はてなキーワード: 王家とは
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◾️2022(ぼちぼち反映中)
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年 | 組 | 作品名 | 備考 |
---|---|---|---|
23 | 花 | 鴛鴦 | •2位 フリューゲル 3票差 •3位 応天 |
22 | 雪 | 蒼穹の昴 | ロマ劇大健闘,ディミトリ |
21 | 月 | 桜嵐記 | •2位 fff 2票差 •ホームズ,バロクロ2票ずつ |
20 | 雪 | ワンス | •2位 ピガール 3票差 •3位 アナスタシア |
19 | 花 | カサノヴァ | 2位 壬生 1票差 |
18 | 花 | ポーの一族 | •ぶっちぎり •2位 MESSIAH |
17 | 雪 | 幕末太陽伝 | •ぶっちぎり •2位 神々の土地 |
16 | 雪 | るろうに剣心 | •断トツ •2位 シェイクスピア •3位 ドンジュアン 僅差 •4位 ローマの休日,桜華 2票 •6位 リンカーン,アーサー王,金色砂漠 1票 |
15 | 雪 | 星逢一夜 | •圧倒的 •ほかルパン三,トプハ,銀ニ貫,キャッチミー |
14 | 雪 | 前田慶次 | 圧倒的 |
年 | 組 | 作品名 | 備考 |
---|---|---|---|
23 | 星 | Le Rouge et le Noir | 2位 ボニクラ |
22 | 宙 | カルトワイン | 冬霞3票差 |
21 | 宙 | 夢千鳥 | ナイワ,プロプロ |
20 | 星 | シラノ・ド・ ベルジュラック | •2位 マスカレードホテル •3位 出島 •4位 壮麗帝 |
19 | 月 | チェ・ゲバラ | 2位 ロクモ |
年 | 組 | 作品名 | 備考 |
---|---|---|---|
23 | 月 | 万華鏡百景色 | •圧倒的 •2位 香水 |
22 | 月 | FULL SWING | •1票差:GC,カプチョと三つ巴 •オデッセイも猛追 |
21 | 雪 星 | シルクロード モアダン | •1票差デリシュー •クービー,ファシネ |
20 | 月 | WELCOME TO TAKARAZUKA | •ダントツ •2位 ダンオリ •Ray,パッションダムール |
19 | 星 | エクレール・ブリアン | ぶっちぎり |
18 | 花 | BEAUTIFUL GARDEN | •2位 ガトボニ 1票差 •3位 BADDY 1票差 |
17 | 宙 | VIVA!FESTA | 2位 SUPER VOYAGER 2票差 |
16 | 雪 | Greatest HITS! | |
15 | 花 | 宝塚幻想曲 |
年 | 組 | 作品名 | 備考 |
---|---|---|---|
23 | 星 | 1789 | •圧倒的(実質本年度ベスト?) •2位 ミーマイ善戦 •3位 うたかた |
22 | 月 | グレートギャツビー | ネバセイ,トプハ |
21 | 星 | ロミジュリ | •川霧 •コルドバ,銀ちゃん同票 •ダルレーク |
20 | 花 | はいから | •ダントツ •エルアルコン,炎のボレロ,赤黒 |
19 | 宙 | オーシャンズ11 | エルベ,はばたけ黄金を抑えて |
18 | 雪 | ファントム | エリザ,WSSを抑えて |
17 | 月 | グランドホテル | 星逢,スカピンを抑えて |
16 | 花 宙 | ME AND MY GIRL エリザベート | 棄権多 |
15 | 該当なし | 王家,ガイズ,新源氏,コルドバが同点 | |
14 | 花 | エリザベート |
年 | 組 | 名 | 対象作品 | 備考 |
---|---|---|---|---|
23 | 星 | 礼真琴 | 1789 | •2位 月城(応天,フリューゲル)2票差 •3位 柚香(うたかた,鴛鴦)1票差 |
22 | 月 | 月城かなと | ロマ劇,ギャツビー | 柚香,彩風と倍近い得票差 |
21 | 雪 | 望海風斗 | fff | •珠城(桜嵐記)2票差 •風間(JAZZ) •芹香,柚香,礼,水美と続く |
20 | 雪 | 望海風斗 | ワンス | •圧倒的 •珠城,礼,柚香 |
19 | 雪 | 望海風斗 | 壬生,20世紀号 | 2位 明日海(カサノヴァ,青薔薇)2票差 3位 轟悠(ゲバラ |
18 | 雪 | 望海風斗 | ファントム,誠の群像 | 2位 明日海(ポー,あかねさす,メサイア)2票差 |
17 | 雪 | 早霧せいな | 幕末,星逢 | 2位 朝夏 2票差 |
16 | 雪 | 早霧せいな | るろう,ローマの休日, ケイレブ | 2位 北翔 2票差 |
15 | 雪 | 早霧せいな | ルパン,星逢 | ぶっちぎり |
14 | 雪 | 壮一帆 | 前田慶次,心中大和路 | 2位 柚希(ナポレオン)1票差 |
年 | 組 | 名 | 対象作品 | 備考 |
---|---|---|---|---|
23 | 星 | 暁千星 | ミーマイ | •2位 和希(双曲線)5票差 •3位 水美(ミーマイ) |
22 | 花 | 柚香光 | トプハ |
年 | 組 | 名 | 対象作品 | 備考 |
---|---|---|---|---|
23 | 花 | 星風まどか | うたかた,鴛鴦 | 次点舞空(1789)2票差 |
22 | 宙 | 潤花 | ハイローほか | 次点舞空(ディミトリ) |
21 | 花 | 星風まどか | コルドバ,バロクロ | •ダントツ •華 •朝月,真彩,美園,天彩(夢千鳥,プロプロ) |
20 | 雪 | 真彩希帆 | ワンス | •2位 星風(アナスタシア)僅差 •3位 華(はいから) •舞空(エルアルコン),朝月(マスカレード) |
19 | 雪 | 真彩希帆 | 20世紀号,壬生 | •2位 仙名(カサノヴァ)1票差 •ほか美園,星風 |
18 | 花 | 仙名彩世 | ポー,あかねさす | 続いて真彩,愛希 |
17 | 雪 | 咲妃みゆ | 幕末,星逢 | 2位 愛希(AFOなど)1票差 |
16 | 雪 | 咲妃みゆ | ローマの休日 | •2位 実咲(エリザ)とバトル •3位 妃海 2人に肉薄 •4位 花乃,愛希 |
15 | 雪 | 咲妃みゆ | 星逢 | 2位 愛希(1789,舞音)2票差 |
14 | 花 | 蘭乃はな | エリザほか | 2位 夢咲と接戦 |
年 | 組 | 名 | 対象作品 | 備考 |
---|---|---|---|---|
23 | 星 | 舞空瞳 | ミーマイ | •2位 夢白(ボニクラ) •3位 星風(二戦) |
22 | 花 | 星風まどか | トプハ |
年 | 組 | 名 | 対象作品 | 備考 |
---|---|---|---|---|
23 | 月 | 鳳月杏 | 応天,フリュ | 和希(ボニクラ)と風間(応天,フリュ)わずかに及ばず |
22 | 雪 | 朝美絢 | 蒼穹ほか | 鳳月杏(ロマ劇,ギャツビー) |
21 | 星 | 愛月ひかる | ロミジュリ死,柳生 | •大きく差をつけて •次点芹香(ホームズ)と鳳月(川霧) •彩凪,瀬戸,千海,永久輝と続く |
20 | 月 | 月城かなと | ピガール | •ダントツ •2位 彩風(ワンス),風間(ピガール) •鳳月(ピガール),芹香(サパ) |
19 | 宙 月 | 芹香斗亜 風間柚乃 | オーシャンズほか ゲバラほか | 3位 華形(鎌足 |
18 | 星 月 | 七海ひろき 風間柚乃 | アナワ,サンファン エリザ,ラスパ | |
17 | 月 | 美弥るりか | グラホ | •断トツ •2位 愛月(神々 |
16 | 宙 | 真風涼帆 | エリザ | •大差 •2位 美城(桜華 •ほか紅(こうもり,桜華)月城(るろう) |
15 | 雪 | 望海風斗 | 星逢,ルパン三 | 2位 夢乃(ルパン三 |
14 | 専 | 北翔海莉 | エリザほか | 2位 緒月(翼ある人々,白夜の誓い)1票差 |
年 | 組 | 名 | 対象作品 | 備考 |
---|---|---|---|---|
23 | 星 | 有沙瞳 | 1789,赤黒 | •2位 極美(ミーマイ) •3位 真白(Xcalibur) |
22 | 花 | 音くり寿 | トプハ | 一樹(蒼穹) |
21 | 花 | 音くり寿 | バロクロ,コルドバ | •有沙(ロミジュリ,柳生) •凪七(アウグス),白妙(柳生),留衣(プロプロ),彩(CH)同票 •鞠花(ナイワ) |
20 | 宙 | 和希そら | アナスタシア | •2位 朝美(ワンス)僅差 •3位 音(マスカレード) |
19 | 花 | 鳳月杏 | カサノヴァ | |
18 | 宙 | 和希そら | WSS | 2位 憧花 1票差 |
17 | 月 | 白雪さち花 | 瑠璃色 | 2位 舞咲(幕末)1票差 |
16 | 月 | 美弥るりか | アーサー王 | •大差 •ほかミーマイの仙名,桜咲 鳳月も |
15 | 宙 | 純矢ちとせ | トプハ,相続人肖像 | ほか妃海(黒豹)大湖(星逢ほか)悠真(アーネスト) |
14 | 宙 | 純矢ちとせ | SANCTUARYほか |
年 | 組 | 名 | 対象作品 | 備考 |
---|---|---|---|---|
23 | 花 | 天城れいん | 鴛鴦 | •混戦 •2位 瑠皇(フリュ) •3位 稀惺(1789) |
22 | 月 | 彩海せら | ギャツビー | •次点礼華(ロマ劇) •華世(蒼穹)は対象外 •藍羽(ディミトリ)3票 |
21 | 星 雪 | 天飛華音 華世京 | 柳生,マノン ほんまほ | 山吹(夢千鳥),星空(銀ちゃん),亜音(ホームズ) |
20 | 雪 | 諏訪さき | ワンス | 夢白(サパ),天飛(エルアルコン),有栖(パッションダムール),桜庭 |
19 | 雪 | 彩海せら | 壬生 | 2位 英かおと |
18 | 花 | 聖乃あすか | ポー,メサイア | •2位 縣 1票差 •ほか夢白,潤花 |
17 | 月 | 風間柚乃 | グラホ,AFO | •2位 極慎(ベルリン •ほか蓮つかさ,飛龍 |
16 | 雪 | 永久輝せあ | るろう,ケイレブ | •2位 彩みちる(るろう,ドンジュアン •3位 天華,綺城 •5位 瑠風 •娘役では星風 |
15 | 花 | 水美舞斗 | カリスタ,新源氏物語 | •永久輝(ルパン三)桜木(相続人肖像)を抑えて •ほか真彩,星風,彩みちる |
14 | 雪 | 月城かなと | 前田慶次ほか | •圧倒的 •朝美(PUCK)桜木(白夜の誓い)有沙(前田慶次,伯爵令嬢) |
年 | 組 | 名 | 対象作品 | 備考 |
---|---|---|---|---|
23 | 星 | 礼真琴 | •2位 美穂 •3位 真白 | |
22 | 星 | 礼真琴 | ディミトリほか | 留依(ネバセイ)健闘 |
21 | 雪 | 望海風斗 | fff | •ダントツ •真彩 •羽龍(JAZZ)のみ |
20 | 雪 | 望海風斗 | ワンス | 他は礼に3票だけ |
19 | 雪 | 望海風斗 | 20世紀号,壬生 | 2位 礼(ロクモ)わずかに及ばず |
18 | 雪 | 望海風斗 | ファントム | |
17 | 雪 | 望海風斗 | ひかりふる | |
16 | 雪 | 望海風斗 | ドンジュアン | •断トツ •2位 北翔(こうもり,桜華 •娘役では美穂(シェイクスピア)が最高得票 |
15 | 雪 | 望海風斗 | アルカポネほか | ほか龍(1789)朝夏(王家)美穂(カリスタ |
年 | 組 | 名 | 対象作品 | 備考 |
---|---|---|---|---|
23 | 花 | 柚香光 | BE SHINING | |
22 | 花 | 柚香光 | トプハほか | 文句なし |
21 | 花 | 柚香光 | ファシネほか | •ダントツ •礼(ロミジュリ) •舞空,水美,和希同票 |
20 | 花 | 柚香光 | ダンオリ | •2位 礼(Ray)1票差 •3位 水美(ダンオリ) |
19 | 花 | 水美舞斗 | ドリーム・オン!など | エクレアなどの礼らをしのいで |
18 | 花 | 水美舞斗 | セニョール クルゼイロ | |
17 | 月 | 愛希れいか | グラホ,AFOほか | |
16 | 月 | 愛希れいか | Forever LOVE | 2位 朝夏(ホッタイ |
15 | 月 | 愛希れいか | GOLDEN JAZZ | 圧倒的 |
「俺の命令に従え!!すべてのユミルの民から生殖能力を奪えと言っているんだ!!今すぐやれ!!ユミル!!」
ジークは叫んだ。
「俺は王家の血を引く者だ!!」
ジークが最後に目にしたのは、涙する始祖ユミルと、それを支えるエレンだった。次の瞬間、すべてが暗転した。
いかなる原理によるものか。宇宙は真空の量子揺らぎからインフレーションにより生じたものだと言う。ある世界線の内部を往来するうち、量子的に絡みあう複数の世界線が混線した。そして、ジークは他の世界線へと転落した…
◇
店舗と住居を兼ねる北沢精肉店の二階で、はぐみの兄は目を覚ました。
はぐみの兄はボリボリと頭を掻き、寝惚け眼で放心した。朝日がその横顔を照らしている。大学の講義もなく、朝の身支度をする必要がなかった。
しばらくして、はぐみの兄は股間をまさぐり、やがて絶叫した。
「た、勃たなくなってるーッ!」
「《うるさいな…》」
マーレ語で言ったが、はぐみの兄には通じなかった。
(《ここは…ヒィズル国か?俺は始祖ユミルといたはずだが、どうしてここにいるんだ?あれからどうなったんだ?ユミルの民から生殖能力を奪うことはできたのか?》)
「うわーッ!裸にジーパンの髭のオッサンが、俺の部屋にーッ!」
地上から、商店街を走る自転車のチリンチリンというベルの音が聞こえていた。
◇
「あたしがもう一人!?どういうことだ!?しかもなんか胸がデケェし!」
「うるせー!胸のことは言うんじゃねー!」
「うわー、有咲が二人!これで次の定期試験は楽勝だね!」
「はァ…もう一人の私、声が大きくて苦手かも」
二人の香澄が声を出すと、二人の有咲はさっとそれぞれの香澄の背後に回った。異なる香澄とはいえ、対人恐怖症は拭えないらしい。
「これがもう一人の自分っスか。正直、信じたくないっス…」
一人のたえの泰然とした様子に、もう一人のたえは肩を落とした。
「いったい何が起きたんだろうね。うち、すこし怖いかも。あ、関西弁が出ちゃった!」
りみがわざとらしく怖がる。が、混乱の最中にあって誰も反応しなかった。
「うわー。ポピパはまた大変なことになってるね」
流星堂の門内を覗いたリサが大げさに言う。おどけた態度と裏腹に、表情に疲労が滲んでいた。
胸が大きいほうの有咲が尋ねる。もう一人の有咲はリサと面識がないため、対人恐怖症を発揮しオドオドとしていた。
「アタシの弟ってことみたい。気づいたらいたんだ。どうにも、ポピパでも似たようなことが起きているみたいだね」
「でもリサさん、いくらガキとはいえ、知らない異性が家にいるのはキツくないですか?」
リサはすばやく片目で瞬きした。
「え?《年下の少年に性的な目で見られて気持ち悪いけど、それを口にして傷つけるほどでもないし、気付かないフリをしている》?リサさんすげー!一瞬のアイコンタクトでこれだけの情報を伝えてきた!」
有咲は感嘆した。一方、リサの弟はリサの本音を暴露されてショックを受けていた。
「でも、異常は人が増えたり現れたりしていることだけじゃないみたいよ」
「あッ、紗夜さん!助けてください!」
「待ってください、紗夜さん!助けるなら私を!」
日菜の両脇につぐみが一人ずつ抱えられていた。
「は、羽沢さんが二人…」
「アハハ。面白いよね。こっちのつぐちゃんはおっぱいがちょっと大きくてー、こっちのつぐちゃんはまっ平らなんだ」
「また人が増えた…それで白鷺先輩、他の異常ってなんですか」
「それはオメデタ…じゃないですよね。ピルを飲んだりとかしたんですか?」
「そうね。昨日までは普通に生理は来てたのよ。それで、この異常でしょう。気になってスタッフさんたちや知人に尋ねてみたら、やはり急に生理がとまった人がいたのよ。というより、生理という現象がなくなったというほうが自然ね。個人的にはありがたいけれど…」
「花音たちにも同じような異常が起きているみたいなの。ここに呼ぶわね」
◇
「見て見て。この人、はぐみのお姉ちゃんなんだ。はぐみ、ずっとお姉ちゃんがほしかったから嬉しい!」
紗夜は口元に手を当てた。
「つまり、今現在わかる異常はこのようになるでしょうか。第一に、異なる可能性の同一人物が同時に存在している。第二に、存在しないはずの兄弟姉妹が存在している。第三に、広い範囲で人々の生殖能力が停止している」
「第二の異常が重要だと思うな。もし第二の異常が第一の異常と同じ原因なら、第三の異常は独立した問題ってことになるもん。ただ、第二の異常が第一と第三、それぞれの異常と同じ原因のものが混ざってるってこともありえるけどねー」
日菜が紗夜の分析をすばやく補足した。
「でも本当、どうしたらいいだろうねー。もう一人の私に学校に行ってもらって、私たちはバンドの練習しよっか。あ、でもさーやはもう一人のさーやが夜学らしいから、どのみち二人とも学校に行かなきゃ!」
「うー。やっぱり、この私は苦手だ…」
暗いほうの香澄がため息をつく。
そのとき、怒声が聞こえた。
「待てー!モカ!」
一同が路上に出ると、上半身が裸でジーパンを履いた髭男が走ってきた。その後ろをモカが追っていて、時折ふり返りつつ、石を投げている。
大学生らしい青年と、Afterglowのメンバーが二人を追っていた。
「あッ、はぐみ」
「兄ちゃん!」
一同は髭男を見た。
モカが鬼気迫る表情で叫ぶ。
「よくわからないけど、あの男、友希那のお父さんと同じ雰囲気がする!自堕落で無責任無能力だけど、ときどき妙な行動力を発揮して周囲に大きな迷惑をかけるタイプだよ!」
友希那は表情に微妙なショックを浮かべた。
「はァはァ…ヒィズル国の言葉が通じて協力者を得ることができたのはいいが、そのために敵もできてしまったな。まあいい…どういうわけか、いまの俺は《始祖の巨人》の力を手にしているのだからな。舞台は変わったが、計画は続行する!このまま、この世界のすべての住民の生殖能力を剥奪する!」
「そんなこといいわけないでしょ!モカ、なんでそんな気持ち悪いオジさんに手助けするの!もうあたしの『ゼクシィ』貸さないよ!」
「そうだぞ、モカ!人間は守るべき家族をもって一人前だろうが!そして自分を産んで育ててくれた親と町、国に感謝だ!ソイヤぁ!」
ひまりと巴が問詰する。
「ごめーん。でも、モカちゃんもう決めたから。あたしたちが最後の人類になるの。それで、これまでのすべての人類の屍の上に、あたしと蘭だけが生きのこるんだ。それって素敵じゃない?」
蘭は甲高い声をあげた。
「はァ!?意味わかんないよ!なに言ってんの、モカ!?っていうか、気持ち悪いよ…」
「蘭にはわからないだろうね。けど、あたし、もう蘭の背中を追いかけるのは疲れちゃったよ…」
微笑するモカの目は、涙に濡れて見えた。
「あたしたちはみんな、生まれてこなければ幸せだったんだよ。音楽はコンプレックスからはじまる。ここにいるみんなも、生まれてこなければ良かったって思ったことが絶対あるよね!?それが正解なんだよ!もう、そんな過ちをくり返しちゃいけない。全部ここで終わらせるんだ」
千聖が輪のなかに踏みだした。麻弥はハッとした。思索的で感受性の高い麻弥には、千聖がモカの言葉に共感したことがわかっていた。
千聖はポツリと言った。
「私の人生に、いいことはほとんどなかったわ」全員が千聖に注視する。「思いだすことのできる最初の記憶は、母に子役として振舞うことを無理強いされたときのものよ。私は母に褒めてもらいたくて、必死に努力したわ。けど、母が私を肯定してくれることはなかった…努力の過程だけが残って、私は自尊心ばかり高い、空っぽな人間になった。それが向上心という形で、攻撃的にあらわれてしまうこともあったわ。パスパレのみんなと知りあって、ようやくそんな自分を変えることができた。けど、たしかに生まれてこないほうが良かったと言われれば、それを否定することはできないわ」
彩が目に涙を浮かべる。
「けれど、たしかに言えるのは、自分の人生が悪かったという理由で、他人の生殖能力を奪うような自分は、生まれてきたことよりもなお悪いと言うことよ!」
千聖は啖呵を切った。
「千聖さん!」
Pastel*Palettesのメンバーが抱きつく。
「千聖さんの言うとおりです!モカさん、あなたは大和撫子の風上にもおけません!子孫繁栄、富国強兵。ブシドー!天誅です!」
「あんたたち、こっち!」
胸が小さいほうの有咲が声をかける。門内を示され、モカとジークはすばやく駆けこんだ。二人が入ると、有咲は鍵をかけた。
「何やってんだ、お前ーッ!」
胸が大きいほうの有咲が怒鳴る。しかし、有咲は鍵を握りしめて離さなかった。
「ごめんね。でも、私、どうしても生まれてきたほうが良かったと思えない…!」
有咲はその場に座りこんだ。膝に顔をうずめ、しばらくすると嗚咽が聞こえてきた。
「有咲…」
暗いほうの香澄が呟く。有咲の苦しみを知っている香澄は、その言葉を軽々に否定できなかった。
そのとき、いくつかの弦の音が聞こえた。
うるさいほうの香澄がランダムスターを手に、歌を口ずさんでいた。
有咲が顔をあげる。香澄の歌は次第に勢いを強めていった。『Returns』。はじめに合唱に加わったのは、もう一人の香澄だった。有咲、二人のたえと、次々と合唱に加わった。
「あったかもしれない未来のことー、なかったかもしれない過去のことォー!自分の姿を鏡に映し、キミは誰なのと、問いかけてみたァー!」
やがて、Poppin’Partyの全員が合唱した。有咲は涙を拭い、門の鍵を開けた。
「《チッ、使えないヤツだ…》」
「俺の《安楽死計画》はまだ生まれてこない子供を対象にしたものだ。いま生きているものを犠牲にすることは避けたかったが、仕方ない…始末させてもらう!」
ジークは自分の腕を噛み千切った。一瞬であたり一面が蒸気と熱気に包まれた。
◇
「おいおい。人間が増えたり減ったりする怪奇現象が起きてるって言うから、取材に来てみりゃよォ…またこの姿になるとはな」
有咲は怖々と目を開いた。触手で全身が構成された巨人が有咲たち全員を蒸気と熱気から守っていた。
気付くと、ラフな服装の女性と、テレビカメラにハンチング帽の男性が傍らにいた。
「私は映像制作会社でADをしている市川と言います。こっちはカメラマンの田代です。えーと、あと、あの大きいのがディレクターの工藤です」
市川は苦々しそうな表情をした。
巨大化した工藤は、類人猿のように見える巨人をとり押さえていた。
「俺も業界にいて長いからよォ。てめェみたいなツラのヤツはよく知ってるぜ。おめェらみてェなヤツはよ、いろいろもっともらしい理屈を捏ねるけど、要は部屋に引きこもって一人で◯◯◯◯してるのがお似合いなんだよ!」
「う…」
「ハハハハ!わかっていないようだな。格闘戦で俺に勝とうが、なんの意味もないということが。俺は《始祖の巨人》の力を手にした。それは、この世界のすべての生物を操作できるということだ!はじめからお前らに勝目はないんだよ!もうお前らの体を直接、操作して全員、絶滅させてやる!」
その場の全員が硬直した。
「もし、いまの俺を倒せるとしたら、直接、因果律に介入できるヤツだけだ!ハハハハ!」
「呼んだか?」
空中に亀裂が走った。裂開したなかから、冴えない中年男性が出てきた。背中に制服姿の少女を乗せている。
「よッ、白石君。助けに来たで。おっと。いけない、田代君やったな」
「助太刀にきたでござる。ニンニン」
「りみ!」
「知っとるか?高圧鍋や圧力釜なんかは、威力の高い爆弾の材料になるんやで。つまり、炊飯器はええ爆弾の材料になるんや。ゆうても、炊飯器がなんなのかわからんやろうけどな」
「まさかうちの炊飯器をこんなことに使うとは思わんかったわ。まあええわ。みんなを助けられるんならな。御免」
「《や、やめろおおおお!》」
ジークはマーレ語で絶叫したが、その言葉を理解できるものはいなかった。
全身に火傷を負い、四肢の断裂したジークを中年男性は担ぎあげた。
「お前はアッチの世界に連れていくわ。案外、お前みたいなヤツにはアッチの世界のほうが居心地がええかもな」
ふたたび、りみと裂開のなかに飛びこむ。その間際に言った。「もろもろの因果律も俺が修復しとくから、まあ安心しといてな。じゃ、またな、白石君」
「江野さん…」
田代が呆然と呟く。しかし、その声を聞くものはもういなかった。
◇
「モカ…」
蘭は涙を流して放心するモカの肩を抱いた。しかし、モカがその声に応えることはなかった。
リサやはぐみは、つかの間の兄弟姉妹と別れを告げた。千聖は生理が復活して沈鬱な表情をしていた。
二人の有咲が対面する。胸の小さいほうの有咲が言った。
「いろいろ、迷惑をかけて悪かったな」
有咲たちは同時に笑った。
「いろいろあったけどさ、あたしはちがう可能性のあたしを見て、なんだかんだ、いまの自分が好きなんだってわかったよ。…ありがとな」
「お前はもう一人のあたしだ。すこしでも運命の歯車がズレてたら、あたしもお前みたいになっていたかもしんねー。いまのあたしのことも、すべて受けいれられるわけじゃねーし。だから、お前を助けられたなら良かったよ」
「お前も…サンキュ」
「うー。有咲がいなくなって寂しくなるよ」
「お前にはあたしがいるだろうが!」
この世界の有咲が叫ぶ。
「えッ、有咲…?」
「うるせー!いまのはなし!」
「有咲ー!」
香澄は有咲に抱きついた。そうしているうち、ちがう世界の住民たちはいなくなっていた。
「離せ!妊娠したらどうすんだ!」
「なに変なことを言ってるの、有咲ァ」
「あれ?本当だ。どうしてそう思ったんだ?」
(終)
ネット上でホストファンタジーなどといろいろと悪評を聞くが、自分でやってみないとなぁと思ったので。
ちなみに買ったのはロイヤルバージョンで、1年前に買っていたが、どうにもやる気がでず、1年間寝かせていた。
最近やった他のゲームはアストラルチェイン、FF9、カップヘッドなど。
先に結論を書くと、FF15は80点くらいの作品で、決して悪い出来ではない。良い部分があるが、粗削りな部分があるといった評価とも異なる。
むしろウェルメイドであり、ゲームとしてウェルメイドでありながら、圧倒的なセンスの悪さが、FF15を怪作たらしめていると思う。
先に悪い部分を書こう。
ほぼ前情報なしでプレイしたので、作品オープニングでタイトルとともに、Stand by meが流れたときは、センスの悪さに鳥肌が立った。
自分に忍耐がなければ、電源を落としていただろう。それくらい、21世紀のこの時代にStand by meは気持ちが悪かった。
旅がテーマ、男4人の旅というのは知っていたが、だとしてもだ。
ホストファンタジーという揶揄からもわかる通り、キャラクターは大不評のようだ。
自分は野村ファンタジーにはそれなりの耐性があるものの、全員黒い衣装ってどうなの?とは思う。
あと車の乗り方。ヤンキーか。
終始、画面がシュールな笑いに包まれるのだが、製作者がこの笑いを意図したものなのか、天然なのかがわからず、笑っていいのかどうかよくわからない。
口調は主人公のみ気になったが、それ以外のキャラクターは特に気にならなかった。
100万回くらい言われているのだろうが、駆け足&説明不足。しかし、この原因はあとで考察する。
ファンタジーなのか現代なのかはっきりしてほしい。道路は異常に整備されているが、車の数は少ない。
誰がどういう目的であんなに道路を整備したのか。車は一般人でももてるのか、特権階級だけなのか。
帝国はなぜ空から襲ってくるのか。道路に非常線を張れば、一発で主人公を捕らえられるのにバカなのか。
良い部分
オープンワールドゲームとしてよくできていると思う。地形も良いし、世界もそれなりに広い。
仲間とのパーティがあるオープンワールドゲーとしてはよくできていると思う。特にチョコボの出来が非常に良い。
チョコボに乗って初めて、やっとFF15やってよかったと思った。それまでは苦行だった。
車は、道路を走っているだけなので、個人的にはあんまり良さは感じなかったが、人によっては、あのドライブしている感じを楽しめたのではないかと思う。
オープンワールドゲーでは終始走り続けないといけないので、そこに車によるオートドライブというのは新しい世界の魅せ方だったと思う。
アクションゲームとしても良くできている。特筆すべきものがあるわけではないが、やっていて気持ちよさは感じるのでよかった。
さて、FF15はゲーム部分としてはよくできていて、ストーリー部分は終わっていて、演出とセンスが壊滅的であると書いた。
その理由はFF15のオープンワールド化とこれまでのFFのギャップにあると思う。
基本的にはFFはストーリードリブンのRPGと見做されていた。FF13が一本道とバカにされたように、FFはこれまでストーリーを語ってきた。
そのため、FF15でもストーリーを語りたい、クリスタルや帝国、王家、召喚獣が出てきて、いろいろやりたいという欲望が製作陣にあった。
一方で、オープンワールドゲームはストーリーを語るのに、あまり向かない。または、現状でストーリーを語るうまいフォーマットが生まれていない。
ゼルダBotWでも、かなりストーリー部分は淡々としていた(ゼルダは基本淡々としているが)
オープンワールドでは、どうしても小さなクエストを回りながら、大きなストーリーを進めていくというプレイスタイルになる。
世界には小さな、しかし大量の点としてのクエストがあり、そこを自由にまわりながら、その世界を楽しむことがオープンワールドの面白さなので、
ゼルダであれ、ホライゾンゼロドーンであれ、Falloutであれ、大きなストーリーは、主人公個人の動機に依存する物語で、世界を救う動機ではない。
一方で、FF15の場合は、国と国の間の大きな物語を語ろうとしてしまっている。つまり、従来の線としてのストーリーだ。
すると、この王子は親父が殺されて、国が崩壊しており、もしかすると自国民が路頭に迷うかもしれないのに、ふらふら旅をしているお馬鹿さんになってしまう。
国が滅んでいるのに、シドニーに頼まれて、ワックスを取りに行ってしまう。それ、やる必要ある?とプレイヤーは突っ込んでしまう。
結果として、オープンワールドゲーの楽しさである回り道が、ストーリーにとっての罪悪感を生んでしまい、
どちらを重視するプレイヤーにとってもしっくりこないプレイスタイルをつくってしまっている。これがFF15のゲームとして見たときの一番の欠点である。
もちろんキャラクターが気に入らない、ファッションが気に入らないという感想はあるかもしれないが、
上記のオープンワールドと大きな物語の矛盾こそがFF15を怪作としているところだ。
ノクティスと仲間たちは、戦争孤児で、シドが引き取って育てていた。つまり、ただの村人である。
ノクティスが18歳になったときに、一般人では手に入れることが不可能な高級な車が見ず知らずの人間から送られてきた。
そこには、こう書かれている。「世界を見よ。そして、自分が何者かを知れ」
ノクティスはこれを機に旅に出ることにする。
グラディオラスが言った「おまえ一人では心配だ。用心棒がいるだろう?」
4人の旅が始まる。
旅の途中で、ノクティスは謎の力を手に入れることになる。
その力をめぐって、帝国軍とやりあうことになり、帝国に追われることになる。
たまには幼馴染のシドニーのところに戻って、車を修理したり、彼女のお願いを聞いてあげる。
世界を少しずつ回るにつれて、帝国とルシス王国の争いに、巻き込まれていくこととなる。
おそらくこういう導入の仕方の方が、すんなりと世界に入れたのではないかと思う。
FF15はとにかく惜しい作品なんだけど、インディーゲーや小さいメーカーがつくったゲームと異なり、
開発期間がもう少しあれば、開発資金がもう少しあれば、といった話で解決されるものではまったくなく、
このゲームをどういうゲームにしたかったのかが不明確で、昨今のスクエニのディレクターをやれる人が少なくなってきているのを如実に表していそうだ。
進撃の巨人無料公開が終了しましたね。最新話では急展開ばかりで次回どうなるか全くわからない状態です。
さて、エレンの首は飛ばされましたがおそらくジークと同じ感じで推定始祖ユミルに体をこねこねして作ってもらうのでしょう。ここで死んでもらっちゃ困る。
しかし、巨人は明らかに無から物体を創造しています。単なるそういうスーパー能力だよで考えていいものなのでしょうか? ここで一つ考察をぶち上げます。
漫画ジャンル変わってるじゃねーか! という話ですが今更です。ここからもう一回変わっても大して変わりはありません。
所で、作者諫山創先生がこう言っていたことは覚えているでしょうか?
オマージュだろいい加減にしろと言われ続けてきましたがしかしパクリというにはマブラヴ要素は少ないように見えます。まあ世界観的には似ている部分はあるのですが……
ここで思いっきりパクってみましょう。実は巨人は元々宇宙人の端末だったのです!
今まで戦ってきた敵、「BETA」。その正体はケイ素生物が辺境の星を開拓するために送りこまれた炭素生命体の端末だったのです。
そうして主人公はそのケイ素生物に話をしに行き、マジで炭素生命体で意思持ったのいたの? 知らんかったわメンゴメンゴで話は解決ハッピーエンドとなります。
巨人が宇宙生物の端末だったとすると、これならパクリと言っても過言ではありませんね。訴えられるレベルです。
……パクリパクリいって馬鹿にしてんじゃねーという話ですがこう言うにはもう少し大きなちゃんとした理由があります。
これは有名な説ですね。進撃の巨人ファンならあの絵を覚えているでしょう。左に大きな悪魔のような巨人が描かれ左に小さな女の子がリンゴを持っている絵を……
そこでヒストリアがクリスタという名前を絵本から取ったという話があったはずです。心優しい女の子クリスタが大きな巨人と向き合っている絵……これはさっきの絵と無関係ではないでしょう。
そして母親は左の女の子を指さしています。これは左の女の子こそがクリスタという事にならないでしょうか?
この話で言えば左の巨人は始祖ユミルです。そう、元々ユミルの民は巨人だったのです——
そう、宇宙です。……自然に沸いて出てきたよりかはましじゃあありません?
別にそこに理屈をつける必要はないんじゃないかという方もいるでしょうが、これはあれです。何でもかんでも理屈をつけてみたら面白いんじゃないか?という過程の話です。
「始祖ユミルとは、初めて有機生物の起源と出会った少女である。」
あの絵は宇宙から来た巨人がその星の有機生物の起源と出会った瞬間だったのです。これならわざわざ「有機」とつける意味も分かります。
これ、先ほど言ったマブラヴの展開と被りませんか?
何でもかんでも理屈をつけようとすると、こちらが問題になってきます。なによあのリンゴ。
普通に考えたら知恵の実ですがどっからそんなの出てきたのよって話になります。
一つ考えられることとして無垢の巨人が知性巨人の人間を食べたら巨人の能力が継承されますね? あれと同じように、始祖ユミルがクリスタを食べる事で知性を獲得した、と考えることができます。
しかし無垢の巨人が普通の人間を食べても消化できず吐き出すだけで終わるはずです。どうしてクリスタはそんな特別何だという話になるのでこれはあまりいい考察とは言えません。
ここで一つ話を変えましょう。ユミルの民は始祖ユミルの血を引いた人間ですよね? 王家も始祖ユミルの血を引いた人間ですね? しかしこの二つははっきりと出来ることに違いがあります。
また、王家の血を持つ人間は巨人の力でユミルの民の記憶を改ざんすることができます。
これを先ほどの「ユミルの民とは巨人だった」に当てはめてみると――さらに、マブラヴもパクってみましょう。
BETAには頭脳級とよばれるものがあり、こちらに従っています。BETA個々に意思はなく、上位存在に付き従ってるわけです。(合ってるよね? 間違ってたら無視してくれ)
ここで話をまとめてみましょう。
元々巨人は宇宙人の開発用端末として星に落とされました。そこで開発を進めていたわけですが、(なんかちょっと奴隷っぽいですね、進撃の巨人のテーマに合います)ある日有機生物の起源――人間に出会います。
開発用端末である巨人には未知の物でしたが、その人間クリスタは心優しい少女で、巨人に対して優しく接します。
ここで、脳みそであるユミルは気づくわけです。自分はこんな人間のいる世界を開発と言って壊してきたんだ。(もしかしたら殺していたのかも)それを後悔します。
また、いろいろな娯楽にも出会ったのかもしれません。そこで、自分たちは何かの奴隷としてひたすら働かされていたことに気づくわけです。
そうしてユミルは人間になりたい、と思ったのでしょう。自分を含めすべての巨人を人間にしたのです――
……うーん妄想も甚だしい。なんだよ心優しい少女に出会って人間になりたいと思ったって。
ただ、人間になることで奴隷から解放された、というのはテーマに沿っているのではないでしょうか?
マブラヴのパクリという話からもつながります。マブラヴでは炭素生命体は人間を生命と認識できず障害として排除します。こうして戦いが始まるわけです。
しかし巨人は人間を生命と認識し、それになりたいと願ったのです。つまり進撃の巨人とは、マブラヴの終わりから始まる物語だったのではないでしょうか?
……どっちかっつーとガンダム00だこれ
うーん特にないっすねこれ……これでエレンが最終的に何をするか考えられるんじゃないかと思いましたが全然そんなことないですね。
これだと自由だった昔に戻るという意味で「すべてのユミルの民を無垢の巨人にする」がオチになりそうで……最終回のコマと繋がんないんですよね。
まあでもなんかの考察の助けになればなーと
俺はずっとマンガ「キングダム」を歴史スペクタクルマンガだと思っていたが、違った。
地元、都道府県、そして全国の高校のやべーやつらと戦って、全国制覇を目指す。キングダムのフォーマットはそれだ。
だからオリキャラ、史実キャラ問わず量産型なやばいやつが途切れることなく出てくる。「秦六将」とか「三大天」とか「魏火竜」とかは「〇〇高校四天王」みたいな感じだし。
と言うわけで自分の中で整理はついた。
それと同時に、寝る前とかに妄想してた「俺のキングダム」が先日無事始皇帝が死に、次世代の英雄たちが顔見せして終わったので、俺の中のキングダムをここに書いて残しておきたい。
いやー、項燕は強敵でしたね…。
この3つだ。
この3つを経糸に、キャラクターを緯糸にしてストーリーが紡がれていく。歴史スペクタクルとしては標準的な形だ。
そして、主人公の信はこの3つの舞台全てにかかわっているという、まさに主人公らしい立ち位置にいる。
そして、それぞれの舞台で魅力的な人物が多数いるので、何をどうやっても面白くならないわけがないのがキングダムの魅力だ。
それを一つずつ解決して、信と政がどんどん力をつけていく。この3つの舞台を上手く使えば、「有名人=とりあえずめっちゃ強い」というヤンキーマンガ的文法から脱することも容易だ。
ヤンキーマンガを揶揄しているわけではなく、歴史を描くのにヤンキーマンガスタイルは合わない、と言うことだ。
さらに、3つの舞台それぞれにラスボスとなる人物が存在することも非常に大きい。
原版の「キングダム」でもこの宮中編は極めて面白い。特に弟の2度の反乱のストーリーは素晴らしい。弟君には生きてほしかったぞ…!壁さんはそんなに…。
後宮のドロドロとした問題が、回りまわって政治の問題となり、そして戦争に至るという、ある意味で「全ての元凶」であることもポイントだ。
そして、そのど真ん中に秦王・政がいるわけで、のちの始皇帝となる彼の胸中にもスポットライトが当たる。ともすれば闇に飲まれる政を救うのが信であり、テンであり、向ちゃん陽ちゃんである。
特に信は様々な事件で後宮に切り込んだことのある人物なので、後宮と言う閉鎖された環境を大きく振り回す役目も持っている。
そして、政治や戦場という表舞台には出てこない、もう見た目からしてヤバい奴らが出てこれるのもこの宮中編だ。
ベルセルクのバーキラカ編がめっちゃ面白かったように、キングダムの宮中編も面白いのだ。ここぞとばかりに妖術!仙術!奇々怪々!な人外どもの共演が魅力だ。
そして、この宮中編で出会ったキョウカイと戦場編、そして政治編を共にしていくという、まさに「裏から表舞台に、闇から光にぐいぐい引っ張り上げていく」信というキャラの魅力も存分に楽しめる。
テンは軍師としてではなく、この後宮における諜報活動をメインの舞台にして、趙高と対決しつつ、対外的には山の民との折衝を、内に対しては暗殺者たちの警戒を、そして信が戦場に行っている間の領地経営などをすれば、「テンにしかできないこと」によって信や政をサポートできる。
キングダム世界の最強の暗殺者として描写される荊軻は、政、信、テン、キョウカイと物理的に対決することができる貴重な存在だし、中国史上最も有名な暗殺者(だと思う)で、しかも人格は高潔。また「傍若無人」の語源にもなった男として(語源は結構いい意味)、知名度もエピソード的にも隙がない。
理想のためには己の手を汚す、歴史に汚名を残しても構わないという政に向かって、「そうはいってもお前がやっていることは中華全土の民を苦しめる行為である」と喝破できる暗殺者。荊軻こそ宮中編ラスボス。
ここに至り、政や信はルァァ!ではなく、筋として、現実的な回答としての「善い国」を目指さねばならなくなる。そして、史実では成功したとは言えない始皇帝の各種改革の意義も、きちんと読者に提示することができよう。
荊軻とキョウカイの戦いはワレブシンなどとは格の違う激戦が展開される。
闇を心に宿す聖王である政と、光を心に宿す暗殺者の荊軻という対比もいい。
荊軻がどのような最期を迎えても、読者に強烈な印象を持たせられるはずだ。
また、結局のところ最後の最後まで残る秦国最悪の毒である趙高のヤバさも存分に描くことができる。趙高と荊軻の対比も面白いかもしれない。人格最悪の宦官と、人格最良の暗殺者とかね。ベタかもしれないけど。
主人公がどんどん成り上がっていく、となれば、それはもうアメリカンドリームの世界なので面白くないわけがない。
クッソボロい小屋から始まって、村、町、郡、県、そして国政にもさんかする秦国の重要人物になっていく様は、政の目線から見ても面白いものになる。
政が初めて信に褒美を手渡したシーンは名シーンだ。家で待ってるテンもかわいい。
最初のうちは昌文君の後ろにくっついて国政や外交を見学するわけだが、そこにキョウカイも連れて行ったりしたのは面白かったな。
賓客として訪れる各国の重要人物との縁もできるし、そこから戦場で対峙するギャップもいい。
テンちゃんには後宮での諜報活動の傍ら、こちらに注力していただいて、戦場でストレスを抱えるよりこちらでほのぼのと領地経営をしていただきたい。たまにキョウカイが飯を食いに来るとか。
そのうち王騎の城をもらえることになったりとかね。
秦は法治主義がかなり浸透してるので、その法治主義の利点、欠点(商鞅の件みたいな)をひきつつ、では信はどういう国を理想とするのか、政はそのためにどういう王でなければならないかが描き出される。
領地経営を通じて、信は大きく成長し、その経験が戦場でも生かされることになるだろう。
なぜ法治国家であった秦が強かったのか。他国との違いは何か、かかすことのできないストーリーになるだろう。
ラスボスはいろいろと考えられる。外交面では斉王だろうが、「国家運営」と言うところまで話が広がれば、丞相・李斯とどういう関係になるかが問題になるだろう。
また、後宮編ともリンクするが、政の二人の息子の問題が大きくクローズアップされる。
信は王子にどうかかわるのか。
そしてここでは蒙恬も大きな役目を果たす。
蒙恬は知略、政治にも優れたイケメンで、最終的に政の長男を奉じて最後まで行動(史記では批判されているが)し、悲劇的な最期を遂げることになるのだが、そこに至る伏線を張り巡らすにはちょうどいいだろう。
この政治編のサブ主人公は蒙恬と言える。李斯、趙高に対抗するにはどうするか、王子をどう教育するか。
個人的に、政の長男扶蘇に「おじさん」と呼ばれてめっちゃなつかれる蒙恬が見たい。
むしろ扶蘇は女の子でもいいぞ。女の子だから継承者から廃された、とかね。
蒙恬はテンちゃんとくっついてもいい。むしろそれだけの材料は十分にある。
宮中編がトリガーとすれば、政治編は撃鉄と言うことになるだろうか。
そして、全ての決着をつける弾丸となる戦場編に舞台は移動する。
誰が至強か!?
誰が至強か!?
汗 明 !
大体このノリでOKだ。文官だった汗明さんがこんな至強に。それがキングダムの戦場である。
宮中編、政治編とはまたベクトルの違った奇人変人のステージとなるこの戦場編では信には思う存分ルァァしてもらって、キョウカイにはスヒンしてもらえばそれでいいと思う。
ここに関してはさほど言うことはない。みんなが思っているような戦場を思い描いてくれればOKだ。
ただ、ぶっちゃけもうちょっと項翼の格は上げてほしいし、何なら戦国最強の項一族とか捏造して項翼のみならず項翔とか項離とか項飛とか「項+飛翔系」の量産型をそろえてもいいかもしれない。ダメか。
それはともかく、李牧さんには政治編でも活躍してもらえるので、戦場での出番はここ一番まで取っておいてもらって、部下のニンジャマスクには退場していただければそれでいいような気がする。ニンジャマスクはなる早でキョウカイに切り捨ててもらえるとありがたい。
上手く描写すれば王賁とキョウカイがいい雰囲気になる寸前のところくらいまで言っても受け入れられると思うんだよね。
ラスボスは当然のごとく項燕。
カリンさんは政治編でも頑張ってもらえばいいので、やはりラスボスはこのオッサンだろう。
後の覇王・項羽のおじいちゃんなので、ぶっちゃけもう項羽として描いてもいいんじゃないって感じはする。歳の問題はあるが。
というのも、信が楚に20万(だっけ)で攻め入った時、蒙恬も一緒にいるのだ。
蒙恬=知将+イケメンなので、蒙恬がいたのにそんな無様なことにはならんだろと言う予測がつく。
そして、歴史系作品の魅力と言えば、「なぜその人物はそんなことをしたのか」に上手い理由をつけるのが醍醐味。
ならば、簡単に「なぜイキリ散らしたのか」に理由がつけられる。
それは、
でOKだ!
楚は国土がでかい。長江もある。ゆえに他国からあまり侵略を受けていないので、楚の内部の城郭がどうなっているのか、兵士はどれくらいいるのかが全く分からない。
なので、だれかが犠牲になってでも強行偵察&戦力を評価をしなければならない。今秦国が動かせるのは80万しかない。いきなり80万で出て行っても、翻弄されて撃破される可能性がある。
ならば、秦王の最も信頼の厚い将軍である信がその「潰れ役」を買って出て、次なる勝利の布石とする!
みたいなことを信の口から言わせれば、信がこれまで経験してきたことで説得力もあるし、王翦ら歴戦の将軍も納得し、一目置かれるだろう。
そうならば、「泥臭い役もこなせる」楽華隊を率い、信の親友である蒙恬がついてきてくれることにも全く違和感がない。
王賁もこのころまでにギスギスをやめて、劇場版ジャイアンみたいな感じで送りだしてくれるだろう。
で、決死の強行偵察であることを悟らせないために(朝廷にもスパイ入ってるだろうし)、公的にも、歴史的にも、「信とかいう若い将軍がイキって20万で楚を攻める」という体にしておく。
「天下の大将軍になる」という目標の信が、「政の目指す国のために、名誉を捨てる」という、劇的な変化を見られるのだ。
そんな内情を、何となく兵士たちは察したとき、キングダム冒頭の「李信将軍!」とついていくのだろう。熱い話である。
歴史を見ると、李信の一族は「優秀だが報われない」一族であることがわかる。
李信の子孫である飛将軍・李広は武勇を誇るも功績を認められる憤死
その李広の孫である李陵は「あいつは寝返った」と勘違いされ、不名誉を着ることになった。
しかし一族は決して衰退することなく繁栄しのちの世にまで子孫を繋いでいる。
つまり、「報われない一族でありながらも、きちんと評価してくれている人がいる」という一族でもある。
その筆頭が、史記を書いた司馬遷だ。先の李陵を弁護したため宮刑を受けてしまった司馬遷は、「自殺よりも歴史書だ!」と熱い情熱を燃やし、史記を書きとおした。
李白が始皇帝について詠んだ詩があるという話は聞いているんだが、それはまだ確認できていないが、ラストシーンは李白に詩を読ませるところでしめてもいいかもしれない。
結局のところ、信が大将軍を目指して走ってきたのは、漂との約束があるからだ。
最初はただの功名心で始まった大将軍の道が、様々な出会いと別れで肉付けされていく。これがキングダムの一番の幹である。
そこで、自分の夢を命を預けられる親友、政にであい、道を同じくする。
そして、「政の目指す国を作るための剣になる」ことに目標がほんの少しスライドするのである。その道の先に、名誉を捨てて理想のために戦うという、信の本来の姿が浮かび上がってくる。
李信の大敗後、だれも責任を追及しないし、処刑もされないし、子孫は漢の時代からそのあとにも反映している。
それは史書には残せずとも、当時の人は本当のことを知っていたということにできる。
王賁あたりに「信、お前がナンバーワンだ」と言ってもらおう。
キングダムがさわやかに終わる可能はどのくらいあるのだろうか。
かなり難しい気はする。
まぁ焚書坑儒については、ある程度行ける。
焚書で焼いたのは、各国の歴史書と、法律の本だ。あと儒教の経典。
これは当時の世相を考えれば、何とか理解できるような気がする。というのも、ぶっちゃけ中華史上初の統一国家を作る、となれば、強引にでも意思は統一しなければならない。
そのために、「俺らの祖先は秦にころされたんだぜ」というような本は廃さねばならなかったろうし、儒教の経典については、はっきり言って法治国家に儒教は邪魔なので、致し方ないといえる。
なんせ、儒教は「徳のある君主が統治するなら、法律など不要」「法律なんてものを作ったら、その法律の穴を利用しようとする小物ばかりになってしまう」というものなので。
その代わり、農業書や実用書は焼かれずに奨励されたというしね。
あくまでも実利、実学、法治思想での近代的な国家運営を目指した、が、それは時代が早すぎた。という感じなのか。
あるいは、「今理解されずともよい。後世に理想を見せるための建国なのだ」と言わせるか。事実、これ以降の中華大陸は「統一しなければならない」という意識がかなり強まった気はする。そして宋の時代に中華思想が完成するわけで。
まず趙高。いうまでもなく裏ボスだ。李斯も裏ボス風味ではある。
そして、裏ボスとしての説得力最高の人物がいる。史上最高の軍師・張良だ。
なんとこの張良、史書にデビューしたのは始皇帝の暗殺だ。始皇帝の乗る車にハンマーを投げ込ませるというエクストリームな暗殺未遂を起こしており、そこで追われる身となってセンプク。その最中に軍学を学び、史上最高の軍師が誕生するわけだが、
割と裏ボスにぴったりなんではないだろうか。
むしろ張良が始皇帝を暗殺しちゃってもいいかもしれん。病気でなくなるよりは劇的だろうし。
後は妖術師徐福だな!
格はだいぶ落ちるが!
まぁいいか!
余命少ない俺には、生きている間にキングダム完結が見られないのでこんなことを書きました。
俺の代わりに最終回まで見届けてほしい。
1990年 - 小説。地震による日本列島の危機の中、沈没クーデターを起こし、自衛隊を「日本軍」に改編した日本が、世界に誇る航空母艦「トヨトミ」や、脅威のウィルス「ヒデヨシ・ウィルス」で韓国人ホロコーストを計画。韓国人の主人公が計画を阻止する内容。
1993年 - 小説。作中に韓国が北朝鮮と手を結び、日本に核ミサイルを撃ち込むという戦略シナリオを読む部分がある。大ベストセラーとなり韓国で映画化された。朝鮮語版Wikipediaの記事
- 小説。
2001年 - 小説。韓国人が皇太子妃雅子を拉致する。NHKのハングル講座がとりあげ問題となった。
2002年 - 高校生が書いた歴史小説。天皇は百済人であり、敬宮愛子内親王が百済王家の子孫と恋に落ち、歴史「真実」を悟る。和田春樹が「良心的日本人」として登場する。和田の思想・主張以外、事実と異なるところが多い。
2011年 - 小説。北朝鮮の後継者の金正恩をめぐる権力暗闘を描いた。北朝鮮軍が北海道を侵攻するストーリーがある[1]。
ISBN 9788997790890、2014年 - 小説。日本を奇襲し、天皇を捕らえ、自分を謀殺しようとした宣祖が廃位され日本が降参。出版社は「イ・スンシンの帝国は私たちが夢見る帝国になり、私たちが願う理想的な国が繰り広げられることになるだろう」と伝えた。[2]
ISBN 9788970638225、2014年 - 小説。安重根が現在に蘇り、安倍首相を銃撃するという内容。[3]
『安重根が安倍に向かって発砲』なんかちょっと失笑ものだね。別に現代人でもできるテロだけど、歴史上人物に頼っちゃうのかそこ...
左翼の難癖のように思っている人も多いようなので
まず「諱(いみな)」について。
諱は「忌み名」に通ずると言われ、おいそれと呼んでいいものではない。
家臣や他の大名たちは「上総介様」「上総介殿」などと呼ぶわけである。
ちなみに、これは実際に「上総介」という官職に任官されたわけではなく、官職風の呼び名にすぎない。
後に「右府様」「織田右府」などとも呼ばれているが、こちらは正式に右大臣に任官されたから。ややこしいね。
次は「避諱」について。
これは偉い人の諱を使うことを避けるというもの。
「民部」と呼ばれていた官庁が「戸部」に変更されたりしている。
一説には「観世音菩薩」が「観音菩薩」と呼ばれるのも「世民」の避諱だとか。
古代の「大伴」氏が淳和天皇の諱「大伴」を憚って「伴」氏に改姓したことや、
「国家安康」で有名な方広寺鐘銘事件などは日本での「避諱」の一例と言えるが、
これは「そんなにも大切な諱を可愛い家臣にあげちゃうよ」というもの。
織田信長からの偏諱と言われている(家臣だけでなく同盟国の嫡子とかにも与えている)。
二文字ある諱のうちの一文字だけを与えるので「偏諱授与」、あるいは「一字拝領」という。
ちなみに、偏諱でもらった字は、名前の上のほうに置くのが基本である。
その父親の「輝宗」は室町幕府第13代将軍・足利義輝の「輝」、
その父親の「晴宗」は室町幕府第12代将軍・足利義晴の「晴」、
その父親の「稙宗」は室町幕府第10代将軍・足利義稙の「稙」、
それだけ幕府との結びつきが強いということを示している。
後醍醐天皇の諱「尊治」から「尊」を授与されて足利高氏が足利尊氏と改名したくらいである。
その元号が天皇の「諡号(死後に贈られる尊称)」になることが決まっている。
この諡号というのも、そもそもは皇帝や天皇を諱で呼ばないためのものだったりする。
いわば天皇の名前を内閣の首長である総理大臣が決めているに等しい。
もちろん安倍晋三の諱は「晋三」なので、
自分の名前が含まれるような元号は避けるのが当然だと思われる。
結論を先に述べると、人にとって分け隔てなく愛するということは不可能で、愛することはすなわち差別することにつながる。
それでもなお、それを理想として追いつづけていくしかない。それが神を捨てた人の宿命。
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愛には、対象を特定せずに広く与える愛と、対象を選り好みして特定のものにだけ注ぐ愛とがあるという。
前者の愛は、一神教における全知全能の神が人々に与えるものであるし、日本においては万物に宿る神が織りなす世界からの加護、あるいはお天道様が見て下さるという感覚が近いものだろう。
前者の愛をもたらす対象が人ならざるものであることからも分かるように、物事の如何に区別なく愛情を注ぐというのは、人にとって不可能にも近い不得手なことがらである。
人が織りなす愛というのは、何かと何かを区別する、あるいは誰かと誰かを差別することで特定のものに注ぐものである。それは肉欲によるようなものばかりではなく、優れたもの・素晴らしいものを愛でるときにも当てはまる。なぜなら、そのとき人は、劣ったもの・醜いものを選り好みして差別しているからだ。勿論、その選り好みは外見だけの評価とは限らず、内面や行動などで判断される場合もある。
美術が美術として評価されるのは、他のものと比べて美しさが秀でているからであって、誰か素人が作った作品よりも他人からの愛を受けているからだ。平等に愛を注ぐのなら、そうした素人作品と美術品すら区別なく差別なく、愛を注いでしかるべきだ。残念ながら、選り好みをしてしまうということ自体が、平等に愛を注ぐということに反しており、結果としてそのように世界を愛するというのは一般の人には到底不可能なことなのである。
それが不可能で、それでいてなおかつ愛を受ける身としては理想的であったからこそ、全知全能の神という概念を人々は作り出したとも言える。なにしろ、どんな存在であっても愛を受ける資格はあるのだから。たとえどんな悪事を働いていたとしても、無為な存在であったとしても、そんなことは関係ないというのだから。人々が与える愛は、相対的な肯定はあっても、絶対的な肯定はありえない。それは秀でたものがより愛され、劣ったものがより愛されないという状態であり、その基準は各々異なっていても、対象によって愛を与える程度が異なるというのは変わらない。その優劣は非常に恣意的で、単に身近にいるかそうでないかという差異であったりもする。親が子を無条件で愛すると言っても、子として存在しているからこそ他人より差別して愛するのであって、どんな人であっても同様に愛するというのとは全く異なっている。そうした相対的な愛ではなく、絶対的な愛を誰も分け隔てなく与えてくれる存在、それこそが理想でなくてなんなのだろうか。
かような神という概念を創出したことで、人々は平等に愛を得ることが可能になった。その愛が空想上のものであったとしても、構わない。重要なのは、当人が愛を受けていることを感じているかどうかであって、実体として誰かが愛を与えているかどうかではないのだから。
このように考えてみると、万物に対する差別なく区別ない愛というのは、人々の空想上のものに過ぎないと分かる。ただ、それは空想の産物であったとしても、非常に賢い発明であったことは確かだ。それに、実体がなかったとしても何の問題があるだろうか。愛を与える存在がいるかいないかに関わらず、愛を受けているという感覚があるということこそが重要なのだから。
いずれにせよ、これまでの議論から導き出されるのは、人は区別・差別することなしに愛することはできない、ということだろう。言い換えると、区別することで初めて愛することができる、とも言える。それは人種や国籍・身分その他という分け方でなくても、ヒトかヒトでないか、動物かそうでないか、生物かそうでないか、石ころだって特定の、例えば花崗岩や砂岩などと判別することで初めて対象を特定化て愛情を注ぐことができるのではないか。漫然と、自分の子供と野良猫とそのへんの石を全く平等に愛するというのは不可能なのだ。そのへんの石だって、他の石と区別することで初めて愛しうる対象になりうる。区別できなければ、その対象にすらなり得ないのだ。
故に、人を愛するにはその人を他人と区別することが必要となり、集団を愛するにはその集団を他のものと区別する必要があり、地域を愛するには他の地域と区別する必要が、国を愛するには他国と区別する必要が…となっていく。愛国心などと言っても、日本という概念があまり一般的ではなかった江戸時代には、諸藩における郷土愛はあっだだろうけれども日本を愛するという考え方はごく一部の外国を認識している人を除いて存在しなかっただろう。列島を束ねる存在(日本)が当たり前過ぎて、認識するに至らなかったというほうがより正確なのかも知れない。
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左翼のというより、人権思想などの近代思想の出発点は、フランス革命の自由・平等・友愛から始まっている。ここで友愛とは博愛とも同胞愛とも訳され、仲間に対する愛を示しているのだけれども、これも特定の集団に対する愛を唱うことで他の集団を差別している。平等とはあくまでその集団の中だけで適用される概念で、他の集団に対しては平等であることは必要ではないのだ。だからこそ敵であるフランス王家は斬首になったし、信条が異なる集団に対してはリンチが横行した。これは左翼思想を発展させた共産主義に引き継がれ、今なお信条の正統性を主張する形で争われている。
この近代思想は、神が行ってきた(と人々が空想した)分け隔てない愛を与えるという行為を、人が自らの意志で執り行おうとして産み出したものであろう。それは確かに理想ではあるけれども、実態として分け隔てなく愛するということが不可能であるが故に、ときに空想となり、あるいは夢想となって人々を混乱に陥れたようにも思う。
結局、現代人はその理想を、限定して扱うことで現実と妥協しているのではないだろうか。
--
人は誰も、差別されることは拒絶するが、他人を区別することなしに過ごすことはできない。
基本的人権として求められるべき最低限の平等を規定しつつ、それ以上の区別は互いに棍棒で殴り合う、もっと文化的に折り合うなどして勝ち取るものではないだろうか。