2024-06-10

1/r^2について: M理論に至るまでの過程

  • -GM_{1}M_{2}/r^2
  • q_{1}q_{2}/r^2

といった式について、素粒子では後者支配し、天体では前者が支配する。

これが電子原子核が見つかると問題となった。

距離における強い力のために、電子原子核螺旋状に落ち込むが、明らかに事実と違う。

この問題解決のために量子力学が考案され、

  • [p, x] = -iħ

というハイゼンベルグ関係式に従う。このため、r=0となることはなくなり、問題回避される。

これが、粒子の量子力学というものである

多様体上の楕円型作用素理論全体が、この物理理論に対する数学対応物で、群の表現論も近い関係にある。

しか特殊相対性理論考慮に入れるとさらに難しくなる。ハイゼンベルグ公式と同様の不確定性関係が場に対して適用される必要がある。

電磁場場合には、光子というように、新しい種類の粒子として観測される。

電子のような粒子もどうように場の量子であると再解釈されなければならない。電磁波も、量子を生成消滅できる。

こうして、物質反物質の生成消滅という予想が導かれる。

数学的には、場の量子論無限次元空間上の積分やその上の楕円型作用素関係する。

量子力学は1/r^2に対する問題の解消のために考え出されたが、特殊相対性理論を組み込むと、この問題自動解決するわけではないことがわかった。

といった発展をしてきたが、場の量子論幾何学の間の関係性が認められるようになった。

では重力考慮するとどうなるのか。一見すれば1/r^2の別な例を重力提供しているように見える。

しかし、例えばマクスウェル方程式線型方程式だが、重力場に対するアインシュタイン方程式非線形である

また不確定性関係重力における1/r^2を扱うには十分ではない。

物理学者は、点粒子を「弦」に置き換えることにより、量子重力問題が克服できるのではないかと試した。

量子論効果プランク定数に比例するが、弦理論効果は、弦の大きさを定めるα'という定数に比例する。

もし弦理論が正しいなら、α'という定数は、プランク定数と同じぐらい基本的定数ということになる。

ħやα'に関する変形は幾何学における新しいアイデア関係する。ħに関する変形はよく知られているが、α'に関する変形はまだ未発展である

弦のない物理学は、複素数のない数学のようなものと言える。

理論には5つのバリエーションがある。

  • IIA型、IIB型においては、弦は閉じた弦で、向きづけられ、電気的に絶縁体。
  • SO(32)あるいはE_8×E_8というゲージ群を持つヘテロ型の弦理論2つにおいては、弦は閉じた弦で、向きづけられ、電気的に超伝導体。
  • I型という理論については、弦は向き付けられておらず、電気的に絶縁体で、端点を持ちえる。端点を持つ場合は端点に電荷を持てる。

これらの理論は、それぞれが重力予言し、非可換ゲージ対称性を持ち、超対称性を持つとされる。

α'に関する変形に関連する新しい幾何学があるが、理解のために2次元の共形場理論を使うことができる。

ひとつは、ミラー対称性である。α'がゼロでない場合同値となるような2つの時空の間の関係を表す。

またトポロジー変化という現象がある。

まずt→∞という極限では、幾何学における古典的アイデアが良い近似となり、Xという時空が観測される。

t→-∞という極限でも同様に時空Yが観測される。

そして大きな正の値であるtと大きな負の値であるtのどこかで、古典幾何学が良い近似とはならない領域を通って補間が行われている。

α'とħが両方0でないときに起こり得ることがなんなのかについては、5つの理論が一つの理論の異なる極限である、と説明ができるかもしれないというのがM理論である

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