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はてなキーワード: 普通とは

2024-02-20

心の中で天使と悪魔がバトルする描写

これは20世紀になってから発展したお約束表現のようだ

現代日本漫画でもよくみられるコレ

https://twitter.com/gokushufu_comic/status/1634195330173648897/photo/3

wikipediaにも詳しく記載があった

Shoulder angel - Wikipedia

天使と悪魔が人を良心と誘惑のどちらに導くかの綱引きをする概念自体は太古の昔からあるようだ

映像イメージが伴うようになったのは20世紀に入ってから

Shoulder angelwikipediaのページに記載はないが『ドナルドの腕白時代』(1938年)がその表現の中でかなり最初のものになりそう

ドナルドの腕白時代 - Wikipedia

ある朝。起床の時間となり目覚まし時計が鳴るが、ベッドで熟睡するドナルドはなかなか起きられない。すると心の中の天使が現れ、ドナルドに早く起きるよう促す。渋々起きようとするドナルドだが、本当はまだ寝ていたい。すると今度は心の中の悪魔が現れ、もっと寝ていろよと囁きだす。悪魔の誘いに乗り二度寝してしまいそうになるドナルドだが、天使は大声を出してドナルドを強引に起こし、学校に行く支度をするよう叱りつけた。

このQuoraでも質問されている

When and how did the concept of a devil on one shoulder, an angel on the other, develop? Did it ever appear in pre-20th century paintings? | Quora

別の調べもの副産物で、心の中の天使と悪魔がバトルする概念歴史についてもわかったのでメモ

日記

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こちらも詳しい

『インサイド・ヘッド』やカタリナファイブなどのような脳内会議ネタの初出って何でしょう?マサル会議とか『ぱにぽに』『ボボボーボ・ボーボボ 』なんかにも出てきていましたよね。 | Quora

Quoraの内容鵜呑みにしていいのかよ?という話もあるが

先行研究というか、調べ始めるたたき台としては参考になる

この回答者自分と同じく『ドナルドの腕白時代』に辿り着き、それが初出ではないかという説を述べている

天使と悪魔はともかく、脳内会議は未調査

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今回調査をさぼっている、光輪の歴史を調べていてついでに拾った情報だけでメモを書いている

天使と悪魔が人を良心と誘惑のどちらに導くかの綱引きをする概念自体は太古の昔からあるようだ

の一文ですましちゃ本当はいけない

不完全なメモ

あー、しまったな

これは20世紀になってから発展したお約束表現のようだ

という書き方にしたら嘘になってしまうか

お約束としては20世紀よりはるかに古くからある、ビジュアルイメージを伴ったお約束として表現が固まったのが20世紀以降……が正確か

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荒野の誘惑』が調査の網から漏れていた

体系的に学ばずに雑学つまみ食い的に情報うからこういうことになる〜

しかし『荒野の誘惑』には良心役の天使が登場せず、誘惑役の悪魔のみ登場する

どの時代から誘惑する悪魔とセットで良心役の天使が登場するようになったのか?を調べると面白そうだ

というか、shoulder angel本質は「良心擬人化して天使として描写する」ことにあるのかも

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明日やることのメモ

History of sholder angel」でぐぐって上位に出てきたページを総ざらいして読む

https://www.quora.com/Symbols-Whats-the-origin-of-the-shoulder-angel-and-the-shoulder-devil

https://scifi.stackexchange.com/questions/260271/what-was-the-earliest-depiction-of-the-angel-devil-on-your-shoulder-trope

https://ucatholic.com/blog/do-you-know-the-christian-origins-of-shoulder-angels/

https://dansalyers.wordpress.com/2015/03/18/origen-the-angel-on-the-right-shoulder-and-the-devil-on-the-left/

ここらへんを訳して読んで関連した資料を探す

やっぱり手抜きはよくない

ざっと単語だけ拾い読みした限りだとファウスト由来が濃厚に見えてくるが……部分部分は近くても微妙に違うんだよな

やっぱりキリスト教文化について調べるの面白いな、延々と掘れる

……って、なんか単語を拾い読みするとイスラム教についての言及がそこそこあるな、アブラハム宗教という括りで語らないといけないくらい古くからある概念ってこと?

うーーーーーーーーん、イスラム教についての知識ほとんどない……困った、調査モチベを維持できるかどうかが勝負

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肩にのるくらい小さな姿になったのが20世紀になってから、という風に書かないと嘘だなこれ

15世紀らへん……

良い天使と悪い天使がセットで現れるのは神秘劇のお決まりパターン、みたいなことが書いてあるな

神秘劇って何?とりあえずwikipedia読みましょうか

神秘劇または聖史劇(しんぴげき、せいしげき 仏:Mystère、英:Mystery plays)は、15世紀フランスを中心に中世ヨーロッパで発達した宗教劇で、旧約・新約聖書に題材を得て、イエス・キリストの生誕・受難・復活の物語主題とした劇のこと。奇跡劇(奇蹟劇、Miracle plays)とも。

そうか、劇だと人が演じないといけないか肩にのるくらい小さな天使悪魔という表現はやりようがないしやる必要もないのか

ドナルドの腕白時代』でも肩にのるようなミニサイズではなく普通人間サイズドナルド人間ではなく鳥だが)だった

カートゥーン表現されていくうちにいつのまにかサイズが小さくなっていったのか

なるほどなあ

冒頭で迂闊な書き方しちゃったなあ

取り消し線しとくか

取り消し線はdelタグ

wikipediaの『Shoulder angel』のページで『ドナルドの腕白時代』についての言及がない理由もなんとなく想像が出来る気がする

In modern mediaの項では文字通り肩にのるサイズ描写に絞ってるのかもしれないな

……ってわけでもないのか、『Angel on My Shoulder』って映画が反例になる うーん謎 まあwikipediaだしな

anond:20240220043733

消耗品からなんぼあっても困らないと思ったのでは?もっと高いのを普通の女が使ってると思ってないんだと思う。手を洗うならキレイキレイ、体洗うならナイーブルームフレグランス消臭力と同じ感覚

まあ、油汚れを落とすには便利だから、食べ汚した服の予洗いとかに使えなくはないけど。

anond:20240220122939

なんなんだよっていうか普通では

一貫してFは相手ができやすいって話でしょ

東京圏から名古屋」に移住したら住みやすすぎて草。人間が過ごす環境として最強すぎて二度と東京住みたくなくなった

神奈川まれ 東京育ち 横浜在住の都会っ子だけど

名古屋住みやすすすぎたわ

情強ワイは関東から脱出するけど君はどうする?

 

・都会なのに混雑少ない。二度と人混みの新宿渋谷行きたくなくなる。

観光不毛の地からウザい観光客がいなくて快適

名古屋自体観光不毛だけど、周辺に伊勢志摩飛騨高山、34分で京都、48分で新大阪に行ける

仕事求人が多い。給料高い。可処分所得全国7位。(他の地方大都市との最大の違いはこれ。福岡札幌仕事給料も少ない)

満員電車が少ない(東京ラッシュに慣れてると拍子抜けするレベル電車が空いてる)

東京みたいに殺伐としてない。人が気取ってない。部屋着でも歩ける。

家賃が安い(東京が異常なだけか?)

・道が広い。運転やすい。(片側3車線当たり前)

普通っぽい人もハイブランドもってて可処分所得多いんだと実感

anond:20240220115622

会話は噛み合わないのが普通だと思え

噛み合うことが奇跡

NOMORE無断生成AI

っていうタグを見かけた。


生成AI現在普及してる「普通の」AI って何が違うんだろうね?


今の生成AI生理的にキツいのはわかる。


じゃあ違いはなにかって考えると結構難しくて、使われてるアルゴリズムだけに注目すると、言語モデルのTransformerは機械翻訳も使ってるし、Google検索をするときにも使われてる(BERT)。画像とかのDiffusion モデルは知らない。(今どうなったか知らないけど、Transformer の画像生成モデル計算量少なくて結構いかもみたいなのは聞いた。)


これらは少なくとも使い続けてきたし、生理的なキツさはなかった(翻訳家であったりはあったと思う。あと、自分は、物心ついたときからそこにあったかイマイチわからんってのもある)。


からそこの違いってのは量的なものだと思うんだよね。量的な変化が質的な変化を生む(more is different )。


自分が、このエントリだけを学習させたとしても、その精度の低いモデルは生成AIとは言わないだろうし。


まあ、それがわかったら研究の苦労はしないか。笑


計算量だけを取ってきたりしても、モデル蒸留させるとか、そもそも計算効率の上昇とかで変わってきちゃうし。


どれが生成でどれが生成じゃないんだろうか?

anond:20240220082049

働きたくないけど働かざるを得ないのが現実なのに何甘ったれたこと言ってんだ死ねハゲデブメガネって普通は思うだろ

酒くらい好きに飲ませろやと思うけど

絡んできたりもの壊したり説教しだす連中が普通だとすると、そりゃ規制しろってことになるわな

なんで静かに飲めないんだ

何でもかんでもYouTubeで調べようとする友達

仲のいい友達別に特別頭が悪いとかではないはずなんだけど、

調べ物をするのが異常に下手なんだよね

例えば、今から上野でなんかご飯食べよう!って流れで店を調べるとき、わざわざYouTubeで「東京 上野 グルメ」とかで調べようとする

で、よくわからん再生数も少ない動画見て「へ〜」って言ってるんだ

インスタとかグーグルで調べてる私の横で

他にも、例えば知らない言葉とかミームを調べるときにもYouTubeで調べようとする

流行ってるコスメとかも全部YouTube検索してる

いや普通まずはグーグル検索しない?って思うんだけど、別にそれが悪いことじゃないのも分かってるから友達に指摘したことはない

ただ、なんでなんだろうと思う

anond:20240220014557

それにコンテンツとして価値が有ると思ったら入るのが普通オタクじゃないの?

しろ何故入らないと思ったのかが分からないな?

anond:20240219235635

かっぱ寿司:オーダー端末壁からはずせる

くら寿司:びっくらぽんというゆかいガチャがある。わさび回転寿司屋のなかで一番うまい(すりおろし感)

はま寿司:壁に流れる広告がついてて食べたい寿司さわると注文できる。合鴨メニューが常設されてる

どっか忘れたが複数:全部新幹線とかベルコンで送られてくる。流れてないし回転もしてない。往復寿司じゃん。

どっか忘れた:とうめい蓋がついてて慣れないと蓋外せないうちにどっかに流れていく

追記

そうかも>魚べいが往復 あとレーンが二階建てになってて下が回転上が往復みたいなのもあった えっちだね

スシローはなんか漁港でぶいぶいいわせてるという噂

なんか小料理とかオードブルみたいな寿司が多くて高めでインバウンドにいいらしくて

円安になるまえからめっちゃ外人で混んでる

 

あとうち名古屋からわからんけどエビがめちゃくちゃ充実してる回転寿司屋あるわ

どれかわすれたけど!

エビバジルチーズエビマヨ、エビ天、エビフライ、甘エビ、ゆでた普通エビ、みたいな感じ

2024-02-19

増田同士で罵り合いじゃない普通の会話が何ターンにもわたって成立してるの見ると謎の感動がある

血圧デバフえぐくないか

自分に体力がないことは薄々感じていた

幼少期から運動をしていたのに、ずっと「体力が課題」と言われ続けていたし、

だって一日出かけりゃ1日寝込んで何もできない

ずっとADHD怠惰のせいだと思っていたけど、実は頻脈のせいじゃないか

安静時の脈拍が100ある。特に健康診断で何も言われないし、調べてみるとそれくらいでは別に治療対象ではなく、本態性低血圧という体質なだけらしい

寝ているだけ、歩いているだけで、普通の人の小走りくらい心臓を使っているんだからそりゃ疲れるわな

親に聞いてみると、祖母が低血圧だったから多分遺伝だろう(発達障害関係あるのかしら)

人生クオリティを左右する最も重要ファクターひとつに、バイタリティがあると思うが、自分はこの低血圧であまりにもでかい損をしていると思う

先日スノボに行って、転んだ後なかなか立てないでいると同行者に「も〜頑張って!立って!」と言われて涙が出そうだった

日頃の行いがあるから怠惰と思われるのは仕方ないんだけど、これで精一杯頑張っているのだが!?!?

「転んだ後ずっと立たないんだよこの子」と言うが、最速で立っているのだが!?!?

人生でずっと、頑張っていない認定が続いている

それがつらい

なによりも

anond:20240219220815

自己愛をすり潰して自我を持たないことを美徳として育つのが男は普通」って一般的な家庭で育ってないのお前だろ

要するに毒親のせいでセルフネグレクトになってるだけだな

anond:20240219200703

もしかしてその飲食店「は」休みだけど他のもんはやってる、

例えばモール自体は開館してるとか、併設されてる子どもスペースは開放されてるとか、夜間にやってる料理教室休みではないとか

そういう例外があることを示唆するためにあえて普通とは違う語順になってる可能性ない?

まあ引きこもり20選手キモおじさんが必死想像力を働かせてみただけだから

現実にその言葉が使われてる状況とはかけ離れてるかもしれん、完全に「しらんけど」な推測ですけどね

もしコロナから増えたなら「店『は』閉じてるけどテイクアウトネットオーダーは営業中」みたいな意味で「店休日」を使えると踏んだ人がいて

そっから広まったみたいな推理もできるね

休店や休業だと何もやってないニュアンスで伝わってしまって死活問題になるから

まあ僕はコロナ以前から滅多に外になんて出ないし社会的には死んでるようなもんですけどね

anond:20240219202451

ネカマやると日本いか性犯罪大国かを思い知るよな

周囲に姉とか妹とか家族並みの仲良い女がいない男がネットだと「性犯罪は多くない」って何も知らないくせにイキってて頭悪すぎてドン引きしてる

女として生きてた事ないし性犯罪被害者は優位に女性に偏ってるんだから自分無知門外漢だって算数がわかれば理解できそうなもんなのに

こいつら算数もできない池沼なんかな?

普通人間の知性じゃないよな

anond:20240219201701

いや、医療費が安い分、健康保険料が高いでしょ?

からトータルしたら普通だよ

年寄り医療費若者が支えてるって形

お前もいつか若者に支えられるんだから、今は支えるんだよ

anond:20240219193018

外食が高くつくのは不動産価格が大きく影響しているんだべ。なお、自炊すれば東京でも大して高くはつかない。実は普通食材価格地方都市と比べてそんなに大きく違うわけではない。(農産物生産地よりも農産物価格が高いのは東京だけではない。地方都市でもそう)

スーパーサケってウロコついてないよね普通

豪州に住んでるんだが、ウロコ付きか皮なししか売ってない。

ウロコだけ取ってあるやつがない。

日本では皮付きと言えばウロコ除いてあるものだよな。

豪州人は皮食べないのかな。美味しいのに。

ウロコ自分で取れるけど面倒じゃん?ゴミになるし。

 

っていうかウロコが必要な状況って無くない?

ウロコ取らない方が鮮度を保てるという言い分はありそうだけど、だったら日本はなんで出来てんだよ。

豪州日本を見習えよ。

種無しみかんだってここ数年でやっと普及してきたんだよなこの国。

終わってるわ。ウンコかよ。もっとやる気出せ。

anond:20240219191343

何かあってとんでもない損失出したとしても普通ロスカットで預けてる金極端に減るだけだから特に気にしなくていい

親が洗濯してくれた衣類が臭う

体調不良家事ができず、洗濯を手伝ってもらっている。ありがたい。

しかしながら、親が持ってきてくれた私の洗濯済み衣類がムワッと臭う。カビの臭いでも部屋干しの臭いでもない(そもそも室内で干してない)。

洗濯した服とは思えない臭いがする。

理由が分からず、酸素漂白剤を使ってもらうが効果なし。お湯で二度洗いまでしてくれたがダメ

洗濯物を一度に詰め込みすぎていないか、水量は十分かどうかを聞いたが問題なし。

洗濯槽を一度もクリーニングしたことがないみたいなので、そのせいかと思ってたら違った。

規定量の洗剤を使っていなかったのだ。

老眼で見えにくい&洗濯なんていつもしてるから適当でいいという理由で、洗剤を目分量で投入していた様子。

老眼鏡をかけて洗剤をきちんと計量して入れてほしいとお願いしたら、ようやく臭いが消えて「普通洗濯物」の香りがするようになった。

親と会ったとき、時々すごい臭いを発してたのはこのせいだったのだろうか。

親は介護業界で働いてる人で、勤務先でも洗濯をしているらしいが、いつも洗剤の量なんて適当だと言う。ぶっちゃけきちんと洗えてないと思う。

悲惨旅2

四章 40万()のアクセサリー

その日祖母は朝からガサガサと何かを探し回っていた。

「無いわね〜」

「何かなくしたんですか?」

アクセサリーが入った袋がないのよ」

昨日はあったはずのアクセサリー類がまとめて見つからないのだという。身なりにこだわる祖母だ。アクセサリーもこの服にこれを!というものをあのギチギチのスーツケースに詰め込んできたらしい。

「あら、どうしようかしら〜……40万くらいするんだけど……」

パタパタと探してる最中爆弾発言に思わず固まった。なんだって

「あれ全部で40万くらいするはずなのよ!だから困るわ……💦💦」

困るって、そういう問題ではないだろう。祖母がそういうちょっとお高めのものを好む人物ということは知っていたが、具体的な値段とかは初めて聞いた。というか、なぜ旅行にそんなに値の張るものを持ってきているの?そんで、なんでそんなのを無くす?

すごい、疑問符オンパレードだ。なんなんだこの人。

「どうしようかしら!どこかで盗られたのかも……」

探し始めて20分ほどで大胆で心配性の彼女の悪い所が出る。

探しているところを見ていたが、ギチギチのスーツケースを撫でるように探すだけで「無いわ…」と言っているがまずその布しか入ってないスーツケースを全てひっくり返す方が先だろう。

でもこれは今の私だから言えることであって、当時その場にいた私はそれなりに焦っていた。ちょうど母方の祖父インドで30万円をすられた話を聞いていたから、もしかしたら…の気持ちがぬぐえなかったのだ。

うちの親戚たちはなぜ旅行に行くのに数十万を迂闊に持ち運ぶのだろう。成金なの?それともマヌケ?まぁ、もうじいさんは死んでるから知りようもないが。かなしいかな、私たちはしっかり両方の間抜けの血を引いている。せめて他人に余計な迷惑をかけずに生きましょう。

それはさておき、見つからなくても旅行は始まる。

とりあえず添乗員さんに知らせるとすごい必死で前日止まった宿に連絡してくれた。申し訳ない。

そんでもってその伝え方がまぁ"繁子(祖母)節"だったから聞いてもらおう。

添乗員さん、あのね、全部で40万のアクセサリーの入った袋が無いのよ…」

「えぇ!」

「もしかしたら昨日の宿に置いてきちゃったのかもしれないから連絡してくれない?40万くらいのアクセサリーが入った黒い袋ね、盗られたのかもしれないわ…」

「わ…かりました。すぐに連絡致します。」

これを早口でまくし立てる。ポイントなのが、「40万」という金額連呼すること。その単語いる?

可哀想添乗員さんはすぐに宿を始めとする各所に連絡してくれた。

その間祖母迷惑をかけたなんてさらさら思っておらず、わりと旅行を楽しんでいた。さらには昼食の席で一緒になったご婦人方に「40万くらいのアクセサリー類が無くなったのよ〜」と話していた。ご婦人方は心配してくれたが、傍から聞くと困りに見せかけた金持ち自慢にしか聞こえない。

さら添乗員は休憩時間に入った時に「すみません、もうクリーニングが入っていて、そういった届けは無いようです…」と報告してくれた。ぜんっぜん悪くないのに「申し訳ございません」と述べる添乗員さんが哀れで祖母迷惑をかけていたたまれなかった。

当の本人は「あら…。じゃあどうしようかしら…」と不安げな表情を浮かべたが、盗られた(仮定)ことには微塵の疑いもなく、金のイヤリングだのバカかいカメオだの、アクセサリー類がどんなものだったか説明していた。それを聞いてさら添乗員さんの顔がますます曇る。そりゃ、自分が引率した客がすられたなんて良い話じゃないだろう。しか祖母いわくかなりの高額商品。あるのかは知らないが保険とかそういう手続きだってある。添乗員さんの皮膚の見える頭頂部はこの心労で抜け毛が増えるんじゃなかろうか。

なんだってそんな高いもんを持ってきたんだ。見栄です。って、理由があまりにもしょうもないでしょ。

結局見つかりそうもないままホテルへ。荷解きをしている時祖母が声を上げた

「あ!あったわ!

「えっ!?!?

例のアクセサリーが見つかった。スーツケースポケット部分に入っていたらしい。真っ先に探すべきところでは?そして、

「なんだ、こんなとこにあったのね。」

一言。こういう時、普通の人ならば「よかった…」とか、「心配かけちゃったわね…」とかの反応をすると思うが、そこは祖母他人迷惑をかけたという発想がない。一日がかりで何人も余計な心配をかけたことに対する謝意とか、そういったことはこの人の頭には存在しないのだ。それに気づいて力が抜ける。

添乗員さんと昼のご婦人方はに無事見つかったことを伝えたが、その時も"繁子節"は圧倒的だった。以下はご婦人方に知らせた時の祖母だ。

「ほら、見てぇ〜!見つかったのよ〜!」

と言いながら早速見つかったブローチを胸元に付けたのを見せつけに行った。昼間に散々「盗まれたかも」とか言って心配してもらってた相手にできることじゃない。呆れを通り越して面の皮の厚さに天晴れだわ。その精神力があれば怖いものなんかないだろう。

こうして、40万アクセサリー紛失事件添乗員さんに余計な苦労をかけただけで幕を閉じた。

余談だが、この話はリアルタイムLINEで共有していたのだが、帰国してから父が「ほら見てぇ〜!」と言いながら胸元を指さすモノマネをしばしばやるようになった。こうしてネタにしてはいるが、もし、当時同行していたのが父だったら海外で最悪の親子喧嘩をして帰ってきていたと思う。

閑話・ボッティチェリに敬意を示して。

さて、前回無くしたアクセサリーが無事見つかったが、次の日はフィレンツェにあるウフィツィ美術館に向かう。ボッティチェリの「春」「ヴィーナス誕生」等某ゼリヤ店内で必ずと言っていいほど飾られている有名すぎる絵が見どころだ。

正直ヨーロッパツアーだと1週間とかでいくつもの美術館を巡るから作品ひとつひとつの貴重さとかよりも人でごった返す中、はぐれないよう頑張ってついて行きーの作品チラ見して説明聞きーの写真撮りーのの繰り返しで鑑賞する風情もへったくれもあるもんじゃなかったけど、そんなもんなのか。

ツアー自体の目玉でもあるこの日、祖母特にオシャレをして臨んだ。あのギッチギチのスーツケースからこの日に着る服を決めていたのだと思われる。毎日服を変えていた祖母ファッションショー写真で残しておけばよかった。当時はそんな余裕もなかったが。

その日のコーデの主役は胸元に付けられたバカデカカメオ。5~6cm程のブローチにしてはかなり大きなそれは真偽は知らないが祖母曰くかなり高級なものらしい。そう、前日無くしたと騒ぎを起こしたあれだ。

同じツアーの客にブローチ素敵ねと声をかけられ祖母の鼻は高々。

「えぇ、ボッティチェリに敬意を示してね。ほら、プリマヴェーラの柄なのよ」

添乗員さんにまで聞かれてもないこだわりを披露する祖母。ああもう、添乗員ちょっと引いてるじゃないか他人のフリをさせてくれ

この話、何がすごいって、祖母別に美術に特段関心がある人でもないということ。美術が好きでボッティチェリの実物を見れるのが嬉しい!という人ならばまぁ、「ボッティチェリに敬意を示して」なんて言っても許されるが祖母絵画の前を結構素通りするような人だから、余計に「んなこと言う!?」という気持ちが大きい。普通に生きててそんなの言う様な人は叶姉妹くらいしか思いつかないのだけど、祖母普通一般人じゃん、ハイソぶってるん?恥じゃん、そんで身内じゃん。勘弁してくれ。

しかボッティチェリの実物を間近見てもまぁサイゼで見たのも同じだなぁという感想になった自分ももしかしたら祖母と似たような感性を持っているのかもしれない。血の繋がりに震える。しょぼい感想しか言えなくて情けなくなるが、貴重なものを鑑賞したこと自体は間違いなく良い経験になったと思いたい。小学2年生並の感想ではあるけど。


5章 ナポリと靴

青の洞窟に行く日、ついに私は限界を迎え、その日の観光を全てブッチして一日ホテルに留まる権利を獲得した。そして、ここまでで祖母性格をなんとなく知っているならばこの権利を得るまでにも戦いがあったことも想像に難くないだろう。

この作戦はまず第一に私とおばあちゃんとの別行動が肝だ。というか、そのためだけに私はわざわざ観光の目玉ともいえる青の洞窟キャンセルしたのだ。

朝食の時間から勝負は始まった。朝食会場に着くと同時に添乗員に駆け込み

「スミマセン、チョットタイチョウガワルイノデ今日観光ホテルヤスマセテイタダキタイデス」

添乗員は当然心配ポーズを取りながらも了承する。

「あら!そしたら私も一緒にいた方がいいかしら!?

間髪入れず飛んできた祖母(謎自信杖無し)の攻撃に、勘弁してくれ!!!叫びたくなる。若干叫び漏れたかもしれない。

大丈夫です!なのでおばあちゃんはぜひ行ってきてください!!!!!貴重な体験ですし!!!!!!

ビックリマークの数は必死さの証。ここで折れたら全部ムダ。白刃戦の火花が散った。

「でも…」

ダイジョウブデスカラ!!!!!!

押し問答を何回か繰り返し、半ば無理矢理一人の休暇を勝ち取った。勝ちました。人生は強引さが必要な時もあって、それは今だった。朝から何をやっているんだろう。

部屋でのことは特に書くともないけど、FGO夏イベをやっていたことと、わりと階数の高い部屋で窓がやたら汚かったことぐらい。

私が一人時間を無為ソシャゲに費やしている間に事件は起こった。祖母は、ウン年前、下手したら二桁年前に買った慣れない靴を引っ張り出してきていたのだった。ツアーについていけなくなったあたりから「靴が悪いのよね!前の奴だから!」と旅行初日から怪しい声を聞いていたその靴が遂にぶっ壊れたという。

身体能力ごまかすような靴への悪態を聞くたびに普通に靴は古いし本人の体力も身体能力も落ちてますよ、の言葉を喉元で押しとどめていた。あたりまえ体操過ぎる。

帰ってきた祖母第一声は「この靴ナポリで買ったの!」だった。足元にはメタリックな輝きを放つパープルの靴が光る。まずなんで洞窟を見に行った人の足元が新しくなって帰ってきてんの?

頭に???が浮かぶ

肝心の洞窟はと言うと「ああ、綺麗だったわよ、うん。」とホントに行った???と思うようなうっすい反応。

その後ろを添乗員さんが「すごかったですよおばあ様。店内でたくさん試し履きをされていて」と伝えてくれた。

すごい、見てないのに光景が目に浮かぶ添乗員さんにお世話を丸投げしたようなもんだ。心なしかげっそりして見えて申し訳なさが募る。ごめん、でも限界だったんだ。

当の本人はケロッとしておニューの靴にご満悦なようだ。きっと気に入るものが出てくるまで沢山試着したのだろうと想像して頭が痛くなる。添乗員さんの様子を見るに多分現地の店員さんにも日本語で「もっと𓏸𓏸なのはないの!?」とかなんとか言ってたんだろうなあと思う。言葉の通じない異国の地で謎に自信に満ち溢れてる(そのくせ心配性な)のはなぜなんだ。

こうして、ぶっ壊れたウン10年前の靴はろくに使われずに外国ホテルに捨てられて行き、おばあちゃんの足元は新しく"ナポリで買った靴"で飾られ、その後の旅路を共にすることとなった。

今回の教訓:靴は履きなれたもの履いて行こう。

間違っても大事しまい込んだ靴を久々に出すもんじゃないよ、旅先でぶっ壊れるからね。

六章 おばあちゃんクレーム

クレームクレーム (クレイム、英語: customer complaint, consumer complaint)は、サービスに対する苦情や改善要求契約あるいは法律上権利請求を指す和製英語。ーWikipediaより

クレームを入れたことはあるだろうか。私はない。大体の人もそこまでのことがなければクレームを入れることは無いと思う。サービス側が悪いこともあるが、客側がかなり無茶苦茶をいうことがある。無茶苦茶クレームを入れる人のことをクレーマーと呼び、さらサービスだけでなく個人的な怒りも乗せてくるような輩は一段昇格して「モンスタークレーマー」と呼ばれる。こうなってくると、もうヒューマンじゃありません。ホモ・サピエンスから新しい生き物への変身だ。

コールセンターアルバイトで実際にクレームを受けたことがあるが、その時は相手の「だいたいお宅はさあ!」との発言に(本当にこんなことを言う人がいるんだ!)と感動したものだ。今まで私が見てきた創作内のクレーマーが言ってたことそのまんまの言葉を受け取って、おお!と今までの答え合わせができた気分だった。まぁ、バイトの内容的に相手の氏名住所生年月日職業家族構成家族情報も全部知っているという圧倒的に有利な立場だったから慌てなかったというのもある。

さて、クレーマー対処には同じ気持ちになって怒ると有効というのがある。自分より起こってる人を見て逆にクレーマー側が冷静になるとか、自分の怒りが認められたと思うことによって満足するらしい。

一方で、対処相手同調してくれたと思い込みさらに怒りがヒートアップするタイプもいる。もちろん祖母後者だった。

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