コボルディズム(cobordism)とパンツダイアグラムの関係は、トポロジカルな観点からトポロジカル量子場理論(TQFT)や弦理論の世界で重要な役割を果たす。コボルディズムは、異なる次元を持つ多様体の間にどのような接続が可能かを調べる手法であり、特にトポロジカルな場の理論において境界を介した変形(つまり、どのようにして異なる多様体が連結されるか)を表すために利用される。
パンツダイアグラムは、名前の通り「パンツ」形状をした2次元多様体で、弦理論においては2つの弦が1つに結合したり、1つの弦が2つに分裂したりするプロセスを視覚的に表現する。このようなプロセスはコボルディズムの一種であり、3つの境界を持つリーマン面として記述できる。特に、パンツダイアグラムは、物理的には弦の結合や分裂を表現し、数学的には2次元の多様体のコボルディズムとして扱うことができる。
具体的には、コボルディズムの考え方に基づき、あるリーマン面が異なる境界条件を持つ複数の弦に分解される場合、それをパンツダイアグラムで視覚化することができる。例えば、パンツ状のコボルディズムは、3つの穴(境界)を持ち、それぞれの境界が異なる弦の状態に対応する。このようにして、パンツダイアグラムは、弦理論におけるトポロジカルな変換をコボルディズムを通して幾何学的に示す手法の一つと見なされる。
さらに、トポロジカルM理論やTQFTの枠組みでは、コボルディズムやパンツダイアグラムが理論の構造や不変量を計算するための基本的なモジュールとして扱われる。これにより、特定の物理的プロセス(たとえば、弦の結合・分裂やパス積分の構成)が、数学的にはコボルディズムの空間での操作として表現されることになる。