はてなキーワード: 骨付きカルビとは
タイトル通りの話。
最近Twitterで生理痛とか低用量ピル、アフターピルの話をよく見かけるようになった。
体感では10年前よりもそういう女性の体についての話がインターネットでもしやすくなっていると思う。
ただ婦人科検診の話に関してだけ言えば、引っかかった人の具体的な話があまり見つからない(ような気がする)。
例えば引っかかったので精密検査をしたらこういう状態でした〜とは書いても、具体的にどんな検査だったのかはぼかされてることが多い(ような気がする)。
もちろん書いてくれている人もいるけど、せっかく受けたのだから、備忘録も兼ねて自分でも書いておこうと思う。
ちなみにインターネットとか書籍で得た知識で書いている部分もあるので、医学的にこれは間違っていることがあったら消すので教えてください。
昨年秋頃に受けた検診で、子宮頸がんの結果が“asc-us”と出てしまった。
これは“意義不明な異型扁平上皮細胞”という意味で、がん化する前に細胞に起きる異常があるようにも見えるけど炎症とかで起きてるだけかも?というグレーな状態。
子宮頸がんは完全にがん化する前に異形成という状態を起こすので、それを見つけて早期に対応出来るように検診を定期的に受けようと言われている。
つまり、その異形成が起きてる可能性があるかも?という結果だった。
ここで受けた検査内容は重要じゃないので(精密検査の話がしたい)ざっくり言うと、綿棒みたいなやつで子宮の入口あたりをシャシャシャと拭われるやつ。
大して痛くないし私は血が出たこともない、痛みも病院出る頃にはおさまってた程度。
で、届いた検査結果には3ヶ月後に精密検査を受けるよう書かれていたので、冬になってから近所の婦人科を受診した。
HPV(ヒトパピローマウイルス)は子宮頸がんを引き起こす可能性があるウイルスで、性交渉によってうつったりうつされたりする。
ちなみに子宮頸がんだけじゃなくて、男性の陰茎がんや肛門がん、咽頭がんの原因にもなるので女性だけの問題ではない。
この“うつる”って言い方がいまだに子宮頸がんを性病みたいに言う人がいる原因だと思うけど、一度でもセックスしたことがあれば誰でも持ってる可能性はあるものだし、自己免疫で勝手に消えることがほとんどらしい。
ただし、免疫で消えずに感染し続けると、異形成を引き起こして数年〜十数年かけて子宮頸がんに変化してしまう。(もっと進行がはやい人もいる)
で、HPVは型が百何種類もあって、そのうち子宮頸がんになりやすい型のグループをハイリスク型と呼んでいて、HPV検査はハイリスク型に感染していないかどうかを調べる検査。
ここでした検査は、また綿棒みたいなやつで子宮の入口を拭われるだけ。
でも何故か検診の時より痛くて、次の日まで軽い生理痛みたいな痛みが続いた。
多分HPVは奥の方にいることも多い(らしい)から念入りに採取したからだと思う。
検診をシャシャシャだとしたら、こっちはシャシャ…シャシャシャシャシャシャ!!!って感じで削ってる!?って思った。
2週間後、結果が出た。
私はHPVハイリスク型のうち、最も進行しやすい16型が陽性だった。
次の検査は組織診といって、文字通り子宮の組織を切除して状態を調べるものだった。
受ける前にネットで見た情報では、痛みはあるし出血もするし倒れる人もいるし等々…当日はものすごく緊張していた。
まず、普通に内診台(歯医者の椅子みたいで勝手に足が広がるよう動くやつ)に座って金属の器具?で膣を開かれる。
ここまでは毎年の婦人科検診と一緒なんだけど、そのあと顕微鏡みたいなやつで異変がないか子宮口を観察される。
その時異変が見えやすくなるように液体を塗るんだけど、後で調べたらお酢らしい。
食用じゃないにしても、お酢をあそこに塗られたのがちょっと面白かった。
男性で言ったら、尿道の奥にお酢塗られるようなものかもしれない。
で、その観察が終わると次はついに組織診。
具体的に言うとお酢で出た異変の箇所(子宮口の周辺)を直接切り取っていく。
膣の中って基本的に鈍感らしいんだけど、子宮をつままれてる感覚はあって(その時点でHPV検査より痛い)、切られる痛みももちろんあった。
前情報ではパチン!パチン!って一瞬鋭い痛みがあるようだったけど、私は骨付きカルビをハサミで切っていくあの感覚だった。
パチン!じゃなくて、ザ…………クッって感じ。
でも声が出るほどではなかったので、結果3箇所切ったんだけど無事耐えることが出来た。
肉を切り取ったのでもちろん出血はして、止血のために白い粉を塗ります、と言われて謎の粉を塗られた。
傷口を触られているのでこれも痛い。
ちなみに痛みは先生の腕が良かったのか、2時間もしないうちに感じなくなっていた。
貧血にもならず、友達と遊んで結構な距離を歩いたけどガーゼのことも忘れるくらい無痛だった。
次の日、股からはみ出したガーゼを引っ張って取り出していくと、50cmくらい入っていた。
万国旗の手品みたいだなと思ったが、30cmくらいは真っ赤に染まっていたので長過ぎる訳ではないと思う。
先生によってはガーゼじゃなくてタンポンみたいな物をいれることもあるらしい。
2週間後、結果を聞いたら軽度異形成とのことだった。
異形成にも軽度→中等度→高度と順番があり、軽度異形成は自然治癒することもかなり多い段階なので、これからも定期検査を欠かさずに経過観察しましょう、ということになった。
婦人科のサイトでは痛いのを強調すると怖がられると思っているのか、「痛みを感じる方もいます」とかぼかして書いているけど、実際普通に痛い。
痛みに弱い人が失神するのもわからなくはない。
でも、放置してがんになってしまうよりは絶対失神してでも受けた方がいいと思う。
子宮頸がんは30代〜40代くらいでかかるイメージがあったけど、私は診断された時25歳だったので、どんな年齢でも積極的に受けてほしいと思う。
ちなみに、男性に検査のことを話したら、「俺だったらチンの一部を切り取られるってことでしょ?受けられないなぁ〜」と言っていたが、男性の陰茎がんとかはどう検査するんだろう。
昨年、3ヶ月位働いた仕事を辞めた。
理由は色々あるけど、一番はお局さんだ。
この会社に入るまで私は男9割の業界にいて、今回初めて女9割の業界に転職した。
しかもそこは8割がアラフォーオーバーのBBAパラダイス、若い人は同じ歳くらいの人が3人位。
私はこの会社に前業界の仕事を担当してほしいと初めて入ってきた、お局さんにとって異物だった。
全く考え方の違う異民族って感じだ。
社長は殆ど思いつきで入れてしまったのですぐに仕事が用意できるわけもなく、まずは通常部署の仕事に入ってほしいと言われた。
9時50分までに出社と社長が言っていたので、30分に会社に到着、社長と話して着替えて通常部署へ行ったのが45分。
100%こいつがこの会社の裏ボスだって見た目と態度の人が、某ドラマみたいに後ろに他の女社員を並べて腕を組んで顔を真っ赤にしていきなりキレてきた。
理由は45分には準備を開始するのに何故早く来なかったのか。
答え、社長からそんな事聞いてないし入社前に貴方とエンカウントしてないからです。
すごい理不尽だ…と感動した。
男社会にいたせいで今までお局という存在にあった事がなかったのでまとめサイトでの妄想か誇張と思っていた。
オラ、ワクワクすっぞ。
とりあえずすみません、と頭を下げておく。
何か言ってるけど早口で聞き取れない。
更年期って大変だな、自分がなったら早めの治療を心がけようと思った。
そして、お局さんが奥の部屋に消えて仕事開始。
私の育成担当はお局様に頷いて相槌を打っていたおばさん、もう直ぐアラフィフ。
どっちにしろこの部署に今後来ることのない私を真剣に教える気もない、そりゃそうだよなぁと思う。
流石に仕事にならないので最低限は教えてくれたが、細かいところは知らないのにいきなり怒られる。
客対応以外に関係ない事…例えばゴミ出しの曜日とかシフト希望提出締切だとかは結局辞めるまでその人からは聞けなかった。
作業中はマスク必須で本当良かった、マスクしてなかったらビンタのひとつも食らってたと思う。
次に、少し年上の先輩。
細くて顔も綺麗でじじいの客のアイドルだった。
しかし、じじいなんて若い新人が入ればそっちに興味が湧くに決まっている。
じじい達は先輩の事なんて忘れてしまったかのように私に話しかけてセクハラギリギリをかます。
先輩が輪をかけて冷たくなったのはその時からで、影で私の事をジャージー牛みたいと呼んでいたのを聞いた。
ホルスタインと言わない所に例えが美味いなとこっそり笑った。
私は耳に一応ピアスホールが一つずつ空いてるし、黒髪が死ぬ程似合わないので会社の規定内の範囲の茶髪だ。
タグでも付けて行こうかと思ったけど辞めた。
嬢といっても、ギリアラサー。
社長と副社長、お局さんには完全に声を高くして同意しまくっているし、一人称は苗字。色々すごい。
ただし私には目が据わり低い声で話しかけてくるのでこっちが素なんだなあ、としみじみ。
辞める2週間前、パソコンエラーを直してあげたら少し優しくなった。
他にもいるけど、とりあえずこの4人が凄かった。
そして、シフト管理をしているお局さんは夕方早上がりする私にブチ切れてきた。
こっちにも事情があり、時短を条件に入ったのでキレるなら社長に言ってほしい。
入社直後に仕事が用意できずこの部署に入ったのも社長の指示なので。
お局さんはいろんな人…特に古株の人達に私の愚痴を言っているようだった。
お局さんとは担当がちがうので殆ど迷惑をかけてないはずなのだけど、色々言っていた。
声がでかいので休憩室の横を通ると聞こえてくる。
声が気に食わない(そんな事言われても)
今時の化粧をしているのが生意気(してない)
男に媚を売っている(売ってない)
婆さんから褒められているのが謎(知らん)
早く辞めてほしい(さいですか)
他にもいっぱい言っていたが、麦茶を飲んでるのが意味わからんって言い出した時点で吹き出しかけてさっさと帰った。
坊主憎けりゃ袈裟まで憎いになりかかっている。
大体比率としては半々。
私の仕事は専門的で調べる事が多い仕事なので半分位はネトサをする。
どうするかと悩んで考え込む事もしばしばある。
社長がお昼に行った瞬間、お局様が別の部屋からすごい勢いで突入してきた。
闘牛みたいだな、と思いながら耳を傾けると、簡単に言えば遊んでいるんじゃないかとキレてきた。
言い訳してもまた長くなりそうだなあと思い、とりあえずすみませんと言っておく。
社長が用意した私が使用しているパソコンは社員共通のパソコンなので使われると邪魔だとキレている。
そうして二ヶ月が経った。
その間に私の靴は無くなったし、全員に一つずつ配られたはずの社長の出張のお土産は貰っていない。
無視される事もあったし、知らない優しそうなおばさん社員からいきなりアンタここにいちゃ死んじゃうよ、と諭された事もある。
漫画みたいだ、そんなセリフ生で聞けるなんて人生でそうそうない、感動した。
どうしたものかなぁと思っている矢先、なんとなく現状を友達に話した所、友達経由で知ったのだろう古巣の知り合いから此方の業界に戻ってこないかと声をかけられた。
電車を乗り継がないといけないし家庭の事情でフルタイム残業が厳しくなり辞めたのだけど、時間も調整してくれるらしい。
まだギリギリ試用期間だし、そうだ、辞めよう。
早速社長に相談した。シフト締切3日前なのですぐ言わなくてはいけなかった。
とりあえず現状を話す。
社長もやはりお局さんから私の愚痴を聞いていたらしく、苦い顔をしていた。
誘われた会社よりこちらの方が近いし、時間を調整してくれると社長が言っていたから現状が好転するならこちらの方が都合が良かったので、今後他の仕事を手伝うにしても他の部署でお願いしたいと頼んだ。
僕にはどうする事も出来ないけど、君がみんなと仲良くできるなら考えてもいいよ。
そう言って社長は腕を組んだ。
頭の中の平次が叫んだ。
元はと言えば社長が私をいきなり雇い、いきなり別部署にぶち込み、私を入れてどうしたいか説明しなかったせいでいきなり訳の分からない新人が来るとお局さんがキレて私にあたり古株全社員に愚痴を言ってる中で、それを言うのか。
漫画じゃん?!
こういうの病院に置いてあるレディコミで読んだことあるぞ!!!
ハイになって、「えっどう考えても今更無理なので辞めまぁす!!!」と言ってしまった。
幼少期ぶりにバニラシェイクもクーポンで100円だったので買った。
飲んだら少し寝不足だった頭がすっとして、明日からどう会社で過ごそうかな、とワクワクした。
だって後13回働けばお別れだ、どうせなら漫画みたいな体験をもっとしたい。
ずっとは精神衛生に悪いので辞めるんですけど。
そうして出社したら、お局さまが辞めるなとキレてきた。
あれだけ辞めろと言ったのに、どうしたどうした?
面白い展開になってきた、よしお局さんの話を聞こう。
成る程、シフトに組んでしまったので今更組み直すのが困るですと?
まだシフト提出期限じゃないですよ?
仕事教え損?
それは申し訳ない、でも私今後在籍したとしてもこの部署には入らないようお願いしたと思う。
だって毎回引きっぱなしのネットの有線で転ばされるからアザがすごいので。
多分10分程一方的に喋っていたと思う、落ち着いたのでそっと靴下を引き下げてホルスタインみたいにブチ模様になった足を見せたらヒュ、とお局さんの喉が鳴った。
本当に喉ってヒュ、と鳴るんだな。
流石に察したらしい、どうしてアザだらけになっているかを。
靴も靴箱に置いておいたんですけど知りませんか、アレ兄からもらったものなんです(これは嘘だ、某大手靴屋で30%オフで買った)、パソコンのデータ知りませんか、アレは私が作ったやつを副社長が使っていたものなんです、給料まだ貰っていないんですけど、手渡しとお聞きしたのですが?
血の気が無くなる人も初めて見た気がする。
お局さんは多分、恐らく手を出さず愚痴や悪口を言っていただけなんだと思う。
誰が何をしたかなんて知らないだろう。
みんな大人だ、自分が何をしたかだなんて言うわけがない、きっと休憩室でお局さんに同意したりその日の私の行動を面白おかしく報告してただけなんだろう。
全部気に入らない、此方には味方しかいない。
ならば追い出したい。
実際最初に隙を見せた私という敵に先制攻撃を喰らわせられた事で、止まらなくなってしまったのかもしれない。
でもまさか手まで出す人間がいるなんて思ってもいなかったんだろう。
この会社で実際社長よりお局さんの味方の方が多い、だって実質会社の事を把握してシフト管理をしているのはお局さんだから、この人を敵に回すと子どもや孫のために休む事があるパート達は逆らえないのだ。
そのお局さんが敵とみなしたやつは、何をしてもいい。
だって実際私が辞める日に聞いたら、4人はお局さんに嫌われたお前が悪い!とキレて何処かへ行ってしまったんだから。
最終日、三ヶ月分の給料が入った封筒を手に私は地元の夫婦経営の焼肉屋に入ってテイクアウトのお弁当を買った。
私の事を気に入ってくれたお客さんのじじいの店だ。
来てくれてありがとう、また行くな!と明るく笑う尻を触ってきたじじい。
今辞めてきたんです、と言いながら焼肉弁当のお金をトレイに置く。
びっくりする夫婦、そりゃそうだ、地元密着のあの会社は馴染みのお客が多くGoogle mapの評価は悪いが爺婆には評判が良い。
なんで辞めてきたんだ、と焼酎片手に聞いたのはこれまたよく会社に発注を取りに来ていた地元の商店街に店を出しているじじいだった。
私は迷った。
全部話すべきか、それとも濁すか。
悪魔が囁いてくる、来週転職と共に引っ越してしまうんだからこの町には戻らないだろうと。
頭にいつか読んだ例のレディコミが浮かぶ。
私も漫画みたいな事をして締め括っても良いだろうか。
だって、あんな漫画みたいな事が起きた事、この感動を話してしまいたかった。
じじいにゆずサワーを奢ってもらった私はいくつかかいつまんで、ポツリポツリと話した。
じじい達は絶句して、腕の傷に気付いたばばあはそっと骨付きカルビを焼いて弁当に乗っけてくれた。
聞いてくれてありがとうございました、とゆずサワーを飲み干して浅く一礼し弁当を受け取る。
私もお局さんみたいに思った事を話してしまった。
悪意や敵意というのは印象に残りやすい。
初めて悪い事をしてしまった時の子供のように、少しの罪悪感と山程の高揚を胸に食べた焼肉弁当は最高に美味しかった。
そうして一年が経った。
多少の妬み嫉みはあるものの、あの三ヶ月と比べたら可愛いもので、本当にあの人間の醜い部分の煮凝りみたいな三ヶ月は漫画を読んでの妄想だったんじゃないかと思う。
それはコロナの所為かもしれないし、もしかしたら焼肉屋での15分がきっかけなのかもしれない。
もうあの田舎町に知り合いがいない私が理由を知る術はないのだけど、ふと半袖になって見えた傷の跡を見て思い出したので記念に書いてみた。