「Grothendieck」を含む日記 RSS

はてなキーワード: Grothendieckとは

2024-09-13

圏論アプローチによるM理論ラングランズ・プログラム

1. 基礎設定

M を11次元コンパクト多様体、G を複素簡約代数群、L(G) をそのラングランズ双対群とする。

2. 導来圏の構築

D^b(M) を M 上のコヒーレント層の導来圏、D^b(Bun_G(M)) を M 上の G-主束のモジュライ空間 Bun_G(M) 上のコヒーレント層の導来圏とする。

3. 幾何ラングランズ対応一般

以下の圏同値を構築する:

Φ: D^b(D_M) ≃ D^b(Coh(Bun_L(G)(M)))

ここで、D_M は M 上の捻れ D-加群の圏である

4. 量子化位相的場理論

M 上の Chern-Simons 理論量子化を考える。その分配関数 Z(M,k) を以下のように定義する:

Z(M,k) = ∫ DA exp(ikCS(A))

ここで、CS(A) は Chern-Simons 作用である

5. モジュラー関手の構築

F: D^b(Bun_G(M)) → Mod(MF_q)

を構築する。ここで、Mod(MF_q) は有限体 F_q 上のモチーフの圏である

6. L関数との関連付け

G の既約表現 ρ に対し、以下の等式を予想する:

L(s,ρ,M) = det(1 - q^(-s)F|H*(M,V_ρ))^(-1)

ここで、V_ρ は ρ に付随する M 上のローカルである

7. 幾何ラングランズ対応M理論の融合

以下の図式が可換であることを示す:

D^b(D_M) --Φ--> D^b(Coh(Bun_L(G)(M)))
   |                     |
   |                     |
   F                     F
   |                     |
   V                     V
Mod(MF_q) -----≃----> Mod(MF_q)

8. 高次元化とモチーフ理論

M の次元一般の n に拡張し、Voevodsky のモチーフ理論を用いて、上記構成を高次元化する。

結論

以上の構成により、M理論幾何学的構造ラングランズ・プログラムの数論的側面の関連を見た。このモデルは、導来圏論、量子場の理論モチーフ理論統一的に扱う枠組みを提供するものである

今後の課題として、この理論的枠組みの厳密な数学的基礎付けと、具体的な計算可能な例の構築が挙げられる。特に、Langlands スペクトラル分解との関連や、Grothendieck の標準予想との整合性検証重要である

2020-06-22

一方はふつう数学文章。もう片方は全くデタラメ文章である

一方は正しい数学文章である。もしかしたら間違っているかも知れないが、少なくとも数学的に正しいか間違っているかが判定できる。

もう一方は完全に出鱈目な文章である数学的に何の意味もない支離滅裂ものである

文章1

本稿を通して、kは代数閉体とする。

k上の射影直線ℙ^1から射影平面ℙ^2への射

i: [x: y] → [x^2: xy: y^2]

を考える。iの像は、ℙ^2の閉部分スキーム

Proj(k[X, Y, Z]/(Y^2 - XZ))

と同型であり、iはℙ^1のℙ^2への埋め込みになっている。ℙ^2の可逆層O_{ℙ^2}(1)のiによる引き戻しi^*(O_{ℙ^2}(1))は、ℙ^1の可逆層O_{ℙ^1}(2)である。つまり、O_{ℙ^1}(2)はℙ^1のℙ^2への埋め込みを定める。

与えられたスキームが射影空間に埋め込めるかどうかは、代数幾何学において重要問題である。以下、可逆層と射影空間への射の関係について述べる。

定義:

Xをスキームとし、FをO_X加群の層とする。Fが大域切断で生成されるとは、{s_i∈H^0(X, F)}_{i∈I}が存在して、任意の点x∈Xに対して、ストークF_xがO_{X,x}加群としてs_{i,x}で生成されることである

Xをk上のスキーム、LをX上の可逆層で大域切断で生成されるものとする。d + 1 = dim(H^0(X, L))とし、s_0, ..., s_dをH^0(X, L)の生成元とする。このとき、Xからk上の射影空間ℙ^dへの射fが

f: x → [s_0(x): ...: s_d(x)]

により定まり、ℙ^dの可逆層O_{ℙ^d}(1)のfによる引き戻しf^*(O_{ℙ^d}(1))はLになっている。この射が埋め込みになるとき、Lをベリーアンプルという。生成元の取り方に寄らない定義を述べると、以下のようになる。

定義:

Xをk上のスキーム、LをX上の可逆層とする。Lがベリーアンプであるとは、k上の射影空間ℙ^dと埋め込みi: X → ℙ^dが存在して、L~i^*(O_{ℙ^d}(1))となることである

例として、ℂ上の楕円曲線(種数1の非特異射影曲線)Eを考える。閉点p∈Eと自然数n≧1に対して、因子pに付随する可逆層O_{E}(np)={f∈K(E)| np + (f)≧0}を考える。Riemann-Rochの定理より、

dim(O_{E}(np)) - dim(O_{E}(K - np)) = deg(np) + 1 - g = n

∴ dim(O_{E}(np)) = n + dim(O_{E}(K - np))

であり、楕円曲線上の正則微分形式は零点も極も持たないから、すべてのnに対してdeg(K - np)<0であり、よってdim(O_{E}(K - np))=0。

∴ dim(O_{E}(np)) = n

n = 1の場合、O_{E}(p)はベリーアンプルではない。n = 2の場合も、よく知られたように楕円曲線は射影直線には埋め込めないから、O_{E}(2p)もベリーアンプルではない。n≧3のとき、実はO_{E}(np)はベリーアンプルになる。

この例のように、Lはベリーアンプルではないが、自身との積を取って大域切断を増やしてやるとベリーアンプルになることがある。その場合次元の高い射影空間に埋め込める。

定義:

Xをk上のスキーム、LをX上の可逆層とする。十分大きなnに対して、L^⊗nがベリーアンプルとなるとき、Lをアンプであるという。

与えられた可逆層がアンプであるか判定するのは、一般的に難しい問題であるアンプルかどうかの判定法としては、Cartan-Serre-Grothendieckによるコホモロジーを用いるものと、Nakai-Moishezonによる交点数を用いるものが有名である

定理(Cartan-Serre-Grothendieck):

XをNoether環上固有なスキーム、LをX上の可逆層とする。Lがアンプであるためには、X上の任意の連接層Fに対して、自然数n(F)が存在して、

i≧1、n≧n(F)ならば、H^i(X, F⊗L^⊗n) = 0

となることが必要十分である

定理(Nakai-Moishezon):

Xをk上固有なスキーム、DをX上のCartier因子とする。可逆層O_{X}(D)がアンプであるためには、Xの任意1次元以上の既約部分多様体Yに対して、

D^dim(Y).Y>0

となることが必要十分である

文章2

kを体とし、Xをk上の代数多様体とする。Xに対して、環E(X)が以下のように定まる。E(X)は

E(X) = E_0⊕E_1⊕E_2⊕...

と分解し、各E_dはXのd次元部分多様体ホモトピー同値からなるk上のベクトル空間であり、d次元部分多様体Yとe次元部分多様体Zに対して、[Y]∈E_d, [Z]∈E_eの積は、代数多様体の積の同値類[Y×Z]∈E_{d+e}である。この積は代表元Y, Zの取り方によらず定まる。各E_dの元のことを、d次元のサイクルと呼ぶ。

このE(X)をXのEuclid環という。Euclid環の名称は、Euclidによる最大公約数を求めるアルゴリズムに由来する。すなわち、任意のサイクル[Y], [Z]∈E(X) ([Z]≠0)に対して、あるサイクル[Q], [R]∈E(X)が一意的に存在して、

・[Y] = [Q×Z] + [R]

・dim(R)<dim(Z)

が成り立つためである。ここで、[R] = 0となるとき、[Z]は[Y]の因子であるという。

dim(X) = nとする。d≧n+1を含むE_dを上述の積の定義により定める。すなわち、任意のサイクルz∈E_dは、Xのd次元部分多様体Zが存在してz = [Z]となっているか、d = e + fをみたすe, fと、[E]∈E_e、[F]∈E_fが存在して、z = [E×F]となっている。後者のように低次元のサイクルの積として得られないサイクルを、単純サイクルまたは新サイクルという。

このとき、k上の代数多様体X_∞で、任意の[Z]∈E(X)に対して、[X_∞×Z] = [X_∞]、[X_∞∩Z] = [Z]∈E(X)となるもの存在する。このX_∞をXの普遍代数多様体と呼び、E~(X) = E((X))⊕k[X_∞]をE(X)の完備化または完備Euclid環という(ただし、E((X)) = {Σ[d=0,∞]z_d| z_d∈E_d})。完備Euclid環の著しい性質は、Fourier級数展開ができることである

定理:

各dに対して、単純サイクルからなる基底{b_{d, 1}, ..., b_{d, n(d)}}⊂E_dが存在して、任意のf∈E~(X)は

f = Σ[d=0,∞]Σ[k=1,n(d)]a_{d, k}b_{d, k}

と表される。ただし、a_{d, k}はHilbert-Poincaré内積(f = [Z], b_{d, k})=∫_{b}ω^d_{X_∞}∧[Z]で与えられるkの元である

Xとしてk上の代数群、つまり代数多様体であり群でもあるものを考える。このとき、Xの群法則はX×XからXへの有理写像になるから、完備Euclid環上の線形作用素誘導する。この作用素に関しては、次の定理重要である

定理(Hilbert):

Xがコンパクト代数群であれば、完備Euclid環に誘導された線形作用素有界作用素である

以下の定理は、スペクトル分解により単純サイクルによる基底が得られることを主要している。

定理(Hilbert):

上述の定義における単純サイクルによる基底は、完備Euclid環の固有自己作用素固有ベクトルになる。

 
ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん