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はてなキーワード: 現行法とは

2024-03-19

anond:20240319114341

モータ駆動サポートはもう存在するんだけど、現行法だと路上で使えないんだよね・・・

から現状工場作業サポートくらいにしか使えない・・・

最近の反AI派の論調

画像生成AIは実写と見分けがつかないような未成年性的画像を作られる為に利用されており為、規制必要

実在人物コラ画像は昔からあったが、高度な画像技術必要であった昔に比べて画像生成AIは手軽に大量に作れる為、規制必要

 

なんかこれ、引っかかるんだよなぁ。

 

前者は、実在人物酷似した画像現行法で十分刑事事件にできるし、非実在であれば、それこそ絵師が最も嫌うはずの「非実在児童人権を守れ」って話になってしまう。

 

後者は、「親告罪で、訴訟コストが高いから、権利者が放置している」だけで訴えれば100%勝てる。画像投稿者情報開示を通りやすくしたり、訴訟金銭負担を軽減する等して、訴訟コストをさげれば済むし、画像生成AIと言う大きなくくりで雑に規制する話ではないような気がする。

 

ただ最近絵師絵師に近い人達の中の共通見解として、「AIを推進するもの、許容容認するもの、生成物を消費するもの」は現行法では裁けないだけで確実に犯罪者であり、彼らの言うことは犯罪者犯罪正当化詭弁しかなく、耳を傾ける必要はないと言う形で意思統一がなされつつあるので、何言っても無駄ではあるんだけどな…。

2024-03-15

生成AIで3次元幼女ハードSM画像作ってシコシコしたり、嫌いな政治家ホモコラ作って身内でキャッキャしてるけど、現行法を少しでも恣意的運用すればこんなもんいくらでも所持も利用も技術開発も規制できる訳で、生成AIの普及拡大に対応した法制度の為の議論って、仕事の為に仕事を作る役人仕事だなと思いながら見てる。

2024-03-10

人権なんて制度が間違ってるっていうならそう言ってほしい

変に人権尊重とか言われてるから自分が生きていてもいいって勘違いちゃうだろ。

みんな本音では役に立たない人間とか、迷惑をかける人間とか、ちゃんコストを払わない人間かには死んでほしい、いなくなってほしい、目の入らないところで消えてほしい、もし苦しんでいるならそのまま苦しんでほしいって思ってるわけじゃない。

そうだから本音ではそいつらに人権っていう無条件での何らかの補償をするための自分負担っていうのを許容できない、ってことなんでしょ。

社会構成する時のルールとして、人権特に生存権なんてものがなければそんな前提は全くいらなくなるわけだから、ムダで邪魔で汚くて役に立たない迷惑をかけるだけの人なんていらない、って言えるわけじゃない。

みんな本音ではそうしたいならそうしたいって言ってくれよ。

勘違いするだろ。

植松聖の事件とかをちゃん批判してるんだから生存権があっていいって思って発言してるのかと思ってたのに、コストを払えないとか迷惑をかけるならやっぱり死んでくれたほうがいいって、皆内心では思ってて、結局そう言ってるようなもんじゃない。

違うなら、どう違うのかわかるように説明してくれよ。手続きだけか? 現行法でそうなってるからってだけか?

anond:20240310042526

駄目だ、屈辱的すぎる。

怒りで震えて涙が出てくる。

国際女性デー共同親権閣議決定なんて、人の心を踏みにじっている。

本当に許せない。

私達が家庭内でどんな目にあって命からがら逃げてきたのか、全員を同じ目に合わせてやりたい。

こんなこと絶対に許さない。

今(現行法)でさえ、面会交流のたび

「パパに会いたくない!断って!!」

と嫌がる子をどうにか宥めて無理矢理実施している

今ですら「子の福祉とは?」とモヤっているのに、さらに子の意志尊重されない共同親権閣議決定

間違いなく子のためじゃないよね?

じゃあ誰のため?

2024-03-06

人間学習AI学習境界なんて10年もたないだろ

まず、特定絵師の絵を徹底的に学習したAIネット上に公開する行為自体咎めるのはい

(でもそれは場合によっては現行法でも裁ける行為ではあるよね)

それより更に進んで絵師の絵をAI学習されない権利まで求めてる人達がいるが

絵師の絵を人間学習されない権利までは誰も求めていないよね?

でもその2つは今現在区別出来るけどすぐに境界曖昧になりそうだと思っている

現在でも脳波や脳に接続したデバイスなど人間の脳の情報AI学習させる研究は進んでるし

10年以内には特定の絵を見た人間の脳の情報から特定の絵自身情報再現する事は十分可能になってるんじゃなかろうか

その場合人間の脳の情報AI学習させるのにも法律制限を加えるつもりなんだろうか?

(もちろん本人が望んでAI学習させる場合ね。他の人の脳の情報同意も得ずに学習するのは今全く言及してないからな)

それはある意味でかなり人権侵害になりそうな気がするし

逆にそっちを規制しないなら絵をAIに直接学習させる行為と結果が全く変わらん行為が出来てしまう事になる

から絵をAI学習させる行為だけに規制をかけるのは10年程度には無意味になってきそうな規制になると思うんだが

そこを見据えないでAI関係法律を定めてしまっていいのかな?

日本場合はどうせ今から法律が変わるまでにも時間がかかるのに

法が変わる頃には無意味でただ足を引っ張る可能性すら見えてきそうな法を定めていいのかと思う

anond:20240306171859

よく似ていても依拠性がなけりゃ権利侵害にならないのが現行法なので、法改正なしに増田が言うような話にはならない。

皆が考えている「画像生成AI規制法案」をマジで教えてほしい

日本政府画像生成AIに対する現在スタンス問題視する人たちは、主に

①絵柄を保護されないのはおかしいよ

②誰でも悪用できるから現行法では追いつかないよ

の2点を主張している。

ここで、その問題提起が受け入れられ、「画像生成AI規制法」が制定されることを想像しようと試みた。

しかし、ネット共感を集めている主張は「なぜ画像生成AIは悪なのか」という話ばかりで、「どのように規制すべきか」の話をほぼ誰もしていないことに気付き、途方に暮れてしまった。

まず①について、「絵柄をどう保護すべきなのか」が分からない。

②については、「追いつかないことにどう対処すべきなのか」が分からない。


ぜひ、皆が考えた最強の「画像生成AI規制法案」を教えてほしい。

追記:

かに前提から間違ってたかもしれない。絵柄に関係なく、無断学習のもの規制すべきという立場の人も相当数いる。

とはいえ、そういう立場からも具体的な規制案はあまり見かけないから、この場で教えてほしい。

追記追記:

YN0001 絵柄の規制を狙ってる人は少ないのにそこに争点があると見せかけた絵師叩きでしょ。この人いい加減にしなよ。絵師勝手学習されない権利学習時の許諾を求めてる人が多い

争点を見誤ったのはこちらの落ち度だけど、むしろ自分は非建設的な対立煽り/絵師叩き増田うんざりして書き散らしたわけで、絵師を叩くつもりは一切ない。

てか自分が「この人」だとしたら追記で訂正しないでしょ。

2024-03-05

お前も反AIにならないか

 まず私は絵師ではない、そしてAI生成者でもない。

 正確には生成AI流行り始めた時に少し使って、呪文の複雑さにポイっと投げてしまった人間だ。己の惰弱さ故に発言権をあまり持たなかった。

 鑑賞する人間としても目が肥えてる訳でもない。絵には間違いがつきもので、作画ミスと生成AIの癖も見抜けない。二次創作解釈違いのエアプイナゴ出力が嫌いな程度である

 なので私はAI絵を無知享受して喜んでいても良い人間ではある。利益関係がなく、「人として正しく生きる」なんて話は口で言っとけば良い。

 好きな絵師には依頼するし直接金を押し渡す。

 それに本職のアニメーター絵師比較して生成AIしか絵を作れない人が、手で絵を描ける人間仕事を奪えないとも思っている。

 著作権問題でーは割愛する。法律対応しきれていないという点では本題に引っかかるが、もう五万と出尽くした話でもある。

 作者への利益還元という話をするなら古本屋図書館制度から見直して欲しいくらいだ。著者に一銭も入らないから私は本は売らないし、買う。買え。

 

 私が反AIなのは著作権以外でも法制度が整わないからだ。

 例えばAI学習児童ポルノが使われ、そうやってAIが生成した児童ポルノ児童買春・児童ポルノ禁止法対象外として法の網を逃れる。

 現行法AI由来の洗浄された児童ポルノを取り締まる方法はなく、無理やり締め上げれば表現の自由のもの規制する形になる。

 岸田のディープフェイ動画が昨年色んなところを賑わせた。岸田の件であれば肖像権で取り締れるだろうが、これが安倍で作られていたら取り締まりようがなかった。与謝野晶子で遊んでる奴らが取締られないように故人には肖像権がないからだ。

 生成AIから離れた話で、自動運転が普及しないだろうと言われてるのも、権利責任問題があるからだ。

 現行で生成AIを使うこと自体咎められないし反AI騒動に関わる気もなかったんだけど、日本はここら辺の法改正が遅れてるのは事実なんだよな。

 周辺法の改正に関してはAI賛成派も、児童ポルノとかディープフェイクを取り締まるって点で興味を示してくれよな!青き清浄なる世界のために!

2024-03-04

anond:20240304204331

著作権法改正の影響は権利者以外にも及ぶから現行法を変えるなら外野に口出しされるのは当たり前やん

権利者の思い込みだけで犯罪者認定はできないしするべきでもない

anond:20240304103654

いや反対派の言うほとんどの事案は現行法対処できるんだって

anond:20240304070647

当たり前だろ。もう同人音声なんかは大半がAIイラストから、ここで仕事を受けていた人の収入は減っているぞ。

それを正当化する為の建付けとして、文化の発展、著作権侵害ディープフェイクなどを言っているんだよ。

現行法対応できる」「翻訳AIはいいのか?」「二次創作は?」というツッコミをされても答えられないからガン無視を決める。

2024-02-28

大規模介護拠点の方が瞬間的に効率が良いのなんて国もわかってるけど、それでも無理だと言ってんだよ

介護人口20数年後にはピークアウトするのがわかりきってるから、そんな大規模介護拠点なんか整備しても速攻で不要施設化するんだよ。

から潰すにしても比較的楽というか少額で済む小規模サービスや、可能範囲での在宅介護を推進してんの。

故に業界トレンドは18人~27人(1ユニット9人×2or3)利用可能な小規模グループホーム

最近高齢者は薬飲んでる前提で基本的健康なので、最終的にはだいたいガンか認知症誤嚥肺炎含む)で死ぬが、そんな末期ガンなら基本入院してるのでむしろ介護拠点の世話にはあんまならない。だからグループホームで十分。

から現行法助成金その他を有効活用しようとするとそうせざるを得ないように国が誘導してる。

なお業界内で企業の淘汰がめっちゃ進んでるから10年後くらいには企業数としてはかなり絞られてそうではあるけどな。

その結果として大手介護業者経営する小規模事業所がいっぱい残るということになるだろうけど。

あと、だから生産性が低いんだという話にはなるんだろうが、なんだかんだで普通に就労するのはちょっと厳しい人の雇用を生んでいるということはあり、高効率化した結果そういう人たちの次の受け皿はどこやねんというのは避けて通れないことだと思う。

それこそ専業主婦やってました特に職歴ありませんな40代の方とかでも、夜勤Okなら(そういう職歴の人としては)それなりの高給になるからね。

anond:20240227164909

2024-02-23

絵師だけどAIイラスト規制に反対する

自分絵師と名乗るのも小っ恥ずかしいけど、それ以外の自称が思いつかない。

twitterフォロワー数は5桁中盤程度、同人誌パトロンサイトで多少のお金を得ている副業絵師から本音

AIイラスト念頭に置いたこれ以上の規制強化には大反対

俺は多くの同人作家と同じく二次創作をやってるし、それで金も貰っている。そんな俺はAIイラストのものを守りたいとか推進したいわけじゃないが、規制強化には大反対。

理由は単純で、AIイラスト念頭に置いた規制強化でも、パロディ創作への影響が絶対に出るから

AIイラストを取り締まること、パロディ創作を取り締まること、これらは驚くほど地続きだ。

日本アニメゲームファンアートコミュニティは脛に疵持つ奴だらけ

日本アニメゲームファンアートはびっくりするほどの権利者軽視文化のもと育ってきた。インターネットの有名絵描きほとんどは二次創作を通ってきただろうし、他人権利尊重してきたなんて言わせないよ。

「これは原作尊重した二次創作」「これは原作蔑ろにした二次創作」なんて線引きは不可能二次創作の時点で他人権利を踏み躙っている自覚を持った方がいい。

  

その上で、俺はこの日本アニメゲームファンアートコミュニティが大好きだ。よほどの事情がない限り好きなキャラを使ってやりたい放題やられたい放題。最高に楽しい

この文化がずっと続いてほしいと思っている。

ノーガードで殴り合おう

誰かの作品作風を過度に守るため、息苦しくなるなんて俺にとってはあり得ない話。

お互い自由にパクりパクられしてノーガードで創作を楽しもう。今までは人間同士でも自由にパクって絵の練習してきたでしょ?

AIイラストは塗りや陰の入れ方の勉強になるんだし、AIイラスト積極的にパクっていけばいいんじゃないのかな?

現行の著作権法に触れない範囲でね。

  

そもそも現行法作品のものは十分に守られていますよね?

裁判所が認めるレベル類似したイラスト商売なんかされた日にはちょっと待てというだけの話。

  

一部コメントへの返事

気になったブックマークコメントがあったのでいくつか返事をする。

コメント埋め込みしたかったけど、制限かかって登録できそうになかったのでコメント内容ベタ打ちするね。

  

[trace22 二次創作著作権的にどう定義されているのか(国内法だけでなく)学んで来い。あと生成イラスト基本的二次創作かどうかの問題ではない。]

俺は日本在住で日本活動してるから基本的には国内法をベースに考えている。あと生成イラスト二次創作かどうかの問題なんて話はしていないのでもう一度本文を読むことをお勧めする。

  

[masa_bob ai規制反対の人の言うイラストレーターのみんな版権キャラエロパロで荒稼ぎしてるから脛に傷があるみたいな世界観は古すぎない?SNSファンアートとのエロパロ同人区別くらいはつけてよ]

エロパロで荒稼ぎしているから脛に傷なんていつ言ったっけ?二次創作をやっている以上、権利尊重という意味では脛の疵は避けられないと思うけど。

SNS無料ファンアートから他人権利尊重していることにはならない。権利者が行動するかどうかとは別の段階の話ね。

  

[big_song_bird おいおい、表現規制を盾にして生成AI擁護するんじゃないよ。増田が本当に絵描きなのか疑う。本当に絵に向き合っているなら、マウスクリック「だけ」で絵を描く行為はとてもじゃないが容認出来ないはずだが。]

twitterにもこの手合いは多いんだが、本当の〇〇なら容認できないはず、なんていうあやふやお気持ちで論ずるのはやめた方がいいと思う。

  

[takahire_hatene AIイラストパクリ一種から規制されるべきでしょ。お金好きな人が、創作好きな人のじゃまをするべきではない。なんにせよ法律世界ではなくて、複雑なお金と心の世界になるよ。楽して儲けるな。]

パクリかどうかは人力かAI生成かではなく、実際に依拠性と類似性があるかどうかで決まるのではないだろうか?

  

[slkby 逆に私はIT技術者としてAIイラスト規制に賛成するよ。教師データと出力データ市場で競合するべきではないからね。あと技術的にはそんなに地続きでもない。]

教師データと出力データ市場で競合するべきではない理由が専門でない俺にはわからいから教えてほしい。

技術的に地続きでなくとも、反AIが言うような規制強化の方向だと二次創作も影響を受けると言っていることはわかるかな。

  

二次創作AIイラストについて

twitterだと、二次創作ファン活動の一環だから、人力で手間がかかるからリスペクトがあるから公式に言われたらやめるから、だからOKなんて言う反AI派が大勢いる。

こんな理由他人権利の取り扱いとしてOKなわけなくて、権利者が黙認しているから取り締まられていないだけにすぎないというのはもうずっと言われている話。

クリエイター権利を守るために反AIをしているなら、今すぐ二次創作をやめるべきだと思う。マジで

  

これはAIイラストでも同じことだと思っていて、版権キャラが出力されてしまったらそれは単に人力二次創作と同じ扱いになるだけじゃないの?

無断で学習しているか問題だと言ったところで(そもそも許可なしに学習すること自体合法でしょ)、俺含む人間絵描きだって、今まで見た絵や諸々の情報神経細胞ネットワークとして無断で保存して、そこから別の絵を生み出しているわけでしょ?

なんでパソコンにそれをやられると許せないのかが全然理解出来ないんだよな。

  

ちなみに俺は金を一切稼げなくなっても権利者に怒られない限りは二次創作続けると思う。

金を稼ぎたくて二次創作をしているわけではなく、好きでやっている二次創作でついでにお金も貰えてラッキーって感じ。

こう書くと偉そうなこと言っておいてお前は他人権利を守らないのか!と言われそうだから先に書いておくが、権利者に怒られない限りは申し訳なくも他人権利を守らず二次創作を楽しもうと思っている。

俺は他人権利を守れと言っているのではなくて、他人権利侵害する趣味を持っている以上、あまり権利保護の方向に進みすぎると都合が良くないから生成AI規制に反対している。

これ、二次創作大好きな反AIの皆さんも同じ状況だと思うんだけどなあ?

趣味絵描き自分が生成AI規制派(反AI)を嫌いな理由

はじめに

自分二次創作漫画イラストお小遣い稼ぎを兼ねた趣味にしている。

個人的好き嫌いで言えば生成イラストAIは好きではないし、自分でも使おうとは思わない。

でもSNSおすすめタイムラインに頻繁に流れてくる生成AI規制派(以下反AI)の主張には頷けないし正直嫌いだ。

自分が彼らを嫌いな理由を書いてみようと思う

  

1.生成AI規制した場合に生身の人間が受ける影響を過小評価しすぎ

一番がこれ。端的に言って反AI理屈表現の自由にとって危険すぎる。

インターネットで活発に発言している反AI派は「無断」学習禁止や固有の絵柄の保護を謳うけど、そんなことをしたらどうなるかは火を見るより明らかだろう。

自分が楽しんでいる二次創作分野も焼け野原になる可能性が高い。成人向け二次創作やってる連中はだいたい反AIだけど、生成AIは駄目でも人力のパロディOKなんて線引きが可能だと本気で思っているのだろうか。

  

彼らは違法コンテンツダウンロード規制騒動をもう忘れてしまったんでしょうか?警察刑法175条をどのように運用しているのか知らないとでも言うのでしょうか。

そういった懸念を踏まえた上でなお生成AI規制すべき、と主張するならわからないでもないけど、だいたいの反AIリスク過小評価しすぎている。

  

生成AI問題純粋経済的労働問題として取り扱うべきだったと思っている。

著作権著作者人格権を中心に据え、学習されない権利だの言い出した時点でオタク絵師の多い反AI派は巨大な弱点を背負ってしまったように見える。

  

2.運動をする気がない

正直言って今の反AIは負けている側だ。絵師の仲間内オタク層の多いSNSではどうだか知らないが、行政立法を見ると普通に負けている。

なのに反AI派は心を守るためだとか話が通じないだとか言って議論拒否してブロックする人が多すぎる。オープンな場での議論当事者以外のその議論を見ている人のためのものでもあるのだが。

負けている側がすべきことは味方を増やす運動であって、既に反AIとして結束している仲間内で盛り上がることではない。

現時点では生成AI規制するべきではないと思っている人を心変わりさせなければならないのに、反AIではない人との議論対話拒否していたのでは先は無い。

  

3.ルールや手順を守る気がない

この国は法治国家なので、損害を受けたと思ったら法的手段回復する必要がある。

現時点で合法(もしくは指針となる判例がない)とされている、AIによるイラスト生成を行った個人企業泥棒呼ばわりしたりネットリンチを行う人が多すぎる。

合法的にAIイラストを楽しんでいる人を泥棒と呼んではいけません。

  

上にも書いた通りこの国は法治国家なので、損害を受けたと感じたら裁判を起こして判例を作る必要がある。

その結果、反AI派にとって不本意判例が生まれたとしても、現行法では対処しきれない被害が発生していると感じるなら立法法改正運動に進むべきだろう。

AI派はそうした地道な活動拒否する人ばかりに見える。アニメ調のイラストを燃やして表現規制している人たちと何が違うんだろう。

現在違法でないもの規制したいのであればそれ相応の行動をとりましょう。

  

個人的には生成AI問題現行法対処できないという理屈理解出来ない。

依拠性と類似性が認められると思ったら粛々と法的手段を取ればよいし、類似性が認められないのなら、そのAIイラストあなた作品は似ても似つかぬ別物ってことで大騒ぎすることでもないだろう。

人間だって他人イラスト酷似したイラストを出力することは可能不可能で言えば可能だし、AIによって何らかの権利侵害しそうなイラストが出力された場合は都度対応したら良いだけの話に思える。

学習だけでも許せない、泥棒だと呼ぶ人がたくさんいるが、学習されたところであなた画力も絵柄も失うわけではないのに、何を盗まれたんですか?ちょっと繊細すぎやしないだろうか。

  

4.好き嫌いと良い悪いを混同している人が多い

AI派には「自分が気に入らない=悪いもの!」という思考スタイルを持つ人が非常に多い。

・嫌いだけど認めなければいけないもの

・好きだけど禁止されるべきもの

いずれもあり得る話です。

  

自分はこんなに嫌な思いをしたのに現行法では対処してもらえない!悪が野放しになっている!

しかしたらあなたが受けた被害というのはそもそも悪でもなんでもなく、あなた勝手に嫌な気分になっただけで規制必要が無いのかもしれませんね。

    

雑記

画力は他の能力保証しない

有名な絵描きには信者みたいなファンがたくさんつく。その絵描きが白と言えばカラスも白くなる。

普通の人が社会活動勉強に費やす時間を絵に投入してきた絵描きは多い。その結果得られるのは絵の能力であって、他の能力一般人未満ということはあり得る。

  

そもそも人間お絵描きAIによるイラスト生成を隔てるものって何なんでしょうか

我々人間お絵描きだって視覚インプット神経細胞ネットワーク構造として保存し、そこからまた出力しているだけでしょう。

性能の差があるにせよ、人間お絵描きAIによるイラスト生成を本質的に分ける理屈が思いつかない。本質などというものも多分無いし。

2024-02-17

anond:20240212173321

ちなみに全く関係ない話だけど、スワッティングは罪にとえるけど、過激宗教意識して「○○がその聖典燃やして教祖馬鹿にした」と言って、その結果として○○が過激派に殺されたとしても、言った人間教唆に問うことはできないよねと思う。

その結果を狙ったことだとしても、またどんなに発言と結果に相当の蓋然性が認められたとしても、結局はその蓋然性での「信者側の自由意志の結果」でしかないんだからな。

これを裁くには教唆とは別の新たな法律必要

現行法において人間ラジコン犯罪ではない。

2024-02-05

生成AI問題視する作家として伝えたい

生成AI特にイラストに関わってる身である私としても現状見る限り非常に問題で、人の作品学習データに無断で用いられる問題意図的に元ある作品の構図を寄せて生成できる技術を使って作品を生成される問題学習データに用いられる問題肖像権かに触れているレベル問題視されてる問題等々、上げたらキリがないほど問題が山積みです。

悪用している人らもそんな被害を受けた作家を煽るなどを行ってるらしく、この問題を深刻化させ、作家憎悪を募らせている。

挙句の果てには作品を無断で学習データにさせられ、望まぬ形の生成データを作られ更には嫌がらせなどを受けてついに筆を置くことになってしまった作家さんの事件を目にし、私は心を痛めました。

同じ作家としてもこのような被害を受けたくはありませんし、何より同じような悲劇を繰り返すべきではありません、作家被害をこれ以上増やさないためにも、この問題は終わらせなければならない。

からこそ、この問題を終わらせるためにも、生成AIに反対、生成AI問題視してる人たちには問題に取り組む上で押さえてほしいポイントをいくつかお伝えしたいことがあります

規制では解決しない

昨今の生成AI事件を見る限りや、現行法で起きてる事件に対して対応が難しいのであれば法整備をするのが当然と思います

中にはAIのものに「規制をすべき」といった意見もありますが、正直のところ言えば私は単に規制するのでは被害を防いだり、被害者を救うことはできないと思います

「事例があるから一律禁止しましょう」とやったとしても守るべき被害者を助けることができず、当事者であるはずなのに取り締まり対象になってしまったり、かえって被害者までも負担になったり…なんてケースはありえなくない話です。

しかしたらそういう動きを利用して形だけの手抜きな法律を作られたり、人権無視した国民コントロール目的とした法を作られたりする動きを狙ってる人がいると考えてもおかしくありません。

昨今の生成AI問題に注目が集められ、作家ファン問題視し声を上げ、政治にも関わるのは民主主義としてあるべき姿であると感じる傍ら、このままで大丈夫なのかと心配な面と不安が大きくなってしまってます

法を変えることは当然ながら副作用存在します。安直で雑な規制AIではない創作活動を萎縮させかねなかったり、ボーカロイド等の音声合成ソフトウェアが潰されてしま可能性も0ではないことも忘れてはなりません。

私は法整備に関わってる人たちが安直で雑な法整備をせず、被害である作家を救い、被害を的確に防げる方法で且ついたずらに創作活動に萎縮をもたらすようなことがないように整備してもらうことを切に願うと共に、この問題はしっかり注視していく所存です。

AI肯定的作家権利無視してる」はやめた方がいい

生成AI好意的だったり、利点や展望考察したり、規制に慎重な意見に対して、生成AIに反対する人たちからは「生成AI推進派だな」とか「作家権利無視してるのだな」と思われるかもしれません。

これだけはきちんと言わせていただきますが生成AI好意的からと言って作家権利無視してるとかこのままでいいと思ってるわけではないことも事実です。

規制では解決しない」で書いた理由を気にしてる方もいらっしゃいますし、利点と展望問題解決考察正常化を図ることで安全技術発展を目指す方もいらっしゃいます。まぁ、現実そんな姿勢を示してる人を見かけたのは少数ではありますが(表で見えてない可能性も念のためご留意下さい)、典型的先入観がかえって生成AI問題視する私たちを不利にしてしまうことにもなります

意見が合いづらさを感じるのも、疑念を抱く気持ちもわかりますが、決めつけるのは気を付けた方がいいと思います

やっぱりAIについても法律についても正しく知る必要がある

生成AIに対して肯定的であれ、否定的であれ「それ、思い込みで言ってない?」って意見をあふれるほど見かけました。

これはこの問題を考えていく上で大切である「前提」が伝わってないのかもしれません。

AIの仕組みや法律等を正しく知ることは問題解決することに於いて大事なことだと思います特に生成AIをどうにかしたい、一刻も早く解決させたい人ほど尚更大事なことです。

また、SNS不特定多数が利用しているので、全員が全員同じ認識ではないことはおろか、そもそも全く知らないなんてことも不思議なことではありません。

トラブルを最低限避けるためにも知ってる人ならそう思って当然って感じる常識も丁寧に説明するのが一番いいかもしれません。

だいぶ長く書いてきましたが

生成AI問題が思った以上に深刻であり、一刻も早い解決をすべきとも考えていますが、やはり解決していくにあたってどうすればいいかちゃんと冷静になって取り組んでいかなければ明後日の方向にとんでしまうのではないか危惧しています

かくもいう私も具体的な解決方法を見出せているわけではありませんが、判断を見誤らず、厳密な議論必要だと思います

2024-02-01

安楽死必要要件を考える

予め言っておくが、自分は「安楽死反対派」である。それもかなり強く反対している。

それを前提にした思考が当然含まれるので留意されたい。

ネット上ではたびたび安楽死に関する法整備を求める意見が見られる。

経済的理由による安楽死は論外として、病気による耐えがたい苦痛を避けるための安楽死を求める意見一定の支持があるようだ。

だが、主張は結構なことだが「国家によって安楽死を認める」ことがどれほど重大なことか理解していない意見が多いように見受けられる。

あくま自分意見だが、「安楽死を認める要件」として最低限以下のようなものがあってしかるべきだと思う。

法的な手続き

具体的には「裁判所許可である

安楽死とは、要するに医師などにより生命活動を停止させること、即ち「殺人」に他ならないのは疑いなく事実である

即ち、「安楽死を法的に認める」ということは「国家によって殺人承認する」ことに他ならない。

国家によって認められた殺人と言えば、「死刑」もそれに相当する。死刑判決を言い渡すのは言うまでもなく裁判所だ。

当然殺人を法的に認める以上、安楽死についても裁判所による手続きがなければならないと考える。

医師による「回復不能」の判断

医師によって、患者がもはや死を避けられない状態であることの証明必要だ。

主治医はもちろんだが、感情的選択を避けるためには利害関係のない複数医師による中立的判断がなければならないと考える。

当然、安楽死を「行う」医師がどれほどいるかという問題もある。

本人の自由意志によるものであることの証明

これが難題である

その意志が、短期的な抑うつ状態や、周囲や「世間」の圧力に左右された一時的ものでないか証明が非常に難しい。

2019年透析中止死事件では、透析を続ける苦痛のあまり透析中止を決断したとされるが、終末期に至って透析中止を撤回したいと言いながらも助からなかったとされる。

本人の意志とはこのように揺らぐものであり、かなり長期間意志確認必須である中立公証人による証明があってもいいかもしれない。

同様に、安楽死を決めたものの直前になって「生きたい」と意志表示したならば即座に安楽死を中止しなければならないだろう。

また、周囲や世間圧力でないことを証明するためにも、「安楽死」を美談にしないようにマスコミSNSには厳重な自制と規制が求められるだろう。

特定病気になったら安楽死するべき、なんて世論が広がることはあってはならない。

なまじハラキリ文化の日本であり、「潔い死」が受け入れられやす社会的素地があるのはかなり危うい。

安楽死を法的に認める」ためには、「安易安楽死は認めない」という国民意識改革がなければならないという矛盾がある。

結論

上記3点は必須であろう。

これらの議論を進められるだけの十分な社会的理解日本にあるかというと、正直言って「ない」と言わざるを得ないのではないかというのが自分意見である

特にマスコミSNSに関しては、現状ではほぼ絶望的なのではないかと思われる。

その他

なお、昨今の安楽死議論の中には「終末期患者を生かし続ける社会的コスト」に言及するものがあるがこれは論外で、

憲法25条の生存権を見れば明らかなように、国民には「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」し、

国には「国は、すべての生活部面について、社会福祉社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」とされている。

国民生存を望むならば国は生存保障しなければならない憲法上の義務存在する。どれほどのコストを支払ってもだ。

まり、一番手っ取り早い方法憲法25条の改正と言うことになる。

当然自分はこのような憲法改正には賛成しないし、国際人権A規約にも反する。ハードルは極めて高いと言わざるを得ない。

追記

いくつかコメントが来ていたので補足。

繰り返すが、自分は「安楽死反対」の立場からこれを書いている。

これくらい厳しく要件を掛けなければ、恣意的運用されかねないという強い懸念があってのことである

コメントにあるように「経営者労働者家族安楽死要求する」なんてことが起こりかねない。

裁判所の決定を要するとしているのも、時勢に強く左右されかねない行政ではなく、常に法の番人たるべき裁判所が決定すべきと言う考えからである

実際、裁判によって決定した死刑囚の署名を時の法務大臣意志で停止した過去の例もある。

 

そしてこの程度の要件クリアできないのであれば、そもそも安楽死法制化するべきではないというのが主旨だ。

国民生存保障するためにある国家が、それに相反する法制を行うことがどれほど困難なことかということについて、頭の片隅にでも残れば幸いである。

植物状態

個人的には本人の自由意志確認できなくなった段階で安楽死を認めるべきではないと考えている。

「本人の自由意志がなければ生存権行使している」と見なすべきであり、当然国家はそれを保障しなければならない。

この時点で「本末転倒だ」と思われる人は多いかもしれないが、安楽死法制化は終末期医療コスト削減策「ではない」。

あくまでも本人の自由意志によって死を選択する自由を与えるための法制であるべきであり、

医療コスト削減が目的にすり替わるのであればそもそも法制化の目的を見誤っている。

 

なお、現行法制でも積極的安楽死ではなく、延命治療終了による消極的安楽死は行われており、この手続きで不備があるとは思えない。

この延命治療の終了というレベルまで反対するつもりはない。

2024-01-28

anond:20240128000125

正確には確認できているのは”データベースであるLIONに含まれていた”ってところまでだ

すべての開発者LIONを使ってるとも限らないし、使ってたとしてもデータリストのすべてを使っているとは限らないし、現にスタビリティーAI社は問題のある画像は除いたとコメントしている

それでも含まれていると言うならもう一歩踏み込んだ証明をしないといけない…まぁ内部リークでもないと無理だろうけど

ディープフェイクも剥ぎコラも現行法対応できるもの

「〇〇は人は殺さない、人が人を殺すのだ」とよく言うが、それらの問題AI問題ではなく悪用する人間問題

EUAI規制法案の中身見てないだろ

アレは監視カメラからの行動監視とかソーシャルスコア付けとかディストピアみたいな事しないように縛るもの

2024-01-27

AI回避して生きるのはかなり無理そう

知り合いが反AIって感じで過激になってきた。

思想はいろいろあるしいーんだけど

自分も、全てオッケーだとは思ってなくて、学習する元データに怪しいポルノがあるのは良くないと思うし、

声優さんコピーとか、絵師さんの絵柄狙い撃ちで学習してエロ画像作るのはだめだと思う。

(↑みたいな場合現行法規制できるという説もあるね)

ただこの世の中で完全にAIを使わないのは無理だよなあ。

プログラマーの書くコードものにもよると思うけどもうガンガンAIはいってるはず。

まえも、なんかソースコードを推測してくれるインテリジェンスみたいな機能入ってたけど、

今はChatGPTが強くて、じぶんも結構全部じゃないにしろ使うんだけども、だいたいのプログラマーは使うんじゃないだろうか(ジャンルによるのかもだけど)。

そもそも、元にしろWebで調べ物して→コードをまねするって感じだったと思うんだよなあ。

たまーにまんまのコメントとか残ってるよね。ファイル選択ダイアログとかな…。

もちろん考えてかけたらいいんだけど、どっかのブログコードのまるまんまコピペよりはずっとずっと気にしなくてよくて楽だよ。

「もうAI機能が入ってるのは使わない!」っていうのは、かなり無理で、極端で、まじめにやるなら、ヴィ―ガンと同じくらいの強烈な選り好みと努力が要りそう。

機械翻訳しろ、無断学習にはよっているはずなんだよなー。創作コードは別物で、コードはいいけど絵はNGとかそういう細かいこともありそうだけどね。

すごい強い言葉使うと、揚げ足とられてたいへんそうだから、強い言葉で「絶対使いません」って言うとあぶねぇな~と思う。

WordとかパワポにCopilotとかも出てきてCopilot製はNGとか言ってられなくなると思うな。

表に機能出てなくても、そのアプリには、そのサービスには、AIがっつり入ってるねん…。

2024-01-26

金光翔 『<佐藤優現象批判

インパクション』第160号(2007年11月刊)掲載

目次

1.はじめに

2.佐藤優右派メディアでの主張

 (1)歴史認識について

 (2)対北朝鮮外交について

 (3)朝鮮総連への政治弾圧について

3.佐藤優による主張の使い分け

4.佐藤優へ傾倒する護憲派ジャーナリズム

5.なぜ護憲派ジャーナリズム佐藤を重用するのか?

 (1)ナショナリズム

 (2)ポピュリズム

 (3) 格差社会

 (4)「硬直した左右の二項対立図式を打破」―〈左〉の忌避

6.「人民戦線」という罠

 (1)「ファシズム政権樹立」に抗するために、人民戦線的な観点から佐藤擁護する

 (2)「論壇」での生き残りを図るために、佐藤擁護する

7.「国民戦線」としての「人民戦線

8.改憲問題と〈佐藤優現象

9.「平和基本法から佐藤優現象〉へ

10.おわりに

1.はじめに

 このところ、佐藤優という人物が「論壇」を席巻しており、リベラル左派系の雑誌から右派メディアにまで登場している。

 だが、「論壇の寵児」たる佐藤は、右派メディア排外主義のものの主張を撒き散らしている。奇妙なのはリベラル左派メディアが、こうした佐藤の振舞いを不問に付し、佐藤を重用し続けていることにある。

 佐藤による、右派メディアでの排外主義の主張の展開が、リベラル左派によって黙認されることによって成り立つ佐藤の「論壇」の席巻ぶりを、以下、便宜上、〈佐藤優現象〉と呼ぶ。この現象意味を考える手がかりとして、まずは、佐藤による「論壇」の席巻を手放しに礼賛する立場記述検討からはじめよう。例えば、『世界』の編集者として佐藤を「論壇」に引き入れ、佐藤の著書『獄中記』(岩波書店、二〇〇六年一二月)を企画編集した馬場公彦(岩波書店)は、次のように述べる。

 「今や論壇を席巻する勢いの佐藤さんは、アシスタントをおかず月産五百枚という。左右両翼の雑誌寄稿しながら、雑誌の傾向や読者層に応じて主題文体を書き分け、しかも立論は一貫していてぶれていない。」「彼の言動共鳴する特定編集者と密接な関係を構築し、硬直した左右の二項対立図式を打破し、各誌ごとに異なったアプローチ共通の解につなげていく。」「現状が佐藤さんの見立て通りに進み、他社の編集者意見交換するなかで、佐藤さんへの信頼感が育まれる。こうして出版社カラーや論壇の左右を超えて小さなリスク共同体が生まれ編集業を通しての現状打破への心意気が育まれる。その種火はジャーナリズムにひろがり、新聞社会面を中心に、従来型の検察官邸主導ではない記者独自調査報道が始まる。」「この四者(注・権力民衆メディア学術)を巻き込んだ佐藤劇場が論壇に新風を吹き込み、化学反応を起こしつつ対抗的世論公共圏形成していく。」

 馬場見解の中で興味深いのは、〈佐藤優現象〉の下で、「硬直した左右の二項対立図式」が打破され、「論壇」が「化学反応」を起こすとしている点であるある意味で、私もこの認識を共有する。だが、「化学反応」の結果への評価は、馬場と全く異なる。私は、これを、「対抗的世論公共圏」とやらが形成されるプロセスではなく、改憲後の国家体制に適合的な形に(すなわち、改憲後も生き長らえるように)、リベラル左派が再編成されていくプロセスであると考える。比喩的に言えば、「戦後民主主義体制下の護憲派が、イスラエルリベラルのようなものに変質していくプロセスと言い替えてもよい。

 以下の叙述でも指摘するが、佐藤は対朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮武力行使在日朝鮮人団体への弾圧必要性を精力的に主張している。安倍政権下の拉致外交キャンペーンや、一連の朝鮮総連弾圧に対して、リベラル左派から批判や抗議の声はほとんど聞かれなかったのは、「化学反応」の典型的ものである。「戦後民主主義」が、侵略植民地支配過去とまともに向き合わず在日朝鮮人に対してもせいぜい「恩恵」を施す対象しか見てこなかったことの問題性が、極めて露骨に出てきていると言える。〈嫌韓流〉に対して、リベラル左派からの反撃が非常に弱いことも、こうした流れの中で考えるべきであろう。

 私は、佐藤優個人は取るにたらない「思想家」だと思うが、佐藤右派メディアで主張する排外主義を、リベラル左派容認・黙認することで成り立つ〈佐藤優現象〉は、現在ジャーナリズム内の護憲派問題点を端的に示す、極めて重要な、徴候的な現象だと考える。

 馬場は、佐藤が「左右両翼の雑誌寄稿しながら、雑誌の傾向や読者層に応じて主題文体を書き分け、しかも立論は一貫していてぶれていない」などと言うが、後に見るように、佐藤は、「右」の雑誌では本音を明け透けに語り、「左」の雑誌では強調点をずらすなどして掲載されるよう小細工しているに過ぎない。いかにも官僚らしい芸当である佐藤自身は自ら国家主義であることを誇っており、小谷野敦言葉を借りれば、「あれ(注・佐藤)で右翼でないなら、日本右翼なんか一人もいない」。

 佐藤が読者層に応じて使い分けをしているだけであることは誰にでも分かることであるし、事実ウェブ上でもブログ等でよく指摘されている。そして、小谷野の、この現象が「日本知識人層の底の浅さが浮き彫りになった」ものという嘲笑も正しい。だが、改憲派の小谷野と違い、改憲を阻止したいと考える者としては、この現象について、佐藤優に熱を上げている護憲派を単に馬鹿にするだけではなく、〈佐藤優現象〉をめぐって、誰にでも浮かぶであろう疑問にまともに答える必要がある。なぜ、『世界』『金曜日』等の護憲派ジャーナリズムや、斎藤貴男魚住昭のような一般的には「左」とされるジャーナリストが、佐藤に入れ込んでいるのか? なぜ、排外主義を煽る当の佐藤が、『世界』『金曜日』や岩波書店朝日新聞出版物では、排外主義ナショナリズムの台頭を防がなければならない、などと主張することが許されているのか?

 この〈佐藤優現象〉はなぜ起こっているのか? この現象はどのようなことを意味しているのか? どういう帰結をもたらすのか? 問われるべき問題は何か? こうした問いに答えることが、改憲を阻止したいと考える立場の者にとって、緊急の課題であると思われる。

2.佐藤優右派メディアでの主張

 まず、佐藤排外主義的主張のうち、私の目に触れた主なものを挙げ、佐藤排外主義者としての活躍振りを確認しておこう。

(1)歴史認識について

 佐藤は言う。「「北朝鮮が条件を飲まないならば、歴史をよく思いだすことだ。帝国主義化した日本ロシアによる朝鮮半島への影響力を巡る対立日清戦争日露戦争引き起こした。もし、日本ロシアが本気になって、悪い目つきで北朝鮮にらむようになったら、どういう結果になるかわかっているんだろうな」という内容のメッセージ金正日に送るのだ」。朝鮮植民地化に対する一片の反省もない帝国主義者そのもの発言である。また、アメリカ議会における慰安婦決議の件に関しても、「事実誤認に基づく反日キャンペーンについて、日本政府がき然たる姿勢反論することは当然のことだ。」と述べている。

 特に大川周明テクスト佐藤解説から成る日米開戦真実大川周明著『米英東亜侵略史』を読み解く』(小学館、二〇〇六年四月)では、極めて露骨に、日本近現代史に関する自己歴史認識開陳する。以下、引用する。佐藤が自説として展開している部分である

 「日本人は(注・太平洋戦争)開戦時、少なくとも主観的には、中国アメリカイギリスによる植民地支配から解放したいと考えていた。しかし、後発資本主義である日本には、帝国主義時代の条件下で、欧米列強植民地になるか、植民地を獲得し、帝国主義国となって生き残るかの選択肢しかなかった。」(三頁)、「「大東亜共栄圏」は一種棲み分け理論である日本人はアジア諸民族との共存共栄真摯に追求した。強いて言えば、現在EUを先取りするような構想だった。」(四頁)、「あの戦争を避けるためにアメリカ日本妥協を繰り返せば、結局、日本アメリカ保護国、準植民地となる運命を免れなかったというのが実態ではないかと筆者は考える。」(六頁)、「日本武力によって、列強による中国の分裂が阻止されたというのは、日本人の眼からすれば確かに真実である。(中略)中国人の反植民活動家の眼には、日本列強とともに中国を分割する帝国主義国の一つと映ったのである。このボタンの掛け違いにイギリスアメリカはつけ込んだ。日本こそが中国植民地化と奴隷支配を目論む悪の帝国であるとの宣伝工作を行い、それが一部の中国政治家と知的エリートの心を捉えたのである。」(二八一頁)。また、蒋介石政権については、「米英の手先となった傀儡政権」(二五七頁)としている。他方、佐藤は、汪兆銘南京国民政府は「決して対日協力の傀儡政権ではなかった」(二四九頁)とする。

 右翼たる佐藤面目躍如たる文章である。ちなみに、こんな大東亜戦争肯定論の焼き直しの本を斎藤貴男は絶賛し、「大川こそあの時代知の巨人・であったとする形容にも、大川の主張そのものにも、違和感を抱くことができなかった」としている。

(2)対北朝鮮外交について

 佐藤は、「拉致問題解決」を日朝交渉大前提とし、イスラエルによるレバノン侵略戦争も「拉致問題解決」として支持している。「イスラエル領内で勤務しているイスラエル人が拉致されたことは、人権侵害であるとともにイスラエル国権侵害でもある。人権国権侵害された事案については、軍事行使も辞せずに対処するというイスラエル政府方針を筆者は基本的に正しいと考える」。さらに、現在北朝鮮ミュンヘン会談時のナチス・ドイツに準えた上で、「新帝国主義時代においても日本国家日本人が生き残っていける状況を作ることだ。帝国主義選択肢には戦争問題解決することも含まれる」としている。当然佐藤にとっては、北朝鮮の「拉致問題解決」においても、戦争視野に入っているということだ。『金曜日』での連載においても、オブラートに包んだ形ではあるが、「北朝鮮に対するカードとして、最後には戦争もありうべしということは明らかにしておいた方がいい」と述べている(10)。

 さらに、アメリカが主張してきた北朝鮮米ドル札偽造問題が、アメリカ自作自演だった可能性が高いという欧米メディア報道に対して、佐藤は「アメリカ政府として、『フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング』の記事に正面から反論することはできない。なぜなら、証拠を突きつける形で反論するとアメリカ情報源情報収集能力が明らかになり、北朝鮮を利してしまうからだ」(11)と、いかなる反証根拠も示さずに(反証必要性を封じた上で)、「北朝鮮情報操作」と主張しているが、この主張は、保守派原田武夫にすら否定されている(12)。佐藤現在右派メディアの中でも最も「右」に位置する論客の一人であると言えよう。

(3)朝鮮総連への政治弾圧について

 佐藤は、「在日団体への法適用拉致問題動く」として、「日本政府朝鮮総連経済活動に対し「現行法の厳格な適用」で圧力を加えたことに北朝鮮逆ギレして悲鳴をあげたのだ。「敵の嫌がることを進んでやる」のはインテリジェンス工作の定石だ。/政府が「現行法の厳格な適用」により北朝鮮ビジネス利益を得ている勢力牽制することが拉致問題解決のための環境を整える」と述べている(13)。同趣旨の主張は、別のところでも述べている(14)。「国益」の論理の下、在日朝鮮人の「人権」は考慮すらされてない。

 漆間巌警察庁長官(当時)は、今年の一月一八日の会見で、「北朝鮮が困る事件摘発拉致問題解決に近づける。そのような捜査に全力を挙げる」「北朝鮮日本交渉する気にさせるのが警察庁仕事。そのためには北朝鮮資金源について事件化し、実態を明らかにするのが有効だ」と発言しているが、佐藤発言はこの論理と全く同じであり、昨年末から激化を強めている総連系の機関民族学校などへの強制捜索に理論根拠提供したように思われる。佐藤自身も、「法の適正執行なんていうのはね、この概念ができるうえで私が貢献したという説があるんです。『別冊正論』や『SAPIO』あたりで、国策捜査はそういうことのために使うんだと書きましたからね。」と、その可能性を認めている(15)。

3.佐藤優による主張の使い分け

 排外主義者としての佐藤の主張は、挙げ出せばきりがない。前節で挙げたのも一例に過ぎない。では、佐藤は、こうした主張を『世界』『金曜日』でも行っているのだろうか。

 佐藤が仮に、「左」派の雑誌では「右」ととられる主張を、「右」派の雑誌では「左」ととられる主張をすることで、「硬直した左右の二項対立図式を打破」しているならば、私も佐藤をひとかどの人物と認めよう。だが、実際に行われていることは、「左」派メディアでは読者層の価値観に直接抵触しそうな部分をぼかした形で語り、「右」派メディアでは本音を語るという下らない処世術にすぎない。「左右の二項対立図式」の「打破」は、「左」の自壊によって成り立っているのだ。佐藤が『金曜日』と右派メディアで同一のテーマを扱った文章を読み比べれば、簡単にそのことはわかる。

 一例として、米国下院での「慰安婦」決議に関する佐藤の主張を読み比べてみよう。産経新聞グループサイト上での連載である地球を斬る〉では、「慰安婦問題をめぐるアメリカ報道を「滅茶苦茶」と非難し、「慰安婦問題に関する二〇〇七年三月一日の安倍発言についても「狭義の強制性はなかった」という認識なのだから正当だとして、あたかも「慰安婦」決議案自体不正確な事実に基づいたものであるかのような印象を与えようとしている(16)。ところが、『金曜日』では、こうした自分の主張は述べず、国権論者としての原則的立場から日本政府謝罪には反対だとしている(17)。なお、『金曜日』の同文章では「歴史認識を巡る外交問題 Permalink | 記事への反応(1) | 18:32

anond:20240126020048

AI派の大半の文句って現行法対応できることに過ぎないんだけど

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