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はてなキーワード: 事業仕分けとは

2024-06-28

anond:20240628155332

前回、前々回ならともかくぶっちゃけ争点らしい争点がない

事業仕分けで名を上げたんだから札幌ドーム問題に揺れる札幌ででも出馬すれば良かった

2024-06-27

anond:20240625172343

根本的な勘違いとして「あの事業仕分けコンピューター開発の準備段階のものではなく、終了に近い段階のものだった」という事が理解されていない気がする。

準備段階なら「一位をとれるかもしれない予算」を獲得するためにあの主張をしてみてもいいんだが、「既にマラソンも終盤に入っていて先頭グループに引っかかっているけどラストスパートでどこが一位になるのか分からない」という状態で「トップレベル」じゃなく「一位」じゃないと意味がないという主張をするのはリスクが高すぎで意味が分からなかった。

まぁ準備段階でも確実に狙えるのは「トップレベル」であって、「一位」は運不運が絡んでくる問題なので、言質を取られないようにするには「一位を目指す」と言うべきであって「一位になる」と言うべきではない。しか「夢」がどうこうとかも言うべきではない。「実績」や「経験」「積み重ね」と言うべきだ。

当時も基本「何言ってるんだこいつは」と思って聞いていた。

https://xtech.nikkei.com/it/article/COLUMN/20091124/340979/

anond:20240627040731

また事業仕分けを捻じ曲げてるな。事業仕分け段階では、削減どころか事実上の凍結判断なんだよ。その後の最終判断で「必要改善を行いつつ推進」と評価見直しになって予算110億削減になった。この最終判断での見直しがなかったらそのまま終了してたというのに。

anond:20240625171138

スパコン事業仕分け予算削減をしてHPC分野が大いに遅れることになったみたいなのは明らかにミスリードかつ結果論で、そもそもスパコン事業問題が噴出しまくりだったので、予算削減についてはふつうに考えて合理的理性的判断だったと思う。

あと蓮舫はほぼ空気で、鬼詰めしていたのは金田評価である。その合間の「2位じゃだめなんですか」発言なので、議事録の音声を聞いたことがある人ほど蓮舫発言を「助け舟」と取るんじゃないのかな。

というのを昔書いたから読んで:https://anond.hatelabo.jp/20190904173524

2024-06-26

予算獲得の説明研究者なら日常的にやってるみたいなブコメ

科研費申請事業仕分け全然違うの。

議事録ちゃんと読んだ?読んでないでしょ?

金田先生との直接の質疑だったら専門的な説明にもなったと思うんだけどさ、理研研究畑の人は泉さん(法学部卒)のこの質問に答えなくちゃいけなかったの。

○泉内閣府大臣政務官 これは、インターネットも含めて、多くの国民の皆さんも見ておられるということもあって、(略)高度な技術に対して国民理解をというのは、大変難しいことかもしれませんが、やはり実際どう生きてくるのかが見えてこないと。

 国民に伝わっているのは、例えば気象予測が局地的にできるようになるということに、果たしてこれだけのお金を投じる必要があるのだろうかということも、実際にはなかなかつながってこないというのがあると思うんです。

 ですから、皆さんが今、本当に国民生活に向けて、届けたいメッセージが何なのかということをお答えいただきたいのが1つと。

なんつーかさ、ネットを介して見てる国民に何の役に立つか伝えろと言われたの。メッセージを届けろと言われたの。

専門分野の教授陣が審査する科研費申請とは、全然違う説明必要でしょ?

どっちかというと科学コミュニケーターみたいなことを言わなくちゃいけないのかなって思っちゃうよね。

から、(一般人国民には)夢を与えるみたいなことしか言えなかったの。

まあ、事業として見直し必要だったというのは間違いないんだよ。

蓮舫議員質問意味するものって、1位とか2位とかじゃなくて、コストがかかってもHPC新規性のある研究国家戦略的に続けるか、それとも先端研究としては断念して今あるもので便利な大規模コンピュータとしてわかりやすく役立てるビジネス方向に舵を切るプランBかって、そういう二択として受け止められるよね。で、コストカットイベントの場なんだから「満額は出せないけどプランBじゃダメプランBが嫌なら全カットになるけど」って意味なっちゃうよね。

蓮舫議員法学部卒で、共同開発とかの言い方からして、新規性とか国際競争力とかそういう科学研究言葉説明してもまったく響かなそうだし。

平易な言葉説明しようとすると、中村進行役にさえぎられるし。

そんなわけで、もう研究者としては説明言葉がなかったという感じ。負けは負け。せめてここの部分は金田先生と専門的な討論ができていればと思う。

anond:20240626075144

anond:20240626101327

事業仕分け特にアピール文化の汚い部分だったよな

アピールなんてしなくても政治家ちゃんと金出すべきなのに

アピールしない学問に金出しませんって最近の風潮はあの事業仕分け最初だろ

事業仕分け議論は右も左も馬鹿ばっか

まさか20年近くも変わらず同じ話をしてるとはな。

あんなの「予算折衝ならあの程度の詰め方は普通でしょ」で終わる話だろ? 常識があれば???

 

根拠な「2位じゃ駄目に決まってる」にしろ、疑問をつけちゃいけないことが前提の「あれは助け舟だから批判したわけじゃない」にしろ、前提がぶっとび過ぎてて意味がわからなさすぎる。

 

どっちも、「疑問をつけること自体攻撃」って極東土人島のガラパゴス信仰を前提にしすぎてて非常識

日本人には根本的に論理的思考する脳味噌がないんだと痛感するよ。

失われた70年くらいにはなるな、こいつらが死なないうちは。

anond:20240626130220

わざわざネット中継のセッティングまでしたのが事業仕分け側でキリトリもクソもないんだよな

anond:20240626131430

いやいや事業仕分けとき事業仕分けメンバーの決定で決まったぞ。それで事実上凍結になったし

世の大半はスパコンの意義なんかよくわからない

よくわからないけど蓮舫がちゃちゃ入れたイヤミな奴という認識

だってどんなに先入観を排しても「事業仕分け」の場で「シドロモドロ」な担当者を前に「威勢のいいこと」言ってたやつって感じだもん。

「よく読めば助け船」だとかいやそうじゃないとかどうでもいいのよ。

あの当時の民主党マスコミは「埋蔵金のためにムダな事業をバッサバッサと切り捨てる救世主民主党」の「旗手蓮舫」としての見せ方をした。

で、世間はその感じに独裁者的な、イヤーな感じを受けた。

これはもう動物的な直観的な受容だからマスコミ意図蓮舫真意スパコンの本当の意味も意義ももはや関係ない。

もっと次元出来事として蓮舫はイヤな感じのキツイ奴ということに決まった。

そして昨今、なんかしらんけどIT系の分野で日本は遅れてる。

スマホも全部アップルグーグル

中国ドローン戦車を壊す。

AI池上彰の顔して詐欺ってくる。

おいおい日本ITどうなってんだよというのをなんとなく実感してる。

おや、そういえば

10年以上も前だけどあのキツい女がスパコンというのを叩いてたなあ

2位じゃダメなんですか?とか言ってたなぁ。

日本ITダメになったの、あれのせいじゃね?しらんけど。

うそんな認識

スパコン事業仕分け対象になったことと今の日本IT寒い状況には多分なんの関係も無いが、

でもなんとなくで悪者を探す庶民にとってあの時の蓮舫は確実にその第一候補というわけ。

anond:20240626115811

いや改善案をみてこの事業仕分けメンバー予算をつけ直したわけではないぞ。

anond:20240626081822

あの事業仕分けの酷さは持ち時間が1-2時間しか用意されてないんだよね。増田レスバですら足りんやろという。追加資料を用意できるように文書のやり取りが一番。

anond:20240626101306

そもそもあの後、やっぱスパコン事業大事ということで政府予算付け直してる時点で、あの事業仕分けは不適当だったと認めてるようなもんだからな。

なんか根本的に事業仕分けのことわかってなくない?

当時、当該プロジェクト予算執行正当化する立場から説明していた文科省メンバーは以下の3人。

磯田文雄も倉持隆雄も内丸幸喜も、叩き上げ文科省エリート官僚で、HPC研究者でも何でもないよ。経歴を調べてみればわかる。

この事業仕分けメンバーの中で一番HPCのことをわかってるエキスパートは、評価者の金田康正氏。んで、読めばわかる通り、文科省側の説明適当さや誤魔化しの部分に対して、一番厳しい評価をしていたのも金田氏。蓮舫金田氏のツッコミに対し、文科省側に助け船を出すという立場だった。

追記

なお名前が出ていない「説明((独)理化学研究所) 」は、平尾公彦とされている。この人は専門が理論化学計算化学なので立派に研究者ではあるが、当時すでに63歳の大御所で、論文も何年も前からlast authorとして関わるものばかりになっていた。

2009年当時は東大理事・副学長普通の副学長より2ランク上)から転じて理化学研究所特任顧問・副本部長と東大名誉教授就任2010年には理化学研究所計算科学研究機構機構長に就任している。つまり増田が言うところの

あの場には事業側の人を呼ばなくちゃだめだったんだよ。

研究の一線から退いて、お金の配分とかプロジェクトの座組の調整とかをメインの仕事でやってる人いなかったのかなあ。

という想定に最もフィットしていた(はずの)人間だと言える。本人もHPCwire Japanというサイトhttps://www.hpcwire.jp/archives/16547)で

東大を定年退官する際に、ある私立大学から声を掛けて頂いていたのですが、契約書にサインをする直前に、理研から新たにスパコンセンターを立ち上げるので、来てくれませんかと話が来ました。私自身は計算機を専門にやっているわけではなく、計算機を使って様々なサイエンスを展開する、計算科学人間でしたので、果たして私に務まるのかと躊躇しました。

述懐しており、理化研がHPCプロパーではない人間管理責任者として招聘したということがわかる。

anond:20240626075144

事業仕分け自体がクソだったんだから京を結果論で叩いても仕方ないでしょ

はてなー事業仕分けをどう評価してるのかわからないけど、少なくとも科学技術関連の事業に関して短期的な損得で要否を評価しようとしたことは(結論が正しいかどうかに関わらず)実際に間違ったアプローチだったし、だからこそ多くの科学技術団体や著名な研究者ネイチャーといった主要学術から批判を受けたわけだよね。

その中で『2位じゃ駄目なんですか』って言葉事業仕分けにおいて短期的な成果を主張しづらい基礎的な科学技術に関する研究が軽んじられた象徴として当時扱われていたし、誤ったアプローチで水中に突き落としておいてあれは実は助け舟だったとか主張してもそんなのはただのマッチポンプしかない(結局凍結判定をしているのでマッチポンプにすらなっていない)。

京が結果的に割高なスーパーコンピュータだったとしても、大きな成果を残した『はやぶさ2』や『スーパーカミオカンデ』が事業仕分けの場では国民に直接貢献してないとして事業を縮小されたことの説明はつかない。『2位じゃ駄目なんですか』を正当化したければ科学技術事業に対してああいったアプローチ仕分けを行ったことそのものが正しいアプローチであったことを示せよ。

anond:20240625172343

議事録 https://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/9283589/www.cao.go.jp/sasshin/oshirase/h-kekka/3kekka.html 長いのでNotebookLMを使って要約してみました。

理化学研究所次世代スーパーコンピュータ開発事業に関する事業仕分けの議論概要

理化学研究所は、10ペタフロップスのスーパーコンピュータを開発する計画を進めています。 この計画は、2005年に開始され、これまでに545億円の国費が投入されていますしかし、2010年予算案事業仕分けにおいて、この計画の本格的な着手の是非が議論されました。

評価からの主な意見質問は以下のとおりです。

文部科学省理化学研究所からの主な回答は以下のとおりです。

事業仕分けの結果は、「凍結」でした。つまり計画は一旦停止し、見直しが行われることになりました。

なお、この事業仕分けでは、スーパーコンピュータ開発の技術的な側面についても議論がありました。例えば、ベクトル型とスカラ型のどちらのアーキテクチャ採用すべきか、ソフトウェアの開発をどのように進めるかといった点です。 これらの点については、専門家の間でも意見が分かれており、事業仕分けの場では明確な結論は出ていません。

蓮舫議員の「2位じゃだめなんでしょうか」発言に至るまでの議論の流れ

まず、文部科学省次世代スーパーコンピュータ開発の意義について、世界最高性能のものを開発することで、日本が様々な競争分野で優位に立てるという点を強調しました。 例えば、10ペタクラスシミュレーションは従来のものから質的に変わるため、日本が先行して利用できる状況を作ることで、ソフトウェア開発や産業利用の面で競争力を持ちたいと主張しました。

これに対し、蓮舫議員は、企業スーパーコンピュータを利用する際に、本当に1位のものしか使わないのか、2位のものを使って安価で分かりやすい応用技術提供することも考えられるのではないかと疑問を呈しました。

しかし、文部科学省側は、10ペタクラスの開発を急ぐ理由として、いち早く到達することで日本アイデア世界に先行して発揮できる状況を作りたいという点を繰り返し強調しました。 つまり、「世界一」であること自体に重点を置いていたことがうかがえます

この蓮舫議員の疑問と文部科学省の主張のすれ違いが、「2位じゃだめなんでしょうか」という発言につながったと考えられます

2024-06-25

anond:20240625172343

ベクトルスカラーの話は事業仕分けの時にも言われてたな

ハイブリッド前人未踏

ベクトルでも茨の道

潮流に乗ったスカラーいいんじゃないの?

そもそもスカラーで仕切り直して作るなら習作であり一位は難しすぎる)

という意図であったとか見た

その記事ではハイブリッドは既に行き詰っている(から蓮舫ワルモノにして路線変更に乗ってしまえ)

という論調だったが、当初予定どおりのハイブリッドだったらどうなってたんだろうね

2位とはなんだったのか

anond:20240625171138

2009年11月のいわいる事業仕分けから、もう13年も経った。「2位じゃダメなんですか?」の質問発言で非常に曰く付きとなったアレだ。

ところが最近、13年も経ってまだなおナゼ「2位」という言葉が出てきたか理解できてない人がかなりいる事を知った。

それどころか、事業仕分けによって日本HPC分野が衰退したなどという認識まで飛び出す始末である

ただ、資料もなしにどこが変だと言っても仕方あるまい。何がどうして「2位」なのか、少し語ろうじゃないか

アーキテクチャ

初期の次世代スーパーコンピュータ (この時点では名前が付いていなかったが、以下わかりやすく京と呼ぶ) 計画 は、補助金を投入してのHPC産業育成に目を向けられていた[1]。世界一の性能を出していた海洋研究開発機構地球シミュレータが、NECのSXシリーズベースにしたベクトル型であり、ベクトル型のスーパーコンピュータ日本お家芸とみなされていた。これを育成することが一つの目標。そして、立ち遅れていた当時の世界スーパーコンピュータの潮流、スカラ型の開発に追いつくこと。これがもう一つの目標となった。結果、世界でも類を見ないベクトル型とスカラ型のハイブリットなどという中途半端方式になる。実に日本的な玉虫色の決定と言えるだろう。しかし、補助金の注ぎ込みが不足し、事業者持ち出しの負担が大きくなってしまった。結果、事業負担が高額になることを嫌い、NEC日立撤退する[2]。これにより、世界の潮流通りのスカラ型とならざるをえなくなった。

CPUはというと、世界スーパーコンピュータの潮流では当時から既に汎用のx86アーキテクチャCPUが既に多くなってきていた中、富士通SPARC64VIIIfxを採用した。よく国産CPU表現されているが、SPARCの名で分かる通り、当然命令セットは米国Sun Microsystems (現 Oracle) のセカンドソースであり、端から端まで国産というわけではない。更に、業務UNIXをささえるマシンとして一世を風靡したSPARCではあるが、当時ですらもう下火となっていた。京の事業費の約半分、実に600億円が、この専用CPUに注ぎ込まれることになった。なぜその選択をしたのか。富士通サイトには省電力と安定性が理由として書かれている[3]。しかし、その省電力という目標も、後述するように微妙な結果となってしまった。また、ソフトウェアの使いまわしも微妙となった。

目標性能

計画2005年に始まる。世界でも類を見ないベクトル型とスカラ型のハイブリットという構成もあり、概念設計にはしっかり時間を費やした。2007年9月には性能目標10P FLOPSと示した[4]。稼働開始は2010年2012年に完成という工程も同時に示されている。直前の2007年6月のTOP500を見ると[5]、1位のIBM BlueGene/Lが370TFLOPS。5年後に30倍という性能を目指したことになる。当時の発表としては、世界一が取れるような計画だったが、しか日進月歩の分野で5年は結果的に長かった。

さて、前述のように、ベクトル陣営2009年5月撤退を決めた。10P FLOPSの性能と決定した時には、ベクトル側も居たのに、そこがぽっかり空いた状態10P FLOPSのあてはいつついたのだろうか? 2009年7月報告書[6]では、スカラ単体で10P FLOPSを達成できること、ベクトル部は存在していても接続まわりの性能が不足していて問題があったことが表明されている。結果的に、なくなってよかったというトホホな内容だ。さて、同報告書では、稼働開始前の2011年6月に、ベンチマークだけでも10P FLOPSを達成してTOP500の1位を目指すと書いてある。どうしてこうなったのだろうか。

強すぎたライバルたち

遡ること半年2009年2月3日米国国家安全保障局(NNSA)はIBMと新しいスーパーコンピュータ Sequoiaを展開すると発表した[7]。性能は20P FLOPS、京の予定性能の実に2倍を達成するという発表だ。しかも、提供開始は2011年2012年。京の1年も前になる可能性があるという。

そう、双方が計画通りなら、京は2012年提供を開始する時には既に2位になっているという話題が出ていたのだ。なるほど、あせって2011年ベンチマークだけでも「トップを取った」という実績を残したいわけである

さて、その後のSequoiaはというと?

ある意味計画通りだろう、2012年提供が開始され、2012年6月のTOP500[8]では予定通り20P FLOPSを叩き出し、1位になる。しかし、2012年11月のTOP500[9]では、Crayとオークリッジ国立研究所が作ったTitanが叩き出した27P FLOPSという数字ににあっさりと抜き去られ、2位になる。まるで幽遊白書ラストのような展開だ。しかも、SequoiaIBMPowerアーキテクチャで構築されたA2プロセッサだったのに対して、TitanはAMD OpteronNVIDIA K20Xの組み合わせ。汎用性でも差を開けられている。これはお手上げというものだろう。

事業仕分け

さて、話は京に戻す。京が有名になったのは2009年11月13日の行政刷新会議、いわいる事業仕分けである(ここは参考文献は要るまい)。このときまで、そんな計画があることを知らなかった人の方が多かったのではないだろうか。どういうニュアンスで言ったかからない、まるで日本を貶めているかのように聞こえる「2位じゃダメなんですか?」という言葉が非常にインパクトを与えたことだろう。

さて、じゃぁ何が2位なのか。だ。前述の通り、この時点ではIBMSequoiaに追い抜かされることが見えていた。TitanはGPU調達など細かい話が決まってきたのは2010年なので、この時点ではほとんど影がなかったはず。ということで、3位じゃなくて2位としたのは、Sequoia意識してのことだろう。つまり、「2位じゃダメなんですか?」というのは、1位を諦めて2位の性能で我慢するべきということではなく、客観的に見れば「2位になるのが見えているのだけど、何で1位と言ってるの?」という話になってくるのが見て取れる。蓮舫氏がそこを意識してたか知らんけど。

共同事業者撤退し、一応強気に「大丈夫」と言ってはいるが、本当に達成できるかは周りから疑問符が付くグダグダプロジェクト状況、ほぼ専用設計で量産時にどういう問題が出るかわからないCPUソフトウェア新規制作税金の投入は中途半端で、産業を育成したいのか企業負担を増やしたいのかよくわからない(だから撤退する事業者が出る)。そもそもここで出来たスーパーコンピュータCPU抜きにしても売れるのか分からない。そりゃ、金田康正教授でなくても、京にはため息が出るというものだ。

達成できたこと、できなかったこ

さて、京は何を達成したのだろうか? 京は完成前ではあるものベンチマーク実施し、見事11P FLOPSを叩き出し、2011年6月[10]と2011年11月[11]のTOP500でトップに躍り出る。この分野に日本ありと示した…かどうかはわからないが、一つの実績として言えるのは間違いない。いや、経緯のグダグダからして、見事なプロジェクト進行だったと称賛できる。しかし、前述の通り供用を開始した2012年9月[12]にはTOP500ではSequoiaに追い越されており、直後のTOP500ではTitanにも追い越されて3位となっていた。1位は、ベンチマークだけの存在だったと言える。

では目標産業育成としてはどうだっただろうか。京をベースにしたスーパーコンピュータ PRIMEHPC FX10[13]やFX100は、東大[14]、名大[15]、キヤノン[16]、九大[17]、信大[18]、JAXA[19]、核融合科学研究所[20]、気象庁気象研究所と、調べるだけでも国内実績は多くある。国外実績は、台湾中央気象局[21]、シンガポールナショナルスパコンセンター豪州 NCI、英国 HPC Walesと、それなりにある。ただどうだろう。産業としてうまくいったのだろうか。有価証券報告書を見ても、その他のセグメントに入ってしまっているため状況がつかめない[22]。謎ではある。とはいえもし、産業としてそれなりに育ったのならば、有価証券報告書で報告する事業セグメントとして独立したものを与えられてしかるべきだったのではなかろうか。少なくとも1000億も出したのだ。そのくらいではあってほしかった。更に言うなれば特に競争の激しい国外市場をうまく取り込めたかというと、産業育成という視点では頑張ったとは思うものの心もとない結果だったように、少なくとも私には見える。

消費電力の面はどうだろうか。上述の通り、SPARCを使う理由には省電力が上げられていた。これをライバルSequoia、Titanと比較してみよう。2012年11月のTOP500[9]で見ると、京は12.6MW消費するとあるSequoiaは7.8MW、Titanは8.2MWだ。実はこの時の報告のあるスーパーコンピュータの中で、最大の電力消費量を誇っている。高いほうがいいのではなく、消費電力は低いほうがいいので、これはかなり問題がある。

費用面はどうだろうか。これもライバル比較してみよう。京は日本円にして1120億円かかっている。対してSequoiaは2億5000万ドル[23]、Titanは9700万米ドル[24]だ。2012年11月で見るとドル相場は82円なので、Sequoiaは約205億円、Titanは80億円となるだろうか。京のプロセッサ開発費を除いたとしても、数字が違いすぎるのだ。

纏めてみよう。京は、一時期でベンチマーク上だとしても、TOP500で1位を取った。これは「夢を与え」(平尾公彦氏)た結果だったろう。しかし、それは砂上の楼閣でもあった。しかしそれを実現するための費用米国の5~10倍で、性能は実は半分、消費電力は1.5倍という結果になり、産業育成も盛り上がったかどうかは判然としない。こんなところだろうか。

さいごに

近年のスーパーコンピュータを含めたHPC分野はどうなっているだろうか。近年のクラウドコンピューティングの流れを当然HPC分野も受けており、主要プレイヤーとしてAWS名前が挙がっている[25]。またレポートでは挙がっていないものの、Google Cloudも猛追しており、円周率計算では1位を叩き出している[26]。必要な時に、必要な規模で構築できるクラウドコンピューティングの波は、さてHPC分野でどこまで浸透していくのだろうか。産業育成の方向が、2009年時点では確かにハードウェア開発だったろう。しかし、事業仕分けへの反発により、日本方向性を間違ってしまったのではないか。私は、そんな気がしてならない。

[1] ttps://www8.cao.go.jp/cstp/tyousakai/hyouka/kentou/super/haihu01/siryo2-3.pdf

[2] ttp://www.nec.co.jp/press/ja/0905/1402.html

[3] ttps://www.fujitsu.com/jp/about/businesspolicy/tech/k/whatis/processor/

[4] ttp://web.archive.org/web/20130207162431/https://www.riken.jp/r-world/info/release/press/2007/070914/index.html

[5] ttps://www.top500.org/lists/top500/2007/06/

[6] ttp://www.jaist.ac.jp/cmsf/meeting/14-3.pdf

[7] ttps://www.llnl.gov/news/nnsa-awards-ibm-contract-build-next-generation-supercomputer

[8] ttps://www.top500.org/lists/top500/2012/06/

[9] ttps://www.top500.org/lists/top500/2012/11/

[10] ttps://www.top500.org/lists/top500/2011/06/

[11] ttps://www.top500.org/lists/top500/2011/11/

[12] ttps://www.riken.jp/pr/news/2012/20120927/

[13] ttps://jp.reuters.com/article/idJPJAPAN-24020620111107

[14] ttps://pr.fujitsu.com/jp/news/2011/11/14.html

[15] ttps://pr.fujitsu.com/jp/news/2013/05/15.html

[16] ttps://pr.fujitsu.com/jp/news/2013/08/6.html

[17] ttps://pr.fujitsu.com/jp/news/2013/08/22.html

[18] ttps://pr.fujitsu.com/jp/news/2014/02/13.html

[19] ttps://pr.fujitsu.com/jp/news/2014/04/7.html

[20] ttps://nsrp.nifs.ac.jp/news/PS-next.html

[21] ttps://pr.fujitsu.com/jp/news/2012/06/25.html

[22] ttps://pr.fujitsu.com/jp/ir/secreports/2015/pdf/03.pdf

[23] ttps://arstechnica.com/information-technology/2012/06/with-16-petaflops-and-1-6m-cores-doe-supercomputer-is-worlds-fastest/

[24] ttps://web.archive.org/web/20120727053123/http://www.hpcwire.com/hpcwire/2011-10-11/gpus_will_morph_ornl_s_jaguar_into_20-petaflop_titan.html

[25] ttps://www.sdki.jp/reports/high-performance-computing-market/109365

[26] ttps://cloud.google.com/blog/ja/products/compute/calculating-100-trillion-digits-of-pi-on-google-cloud

追記

なんでこんなコピペブクマついてんだよ

はてな民蓮舫シンパ記事に釣られすぎ」が頭悪すぎたから俺はまともなのをコピペしただけだ

記事を読めよたった1年半前の事すら覚えてねえのか?お前ら馬鹿は?

https://anond.hatelabo.jp/20221204174030

はてな民蓮舫シンパ記事に釣られすぎ

https://shueisha.online/articles/-/250836

この記事で、「実は蓮舫氏はスパコン事業に助け舟を出していた」と書かれているが真っ赤な嘘(憶測である

まず第1前提として、予算を決めるような大事な話ほど文書のやり取りにすべきである。あの事業仕分けはただのマイクパフォーマンス芸であり、言った言わないを避ける方法がないことを思い出してほしい。例示としては、科研費である科研費予算決めをマイクパフォーマンスにしたら成立しないのは想像に難くないだろう。

以下、蓮舫氏のあの発言=助け舟というのはかなり怪しいという証拠を記していく。

上手くいかなかった助け舟をタイトルにした本を普通出すか?

事業仕分け後の2010年蓮舫氏は本を出している。

タイトルは「一番じゃなきゃダメですか?」である

https://www.amazon.co.jp/dp/4569779646

上手くいかなかった助け舟をタイトルにした本を普通出すか?本当にそう考えてたなら、それをタイトルに本出す奴はサイコパスやろ、という話である

本当に助け舟と考えてたなら、”予算要求通り”と評価するのでは?

あのスパコン事業仕分けでは、”予算要求通り”と評価した人は誰もいなかった。つまり蓮舫氏もそのように評価したのである

だが、スパコン重要性を理解していて研究大事評価していたなら、マイクパフォーマンスが悪くとも、”予算要求通り”にするのでは?という話である。そのマイクパフォーマンスの悪さ=スパコン研究事業無意味さと帰結主義評価するのであれば、蓮舫氏の取った行動も帰結主義評価すべきである。つまり、”予算要求通り”と評価してない蓮舫氏は、助け舟であの発言をしていないのである

息子のマジコンも知らないのにスパコン重要性知ってました?

蓮舫氏は事業仕分け後の2009年12月Twitterで息子の使ってたマジコンのことを聞き、ネットで物議を醸した。

https://getnews.jp/archives/42755

まずここで確認したいのは、蓮舫氏はTwitter投稿できるようなインターネットを使える環境にあり、その息子もおそらくそマジコンネット購入してるようなネット環境があることである。そういった環境があるにも関わらず、一切調査もせず、Twitterに無邪気に質問投稿しているのである

この調査能力がない人物がはたしてスパコン重要性やどんなシミュレーションに使われてるのか、当時理解してたのか?

目標を1位にしないと実際の順位がどんどん下がっていくという当たり前の話はあの場で必要ですか?

この事業仕分けの一件により、近い界隈の研究・開発・教育現場愚痴のように口酸っぱく言われるようになった。

目標を1位にしても必ず1位にならず下の順位(e.g. 2位, 3位)になってしまう。つまり、2位,3位を目標にしてしまうとさらに下の順位(e.g. 4位,5位)になってしま競争・開発力がどんどん落ちてしまう。だから目標は高いところにしなければならない。」

もしかして蓮舫氏はこの当たり前の話も知らなかったのではないですか?

HPC分野が衰退したあと何かケアしました?

この事業仕分けにより、あの時期のHPC分野は間違いなく衰退した。

仮に助け舟を出したとされる蓮舫氏は、その後HPC分野を改善させる何かをしたかというと何もしてない。

そして、今回の都知事公約にも、これに近い話は一切ない。つまり蓮舫氏はあの助け舟で上手くいかなかった事業仕分けを特に問題ないと考えてるだけである

結論

以上の点を考えていくと、蓮舫氏はあの発言を助け舟とは全く考えておらず、あの事業仕分け、予算削減を特に問題とは思ってないのである

都知事選に出馬する上でのネガキャンを減らすためだけの理由で、後出し歴史修正擁護にはウンザリである

はてな民は騙されないように!

2024-06-18

anond:20240618234414

事業仕分け自体予算削減ありきやからなあ

事業仕分けをすると無駄予算削減で埋蔵金が出てきて民主党マニフェストの財源にできますという話であって

事業仕分けしたら仕分け対象事業予算が数倍になりました」となるのを望んでたわけがいからな

歴史改変ガーとか言う割にはてな馬鹿事業仕分けを良かったことにしすぎ

都知事選出馬者で話題事業仕分け民主党財務省に上手いこと乗せられて、

ノーマネーでフィニッシュですみたいな劇場型政治で支持と衆目を集めようとしただけのイベントだし、

結果的対象事業を吊し上げて、必要事業であっても止めてしまうと言う乱暴なことしてたの忘れたのか?

それとも、はてな馬鹿みたいな自分正義を疑わない正義君には、支配欲を満たせるイベントからそれだけで満足してるのか?

散々、クソみたいな事業の切り捨て方してる蓮舫を持ち上げるとか、議事録読んだ?とか言えるの恥ずかしいよね

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