はてなキーワード: スタグフレーションとは
こないだ嫁さんと久しぶりにスーパーに行ってびっくりした。
物の値段が上がってる。ニュースでちょいちょい値上げの話を聞いてて、まあ、そんなもんかなぁと思っていたけど確実に値段が上がってきている。
前だったら夫婦二人で適当に食べたいものや、飲みたいもの買って3000円くらいだったのが、大して買ってないのに軽く5000円超えた。
なんか買い溜め用にいっぱい買ったとか、高いもの買ったとかじゃなくて全体的に上がっている印象。
嫁さんに「たまごって10個入り特売100円とかで、ふつうでも170円くらいなイメージだったんだけど」
って話したら「今は200円より安くなるのは珍しいよ」とのこと。
じゃあ5000円も払うなら外で軽く食べたほうがお得じゃんと、昔よく行っていた居酒屋入ったら7000円超える会計だった。
材料もなんだか昔より質がおちてて、周り見たら空席が目立つ。
あれ?リーズナブルで美味しい店だったのに駄目なチェーン居酒屋みたいになってるなと。
給料は5年前に中途入社した時より、そりゃ勤続年数で多少上がってるけど
1.5倍になんかなってないし、社員募集かけてる金額も俺が入った時と、ほぼ変わっていない。
給料は遅効性だから…みたいな話をした政権発足から10年経とうとしてるんですけど。もはや信じられるわけないよね。
日本国内の良いものとか美味しいものとか海外の人楽しませてるだけで
住んでる人たちは買いにくい金額感になってきてるし、
爆買いしてくれたお金、少なくとも俺の給料には回り回ってきてくれてない。
単純な値上げだけでなく内容量減少という実質値上げも含めれば、最近は凄まじい物価上昇ですね。牛丼ですら最近は値上がっています。なんでこんなことをなっているのかというと、円安政策や量的金融緩和の影響もありますが、基本的には日銀が前年比2%のインフレ目標を掲げ、この目標を達成するために色々やっているからです。
なぜこんなことをするかというと、デフレ脱却が一番の目的です。デフレ経済というのは供給過剰の状態の経済であり、需要が足りない状態です。供給過剰の結果として生産物の減産や価格の値下げが行われ、経済に悪い状況を与えます。このように、経済学ではデフレは基本的に悪いもの(経済がうまくいっていないとデフレになる)です。
それだけでなく、急激なインフレやデフレは経済を混乱させます。例えば、2年前は150円だった牛丼が去年は1000円になり、今年は20円になったとします。こんなむちゃくちゃな経済ではみんな困ってしまいますね。そこで日銀がインフレ目標を発表し、インフレ予想というものに働きかけることで実際のインフレ率を安定化させようというのがインフレ目標政策です。
インフレ目標政策は経済を「安定化」するものであって、経済を刺激するものではありません。インフレ目標政策によって日本経済が安定化することはあってもV字回復はしません。経済を刺激する政策である量的金融緩和や拡張的財政政策とは違ったものです。
また、フィリップス曲線を根拠に、インフレ率上昇(デフレ脱却)には雇用拡大効果があるとも言われます。また、インフレ率上昇は実質賃金を減少させるのでその分雇用拡大するのではないかとも言われます。しかし、スタグフレーションのようにインフレ率が上昇しつつ実体経済も悪化する場合や、逆にアメリカのニューエコノミーのような場合もありえるため、インフレ率上昇が必ず雇用拡大に繋がるわけではありません。
金融政策には色々手段があります。日本はずいぶん昔からゼロ金利政策という金融政策を取っていますが、あまり効果がありませんでした。そこで今回チャレンジしているのが量的金融緩和です。これは日銀がどんどんお金を刷って、そのお金を市場にじゃぶじゃぶ投入する政策です。これによって市場でのお金の価値が下がりインフレ率が上昇し、また外国為替市場では円安になります。これは経済を刺激する(景気底上げ)政策です。
量的金融緩和はいつか必ずやめなくてはいけません。量的金融緩和をやめられない場合、極端に言えば経済はハイパーインフレーションに陥ります。でも、だからといって量的金融緩和を急にやめれば景気悪化します。極力悪い影響を与えずにどうやって量的金融緩和をやめるのか、その戦略を出口戦略といいます。出口戦略はアメリカですら苦戦するもので、量的金融緩和を始めたはいいけどどうやってやめるのか、いつやめるのかは課題となっています。
さらに量的金融緩和は通貨の価値を下げ、通貨安状態になります。日本円も下がっており、それによる貿易収支改善が期待されています。しかし、通貨安政策というのは通貨安競争につながるもので、本来IMFが禁止しており、やってはいけないことです。それでもIMFが黙認しているのは、日本が「量的金融緩和の副作用として通貨が下がっているだけですよ。意図したものではないですよ。」という態度をとっているためです。
こんにちは。自分は、民主党内リフレ派が結局敗北したことを残念がる気持ちを元増田とシェアしています。いっぽうで、元増田が支持する現アベノミクスの金融政策については、実効性の面で重大な懸念が出てきているとも思います。とりあえず、いくつか事実関係の訂正をします。
一般会計税収はリーマンショック翌翌年の2009年が底で、そこからずっとコンスタントに増え続けています。2013年度に特に増えたわけではありません。キープペースです。
http://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/010.htm
短期的に奏効するはずの「企業収益の押し上げ」は、この後で述べますが、実際には起こっていません。「失業率の低下」についてはどうでしょうか? 実はこちらも、2009年からほぼ同一ペースで一貫して改善しているのです。完全失業者は52か月連続で減少、就業者数は21か月連続の増加です。
http://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/
http://jp.ecodb.net/country/trans/Z1F01301.html
こうして諸資料を見てみると「リーマンショックが日本経済を直撃した2008-9年以後の経済復調のペースは、実はアベノミクス実施の前後でそれほど変化していないのではないか?」という印象が出てきます。内閣府経済社会総合研究所の作る景気循環資料でも、2009/3から始まる景気上昇(第15循環)が、2012/4で一旦ピークを迎えて景気悪化に転じるものの、2012/11を景気の谷として再び第16循環が始まっています。
http://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/di/140530date.pdf
たった2年前のことなのにみんな忘れてしまっているようにも見えますが、民主党の政権返上→解散コンボは、景況とは直接の関係はありませんでした。鳩山政権は安全保障問題で、菅政権は東日本大震災への対応で支持率を落とし、野田政権はねじれ国会の国会運営に行き詰まった末に、3党合意と引き替えての解散だったのです。
あまり報道されていませんが、中小企業景況調査報告書を見ると中小企業の景況感も良くなっています。
http://www.chusho.meti.go.jp/koukai/chousa/keikyo/137keikyo/137sokuho.pdf
直前四半期のQ2(4-6月)とQ3(7-9月)を比較すれば、そう見えるかもしれませんが…。業況判断DIのグラフを見ればわかるとおり、Q3はQ2の消費増税後の急激な落ち込みから何とか持ち直しの傾向に転じただけで、前年Q3と比較すれば未だマイナス推移です(中規模 ▲2.3, 小規模▲0.2)。一方で採算(経常利益)DI、資金繰りDIは全般的に昨年より悪化しています(全産業で採算DI▲1.5、資金繰りDI▲0.9)。この採算(経常利益)DIの悪化には、円安の影響が直撃しています。
円安状況が引き続いているために原材料・商品仕入単価DIが△12.4と急上昇しているにもかかわらず、マーケットの実需要が不足しているため、売上単価・客単価DIは△5.4アップと価格転嫁できていない。その結果、採算(経常利益)DI が悪化している。円安と需要不足で企業の採算性が悪化しているのに物価は上がるのだから、これはスタグフレーションですよね。
結局、アベノミクスの金融政策部分に正統性があるかどうかは、当時の日本のコンテクストでこの理解が正しかったのか、という点にかかってくると思います。経済学の教科書では、デフレーションの原因は:
の2つとされますが、日本の景気問題は、おおむね人口オーナスにより総供給が総需要を上回っている=実体経済自体が弱っていることが主因であって、ゼロ金利と量的緩和によって市中のマネーサプライを増やしても需要自体の創造ができるわけではないですよね(需要を創造するのはアベノミクス第2の矢の財政政策で、これは2013年に実質GDP2.2%を記録しただけで効果が切れ、今年のGDP推移はご承知の通りです)。
紐を引いたら物をたぐり寄せることができたからといって、紐を押せば物を押しやることができるわけではなく、その物を反対側で引く力(需要)がなければ紐がたるむだけです(銀行のマネー余剰)。結局のところ「量的緩和は(潜在的な消費力によって)奏効することもしないこともある」というのが、2010年代に欧・米・日の金融政策を見てきた我々の経験ではないでしょうか?
自分はリベラルではなくガチガチの保守だと自認していて、かつクルーグマンではないけれどもミクロ経済学もマクロ経済学も一通りやっているのだけれど、デフレを退治しさえすればよい的な主張の妥当性が分かりません。何故日銀の信用失墜を心配したり、長期金利の上昇を心配することがトンデモなのでしょうか?デフレ退治の結果が悪性インフレやスタグフレーションにならないという根拠はどこにあるのでしょうか?今はその兆候が見られないことを心配することはトンデモだということなのでしょうか?自分はたまたまヨーロッパの経済危機が世界的には遥かに深刻だから日本が今のところ助かっていだけだと思っているのですが。
http://blog.livedoor.jp/nwknews/archives/4755910.html
【悲報】日本は今後スタグフレーションに陥ります:哲学ニュースnwk
hobbling スタグフレーションにはならんよ、普通にデフレが悪化するだけ。2%のインフレ率は無理だし。 2014/10/07
Moonlightdance ハイパーインフレ教だね。あと、公務員に対する誤解は大きいなぁ 2014/10/07
kasumani これを真に受けて騒いでいるのは、なんで会社が賃金上げないのかもう少し考えろよ… 2014/10/07
bluelive ハイパーインフレは過度の物資不足で起こる現象だから煽るほどのことはイスラム国が拡大して油の輸出ストップでもかけないと難しいが、賃金が上昇しないで現在のインフレが続くと悪性インフレになる 2014/10/07
apricotbarley 日本 経済 考え方 公務員のお給料の仕組みから理解不足な気がします。 2014/10/07
ropponzo はてブ民は、何で経済ネタになるといきなり情弱になるの? 2014/10/07
cybo スタグフレーションって言いたいだけの人に見える。 // 例えば、クルーグマン。 > 「スタグフレーションが差し迫っているという恐れが大間違いな理由―は、賃金の急上昇がまったくないからである」 http://goo.gl/ePPZjy 2014/10/06
yorunosuke 経済 実際は企業の業績も株価も賃金も上がってるのに「下がっている」という現状認識がまずおかしいので読む気をなくした 2014/10/06
hatekun_b はてブはホントに経済ネタ弱いなぁ 2014/10/06
ninosan これを本気で信じているのであれば、ドル建の債権ファンドを買っておけば円安ショックには耐えられる。なお、自身はドル建のダウ連動ファンドで相当利益が出ている。 2014/10/06
SusanoJapan ≫5の時点で読む気失せた。既に層の厚い年齢はだいぶ平均寿命に近付いてるのに未だに老人ガーって、あと何十年老人ガー言い続けるんだろな。そもそもアベノミの目的て国民の消費促しでは無いわな。 2014/10/06
たぶん、今度の選挙で争点になるワタミの社長の話を読んでいると、どうしてもマルクスが唱えた投下労働価値説を思い出しちゃうんだよね。
マルクスの投下労働価値説は、ざっくり説明すると要するに「時間と商品の価値は比例する」っていう話。例えば俺たちが8時間働いたとするじゃない、そうすると商品の価値として8時間分の労働が埋め込まれるという話。もちろん、実際に商品の価値を決めているのはそういう単純な話ではないのだが(市場が決定するわけだから)でもマルクスはその話に納得できないわけよ。だって、市場が決めるってことは、価値ってのはもう天から振ってきちゃうことになる。「紙の見えざる手」とか言う表現をアダム・スミスは使ったけど。で、マルクスはそれに納得できないわけ。いやいや、だって木を一本切り取って持っていくのだって労働でしょ、って話。
当然、企業は利潤をどっかであげないといけないので、労働者が生み出した価値を中抜きする。それをマルクスは「搾取だ」というわけだ。でもそれは労働者側の視点なんだね。これを逆転させるとブラック企業になる。
もし、商品の価値が、労働時間と無関係にあるとするならば、長く働かせることに意味はない。だったら別のことをやる必要がある。しかし、商品の価値が労働時間と関係あると考えるならどうだろう?そうすると、労働者をできるだけ長く働かせようとする。
マルクスが考えるところによると、労働者というのは労働力を売っているという。労働時間じゃない。「私は働くことによってこれだけの価値をもたらしますよ」というのを売っている。労働者は、商品の価値が自分のものになるわけではない(だって経営者に労働力を売っているだけだから)ので、商品が労働時間に関係あろうとなかろうと、関係ない。ただ、これは経営者視点だと大きな違いだ。というのも、もし「働くこと」によって、つまり稼働時間によって商品の価値が決まるんだったら、出来るだけ長く働かせようとする。少なくとも、その買った労働時間より価値を生み出せなければ、もっと働かせようとするだろう。
で、ワタミの社長が言っていたらしき「客のことを考えてたら昼飯を食う時間なんてない」っていうような言葉というのは、結局のところ、こういった「働く時間=商品」という前提が無ければいけない。というより、多くの企業の場合、もうそういう風にしか考えられないわけだし、実際そういう風に構造がなってしまっている業界もある。当然のことながら、休ませないとポカしたり、大事な判断ができなくなることがあるけど、組織化されていれば、もしかしたらもう稼働時間くらいしか工夫するところはないだろう。俺も工場で働いていたが、ボタンをもくもくと押しているとかね。
確かに、経済学的にマルクスが言った上のことを否定するのは簡単なんだよ。だって12時間働こうが売れない商品は売れないし、1時間でさらりと作った商品がバカ売れというのもあるわけ。それは認めよう。でも、ある程度組織化がされてきて、機械的な作業になると、工場を稼働させるために、労働者を長く働かせなきゃいけない時間が生まれる。ここがトリックなんだ。つまり、この時点において、商品は労働時間によって生み出されると思っちゃうわけ。むしろこれは経済学的な問題というよりも、むしろ社会心理的な問題を引き寄せる。
じゃあどうするの、という話になるのだが、これは商品=労働時間を否定するか、むしろ我々はもう「労働時間」を提供するくらいしかないくらいリソースが貧弱であるかを認めるかということだ。たぶん、ワタミの社長が思っていることというのは、たぶん、今後私たちは「労働時間をのばす」ことによってしか、豊かになれないという絶望的な日本なのだろう。だって「日本を破産させない」というくらいだから、後者の可能性はある。もう、我々は豊かになる方法は一つしかない。「働けば自由になる!」
ワタミはブラックであり、労働法を無視している。それを叩くのは容易なことだ。しかし、上記のような構造が埋め込まれている以上、第二、第三のワタミが出てくるというだけの話だ。穏便な話をするならば、労働者が経営者に対して「投下労働価値なんて無理ですよ」って否定するくらいしかない。ただ、この道はある種の「革命」を起こすことになる。また、他の道は日本が貧乏になることなのだが、これもたぶん高度成長期とバブルを経験した世代が死ぬまで無理。あとは戦争くらいだね。
だからさ、ある意味で自民党に入れるってことは、上記のこと、つまりみんな等しくブラック企業になれば豊かになるって認めちゃおうよ、ってことだ。そして、それはそれで何処かでみた光景だ。
ソ連だ。
一応反論として書かれることとして、自民党は賃金を増やそうよ、とかあるいは貨幣発行しまくってリフレしようよ、というのは投下労働価値と矛盾しないか、という考え方と矛盾しないかという話もあるかもしれないが、例えばケインズの言う通り、「景気と物価が連動している」と考えたとしても、じゃあ「物価が上がったから給料をあげます」みたいにはそう簡単にはならない。恐らく物価のほうが先行して給料は追いつかないし、経営としても「賃金あげろ」と政府勧告があったとして「はいそうですね」とやっていたら潰れてしまうだろう。だとすると、リフレするとしても、福祉的なセーフティネットと一緒に組み合わせないとどうしようもないんだが、現状としてそういう話はあまりない。むしろ小さな政府を目指す方向だと思う。そうなると、まあ死ぬ人はガンガン死ぬよねという話になる。あともう一つとしてスタグフレーションの話とかはどうかな?
なにはともあれ、日本全体がブラック企業になっても今の豊かさを維持するという話であるならば、自民党に入れるのは選択肢としてアリだと思う。他の野党がゴミみたいだからという消極的な理由で自民党に入れたり、ワタミの社長が出馬しなければ……なんて期待は捨てたほうがいい。どちらにしろ、俺は上のことは考慮にいれて、それを覚悟で入れたほうがいいと思う。
参議院選挙が行われる7月には民主党政権時代の8500円を割り込む勢いである
この下落に対して自民党の議員は、今は調整でそのうち上向くとしか言わず
消費税増税で景気回復というのは、民主党の言だったが自民党もこの路線は変わらないようである
一部報道では、今回の下落は年金が売り仕掛けを行ったためであり
ダウがあれだけ堅調だったのだから外国人投資家が日本株を買っているのは当然だ
しかし、ダウも1ヶ月ぶりに15000ドルを割り込み、アメリカの景気も先細りがはっきりしてきた
外国人投資家が一斉に資金を引き上げれば、更に急激な株価下落も予想される
11日の日銀会合で黒田バズーカの2発目が発射されるのではないかと期待する向きもあるようだが
黒田総裁は、インフレ率を改善すれば全て上手くいくと思っているようで
金利上昇や株価の下落に対して、有効な対策を行うことはないだろう
そもそも、今の株価は黒田バズーカの1発目を発射した地点に達しており
ETFやREITの枠を多少増やしたところで一時的な上昇はあるにしろ
長期的には株価に影響を与えることはないだろう
リフレ派の学者は株価上昇局面では株価を上げずに景気回復はできないなどと言っていたが
下降局面に入ると下落を喜んでいる売国奴が誰か分かって良いなどと矛先を変えてきた
このままアベノミクスを続ければ日本は間違いなく破綻するのだから、憂国を思う国士であれば
政策の失敗を批判するのは当然である
乱高下とあたかも、株価が上下を繰り返しているかのように報道しているが
実際は一方的な下落でありこの傾向はアベノミクス前の水準までは続くだろう
いずれにしても、政府、日銀ともマーケットの失望に真剣に取り組む気はないようだ
金融緩和により円は下落し物価は上昇、給料は上がらずスタグフレーションに苦しむなか
今すぐ原発を止めるとしたら、足りなくなった電力は既設の火力発電で埋め合わせることになる。
LNG火力発電、石炭火力発電のコストは原発と大差ないが、石油火力発電は原発の倍以上のコストがかかる。
「原発を止めても、休止してる火力発電所があるから発電量は足りる」というのは、
コストが高くて使われていなかった石油火力発電を再稼働すれば足りる、というだけの話で、
代替エネルギーを見つけるまで、またはLNG発電所を新設するまでの間は、今の1.5~2倍位の電気代を払わなきゃいけなくなるだろう。
エネルギーコストの上昇で物価は上がり、工場の国外移転が進んで産業は空洞化するだろう。失業者も大勢出ることになる。
普通に考えたら政府がこんな馬鹿なことをするはずはないから、原発に変わる発電所が新設されるまでは原発を動かし続けるものだと思っていたし、
点検停止中の原発も、地元自治体が反対しても政府が説得して再稼動させるだろう、と思っていた。
ところが、今の政権は浜岡原発を止めてしまった。「浜岡だけが例外的に危険で、他の原発は問題ない」とは言うものの明確な基準を示さず、
浜岡以外の原発立地自治体に対して説得力を持たない形で政治決断してしまった。
今の電気代が変わらず、今の電力供給量が維持される前提でなら、誰も原発を止めることに反対する人はいない。
将来的に原発から他のエネルギー源へ移行していくことにも反対はしないが、今すぐ全ての原発を止めるべきではない。
報道があるからゴタゴタが起きている事がわかるのであって、中国のように報道を統制していると、学生がデモを起こし、労働者が暴動を起こしていても、わからない。
後進国・中進国における政治的な不安定度が上昇してきているのは、食料や燃料の価格が高騰してきている為である。ここで問題なのは、いずれも、需給バランスの変動による高騰ではないという点である。
食べる量、使う燃料は、確かに増加しているが、それらに見合う程度に、生産量は増加している。マッチングしていないのは、為替である。輸出による経済成長を維持する為に、中進国・後進国は、自国通貨を割安に置こうとする。これが結果的に、輸入物資の価格高騰という形で庶民の生活を直撃している。
輸出による経済成長を維持する為に、自国通貨を割安に維持しなければならないのは、それらの輸出産品がコスト以外に競争力の無いコピー品だからである。
正規の生産ライセンスを取っていたとしても、その生産が後進国・中進国において行われるのは、人件費が安いとか、環境対策費を大幅に削減できるといった経済要因だけであり、決して技術革新が行われて通貨高になっても需要を維持でき、輸出利益を獲得し続けられる製品作りをやれるというわけではない。
そういう事がやれる国家・人民であれば、グローバリゼーションが無くても自力で経済成長できていた。グローバリゼーションが無ければ工場はこなかったし輸出による貿易収支の改善も無かったような国家に、工場が来ただけで工業生産・開発能力が身につくわけではない。
したがって、成長を維持するには工場労働者を含めた賃金水準を低く押さえつつ、為替レートも割安にという事になる。工場で働く人々は、低賃金であっても固定所得がある分だけマシであるが、そうでない人々は、為替レートを割安に置いたままという影響を被る事になる。
雇用の増加は海外から持ち込まれた工場の分だけで、自国通貨安による物価高が発生するというのは、ようするに、stagflationなのである。
自国通貨高にしつつ雇用を維持していくには、輸出産品の不断の向上が必要であり、技術開発による新製品が、何よりも必要となる。新製品の価格の上昇が、為替レートの上昇を上回るのであれば、輸出を維持しつつ、経済成長が可能になる。新製品の価格の上昇を、消費者に納得させられるだけの技術的・性能的向上が、全ての前提となるのである。これが工業立国の成立条件であり、技術的・性能的向上が止まった時が、工業立国が終わる時であり、経済成長が止まる時なのである。
グローバリゼーションによって工場を得た後進国・中進国は、技術的・性能的向上を自ら起こす事が出来ない、単なる労働力の提供者でしかない。その状態で経済成長を維持しようとすれば、為替レートの操作によって、割安輸出、すなわち、デフレ輸出をする事になる。国外にデフレ輸出をした分だけ、国内にインフレの矛盾が溜まり、しかも、雇用と賃金は増加しないか、してもインフレ率よりもはるかに低いとなれば、悪い物価上昇、すなわち、スタグフレーションとなる。
人為的なスタグフレーションであるが、これを平和的に解決する手段は、その国家・集団が、技術的・性能的向上を発生させて、商品の価格を値上げしても海外の消費者に買い続けてもらえるようにして、自国通貨高を容認しつつ、経済成長を維持するという工業立国の条件を満たすしかない。
政治は経済成長を維持して賄賂を溜め込みたいという意思で動いているわけで、それを批判するのは正しいし、権力によってそれを正当化しているというのであれば、暴力革命はやむを得ないであろう。しかし、デモや暴動や革命で政治を批判しても、技術的・性能的向上を発生させられる人的資源が向上するわけではない。
若者が、賄賂を稼げる政治職や、行政職や司法関係や金融関係といった生産性のマイナスな職業に殺到する状態は、工業立国への道とは正反対なのである。
米国債が投げ売り状態となっていた為である。国債を持っていた人が現金を選好したわけで、それ自体は、喜ばしいことである。TPPが成立すれば、アメリカの産業が立ち直る、ならば、その株を今のうちから買い漁っておいた方が良くなるというのが、メインシナリオであろう。サブシナリオとしては、QEが続くならば、貨幣価値の下落率(購買力平価の低下率)は、国債金利を上回るので、インフレに対して中立的な実物資産に財産を移しておいた方が良いという考え方となる。
二つの理由から、国債を売って現金を買い、その現金で株を買うという投資行動が出てくる。
メインシナリオについては、TPPの実現は遠のいた事から、株式への資金流入の勢いは止まるであろう。問題は、サブシナリオの方である。QEが続く限り、現金よりも、キャッシュフローがある企業の株式を持っていた方が、インフレによる資産の目減りを避けられる。
不景気でデフレーションという状態であれば、国債が一番安定した投資対象となる事から、多額の財政赤字を抱えていても低金利でファイナンスが出来るのであって、不景気だけどインフレーションという、いわゆるスタグフレーションの状態では、国債への投資はインフレ率の方が金利よりも高くなることから、不利な投資となってしまう。国債の金利が高騰すると、新発国債の金利を上げなければならず、しかも、金利を上げたからといって、完売するとは限らないとなる。財政赤字の借り換えが出来なくなるわけで、スタグフレーション下で増税・緊縮財政となり、雇用の消失が止まらなくなるという、最悪のシナリオへと展開してしまうのであった。
TPPは進展しないが、株を買ってしまったとなると、企業活動を活発にして利益を上げてもらわなければならなくなる。その、一番手っ取り早い方法は、デフレ輸出の元凶を焼き払って消滅させる事となる。
デフレで不景気という状態を続けることは出来ないし、新技術・新製品で市場を塗り替えて需要を発生させて経済を回すという平和的な方法は、新技術・新製品が出てくるという偶然の幸運に依存しなければならない。
日本の借金はまともにやっていては返せない。増税でどうにかなるようなレベルではない。インプレかデフォルトしかない。これはもはや日本国民の共通認識だ。こんな借金、まともな方法では返せるはずがないって俺の94歳のひいばあさんもわかってる。
返せないことがわかっているが、できるだけ先延ばししよう。それが今の日本の政治家、官僚、マスコミの共通認識だ。だれも面倒なことを起こしたくないし、面倒に巻き込まれたくないんだ。それに、政治家も官僚もマスコミも、決定権を思っているのはみんな年寄りだ。自分は逃げ切れる、そう思ってるんだ。
若者の命が懸かっているんだ。さっさと破たん処理をすべきなんだ。ずるずる引き延ばして傷を深くしてはいけない。戦前のように、モラルが低下し、狂信的な団体が支持を受けるようになっては取り返しが付かない。大切なのは、短期的に処理すべき、ってことなんだ。仕事がないっていうのは、命の問題なんだ。仕事がなくなればモラルも低下する。こうしている間にも、貧困で命が失われ、モラルが低下していくんだ。
老人の面子のために若い人の仕事が失われているというのが今の状態なんだ。
普通、若者はほぼ丸裸の状態で社会に出る。若者には資本もないし経験もない。学校で勉強したことや職業訓練で勉強したことなんてほとんど使い物になんかならない。若者は仕事をしながら成長していくものなんだ。若者に生きていけるだけの糧を与え、仕事を与える。それは社会の、そして国の義務なんだ。そして、この義務は、バランスシート上の義務でしかない国債の支払いなんかよりも優先度が高いんだ。この国の憲法に、借金を返せとは書いていないが、働く権利は保障されていることを忘れないで欲しい。そして、丸裸の若者には責任なんてこれっぽっちもない。
国は、そして社会は、若者の仕事を作る義務がある。そしてこの義務は、どんな義務よりも優先される義務だ。まず、これを共通認識にすることから始めなければいけない。国や社会は節約してはいけない。どんどんお金を使って、どんどんお金を回さなければ、若者の仕事は生まれない。節約で生きていけるのはたっぷり溜め込んだ年寄りと年金生活できる年寄りだけだ。仕事のない若者は、引きこもるか、犯罪に走るか、身体を売るか、これくらいしかないんだ。
財政が破綻したって良いじゃないか。借金が返せないからって、社会に大混乱が起きると思っているのか。この国はジンバブエとは違うのだ。治安画悪化することはないし、生産活動だって維持できる。短期的な混乱はあっても、1年もすれば急激に回復する。この国の総合的な能力は、今でも世界一だ。
ちょっとジンバブエの話をしておこう。日本もジンバブエと同じ状態になると勘違いしている輩が多いんだが、それは間違いだ。ジンバブエと日本の状態は、まるで違う。ジンバブエにはそもそもまともな産業がなかった。治安も悪いし、統治機構が十分じゃなかった。教育レベルも低いし、そもそも無政府に近い状態だった。こんな状態だから、ジンバブエの財政が破綻しても、破綻する前と状況は大して変わっちゃいないんだ。まともに流通していなかったお金が紙切れになったってたいしたことはないんだ。最初から破産状態だったところにバランスシート状の財政状態が悪化したから本当に破産したってだけ。実生活上、そんなに大きな意味はない。
翻って日本だ。日本のバランスシートがかなり厳しい状態なのはご承知の通りだ。しかし、日本は破産状態かといわれればそうではない。世界に誇るべき優良企業が多数あり、世界最高の製造技術があり、高い教育を受けた人間がたくさんいる。底辺の人たちでさえ文字を読むことができるんだ。治安も極めて良好だし、この国ほど法を維持するコストが安い国はないくらいだ。そんな日本が仮に財政破綻しても、ジンバブエと同じ状態になんかなるはずがない。この国は、まだまだ富を生み出すことができるのだから短期的な再生は可能だ。
短かい間、我慢すればいいだけなんだ。年10%程度のインフレが起きればあっという間に借金は片付く。インフレが起きるとねずみ算式に借金は減るんだ。
このとき忘れちゃいけないのは、インフレの時は緊縮財政をするのはご法度ってことだ。国はじゃぶじゃぶとお金を使わないければならない。緊縮財政などしてしまうと、金がまったく回らない状態(いわゆるスタグフレーションってやつ)になる。スタグフレーションは悲惨だ。スーパーに食べ物があふれているのに餓死者がでるなんてことになる。スーパーは略奪の対象になる。治安が崩壊する。
やることは簡単だ。できるだけ早くインフレにして、同時に国は金をじゃぶじゃぶ使う。使い道は投資、開発だ。1に高速道路、2に北海道開発、3に自然エネルギー開発。いずれも、将来、必ず元が取れるものだ。
道路網はつながって初めて意味がある。寸断された状態ではまったく意味がないんだ。道路は「人」が移動するだけではない。「物」が流れるのだ。表には見えないが「物」がメインといってもいい。「物」を生産している田舎にこそトラックがガンガン走れる道が必要なんだ。交通量は、車の台数で計るものではない。物がどれほど流れているのかで計るものなんだ。
次に、この国にはフロンティアが必要だ。丸裸の若者には、頭が悪くてもなんとなかる拡大一辺倒になっている場所が必要なのだ。北海道にはまだまだ開発できる場所がたくさんある。平らな土地の面積や背後の農地面積を考えれば、最低でも札幌圏は500万人規模、旭川圏、帯広圏、函館圏は100万人規模まで成長するポテンシャルがある。北海道をそれぞれ、旭川県、札幌県、帯広県、函館県に4分割し、それぞれが競い合う形で成長させれば、新たな人と物の流が生まれ、経済は確実に拡大する。
たとえば、旭川で夏のオリンピックを、帯広で冬季オリンピックを開催する。函館では万国博覧会を開催する。帯広で旭川圏、帯広圏、函館圏がそれぞれ成長すれば、北海道内での生産活動や取引活動が増大し札幌圏はさらに成長する。北海道で新たに300万人規模の雇用を創出できるはずだ。ここでポイントなのは、北海道は「新しい土地」だっていうことだ。若い人がすぐに主役になれる土壌があるってことなんだ。
最後に自然エネルギー。風車とメガソーラー。電力の半分くらいは自然エネルギーで自給すべきだ。田舎の耕作放棄地なんかメガソーラーにぴったりだし、日本海側の風の強い地域は風車をどんどん立てればいい。大手電力会社のような半官企業の巨大資本でなくても建設できる。それこそ、市や県が計画的に作ればいいのだ。
この国に、やるべき公共事業はまだまだたくさんある。10%程度のインフレを起こしながら財政破綻するまでガンガン投資すればいい。きっと財政破綻する前に、失業率は劇的に改善し、借金は完済しているはずだ。でも、どうせできないだろうけど。
このままずるずる引っ張ればあと10年くらいは若者に仕事がないままだろうな。最後は国が制御不能に陥ってハイパーインフレとスタグフレーションになる。そしたら、暴動が起きて、治安崩壊。その後には、狂信的集団が台頭する。歴史は繰り返すか。
あーあ、なんだろうね、この閉塞感。
昨日どこが間違っているのか指摘できなかった増田が通るよ
というか今も何処を誤りというのかよく分からない。
・バナキンの仮定が誤りって事を指摘したいの?
→それじゃ背理法じゃないよと言われる
・バナキンが現実的に効果をなさない
→背理法が真だとしても効果をなさないルートに持っていこうとしてドツボにはまる。
カンニングで悔しかったんだけど、「お札を刷る→国債発行」であればインフレはマインドではなく、ハイパーになる。
続いて、「国債を発行してもゼロ金利条件では効果が出ない」といいたかったのだろうか?
あくまで確認。どうも元増田の話を読んでも分からない。俺の話は読み返すともっと分からない。
[2009.11.5]
デフレーションが政治的に発生しているのであれば、インフレーションも政治的に起こせるという考え方が、積極財政派(リフレ派)と呼ばれる人々の主張である。
この主張の問題点は、デフレーションが政治的に発生しているという前提にある。秤量貨幣や兌換紙幣の時代において、デフレーションは人口や物資の生産量の増加に貨幣の流通量が追いつかなくなる事から発生していた。悪性の伝染病や戦争で人口や物資の生産量が停滞していた瞬間に、相対的に貨幣の流通量が潤沢になり、貨幣の流通量を政治がコントロールできる、すなわち、政治的にインフレに誘導できる瞬間があったと言える。しかし、長い歴史の中で、純粋に政治的なリフレが成功したと言えるのは、鉱石から金を取り出す手法が改善された時期(砂金の直接利用から水銀を使ったアマルガム法への転換期、及び、青化法の実用化によって低品位鉱からも採算が取れるようになった時期)、及び、海外の金鉱山を持続的に開発取得できた大航海時代くらいと言える。それらの具体的手段によって発生した貨幣価値の低下であって、政治は何もしていないと言えなくも無いのだが、それを言ってしまっては、政治の立つ瀬が無い。
不換紙幣時代において、デフレーションは物価の低下、すなわち、生産の過剰、もしくは需要の減少から発生する。設備投資のローテーションの都合から発生するというのが、経済学上の分析なのだが、実際には、それ以外にも技術の開発や競争が止まる事によっても発生する。現在の日本(及びアメリカ)において発生しているデフレーションは、この、企業活動の停滞から発生している。
企業活動の管理を、競争を重視する方向に振るというのであれば、穏健なリフレ策となるのであるが、リフレを求める人々の本音は貨幣価値の毀損にあり、物価の上昇による利益幅の確保や通貨安による輸出の拡大が目的となっている。近代以後、リフレをやろうとして成功したと言えるのは、完全雇用に近い状態を維持し、かつ、米ドル経済圏を世界中に広げるという目的があった日本の高度経済成長期だけと言える。
完全雇用とは程遠い状態で、しかも、海外に市場を求める事ができないし、借金を踏み倒したら軍隊を送り込んででも取り立てるという親日的な基軸通貨国も存在しない現状では、貨幣価値を毀損して相対的に物価を上げるというリフレ策は、通用しないどころか、不景気なまま物価だけが上昇するスタグフレーションへと突入する。
歴史上、リフレをやろうとして失敗した国家は、例外なくスタグフレーションに突入し、内政の混乱を取り繕う為に外敵を求めて対外戦争を起こすか、内乱を起こして王や貴族を殺し、共産主義や社会主義、軍事独裁制などへと政体を変えているのである。
リフレ派が、貨幣価値を毀損して物価を上昇させるという考え方であるならば、貨幣制度そのものを破壊するスタグフレーションの引き金を引くだけとなる。中国に日本を売り飛ばす事が目的の売国奴であれば、日本円の貨幣価値を毀損する政策を喜んで実行するであろう。
financial crisisからeconomic crisisへ。
腐敗したCDS(credit default swap)で大損をした金融機関の危機が、いよいよ、経済全体への危機へと広がり始めている。
CDSを買うということは、債務者の借金の連帯保証人になる事であり、債務者がdefaultしたら、債務者の代わりに、全額を被らなければならなくなる。危機以前の金融機関の羽振りが良かったのは、産業への融資が全然ダメであったが、双子の赤字の増加によって運用しなければならないお金が増える状況において、CDSという投資先を見つけたからであり、それに投資したがる新興国や産油国との間に入って手数料を稼げていたからである。
金融危機に対して、中央銀行が特融を出しまくって一時的に支え、会計基準を捻じ曲げて評価額の粉飾を認めて、損失の表面化を年間利益の中に押さえ込むことで、表面的には金融危機は沈静化していることになっている。アメリカでは、今年に入ってから、すでに92行の地方銀行が破綻しているが、政治的には、金融危機は沈静化している事になっているのである。
金融機関の危機が沈静化するということは、金融が引っ張っていた経済構造から金融の影響を取り除くという事でしかない。金融危機を沈静化したら、産業がダメで成長要因が無いという現実が表面化する事になる。この現実への対策は、産業を再興する事しかなく、その為の施策が望まれるのだが、遅々として進んでいない。
バブルの頃は、家屋の建築や担保余力を使った融資による消費といった要因があったので、それなりに仕事が発生したが、バブルが終わってしまったら、それらの要因が消え、労働力の過剰という現実だけが残る。賃金は低迷し、通貨が弱くなる事から輸入物資の価格は上昇し、スタグフレーションへと向かうことになる。しかも、金融機関が抱え込んだ莫大な負債は、毎年の納税額を0にして償却する事になり、金融機関からの納税額が大幅に減少するし、バブル期に良かった事業は軒並み左前になっており、このセクターからの納税も期待できない。財政出動をしたくても、歳入欠陥が確実視される状況では、赤字国債を発行して手当てをするくらいしか道が無いのだが、この赤字国債を買ってくれる経済的な余裕のある人は国内には無く、海外に買い手を求めるには、通貨が強くなる見込みが無ければならない。幾ら金利を引き上げても、それ以上に通貨の価値が下落していくのでは、利回りはマイナスになる。
輸入に頼らずにやっていける国家であれば、スタグフレーションの影響はかなり小さく出来るが、それでも、通貨の強弱と金利というパラメーターによって影響を受ける。輸入を必然とする国家においては、スタグフレーションに入ってしまうと、自立回復は難しくなる。日本はアメリカよりも条件が悪く、アメリカよりも早く、有効な手を打たなければならないのである。
[2009.9.15]
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2009&d=0904&f=business_0904_013.shtml
民主党の「東アジア共同体」構想の経済的影響
一体いつどこで、我々日本国民が、中国や韓国その他の東アジア諸国と運命共同体になることについて説明を受け、合意したというのでしょうか?ほとんどの国民がそのメリットもデメリットも理解していない現状で、勝手に目指されても困るというのが私の本音です。
もっとも緩やかな共同体なら、関税を撤廃するなどが考えられますが、民主党は、コメなど農産物については関税の撤廃はおろか引き下げすら認めない方針ですから、すでに自己矛盾が生じています。最終的に、ユーロ圏のように通貨統合を目指すなら、日本が「円」を捨てるという選択をし、日本が独自に金利を決められない状況になるわけです。これがどういう意味を持つのか、鳩山さんご自身が理解されているのかどうかも疑問です。
たとえば、現在のように、中国はバブルといわれ金融引締が求められる一方、日本は戦後最悪の失業率で金融緩和継続が求められているようなケースで、金利をどうするつもりでしょうか?
中国に押し切られて域内の金融が引き締められれば、日本は不況下で金利や物価が上がるという最悪のスタグフレーションの状況に陥り、国民生活はさらに困窮を極め、失業者もさらに溢れかえるでしょう。中国が日本に妥協する形で域内で緩和的な金融政策を保てば、中国のバブルが膨張し、やがてバブルが破裂したときに、サブプライムショックの様に域内すべてに悪影響が及ぶでしょう。
ユーロ圏でもかつて、好景気のスペインと不況のドイツが対立し、結局、思い切った金融緩和策がとれなかったため、ドイツの不況が長期化し史上最悪の失業者数を記録するほど追い込まれた時期がありました。
日本が、自分の国のことさえ20年間も建て直せていない状況において、安易に共同体構想を掲げ、それが人類の目指すべき理想郷であるかのような幻想を抱くのは(そして国民に幻想を抱かせるのは)非常に危険だと私は思います。(執筆者:為替王 編集担当:サーチナ・メディア事業部)