめもあるが、

公法上の契約」の含意をググった範囲解説する

https://anond.hatelabo.jp/20221221090611

もう少し詳しく見ていこうと思う。

結論を先にいうと、

Colaboと東京都契約公法上の契約に該当する可能性は極めて低く、また、仮に該当したとしても予定価格を算出しない根拠不明であり、東京都には説明する責任がある

と考えている。

公法私法とは

一般に、法律公法私法区分される。

どのように区分されるのか。

国や公共団体市町村がその典型)の内部や相互間の関係規律するルール、および、それらと私人との関係規律するルールが《公法》であり、私人相互間の関係規律するルールが《私法である

リーガルイシス民法入門(第3版)(道垣内弘人)】

具体的にいうと、公法に該当するものとして、刑法民事訴訟法刑事訴訟法国家行政組織法などがあり、私法に該当するものとして、民法商法会社法などがある。

ただし、公法区分されている法律にも私人間について規定した部分があったり、私法区分された法律にも国家について規定した部分があるなど、法律単位で明確に区分できるものではないので、概念的なもの理解してほしい。

公法私法二元論公法私法一元論

公法私法はそれぞれ別の法体系として捉えるべきかどうか、という議論がある。現在の通説は一元論(というより区分意味がない)であり、判例・実務も一元論寄り(あえて区分しない)と理解されている。

解釈技術的に見る限り、今日公法私法二元論を取って取れないことはないにしても、その場合一元論に対比しての独自意味は余り無く、従って、どうしても二元論固執しなければならない、という理由もまた無い、というのが実態

行政法Ⅰ(第4版改訂版)(藤田宙靖)】

行政意思の実現方法

公法上の契約に入る前に、行政庁がその活動を行うにあたって、どのような形式があるのか見ていこう。

行政行為

一般的に、私人間の法律関係権利義務関係を作るもの契約である

では、行政私人との関係ではどうだろうか。

契約という手段を用いることもある(後述)が、そのほかに行政行為」という概念がある。法律上の用語ではなく、講学上の用語であるが、便利なのでこれを用い、具体例を挙げて説明する。

行政行為の種類(例)

・下命(…しなさい):租税賦課

禁止(…するな):営業停止

許可(…して良い):営業許可

免除(…しなくて良い):予防接種免除

その他、特許道路占有許可)、認可(公共料金の値上げ)等

行政行為にはこのような種類があるが、それ自体は余り重要ではない。重要なことは、行政行為とは私人に多大な影響を与えるものであり、法的な根拠が強く求められる(行政の好き勝手は許されない)ということだ。

行政行為権力行為象徴としてとらえられ、その限りにおいて行政権についての法の拘束を問題とする法律による行政原理を中心とする行政法の諸原理が直接妥当する。

行政法Ⅰ(第4版)(塩野宏)】

例えばあらゆる行政活動につき妥当する「法律の優位の原則」は言うまでもなく、「法律留保原則」に至っては、そもそもそれ自体行政行為を中心とする個別具体的な行政活動をめぐって展開されて来た

行政法Ⅰ(第4版改訂版)(藤田宙靖)】

ざっくり言うと、「法律による行政原理」とは、行政法律に従って活動しなければならない、という大原則(例外あり)のことであり、この原理から導かれる「法律の優位の原則」とは行政法律違反してはならないということで、簡単理解できると思う。

また、法律に反しなければ行政は何をしても良いわけではない。そこで登場するのが「法律留保原則である。これは、「行政活動を行うには法律の授権を必要とする」という考え方だ。ただ、これはすべての行政活動妥当するとは考えられておらず、例えば純粋な私経済作用(例えば文房具を購入するなど)については妥当しないと考えられている。

行政指導

行政行為に法的な根拠必要なことは理解できた。

しかし、我が国における一般的な行政慣行として、行政行為に至る前に、行政指導というものが行われている。具体的にいうと、役所に「こんなことできませんかね?」と質問した際に「それじゃちょっと難しいっすね。ここをこうしてもらえるならできまっせ」と回答して貰ったり、役所から、「建物が壊れそうで、このままだと行政処分をせざるを得ないから、今のうちに危険を除去しといてね」と指導されたりするやつだ。

これは行政行為処分)ではなく、単なる事実上指導であるので、基本的には法的な根拠不要であるし、訴訟対象にもならないと考えられてきた(例えば行政指導を信じた私人不利益を被った場合行政庁に責任はないと解されてきた)。

行政行為には法的根拠必要で、手続き守らなければならず、訴訟対象にもなるということで、面倒くさい行政行為ではなく、行政指導活用してきたということだ。

しかし、あまりに便利で幅広に使いすぎたせいもあり、一定手続きの整備や訴訟対象とすることは必要だ、と解されているのが現在である

行政指導には何らの法的拘束力も無いという基本的な考え方からして、行政指導に対する私人の信頼の保護ということが、行政法学上重要問題とは考えられなかったような時期はもう終わった、ということだけは明らかとなった

行政法Ⅰ(第4版改訂版)(藤田宙靖)】

行政手続法】

第三十二条 行政指導にあっては、行政指導に携わる者は、いやしくも当該行政機関の任務又は所掌事務範囲を逸脱してはならないこと及び行政指導の内容があくまでも相手方任意の協力によってのみ実現されるものであることに留意しなければならない。

2 行政指導に携わる者は、その相手方行政指導に従わなかったことを理由として、不利益な取扱いをしてはならない。

第三十五条 行政指導に携わる者は、その相手方に対して、当該行政指導趣旨及び内容並びに責任者を明確に示さなければならない。

2 行政指導に携わる者は、当該行政指導をする際に、行政機関が許認可等をする権限又は許認可等に基づく処分をする権限行使し得る旨を示すときは、その相手方に対して、次に掲げる事項を示さなければならない。

一 当該権限行使し得る根拠となる法令条項

二 前号の条項規定する要件

三 当該権限行使が前号の要件に適合する理由

(略)

第三十六条の二 法令違反する行為是正を求める行政指導(その根拠となる規定法律に置かれているものに限る。)の相手方は、当該行政指導が当該法律規定する要件に適合しないと思料するときは、当該行政指導をした行政機関に対し、その旨を申し出て、当該行政指導の中止その他必要措置をとることを求めることができる。ただし、当該行政指導がその相手方について弁明その他意見陳述のための手続を経てされたものであるときは、この限りでない。

(略)

まとめ

行政行為行政指導を見てきたが、大まかな考え方として、「行政フリーハンドは認めない」方向で議論が進んでいる点が重要である

行政上の契約公法上の契約

行政意思の実現は、これまで見てきた行政行為行政指導以外に、契約という形式を用いることがある。例えば、住民水道局との給水契約官公庁舎の建築契約消耗品売買契約等々、幅広く存在している。

そして、これらの範疇に含まれない、公法上の契約というもの存在する、と議論されてきた経緯がある。

しかし、先ほど見てきたように、そもそも公法私法二元論自体疑義があり、公法契約にも疑義が呈されているのが現状である

いわば狭義の行政契約すなわち公法契約公法上の契約)という行為類型存在する、という主張が、伝統的になされて来た。

(略)

特に公法契約」というカテゴリー解釈論上設定する意味は極めて薄い、と言わざるを得ないことになる。このような事情にあるために、現在わが国では、公法契約なるもの存在可能自体否定しないにしても、現実には極めて例外的にしかその例を認めない見解が、多数であると言ってよい。

行政法Ⅰ(第4版改訂版)(藤田宙靖)】

そこで、これら行政の行う契約をひっくるめて、行政契約行政上の契約)として議論されることが多くなっている。

いずれにしても、大きな議論の流れとして、契約であるから行政庁は好き勝手して良い、という方向では議論はされておらず、行政行為行政指導で見たように行政庁の自由裁量を認めない方向で議論が進んでいることは間違いない(もちろん契約内容にもよるが)。

したがって、行政契約であることをもって、契約主体行政庁と契約相手)が自由裁量を得る、というのは誤りであると言える。

特に公法契約存在するとした場合行政庁と私人自由意思に任せることが原則の通常の契約よりも行政庁の裁量の幅が狭くなることはあれ広くなることは考えにくい。

この方法には、私人との合意があったことを理由に、行政主体が好き勝手なことをなし得る、という危険が内在することをも意味する。先に見たように、現行法上、行政主体の結ぶ契約について、様々な制約が付されているのは、まさに、このような危険を防ぐためである

行政法Ⅰ(第4版改訂版)(藤田宙靖)】

今回のColaboと東京都契約

Colaboと東京都契約は、「東京都若年被害女性支援事業委託仕様書」に基づいてなされた一般的な委託契約請負契約か準委任契約かは結論に影響しない。)であり、公法契約という概念が出てくる余地はない。

従来の行政法学では、行政上の契約公法に属する「公法契約」と私法に属する「私法契約」とに二分し、前者のみを行政法学の対象としてきた。そして、「公法契約論」においては、報償契約公用負担契約などを念頭において、こうした公法契約を締結するには法律根拠必要とされるかとか、いかなる要件のもとに締結が可能かといった問題公法契約の許容性と可能性)を主に議論してきた。

行政法要論(全訂第3版)(原田尚彦)】

また、仮に公法契約であったとしても、競争入札において、予定価格を定めなくて良いという特別法がない以上、一般法(地方自治法)の規定適用されるものである

したがって、東京都の「公法上の契約のため当該資料存在しない」という説明は、①公法上の契約とは考えられないこと、②仮に公法上の契約だとしても予定価格の算定は必要なこと、と二重の意味で誤っていると思われる。

(予定価格の算定をしなくて良いのであれば、地方自治法第234条3項が適用されない法的根拠説明必要だ。)

第二百三十四条 売買、貸借、請負その他の契約は、一般競争入札指名競争入札随意契約又はせり売りの方法により締結するものとする。

2(略)

3 普通地方公共団体は、一般競争入札又は指名競争入札(以下この条において「競争入札」という。)に付する場合においては、政令の定めるところにより、契約目的に応じ、予定価格制限範囲内で最高又は最低の価格もつて申込みをした者を契約相手方とするものとする。ただし、普通地方公共団体支出の原因となる契約については、政令の定めるところにより、予定価格制限範囲内の価格もつて申込みをした者のうち最低の価格もつて申込みをした者以外の者を契約相手方とすることができる。

東京都若年被害女性支援事業競争入札なのか

法律上、競争入札では予定価格を算定することとされている。

すなわち、競争入札でなければ予定価格を算定する必要はない、ということだ。

では、東京都若年被害女性支援事業競争入札で行われたのだろうか。実は、この公募関係ウェブページが全部削除されているのである

かろうじて、平成30年度は公募が行われたらしきことが見て取れる。

[都]平成30年東京都若年被害女性支援モデル事業の一部を実施する事業者を公募しま

http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kodomo/jakunenjosei/jakunenjosei.html

https://www.tcsw.tvac.or.jp/php/contents/mailmagazine.php?key=617

だが、リンク先を見てもらえばわかるようにすでにリンク切れであり、ウェブ魚拓ウェブアーカイブさえ見つけることができなかった。そして、平成31年度~令和4年度までは公募が行われた形跡すら見つけられない。

通常、こういった公募手続きについては終わった後も消すことは余りないように思うのだが、何故見つけられないのだろうか。(見つけた方はぜひ御提示ください)

予定価格とは

不意に予定価格と出てきて、何のことかわからない方もおられると思う。

予定価格とは、ざっくりというと契約金額落札金額)の上限だ。

不思議なところであるが、例えば議会予算が1000万円と認められた事業について、入札を行う際には予定価格は950万円くらいになったりする(なので980万円で入札しても落札することはできない。)。

予定価格の算定方法公表されてないが、一般的には業務ごとに一定割合を乗ずることによって算出している(例えば役務労働力)の提供であれば予算額の95%等)。

(ここではそういうものだとご理解ください。詳しくするとまた長くなるので)

最後

ここに書いてきたことは、「東京都が、都とColaboの契約公法上の契約ととらえており、また、予定価格を定めていない」という情報が正しかった場合です。

個人的には何かの間違いだったと思い

2022-12-12

anond:20181011062902

文系査読が怖いからやりたくない、のが本音じゃないのかw

「Aの場合はBになるから、Aでない場合はBにならない」と強弁するのが文系トップから

請求の原因を正当なりとする判決は 上訴に関しては終局判決と看做すとは、民事訴訟法第228条に於て明かに規定する所なれば

請求の原因に関する判決不法は、援て(ひいて)以て 数額に関する判決の上告理由を為すを得ざるものとす」(最高裁判例

 

正論より地位が物を言うようなさ

2022-07-24

20220724[アタック25]2022年7月24日40代大会 2022-07-24結果

BSジャパネクストで日曜昼などに放送

BS1からボタン2回とか

ケーブルテレビSTBでは見られない場合が多いようなのでBSパススルーとか

地域によってはSTBで見られるようになったかもしれないので最新情報確認

 

今日の答え(放送とは表現が異なる場合があります

・01 [ある国の名前]ペルー

・02 ルビー

・03 聖飢魔II せいきまつ

・04 commercial コマーシャル

・05 芥川龍之介 あくたがわりゅうのすけ

・06 [すべて]憲法 刑法 民法 商法 刑事訴訟法 民事訴訟法

・07 ポケットビスケッツ

・08 FCバイエルン・ミュンヘン

・09 メラニン(色素

10 [近似値]36

11 奈良女子(大学

12 [択]うどん

・13 リオデジャネイロ

・14 中村菫 なかむらすみれ

・15 苗場(スキー場

・16 [択]22

17 [2択]ゲンジ ボタル

・18 レイモンド・チャンドラー

・19 [ふるさと][ある文学作品名前]『陸王

20 [頭文字]てがみ

・21 モルディブ

・22 平野ノラ ひらののら

23 ドラクロワ

24 回文

・25 [AC]『2001年宇宙の旅』

・26 市川)新之助

・27 [3択]ビル(の名前

28 鳥瞰(図 ちょうかんず

・29 10(か国

・30 トロイア(戦争

・31e 倉本聰 くらもとそう

・xx [ある国の名前]アイスランド

2022-05-16

民事訴訟法 249-2 裁判官が代わった場合には、当事者、従前の口頭弁論の結果を陳述しなければならない。

平成8年全部改正

裁判官交代手続きなく結審」 違法と住民提訴―東京地裁

裁判官交代はほぼ裁判所都合だから法律はどうあれ裁判官から「弁論を更新しますか」と聞くことが多い

しか判事によっては、そんな指揮はしませんわよ、と忘れたまま放置する

まり更新手続法は、更新忘れを起こさせる以外には意味ある法律とは思えない

法廷裁判官が入場したら、起立一礼し、裁判官のお言葉を待つなどの忖度階級

 

まり自分弁護士ではないが、更新忘れてたんだが

2022-01-21

anond:20220121095048

別に署名民事訴訟法上の規定を満たしていようがいまいが、「単なる数名の意見表明」なのはかわらないでしょ。

満たしてたらなんか別のものになると思ってるの?

電子署名法第3条関係もっと知られるべき

例のオープンレターが界隈を賑わしてますけれども。

署名有効性に関して、事務局本人確認を怠った事に謝罪が無いとか、後からでも良いので本人確認するべきとか言われてますけれども。

 

そもそもあのオープンレター署名、正当な手続きでの署名ではないので、署名の部分は無効なんですよね。

 

元々署名とは

民事訴訟法228条

(省略)

4 私文書は、本人又はその代理人署名又は押印があるときは、真正に成立したもの推定する。

というものがあります

また、

平成十二年法律第百二号電子署名及び認証業務に関する法律

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=412AC0000000102

が発令される際に、2020年9月4日総務省法務省経済産業省の連名により、「利用者の指示に基づきサービス提供事業者自身署名鍵により暗号化等を行う電子契約サービスに関するQ&A(電子署名法第3条関係)」というもの公表されましたが、その中に「固有の要件」が満たされる場合には立会人型の電子契約でも真正に成立する、とされています

https://www.meti.go.jp/covid-19/denshishomei_qa.html

例のオープンレターGoogle Form使ったらしいけど、あれだと匿名署名できてしまうし、主催者投稿者情報はわたらないしでこの要件を満たしません。

せめてchange.org使えば、二要素認証はあるし、万一なりすましがあっても主催者のみに署名者の連絡先が公開されるので、身元確認は後からでも可能

証跡を追える方法確立できているか、という点が重要なところです。

 

ということで、そもそも例のオープンレター署名として私文書の成立要件を満たしておらず、単なる数名の意見表明文書くらいの位置付けにしかならないんですよね。

あの文書が元で呉座先生要職を辞されたという話もあるけど、数名の意見表明に左右されてしまって可哀想な気もします。

(呉座先生発言についての是非はここでは論じませんが)

 

例のオープンレター署名として成立させたいなら、今の方法では(署名部分は)全てが無効であり再度署名を取り直すしかありません。

から本人確認やりなおそうが連絡先を追えないので不可能ですし、事務局説明したところでそもそも効力無いので意味がりません。

実際に署名したよ!という方々もいらっしゃるとは思いますが、そもそも無効手段によって集められた署名なので、署名としての有効性は最初から無かったわけです。残念。

ということで、今後Google Formで署名を集めてる文書サインしようとするまえに、事務局に「その方法だと署名として成立しませんよ」とそっと教えて差し上げましょう。

 

オープンレターの本文自体問題点については様々な方からご指摘がなされていますので、本文自体見直し署名の取り直しをオススメいたします。

 

 

追伸.

誤読ブコメがついたので補足を。

署名としての効力は無いと言ってるだけで、オープンレター自体有効無効も無く「単なる数名の意見表明」と見なされる、というのが本文の趣旨です。

(私の書き方がまずい部分があったので、一部修正文書全体ではなく署名部分が無効、という記載統一します。ご指摘ありがとうございました)

2021-02-01

anond:20210131185208

概ね同意

政局的にどうなるかわからないけれど、もし改憲スケジュールが目の前に迫ってきたら、次にこの流れが来るのは憲法学業界だと思う。

民法学者、商法学者、民事訴訟法学者労働法学者行政法学者なんかが叩かれてるのは観測したことがないが、憲法学者は(主に9条絡みで)やたらと一部の方に目の敵にされている。

叩いている人はそもそも憲法学という学問をどれだけ理解してるんだか。

2020-07-26

anond:20200726001803

ない。

ほとんどの法学部教授自分の専門分野しか知らない。

訴訟追行のために最低限必要司法試験合格してるのは東大京大レベル教授だけ。

それ以外は民事訴訟法刑事訴訟法学生時代最後勉強してないというのもザラだろう。

ごくごく狭い分野の専門家として意見書を書いたりというのはあるだろうけど。

2020-03-06

法律のことを勉強してみたい!」と少しでも思ったあなたへ

法学をかじった者として,法律に興味を持ってくれる人が増えるのは嬉しい。

ただ,独学での法律勉強は,険しい道である

ささやかながら,勉強に関するアドバイスをしたい。

どの法律を学ぶか

日本には,現在有効ものだけでも,約1万の法令がある。

初めて法律に興味を持った人は,その中でどの法令から学ぶべきか。

答えは,「上三法(うえさんぽう)」だ。

六法」という言葉を聞いたことはあると思う。

六法全書の「六法」だ。

六法」とは,憲法民法刑法商法会社法)・刑事訴訟法民事訴訟法を指す。

これらが基礎的な法律である

また,この六法のうち,憲法民法刑法は,まとめて上三法(うえさんぽう)と呼ばれる。

学者は,この上三法のどれかから勉強するのがとっつきやすいと思う。

では,憲法民法刑法のうち,どれから勉強すればよいか

それは,各自の興味や相性によって選べばよい。

参考までに,それぞれの印象を書いていこう。

憲法

押しも押されもせぬ「最高法規」。

学者にとってうれしいところは,時事問題との関連性だ。

性的ポスター表現の自由ヘイトスピーチ憲法9条,同性婚夫婦別姓緊急事態条項

などなど,憲法に関する時事問題はあふれている。

こうした時事ネタがとっかかりになるので興味を持ちやすいだろう。

デメリットは,条文の文言とはあまり関係ないところで解釈論が展開されるところ。

憲法だけ勉強して「法解釈ってこういうものか」と思うのは,ちょっと誤解を生むかもしれない。

民法

学者にとってうれしいところは,日常生活の関連性。

物を買うのも,部屋や金を借りるのも,民法上の契約だ。

交通事故やご近所トラブル民法問題になりえるし,親権相続民法の話である

暮らしの中で法律を生かすなら民法が一番良い。

また,民法債権法)は,制定以来120年振りの大改正がされており,改正後の民法は,2020年4月1日から効力を生じる。

そういう意味でも注目度が高いといえるだろう。

学者に厳しいところは,条文数や学習内容の多さだろうか。

親族相続を抜くとしても,なかなかに多い。

興味あるとこから勉強していっても良いかもしれない。

刑法

学者にとって良いところは,捜査公判ニュースへの理解が深まるところ。

どんなとき犯罪が成立して,どんなときに成立しないかを学ぶことが出来る。

学者に厳しいところとして,刑法総論は理論的側面が強く,最初は分りづらいかもしれない。

どんな本を読むか

大きく分けて,予備校系の本,学者系の本,その他の本がある。

これもどれしも一長一短がある。

予備校系の本

なんといっても分りやすい。

学者の独学は,何より挫折する可能性が高い。

その点,予備校には,初学者がどういうところでつまずきやすいか?どう教えればわかりやすいか?というノウハウが蓄積されており,それが本にも反映されている

例えば,伊藤真の入門シリーズオススメ

より深く学びたければ,その後,試験対策講座シリーズシケタイ)に進むのも良い。

予備校本の難点として

最先端議論カバーされていない

学説の良いところどりをして全体の整合性がとれていない場合がある

などがあるが,初学者は気にしなくてよいと思う

学者系の本

理論的に緻密(人にもよるが)。

参考文献からどんどんほかの本を読み進めていくこともできる。

難点は,難解で読みづらいところ。

最近は読みやすものも増えたが,それでもやはり予備校本などにはかなわない。

オススメは,以下のとおり。

芦部信喜憲法

高橋和之立憲主義日本憲法

内田貴民法Ⅰ」「民法Ⅱ」「民法Ⅲ」

佐久間毅「民法の基礎1」「民法の基礎2」

裁判所職員総合研修所「刑法総論講義案」

西田典之刑法各論」

山下純司ほか「法解釈入門」

・弥永真生「法律学習マニュアル

その他

読売新聞社会部「ドキュメント弁護士

久保利英明磯山友幸破天荒弁護士クボリ伝」

大岡昇平事件

横山秀夫半落ち

中嶋博行検察捜査

黒木亮「法服の王国 小説裁判官

・フェルディナント・フォン・シーラッハ「コリー事件

ジョン・グリシャム法律事務所」「ペリカン文書」ほか

法学が取り扱うは「○○法の解釈」だけではない。

興味があれば,個別法の解釈論とは違う側面から勉強するのも良い。

マイケル・サンデルハーバード白熱教室講義録+東大特別授業」

小林秀之 編「交渉作法 法交渉学入門」

福井秀夫「ケースからはじめよう 法と経済学 法の隠れた機能を知る」

森村進自由はどこまで可能か リバタリアニズム入門」

漫画で学ぶ

本を読むのが辛いという人は,漫画雰囲気をつかむのも良い。

オススメは以下のとおり。

ナニワ金融道

そこをなんとか

弁護士のくず

家栽の人

今度イブニングで連載が始まる「リーガルエッグ」も期待している。

傍聴に行く

百聞は一見に如かず。

実際に裁判の傍聴に行ってみるのも良い。

傍聴は誰でもできるし,予約なども必要ない。

ニュースで大きく報道されるような事件は,傍聴希望者がたくさん来て抽選になったりするが,それ以外の普通事件は,ふらっと行って自由にみられる。

ただし,事件の選び方などちょっとしたコツはあるので,あらかじめ下調べをしていったほうが有意義だろう。

傍聴マニアの人が本を出していたりするので,それで予習するのも良い。

おわりに

色々と書いてきたが,学校試験資格試験を受けるのでなければ,細かい条文や判例を覚えることにあまり意味はないと思う。

法律法学の考え方全体の根底にある基礎的な考え方や発想(大げさに言うと「リーガルマインド」)を身に着けることができれば素晴らしいと思う。

私自身も法曹にはなったものの,まだまだ勉強することだらけだ。

一緒に楽しく頑張りましょう。

anond:20200226015326


追記

特別法の方が興味持てるなら、たしか特別から勉強しても良いか

(ただ、理想はやっぱり一般法から

・憲民刑は広義の法令という意味では同一カテゴリでは?

リーガルクエストシリーズも好き

・誤字脱字を修正しました

2020-02-26

みんな法律ってどこで学んだの?

恥ずかしながら、一般法特別法関係を、今回の検事長定年の騒動で初めて知った。

ぶっちゃけ最初はなんでみんながそんなに騒いでんのかいまいちピンとこなかった。

ブクマにあがってるサイトとか呼んで、法律にも使い方みたいなものがあることが分かった。(この書きぶりからかると思うけど、今でもちゃん理解してるとは言いがたい)

先日たまたま法学部出身の同期と会うことになってたから、そいつに聞いたらいろいろ教えてくれた。

・いわゆる六法憲法行政法)、民法刑法商法会社法)、民事訴訟法刑事訴訟法で、基本となるのもこの六法

法律包括的言葉で書かれているから、解釈余地があって、これは学者論文とか裁判によって確立されていく。(法学部は主にこの解釈にどういうものがあるのかをひたすら勉強するところ)

憲法行政法は、行政府すなわち国家権力を縛る法律。(だから権力者憲法を変えたがる)

民法は大まかに言えば「こういう人にはこういう権利がありますよ」ということが定めらている法律私的自治という考え方が根本あって、これに依拠して解釈する。他にも、権利外観法理とか信義則かいう考え方があって、解釈が分かれたりするのはこういう元の考え方の違いによる。

刑法は「こういうことをすると、こういう刑罰に処しますよ」ということが定められている法律本来自由なはずの人間に刑を与えるものから法律に書いてないことで人を罰してはいけない(罪刑法定主義という考え方)。だから刑法の法が民法より体系立っていて厳格。何が犯罪にあたるか、それをその人の責任にしてよいか、というフェーズがある。あと、考え方については、犯罪行為と結果のどちらを重視するかで大きな派閥争いがあるらしい(?)。

裁判には民事刑事しかない。法律には実体法と手続法があって、法律のもの正義にかなうものでなければならないけど、そのプロセスである裁判正義にかなうものでなくてはいけないよね、という考えによる。民法民事訴訟法刑法刑事訴訟法

民事訴訟法にも私的自治という民法から続く考え方があって、でも同時に裁判を遅らせいないようにするべきとか、あるていどは専門家である裁判官に任せるべきとかの考え方もあって、その兼ね合いになる。刑事訴訟法警察捜査フェーズと、裁判フェーズがあって、捜査は結局どこまで国家権力強制的国民権利制限できるかという問題になる。裁判証拠のこととか、身柄をいつまで拘束してよいか、とか。

・その他いろいろ。

なんとなく知っているつもりだったものにもちゃん理屈がついてたりしておもしろかった。

こういう法律の考え方とか概要ってみんなどこで知るんだろうか。

義務教育法律っていう授業あってもいいのにな。

法治国家で生きてんのに法律よく知らないのって、ルールを知らずにゲーム参加してるような感じなのかも。

同期に法律入門書いくつか教えてもらったから、とりあえずそれを読むつもりだけど。

2019-02-08

anond:20190207004137

児童相談所 拉致 静岡市」などと検索すれば、当事者(親)が発信する記事を閲覧することができる。Twitter実名発信すら行っている。

彼らの主張と、裁判所認定事実とを対比しながら読めば、恐ろしさが伝わってくると思われる。

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損害賠償請求事件

東京地方裁判所平成21年(ワ)第25349号

平成25年8月29日民事第44部判決

口頭弁論終結日 平成25年4月25日

       判   決

(第1,第2 省略)

第3 争点に対する判断

1 認定事実

 前提事実に加え,後掲の証拠及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。

(1)本件小学校入学前後の経緯

ア 原告Q1は,原告Q2及びQ9との同居を始めた平成19年2月頃,Q9が時間を守らないこと,嘘をつくことを矯正させる必要があると考えて,原告Q2との間でQ9へのしつけの方法について話合い,その結果として,原告らは,Q9が小学校入学した同年4月頃から,Q9が上記の点について原告らの口頭での指導を守らなかった場合には体罰を与えることとした。

 原告らの体罰は,当初は頭を軽く叩く程度であり,その後顔を平手打ちするようになり,同年6月頃からは,Q9に木製の子ども用バットを持ってこさせて,臀部をバットで叩くことなどがあった。

(甲4,75,原告Q1本人)

イ(ア)Q9の所属するクラス担任であるQ12教諭は,平成19年4月頃,Q9の顔に痣があったこから,その痣について聞いたところ,Q9は,タンスの角にぶつけたと述べた。Q12教諭は,その後,Q9の顔の別の位置に痣があることを発見した。

 Q12教諭は,同年5月下旬頃,Q9が忘れ物をして登校してきたため,どうしたら忘れ物をしないようにできるか尋ねたところ,Q9は泣き出して,自分学校の支度をしていることのほか,原告Q1は殴るので恐いこと,原告Q2はQ9を守ってくれなくなり,原告Q1と一緒に怒ってばかりいるが,以前はそうではなかったことなどを述べた。そこで,Q12教諭は,Q9に対し,先生はいつも君の味方であり,先生が守ってあげるなどと述べた。

 原告らは,同月31日,本件小学校担任教諭保護者との間での連絡帳に,Q9から先生が守ってあげるという発言があったと聞いたが,その発言真意確認を求める旨の記載をした。

(イ)本件小学校のQ13教頭は,同年6月5日,原告ら宅を訪れ,原告らと面談した。その際,Q13教頭は,虐待の疑いがある場合についても適切な対応をとる必要がある旨述べ,原告らは,今までQ9はしつけを行われずに育ってきており,Q9を良くするのは今しかないこと,しつけの方針として,悪いことをしたら殴ること,虐待を疑っていることは理解していることなどを述べ,Q12教諭上記(ア)の発言について,Q12教諭からの直接の謝罪要求した。これを受け,Q13教頭は,一旦本件小学校に戻り,Q12教諭と共に再度原告ら宅を訪れ,Q12教諭上記(ア)の発言について,誤解を招く発言であったとして謝罪した。

 Q9は,同日以降,Q12教諭に対し,先生が来てくれてから殴られなくなったと述べた。

(ウ)Q9は,同年6月29日,右大腿部,右肩に赤色の跡があり,Q12教諭が,Q9がプールに入る際にその跡について聞いたところ,Q9は,原告Q2から叩かれたと述べた。

 また,Q9は,同年7月2日,右目の下部に痣があり,Q12教諭からその痣について聞かれたところ,原告Q2に殴られたと述べたが,Q13教頭からその痣について聞かれた際には,Q9は転んで怪我をしたと述べた。そこで,同日,Q13教頭原告ら宅に架電したところ,原告Q2は,Q9が2日続けて許せない嘘をついたこから原告Q2が殴った,私も人間から感情的になると述べた。

 原告Q1は,同月3日,本件小学校架電し,Q13教頭に対し,原告らは冷静にQ9をしかっていること,同じ状況であれば原告Q1であっても殴っているはずであり,原告Q2も同じ方針であることなどを述べた。これに対し,Q13教頭は,殴らないで育てることをまず考えるべきであるなどと述べた。

(エ)Q12教諭は,同月4日,原告から,本件小学校教育方針等についての意見記載された手紙が送付されたため,同日午後3時頃,原告ら宅を訪問した。その際,原告ら及びQ12教諭居間にいて会話をしていたところ,原告Q2は,一旦居間を離れてQ9の部屋に行き,Q9を叩き,居間に戻ってきた際に,「今私,Q9のこと,叩きましたから,守って下さい。叩きました。嘘ついたから。」などと述べた。

 その後,本件小学校のQ14校長教務主任及び生徒指導主任原告ら宅を訪れ,原告Q1から学校で行う教育と家庭で行う教育区別をしたガイドラインを示してほしいという要望があったため,Q14校長ガイドラインを示す旨述べて,同日午後8時30分頃にQ14校長らは原告ら宅を離れた。

(甲11,17,18,乙ろ2の12,乙ろ15,証人Q13)

(2)本件一時保護に関する経緯

ア Q14校長は,同月6日,静岡市教育委員会に対し,前記(1)イの経緯を報告した。静岡市教育委員会は,同月10日,静岡市α区の要保護児童対策地域協議会児童福祉法25条の2参照)の定例実務者会議において,Q9を要保護児童として提示し,Q13教頭が前記(1)イの経緯をまとめた報告書(乙ろ2の12の1ないし6丁)を提出した。上記会議に出席した静岡市児童相談所の所員は,同日,本件小学校に対し,Q9は保護を要する児童であるため,今後Q9に痣等があった場合には児童相談所に通告するように指示した。

イ Q9は,同月13日の登校の際,左顎及び左目下部に痣があり,Q14校長がその痣について聞いたところ,Q9は,嘘をついたことを原告Q1に怒られて殴られたと述べた。そこで,同日「Q14校長は,静岡市児童相談所架電してQ9について通告した。また,同日のプールの授業の際,Q9の大腿部及び背中に痣があることが確認された。

 静岡市児童相談所は,同日,上記通告を受け,子ども虐待対応の手引き(平成19年1月23日付け雇児総発第0123003号厚生労働省雇用均等・児童家庭局総務課長通知。乙ろ2の10)及び静岡県中央児童相談所作成家族支援ガイドブック(乙ろ2の11)に基づき,上記アの会議に参加していた所員等による緊急受理会議を開催し,Q9に行うべき支援及び援助の内容を判断するための虐待処遇アセスメント指標(乙ろ2の6)で判定をしたところ,虐待の程度は,5段階の上から2番目(打撲,広範囲の軽外傷等)であり,調査格付は,生命を脅かす(又は高い可能性がある。)状態として,直ちに立入調査を行うこととなる「R-1」と判定された。また,静岡市児童相談所のQ15主任主事ケースワーカー)等の所員3名が,本件小学校に立入調査をして,Q9の顔から足にかけて痣があることを確認し,Q9に聞き取りをしたところ,Q9は,原告からは,Q9が時間を守らないという理由毎日殴られること,原告Q2の方が多く殴ること,原告Q1からおもちゃバットでいろいろなところを殴られ,原告Q1から殴られた際に血が出たことがあることなどを述べた。静岡市児童相談所は,上記立入調査をした所員からの報告を受け,上記虐待処遇アセスメント指標及び所員の合議に基づき判定をしたところ,Q9の支援・援助格付は,直ちに一時保護必要となる「AA」と判定された。

 静岡市児童相談所長は,Q9に痣があり,Q9も原告から殴られていることを認めたこと,本件小学校から家庭訪問をした後も原告から虐待継続していることが確認できたことに基づき,Q9を一時保護し(本件一時保護),その後に原告ら宅に架電し,原告らに対して本件一時保護したことを告げた。

 Q9は,同日,静岡市静岡病院のQ16医師の診断を受けたが,同医師作成診断書には,「全身に打撲によると思われる皮下出血を認める」として,〔1〕両下眼瞼,〔2〕左顎部,〔3〕右肩甲骨上,〔4〕左大腿背側,〔5〕右下腿膝下部前面及び〔6〕両殿部について,「いずれも鈍器,または靴による打撲跡と考えられる」,「上記外傷について全治一週間と診断する」との記載がある。

 静岡市児童相談所は,同日,静岡県中央児童相談所の一時保護施設にQ9の一時保護委託した。

(甲11,乙ろ2の4ないし6・12,乙ろ15,16,乙は3の1・2,証人Q17,証人Q13)

(3)本件一時保護開始後の経緯

ア 原告らと静岡市児童相談所は,本件一時保護が開始された平成19年7月13日以降,電話等でやり取りをしたが,次のとおり,原告らは,Q9に対する体罰虐待ではなく,親である原告らの意思無視して本件一時保護継続することは不当であるとの意見を繰り返し述べた。

 原告Q1は,同月20日,静岡市児童相談所のQ15主任主事との電話で,虐待はしていない旨述べ,暴行肯定されると考えているかとの質問に対して「ええ,肯定されますよ。当たり前じゃないですか」「一時的感情だとかそんなことで虐待を繰り返してきているわけじゃないんだ」,「責任ある体罰っていうのだってあるんだ」などと述べ,静岡市児童相談所のQ18統括主幹との電話で,同月27日,「Q9をおたくらに任せますけど,やつが20歳ぐらいになったときにまともな,私らが考えているような大人になってなかったら,抹殺しますんで。おたくらも含めてよ。」,同月30日,「子どもがこう,おれらの考えてたとおりに教育できなくなったときに,おまえらどういう責任とる。とらなかったときは,おまえ,リンチしてもいいか」,同年8月1日,「根本からお前らの育て方とか教育論が間違ってるのに,何で間違ってる奴らと俺らが話し合わなきゃいけないんだよ。」などと述べた。また,原告Q2は,同年7月23日,Q18統括主幹との電話で,「私達は少なくとも体罰体罰だって考えてるんですね。私の思う虐待と言うのは自分憂さ晴らしですね。」,「体罰っていうのは暴力とは違う」などと述べた。

 静岡市児童相談所のQ19主任主事心理士)及びQ15主任主事は,同月20日から同年8月31日まで,一時保護施設を訪れてQ9と面談,行動観察,心理テスト等を行った。Q9は,同月8日以降の面接で,原告らと会いたくなく,施設から帰りたくない旨訴えた。Q19主任主事は,Q9について,同年9月20日開催の静岡市健康福祉審議会児童福祉専門分科会児童処遇審査部会に「現段階では,本児の家庭に対する拒否感が強く,両親と距離を置き,守られた環境下で,本児の話に耳を傾け,個別には母性的で受容的な対応が望まれる。」,「これまでの養育環境により本児の情緒面での成長が阻害されてきた結果が示されており,今後,両親の養育態度に改善が望めないようであれば,家庭との分離はやむを得ず,児童養護施設への入所が適当であると考える。」との心理診断の結果を提出した。同部会では,Q9の入所措置承認を求める申立てを行うことに異議は出なかった。

 静岡市児童相談所のQ20所長は,上記原告らの発言心理診断の結果及び上記部会の結果を踏まえ,原告らによる暴力継続される可能性が高く,Q9も帰宅拒否していることから児童養護施設への入所が適当であるとして,同年9月25日,入所措置承認を求める申立て(本件申立て)をした。

(甲11,14,乙ろ7の1ないし7)

イ 原告らは,同年9月28日,静岡市児童相談所を訪れ,Q20所長,Q17参事平成20年4月1日に静岡市児童相談所長となった。以下「Q17」という。)等の所員と面談した。この面談の際,Q20所長らは,本件一時保護の経緯や,Q9については児童虐待防止法2条1号所定の暴行が行われたもの判断していると説明したが,原告らは,「体罰虐待はこれ別物ですから」,「しつけの段階で,あざができるほどたたかなきゃいけなかった」などと述べてQ9の返還を求め,静岡市児童相談所はこれに応じなかった。

(甲9,10,乙ろ7の10)

ウ Q20所長ら及び原告Q1は,本件承認審判及び本件勧告がされた後である平成19年12月21日,静岡市児童相談所面談した。原告Q1は,本件承認審判の「二度と虐待に該当するような体罰をさせない」という文言から虐待に及ばない体罰については容認されたもの解釈している,体罰主体にしない努力はするが,目的によっては必要なこともあるなどと述べたのに対し,Q20所長は,しつけ自体否定するわけではないが,体罰を伴うしつけは子ども心理的な影響があり好ましくない,本件勧告を受けて,静岡市児童相談所から原告らに対する指導方法について年明けに提案する旨述べた。また,原告Q1が,原告らがQ9の通学している安西小学校に面会等を申入れることは問題となるか確認したのに対し,Q20所長は,今の状態だと問題となる旨述べた。

 静岡市児童相談所は,平成20年1月頃,上記提案として,Q9と原告らの家族統合に向けた「ご両親への支援プログラム」(以下「支援プログラム」という。)を作成した。支援プログラムでは,〔1〕目標は,「Q9君が安心して生活できるような家庭づくり。」であり,〔2〕方法として,原告らが静岡市児童相談所を訪れ、概ね1か月に1回2時間程度を目安に面接実施し,面接以外にも課題の提出をお願いすることがあること,〔3〕2月から3月頃にQ9の気持ち確認し,写真ビデオレターなどを通した親子交流を始めること,〔4〕Q9が原告らに会いたいという気持ち確認し,5月から6月に児童相談所内で原告らとQ9との面会を実施し,6月から7月初旬に親子での外出を実施すること,〔5〕面会・外出時の親子の様子,Q9からの外泊希望確認し,児童相談所所員による家庭訪問実施した後,7月初めに家庭への外泊を開始すること,〔6〕外泊が繰り返される中で,良好な親子関係が認められ,引取り後の支援のあり方について共通理解が得られれば,家庭引取りとなることが記載されている。

 Q20所長ら及び原告Q1は,同年1月11日,静岡市児童相談所面談した。静岡市児童相談所のQ21心理士支援プログラムについて説明するなどしたところ,原告Q1は,支援プログラムは本件勧告無視したものである原告らは体罰をしているのであって虐待暴力ではない,一時保護自体間違っている,おれは日常生活の中で普通にやっていく中で必要であれば絶対体罰は使う,まずはQ9を帰してもらいたいなどと述べた。そこで,Q20所長は,再度提案をする旨述べた。 

 Q20所長ら及び原告Q1は,同月24日,静岡市児童相談所面談した。Q17が,本件勧告に基づいてQ9を帰宅させるためには,虐待に該当するような体罰はしないことが条件になる旨述べたところ,原告Q1は,裁判所原告らが虐待をしていないと認めており,Q9をすぐに返してもらった上で静岡市児童相談所による指導を受けるというのが原告らとして譲歩案の全てである静岡市児童相談所原告らの意見を聞かずに一方的な主張をしているなどと述べた。

(甲9,10,乙ろ5の2,乙ろ7の11・12)

エ Q9は,平成19年12月31日,静岡ホームで転倒して頭を打ち,CT検査をしたが,脳に異常は認められず,頭部挫傷と診断された。

 静岡市児童相談所は,原告らに対し,上記転倒事故を通知せず,原告らは,平成20年3月7日に静岡市個人情報保護条例に基づき開示を受けた文書により,上記転倒事故の発生を認識した。

(乙ろ1)

オ 原告Q2は,同年2月1日,静岡市児童相談所に対し,Q9の毎日の詳しい言動や様子を報告しない理由等の回答を求める質問状を送付した。また,原告らは,同月8日,静岡市児童相談所を訪れ,本件抗告棄却決定に対して特別抗告申し立てた旨伝えるとともに,親権行使するとして,Q9の毎日の一時保護施設及び小学校での言動を報告することを求めた。さらに,原告Q1は,一時保護期間の7か月でQ9の身長が2.4センチメートル体重が1キログラムしか増えていないという理由で,Q9への精神安定剤等の投与を疑

2018-09-19

言論の自由に対する私の所感

id:envs です。
増田なのに名前を明かすこと、ご容赦頂きたい。
トラックバック構造が見やすく、建設的な議論が成されやすいというのが増田というプラットフォームを選んだ理由です。

https://www.huffingtonpost.jp/2018/09/18/shincho45_a_23531748/

新潮社公式アカウントが「新潮45批判を怒涛のリツイート 「中の人がんばって」の声援寄せられる

id:envs

新潮45の件の記事には極めて反対。しかし私は言論の自由民間にも認められるべきだと考えているので「廃刊しろ、回収しろ」とは言わない。当然「廃刊しろ、回収しろ」と言っている人の主張を批判する訳でもない

id:senbuu

id:timetrain id:envs 例えばSNS違反報告のシステムにも反対するのなら、主張に一貫性はあると思う。さらには名誉棄損や誹謗中傷肖像権侵害著作権侵害言論の自由と言えるのなら。

以上の流れでした。100文字制限は主張を開陳するにはちと厳しすぎる面があるので、ここで私の言論の自由に対する主張を挙げておきます

私の言論の自由に対する主張

「成された表現」に対しては批判OKだし、なんなら民事訴訟を起こす権利もあるし、あるべきである
しかし「まだ成されていない表現」に対し、今までの著者の表現から来る他者権利侵害蓋然性を基に、表現手段を奪うようなことは、公的機関が行うのは極めて特殊例外に限られるべきだし、民間企業が行うのは慎重さが求められると私は思う。

この主張に基づく id:senbuu 氏への回答

私はSNS違反報告システムは嫌いです。
他者権利侵害している(これも裁判を経ていないので基準曖昧であるが)投稿を削除するならまだしも、アカウントごと削除・凍結して、表現の機会自体を奪う方法には怒りすら感じます
例えば岡口基一氏のTwitterアカウントが凍結されたことなどは、本当にそれで良いのかと疑問を呈せざるを得ません。

当然SNS民間企業サービスでありますからアカウントをBANするのも別に企業方針なら仕方がないと思います新潮社新潮45廃刊にしようが回収しようが、そういう方針なのだな、と思うだけです。
しかし私個人見解としては、批判を多く受けた言説を掲載たからといって、さあ垢BAN廃刊だ回収だとなる社会の方が、なんだか恐ろしいな、と感じてしまうのです。

"さらには名誉棄損や誹謗中傷肖像権侵害著作権侵害言論の自由と言えるのなら。"とのことですが、これらは基本的表現が成されたあとで紛争解決すべきものであると考えています名誉毀損や誹謗中傷が極端な場合は、裁判に訴えることで、事前抑制例外として可能であるという判例もありますしかしこれは特殊場合だと考えるのが自然でしょう。基本的には訴えるのは表現の後で、というのが原則だと考えています。それほど言論の自由表現の自由というのは私の中では重たく考えているのです。

https://ja.wikibooks.org/wiki/%E6%A4%9C%E9%96%B2%E3%81%A8%E4%BA%8B%E5%89%8D%E6%8A%91%E5%88%B6%E3%81%AE%E7%A6%81%E6%AD%A2

検閲と事前抑制禁止


事前抑制

もっとも、ある制度検閲にあたらないとしても、事前抑制として表現の自由(21条1項)の侵害にあたらないかどうかが問題として残る。事前抑制絶対的禁止ではないが、厳格な要件でそれが表現の自由の侵害にならないか審査する必要があるとされている。

この点につき、事前抑制合憲性の判断枠組を示したのが、北方ジャーナル事件最大判昭和61年6月11日民集40-4-872)であった。本判決では、民事訴訟法の定める名誉毀損的な出版物の事前差止めの仮処分が、1.検閲にあたらないか、2.事前抑制にあたらないか、が問題とされた。本判決ではまず事前差止めは検閲には当たらず、21条2項には反しないとしている。その上で、事前抑制が許される極めて例外的な場合にあたるかどうかを次のように審査している。

以上の判断基準に則り、北方ジャーナル事件では出版物の事前差止めは21条1項にも反しない、とした。

2018-08-27

https://anond.hatelabo.jp/20180826220500

理系学問特に数学統計学念頭に)は数式をポンと書けば一応格好がつくからさなコスト解説できる。

他方、文系学問特に法律学歴史学人類学)は検証のために色んな事由を並べないといけないか解説にかかるコストが大きくなりやすい。

俺が知ってる中では民事訴訟法についての栗田隆先生サイトが一番かな。市販されてるどの教科書より詳しくて圧巻。(民訴とか知ったこっちゃねーよって感じだろうけど・・・。)

http://civilpro.law.kansai-u.ac.jp/kurita/procedure/lecture/index.html

あ、あと哲学勉強するときによくこのサイトは参照してた。ブログ結構面白い

https://philosophy.hix05.com/

2016-11-25

[] H22民訴コメント(アンサー)

H22民訴

全体として項目があってすごく読みやすかった。

・設問3

代理要件については、顕名がないという点だけど、加藤解説では、顕名なき訴訟代理の可否という項目立てて論じてた。この論点論理の流れは、顕名趣旨は、当事者本人が誰であるかを相手方に示すもの代理人が本人の名で訴訟行為やっているか趣旨妥当する。また、法定代理場合と異なり、訴訟代理人の氏名は訴状必要記載事項ではない(133条2項1号後段対照)から民事訴訟法は、訴訟委任に基づく訴訟代理要件として訴訟代理人の氏名の表示を要求してない。よって、民事訴訟における顕名なき訴訟代理も認められる。

こんな感じだった。④の書面の話は解説では触れてなかった。

・③の弁護士代理の所は趣旨から論じてて読みやすかった。

当事者の確定を論じるときになぜ、当事者の確定を論じるかを書けるとよかったかもしれない(俺もできてないけど)。具体的には、被告がGとされると、訴状の表示の訂正を要するだけで、Gのし訴訟行為の効力がEに及ぶ。対して、被告がEである場合は、Gがした訴訟行為被告ではないGが被告として行ったものとなるから原則として無効となる。そこで、EGいずれが被告かが問題となる、といった感じか。

設問4

(1)

・この問題長所短所というのは、法律上の主張として裁判所に認められるかどうか、という意味での長所短所らしい(採点実感)。ただ、多くの答案がそのように書いてなかったらしいから、問題が悪いような気がする…

そうすると、法律構成①の長所記述では点が入らないかも。加藤が書いていたのは、信義則という一般条項を用いることなく既判力を遮断できるから法律上の主張として裁判所に認められやすい、ということだった。

法律構成①の短所は、既判力の正当化根拠整合しないことと処分主義に反する、といことらしい。ただちょっと解説聞いても意味がよくわからなかった・・・すまん・・・

この辺の所は、藪口連載で出題されてたような気がする(問題みて困難でねーだろと思って解説は読んでないが)

(2)

・条件付給付判決は将来給付判決なので135条必要さらっと加藤は流してた。

・135条のあてはめでは、Fが第1訴訟の時点から被担債権金額を争っているため、これを先決問題とする抵当権設定登記抹消登記手続請求義務存在も争っているといえるから、Aが同義務の履行を求める時期においてFが即時に同義務を履行することが期待できない、というあてはめをしてた。義務者の対応問題として認めているってことかな?

・246条違反の話だけど、これって原則例外の話なのかがちょっと気になった。あんまり質的一部認容判決の話で原億例外っていう感じで論じているのを見たことがないので。違ってたらごめん!

被告の防御権を侵害するかのところで、加藤は、残債務500万円のところに既判力が生じない、という点を論じていた。ただ解析とかでも訴訟で争えったから不意打ちではないって書いてあったから、ここまでかけた人がどれだけいたのか疑問ではある。

2016-03-24

東京アニメアワードフェスティバル2016に関連しそうでしない話

話題になってるね東京アニメアワードフェスティバル(TAAF)2016。

いま来た人でどれくらいバタバタしてるか知りたい人は、PDFを読むと良い。

http://www.shortfilmdepot.com/en/home/accueil/affichereglement/nIdSection_PM/253/nNumLangue_PM/2/idFestival/66/file/Tokyo_Anime_Award_Festival_Short_Animation_F_%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E3%82%A2%E3%83%8B%E3%83%A1%E3%82%A2%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%95%E3%82%A7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%90%E3%83%AB%E3%80%80%E7%9F%AD%E7%B7%A8%E9%83%A8%E9%96%80

短編アニメーションの応募要項という重大な文書にもかかわらず、8ページ目にしれっと「長編アニメーショングランプリ」とか誤字があるわけですよ。

(流石に英語の3ページ目はちゃんと TAAF2016 International Short Animation Grand Prizeとなってる)

まり、そういうミスをするような組織体であるというのは、まあ最初から判ってたわけです。

一般的一般社団法人の話

一般社団法人日本動画協会にはあんまり関係ないんだけど、一般論として一般社団法人には色々あります

ちゃんとしたところ、いいかげんなところ、ちょっとどうかと思うところ、色々です。

で、重要なところなんですが、一般社団法人って、公益法人じゃないし株式会社じゃないし、役所でもないわけです。

割と立ち位置中途半端なこともあって、良い意味でも悪い意味でもユルイことが多いわけですね。

例えば、お役所はこういう文章を出しません

実行委員会との連携や、長編及び短編審査、招待作品選定等、極めて順調に準備が進んでいます

江口氏のディレクターの解任による不利益不都合は一切ありません。

江口美都絵氏(東京アニメアワードフェスティバル・元フェスティバルディレクター)に対する刑事告訴・民事裁判に関する御報告 (2016/2/15 付発表文に対し、第8項を追加発表) | 日本動画協会

「極めて順調に」とか「不都合は一切ありません」とか、お役所は書かないのです。

役所文書口約束ではなく文書)は、広い意味公正証書と呼ばれてて、ちょっと特殊な扱いになるからです。

民事訴訟法228条あたりを読むとわかるよ。普通公文書と呼ぶよね)

なんで書かないかというと、こういうことになった時に、結構マズイ&面倒なことになるから

shortfilmdepot.com の本年度の登録者エントリー手続が行えなかった作品につきましては、TAAF事務局は、来年度開催予定のTAAF2017に対しても応募受付可能とする措置をとり、shortfilmdepot.comの運営者と協議を行い、登録者に対して告知を行います

TAAF2016 「コンペティション部門短編アニメーション」ノミネート全作品発表! | 東京アニメアワードフェスティバル2016

  1. 解任で不利益不都合一切ない
  2. shortfilmdepot.comには登録したけど、TAAF公式サイトを通じてエントリーしなかった人のは、来年

役所文章はこういう「1番の解任で問題ないって書いてる以上、2番の問題は解任された人とは無関係だよね」という言質をとらせないようになってます

念の為補足すると、1番を書いて無ければ「揉めたの契約解除した委託先に妨害されたからだから、そっちに損害賠償してね」って出来た)

請求 or 訴訟 万能主義

まあ、これもお役所仕事とかの典型ではあるので一般論として聞いて欲しいんだけども、

世の中には「言えばまあ通るんじゃないかな」的な勢いでイイカゲンな事をしてくるところがワリとあります

仕事発注して仕事が動き出してから「やっぱあれキャンセルね、一銭も払わないからだってキャンセルだし」みたいな。

役所不思議時間間隔で動いてるので、お金なかなか払ってくれなかったり、微妙に話がなくなったりします。

書類になってるとちゃんと守ってくれるし、イイカゲンなことは書かないんだけどね。

(なので、役所のひとに無茶言われた時は、文書請求してくれって返すと大抵お金払ってくれる)

と、同様に、なんかこう、訴訟すれば自動的に通ると思ってるひとも結構ます

まあ訴訟慣れも嫌なモンだけど、メンドウ嫌がるひと多いからね。

TAAF2016とは何の関係もない一般論だけど、例えば

  1. クラウド管理を任されててアカウント持ってる
  2. 突然のクビ!
  3. 「お前しか管理者居なかったから引継でデータよこしたり仕事しろ

となったとき、「じゃあ確認訴訟するかあ」とはならないことが多い。

雇用契約上の地位確認→クビじゃねえよな→和解金貰って辞めるのパターン

まんま泣き寝入りなんだけど、まあメンドウだからね。

これもまあ一般論なんだけど、

クビにはされましたが邪魔しました、だと負けるけど、

クビは無効ですノータッチです、だと勝てることが多いよね。弁護士忠告しないのか。

東京アニメアワード 357件

ここまで読んでくれた人にちょっと良いことを教えるけど、

東京アニメアワード 357件」でググった時に出てくるサイトあるよね。

はい、それが転載可能なリストです。

まりウラドリしない」「独自ソース持たない」「主張を転記してくれる」美味しいサイト群。

ちょっと説明すると、TAAF2016の短編応募はこんな状況でしたってのがTAAF2016サイトで公開されてる

コンペティション部門短編アニメーションの応募総数は、インターネット上の応募受付サイトである shortfilmdepot.com への登録者で、TAAF公式サイトを通じて自らエントリー手続を行った方々の173作品を含む522作品でした。

shortfilmdepot.com の本年度の登録者エントリー手続が行えなかった作品につきましては、TAAF事務局は、来年度開催予定のTAAF2017に対しても応募受付可能とする措置をとり、shortfilmdepot.comの運営者と協議を行い、登録者に対して告知を行います

TAAF2016 「コンペティション部門短編アニメーション」ノミネート全作品発表! | 東京アニメアワードフェスティバル2016

わかりにくいんだけど、

  1. 全部で522作品
  2. TAAF公式サイトに直接作品を持ち込んだのが、173作品
  3. shortfilmdepot.comに作品投稿したけど、直接TAAF公式サイトに来なかったひと(522-173=)349作品
  4. 3番の人は、来年のTAAF2017でも受け付けるよ。

というわけで、349作品が(理由不明だけど)来年受付になるよ、と書いてある。

というわけで、いま357件って書いてるところは、ちゃんとしたデータソース別に持ってないんじゃないかなあ。

(なお、530件-173件=357件になる。530件っていうのはおたぽるが役所にヒアリングした時の数字だね)

こういう時、慎重さに差がでるから、良く観察したほうが良いよ(誰がとは言わないけど)

ゆる~く書いてるように見えるのに、確認が取れた数字しか載せないところは、やっぱ揉まれてんなあという感じ。

東京アニメアワードフェスティバル、大量の未審査作品を発生させたまま終了… | 東京都議会議員 おときた駿 公式サイト

まとめ

カクヨム増田のイチジャンルをとられるのはちょっと悔しいよね

2015-06-16

 以下便宜国鉄の例をとり、両者を対比してみる。

(一) 国鉄国家行政組織法に定める国の行政機関ではなく、したがつてその職

員も国家公務員ではない。これに対し林野庁は言うまでもなく、右組織法に定める

国の行政機関であり、その職員は一般職に属する国家公務員である

(二) 国鉄職員に対しては日本国有鉄道法(以下国鉄法という。)第三四条第二

項により、国家公務員法適用全面的排除されているが、林野庁の職員に対し

ては前述のとおり公労法第四〇条により、一定範囲国家公務員法規定適用

排除されているのみで、一般的には同法が適用されている。

(三) 任免について国鉄職員の場合には国鉄法第二七条において、その基準の大

綱を示すにとどめ、その具体的規律については国鉄の定めるところに一任している

のに、林野庁職員の場合には、前記のとおり国家公務員法第三章第三節および人事

規則八-一二によつて、職員の採用試験、任用手続等がきわめて詳細かつ具体

的に規定されており、林野庁に一任されている部分はきわめて少ない。

(四) 降職および免職事由についてみると、林野庁職員の場合には、国家公務員

法第七八条第四号において「官制若しくは定員の改廃又は予算の減少により廃職又

は過員を生じた場合」と規定されているのに対し、国鉄職員の場合には国鉄法第二

九条第四号において「業務量の減少その他経営上やむを得ない事由が生じた場合

と、ことさら私企業的色彩の強い降職および免職事由が定められている。

(五) 懲戒事由についてみると、林野庁職員の場合には、国家公務員法第八二条

第三号に「国民全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあつた場合」と定めら

れ、林野庁職員の公務員たる性格を明らかにしているのに対し、国鉄職員の場合

懲戒事由を規定した第三一条第一項にかゝる規定を欠いているし、その他の点で

国鉄法にはその職員を「国民全体の奉仕者であるとは規定していない。

(六) 一般服務関係については、国鉄職員の場合には国鉄法第三二条が職員は法

令および業務規程に従い全力をあげて職務遂行に専念すべき旨を定めるにとどま

るのに対し、林野庁職員の場合には国家公務員法第九六条において「すべて職員は

国民全体の奉仕者として公共利益のために勤務する。」ものであるとの根本基準

を明らかにしているほか、上司命令に対する服従、信用の保持、秘密の厳守、職

務への専念、政治的行為制限私企業から隔離、他の業務への関与制限等(国

公務員法第九八条ないし第一〇四条国家公務員として特殊な勤務関係に応ずる

ものと解される詳細な規定が設けられている。

債務者見解については裁判例として参照すべきものに次のものがある。

(一) 東京地方裁判所昭和三〇年七月一九日判決

行政事件裁判例集第六巻第七号一八二一頁)

(二) 東京地方裁判所昭和三八年一一月二九日判決

判例時報第三六四号一四頁)

 以上のように債権者らが全く同質的ものであると主張する三公社職員の勤務関

係と、林野庁職員の勤務関係との間には、実定法規の上で本質的差異が認められ

るのである

 しかして、債権者らに対する本件配置換命令は、すでに述べたとおり国家公務員

法第三五条人事院規則八-一二(職員の任免)第六条にもとづいて行われる公権

力による一方的行為であるから、いわゆる処分性を有し行政処分としての性格を有

するといわなければならない。(公労法第八条第二号は各種の人事事項に関して当

事者自治による決定を認めているがこれはあくまでも所定の人事権行使に関する基

準について団体交渉等を認めたものであつて、その基準適用して具体的、個別的

に行われる人事権行使一方的行為であることに消長をきたすものではない。)

四、(一) 債権者らは、林野庁職員に労働基準法適用され、同法施規則第五

条に就業場所に関する事項等を労働条件として明示することを規定していること

を挙げ、林野庁職員は私法的労働契約関係にあると主張するが、同条の規定労働

条件に関する事項(基準的事項)について、使用者にその内容の明示義務を課した

ものであつて、このことと個別的、具体的措置がいわゆる共同決定事項であるかど

うかとは別個の問題である

 ところで任命権者ないし使用者が、個別的具体的人事を決定する最終的権利を保

有することは、公務員関係である私企業における労働関係であるとを問わず一般

是認されているところである労使関係運用の実情及び問題点労使関係法研

会報告書第二分冊一一四頁)。

 これについてみると、国家公務員として任用された以上は、任免、分限、服務お

よび懲戒等の勤務関係の具体的内容は国家公務員法によつて任命権者が一方的に行

いうるのであつて、個々に職員の同意を要しないものであり、また配置換命令につ

いていえば、任命権者が国家公務員法第三五条の欠員補充の方法として、その権限

範囲内で職員をいかなる官職に任命するかは自由裁量であつて、それは任命によ

つて勤務官署が異ると否とを問わず、任用関係本質および内容からいつて改めて

個々的に同意を要しないのである。そしてこのことは、例えば労働基準法施行規則

五条第一〇号の休職に関する事項が明示事項とされているが、具体的な適用に当

つては、国家公務員法第七九条により職員の同意をうることなく本人の意に反して

も任命権者はこれを行いうることからみても明らかである

 それゆえ、就業場所に関する事項が労働基準法にいう労働条件明示事項であつた

としても、林野庁職員の個別的、具体的な配置換命令は、職員と任命権者との間の

合意によつて定めるのでなく、国家公務員法適用によつて任命権者の権限によつ

て行われるものである。したがつてこのような行為は、同意をうるための労働契約

上の労働条件の変更を求める私法上の意思表示ではなく、公権力による一方的行為

であり、行政処分といわなければならない。

(二) なお債権者らのあげる地方公営企業職員の解雇に関する裁判例は本件事案

に適切でない。すなわち地方公営企業職員と公労法の適用される五現業職員との間

には、その性質に関し法律上明確な差異がある。

 その一例をあげれば、地方公営企業職員については、政治的行為制限もなく

地方公営企業法第三九条第二項による地方公務員法第三六条適用除外)また、

行政不服審査法適用もない(地方公営企業法第三九条第一項による地方公務員法

第四九条および行政不服審査法適用除外)。

 したがつて、地方公務員法による処分に対して人事委員会または公平委員会に対

する不服の申立をすることができず、これらに対する審査請求は一般私企業と同様

裁判所あるいは労働委員会へすることが許されるにすぎない。これに対し五現業

職員については、すでに述べたように政治的行為制限国家公務員法第一〇二

条)があり、また不服申立に関する規定(同法第九〇条ないし第九二条の二)もそ

のまゝ適用され、不利益処分としての審査請求は、国家公務員法所定の要件を備

え、公労法第四○条所定の範囲内で人事院に対し申立てることができるのである

このことは五現業職員の勤務関係公法関係であり、これにもとづいてなされる任

命権者の措置行政処分であることと切離して考えることはできないのである

五、以上の次第で、本件配置換命令行政庁処分にあたり、民事訴訟法による仮

処分をすることは許されないから債権者らの本件仮処分申請は不適法として却下

るべきものである

第五、申請の理由に対する答弁

一、申請の理由一、の事実は認める。および二、の事実中(一)の事実は認める。

二、(二)の事実債権者a・bが組合分会執行委員であつた事実組合青年婦人

部が債権者ら主張のとおりの役割を果すべきものとされていること、債権者aが債

権者ら主張のとおり採用され勤務していたこと、債権者bの学歴および勤務歴は認

めるが、債務者債権者らの組合活動嫌悪して不利益な人事移動を行い支配介入

したこと、および債権者らに転任できない事情存在することは否認する。その余

事実は知らない。

 申請の理由(三)・(1)の事実中、農林技官e・f・m・i・j・kがそれぞ

れ主張のとおり配置換えになつたこと、農林技官gが債権者ら主張の事務所に配置

換えになつたこと、は認めるが、右fが当時執行委員であつたこと、および右gの

配置換えになつた日は否認する。その余の事実は知らない。右gが配置換えになつ

た曰は昭和四〇年三月二五日である

 申請の理由(三)・(2)の事実中、配置換を行うに際し、昭和三六年以降ほゞ

隔年職員調書をとり、これに転勤希望一の有無を記載させていることは認めるが、

その余の事実否認する。

 同(3)の事実中、債権者ら主張の会議において、主張のような討議事項が提出

されたことは認めるがその余の事実否認する。右討議事項は一署長が提出したも

のにすぎず、当該会議においてもその後の会議においても全く討議の対象とはされ

なかつた。討議事項については、署長側から提出された討議事項は、そのまま会議

資料にのせ、これを配付する方針であるために討議事項として登載され配付したま

でのことであるしかも、右討議事項には債権者ら主張のような事項が含まれてい

たにも拘らず、これを秘密文書として取扱うことさえしなかつたことは、債務者

してこれを全く歯牙にかけず、まともに問題としようとする意思のなかつたことを

裏付けものである。また、実際においても、その後の配置換において、学習運動

考慮された事実は全くないのみならず、すでに二年以前の出来事で本件とはなん

らの関連もない。

 申請の理由三、(一)・(二)の事実中、総務部長会見および署長会見の席上に

おいて債権者ら主張のような発言があつた事実は認める。債権者ら主張の大会の準

運営債権者らが不可欠の存在であること、および事務引継ができないことは否

認する。その余の事実は知らない。

 同(三)・(四)の事実中、債務者債権者らの希望があれば組合青年婦人部大

会において新役員が改選されるまで赴任を延期してもよいと言明したこと、および

本件配置換命令債権者らの家庭生活破壊するものであることは否認する。その

余の主張は争う。

二、本件仮処分申請ば必要性を欠き、却下を免がれない。

 すなわち、債権者c・bは昭和四二年四月一七日、債権者aは同月一九曰それぞ

れ新任地に赴任し業務についている。

 従つて本件は本案訴訟において争えば足りるのですでに仮処分必要性は消滅し

ている。

 債権者らは、新任地への赴任が臨時的ものであることを保全必要性の要素で

あるかのように主張するが、保全必要性は、本件配置換命令効果として形成

れた権利関係によつて結果的に生ずる不利益、すなわち、著しき損害等が生ずる場

合に認められるもので赴任の異状性は仮処分必要性の要素とはなり得ない。

 また、債権者らは、本件配置換命令の結果組合活動自由が阻害される旨主張す

るが、組合活動は新任地においても行いうるものであるし、債権者らが主張する前

任地における組合活動に関する整理等の残務は、もともと債権者らとは別人格の組

前橋地方本部福島営林署分会および白河営林署分会に関する事情であつて、債権

者らについての仮処分必要性判断するための要素とはなり得ない。

 仮りに右残務整理に関する主張が、債権者らについての仮処分必要性に関する

ものとして可能であるとしても、本来組合活動は勤務時間外に行わるべきものであ

り、とりわけ残務ということであれば限られた業務であるから、新任地においても

時間外に処理することは可能であるしか組合執行機関は数名の執行委員をも

つて構成されその業務も特殊専門的業務でなく、共通性を有するものであるから

執行委員一名が欠けたゝめ余人をもつて代え難い業務が残存するとは考えられな

い。よつて他の執行委員に残務を引継ぐことは任期中途で異動した場合通常行われ

ていることであり、本件のみそれが不可能であるとする理由は見当らない。

 右の理は組合青年婦人部の役員についても、また妥当するところである。加えて

以上によるもなお債権者らが組合残務を処理しなければならないという特殊事情

あるとしても、必要最少限の日時について業務上支障のない範囲で新任所属長の許

可をうけて休暇によりその事務を整理することも可能であるから右主張もまた主張

自体失当である

第六、疎明関係(省略)

昭和四三年三月一二福島地方裁判所判決

(ヘ) 労働基準法は、非現業公務員に対しては準用されるにとどまる(国家公務

員法附則第一六条改正附則昭和二三年一二月三日法第二二二号第三条)けれども、

債権者林野庁所属するいわゆる現業公務員には、労働基準法全面的適用

れている。(公労法第四〇条第一項により国家公務員には労働基準法適用除外を定

めた前記国家公務員法附則第一六条、準用を定めた改正附則第三条がいずれも適用

排除されている。)

 したがつて、債権者らの労働関係については労働基準法により就業場所従事

すべき業務等をはじめ、賃金労働時間、その他の労働条件を明示して労働契約

締結すべきことが定められているのである。(同法第二条、第一三条、第一五条

施行規則五条

 このことは、国家公務員法債権者ら公労法適用者についてはその労働条件は労

使対等で決すべきこととし(労働基準法二条第一項)、団体交渉による私的自治

に委ねているものであり、その関係が私法的労働関係であることを明らかにしたも

のとみるべきである

(七) 以上の次第で、公労法の適用される五現業公務員労働関係実定法上か

らも、労働関係実定法からも私的自治の支配する分野であつて、本件配置換命

令は行政処分執行停止によるべきでなく仮処分に親しむ法律関係と解すべきであ

る。

第四、訴訟要件に関する答弁

一、本件仮処分申請は不適法であるから却下さるべきである

 債権者らが挙げる本件配置換命令は、行政事件訴訟法第四四条にいう「行政庁

処分」に当り、民事訴訟法上の仮処分により、その効力の停止を求めることは許さ

れない。

 債権者林野庁職員の勤務関係は、実定法公法関係として規制されているの

で、同じく公労法の適用をうけるとはいえ、三公社の職員の勤務関係とはその実体

も、実定法の定めも本質的な差違がある。すなわち、 林野庁とその職員間の法律

関係を考える場合、同じく公労法の適用をうける三公社独立企業体として制度

化され、その企業公益的、社会的および独占的性格から特に公社として私企業

との中間に位置せしめられているのとは異り、五現業においては公労法の適用をう

けるとはいえ、国家機関が直接その業務を行うものとして林野庁等の行政機関を設

けて国家自らその業務を執行し、その職員は国家公務員であるので、この差異は無

視されるべきではなく、次に述べるとおり、林野庁職員と三公社職員との勤務関係

には本質的差異が認められ、実定法は、林野庁職員を含む五現業公務員の勤務関

係を公法関係とし、勤務関係における配置換命令行政処分規律している。以下

項を分けて詳述する。

二、公労法や国家公務員法上、林野庁職員の勤務関係が具体的にどのようなもの

あるかは、立法政策上どのように規律されているかによるのであるから、これを詳

細に検討することなく、その勤務関係直ちに私法関係であるとすることは、林野

庁職員の勤務関係についての実定法の定めを無視するものであつて正当でない。

 周知のとおり、一般公務員についての任免、分限、服務および懲戒等の勤務関係

は、すべて法律および人事院規則によつて規律されており、任命された特定個人と

しての公務員は、このような法関係の下に立たしめられるものであり、またこのよ

うな公務員に対する任免、分限、服務および懲戒等に関する行政庁行為が国の行

機関として有する行政権行使であり、行政処分であることは、現在多くの判例

および学説の認めるところであつて異論をみない。

 ところで公労法第四〇条は、林野庁職員を含む五現業関係の職員について、国家

公務員法の規定のうち、一定範囲のもの適用除外しているが、一般職公務員であ

るこれら職員の勤務関係の基本をなす任免、分限、懲戒保障および服務の関係

ついては、極く限られた一部の規定がその適用を除外されているだけで、国家公務

員法第三章第三節の試験および任免に関する規定(第三三条~第六一条)、第六節

の分限、懲戒および保障に関する規定(第七四条~第九五条)、第七節の服務に関

する規定(第九六条~第一〇五条)の殆んどは、一般公務員場合と同様に林野庁

職員にも適用され、またこれらの規定にもとづく「職員の任免」に関する人事院

則八-一二、「職員の身分保障」に関する人事院規則一一-四、「職員の懲戒」に

関する人事院規則一二-○、「不利益処分についての不服申立て」に関する人事院

規則一三-一、「営利企業への就職」に関する人事院規則一四-四、「政治的

為」に関する人事院規則一四-七、「営利企業役員等との兼業」に関する人事院

規則一四-八等も同様に適用●れているのである。もつとも、林野庁職員について

は、公労法第八条一定団体交渉の範囲を法定し、その限度において当事者自治

の支配を認めているが、そのことから直ちに林野庁職員の勤務関係の法的性格を一

般的に確定しうるものではなく、右のような国家公務員法および人事院規則の詳細

規定が、右勤務関係実体をどのようにとらえて法的規制をしているか検討

れなければならないのであるしかして、右規律をうける林野庁職員の勤務関係

は、公労法第四〇条によつて適用除外されているものを除き、一般公務員と同様の

公法規制をうけた勤務関係というほかはないのである

三、林野庁職員の勤務関係公法上の勤務関係であることは、一般に私法関係であ

るとされている三公社の職員の勤務関係と対比することにより、更に明らかとな

る。

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