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はてなキーワード: 大卒とは

2020-12-01

日本企業大卒なんてオーバースペックだろ

はてなによくいる「ITわかんない」っていうレベルではなく、文系サラリーマン関数を使わないエクセルファイルを使わせるような職場ばかりでもう限界

大卒職場の人と話が通じない職場しか入れないなら起業してくれ。

anond:20201201122310

それは全体の有効求人倍率の話だろ

大卒新卒の倍率は1999年でも1.25倍だった それが2000年には0.99倍

大卒新卒求人倍率が1倍割り込んだのはあとにも先にも2000年だけ ここが一番の底だ

2020-11-30

anond:20201130214607

大卒やけど大学の授業なんか社会人なって役に立った覚えがないやで

anond:20201130214552

高卒大卒年収同じなら間違いなく大学行かんかったやで

大学卒業資格獲得は意味のある投資と言えるか?

もちろん大学にも専門にもよるけど、昔は総じてローリスクハイリターンの投資だったんだよね。

でも今はハイリスクローリターンになっちゃった

それでもなお大卒採用条件になってるところが多いってのがきついよね。

社会全体のリターン総量が減っちゃったってのもあるんだけどね。

anond:20201130211606

奨学金投資なんだよ

高卒だと低賃金ルートに入る可能性が高い、大卒だと高賃金ルートに入る可能性が高い

文句言ってるやつは高賃金ルートに入らなかったやつ

スマイルぶっちゃけもっと勉強というものをしておけばよかったと思う大卒の人は多いと思う

勉強して対策しておけばよかった、というテスト前のような嘆きではないことに留意

anond:20201130075857

いやまあわかるけど、「無能な」人であるってのが前提だからなあ

仮に何も考えずに適当に進学してるような層でそこまで考えられるのが前提だとするととあまり納得はできないお気持ち

それが「いけないこと」なのは当然だけど、現実としてそこまで考えられない無能な人もいますよ、って話。

とはいえ大卒になるよりも職業高校行ったほうがよい人が全員職業高校行ったら、現代の定員を削られた職業高校キャパでは受け入れられなくて

結局偏差値とか上がりそうになりそうな気もする。

anond:20201130073642

昔あったじゃん

大卒なのに高卒って騙って公務員試験受けてたのって

anond:20201130073642

高卒しか求人出してないのもあるし、工業高校なら、無理して大学に行く必要は低いんじゃない?

大卒だと大卒相応の能力を求められるし、その分給料も払わないといけない。

高卒なら、作業は単純になる。小難しい仕事をしたくなくて、かつ借金しないと大学にいけなくて、とくに大学で学びたいことがこれといってなかったら、一度就職ちゃうのもありなのでは?

anond:20201129203106

大卒が「借り入れた学資ローン(数百万)が自分無能すぎて返せないか減免してくれ」ってのが認められるのなら

高卒で「卒業してすぐ買った中古レクサスのローン(数百万)が自分無能すぎて返せないか減免してくれ」ってのが認めてあげないといけないのでは?

他人から見たら高校卒業して、大学で遊び回っていたのと、高卒で車乗り回していたのと、なんら変わらないんだけど

大学では勉強していた?

4年もかけて、まともな所得を得られる職にさえ就けないのって遊び回っていたのと同じだろ

2020-11-29

高卒大卒

色々言われてるけど奨学金借りて大学卒業して返済に追われるカツカツな生活高卒で多少給料低い生活とどっちがええんやろな?

2020-11-28

anond:20201128230351

私学なら受けるだけでたった一校3万ちょいだぞ

18にもなって甘えた事言ってないで子供部屋から出て働きながら大学に行け

本当に大学に行きたいならできる筈だ

どうせ学問を修めたいんじゃなくて大学生活して大卒になりたいだけだろ

2020-11-26

anond:20201126114144

そこへ大卒だの170cm以上だのの「普通」が加わって、結果どんどんレアになっていく、と

anond:20201125172712

ジェンダーギャップと言われてしまうが、増田スペック女子としてはデメリットがいくつかある

一人暮らし

地方出身者は中高時代女子ネットワークから切り離されるので男性と知り合う機会が少ない

適度に知られてる大卒

勉強を頑張ってたので恋愛経験は少ない

正社員(超ホワイト)

どうしてもやりたかった(なりたかった)職種ではない

2020-11-25

anond:20201125172712

適度に知られてる大卒の27歳正社員なら年収600万円くらいはあるかと思ったら400万円なのか…日本未来は暗い

追記婚活で「普通の人」と結婚すること

普通の人でいいのに……」という声を同年代からよく聞くので身の程を知れと言いたい。

普通の人と結婚するには努力計算と運が必要なのだ

数年前にいわゆる「普通男性」と結婚した。

いわゆる普通男性とは普通ではない。すべて兼ね揃えていると1%未満程度しか当てはまらないのに何故か「普通の人でいいのに…」と言われている部類の人だ。

よく言われるスペックとして、

年収500万以上、30代前半〜中盤、身長170cm以上、名前が知られてる企業もしくは公務員で安定している、名前が知られてる大学卒、見た目普通一人暮らし家事が一通りできる、清潔感あり、タバコ吸わない、ギャンブルしない、酒に依存しない、宗教政治から適度な距離を持っている、借金がない、ちゃん貯金してる、まともに会話ができる、性格が良い…その他諸々

なんと旦那は全部兼ね備えてる。1%未満の男だ。

そんな人と婚活きっかけに結婚できたのでどんなスペックで何をしたのか載せたいと思う。

30代中盤で努力もせずに適当婚活してる人は自分スペックとよく比べた上で身の程を知ってほしい。


当時のスペック

27歳、見た目悪くはない(旦那は見た目と紹介文で申し込んだらしい)、一人暮らしかつほぼ毎日料理してる、部屋が綺麗、適度に知られてる大卒正社員(超ホワイト)、年収400万、貯金そこそこ、男性が好きな趣味複数嗜んでいる

ここでこんな書き込みをしてはいるが、表向きはかなり明るいし性格も良いと言われている。

結婚相談所の人からはこの時点でそこそこスペックが高いとのことだったのだが、いかせんちょっとインパクトが薄い。

もう少し努力必要である…という事で下記の事をやった。

・髪をそこそこ有名な人に切ってもらった

・服はプロに教えてもらい、選んでもらった

・化粧もプロに教えてもらった

写真もかなり良い場所で撮った

・2ヶ月、めちゃめちゃ良い基礎化粧品を使って過ごした (サンプルなので安かった)

くびれを作るために運動した

・痩せすぎず太りすぎずちょうどいい体型を維持した。

いわゆる「普通の人」からの申し込みは殺到したし、お見合いはすべてOK返事、まさに無双状態。その中で一番スペックの高い「普通の人」と結婚。その後もかなり順風満帆に進んでいる。

自分スペックだって小さい頃から努力で成り立っているわけで、雰囲気美人努力の下のものである婚活を始めた年齢だって調べた上のものだ(少し遅かった気もするが)

いろんな努力計算の上で勝ち取った結婚を30代中盤以降の普通の人が努力もなしに出来るとは思わないでほしい。

(追記)

こんばんは。まさかこんなに反応が来るとは思わず驚いてます

既に結婚してから数年経っているんだけど同年代の友人が自分の行動が遅かったくせに

普通の人がいいのに良い人がいない〜と高望みしててイライラしたもんで書き殴った文章なので攻撃的だな〜とは自分でも思ってる。

コメント見たので、すこし追記しますね。

スペックの割に年収低くない?

→当時20代役職持たない女性年収なんてこんなもんじゃいかな?

残業しか福利厚生かなりよくてこの金額だったから満足してました。

というか婚活界隈では女性年収は最重要視されないんですよね。引かれる可能性あるし(ひどいよね)。なので適度な年収残業の少なさ、福利厚生バランスとりました。

努力してないじゃん

→この程度の努力でどうにかなるように学生時代過ごしてたし、社会に出た後も規則正しい生き方してたんですよね。

会話の方法に関しては場数を踏むのが重要なんじゃないですかね。大学仕事で色んな人と積極的に話していましたので。

結局年齢と顔じゃん

→顔と髪と体型は手入れでかなり整えただけでそんなに良いわけではないですよ。

ただ手入れをすればそこそこ見れる顔ってあたりから適度には良い方なんだろうなと。

年齢はそうだね。なんでみんな早く気づかないんだろう。

性格いね

はい、悪いです。ここで性格良くしても意味いからね。でも人の判断は実際の行動に伴うものから仕事を楽しそうにしていつも美味しい食事を作って笑顔でおかえりって言ってくれる嫁は性格の良い嫁って判断になるんじゃないのかな?

スペックしか男を見てない

男性も顔と年齢+αというスペックで見るでしょ?自分の持ってる魅力に見合った魅力の人と結婚しただけの話ですよ。

あとね、私旦那のことすごく大好きなんだよね。最初婚活市場ってこともあったからそりゃスペックを見てたんだけど、土台がしっかりしてるから嫌な部分がほとんど見えない。年々大好きになるの。

燃えるような恋愛が落ち着いて結婚するのも素敵だと思うけど、私はだんだんから好きになっていくお見合い結婚も良いと思うな。

30代前半の兄が脱サラして東大入学してた

数年音沙汰なくて親経由で久しぶりに現況が伝わってきて2018年度に東京大学入学して学生やってるらしい。

我が家系で初めての大卒がでてしまたことになるのだが、実のところこの話は全部嘘である

大卒の人がお笑い技術を習熟しネタを書けるようになったら、お笑い芸人はどうなるか

競争機能するようになったら、現存するお笑い芸人はこの先生きのこれるのだろうか

2020-11-21

anond:20201121132445

図書館無料貸本屋ぐらいにしか思ってない人の認識ってこんなもんか。

レファレンスサービス自体知らないか、ググればなんでも出てくると信じているような類の人か。

もしこのレベルの人が大卒だとしたら大学教育なにやってんだって話になるね。

2020-11-20

高卒大卒か論争

今の時代大卒が当たり前、ホワイトカラー勝ち組みたいな風潮があるけど自分見解を言わせてもらう。

学生時代からやりたいことがある人はさっさとその仕事についてどうぞ。議論するレベルではない。

ここでは意識が低い人たち向けに解説したいと思う。

学力(学歴)が高くやりたいことがない→大卒大企業を目指したほうがいい。中小とは基本給、ボーナス福利厚生が段違い。

学力(学歴)が低くやりたいことがない→中小であまり給料の低さに絶望して転職を繰り返す。転職先も似たようなところでループ。または、激務で周りが見えなくなり現状を普通だと思って思考停止してその仕事をずっと続けることになる。

この2つに共通して言えることは、ホワイトカラーといえど所詮自分のやりたいことではないことをしている点。スーツを着る=社外の人と接する機会が多いため、業務内容によるが「頭を下げる仕事」をすることが多いように思える。

「なんでやりたくもない、興味もない仕事なのに頭下げてまでやらなきゃならないのか。」こういった思考に陥る。ここで大企業で高給なら話は別だが、中小ではもれなく低賃金なため「こんな仕事やってられるか」となり退職転職を繰り返す羽目になる。

専門卒でブルーカラーホワイトカラー経験し、今はブルーカラーで働いている私の立場から言わせてもらうと、

大卒なら極力大企業に入る。Fラン高卒ならなんとしてでもやりたい仕事、興味が持てる仕事を見つけるしかない。

仕事内容によるストレス、それに対する賃金

これらはものすごく重要で、どちらかが偏っていても結局辞めることになるか、傍から見て頭おかしいとしか思えないような状態になることがはっきりしている。

私の場合運転が好き、体を動かすことが好きでホワイトカラー仕事をしているとき免許を取りに行き、現在トラックドライバーをしている。

前職はカスタマーエンジニア的なことをしていたが、相当なストレス低賃金で常にイライラしていたが今は全くストレスを感じないし、給料休みも増えた。

まり何が言いたいのかと言うと「嫌な思いをしてまで仕事をするなら辞めろ。とっととやりたい仕事を見つけてそれをやれ。」

ということである

ライフワークバランスなどと言われているが、結局のところ仕事というのは一日の大半を占めて一月のほとんど、つまり人生の大半を占めることになる。

それが楽しいと思えるか、つまらない、辛いとしか思えないかでは人生幸福度か天と地の差になる。

就活生にはなんとしても失敗しない仕事選びをしてもらいたい。

文才が無いので伝わったかどうかは疑問だが、少しの参考になればいいと思う。。

https://anond.hatelabo.jp/20201118125412

わかる…大学の内容難しすぎる

自分はどうにかこうにか卒業してなんとか憧れの技術営業の職を得たけどやっぱり全然理解できなかった

今は英語が少々いる物流仕事してる

想像もしなかった進路だけど、この職種大卒理系肩書使って入社した会社で知ったので無駄大学行ったわけじゃないと自分を納得させてる

どんな仕事でも適性があって将来につながるならいいよね

20年後はこうなる「中国喫茶店コーヒー代金=日本人大卒男子の平均日給」

40年後はこうなる

平均的な労働者階級中国人の子が親にもらった月のお小遣いでも日本では高級すし3人前が食える

2020-11-19

みかんコーヒーとオトンの初恋有村架純

「みさちゃんさ、みかん食べる?」

寒い寒いと言いながら、三時のおやつでも食べようかとリビングに降りてきた私に、キッチンから父がボソッと声をかけた。

「いや、みかんはいらん。寒い暖房つけよう」

エアコンなら、母さんが業者呼んで清掃してからじゃなきゃ使わん言ってたから、つけたら怒られるぞ」

はぁ?という顔をしている私に、いらんといったのが聞こえなかったのか、みかんを手渡しながら父が言う。

「なんで寒くなる前にやっとかんかったんだって話よな。そんなこと言ったら、怒られるから絶対言わんけど」

からからと笑う父。手に持つマグカップには湯気の立つコーヒーテーブルに目をやると、みかんの皮が散乱している。

(この人……コーヒー飲みながらみかん食ってるんか)

ソファの背もたれにかかっていたひざ掛けを腰に巻いて、リビングテーブルにつく。渡されたみかんを揉みながら、

わたしコーヒー

頼むより先に父はグラインダーに豆を入れていた。ブィーンという無機質な音が部屋に響く。

「みさちゃん、昨日の夜酔っぱらって、そこまで聞けんかったけど。この後どうすんの。そこらへん、母さんとは話したんか?」

「うーん」

どうしたものかと私は少し考えた。昨夜、久々に帰省した私のために、自宅ではささやか歓迎会が催された(とはいっても少し豪華な寿司の出前をとったくらいだが)。食事を終えて、家族三人テレビを見ながらダラダラとお酒を飲んでいたのだが、父は早々かつ静かにリビングソファに沈んだ。腹に猫を乗せて、スマホバイブほどの小さな音量でいびきをかきながら寝る父をそのままに、母とは今後の話をある程度した。正味時間ほどかかったその話を、今父にするにはまだ話をまとめ切れていない。母からは同姓として理解は得られても、父にはこの冗長な割に何も決まっていない私の現状を伝えても、ただ心配を駆り立てるだけではと不安になったのだ。

「まぁ暫くは休むよ。貯金もあるし。今はまだ動けん気がするし、何より少し疲れたわ」

みかんの皮をむきながら、はぐらかすようにそう答えると、コーヒーを入れる父の手に視線を移した。暫く見ない間にまた年季が入ったなぁと、ふとそんなことを考えた。


ここ数年、私(輝く三十代独身)はアメリカ西海岸の小さな広告代理店仕事をしていた。小資本飲食店小売店なんかがメイン顧客だったので、今回のコロナによる各種制限後はほどんと仕事がなく、一部制限解除後もほとんどの店はコマーシャルを打つ余力はなかった。片手間に作っていた無料情報誌なんかは、コロナ対策コラム等を差し込みつつほそぼそと発行を続けていたけれど、いつしかそれも限界に。結果、私はあえなく「状況が良くなったらまた声をかけるから、必ず戻ってきて」とお決まりコメントと共にレイオフの網にかかったのである。こんな状況ですら私を限界まで雇い続けてくれた会社には感謝しかないが。

解雇後「とりあえず一旦リセットだな」と考えた私は、実家に帰ることにした。異性関係は、現地で交際していた男性と二年ほど前に別れた後はパッタリだったし、行きつけのチャイニーズレストランコロナで潰れたので、かの地に私を繋ぎ止めるものはもう何もなかった。大卒から今までずっと海外でもがいてきたこともあり、このひっくり返った世界を口実に、このタイミング実家ゴロゴロしてやろうと、そういうことであるしかし状況が状況なので、帰国決断した後も、やれ渡航制限だ、やれチケットの予約だと色んなことがうまく繋がらず、なかなか出国することができなかった。ようやく帰国の日取りが決まったころ、

「帰るで」

ポッと送ったLINEに、

「車で迎え行く!楽しみ!おめかししてく!」

還暦も半分過ぎた母はノリノリで返信したにも関わらず、当日派手に寝坊した。私が期待していた、到着ロビーでの感動の再会(BGM青春の輝き/The carpenters)は叶わず。実に四年ぶりの帰国はなんとも味気のなく、一人公共交通機関でと相成ったのである


「あれな、『コロナだし、やっぱ行かん方がいいと思って』って言い訳しとった」

私の分のコーヒーを手渡しながら、けらけらと父は笑った。

「ほんと昔から適当な人。あんなんと結婚した意味分からん初恋の人とか言わんでよ?」

私が次のみかんに手を伸ばしながら言うと、

初恋かぁ……」

ギリギリ聞き取れるくらいの声でボソッと言った後、父は一人モジモジしながら下を向いた。思えば父と母がイギリス出会ったという話は聞いたことがあるが、初恋話となると聞いたことがない。恐らくこの人の初恋は母とは別の人と思うが、どうせ時間もあるし、掘れば面白い話が聞けるかも知れないと思った私は、

「そしたら、父さんの初恋っていつよ?」

別に話したくなければいいですよ、ええ。と二個目のみかんの皮をむきながら、興味なさげに聞いてみた。暫く返答がないので視線を上げると、相変わらずモジモジしながら、父は照れくさそうに顔を上げた。

「お墓に持っていくほどのものでもないし、話してもいいか。母さんには内緒だぞ?」

言うと父はテーブルの上のみかんの皮をまとめてゴミ箱に入れると、ゆっくりと向かいの席に着いた。

(結局話したいんでしょうに……)

いかけた一言を飲み込んで、コーヒーをすする。


「みさちゃん墓参りの時に行った叔父さんの家、まぁあれは父さんの実家でもあるわけだけど、裏手に階段あったやろ。急なやつ。あそこを登ると昔図書館があったんよ。市立だか県立だか忘れたけど、そこそこ立派なやつがね。父さんは大学受験勉強毎日そこでしてたんだ。家だと兄弟たちがうるさいから」

父の実家西日本の某所。坂の多い海辺の町だった。遠方であることもあり、私は小学校高学年の時に祖父母墓参りに行ったのが最後、以来そこには行っていない。

「そこの自習室がさ、海に向かって大きな窓があって。部屋にストーブがあったけど、やっぱり窓が大きかったせいかな。冬場はすごい寒かった。でもそのおかげで利用者が少なくてね。少し寒いくらいの方が頭も冴えるし、父さんはそこを好んで使ったんだ。あともう一つ、別の理由もあったんだけど」

父はそわそわと立ち上がると、コーヒーのおかわりだろうか、電気ケトルに水を入れて沸かし始めた。ケトルがお湯を沸かし始める音が、私の想像の中の自習室ストーブの音と重なる。父はそのままケトルのそばから離れず、窓の外に目をやりながら続けた。

「父さんともう一人、その自習室を使う女の子がいたんだ。とても綺麗な、束ねた長い髪が印象的な子だったよ」

突如文学的表現をし始めた父をみて(これはキモイな……)と思った。初恋話を聞くのにある程度の覚悟はしていたものの、父の口から語られるそれは、なんとも中途半端恋愛小説のようで、

(これは、脳内キレイどころの女優さんでもキャスティングして、程よく補完しながらでないと聞くに堪えないな)

そんなことを考えながら、みかんを口に放り込んで聞いた。

「それが初恋の人?思ったよりチープな感じ」

今にも鼻くそを掘り出さんばかりの口調で茶々を入れると、

最後まで聞けよ。みさちゃんが聞いたんだし、父さんにとっては大切な青春の1ページだぞっ!」

父はムッとした表情で言った。

(だぞっ!って……昭和アイドルかよ)

「隣の高校女の子だったんだ。同じく受験生だった。頭のいい子でね。その部屋で一緒になった最初の数回は会話がなかったんだけど、ある時勇気を出して話かけたんだ。『どこの大学を目指してるんですか』ってね」

「ほうほう。で?」

謎のドヤ顔スルーして相槌をうつ

「目指してる大学が一緒だったんだ。まぁ、彼女は余裕の合格圏内。父さんは相当な努力を要するくらいの差はあったけれどね。彼女英語系の学部に進みたいと言っていた。将来は海外に行きたいと。当時ボーっと生きていた父さんと違って、明確な夢を持っていた彼女はとても輝いていてね。ほら、男って単純だから、一発で惚れちゃったんだ。同じ大学を目指す二人。一緒に勉強する自習室。これは、もう、そういうことだろうってね」

馬鹿なのではなかろうか」

「いや、馬鹿でなくて!」

父は鼻息荒く私を遮り、

「たしか最初一方的ものだったさ。けれど、一緒に勉強……というかほぼ父さんが教わるだけだったけれど、毎日のように、約束して、同じ時間を過ごして、そういう感じになったんだ。『一緒に合格しようね』とか『一人暮らしする時は、近くに住もう』とか、これはっ!もうっ!そういうことでしょうがっ!」

若干の金八先生口調になりながらまくし立てた。

彼女の教え方が本当にうまいもんだからギリギリの成績だった父さんも合格圏内に入るくらいになったんだ。夢の大学生活は目の前だった。ある雪の積もった日、勉強を教えてくれたお礼に、図書館の近くでラーメンを奢ったんだ。温かいものでも食べようってね。その帰り道、初めて手を繋いだんだ。女の子と手を繋いだのは、その時が初めてだ。さっき食べたラーメンが胃から飛び出そうだった。家まで送ると言ったんだけど、ここまででいいと。途中で分かれたんだ。次の日も、いつも通り会えると思った。でもなぁ……」

突然、演技派女優のようにうなだれる父。いや、でもこれは結構シリアスな展開なのでは。私は我慢できず、恐らく一番ビンビンに立っていたフラグを掴むと、

「……し……死んだとか?その才色兼備さんは……事故に遭ったとかで……」

ゴクリと唾を飲みながら聞いた。少しの間、静寂がリビングを包む。父は顔を上げると、

「あっ、忘れてた」

と言って、電気ケトルスイッチを入れ直した。ズッコケる私を一瞥しながら続ける。

「いや、死んでない」

「おい」

「死んでないんだけど、消えた」

は?という私の顔に腕を組みながらうんうんと頷くと父。

「次の日から、もう試験も近いのにパッタリと来なくなった。いなくなって三日後くらいかな、その子高校に行ったんだ。名前は知っていたけれど、家は知らなかったし、当時は携帯なんてないからな。それしか方法がなかった。今ほど個人情報にうるさくないからな、聞いたらサラッと教えてくれたよ」

ケトルからサーっとお湯の沸く音がする。部屋が寒いからか、注ぎ口から湯気が濃く立ち上る。

夜逃げしたらしい。母親がいない家庭で、親父さんがあまり真面目な人じゃなかったようでな。突然いなくなったってことだった。仕事で失敗したんだか、博打なのか知らんが……。家の前にも行ったんだけどな。バラック小屋ってわかるかな?そこまで酷くはないけれども、それに近いような、貧相な家だった。当然、明かりもついてないし、扉を叩いても誰も出てこなかった。家の前には、彼女図書館まで来るのに使っていた、見覚えのある自転車がそのまま置き去りにされてたよ」

そこまで言い切ると、父は黙りこくった。そのまま暫く何も言わず、再び沸騰したケトルのお湯でコーヒーを入れ始める。

大学は……大学はどうなったん?」

私は恐る恐る聞いた。父はいつの間に私のコーヒーが空になっているのに気付いたのだろうか。二人分入れていたコーヒーの片方を私に差し出しながら、

「父さんは合格したよ?」

知ってるだろ?と言わんばかりのとぼけた顔で答えた。

「いや、父さんでなくて、才色兼備さんは?合格発表で奇跡の再会をしたとか」

興奮する私とは対照的に、父は再び、一人冷静にモノローグに入る。

あの日合格発表の日。始発で発表を見に行ったよ。大学は遠かったからな。張り出された番号より先にまず彼女を探した。どこにもいなかった。一通り探した後、掲示板を見た。自分受験番号があった。でも全く喜ぶことができず、父さん、そこでずっと立ってた」

ヤバイ、泣きそうだ)

目の前でセンチメンタルに語られるオジさんのモノローグに、不覚にも目頭が熱くなる。

「当然彼女の番号はおろか、受験たかどうかさえ知らないからね。その日は大学の門が閉まるまでそこにいたよ。掲示板は何日張り出されてたんだっけな、もう覚えてないけど、もしかしたら今日これなかっただけで、明日見に来るのかも知れない。そう思った父さんはなけなしの金をはたいて近くの民宿に泊まって、翌日も一日中待ってたんだ」

「……でも、来なかったんでしょ」

ティッシュで目頭を押さえながら私が聞く。指先についたみかんの酸が目に染みる。

「うん。来なかった。そして大学に入ってからも、彼女の姿を見ることはなかった」

自分の話なのに、ウルウルとなく娘にもらい泣きでもしたのだろうか。ズビッと鼻を一度ならすと、

「きっと、受験できなかったんだなぁ。だって受験してたら、彼女なら絶対受かってるものあんなに行きたがってた大学だったんだから

父はしみじみそういうとコーヒーをスッとすすり、一つ残ったみかんを、テーブルの上のカゴから取り出した。


(なんて切ない話だ……)

還暦もとうに過ぎたオジサンコイバナに、悔しいけれど胸を打たれた私は、鼻水をかみながら劇場を退席しようとした。脳内有村架純あたりを勝手キャスティングしていた才色兼備不憫さも去ることながら、そこにいない初恋の人を必死に探す父の哀れさを思うと、今はすっかり禿げ上がった父にも、そこそこかっこいい俳優キャスティングしてやらねば。そう思いながら、ソファ眠る猫を抱えて二階に上がろうとした。その時。

「でも、この話には続きがあってな」

ニヤニヤとしたり顔で笑いながら、父は私を引き止めるように言った。

「父さん結婚前にイギリス単身赴任したことあるって言ったろ。そこで彼女と再会したんだ」

「えぇ!?嘘!そんな偶然ってあるの!?

私は慌てて猫をソファに戻すと、前のめりになりながら席に戻った。と同時に私は焦った。父と母はイギリス出会ったという話を思い出したからだ。そうすると、有村架純キャスティングした才色兼備の役を再考しなければならない。あの母親は……明らかな才色不備だ。

「ま……まさか……よくある話で、その女性って……」

「あ、母さんじゃないぞ」

私の焦りを察したのか、落ち着かせるように父は釘をさした。

日本人駐在員が集まるパブがあってな。仕事終わりにそこで飲んでいたら、隣に二人組の日本人女性が来たんだ。その片方が彼女だった。一目でわかったよ。向こうもそうだったと思う。『もしかして、○○さん?』って聞かれた時、夢でも見てるんじゃないかと思ったよ」

「うわぁ、本当にそんなことってあるんだ。もうそから話が止まらなかったでしょ」

「いや、お互いとても驚きつつも、一言二言交わしてその日は別れたんだ。向こうは連れがいたしね。翌日は休みだったから、また明日改めて会いましょうと、向こうから番号を渡された。その番号を見て色々悟って、嬉しくなったね」

「なにを悟ったん?」

電話番号だけで、ホテル名前とか部屋番号とかは書いてなかった。つまり定住しているってこと。ちゃんと夢を叶えたんだと」

「なるほどねぇ」

そんなに長いこと話したつもりはなかったが、いつの間にか部屋は薄っすらと暗くなっていた。父がパチッと部屋の明かりをつけると、猫が呼応するように二階へ駆けていった。


「でもさ、そんな感動の再会したら、もうそれは運命の人じゃないの?どうしてその人と結婚しなかったのさ」

話が一周して戻ってきたが、単純にそう思ったので聞いてみた。そりゃあ、今の母と結婚たから私がいてとか、そういう御託はあれど、普通ならそこでくっつくだろうと、そう思ったからだ。

「いや、彼女はもう結婚して、子供もいたんだ」

「あら、そういうパターン

「あの後、働きながら勉強して、渡英して、仕事についたと言っていた。そこで出会った人と結婚したそうだ」

それを聞いて、世の中うまくはいかないのだなと思ったのはもちろんだけれど、ふとその時父は何を思ったのかが気になった。初恋の人との運命的な再会と同時に、自分の恋が終わった時、悲しかったのだろうか。悔しかったのだろうか。私だったらグシャグシャになってしまうかも知れない。しかし、そんな私の疑問は、次の父の言葉ですぐに解消した。

「心からしかった。父さん、みっともないけど、そこで泣いちゃったんだよ」

照れくさそうに笑いながら父は続けた。

「良かった。良かったってね。ずっと心につっかえていたものが取れたような気がした。『ありがとう』っていう父さんに、あの人は『なんで?』とは聞き返さなかった。わかってくれたんだろうね。『こちらこそありがとう』と」

「どういうこと?」

今までの話の中で、父がその人に感謝することはあっても、父が感謝されるようなことがあっただろうか。

「『君が海外に行ったら、そこに僕も必ず行くから、その時はバッチリ英語観光案内してほしい。約束しよう』父さん、そう言ったんだと。全く覚えてなかったけどね」

「そんな約束してたんだ」

「『私が海外に行くことに、きちんと意味を持たせてくれたのはあなただった。約束を守るために、頑張ったから今ここにいるの』と言われた。父さんも、彼女の役に立ててたんだ」

一昔前のトレンディ俳優のようにフッと小さく笑うと、そのまま父はトイレへと消えた。

(お前はすっかり忘れてたわけだけどな)

父の背中に心の中で柔らかく突っ込みながら、私もニッコリ笑った。


それから才色兼備さんとは会ってないの?」

トイレからいそいそと戻ってきた父にそう聞くと、

「ああ。会ってない。連絡先も特に交換しなかったんだ。まぁ色々あってね」

父はテーブルのカゴにみかんを補充しながらそう答えた。

「でもさ、初恋は思い出の中に。そういうものだろう」

キメ顔で答える父に、久方ぶりに(気持ち悪い)という素直な感情が戻ってくる。

「ただいまぁ」

玄関から気の抜けた、疲れた声が聞こえてくる。

「あら。何仲良く話てるの珍しい」

リビングに入ってきた母は、そう言いながら、みっちり膨らんだエコバックキッチンに置いた。それを見て、先ほどまでの話題のせいで居心地が悪いのか、父が二階へ避難しようとする。

「なになに?なんの話してたん?」

トイレに行こうとする有村架純とは程遠い母が、リビングの出口で父に聞く。

「いや?たわいもない話だよ」

父は道を譲りながら誤魔化した。訝しげな視線を投げながら、母がトイレに入ったのを見計らって、

「ちなみにな」

父は私の耳元に口を寄せると最後にコソッっと

彼女と再会したときパブ彼女と一緒に来てたのが母さんだ」

そう付け足して、ニヤニヤしながら駆け足でリビングを後にした。

「えぇー!?なにそれぇ!」

驚く私の声と重なって、リビングのドアがバタンと閉まる。

「ねぇー!何の話なのー?」

母の切ない声がトイレから響いた。


あの人との馴れ初め話は、また後日みかんコーヒーを飲みながらでも聞こうと思う。


暇つぶしにこの話をネットに放流する許可をくれた父に感謝

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