はてなキーワード: ホルスタインとは
10月6日から鹿児島県で全国和牛能力共進会(全共)なる大会が開かれる。「和牛のオリンピック」とも呼ばれ、各県の農家・関係者は大いに盛り上がっているが、一般の人たちにはいまいち浸透していないと思うので、簡単に紹介する。
全国和牛能力共進会、略して「全共(ぜんきょう)」と呼ばれる。今年は鹿児島開催なので「鹿児島全共」だ。今年で12回目の開催。おおよそ5年に1度開かれてきたため、「和牛のオリンピック」とも言われる。が、これは一般向けにわかりやすくキャッチ―な言葉だから使われているもので、関係者はおそらくオリンピックという意識は薄い。国内大会だし、畜産が盛んでない県は出品しないし。主に個人が育てた牛が出品されるのだが、道府県(東京都からの出品はない)ごとに選考会があるため、個人ではなく地域の勝負という色合いが強い。牛は「県代表」という扱い。今回は過去最多の41道府県から459頭が出品される予定だ。これほどの数の和牛が集まるのは「全共」だけ。しかも各地の選考会を勝ち抜いてきた選りすぐりの牛たち。競馬場のパドックさながらに立派な牛がぞろぞろと歩くのを見るだけで、新鮮で楽しい。
審査は、種牛の部と肉牛の部に大きく分かれる。その中にもさまざまな部門があり、最高位となった牛(県)に内閣総理大臣賞が贈られる。種牛は、「いい子牛を生むための雄と雌」のこと。道府県単位での出品なので、地域で育ててきた系統が優れているかどうかで評価される。牛たちが会場を歩き、引き手(農家)の指示でぴたっと止まり、審査員が体格や立ち姿を評価する。農家はこの晴れ舞台に合わせて、牛の調教を続けてきた。調教というのは、ちゃんと嫌がらずに歩いたり、長時間にわたって立ち姿勢を維持できたり、審査員から触られても動じなかったり、そういう調教だ。
肉牛は、「いい肉かどうか」。肉量と肉質が評価される。今回から「脂肪の質」も評価基準に入るようになった。いわゆる「さし」ももちろん大事だけど、味や口どけも大事だよね、という観点だ。こちらの牛たちはいわゆる片道切符。会場で処理されて枝肉にされて、せりにかけられて審査される。
中でも花形とされているのが「総合評価群」という部門。これは種牛と肉牛の両方を出品する唯一の部門で、「この種牛たちがいるからこんなにいい肉牛ができる」という、まさに産地の総合力が問われる。ちなみに、前回大会まで総合評価群は「花の7区」と言われていたが、今大会から区分が再編されて番号が変わり、「花の6区」となってしまった。
詳しい審査基準は、主催者である全国和牛登録協会が公開している。http://cus4.zwtk.or.jp/zenkyo/wp-content/uploads/sites/3/2019/08/12sinsakijyun.pdf
やはり、内閣総理大臣賞(日本一)に選ばれるのはどの県かというところ。日本一となれば向こう5年間、その県は名実ともに「日本一の和牛」を名乗って販売できる。会場には海外のバイヤーや商社なども訪れる。経済効果は計り知れない。
開催県である鹿児島にも経済効果がある。前回大会が開かれた宮城県では100億円の経済効果があったという。(ただ宮城全共は、仙台市のかなり都市部で開催されたため、一般客の来場者が多かった。それを狙っていた面もある。)
宮崎県が、過去の大会結果をまとめていた。https://www.pref.miyazaki.lg.jp/shinsei-chikusan/shigoto/chikusangyo/zenkyo2017.html
日本一と名乗れるのは、種牛と肉牛のそれぞれの優勝県。だったのだが、「団体賞」なるものができたことで、少しややこしくなってしまった。9回大会と10回大会は、種牛の部で優勝した宮崎がそのまま団体賞だったので問題なかった。前回の11回大会では、種牛の部でも肉牛の部でも優勝していない鹿児島が団体賞を受賞し、鹿児島も「日本一」を名乗ることになってしまった。ここでひと悶着があったりした。(ただ実際に結果も良かった上での団体賞だし、日本一を名乗ることに問題はないのだが)
そんなことがあり、今大会では「団体賞」がなくなった。個人的には日本一にならずとも、全共に出品すること自体が名誉なことであり、各県では出品牛・出品者を盛大に祝ってほしいと思う。
・今回の会場は霧島市と南九州市で、お世辞にも人が集まりやすい場所ではないが、空港など主要各所からシャトルバスが出るので、行けることはいける。ただ遠い。ただ、種牛の部の会場に行けば、間近でたくさんの牛が見れる。各県のブランド和牛の試食提供もある。関係者の熱気と、その熱気に応えようとする立派な牛たちを、ぜひ一度見てほしい。
・高校生の部は、牛だけでなくプレゼンテーションもあるというのが他の部門と違うところで、おもしろい。高校生部門は前回大会から設けられた。前回大会では、牛だけの評価だったら宮崎県の高鍋農業高校が1位だったのだが、プレゼンが良かった岐阜県の飛騨高山高校が巻き返して優勝した。会場ではプレゼンを聞いて泣いている人もいるほど、良かった。なので今大会では必ず各校はプレゼンにも力を入れてくると思われる。それも見どころ。
・和牛といえば、黒毛で肉付きのいい「黒毛和種」が一番にイメージされ、飼われている頭数も最も多いわけだが、実は褐毛(あかげ)もいる。熊本や高知が主な産地で、全共にも出品される。黒光りマッチョの中に1頭ポツンと褐毛の牛がいると、どこかはかなげで可愛らしさを感じて、思わず応援したくなってしまう。実際かわいい。Wikipediaにまさにその写真があった。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A4%90%E6%AF%9B%E5%92%8C%E7%A8%AE
・次回の開催地はもう決まっていて、北海道だ。北海道は乳牛のイメージがあるが実は和牛にも力を入れていて、どんどん頭数が伸びている。鹿児島全共で良い結果を残せれば弾みがつく。こちらも注目だ。
・お乳を搾る乳牛は和牛ではないので、当然だが全共には出てこない。ただ乳牛(ホルスタイン種)の大会もあり、こちらは「ホル共(ホル全共)」という。こちらも5年に1回開催で、2020年に開かれるはずだったがコロナ禍で中止となってしまった。https://www.facebook.com/media/set/?set=a.956624817743892.1073741843.128156943924021
二足歩行で乳を表に出してるのが人間とか猿とかですけど、やっぱ猿でもゴリラでもそこまで乳大きくないんすよね。どちらかと言うと登攀の邪魔になるから小さくなりがちというか。
じゃあ四足歩行の牛とかはどうなるんだって話ですが、牛もホルスタイン並みに改良されるならまだしもやっぱ子供達が吸いやすいようにところにぶら下がってるのがいいのかもしれません。
あまりに長すぎると地面に擦れて痛いですしね…!
だから支えるとかよりも元来の胸筋や乳房としての意味合いの方が強くなるかもしんないですね
邪魔になりすぎず、子供が吸いにくすぎないような形になるのかもしれません。神秘。ママに感謝。
とはいえちゃんと動物に詳しい訳じゃなくて、動物のおっぱいの画像を探してああでもないこうでもないと考えて書いただけなので、実際の調査を元にしたアレとかではないです。
牛についてでホルスタインや乳牛と記述されているが、乳搾りという行為についてはどうお考えなのだろうか。
牛柄と単色では受け取る印象が違うと思うんだが、俺は搾乳を連想するからエロいのかと思ってた。あ、あと四つん這い。正確には四足歩行か。
2021年が始まって早1週間が経過した。エッチイラストクリエイターや自撮りグラビアアイドルたちによるエッチな作品が日夜生み出される昨今のSNS界隈において、この1週間は眼福そのものであったと言えるであろう。
それは今年の干支が丑であり、巷にウシ柄ビキニの作品が多数アップロードされたからだ。
通常、干支の動物はビキニの柄にはなりづらい。トラなどの柄から元の動物が想起できるものもいれば、ネズミやウサギ、イノシシなどと言った単色かつ色遣いも地味でビキニ化してしまうとそれだけだと何が何だかわからない動物もいるが、どれもビキニとして製品化されることは稀有である。つまり干支とエッチなクリエイティビティの相性はあまり良くない。
しかし、12年に一度だけエッチな土俵に無敵の横綱が現れる。そう、丑年だ。しかもおめでたムードと暇が重なる年始にのみ、大量のウシ柄ビキニを拝むことができるのだ。
なんなら通常のビキニよりもエッチさが一段上になる上、着用者自身が豊満なボディである必要すらない。太かろうが細かろうがウシ柄ビキニを着用するだけで何故かエッチな雰囲気がでてしまう。
では何故ウシ柄がそんなにエッチ、扇情的であるのか、改めてここで考えていきたいと思う。
牛として最初に想起されるものはおそらくホルスタイン種であり、ウシ柄のビキニもこのホルスタイン種の柄をモチーフとしている。4つの胃袋を持っており、飲み込んでは口の中に戻し、飲み込んでは口の中に戻すといった反芻を繰り返してエサを消化していく。そして乳牛として飼育されるため乳や乳首が大きいというイメージがある。ウシそのものは四足歩行の哺乳類で、それ自体にエッチなイメージは全く無い。つまりウシ単体ではエロにはならない。
「小さな本体で大きな威力を発揮」したビキニ岩礁の原爆実験に因んで命名された、ブラジャーとパンツの2つのパーツから構成されている女性用の水着である。元来から肌の露出が大きく、パンツサイドの紐化、ブラカップの縮小といった工夫がなされ、水着というよりもただのエロアイテムとなる場合もある。ただし装着されていない場合はくちゃくちゃの布であり、どこが足を通すところでどこが首を通すところなのか判然としないので、間違えて着用してしまう声優なども枚挙にいとまがない。よってこれも単体ではエロいものではないと言えるだろう。
古来より女体には神秘のパワーがあると信じられている。多くの文献に女体にまつわる様々な儀式が取り上げられ、絵画が隆盛を極めれば裸婦は必ず登場する題材となった。皮下脂肪が多く曲線的で柔らかく人間の原初ですらあり、権力者の衰勢にすら関わってくる。それが女体だ。ストレートのオスは絶対に女体に逆らえないように作られている。セックスは女体がないとできないから。つまりエロスの根源はここであると言えよう。
「エロくないホルスタイン種の柄」の「エロくないビキニ型の水着」を「エロスの根源である女体」が着用するとエロくなる。
昨年、3ヶ月位働いた仕事を辞めた。
理由は色々あるけど、一番はお局さんだ。
この会社に入るまで私は男9割の業界にいて、今回初めて女9割の業界に転職した。
しかもそこは8割がアラフォーオーバーのBBAパラダイス、若い人は同じ歳くらいの人が3人位。
私はこの会社に前業界の仕事を担当してほしいと初めて入ってきた、お局さんにとって異物だった。
全く考え方の違う異民族って感じだ。
社長は殆ど思いつきで入れてしまったのですぐに仕事が用意できるわけもなく、まずは通常部署の仕事に入ってほしいと言われた。
9時50分までに出社と社長が言っていたので、30分に会社に到着、社長と話して着替えて通常部署へ行ったのが45分。
100%こいつがこの会社の裏ボスだって見た目と態度の人が、某ドラマみたいに後ろに他の女社員を並べて腕を組んで顔を真っ赤にしていきなりキレてきた。
理由は45分には準備を開始するのに何故早く来なかったのか。
答え、社長からそんな事聞いてないし入社前に貴方とエンカウントしてないからです。
すごい理不尽だ…と感動した。
男社会にいたせいで今までお局という存在にあった事がなかったのでまとめサイトでの妄想か誇張と思っていた。
オラ、ワクワクすっぞ。
とりあえずすみません、と頭を下げておく。
何か言ってるけど早口で聞き取れない。
更年期って大変だな、自分がなったら早めの治療を心がけようと思った。
そして、お局さんが奥の部屋に消えて仕事開始。
私の育成担当はお局様に頷いて相槌を打っていたおばさん、もう直ぐアラフィフ。
どっちにしろこの部署に今後来ることのない私を真剣に教える気もない、そりゃそうだよなぁと思う。
流石に仕事にならないので最低限は教えてくれたが、細かいところは知らないのにいきなり怒られる。
客対応以外に関係ない事…例えばゴミ出しの曜日とかシフト希望提出締切だとかは結局辞めるまでその人からは聞けなかった。
作業中はマスク必須で本当良かった、マスクしてなかったらビンタのひとつも食らってたと思う。
次に、少し年上の先輩。
細くて顔も綺麗でじじいの客のアイドルだった。
しかし、じじいなんて若い新人が入ればそっちに興味が湧くに決まっている。
じじい達は先輩の事なんて忘れてしまったかのように私に話しかけてセクハラギリギリをかます。
先輩が輪をかけて冷たくなったのはその時からで、影で私の事をジャージー牛みたいと呼んでいたのを聞いた。
ホルスタインと言わない所に例えが美味いなとこっそり笑った。
私は耳に一応ピアスホールが一つずつ空いてるし、黒髪が死ぬ程似合わないので会社の規定内の範囲の茶髪だ。
タグでも付けて行こうかと思ったけど辞めた。
嬢といっても、ギリアラサー。
社長と副社長、お局さんには完全に声を高くして同意しまくっているし、一人称は苗字。色々すごい。
ただし私には目が据わり低い声で話しかけてくるのでこっちが素なんだなあ、としみじみ。
辞める2週間前、パソコンエラーを直してあげたら少し優しくなった。
他にもいるけど、とりあえずこの4人が凄かった。
そして、シフト管理をしているお局さんは夕方早上がりする私にブチ切れてきた。
こっちにも事情があり、時短を条件に入ったのでキレるなら社長に言ってほしい。
入社直後に仕事が用意できずこの部署に入ったのも社長の指示なので。
お局さんはいろんな人…特に古株の人達に私の愚痴を言っているようだった。
お局さんとは担当がちがうので殆ど迷惑をかけてないはずなのだけど、色々言っていた。
声がでかいので休憩室の横を通ると聞こえてくる。
声が気に食わない(そんな事言われても)
今時の化粧をしているのが生意気(してない)
男に媚を売っている(売ってない)
婆さんから褒められているのが謎(知らん)
早く辞めてほしい(さいですか)
他にもいっぱい言っていたが、麦茶を飲んでるのが意味わからんって言い出した時点で吹き出しかけてさっさと帰った。
坊主憎けりゃ袈裟まで憎いになりかかっている。
大体比率としては半々。
私の仕事は専門的で調べる事が多い仕事なので半分位はネトサをする。
どうするかと悩んで考え込む事もしばしばある。
社長がお昼に行った瞬間、お局様が別の部屋からすごい勢いで突入してきた。
闘牛みたいだな、と思いながら耳を傾けると、簡単に言えば遊んでいるんじゃないかとキレてきた。
言い訳してもまた長くなりそうだなあと思い、とりあえずすみませんと言っておく。
社長が用意した私が使用しているパソコンは社員共通のパソコンなので使われると邪魔だとキレている。
そうして二ヶ月が経った。
その間に私の靴は無くなったし、全員に一つずつ配られたはずの社長の出張のお土産は貰っていない。
無視される事もあったし、知らない優しそうなおばさん社員からいきなりアンタここにいちゃ死んじゃうよ、と諭された事もある。
漫画みたいだ、そんなセリフ生で聞けるなんて人生でそうそうない、感動した。
どうしたものかなぁと思っている矢先、なんとなく現状を友達に話した所、友達経由で知ったのだろう古巣の知り合いから此方の業界に戻ってこないかと声をかけられた。
電車を乗り継がないといけないし家庭の事情でフルタイム残業が厳しくなり辞めたのだけど、時間も調整してくれるらしい。
まだギリギリ試用期間だし、そうだ、辞めよう。
早速社長に相談した。シフト締切3日前なのですぐ言わなくてはいけなかった。
とりあえず現状を話す。
社長もやはりお局さんから私の愚痴を聞いていたらしく、苦い顔をしていた。
誘われた会社よりこちらの方が近いし、時間を調整してくれると社長が言っていたから現状が好転するならこちらの方が都合が良かったので、今後他の仕事を手伝うにしても他の部署でお願いしたいと頼んだ。
僕にはどうする事も出来ないけど、君がみんなと仲良くできるなら考えてもいいよ。
そう言って社長は腕を組んだ。
頭の中の平次が叫んだ。
元はと言えば社長が私をいきなり雇い、いきなり別部署にぶち込み、私を入れてどうしたいか説明しなかったせいでいきなり訳の分からない新人が来るとお局さんがキレて私にあたり古株全社員に愚痴を言ってる中で、それを言うのか。
漫画じゃん?!
こういうの病院に置いてあるレディコミで読んだことあるぞ!!!
ハイになって、「えっどう考えても今更無理なので辞めまぁす!!!」と言ってしまった。
幼少期ぶりにバニラシェイクもクーポンで100円だったので買った。
飲んだら少し寝不足だった頭がすっとして、明日からどう会社で過ごそうかな、とワクワクした。
だって後13回働けばお別れだ、どうせなら漫画みたいな体験をもっとしたい。
ずっとは精神衛生に悪いので辞めるんですけど。
そうして出社したら、お局さまが辞めるなとキレてきた。
あれだけ辞めろと言ったのに、どうしたどうした?
面白い展開になってきた、よしお局さんの話を聞こう。
成る程、シフトに組んでしまったので今更組み直すのが困るですと?
まだシフト提出期限じゃないですよ?
仕事教え損?
それは申し訳ない、でも私今後在籍したとしてもこの部署には入らないようお願いしたと思う。
だって毎回引きっぱなしのネットの有線で転ばされるからアザがすごいので。
多分10分程一方的に喋っていたと思う、落ち着いたのでそっと靴下を引き下げてホルスタインみたいにブチ模様になった足を見せたらヒュ、とお局さんの喉が鳴った。
本当に喉ってヒュ、と鳴るんだな。
流石に察したらしい、どうしてアザだらけになっているかを。
靴も靴箱に置いておいたんですけど知りませんか、アレ兄からもらったものなんです(これは嘘だ、某大手靴屋で30%オフで買った)、パソコンのデータ知りませんか、アレは私が作ったやつを副社長が使っていたものなんです、給料まだ貰っていないんですけど、手渡しとお聞きしたのですが?
血の気が無くなる人も初めて見た気がする。
お局さんは多分、恐らく手を出さず愚痴や悪口を言っていただけなんだと思う。
誰が何をしたかなんて知らないだろう。
みんな大人だ、自分が何をしたかだなんて言うわけがない、きっと休憩室でお局さんに同意したりその日の私の行動を面白おかしく報告してただけなんだろう。
全部気に入らない、此方には味方しかいない。
ならば追い出したい。
実際最初に隙を見せた私という敵に先制攻撃を喰らわせられた事で、止まらなくなってしまったのかもしれない。
でもまさか手まで出す人間がいるなんて思ってもいなかったんだろう。
この会社で実際社長よりお局さんの味方の方が多い、だって実質会社の事を把握してシフト管理をしているのはお局さんだから、この人を敵に回すと子どもや孫のために休む事があるパート達は逆らえないのだ。
そのお局さんが敵とみなしたやつは、何をしてもいい。
だって実際私が辞める日に聞いたら、4人はお局さんに嫌われたお前が悪い!とキレて何処かへ行ってしまったんだから。
最終日、三ヶ月分の給料が入った封筒を手に私は地元の夫婦経営の焼肉屋に入ってテイクアウトのお弁当を買った。
私の事を気に入ってくれたお客さんのじじいの店だ。
来てくれてありがとう、また行くな!と明るく笑う尻を触ってきたじじい。
今辞めてきたんです、と言いながら焼肉弁当のお金をトレイに置く。
びっくりする夫婦、そりゃそうだ、地元密着のあの会社は馴染みのお客が多くGoogle mapの評価は悪いが爺婆には評判が良い。
なんで辞めてきたんだ、と焼酎片手に聞いたのはこれまたよく会社に発注を取りに来ていた地元の商店街に店を出しているじじいだった。
私は迷った。
全部話すべきか、それとも濁すか。
悪魔が囁いてくる、来週転職と共に引っ越してしまうんだからこの町には戻らないだろうと。
頭にいつか読んだ例のレディコミが浮かぶ。
私も漫画みたいな事をして締め括っても良いだろうか。
だって、あんな漫画みたいな事が起きた事、この感動を話してしまいたかった。
じじいにゆずサワーを奢ってもらった私はいくつかかいつまんで、ポツリポツリと話した。
じじい達は絶句して、腕の傷に気付いたばばあはそっと骨付きカルビを焼いて弁当に乗っけてくれた。
聞いてくれてありがとうございました、とゆずサワーを飲み干して浅く一礼し弁当を受け取る。
私もお局さんみたいに思った事を話してしまった。
悪意や敵意というのは印象に残りやすい。
初めて悪い事をしてしまった時の子供のように、少しの罪悪感と山程の高揚を胸に食べた焼肉弁当は最高に美味しかった。
そうして一年が経った。
多少の妬み嫉みはあるものの、あの三ヶ月と比べたら可愛いもので、本当にあの人間の醜い部分の煮凝りみたいな三ヶ月は漫画を読んでの妄想だったんじゃないかと思う。
それはコロナの所為かもしれないし、もしかしたら焼肉屋での15分がきっかけなのかもしれない。
もうあの田舎町に知り合いがいない私が理由を知る術はないのだけど、ふと半袖になって見えた傷の跡を見て思い出したので記念に書いてみた。