「船長」を含む日記 RSS

はてなキーワード: 船長とは

2022-05-25

知床観光事故 なぜ沈没したのか?船に亀裂あっても簡単に沈まないはず…さらに重大なミスがあったか

知床観光事故

国内

北海道放送

2022年5月23日(月) 21:03

 知床沖で沈没した観光船「KAZU Ⅰ(カズワン」の引き揚げ作業完了すると、今度は、沈没した原因の調査が本格的にスタートします。なぜ沈没してしまったのか、これまでの取材でいくつかの原因が見えてきています

 20日営業運航を再開した大型観光船「おーろら」。世界遺産知床沖をめぐる観光船は、雄大景色が一望でき、例年、大勢観光客が訪れる人気のクルーズです。

 しかし、この海で悲劇が起きました。

豊田徳幸 船長

「カシュニの滝付近で沈みかかっている。浸水している」

 先月23日午前10時、乗客乗員26人を乗せ、斜里町ウトロ漁港を出発した「知床遊覧船」の観光船「KAZU Ⅰ(カズワン)」。

 出発してから時間ほどたった午後1時13分、別の観光業者事務所に「KAZU Ⅰ」から助けを求める無線が飛び込んできました。

豊田徳幸 船長

エンジンが使えない」「沈みそうだ」「船首が30度くらい傾いている」

 そして、午後2時ごろの連絡を最後通信は途絶えました。

 翌朝、カシュニの滝から北に14キロほど離れた知床岬周辺で、乗客が次々と発見されます

記者リポート

現場発見された人が、今、学校搬送されて来ています

 これまでに乗客14人が発見され、全員の死亡が確認されました。残る12人は、依然、行方不明となっています

 観光シーズンを前に多数の犠牲者が発生した今回の海難事故。一体なぜ、「KAZU Ⅰ」は沈没してしまったのでしょうか?

水難学会 斎藤秀俊 会長

「船首に何かが当たって穴が開いて浸水したのが、最も考えられる」

 船の事故に詳しい水難学会斎藤秀俊(さいとう・ひでとし)会長は、航行中、何らかの原因で船の底が破損した可能性を指摘しています

水難学会 斎藤秀俊 会長

一般的には、隠れている岩とか、流れてきた木材であるとか、あるいは大型の動物とか、いろいろなものが考えられます

 関係者によりますと、事故直後、運航会社知床遊覧船」の桂田精一(かつらだ・せいいち)社長は、原因についてこう推測していました。

桂田精一 社長

クジラと衝突した可能性がある」

 一方、「KAZU Ⅰ」の船底は、今年3月の時点で既に破損していたと指摘する声もあります

別の観光業者

「(3月下旬に)自分が見た感じだと、船の前側が割れていた。そこから大きく亀裂が入って水が入った可能性もある」「(傷は)前から2、3メートル後ろ側」「俺が見た感じではこのくらい」

知床遊覧船従業員

「(船底の一部に)いつもそこ穴開いたり、水が垂れたりしていた場所から。気になったから毎年見る」「今度も水が垂れてるな、プラスチックからあちこち剥がれかかっている感じ」「(3月に)今年は直らないから来春揚げたときに直さないとだめだぞとは言っておいた。亀裂をね」

 かつて「KAZU Ⅰ」の船長を務めた男性は、もし船底が破損していたならば高い波に打たれ続けて傷が広がった可能性があると指摘します。

「KAZU Ⅰ」元船長

「(以前も)シーズンが終わって船を揚げたら、船底にひびが入っていた。今回も船底が割れきたのではないかと」

 「KAZU Ⅰ」から通報があった午後1時すぎの波の高さは、およそ2メートル

この元船長男性は「KAZU Ⅰ」が予定よりも1時間以上遅れて航行していたこから現場海域スピードが出せないほどの高波だった可能性があるとみています

「KAZU Ⅰ」元船長

うねりとか波とかで船が持ち上がって、反動で船がバンと下に落ちるんですよ。あの船は船底がほぼ平らなので、たたかれるとプラスチックなので、ひび割れしていく」

 また、船の浸水を防ぐ設備作動していなかったのでは、という疑問も。

知床遊覧船求人に応募した男性

「前側に亀裂があったくらいで、オートビルジがあればそんなに簡単には沈まないので」

 去年、知床遊覧船船長募集求人に応募した男性は、面接の際、当時の従業員から「KAZU Ⅰ」は、船底に溜まった海水を外に排出する「ビルジポンプの電源を切っている」ことを聞いていました。

 知床遊覧船などが加盟していた「知床小型観光協議会」も、今回の事故を受けてビルジポンプなどの装備を義務化するなど、その必要性重要視しています

 2つ目に考えられる原因は、高波が船を襲ったことによる沈没です。「KAZU Ⅰ」の修理をかつて行ったことのある業者は、高波が原因で船内に水が入ったのではないかと指摘します。

船を修理した業者

「船体に多少傷があって水が漏れていても、航行していてそこから裂けるなんていうのはまず考えられない。船首の低い船だから、前から沈んだということは船首がどんどん水をかぶって沈んでいったと思う

 原因について様々な指摘がある中、HBCは1つの可能性を示す文書を入手しました。

 これは、HBCが入手した「KAZU Ⅰ」の、去年までの「船舶検査証書」です。この検査証書には、船を安定させる重しであるバラスト=砂袋1.5トンの移動を禁止する」という運航条件が記されています

 ところが…。

豊田船長の知人

豊田船長は操縦しづらいと言って、重しの砂袋を降ろして運航していた」

 去年8月30日の「KAZU Ⅰ」の業務日誌です。この書類にも、「カズⅠ(ワン)砂袋撤去」と記載されていました。

 豊田船長を知る男性は、重しを積まなかったことで船体のバランスが崩れ、操縦が困難になり、浸水に繋がった可能性があると指摘しました。

 証言から浮かび上がる様々な可能性。海上保安庁は今後、船体を引き揚げ、未だ解明されていない沈没の原因について調べを進める方針です。

https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/52621?display=1

2022-05-22

Netflix】ラブ、デス&ロボット シーズン3

彼女の声→目撃者の人の新作ダァァァ!↑↑↑

 相変わらずエグいオシャレオモロだった

 クリエイターの人、才能溢れすぎじゃろ

ネズミのやつ→初めは星新一カスタマーサポート短編?的な延々買わせる経過かと思ったら戦争ものだった 胸熱ではあるけど熱い掌返しじゃないですか…いや平和がいいよね!

・蟹のやつ→ラブデスロボット最近多めのリアル系アニメかな〜と思ったらちょっとアニメデフォルメの感じでよかった 船長?、トータルでは善人 

・群れのやつ→好きだけどせっかくアニメなのにセリフから情報が多い 聞き逃ししないよう忙しくてアニメに集中したい

ラブデスノルマのグロ描写もよかった

ロボット3人世界崩壊後道中→相変わらずの安定感 

面白かった ネコチャン…

・熊と戦うやつ→1期のドラえもんみたいな描写遺跡発掘えらい目にあったよモノとほぼ同じ…?

宇宙遭難でキメるやつ→好みの問題 好きな人は好きなんだろうな

2022-05-18

国交省によると、運航会社知床遊覧船」には昨年、運航管理補助者が計5人いたが、このうち船長のぞく4人が11月雇い止めでいなくなっていたと、会社側が説明しているという。

 会社安全管理規程では原則航行中は運航管理者が事務所で勤務し、不在となる場合は補助者が代行することになっていたが、事故当日はいずれも不在の状態だったことになる。(小川崇)

 元船長は桂田社長に、砂袋を下ろすのを止めさせるよう忠告していた、と語る。

「だけど、社長おざなりな注意しかしないから。豊田も改めようとしなかった。仕方がないので、昨年夏ごろ、自分は何度も国交省運輸局とJCI(日本小型船舶検査機構)に通報して、会社監査に入ってくれと頼んだんですよ

国交省にも責任

 しかしながら、国交省と、検査代行機関であるJCIの仕事は信じられないほどずさんだった。

検査監査に入る時、JCIは対象事業者に事前に通告しちゃうんですよ。豊田はJCIの職員が来る時だけバラストを船に戻す。だから検査に引っかからなかった。検査が終われば、また重りを下ろしちゃう。完全なるイタチごっこでしたよ」(同)

 JCIは事故3日前にKAZU Iを検査し、船体について“異常なし”と判断したが、適正なチェックはなされていたのか。

2022-05-14

ファインディング・ネモ

潜水艦に乗って深海で暮らす人間嫌いのネモ船長を探そう!

この見開きページのどこかにネモ船長いるよ!

2022-05-10

anond:20220510091805

55~60歳になると、船長グループ取締役)になれた数人を除いて全員強制下船だぞ

2022-05-06

女が車中で撮影されてる気がすると座席対面の男を撮影・公開して炎上ツイ消しした事件があったけど

結局、自分撮影されるのは有罪撮影してるように見えるのも推定有罪!という主張なんだよね。

自分の望まない撮影盗撮だと。

でも、たとえば知床沈没事故船長自宅にマスコミが押しかけて子どもまでカメラ向けてるのはまったく無関心。

己の身勝手ダブルスタンダードを指摘されると逆ギレする。

ちなみに都条例禁止されている「盗撮」は「衣服で隠されている下着又は身体を、写真機その他の機器を用いて撮影し、又は撮影する目的写真機その他の機器差し向け、若しくは設置」と厳密に決められている。

普通に面と向かってカメラを向けるのは、マナー違反かもしれないが、まったく違法ではない。

それを言うなら、個人特定可能な体の一部を本人の承諾なしに幅広くSNSで公開することはどうなのよって話はあるよね。

anond:20220506103225

おおよそそんな感じだろうなと私も思います

同業者と結成している協会会長という立場にありながら自分会社だけ抜け駆けして集客しようとしていた社長です。余程の悪天候で無い限り出航はマストだったと思います。仮に船長が中止を進言していても天候が悪くなったら引き返して来ればいいぐらいに言ってたのだと思います社長は何が何でも出航は譲らないと知っていたか行方不明船長漁師さんの呼びかけにも反応が薄かったのだと思います

肩書き船長でも経験知識も足りない上に権限は無いのに全ての責任は負わされる。これ程気の毒な話はありません。そして行方不明になった今、会社スケープゴートにされそうになっています。同僚の方や元従業員さん、地元漁師の方々の証言けが頼りです。

社長言動からブラックさ、貪欲さを考えると、「出航について話し合い、引き返すかの判断船長に任せた」なんて話はデタラメで、責任船長のせいにして逃げ得を謀る算段だ。

 出航の朝、「今日乗客の予約は何人だ?」、「当然、3時間の岬コースだろ~な」、「途中で引き返せば運賃半分を返さなきゃならんからなっ」などと、船長プレッシャーをかけ、船長自分判断欠航や半航を決められない上下関係にあったと推測する。同業者からの中止のアドバイスに、船長が生返事だったこからも分かる。全てを社長が取り仕切り、自分で決められない状態に陥っていたのであろう。

 既に証拠となる運行記録船長との通話記録は抹消され、公判に備えて凄腕弁護士を手配済みだろうが、是非とも有罪にして収監し、このような事故が二度と起きないよう、行政共々万全の安全対策を構築して欲しい。

https://www.hbc.co.jp/news/8d11c46b90e60b9557fd21c932e7eaec.html

2022-05-03

anond:20220503025144

それな

船長もそういうパワハラ使い走りをされてたのだろう

合掌

anond:20220503024445

つーかドコモ電波入るって認識てるのに

端末の数万と月数千円の通信費すらケチって

船長私物携帯頼りってのがキチガイじみてる話

au船舶関係に強いとかいうアホコメント

au衛星関係に強いのでその関係契約している人もいる」

かいあほみたいなコメントがあった。

衛星回線なんか業者法人契約なわけで、

いち船長がそれ目的auにする関連性などないのだが、

こういうイミフ知識披露をしないように自分も気を付けたいと思う。

2022-05-02

anond:20220502183302

船長社長!出港しようとしたらお客様がいませんでした!よって燃料費削減のために出港取りやめます!」

2022-05-01

白井主審問題知床沈没問題は根幹は同じ

条件付き運航規程や船長判断というルールあいまいだった

マウンドを降りた投手への警告ルールは明記されてなかった

という点では根本は同じ

日本人が苦手とする部分にフォーカスが当たった形になった

事故を起こすのは時間問題だったのでしょう

今回問題となった知床観光船などは特にそうですが、コロナ禍が突然やってきて外国人観光者によるインバウンド需要が突然抜け落ちて、その観光収入依存してきた地方経済を直撃してしまいました。インバウンドありきで過剰投資を続けてきた地方ホテル観光地は、投資負担収益減少のダブルパンチリストラをしなければならない状況が出ただけでなく、高級食材を中心に1次産品も流通価格の大幅な下落で身動きが取れなくなりました。

 同様に、地方人口減少が慢性疾患や高齢者対象とする病院経営を圧迫し、地方に根差してきた医療法人などでもたくさんの「売り物件」が出るようになりました。しかし、これらの地域観光も1次産業医療も、需要ゼロになったわけではないので、上手く合理化すれば利益が出せる可能性があります

 だからこそ、これらの企業再建・再生案件地方企業組織法人を手がける人たちが増え、また、それに対して適法人員整理を請け負う企業アドバイスを行うコンサル会社などが跋扈するのもまた自然なことと言えますhttps://bunshun.jp/articles/-/53973?page=2

 他方、観光船もそうですが、その企業が売り上げを上げるには専門知識のある人員必要だったり、売り上げを得るための設備必要だったりすることもまた多くあります事故を起こした観光船は、まさに暗礁に乗り上げて船体が損傷したままだった可能性もありますし、相応に潮の流れの速い水域岩礁暗礁が多くあり、非常に慎重な操船を行わなければならない海域だったことも報道では繰り返し指摘されています

 おそらくは、ベテラン船長・甲板員がしっかり現場に残っていて、然るべく整備された船舶航行する分には問題なかったのかもしれません。ですが、ここで企業収益のためにベテラン解雇して新人運行し、また、船舶の整備も満足にされていなかったのだとするならば、事故を起こすのは時間問題だったのでしょう。

運が良くなかった…

これは言える。

船長が似たような日に出航しても無事帰港した時もあったかもしれない。

ただ、その時に限って天候が急変してしまった…

会社説明としてはコレが精一杯だ。

goサインを出した者の人為的判断ミスには違いない。

港湾内は凪いでいたら外洋の荒れ様は想像出来まい。

その状況で客が個別に、

運行会社雰囲気船長人間性

事前情報などから乗るか反るか判断するしかない。

例えツアーでパック内容に含まれていたとしても…

ただ、客も娯楽の一環で来ており疑う余地はないからよほど旅慣れた人でもない限り乗船を取り下げる決断をしないだろう。

から運が良くなかった…

2022-04-30

anond:20220428081055

ライブカメラ積んで社長室で確認するとかいくらでも方法あったのにな

丸投げしすぎ

カズスリーはすぐ戻ってきたのにカズワンは戻ってこなかったのだからやっぱり船長責任だろ

社長にとっては多くの事業のうちの一つ

そこまで責任問えないよ

部下がやったことだもん

ローソンバイトアイスケースに入ったら社長責任か?

店長責任だろ?

https://anond.hatelabo.jp/20220428081055

anond:20220430121807

船長が「ブラック企業右往左往してます」って疲弊してたようで、

どうも社長と緊密に連絡できるような体制じゃなかったようだね

anond:20220429205639

条件付き運航が船長判断だとしても、報告を受けて相談して判断にすべきだし、

それで収益が変わるのだから経営者なら当たり前だと思うが・・・

通信手段が連絡がつかない状況だったというのもおかし

やばすぎるよ 完全に経営者による人災

2022-04-29

知床の会見を取り上げた日テレニュース動画を見てきた

ネットで諸々批判されてるの、あー確かにって感じ

条件付き運航として船長判断で、と社長が言うの

船長責任転嫁してる上に

現場危険判断したら出航しない、という現場任せじゃなくて、現場責任者GO出したから天候はアレでも問題なしとした、って、普通逆じゃないか

その船長も確かな根拠なしに短期間で船長になってて

…なんかほんと、小さい会社杜撰管理体制のものだなと感じた

センスがあるから業界資格等ではなく経験でもなく)と昇格し、

現場権限は上の経営者意図を汲むための言い訳に使われ、と

自分会社もこういうとこあるなと思って寒い気分になった

「天候や海のせいじゃない。これは“人災”だ」──知床観光関係者たちは、怒気交じりにつぶやいた。ゴールデンウイークを前に日本全国から集まった観光客たちを襲った惨劇オーナーにとって「夢」だった遊覧船事業は、なぜ最悪の事態引き起こしたのか。

写真事故にあった観光船「KAZU I」の写真

 4月23日朝、北海道知床半島の斜里町には「波浪注意報」が出ていた。ほかの観光船はもちろん、漁船も出航を見合わせるなか、「知床遊覧船」が運航する観光船「KAZU I」だけが午前10時頃、オホーツク海へと出航した。

「波がけっこう高いけど、冒険だと思って楽しんでくださいねー!」

 乗客不安をかき消すかのように、船長は陽気な船内アナウンスをしたという。“冒険”が悲劇に転じたのは約3時間後、すでに波の高さは約3mに達していた──。乗員乗客26人を乗せた観光船が知床の海で消息を絶ち、11人の死亡が確認され、15人の行方がわかっていない(4月26日19時現在)。地元漁業関係者が言う。

あの日、朝の段階では波はそこまで高くなかったけど、次第に荒れることは容易にわかった。だから船長に“波がだんだん高くなるからやめた方がいい”って言ったんだ。彼は“はい”って答えたけど、そのまま出航した。港で船から冒険”という言葉が聞こえたとき、海の怖さを理解していないなって思った。あの会社船長知床に来て2年の、経験の浅い彼しかいなかった。判断ミスでは済まされない事態だよ……」

 船長豊田徳幸さん(54才)は、埼玉県家族を残して単身赴任中のいわゆる“出稼ぎ船長”だった。埼玉の自宅の近隣住民が言う。

「もともと観光バス運転手でした。2000年頃に一戸建てを買ったはいいけれど、観光客を乗せて地方に行くことが多いから、ほとんど家にはいなかったと思います

 10年ぐらい前には水陸両用車の会社転職。その後、外国人観光客向けのバス運転手になったけど、運悪くコロナ禍で仕事が激減したって嘆いていました。昔からお金がない”“税金が高すぎる”と言っていて、実際に自宅が市に差し押さえられたこともあったみたい。仕事コロコロと変えていた印象でしたが、まさか船長になっていたとは思いませんでした」

 知床の海は暗礁が多く、地形や運航ルートを熟知していないと座礁リスクが付きまとう。経験の浅い船長が、荒れた海に飛び出すのは非常に危険だった。

地元では有名な一族経営

知床遊覧船」は、地元では知られる有名一族経営しているという。

「実質のオーナー町議会議員を4期ほど務めた地元の名士で、不動産業ホテル経営飲食業など手広くやっていました。『知床遊覧船』の社長オーナーの息子さん。いまは58才ぐらいかな。若い頃は本州に出て神主を目指していたと聞いていましたが、どういうわけか陶芸家になって帰ってきました。2014年に父の後を継ぎ、地元ホテル経営などを任されるようになったのです」(商工会関係者

知床遊覧船」の経営に乗り出したのは、いまから6年ほど前のことだった。

観光船を持つのオーナーの夢でした。オーナー経営していたホテル飲食、そして観光船を合わせた『知床レジャーランド』の構想を持っていました。社長はその夢を実現させる形で、観光船の経営に乗り出したのです。有名コンサルタントからの助言を得て、言い値で買ったと話題になっていましたよ」(前出・商工会関係者

 当初はベテラン船長らを複数人抱え、運営問題はなかったという。だが、次第に従業員たちから不満が漏れ始めた。

社長利益を重視するタイプで、ベテラン船長が天候を理由に出航を取りやめようとすると、“返金したくないから”と無理にでも出航させようとして、船長と言い争いになったことも。衝突が多かったこともあり、2年ほど前にベテラン船長を相次いで解雇。代わりに来たのが豊田さんだった。給料もかなり下げて募集したようで、社長コストカットできて喜んでいたけど、安全面はおろそかになっていましたね。

 最近では、コロナ禍で知床観光業全体が下火でした。船首部分に入った亀裂のような傷を修理しなかったのも“倹約”ぶりのせいではないかといわれています」(前出・商工会関係者

 その経営姿勢が、経験不足の“ひとり船長”という事態を生んだのだろう。豊田さんも、社長経営方針に疑問を抱いていたのか、自身フェイスブックで勤務先を「ブラック企業」と表現していた。

懸命の捜索は続くが……

 あの日、船には「特別な思い」を持つ男性の姿があった。交際中の女性に船上プロポーズをするため、人知れず指輪をバッグに忍ばせていた。事故後、男性家族報道陣の前で「もうダメなのは覚悟しているけど、2人一緒に見つかってほしい、それだけです」と言葉を絞り出した。

 両親と弟の3人が船に乗っていたという男性もいる。知床旅行は、男性から3人へのプレゼントだった。旅行中の両親から届いた北海道名産品に、お礼のメッセージを送っても返事は返ってこない。

 3℃前後しかなかったという冷たい海水。そこに船が沈むとどうなるのか──海難事故に詳しい東海大学海洋学部教授山田吉彦さんが言う。

「あの観光船は窓で覆われていたので、沈み始めたとき乗客は船内にいたはずです。波風も強いので外に出られません。できるだけ、水につからないようにしながら待つしかなかったと思われます。相当な恐怖です。船が沈んでいくなかで、出口に近い人だけが外に出られたのでしょう」

 沈みゆく船内から脱出しても、冷たい海の恐怖から逃れられるわけではない。医療ガバナンス研究所理事長内科医の上昌広さんは、低体温症の恐ろしさをこう語る。

低体温症とは長時間寒い屋外や冷たい水の中にいることで、体の深部体温が下がり、内臓や脳の機能が低下することを指します。早い人は3分くらいで症状が出ます。体温が35℃を下回ると、循環機能生理機能が働かなくなり、おしっこ勝手に出てしまます。すると、脱水状態になり、熱を逃がさないようにと血管が収縮し、血流量が下がり、意識もうろうとする。そして、睡魔が襲ってきたり、幻覚を見ます

 遺族、そして行方不明者の発見を待つ家族は、張り裂けそうな思いで事態の打開を待っている。前出の山田さんが言う。

「私が今回の事故問題だと思う点は管理体制です。本来13時に港に戻っているはずなのに、13時13分海上保安庁通報するのはおかしい。もっと早い段階から船長事務所に連絡していたはずです。本来出航したら常に連絡を取れる体制でなければいけませんが、担当者が不在だったか音信不通になっていたのでしょう」

 実際「KAZU I」は事務所と連絡が取れていなかった。数ヶ月前から知床遊覧船」の無線機アンテナは壊れていて、事故当日、豊田さんは別の運航会社無線で連絡を取り合うしかなかったという。海上保安庁は、不明者の捜索を続ける一方、業務上過失致死などの疑いを視野捜査を進めている。

会見での桂田社長発言に、「知床の浜を熟知していないと感じた。気圧配置などがすぐ変わり、

急に突風が吹いて波も高くなるこの場所で、

『すぐ引き返せば大丈夫』という考えが海を知らない。

船長もやっぱり経験がないと分からない」と語った。

先っちょだけだから。いきそうになったら外に出すから・・みたいな。

この「条件付き運航」について「知床遊覧船」の元従業員は「うちらの中では通常やっていた。お客さんに『本日は条件付き運航となります。それでもよろしいですか、途中で折り返す場合がありますよ』と伝えていた」と証言しました。

また「前の船長ときは、実際の天気と天気予報をみて、その時に波がなくても『ここで折り返します』といって途中で引き返し、実際に30分後くらいに波が高くなってきた時もあった。こうした判断船長の役目だった」として、現場船長判断が任されていたと証言しました。

知床遊覧船」は、ほかの観光会社に比べて運航するコースが長いことから、以前は、ほかの観光船が出港しても運航を見合わせることもあったということです。

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん