はてなキーワード: おやすみとは
○ご飯
朝:なし。昼:キュウリの浅漬けに海苔かけたやつ。キュウリと納豆和えて海苔かけたやつ。バナナ。夜:バナナヨーグルト。間食:柿の種。チョコ。
○調子
むきゅーはややー。おしごとは、おやすみなりー。
SAGA PLANETSから2019年に発売された18禁美少女ゲームの全年齢移植版を遊んだので感想を書く。
前作金色ラブリッチェのファンディスクにあたり、ヒロイン達のアフターストーリー、前作で攻略できなかったミナと絢華のルートと、それと本作独自のエピソードが読める。
前作は、身分の高さや生まれの不幸から来るそれぞれの苦悩と、それを跳ね除けようと努力するために“カッコつける”テーマが魅力だった。
まずアフターストーリーの方はプレイ時間もそれぞれ30分ほどの短編で、内容もあっさり目。
この辺は全年齢移植版であることも大きな原因なので仕方ないかな。
次にミナのルートはかなり期待していたのだけど、ちょっと期待度を上げすぎたのか、しっくり来なかった。
ミナは北欧のソルティレージュという架空の国家の王族で、メーンヒロインのシルヴィアの妹にあたる第十王女。
幼い見た目枠ながら、主人公の市松央路をビシバシ教育する強い態度が良きキャラ。
掘り下げると面白そうな王族の派閥争いのエピソードは前作から色々と布石が打たれていたんだけど、ルートに入った途端、その辺はノータッチ。
恒例の央路が釣り合う男性になるようカッコつけて夢を探すエピソードも、探さないとだなあ、と探すことを表明するところでおしまい。
正直、テーマの掘り下げはかなり中途半端でプレイ時間の大半はイチャイチャパートだった。
イチャイチャパートも、前作や共通ルートで気に入ったミナのキビしくも優しい両面性はなりを潜め、彼女が甘えてくる展開が多め。
もちろん、そういう方向が無しだとは思わないんだけど、気に入った部分とは違う内容だったので、期待の方向を誤ってたかもだ。
強気で上から叱ってくれるミナが好きだったので、それを踏まえたエピソードが読みたかった。
上流階級を自称し庶民の主人公が居るだけで不機嫌になっていた彼女とのルートは、面白かった。
前作の絢華は性格悪い子なんだけど、今作ではコミュ障、陰キャっぽいシーンが増えていて、性格の悪さの方向性が変わっていた。
前作のイジメっぽいパートについて反省し謝罪するエピソードもあるし、メタ発言も駆使してそこのフォローしていたりと、色々と手を尽くしているのが感じれた。
メインキャラたちの因縁とは直接関係ないサイドストーリーながら、上流階級が上流階級と呼ばれる所以、ノブレスオブリージュなど、本流に通ずるテーマを別の視点から描いているのが面白い。
ルートの主役が誰なのかはネタバレになるため伏せるが、前作のあるルート終盤から分岐する異なるストーリーが楽しめる。
前作終盤で存在が示唆されたSFガジェットの掘り下げをしつつ、あくまで前作の選択は尊重しながらも、前向きになったエピソードだ。
あれほど八方塞がりな状況だと繰り返し言及してきたため、かなり無茶で唐突な設定が生えてきている。
ここについては、製作陣も承知の上のようで、続編映画あるあるを言うコメディパートなどで、自己言及的な弁解をしていたのが面白かった。
ただ、多少無理な設定であっても、やっぱりハッピーエンドは良かった。
前作の苦くて静かで悲しいエンディングとどっちが好みかは人それぞれだろうけど、ファンディスクなんだからこれはこれで良き。
ファンディスクであることを踏まえれば、良い意味でIFと少し後の物語を描くことに終始していて、続編ではない作りだ。
主人公の市松央路のカッコつけるシーンが好みだった僕としては、今作のルートではどれもそのエピソードが少なかったのは惜しかった。
とはいえ、彼の手に収まる範疇は前作までで、今作のようなルート群は特別なSFガジェットが必要だったと思うと、ある種の納得感もあった。
○ご飯
朝:ポテチ。アイス。昼:キャベツとブロッコリーとトマトたまごのスープ。キュウリ。夜:ウインナー、大根、人参、キノコ、トマトのスープ。冷奴。納豆。バナナヨーグルト。間食:柿の種。チョコ。
○調子
むきゅーはややー。おしごとは、おやすみなりー。
○ 送り犬
送り犬という、とある地方で伝えられる奇妙な犬の民話、それにまつわるエピソードを描いたサウンドノベルだ。
ホラーサウンドノベル界の大御所飯島多紀哉さんが原作を務めているが、他のライターさんも数多く参加しており、ルートによって多種多様な展開が楽しめる。
この辺は弟切草以来の伝統的なシステムで、全てのルートで整合性が合っているわけではなく、各々のルートで全く異なる世界観を楽しむタイプの作品だ。
概ね主役は女子大生の財部美穂になるが、他のキャラが一人称を務めることもあり、本当に色々なシナリオがあった。
主なストーリーは主人公の財部美穂が合コンで、物静かな社会人男性の仙田秋成と知り合うことからスタートする。
しかし、財部美穂以外にも、その友達で少し股が緩い白井まどか、オドオドした冴えない男子大学生の山崎剛史、大学の警備員さん、大学付近に住むメス犬のポメラニアンのシャルルちゃんなど、さまざまなキャラがメインキャラになることもある。
最初に書いた送り犬のエピソードも、それそのものを扱うものもあれば、少し触れるだけのもの、全く関係ないもの、全く関係ないと見せかけてすごく関係があったものなど、多様な有り様で魅せてくれる。
コメディあり、ホラーあり、サイコスリラーありで、時にそれらが切れ目なくシームレスに行き来する。
数クリック前まではシリアスなストーリーだったのに、あっという間にギャグな世界になることもあれば、その逆もあるのが面白い。
ホラー作品らしい、突飛な設定も飛び出すこともあるが、そういう設定が絡まないときほど、人間の恐ろしさが際立つエピソードになるのが奥行きが合って面白い。
全35のエピソードの中、僕が気に入った3編は詳しく紹介したい。
まずは会いたい人編の「月夜の残滓」エンド。
一人暮らしの女子大生目線恋愛なので、セックスあり略奪愛あり親の歯止めなしで、中々ハードな作風だ。
主人公は恋に奥手ではあるが、友人の白井まどかが性的に奔放なキャラなので、彼女に釣られて色々と恋愛が過激になっていくのが良いね。
だが、そこで終わらず、恋愛だけじゃない関係性の面白さも詰まっており、女性主人公らしさが詰まった良いシナリオだった。
次に「山崎剛史の話」エンド。
これは主人公が財部美穂から、彼女に奇妙な視線を送る豊満な体型でどもり癖のある男子大学生山崎剛史にバトンタッチするエピソード。
美穂との関係値が明かされるわけではない。
その辺は序盤であっさり解決させられ、送り犬とはまた違った怪異との遭遇を描く独自のエピソードだ。
ちょっとしたボーイミーツガールもののような、ボーイズラブのような奇妙な読感で、ラストの印象的なセリフと美しい背景絵が合間って、綺麗なシナリオだった。
親元から出てきて一人で暮らす大人とも子供ともいえない大学生らしい苦悩が伝わるのも面白かった。
おそらくこのルートがいわゆる「グランドエンド」的な立ち位置だと思うので選出。
とはいえ、上述した通り全てのルートを包括するようなものはなく、あくまで「送り犬」に関するエピソードの完結。
短編ホラーとしてしっかりフリとオチと裏切りが効いており、読み応えのある良いエピソード。
僕は割とコメディを好きになりがちだが、今作はシリアス目のエピソードを好きになった。
勿論、ピックアップしないだけで面白かったストーリーは他にもあったので、短いプレイ時間ながら読むところがいっぱい詰まったいい作品だった。
○ご飯
朝:なし。昼:キャベツとブロッコリーとたまごのスープ。キュウリ。トマト。夜:ウインナー、大根、人参、キノコ、トマト、たまごのスープ。冷奴。納豆。バナナヨーグルト。間食:柿の種。チョコ。
○調子
むきゅーはややー。おしごとは、おやすみなりー。
○刑事J.B.ハロルドの事件簿 キス・オブ・マーダー
1987年に発売されたコマンド選択式ADVのSwitch版リメイクを遊んだので感想を書く。
JBハロルドシリーズの第三弾、前々作で事件の本筋とは関係していなかったが印象に残る色気のあるキャラだったサラ・シールズが殺害されるところからストーリーが始まる。
……あれ? 2作目と同じ導入なんだけど? と頭がはてなで埋め尽くされたので少し事前情報を仕入れた。
どうも、3作目というよりは番外編で2作目のマンハッタンレクイエムの素材をそのまま使ったパラレルワールドの作品らしい。
なるほど、パソコンゲーム黎明期ならこういう手法もアリだったのかな? 当時の空気感はいかほどだったのか気になるところだ。
1〜2作目と同じく、ひたすらに聞き込みを繰り返すコマンド総当たり式アドベンチャーゲーム。
とはいえ、前作マンハッタンレクイエムと素材が同じだけど異なるストーリーなので、正直続けて遊ぶと頭が混乱してしんどかった。
その上、今作は輪をかけてストーリーらしいストーリー、謎らしい謎がなく、淡々と自供で話が進んでいく。
加えて、聞き込み相手ではない、ハロルドの仲間と証拠や証言を整理するパートが多い。
聞き込み相手はある程度当たりをつけつつ総当たりするのでそれなりに遊びがあっていいのだけど、仲間との整理は正直脈絡なく本当にただただ総当たりするしかないのが辛い。
さらに後半、聞き込み可能な相手が減ってくると、犯人と会話、仲間と会話、犯人と会話、仲間と会話と。まるで伝言ゲームのように仲間と犯人の間を取り持つことになるのは辟易させられた。
また集めた証拠品も結局関係あるのかないのかよくわからないものが多く、しっくりこない。
まあ、素材を使い回してパラレルワールドの作品を一編作ったことに、制作上のドタバタがあったのだと思うと、30年以上前の作品にあれこれ言うのは野暮なのかもしれない。
しかし、JBハロルドシリーズならではの、ひたすらに聞き込みを繰り返すゲーム性が嫌いなわけではなく、無口なハードボイルド刑事のハロルドのことも好きなので、そういういつもの部分を楽しんだ面もある。
現行のコンシューマゲーム機に移植されているシリーズはここまでだが、プロジェクトEGGなどでパソコンでなら続きも遊べるようなのでまたいつか次作も遊んではみたい。
○ご飯
朝:納豆たまごかけご飯。豚汁。昼:なし。夜:ウインナー、大根、人参、キノコのスープ。きつねうどん。いりたまご。バナナヨーグルト。間食:柿の種。
○調子
むきゅーはややー。おしごとは、おやすみなりー。
1987年に発売されたコマンド選択式ADVのSwitch版リメイクを遊んだので感想を書く。
JBハロルドシリーズの第二弾、前作で事件の本筋とは関係していなかったが印象に残る色気のあるキャラだったサラ・シールズが殺害されるところからストーリーが始まる。
ストーリーの繋がりはこの程度で非常に薄めで、シリーズキャラになる主人公のJBも一人称で述懐するシーンが限りなく少ないため、あらすじが気に入った順にプレイして問題ない。
システムもSwitch移植の際に統一されたのか、ほとんど同じエンジンでガワが変わっているだけな印象。(細かい変化はあるので全く同じわけではない)
そんなわけで前作同様に、ひたすらに聞き込みと現場の捜査を繰り返す足で稼ぐ系のアドベンチャーゲームだ。
とにかくコマンド総当たりで聞き込みを繰り返していき、少しづつ事件の輪郭を浮き彫りにしていく、非常に原始的なアドベンチャーゲームのそれを楽しむことになる。
UI周りはスッキリしていてモタつかないのは流石にリメイクの恩恵がありそうな部分。
今作では何と同姓同名の被害者が3人おり、さらにいづれも同様な飛び降り自殺を行っている、そんな奇妙な謎が開幕早々に提示される。
しかし、この謎はどうも、アドベンチャーゲームとしての総当たりコマンドにおけるコマンド数の省略、すなわち「サラの〜〜」を聞くという形式にすることで3人いるサラJ、サラO、サラNのいづれか3人の質問をまとめる効果を狙ってのもののようだった。
なので、同姓同名が出てきたということは、なんてミステリオタクが先回りしがちなアレやコレや全くなく、正直ただただテキストを読む際に整理しながら読む必要があっただけだった。
とはいえ、ひたすらに聞き込みを行い誰の証言が信用おけるのか、誰を疑うべきなのかを切り分けていく、JBハロルドシリーズの骨子の部分は面白い。
特に意外な人物達が繋がっていくのはこういう聞き込みを繰り返すゲームならではの楽しみだ。
古いアドベンチャーゲームなので、良く言えば媚びていない、悪く言えば味付けが薄い部分も前作同様。
特徴的なキャラ付けも薄いので、登場人物たちを覚えるのに一生懸命だった。
読んでいけば自然と彼らのことが分かっていき、クリアまでにはほぼ全員をしっかりと理解できるのは、何回も何回も聞き込みを繰り返してこそだ。
面白い/面白くないの軸で評価するというよりは、テンポよくテキストを読むのが気持ち良いそんな軸で評価をしたくなる一作だった。
○ご飯
朝:餃子、人参、キノコ、長ネギの鍋。キムチ。たまごおじや。昼:なし。夜:餃子、人参、キノコ、長ネギの鍋。キムチ。たまごおじや。間食:クッキー。
○調子
むきゅーはややー。おしごとは、おやすみなりー。
○ Night of the Crabz ~カニの頭に気をつけろ~
ライターをしている兼城と保村の男女コンビが、インターネットでオカルト系の話題で盛り上がっている旅館に取材に行き、その炎上騒ぎの謎を解くアドベンチャーゲーム。
小粋な掛け合いやネットミームがたっぷり詰まっており、徹底徹尾ネタ要素に全振り。
定価も100円とお安いし、公式サイトもふざけまくっているので、真面目なゲームを期待してはいけないことは明白。
オカルト現象の謎を解くミステリっぽいくだりはあるものの、常にふざけた会話のやり取りを楽しむゲームになっている。
ヒロイン役になる保村も終始ちょけてるふざけたキャラで、パチスロ大好きで仕事中すらアルコールを飲む手が止められないヤバいやつなんだけど、ちょっとエッチなシーンではちゃんとエッチになるところはとても良かった。
(お風呂に入るシーンを描写しつつ、お風呂に入らない系女子が好きな読者に向けた目配りもされており、なるほどと感心した)
主人公の兼城も斜に構えたニヒルなキャラで、ツッコミ役兼ネタの加速要員として会話が楽しかった。
30代ながらインナーカラーで染めた髪の毛の情報や、元カノとの関係値、誰かからもらったアクセサリなどの詳しく語られない情報も次回作への布石っぽさがあって興味深い。
キャラや掛け合い以外のストーリー部分は“バカミス”と言うほどミステリに気配りしているわけでもないので、あまり感想らしい感想もない。
評価は難しいが100円で遊べること、何か大きい作品がのちに控えていることを踏まえると、このタイミングで遊べたことはよかったかも。
○ご飯
朝:なし。昼:ポテチ。夜:ラーメン。チャーハン。キムチ。生中。瓶ビール。間食:アイス。豆菓子。
○調子
むきゅーはややー。おしごとは、おやすみなりー。
○ANGEL WHISPER
1999年のゲームを2023年にフルリメイクしたあノベルゲーム。
フリーのゲームプランナー由島博昭が翌年のノストラダモスの予言を元にしたゲームの開発を依頼されるところから始まる。
色々な諸事情があって短い開発期間限られた人員でのゲーム作成になるが、仲間たちに恵まれ奮闘していく。
そんなお仕事ものっぽい導入だが、これは本当に導入に過ぎず物語がドンドンと転がっていき、壮大な世界設定と共に大河的なストーリーが展開される。
更に、この作品自体を内包するメタ展開、そして2023年にリメイクしたことすらも踏まえたメタ・メタ展開と、最初の印象はどこへやらの大きなストーリーになっていく。
ただ、良くも悪くも、良く言えば啓蒙的、悪く言えば説教臭い、そんな展開になっていく。
勿論、そのようなストーリーが悪いわけではないのだけど、地に足を付いた基盤の描写が薄く、そこの部分の空中戦が続くのはちょっと辟易してしまった。
好みの問題なのはそうなのだけど、1999年と2023年を比較すれば明らかに人類は終末に近づいていると急に断言されても言葉に詰まってしまう。(否定したいわけでも肯定したいわけでもないが)
キャラクタ同士の交流や、市井の人々の有り様を示してこそ、人類の未来みたいな大きな問いが生きてくるのであって、そこを一気に飛ばしてしまうのはちょっと。
ゲームの中で作っているゲームについても、もう少し掘り下げが欲しかった。
それと、割とゲームシステムにはおおらかな方だと思っているが、流石に今作は基本的な部分がイマイチだった。
これは僕の環境問題かもだが、ノベルゲームで処理落ちするのもキツいし、なによりゲームがエラーで強制終了でタイトルに戻されることが短いプレイ時間の中で二回あったのは残念すぎる。
ちょっとシステムでイライラさせられたせいで、ストーリーを正常に評価できていないかもだけど、流石に強制終了は勘弁して欲しかった。
システムセーブすらされていなかったらしく、復旧作業に相当の時間を使わされた。
しかも、このゲームがメタフィクションを扱ってるせいで、そういうトリックなのかと真面目に考えてしまったのも腹立たしい。(スチル絵が表示される良い場面だったし)
今週は嫌な仕事が迫っていて、この土日は休んでいても気が急くような感じで、ゆっくり休めもしなかったし、有意義な何かをすることもできなかった。
仕事からの鬱気分で、桜のもとに出かける気晴らしができなかった。仕事に生かせる勉強もできなかった。
しかし、家で増田なり動画なり無駄に過ごしたこの時間も、鬱な気分に耐えることができたと考えれば、「頑張った」と言えるのだろう。
○ご飯
朝:たまごかけごはん。納豆。豚汁。昼:ニンニクのパスタ。コーンスープ。夜:ニンジンと長ネギとシメジと餃子の鍋。キュウリとモヤシのキムチとチーズのリゾット。間食:チョコ。柿の種。アイスクリーム。
○調子
むきゅーはややー。おしごとは、おやすみりー。
町の平和を守る系探偵ながら不運ばかりの天堂サイガが、路上生活をしている占い師のヒン・レイと出会い、様々な事件に立ち向かっていく短編連作式のノベルゲーム。
探偵、事件、捜査とミステリの要素を使ってはいるが、内容は完全にコメディ。
事件も現実離れした不可思議な怪事件ばかりで、上っ面の推理すらせず、とにかく体当たりで立ち向かうサイガの男らしさを楽しむタイプの作品。
不幸で貧乏なサイガを冷めた目で見るレイだが、時折見せるその漢気にキュンとくるという王道のパッケージをしっかりやり切っており、探偵と助手の関係値を見ると鳴き声を上げながら喜ぶ僕としては最高に楽しめた。
まず何といっても助手役のレイの可愛らしさで、本作の魅力の大半はこの子が占めている。
路上生活から脱するためにサイガに媚びるシーンからスタートするが、早々に立場が逆転して尻に敷く関係が面白い。
そんな関係値自体もさることながら、ビジュアルのルックも素晴らしい。
作中で男性か女性かをボカしているため、どっちの性別とも解釈できるデザインにする必要があるのだが、それが大成功している。
そんなレイの魅力をさらに引き立てるのが、恋のライバル役となる小学生女児のサナギ。
小学生ながら中年男性のサイガのことが大好きでお嫁さんの地位を狙っているサナギちゃん。
しかし、小学生であるため危険な捜査に巻き込みわけにはいかず基本的にはお留守番。
なのでサナギは助手のレイが現場に着いていくことに嫉妬してしまう。
それに対してレイはレイで割と満更でもない雰囲気なのが女性であっても男性であっても、凄く良い関係値で大好きなシーン。
サナギはレイのことを女性と考えているのか男性と考えているのかは定かではないものの、ライバルとして敵視するからこそ、レイとサイガの関係値が際立つ良い恋の鞘当て役だった。
他にも闇社会の凄腕たち、ハッカーでギャルのミルぽん、ドローンの使い手で爺のDG、変装の達人すぎて立ち絵がない謎の人など、魅力的なキャラクタが大勢いる。
特にミルぽんは出番も多いし、優秀の度がすぎてるのが楽しいキャラだった。
やっぱりハッカーキャラは「もうやってる!」って言って欲しいよね。
コメディなので、これらキャラクタが面白いことをするのが基本的な作劇になる。
ステレオタイプが過ぎると批判することも可能かもしれないけど、引用符付きな“普通に面白い”であることも事実なので、僕は好きが圧倒的に優った。
彼らのドタバタをもっと遊びたい、シリーズ化していつもの面々として何作も遊びたくなる良いキャラが揃っていた。
普段は不運で貧乏でダラシなくて頼りないが、どんなデタラメな事件であっても諦めない心の格好良さがたまらないキャラだ。
まあこれを「僕は何歳になっても冴羽リョウテンプレートのことを好きなんだなあ」としみじみ思うのは否定しないが、サイガは女性関係はしっかりしているのが好印象。
これはメーンヒロインのレイの性別が不定だからこその余白感もあるのがニクい。
キャラの魅力を彩る変なことが起こる「祭鳴町」の世界観も、コメディらしい良い世界だった。
開幕早々、明らかに尋常じゃない猫に始まり、巨大水棲生物、人語を介するネズミ、全裸の女性、淫猥な女性と、奇妙な生物をガシッと受け止められる変な町だった。
短編連作なので短いプレイ時間が気にならないし、それでいて縦筋もあってちゃんとフリとオチが決まっているし、スチル絵も豊富だし、キャラクタも可愛いしで、割と文句なしに好きな作品だ。
とはいえ2時間と少しのプレイ時間じゃ物足りないのも事実で、もっと二人が接近するエピソードも読みたいのも本音だ。
なお路上生活を何ヶ月もしていたレイの入浴頻度に関する言及がないことは明確に欠点なので、早急に続編や番外編での言及を求めたいところだ。