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はてなキーワード: ガウスとは

2021-08-07

数学物理でびっくりした概念

数学物理大人になって学び直したら、「そんなことあるの?」とびっくりした概念を書いていく。

  

1位 ガウス驚異の定理

 地球儀を切り開いて、平面にしようとしても、2次元世界地図はできません。

 という定理

 3次元⇨2次元への距離を保った変換はできませんということを示しており、これを発展させた弟子リーマンが、「じゃあ、4次元から次元とか、もっと次元でも同じじゃない?」とリーマン幾何学を創出。後の相対性理論空間が曲がる)の記述へと繋がる。

  

2位 論理回路

 信号機とかのプログラム電気回路表現するにはどうすればいいのか?ということの理論

 4ビット信号(0101みたいなの)だと、16通り応答が必要となる。簡単に考えれば16通りの設計必要そうだけど、カルノー図を使った簡易化という謎のテクニックにより、なんとかなり簡単電気回路設計することができる。

  

3位 ラグランジアンハミルトニアン

 物理では、位置エネルギーとか運動エネルギーとか謎のエネルギーという量が出てくる。

 なんと、解析力学では、「謎のエネルギーの方が本質であり、運動とか位置とかはエネルギーから導かれる。エネルギーが先、運動位置が後」という理論

 式変形だけだと納得がいかないが、実験的に本当にそうらしい。

 人間理解に反するのがすごい。

  

4位 再起構文

 プログラムの話になってしまうけど。

 再起構文というのを書くと、ナルトの「多重影分身」みたいなプログラムが書けたりする。

 いまだに原理理解できていないけど、結果的にそうなってる。不思議すぎる。

  

5位 空間分解能(解像度)は光の波長の半分くらい

 写真とかどこまで拡大できるのか?の限界値を決める理論

 なんと、光の半分くらいまでしか画像を読み取ることができない。

 光以外にも、エコー超音波)で体の中を観れるけど、あれは超音波の波長が0.5mmとかなら、0.25mmまでの物しか判別できない。

 だから何?と思ったけど、半導体制作で「波長が短い(nm)の光を使って半導体を描くので、この理論を使います」とか、いろんなところでかなり効いてくる理論みたい

  

6位 5次以上の方程式の解の公式代数的な表現の)はない。(ガロア理論

 これは証明をぜひ追ってみて欲しい。

  

7位 フーリエ変換ラプラス変換。(工学

 簡単方程式が解けたり、異常な手続きで解けたりする。

 実際に、これらの手法提案されたとき数学的な記述ができなくて、「それ本当に成り立つの?なぜ?」ということで数学者が紛糾。

 人間直感てすごいなあとなる。

  

8位 フーリエ変換数学

 超関数理論

 自分も完全には理解できていないけど。

 ショーアの理論佐藤幹夫理論どっちも面白い

 量子力学とかも物理不安定理解が、数学的にどう不安定なのかが納得できる。

  

10位 ソリトン工学数学

 広田良吾先生工学的解法を、佐藤幹夫先生数学的に示すところが面白いので、是非是非。

 単なる偏微分方程式の解法から不思議現象が出てきて、工学的に謎解法が出てきて、数学的に完結される様子がドラマチック。

2021-07-13

線画抽出がどうしてもできない

欲しいもの

黒一色の線画に黒やグレーでアニメ塗り(グラデーションやムラのない均一な塗り)を施したモノクロ画像の線と色の境界線を抜き出したい。

二値画像をとると黒一色の部分は線にならない。

からといって輪郭抽出(元画像ガウスぼかしをかけた画像の差の絶対値を取る)をすると色の境界線は綺麗に出るが、細い線は両側の輪郭抽出するので線が二重になってしまう。

線画抽出がどうしてもできない

欲しいもの

黒一色の線画に黒やグレーでアニメ塗り(グラデーションやムラのない均一な塗り)を施したモノクロ画像の線と色の境界線を抜き出したい。

二値画像をとると黒一色の部分は線にならない。

からといって輪郭抽出(元画像ガウスぼかしをかけた画像の差の絶対値を取る)をすると色の境界線は綺麗に出るが、細い線は両側の輪郭抽出するので線が二重になってしまう。

2021-07-03

anond:20210703095526

だってストークスの定理ガウス定理グリーン定理に飛んだらまた更に別の専門用語や人の名前が付いた定理のページへのリンクがあるんだろ

俺は詳しいんだ

2021-06-02

anond:20210602195639

イラテイラーじゃなくてオイラー

そんなこと言い出す頭が疲れテイラー

一気に頭がホワイトヘッド

こんな時にはみんなの励ましの言葉パスカル

常識人フーリエして、明日も頑張るでガウス

2021-03-11

理由はかんたん

そうやって採用をおこなってきたところで、採用時に地頭のいい人だと思って採った人のその後の貢献度が高かったという実績が長年積み重なってきたから。

企業だって馬鹿でもなければ簡単に生き残れるものじゃないんだから、多くの企業が長年やっていることには相応の意味があるんだよ。

ただし、増田の思っている地頭ちょっと変で、動物喩えの巧さとかは普通地頭とは言わないと思うよ。地頭はそこでは見ていない。

あと、つるかめ算とかも、習ってそれが巧くできるだけの人は地頭がいいとは言われないと思う。ガウスが等差数列の和の求め方を一瞬で思いついたように、つるかめ算式の考え方を自分でぱっと思いついた人は地頭がいいとされるだろうけど。

anond:20210310120801

2021-01-30

数学ネイティブと言われた時代

はなかったの?

ピタゴラスガウスなんかが定理を発表して世間を賑わせたときに「これから子供達も学校数学をやる時代だ」とか言われたんじゃないの?

今の俺らが数学ネイティブになってないってことは、プログラミング環境インターネットが生まれた時からあったからってデジタルネイティブになるとは限らないことを示しているのでは?

「これからは△△△の時代だ!」って声高に叫ぶ奴は信用できないな。奴らは統計的事実や推論を無視する。

2021-01-06

anond:20210106020208

「厳密」の意味がわからないけど、分布ガウス性を帰無仮説として検定でもすればいいのでは?

2020-12-12

anond:20201212204503

理解できる頭がないと高度なことは理解できないの、おわかり?

お前みたいな思い上がった底辺バカに限って「俺みたいな能無しの知的障害スレスレレベルのアホでも理解できるように教えるのはプロだろ」って開き直るのが底辺界のトレンドなんだろうけどさ

無理なもんは無理だから

九九覚えたての小学生連立方程式教えて解けるか?ガウスみたいな天才でもない限り無理だろ

お前みたいな考えなしのアホは自分ガウス並みの隠れた才能があると思ってるからできると思ってるんだろうけどな

2020-11-24

ガウスってなんでもわかってそうだから全部にガウスって接頭辞つけることにした

ガウスポン酢:酸味の中にもガウみがある

ガウス風呂ガウスのような温度

ガウス犬:頭のいい犬

ガウスマット:油だけを弾く

2020-05-26

なぜ博士号をとったか大学教員になったのか

すまん。書き出しで結論を言うと、自分でもよくわからん

アカデミックあきらめた博士号保持者の記事が目に留まったので、運よく大学に残れた側のエッセイを書く。小さなころから科学者になりたかったんです、なんていう大学教員を見ると、眩しくてクラクラちゃうんだ。すまんな、憧れもなく大学教員になってしまって。

僕は少年時代に、科学者に対する憧れというものほとんどなかった。ニュートンとかガウスとかアインシュタインなんかの伝記を読み漁ったりして、心惹かれるものがあった。だけど、それは自分科学者になりたいという憧れとは少し違って、科学者仮面ライダーウルトラマンのように現実と断絶した世界にいるヒーローのようだった。

大学に入ると、教員たち講義を受けて、ずいぶん大学先生は楽しそうだと思った。あとでわかるが、それは誤解だった。ただ一人、すごく楽しそうに熱く語る先生がいた。専門を簡単説明する。それでいて奥が深い講義だった。僕はその講義に夢中になったが、周りの学生からは評判が良くないのが不思議だった。こういう先生なら、なってみたいかもしれない、とぼんやりと思った。

僕は研究者というよりは科学ファンだった。自ら新しい科学を切り開くということに、それほど魅力を感じなかった。それなのに、大学院へ進んだのは「もっといろいろなことが知りたい」という一言に尽きる。このセリフは厄介で、一見すると科学者適性がありそうだが、実際は逆だ。「ただ自分の興味が向くことを、気の赴くままに知りたい」という僕のような人は研究者に向かない。いったい僕は何になればよかったのだろう。大学院生としての一番の幸福は、図書館の薄暗い書庫顔パスで入り、紙が焼けているのにピンピンしていて、全く手を付けられていないような文献を読むことだった。だから論文が書けず苦労した。今もしている。研究者世界は手を動かす、アウトプットをするのが貴ばれる。研究世界に飛び込むことは少し違和感を覚えたが、もっと良い場所もなかったので居続けた。卒業したいので、しかたなく研究した。

学会で一流の知性に出会うのは、本当に楽しいことだ。僕にとってはスターライブであり、学会の懇親会で大物に研究の着想を聴いてみることほど楽しいことはない。

大学から学位記と一緒に追い出されるように飛び出し、一つ目の職場就職した。就職が上手く決まらなかったので、ダメなら別の業界に行こうと思っていた。だけれど何とか職場が見つかった。そこへ行った理由は、この業界にいれば、また暗い図書館での心躍る体験が、いつかできるかもしれないと、不純な希望を持ったからだ。着任した先では、学力が酷かったけれど、教員博士号持ちの熱血教師ぞろいだった。教員たちの教育に対する熱いパッションを聞かされて、なぜだかすっかり気持ちが冷めてしまって、他に居場所を探した。転職するためには、論文必要だったので必死研究した。欲しがりません勝つまでは、を地で行くスタイルで無理をした。体調を崩して大病してしまった。

なんとか次の職場を見つけ、落ち着いている。学生時代の環境を思えば、ここの学生世界が狭くかわいそうだと感じることもあるが、一つ目の職場と比べればだいぶましだ。すべては相対的だ。転職して、自分時間が増えたのでぼちぼち研究している。いつか解明したいテーマも懐にしまっている。いつか、は来ないので少しずつチャレンジしている。だけれども、ほとんどの研究時間は一日も早く給料を上げたい、そう思って不純だと思いながら心の血を流しながら論文を書いている。僕は興味が散発的なんだ、だから論文がこれほど憎たらしく感じられるんだと思い続けている。

博士号取ったのに大学教員にならなかった氏が言うように、大学が残念な場所であるとは認める。成績不良の学生面接したときは、部屋に一人残って泣いてしまうこともある、僕が。これから教員仕事うなっちゃうんだろうかって悩みつづける。実にこの業界ジリ貧だ。だけれど、大学教員以外に僕のふわっとした欲求を満たせる場所を知らない。雑用を投げてくるスーパースプレッター同僚もいるが、傷付きやすい僕を大学以上に放っておいてくれる職場を知らない。

文科省大学経営陣も学生も同僚もみんなクソだ。クソだけれど、僕はそんな奴らの戯言を骨抜きにしながら、今の場所に居座ってみようと思う。僕の興味と幸運の続く限り。

研究者にもなれない、だが学生を思いやる教育者にもなれなかった。一人でいたいから、学内政治家もっとごめんだ。いったい僕は何になればよかったのだろう。

2020-05-24

暗記数学絶対に間違っている

はじめに

自分は、「一般的に、暗記数学に賛成している人」とされている、

の中の一人だが、そのはしくれとして、「暗記数学が正しい」という妄言を徹底的に批判する。

自分が暗記数学を間違いだと考えるようになった理由

自分浪人生向けの大学受験塾でアルバイトをしていた。

その塾では基本的に生徒に自習させ、分からないことがあったら講師自分)に質問する、というスタイルを取っていた。

基本的自習だが、毎日チェックテスト(基礎的な数学問題が数題出題される)のみ、全員に共通したノルマだった。

講師初日、全員にチェックテストやらせていたが、一人(A君とする)だけなぜかやらなかった。

話を聞いてみると、「基礎の練習など無意味自分もっと応用問題の解答を暗記する」という強い信念を持っていて、基礎はやらない、とのこと。

生意気言うな。基礎もできない人間に応用問題なんてできるわけないだろ」と何度も注意したが、

なんでも和田秀樹の本を読んで感動したらしく、忠告拒否され、毎日せっせと解答の丸暗記をしていた。

結局浪人期間の一年間で一番A君と仲良くなった(自分説明が分かり易いので気に入ったらしい)が、

彼の解答の丸暗記法では、全く同じ問題だと解けるのだが少しでも違う問題だと全く太刀打ちできなかった。

彼が熱っぽく如何に和田秀樹理論が素晴らしいかを語るを聞き、

問題が解けるようになってから言えよ。とはいえいたいけな受験生をここまで変な考えにさせるなんて和田秀樹ってやつはトンデモねー極悪人だな。」

しか思えなかった。

結局彼は成績が上がらず、目標としていた難関大学ぶっちゃけ慶応)よりも相当偏差値の低い大学に行った。

最後に彼は「やっぱり基礎は大事なんですね」と反省していたが、彼の貴重な一年を棒に振った暗記数学はもう極悪だとしか思えなかった。

以上が、私が和田秀樹提唱する暗記数学絶対に間違っていると判断するに到った根拠である

A君は暗記数学を誤解していたのでは?

とは言え、暗記数学氏の

論理ギャップや式変形の意味等の不明点は曖昧なままにせず、人に聞いたり調べたりして、完全に理解すべきである

との主張は至極最もだし、暗記数学氏の提唱している勉強法は「暗記数学」というタイトルを除けば極めて全うだろう。

また、私もA君からの又聞きによってしか和田秀樹理論を知らないので、

「A君のやっていた『解答を丸暗記する』法は本当の暗記数学ではない。本当の暗記数学理解して暗記するものだ」

との反論はあるかもしれない。

詳しくは知らないが、自分の読んだことのある和田秀樹エピソードは、

和田秀樹大学時代に灘の高校生(B君とする)の家庭教師をしていた。B君は灘というプライドがあったため、和田秀樹が何度も

「解答を覚えろ」と忠告したのにも関わらず、いきなり難問を自力で解くという勉強法を繰り返し、成績が上がらず、大学受験で撃沈した

というものである。これは暗記数学氏の言う「何かをこじらせて勉強法無駄な拘りを持っている人たち」に対応するものだろう。

かに数学は暗記だ」という言葉は、B君みたいな灘に入ったからと言って勘違いしてしまった一般人(灘にいる本当の天才はそんな勉強法でも大学受験レベル数学くらい解くだろう)には有効言葉かもしれない。

しかし、である

A君みたいに解法を暗記するだけ暗記して全く応用の聞かない馬鹿を産み出したのは確実に和田秀樹のせいである。

そして、日本の「数学が出来ない高校生」のうち、A君タイプ(解法の暗記はするけど理解が追い付いていなく、暗記した問題から少し変えると答えられない)が99%で、

B君タイプ自分天才だと勘違いした凡人)は1%にも満たないだろう。

そのような状況で、B君タイプを減らすことを目的として、A君タイプを量産することになる

数学は暗記だ!」という言葉に何の意味があるのだろう。

仮にA君の暗記数学理解が不十分だったとしても、暗記数学という言葉有害無益である

じゃあどう言えばいいんだよ?

暗記数学氏の主張が

平方完成のロジックを暗記せずに二次関数問題を解こうとするな

という主張なら、それは100%正しい。オイラーガウスでもない一般人が平方完成も知らずに

二次方程式が解けるはずがない(というかオイラーガウスも平方完成は暗記しただろう)。

しかし、オイラーガウスが行ったことを「暗記数学」とは言わない。

暗記数学氏の想定している「アンチ暗記数学派」の主張は「数学の体系をゼロから始めて全て車輪の再発明をしよう」

という荒唐無稽な主張であるため、このような主張のアンチテーゼである「暗記数学

という言葉には何の意味もない。

よって、暗記数学氏の言う暗記数学は「数学」という名前で呼べばよいのではないだろうか。

https://anond.hatelabo.jp/20200521175803

2019-02-18

anond:20190217100150

そうかぁ?(モーツァルト

まだまだ。(メンデルスゾーン

うーん.... (ガロア

はぁ? (J.S.ミル

なるほど。(オイラー

で?  (ガウス

2018-12-21

anond:20181220235520

数学として正しければ正解だと思うんだよ。

私が疑問視していることは「数学として正しい」ことと「答が合っていれば正しい」が半ば同一視される意見が見られる、ということです。

数学的な正しさと個人個人数学的な理解を直結させるには論証が必要です。その論証が理解できているかどうかを確認するのにはさら議論を深めなくてはなりません。

私が「数学的に正しい」教師であれば、件のテストの回答時間中に約分の成立する理由を空欄にでも書いてあれば正解にすると思います

公立校小学生向けの業者の出す単元別テストなんて、表裏完答してさらにおまけのコラムまで解き切ってなお時間が余ってラクガキするほど余裕があるはずなので、将来ガウスかテレンス・タオかという天才児と言わずとも、数学嫌いにならず、担任を屈服し切る説明をしてくれるはずです。

(そんなアリアハンのザコレベルテストすら満足な答を出せない児童がいるのも公立校ならでは、なんですけど、大抵の人は学生時代記憶なんて風化してしまものなんでしょうか?)

2018-11-26

[] ギフテッドよかった(思い切りネタバレ感想

フロリダ海辺の街で、ボートの修理をして生計を立てている独り身のフランク。彼は、天才数学者だったが志半ばで自殺してしまった姉の一人娘、メアリーを養っている。彼女は、先天的数学天才児“ギフテッド”であり、周りは特別教育を受けることを勧めるが、フランクは「メアリー普通に育てる」という姉との約束を守っていた。しかし、天才児にはそれ相応の教育を望むフランクの母イブリンが現れ、フランクメアリーの仲を裂く親権問題にまで発展していく――。

映画『ギフテッド』オフィシャルサイト| 20世紀フォックス ホーム エンターテイメント

ストーリーはあちこちで語られまくっているからここではもう書かない。

本作のもうひとつの魅力はキャラクターが魅力的なことだと思う。

ただし直接言葉描写されるのではなく、会話の断片やちらりと映る写真からキャラクターの背景が浮かび上がってくるスタイルなので人によっては伝わりにくいかもしれない。語りたいので勝手に語る。以下全部ネタバレ


主人公

彼の最初イメージは、バーに入り浸り汚い家でいい加減な生活をしている駄目おやじだ。

軽口を言い合う娘との関係がなんともいえず良い。

主人公は娘を一人の人間として対等に扱い誠実に会話をする。その様子が心地よく暖かい。2人は強い信頼と愛情で結ばれている。

物語中盤で主人公の背景が徐々に明らかになる。

母親から娘を託された時点では彼はオックスフォード准教授であったらしい。

仕事育児が両立できずに辞職し、現在ではボートの修理工として不安定生活を送る。

浮かび上がってくるのは、育児のためにキャリア収入も捨てその苦労を娘にわからないように振る舞う気丈な男親の姿だ。

人生ほとんどを育児に捧げたその結果、家が汚いことと収入不安定さを理由に娘を取り上げられてしまうのはあまりにも理不尽だ。つらい。

「五分でいいか自由時間が欲しい」とうっかりこぼし、娘が激しく傷ついてしまうシーンがある。

彼は行政にも保育園にも頼らずたった1人で子供を育てて来た。娘が天才であることがバレたら取り上げられてしまうのではないか、という危惧からだ。彼の危惧現実となった。小学校天才であることがバレ、またトラブルを起こしたことからほぼ放校処分英才教育校への転入するように言われる。英才教育を望むおばあちゃんにより養育権を巡る裁判が起こされるという事態になる。

ところで彼の言動子供を育てる親の「あるある」が詰まっていてとてもよい。

LEGOを踏んで絶叫するとか。五分でも時間が欲しいとか。

『育て始めて最初の2週間で自分の手には負えないことがわかっていた。明日こそ児童相談所に行こうと毎日思った。でもその度にあの子は何かをしでかすんだ。思いもよらないことをね。』泣いたり笑ったり。あの子はいろんなことをするんだ。それでいつのまにか手放せなくなっていたと彼は続ける。

そうだろうなあ。わかる。わかるよ。


おばあちゃん

家系図



どこからどう見ても英才教育ソババアなんだけれども、物語が進むにつれ彼女の背景も明らかになる。

どうやら彼女自身も相当に優秀な数学研究者であったらしい。はっきりとは描写されていないがミレニアム問題ひとつナビエ・ストークス方程式の解について研究していたようだ。

結婚出産研究の道を諦めたが彼女の魂は数学に囚われたままだ。出来た子供母親)が数学天才自身の夢を託してしまったようだ。

英才教育の建前のもと子供人生に介入しまくるクソ親で、子供ボーイフレンドと遊びに行くと誘拐だと言って通報する、裁判を起こすと別れるまで脅し続けるなどやっていることは無茶苦茶だ。

どうも彼女自身も男運がないようで「男はみんな駄目男」と思っているかもしれない。この辺りも子供プライベートに介入しまくる理由ひとつなのだろう。

物語を通して2つの関係が描かれる。主人公と娘、そしておばあちゃん母親関係だ。

物語ラストシーン母親に対する自身のこれまでの行いを後悔し泣く。子供である母親と向き合い、彼女の死に対して始めて涙を流す。

つのまにか母親感情移入して見ていたので救われる思いだった。ボロボロ泣いてしまった。

泣く彼女にかける主人公セリフがまた良い。

母親

一切出てこないのにすごい存在感

天才として生まれ英才教育を受け、娘を残して自殺してしまった母親

物語が進むにつれ彼女の悲痛な声が聞こえてくるようだ。

『親に愛されたかった』『親は私を愛さなかった。数学の才能にしか興味はなかった』

母親人生はおばあちゃんに完全にコントロールされてしまっている。

そのせいで母親生活能力がなく男を見る目もない。それを見ておばあちゃんは「自分がなんとかしなければ」とますます母親支配する。

自立したくとも彼女には生活能力がないのでできない。

妊娠して男に捨てられ親(おばあちゃん)に相談するも突き放され、弟である主人公に娘を託して自殺

自分のようにしないで、普通に育ててと主人公に娘を託すが・・・


ませていて可愛くて、繊細で、言動が突拍子もなくて目が離せない。本当に魅力的。

感想サイトを見ると見た人全員が絶賛している。

見ていない人はぜひトレーラーだけでも見て欲しい。

ちょっとした子供仕草が本当にリアル。すきあらば体をよじ登って来るとか、上に乗っかって寝始めるとか

あるあるある。


映画を観る前は「アイアムサム」みたいな内容かな?と思っていたのだけれども娘の立ち位置がこの映画をもう少し複雑にしている。

母親普通に育てるようにと遺言を残したけれども娘自身数学を望んでいる。

普通小学校に通うことを拒否しおばあちゃんの持ってきたPC数学書に純粋に喜ぶ。

母親はおばあちゃん価値観押し付けられ苦しんだ。母親は「自分と同じにしないように普通に育てて」というが

皮肉なことにそれが母親から娘への価値観押し付けにも見て取れる。当然だけれども母親と娘も別の人間なわけで。

主人公自分の行動が正しいのか苦悩し続けている。

もちろん娘は主人公との暮らしを望んでいるし、明らかにおばあちゃんダメすぎるのけれども。

この映画感想に「天才には適した教育をすべき」という主張の人がかなりいることにちょっと驚いたのだけれども

おそらく彼らは娘に強く感情移入ながら見たひとたちなのだろう。


数学描写

映画は素晴らしかった。たまに映るホワイトボードノートの数式もいいかんじ。娘の成長具合がなんとなくわかる。この手の映画は数式が不自然にわざとらしくなりがちだけどそんなことない。よい。けれども1箇所だけちょっといいたい。

天才を試す問題ガウス積分はないでしょーー。しか符号書き間違えるか??ぐちゃぐちゃ長い式書いていたけれどもいったい何を書いたんだ。式が長い方が絵的に映えるのかもしれないけれどー。筋の悪い人に見えちゃうよー。極座標にしようよ。

いや小学1年生がガウス積分はすごいけれども、彼女は少なくとも微分方程式までは勉強しているわけでとうに知っているでしょう。

あのシーンだけちょっと突っ込みたい。

2018-10-06

ガウス記号

ガウス記号ってよく「xを超えない最大の整数」という定義を見るけど「x以下の最大の整数」より使われてるのはなんでなんだ。

「の」が被るから言い換えてるのか。

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