プログラマーという人々は、機会があるたびに自分が書いたプログラム・コードを整理する。
日々の追記作業で複雑になってしまったプログラム・コードは、もう近づくのも嫌なほどの、腐臭を漂わせる。
そうなってしまったら、楽しいはずのプログラム作業もイヤイヤやることになってしまう。
だからコードを整理する。この作業は”リファクタリング”とよばれている。
コードを整理することに血道を上げてきたプログラマーの私だが、
しかし自宅のキッチンはほとんど使えていなかった。カレー調理後の脂まみれのシンクに皿が重なっているのをみるたび、「俺ってずぼらだなぁ…」と嘆いていた。
でもある日ふと思いついて、キッチンも”リファクタリング”してみた。
ずぼらの皆さんの役に立つかもしれないので、ここに紹介します。
こういう「なにかをする度に必ず必要になる」そういうコードはプログラマーの世界では”ボイラープレート”と呼ばれて、蛇蝎のごとく嫌われている。
キッチンばさみを使おう。
左右に分割できるタイプが綺麗に洗えて良い。
で、鍋やフライパンの上で、切る。
唯一困るのは、カボチャが切れないことだが、それはカットカボチャを買ってくることで対応する。
玉ねぎのみじん切りは、ちょうどよいサイズの器に適当に割った玉ねぎを入れ、ハサミを突っ込んでメッタメタに切り刻む。
本職のシェフは怒るだろうが、私達はシェフじゃない。プログラマーだ。
三角コーナーはダメだ。三角コーナーは構造が複雑すぎて、綺麗に洗うのがとても面倒くさい。
受け皿のリングに網の袋を取り付けるタイプもダメ。網を取り替えるため常に清潔になるが、網を付ける構造が複雑なので、その作業がいちいち面倒くさい。
ゴミの溜まった網を取り外す→手が汚れる→生ごみの袋にゴミを捨てる→新しい網をとろうとするが…しかし手が汚れてるんだった。洗う?いやちょっとまて、今はシンクに網がついていない。洗うとゴミが吸い込まれていってしまう… ああ面倒くさい。
浅くて、取り外しやすい受け皿に取り替えよう。
深い受け皿はダメだ。あなたは夏の日にぼたもちを受け皿に落として忘れてしまう(一週間後に白くなっている。表面がうごめいている)。
網が張っているものではなく、曲げた板にたくさん穴を開けたもの(パンチングストレーナーという)、を買うといい。
http://item.rakuten.co.jp/a-life2010/sp-208/
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1080401710
ただし、2つ買う。
今使っている受け皿がゴミでいっぱいになったら、それをとり外し、即座にスペアに取り替える。
受け皿のゴミを生ごみの袋に移したら、シンクで受け皿を綺麗に洗う。移しきれなかったゴミは、たった今取り替えた受け皿にキャッチされる。
このサイクルを繰り返すことで、常に清潔なシンクが保たれる。キープ・イット・清潔・シンク。
貯めといた食器を洗う作業が憂鬱だ。
ならば食器洗い機を買うか? …ダメ。高級なのは問題にならないとしても、食器洗い機自体を洗うのが、とても面倒くさ(そうだ)。置く場所も確保しなければならない。
食器を少なくする。
表面がつるつるしたもの、セラミック製やホーローが良い。フォークなどは角ばっていないものが洗いやすい。
そして、それぞれ1つずつしか持たない。
食べるためには必ず洗わないといけないので、食器を洗い場に貯めておくことがなくなる。
鍋を吹きこぼす。するとコンロの周りが致命的に崩壊していく。受け皿が汚れ、コンロ自体が汚れ、コンロを置いとく台も汚れ、更に悪くすると床まで汚してしまう。
放置しておくとカビが生えたり、白くなったりする(うごめく)。
火力が弱いのが難点で、チャーハンを上手く作れないが、マヨネーズを使うことで解決可能(google:チャーハン パラパラ マヨネーズ)。
こびりついた茶しぶが取れない。
洗剤をつけるスポンジの他に、メラミンスポンジを導入する。
水をつけて使う。使うたび、消しゴムのように削れていく。こびりついた汚れにはこのタイプのスポンジを、油汚れには洗剤のスポンジを、と使い分ける。分割統治だ。
ふきんを引っ掛ける、ふきんを取る、のが地味に面倒だ。
引掛けそこなって落としてしまったり、上手く取れなかったりする。
100均で、コードリール式の携帯の充電ケーブルを買ってくる。
こういうやつだ。
http://nhnl.yosshi7777.com/archives/2110/
コネクタ部分を切り落としてキーホルダー用の小型カラビナgoogle:小型カラビナを付け、ふきんに結びつける。
それをキッチンのシンクの上などに付けておいて、皿を洗うタイミングで、引っ張りだす。
洗い終わったら、長めに引っ張って話すと、スルスルと収納されていく。
オーブントースターでちょっとチーズトーストを焼きたい。チーズってあったっけ?あ、ピザ用チーズがあるや。
ずぼらである私達は、シンクでパンの上にチーズを盛ったりしない。オーブントースターの中でやろうとしてしまう。
すると、チーズはバラバラこぼれ、オーブントースターの中に落ち、加熱すると黒鉛を発して炭化する。
そうなるともう、掃除は不可能だ。
レンジとトースターが一体になったものを使う。多少値が張るが、優先すべきは”面倒くさくないこと”だ。
回転台のないものを選ぶとよい。回転テーブルを洗う手間が省略できる。
機能が破綻しそうになる、その”匂い”がする度に、プログラマーはプログラム・コードをリファクタリングするのです。
ずぼらの皆様のキッチンも洗練していくでしょう。
それでずぼらが治ることはありませんが、キッチンの機能を引き出すことができます。それで十分なのです。
そして、ふつうのずぼらの上を行ってください。