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2023-06-02

令和05年最新版 日本半導体産業の現状について

台風仕事休みになりそうなので暇つぶしに。

3年くらい前に日本半導体産業の近況をまとめたのですが、ここ数年で政治家先生たちが何かに目覚めたらしく状況が大きく変わりつつあるので各社の状況をアップデート

前回の記事 https://anond.hatelabo.jp/20200813115920

先端ロジック半導体

■ JASM (TSMC日本法人)

熊本工場:28nm, 22nm (工場稼働時) / 16nm, 12nm (将来計画)

日本政府補助金ソニーデンソー出資という離れ業により、業界人が誰も信じていなかったTSMC工場進出が実現した。現在建屋建設が進んでおり、順調にいけば2024年内には量産開始となる。生産が予定されているプロセスはいずれも世界最先端に比べると古いものだが日本では最先端であり、HKMG(ハイケーメタルゲート、トランジスタの性能を上げる技術)やFinFET(フィンフェット、性能の良い3次元トランジスタ)といった技術が新たに導入される。工場生産される半導体の主なクライアント出資者のソニー。衰退の激しい日本の電機業界だが、ソニーはまだ世界と戦う余力を残しており年間半導体購入金額世界10位で日本トップである。ただし、PS3Cell Processor長崎で作っていたように先端プロセッサをここで作れるわけではない。PS5のCPUTSMCの6nmプロセス製造であり、この工場では製造できないのだ。識者の予測ではイメージセンサー向けロジック半導体生産すると想定されている。

■ Rapidus (ラピダス)

千歳工場:2nm

日本政府国策で、IBMから技術を導入し自前で最先端半導体製造を狙う野心的なプロジェクト。量産開始は2027年を予定。

社長を務めるのは御年70歳になる小池氏。

彼は日立トレセンティテクノロジーズ(ルネサス那珂工場前身)→SANDISKWestern Digitalという国内外半導体メーカー渡り歩いた華麗な経歴の持ち主である

以前に社長を務めていたトレセンティテクノロジーズは2000年日立台湾大手ファウンドリUMCとの合弁の半導体製造会社で、世界に先駆け現在の標準となる300mmウェハに対応した先進的な工場であった。ファウンドリ全盛の今から後知恵で見れば、限りなく正解に近い経営戦略先進性を併せ持っていたがビジネスとしては成功しなかった。工場ルネサスに吸収され、小池氏はSANDISKへと移籍することに。そんなわけで今回の国策ファウンドリRapidusの社長就任小池氏の二十数年越しのリベンジマッチでもある。

なお、氏のポエミーなプレゼン業界でも有名。記者会見日本半導体衰退の原因を「驕り」と一刀両断した一枚のパワポ話題さらったが、本人が一番驕っているのではと不安がる声もある。

ルネサスエレクトロニクス

那珂工場:40nm

日立三菱電機NECロジック半導体部門統合した日本代表する半導体メーカー

5万人いた従業員を1/3にする大リストラ、先端プロセス製造から撤退海外メーカーの買収ラッシュを経て復活。そして大躍進。

昨年の売り上げは1兆5千億円を超え、はじめて統合直後の売り上げ(ピークは2011年3月期の1兆1千億)を抜いた。もう1+1+1=1とは言わせない。

旺盛な車載半導体需要にこたえるべく、政府補助金を得てリストラで閉鎖した甲府工場の再稼働を決定。

コロナ禍では働き方が柔軟になり、リモートワークは全国どこでもできるようになった。ルネサスは開発拠点も大リストラで統廃合しており、三菱系の伊丹NEC系の玉川をはじめ全国にあった設計拠点日立系の小平に集約している。地元拠点が閉鎖されて単身赴任をしている人も多かったのだが、最近ではリモートワークを活用して単身赴任先のマンションを引き払った人も出てきている模様。

ユナイテッドセミコンダクタージャパン

三重工場:40nm

増大する車載半導体需要にこたえるべく、デンソー出資してパワー半導体IGBT生産を始めた。筆者はパワー半導体は専門外で、家電芸人が語る家電説明程度にしか話せないため軽く紹介するにとどめたい。

■ タワーパートナーズセミコンダクター

魚津工場:45nm

半導体部門を手放したがっていたPanasonicイスラエル企業Tower Semiconductorと共同で運営していた工場

Panasonic台湾Nuvoton technologyに持ち分株式を売却したため、現在ではイスラエル台湾共同運営という珍しい業態になっている。

さらに、半導体大手IntelTower Semiconductorの買収を進めているため、将来的にはIntel拠点となる可能性があり、日本IntelCPUが作られる世界線もあるかもしれない。

が、本案件は米中対立あおり中国での買収審査が長引いているため、先行きには不透明感が漂う。

メモリ半導体

■ キオクシア

四日市工場 / 北上工場3D NAND 162層

日本代表するメモリ半導体メーカー。前回からの3年で、積層数は96層 → 112層 → 162層と2世代進化した。競合他社は232層品の量産も始めている(キオクシアは開発完了 / 本格量産前)が、最近3D NANDは闇雲に積層数を増やせば低コストで作れるというわけでもない模様。

なお世間では半導体不足のニュースの印象が強く、半導体はもうかっているとの認識があると思うがコロナ禍でのIT投資ブームが終了したメモリ業界リーマンショック以来の大不況である

キオクシアも例外ではなく、最新の4半期決算1000億円単位赤字を計上してしまった。Western Digitalとの統合のうわさがあるが、もちろん筆者は何も知らないし、仮に知っていても絶対にここには書けない。

Micron Memory Japan (旧エルピーダメモリ)

広島工場DRAM 1βnm世代

ルネサスと同じく、NEC日立三菱電機DRAM事業統合で生まれエルピーダメモリ倒産後に米Micronが買収。

前にも書いたが、DRAM業界プロセスサバ読みが横行しており、20nmを切ったあたりから具体的な数字ではなく1X, 1Y, 1Z, 1αときて、ついに1βnm世代の量産にたどり着いた。広島サミットに合わせて、社長来日。岸田総理会談後大々的な設備投資を発表。1γnm世代を目指して日本初の量産用EUV露光装置が導入されることが決まった。

このEUVというのは波長が13.5nmの極超紫外線(Extreme Ultra Violet)を使った露光装置で1台200~300億かかる人類史上最も高価で精密な工作機械でありオランダASML社が独占的に製造している。もっとも、メモリ業界大不況を食らっているのはMicron例外ではなく、岸田総理と華々しく会談している裏で数百人規模のリストラ慣行。こういう外面の良さと裏でやってることのえげつなさの二面性は、いかにも外資だなと思う。

Western Digital

東芝と共同でフラッシュメモリの開発を行っていたSANDISKHDD大手Western Digitalが買収。キオクシアの四日市工場北上工場を共同で運営している。

Western Digitalメモリコントローラーを内製していることで知られSSDの性能の良さに定評があり、スマートフォン向けの売り上げが多いキオクシアとは、同じ工場運営していても得意としている販売先が微妙に異なり、住み分けがなされている。(そのため、2社統合によるシナジー効果が期待されたびたび観測気球的な記事が出回る。)

なお、もともと日系半導体メーカーが大リストラをしていた時の人材の受け皿として中途をたくさん採用していた経緯もあり、人材流動性は高い。在籍時の仕事ぶりがよければ、他社へ転職していった元社員の出戻りも歓迎と聞く。前述のRapidus社長小池氏は、つい先日までここの社長をしていた。余談だが、上記Micron米国本社社長も旧SANDISK創業者Western Digitalによる買収後に引き抜かれている。こういう話を聞くと、いかにも外資だなと思う。

イメージセンサー

ソニーセミコンダクターソリューショングループ

イメージセンサー世界最大のシェアを誇るソニー半導体部門2020年2021年は米中対立あおりを受けて主要顧客Huawei向けの出荷減少に苦しんだが、2022年度は大幅に売り上げを伸ばし、1兆4千億円となった。他の半導体の例にもれずイメージセンサー国際競争過酷であるため、対抗して人員増強を進めている。Panasonicエンジニアを引き抜くために関西設計拠点を開設し、各地の工場拡張も並行して進めている。調子のいい半導体メーカーはどこも人員増強を進めているが、ここ10年ほどは理工系学生半導体業界人気がどん底、かつ人材ニーズも少なかっため、新卒半導体メーカー就職した絶対数が致命的に少なく30~40歳くらいの中堅技術者の確保にどこも苦労している模様。なお、スマートフォン向けカメラの次の飯の種として、車載用途に数年前から注力開始。最近徐々に成果が出始めている。

ファブレス半導体

■ ソシオネクスト

富士通PanasonicLSI設計部門統合してできた日本最大のファブレス半導体メーカー。昨今の半導体ブームの波に乗り、株式上場、売り上げ2000億突破と非常に好調。3年前は1000億程度の売り上げだったので、すさまじい成長であるもっとも、母体となった富士通Panasonicピーク時の半導体売上が1社で5000億近くあったので、少々物足りなさを感じなくもない。復活は道半ばである

メガチップス

ソシオネクスト誕生するまで日本最大のファブレス半導体メーカーだった。もともと任天堂向けの売り上げが大半だったのだが近年は多角化を進めている。昨年の売り上げは約700億とSwitch人気がピークだった時と比べるとやや劣るが営業利益過去最高を記録している。

ザインエレクトロニクス

かつては日本代表するファブレス半導体メーカーと言えばここだった。昨年の売上高は54億と、3年前紹介したときの30億から伸びたものの、ファブレス上位2社からはかなり離されてしまっている。大昔は韓国サムスン電子に自社製品採用されたのがウリで創業者武勇伝にも頻繁に登場していたが、今では売り上げの75%を国内依存しており海外展開の出遅れが否めない。

非先端ロジックマイコンアナログディスクリートなど

東芝

車載用途のパワー半導体需要が伸びており、石川県工場に300mmウェハ対応ライン建設。この記事でよく出てくる300mmウェハとはシリコンの基板の直径であり、大きい方が製造効率が良い。125mm → 150mm → 200mm → 300mmと順調に大型化が進み次は450mm化と思われたが、大きすぎて弊害が大きく、ここ20年間はずっと300mmが最大サイズである

従来はCPUメモリといった分野の製造しか使用されていなかったのだが、ここ5年くらいでパワー半導体にも300mm化の波が押し寄せてきている。

ローム

何かと癖のある京都メーカー車載事業好調で売り上げが順調に伸びている。次世代パワー半導体材料と呼ばれていたSiC日本国内の他のメーカーリード

余談だが、筆者は学生のころSiC実験で扱っていた。単位を落としまくっていた不良学生だったので、教授がワクワクしながら話していたSiCの物性の話はすべて忘れている。今では家電芸人並みのトークしかできないのでSiCについて語ることはご容赦いただきたい。研究から本格量産まで20年超の時間がかかっていることに驚きである。基礎研究の大変さを実感する。

三菱電機

パワー半導体大手半導体に力が入っていないシャープから福山工場敷地を取得し、300mmウェハ対応ラインを構築。SiCライン熊本に作るぞ!パワー半導体には詳しくないからこの辺で勘弁な。

ミライテクノロジー

日本半導体産業が衰退しまくっていたころに、トヨタ危機感を覚えてデンソーとの合弁で設立した車載半導体メーカーコロナ禍中に行われたオンライン学会に知らない会社の人が出てるなと思って調べたらここだった。

■ TI

米系のアナログ半導体世界大手富士通AMD合弁のNOR FlashメーカーSpansionから買収した会津若松工場茨城県美浦工場を持つ。最近日本法人の話をあまり聞かない。

On semiconductor

米系のアナログ半導体大手三洋電機半導体部門を買収したが、旧三洋新潟工場日本政策投資銀行出資ファンドに売却した。現在日本拠点富士通から買収した会津工場富士通半導体事業から手を引き工場を切り売りしたため、会津若松市内には米系大手半導体メーカー工場が立ち並ぶことになった。

Infineon Technologies (インフィニオン)

ドイツ大手電機メーカー、Siemenseが20年ほど前に半導体部門分社化して誕生した。従来欧州半導体メーカー日本での存在感があまりなかったのだが、富士通マイコン半導体部門を米Spansionが買収、そのSpansionを同じく米Cypressが買収、そのCypressをInfineonが買収した結果、日本市場でも存在感を示すようになった。もともとInfineon自体車載半導体に力を入れており、有力自動車メーカーがそろう日本市場に注目しているというのもある。

■ Nuvoton Technology (ヌヴォトン)

台湾半導体メーカー半導体から撤退したがっていたPanasonicからTower Semiconductor共同運営している工場と、マイコン設計部門を買収する。Panasonic時代は、自社家電向けの独自マイコンをメインに作っていたのだが、Nuvotonに買収された後はArmベースの汎用マイコン設計品目が変わった。日本法人は車載モータ制御向けのマイコン開発に特化させていく方針台湾の開発チームとは住み分けを図る模様。富士通ほどではないが、Panasonic半導体部門を切り売りしており、所属していたエンジニアバラバラになってしまった。研究室が一緒でPanasonic半導体部門入社した友人がいたが、彼は今どこに流れ着いているのだろう?

2022-01-07

俺たちは雰囲気で株をやっている reloaded

以前にこんな記事を書いた増田です。

https://anond.hatelabo.jp/20200902005744

あれから1年以上経って雰囲気ずいぶん変わったよなと思いつつ、当時の答え合わせするかと思って過去日記を見返したら

で、今筆者どう思ってるん?

とのコメントがあったので当時の答え合わせをしつつ今思ってることを色々書いてみたい。

ZOOM株クソ割高だよね?

割高だった。前回増田投稿した2020/09あたりがピークで現在株価は1/3近くに。予言的中やるじゃん俺。

https://finance.yahoo.com/quote/ZM?p=ZM&.tsrc=fin-srch

半導体ブームだけど割安に放置されている株あるよね?

アメリカ最大の装置メーカーAMATは株価3倍近くに

https://finance.yahoo.com/quote/AMAT?p=AMAT&.tsrc=fin-srch

世界最大の半導体メーカーintel(去年は2位になりそうだが)は横ばい

https://finance.yahoo.com/quote/INTC?p=INTC&.tsrc=fin-srch

アメリカ最大のメモリメーカーMicron株価倍に

https://finance.yahoo.com/quote/MU?p=MU&.tsrc=fin-srch

まとめ

大きく状況が変わっていない(ワクチン接種進んだがコロナ継続、引き続き半導体不足)まま1年たった結果、ファンダメンタルズ無視のように見えた株価妥当な方向に修正されているように見える。

一昨年から散々ファンダメンタルズ重視のバリュ投資バカネットで罵られてきたが、おかげさまでかなり利益が出ておりぶっちゃけ「ざまあwwwww」と思うばかりである

蛇足の将来予想

アメリカ金利上昇、中国不動産バブル崩壊(話題の恒大以外にも複数デフォルト起こしていることに注意)やIT産業への意味不明規制強化、東証マザーズの大幅下落等の材料から、今年以降はグロース株の逆風が本格化すると思っている。

今は絶好調半導体株も、各社の新工場が稼働し始める来年以降崩れるのは必至。自分近いうちに売却して利確を考えている。

2021-12-19

anond:20211219103811

半導体っていっても、組み込み用のSoCからメモリ、不揮発性メモリプロセッサ車載用、パワコン用、いろいろ用途業界微妙に違う。

入手しやすものからいうと日経ビジネスとかの経済系の雑誌に時々特集があるから当たってみればどうか。

あとは、富士経済矢野経済とか調査会社レポート割合値段が高い。気の利いた図書館にあるかも)

あとは、インテルAMDMICRONなどのIRレポート米国会社報告書がきちんとしていて、どこの工場いくら投資したとか

かなり細かく書いてある。

また俺は見たことないが、台湾東欧あたりの受託生産会社IRレポート等突き合わせてみれば大体わかったりするのかも。

物流の伝票や船便・通関の伝票とか集めたりすることもあるみたいだ。

2021-03-11

新卒採用状況から見る日本半導体産業

半導体業界人増田です。3月になって就職戦線が始まりましたね。というわけで、日本の主要な半導体メーカーが将来を支える人材採用戦略についてどう考えているのか、新卒採用の状況を基に見ていきたいと思います

得に記載しない限り、情報ソースリクナビマイナビで、本体及びそれに準ずる会社についての調査します。(製造子会社等は今回の集計対象外地元に直接求人を出していたりして、採用ルート新卒一括採用とは異なるケースが多いからだ。)

日系メーカー

IDM
企業名採用人数社員大卒初任給院卒初任給備考
キオクシア201~30010,000\215,500\239,500東芝メモリ
ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング201~3009,900\222,000\248,000ソニー半導体製造部門
ソニーLSIデザイン101~2002,200\225,000\252,000ソニー半導体設計部門
ルネサスエレクトロニクス101~20018,958\215,500\239,500従業員数は連結で記載。(単体の記載なし。)IR資料を見ると日本国内の研究開発人員は4200人程度と思われる。
ローム101~2003,480\227,000\249,000従業員数は単体で記載。連結だと22,161人
新日本無線11~151,352\215,500\239,500従業員数は単体で記載。連結だと3,110人
エイブリック11~15984\214,000\238,000従業員数は連結で記載。単体の情報なし
ファブレス
企業名採用人数社員大卒初任給院卒初任給備考
ソシオネクスト26~302,700\220,000\240,000富士通PanasonicSoC部門統合
メガチップス6~10588\217,000\240,000

日本最大の半導体メーカーだけあって、キオクシアの採用人数は予想通り多い。がそれよりも目立つのソニー設計製造部門を合わせればキオクシアを上回り、給与水準も高い。(さらに言えばソニー本体採用から半導体部門配属がある。)最近では関西にも設計センターを開設(台湾企業半導体部門を売却したPanasonicイメージセンサー技術者引き抜きを意図していると思われる。)、事業の拡大指向が見て取れる。ロームも規模を考えると採用人数が多いが、離職率の高さを見越してのことか?ルネサス、ソシオネクスト等のロジック系、アナログ系のメーカー定年退職等の自然減の補充分程度しかとっていないと思われる。

外資系IDM

企業名採用人数社員大卒初任給院卒初任給備考
マイクロンメモリジャパン201~3004,000\312,000\340,000Micron日本法人。倒産したエルピーダメモリを買収したのが母体
ウエスタンデジタル101~2001,000年俸470万年俸500万Western Digital日本法人。旧SANDISKについて記載
オン・セミコンダクタ1~51,800\215,500\239,500モトローラアナログディスクリート部門が分離。三洋半導体を買収

外資系メモリメーカーは人数・給与水準ともに景気がよさそうである。キオクシアとウエスタンデジタル、同じ工場製品共同開発しているのにどうしてここまで差がつくのか…

一方、アナログディスクリートメインのオン・セミコンダクターは人数が非常に少ない。同じ外資といっても、製造品目で勢いが全然違う。

ファウンドリ

企業名採用人数社員大卒初任給院卒初任給備考
ユナイテッドセミコンダクタジャパン6~101,032\215,500\239,500富士通三重工場台湾UMCが買収。
タワーパートナーズセミコンダクタ11~151,920\215,500\239,500Panasonic工場3か所をイスラエルTower Jazzが買収。
フェニテックセミコンダクタ6-10678\200,600\207,700アナログ・ディクリートメインの小規模な日系ファウンドリ

どの会社も、企業規模を考えると採用人数が少ない。工場から現場作業要員は採用ルートが違うというのはあるかもしれないけれど。外資系に売却されているメーカーは、新規投資を絞って既存設備人員利益を出そう的な方針に見えるのは気のせいだろうか?

全体の傾向

採用の積極度合いは各社の主力製品によって大きく変わっている。採用人数から見る方針としては、メモリイメージセンサーが規模拡大、ロジックアナログ現状維持ファウンドリ縮小均衡といったところだろうか。過去記事でも書いてきたが、競争力を保っているメモリ系、衰退傾向のロジック系という方向性新卒採用状況から見ても間違いないようであるロジック半導体も、せめて設計の方がもっと盛り上がってくればよいのだけども...

余談だが、筆者が就活をしていたころは半導体総合電機の一部門であることが多かったので、半導体事業部に狙って配属されるには半導体研究室の教授推薦を取ったりしないといけなかった。今の時代は専業メーカーが増えたので、『半導体業界就職する』だけなら昔よりもやりやすくなっているかもしれない。

用語解説

IDM: Integrated Device Manufacturerの略。設計製造販売までのすべてを一貫して行える半導体企業のこと。といってもここ10年位でルネサスのように自社の工場を持ちながら先端品はTSMC等に外部委託するファブライトと呼ばれる企業もかなり増えた。

ファブレス: 工場を持たない設計専業の会社

ファウンドリ: 自社で製品開発をしない、製造専門の会社

過去

https://anond.hatelabo.jp/20201219004424

https://anond.hatelabo.jp/20200813115920

https://anond.hatelabo.jp/20200813164528

2020-12-19

日本半導体産業年代記

以前にこんな日記を投下した半導体業界人増田です。

https://anond.hatelabo.jp/20200813115920

https://anond.hatelabo.jp/20200813164528

久々に日記を書きたくなったので、今回は方向性を変えて年代記風の記事を投下してみます

私自身は業界の全盛期である80年代~90年代前半を経験しておらず、当時の状況を記述するのに十分な知識がないため、その時代については省いています

ということで、私がこの業界に入ることになる少し前の90年代半ばから物語を開始します。

工場呼び名企業の再編によって変わる事が多々あるので、原則立地で表記している。

1990年代半ばごろ 時代の転換点

80年代後半に栄華を極めた日本半導体産業であったが、日米貿易摩擦の影響で一時に比べて勢いを失っていた。

また、韓国企業の台頭により得意分野のDRAMの雲行きが怪しくなり始めたのもこの時期である

(余談だが、日本半導体衰退の原因としてよく話題に上がる韓国での週末技術者バイトさらに昔の話である。このころにはすでに強力な競合に育っていた。)

とはいえ世界的にみると日本の電機メーカー資金力・技術力ともに上位であり、一時的不況を乗り越えさえすれば再び繁栄が訪れると誰もが信じていた。

そんな時代背景の元、日本企業貿易摩擦に対抗しつつ、さらなる勢力拡大を図るため、自動車産業成功例に倣い世界各地で現地生産を進めることで変化に対応しようとしていた。

北米進出歴史
企業進出設立
NECカリフォルニア州ローズビル1981
富士通オレゴン州グラシャム1988
三菱ノースカロライナ州ダーラム1989
日立テキサス州アービング1990
松下ワシントン州ピュアラップ(National Semiconductorより買収)1991
東芝ヴァージニア州マナサス(IBMとの合弁でドミニオンセミコンダクタ設立) 1996
欧州進出歴史
企業進出設立
NECリビングストン1982
日立独 ランツフルト1990
三菱アーヘン1990
富士通ダーラム1991
アジア進出歴史
企業進出設立
NEC中国首鋼集団と合弁工場設立1991
三菱台湾力晶半導体(Power Chip)と提携DRAM技術供与1994
東芝台湾華邦電子(Winbond)と提携DRAM技術供与1995
沖電気台湾南亜科技(NANYA)と提携DRAM技術供与1995
日立新日本製鉄及びシンガポール開発庁と共同出資シンガポール工場建設1996

1998 ~ 2002 終わりの始まり

Windows95ブーム終焉による半導体のだふつき、アジア通貨危機後の韓国メーカーのなりふり構わぬ安値攻勢、ITバブル崩壊による半導体需要の激減と、短期間で何度も悪化する半導体市況。

次第に半導体産業は将来性を危ぶまれるようになり、成長分野から社内の『お荷物』とみなされるようになっていった。

かつて半導体事業の中核だったDRAMは、優位性を失い韓国企業覇権を譲り渡してしまった。

資金面でも徐々に脱落するメーカーが現れ始める。はじめについていけなくなったのは、バブル期事業多角化を進めて半導体新規参入した鉄鋼メーカーだった。

続いて総合電機各社も規模縮小に向かう。世界中に作った半導体工場投資の回収ができないまま次々と閉鎖されていった...

工場の現地化の試みは失敗に終わり、10年程度という短い期間での工場立ち上げ・閉鎖はマンパワー資金の浪費に終わった。

こうして各社は体力を削られ、余力を失っていくのだった。

1998

新日本製鉄館山半導体工場台湾UMCに売却

三菱北米拠点ダーラム工場を閉鎖

日立北米拠点アービング工場を閉鎖

松下北米拠点ピュアラップ工場を閉鎖

富士通欧州拠点ダーラム工場を閉鎖

1999

新日本製鉄シンガポール半導体工場株式日立に全額譲渡

NKK綾瀬半導体工場キヤノンに売却

富士通DRAM撤退

NEC日立DRAM事業統合を決定。エルピーダメモリ設立

2000

神戸製鋼、米TIと合弁の西脇半導体工場を米Micronに売却

日立台湾UMCと合同で初の300mmェハ(従来の主力の直径200mmのウェハから2.25倍の面積になり、ざっくりいえば同じ工程数で2倍程度のChipが取れてコストを削減可能現在に至るまで主流のウェハサイズ。)を使用する工場トレセンティテクノロジを常陸那珂設立

2001

東芝DRAM撤退北米拠点ドミニオンセミコンダクタを米Micronに売却。

ソニー熊本に300mmのイメージセンサー工場建設

2002

NEC欧州拠点リビングストン工場を閉鎖

富士通北米拠点グレシャム工場を閉鎖

NEC、非メモリー半導体事業分社化NECエレクトロニクスを設立

2003 ~ 2007 反転攻勢

繰り返す半導体市況の激しい変動も落ち着きを取り戻し、待ち望んだ好景気がやってきた。

90年代後半から不況で体力を消耗した日本企業だが、いまだ技術力は健在。

からブームとなっていた『選択と集中』を合言葉に、各社の得意分野に集中投資だ!

パソコンではアメリカ企業に後れを取ってシェアを失ったが、液晶プラズマをはじめとするテレビDVDレコーダーデジカメ等、日本お家芸である家電デジタル化が進展する今こそ最大のチャンス!

さらに、世界中で規格が共通化された第三世携帯電話が普及すれば、圧倒的な先進性を誇る日本携帯電話が天下を取れるのだ!半導体復活の時はついに来た!!!

製造業国内回帰の波に乗り、生産性に優れる300mmウェハの工場をどんどん建てて再起をねらうのだ!

2003

日立三菱ロジック半導体事業統合世界三位半導体メーカールネサステクノロジ誕生

富士通、米AMDNORFlashメモリ事業統合Spansion設立

エルピーダ三菱電機からDRAM事業譲渡日本の残存DRAM事業が集約。新社長を外部招聘し、反転攻勢開始

東芝四日市に300mm対応NANDFlash工場四日市第3工場建設開始

東芝大分に300mm対応の先端ロジック工場建設開始

NECエレ、鶴岡に300mm対応の先端ロジック工場建設開始

ソニー長崎に300mm対応の先端ロジック工場建設開始

2004

ルネサス三菱時代から欧州拠点アーヘン工場を閉鎖

エルピーダ東広島に300mm対応DRAM工場建設開始

東芝大分の300mm工場が稼働

NECエレ、鶴岡の300mm工場が稼働

富士通桑名に300mmの先端ロジック工場建設開始

Spansion会津若松に300mm対応NORFlash工場建設を発表

松下魚津に300mmの先端ロジック工場建設開始

ローム浜松に300mm工場建設

2005

エルピーダ東広島の300mm場が稼働

東芝四日市第3工場稼働

ルネサスUMCからトレセンティテクノロジの持ち株を買収。完全子会社

ソニー長崎の300mm工場が稼働

富士通桑名の300mm工場が稼働

松下魚津の300mm工場が稼働

2006

東芝四日市に300mm対応NANDFlash第4工場建設開始

富士通桑名に300mm新棟を建設開始

エルピーダ台湾力晶半導体と共同で台中DRAM工場建設

2007

Spansion会津若松の300mm工場が稼働

東芝四日市の300mm第4工場が稼働

富士通桑名の300m工場新棟が稼働

2008 ~ 2015 暗黒時代

2000年代日本企業の反転攻勢は、リーマンショックで終わってしまった。

日本の電機業界が成功を夢見たデジタル家電韓国勢との競争に敗れ、携帯電話でも海外展開に失敗した。

90年代から繰り返し計上してきた赤字と、2000年代の大規模投資を経た今、半導体工場への投資継続する資金的余力はもはや残っていなかった。

不採算部門とみなされるようになった半導体事業設備投資が止まり建設されてからわずか数年で時代遅れとなってしまった。

これ以降は、東芝NANDFlashメモリや、ソニーイメージセンサーといった競争力を維持している分野、また旧エルピーダDRAM工場といった外資資金を得た分野のみが投資継続されることになる。

2008

ルネサス日立時代から欧州拠点、ランツフルト工場をLファウンドリーに売却

日立シンガポール工場シンガポールチャーターセミコンダクタに売却

ソニー長崎の300mm工場東芝に売却

ローム沖電気半導体事業を買収

2009

Spansion倒産

2010

ルネサスNECエレが合併世界第三位半導体メーカールネサスエレクトロニクス発足。フィンランドノキアからモデム部門を買収。

東芝四日市に300mmのNAND製造第5工場建設開始

米TI、Spansion会津若松の300mm工場買収

2011

ルネサスエレ、NEC時代から北米拠点ローズビル工場を独テレフンケンに売却

ルネサスエレ、1400人リストラ

東芝四日市の300mmの第5工場が稼働

ソニー長崎の300mm工場東芝から買戻し

オン・セミコンダクター三洋電機半導体事業を買収

2012

エルピーダメモリ倒産。米Micronが買収

ルネサスエレ、7500人リストラ

富士通岩手の200mm工場デンソーに売却

2013

東芝四日市の300mm第5工場2期工事開始

ルネサスエレ、ノキアから買収したモデム事業から撤退さらに2300人リストラ。またNEC時代中国の合弁を解消し撤退

富士通マイコンアナログ事業を再建したSpansionに売却

2014

東芝四日市の300mm第5工場2期分稼働。200mmの第2工場を300mmに建て替え

ルネサスエレ、年2回のリストラで約1000人削減

Panasonic半導体工場をまとめてイスラエルTower Jazzに売却

ソニールネサスエレから鶴岡の300mm工場を買収

富士通桑名の300mm工場台湾UMC出資受け入れ

2015

ソニー東芝から大分の300mm工場を買収

ルネサスエレ、1800人リストラ

富士通PanasonicSoC設計部門統合、ソシオネクスト設立

2016 ~ 再編ひと段落?そして現在へと続く道

この時期に至ってようやく主要半導体メーカー工場再編が一通り完了し、現在につながる枠組みがほぼ出来上がった。

リーマンショック後の大規模再編で日本企業世界地位はかつてないまでに低下し、国内工場においても外資系の傘下に入るところが増えた。

現在半導体の先端工場継続投資できる日本企業は、イメージセンサーに強いソニー東芝メモリ事業を引き継いだキオクシアだけである

はたして日本半導体産業は今後どうなるのだろうか?再び世界に飛躍する日はやってくるのだろうか?

2016

東芝四日市の第2工場建て替え完了大分岩手の200mm工場分社化ジャパンセミコンダクターを設立

2017

東芝本体粉飾決算あおりを受けてメモリ事業分社化東芝メモリ設立四日市に300mmの第6工場建設開始。さら北上市に300mm新工場建設

ルネサスエレ、米intersilを買収

2018

東芝メモリ四日市の第6工場が稼働。多国籍連合ファンドパンゲアから出資を受ける。

富士通桑名の300mm工場台湾UMCに売却。また、会津若松の200mm工場も米オン・セミコンダクターに売却。

2019

東芝メモリ、キオクシアに社名変更北上工場稼働

Panasonic、残ったマイコン等の事業台湾Nuvotonに売却して半導体から撤退

ソニー長崎に300mm新工場建設開始

Micronエルピーダから買収した広島工場拡張

ルネサスエレ、米IDTを買収

2020

キオクシア、北上に300mm第2工場建設開始

東芝本体SoC部門撤退で770人リストラ

2021

キオクシア、四日市に300mm第7工場建設開始予定

2020-09-02

俺たちは雰囲気で株をやっている

夕食を食べ終わって、晩酌しながらネットサーフィンをしていると、頭がくらくらするニュースが目に入ってきた。

オンライン会議最近メジャーになったZOOM決算が良かったらしく、1日で30%も株価が上がっているというのだ。

元々時価総額10兆円近かったかプラス3兆円?

いくら成長性が高いとはいえ、1日で時価総額がこんなに増えるなんて、この値動きは完全にバブルしか思えない。

ちなみにどのくらいバブっているかyahooファイナンスで調べてみると、株価を1株当たりの利益で割った割安性を示す指数PER(Price Earnings Ratio)は5000倍近く。

どういうことかっていうと、例えばオイラアラブ石油王隠し子だったとして、5000兆円ほど自由に使える身だったと仮定する。

ZOOMの将来性を見越して、ZOOM株を100%買い占めてオイラの所有物にしたとしよう。この時の買収にかかる費用時価総額(=株価x総株数)に等しくなる。

(買収合戦で値上がりするとかは考えない。)

この時の投資金額を回収しようと思ったときPERが5000倍っていう事は、1年で出る利益が1株当たりの株価の1/5000しかないという事。

1株500ドルだっとすると、利益わず10セント。要するに買収でかかった費用の元を取るのに5000年かかってしまうってことだ。

まあ、このままZOOM事業がぐんぐん成長していけば、利益右肩上がりになるはずなのでそのうちPERも下がってくる(=5000年かからずに元を取れる)だろうと考えられなくもないのだけども。

今日話題になっているZOOM以外でも、やれテスラAmazonだ、謎の半導体メーカーNVIDIAだと、アメリカ株の景気が良い話はよく聞くが、何でも上がっているかというとそうではない。

何を隠そう、オイラは実は渋谷区在住の米系外資エリートリーマンなのだが、そんなオイラの勤務先の株価はいまだにコロナ前につけたピークの2/3といったところである

アメリカ株がなんでも上がっているなら、日ごろから会社で大活躍しているオイラはご褒美にもらったストックオプションでウハウハだったのに!悔しい!泣いちゃうぴえん...

さて、賢明な読者はおめーの業種がハイテクじゃないかダメなんじゃないの?と思われるかもしれない。

だが、外資エリートリーマンのおいらがクレバースマートな頭で調べた結果判明したのだが、同じハイテクでも勢いのない会社や地味な会社はそこまでバブっていないのだ。

例えば半導体業界を例に出してみるとこんな感じになる。いかがだろうか。Intelに勢いがないのは事実が、半導体ブーム恩恵を受けそうな他の大手メーカーも含めて、セクター自体は実はそんなに割高でないことがわかる。

・謎の半導体メーカーNVIDIA: PER120倍

世界最大の半導体製造装置メーカーAMAT: PER21倍

世界最大の半導体メーカーIntel: PER10

アメリカ最大のメモリメーカーMicron: PER8倍

withコロナで人と人との接触を減らさざるを得なくなって、在宅勤務、勤め先の外資風に言えば 『ワークフロムホーム』が主流になれば、データセンター需要が爆発するので半導体関連の株価はなんでも上がる。

(データセンターで使われるサーバーにはGPU以外にもCPUメモリもどんな半導体も入ってるよね?半導体増産するために装置バカ売れするはずだよね?)

そのシナリオが真なら、市場シェアが高いはずの上記企業株価はなぜ割安に放置されているのだろう?

答えは一つ。俺たちが雰囲気で株をやっているからだ。

結論を言おう。

今の株価は決して合理的プライシングではないバブルである。そしてバブルははじけるものと決まっている。

強気はいだって株価が割高でないと同じことを繰り返し言う。

直近ならこんな感じだ。

PERなんて指標ゲームルールが変わって役に立たなくなったんだよ。株価未来を先取りする。ハイテク企業イノベーション世界レボリューションしている限り経済は成長する!(だから株価は上がり続ける)」

同じようなことはリーマンショック、俺たち外資風に言えば『フィナンシャルクライシス』の前にもさんざん言われていた。

PERなんて指標ゲームルールが変わって役に立たなくなったんだよ。株価未来を先取りする。新興国人口は50億人。冷戦が終わってグローバル化が進んだ今、彼らが先進国レベルに豊かになるまで経済成長は続く。(だから株価も上がり続ける)」

だけど夢はいつか覚める。株価ウォール街してすごいヤバいことになる。寝言は寝て言うものだと理解していただきたい。

まあ、ぶっちゃけ暴落するというのは半分オイラの願望である

最近個人でやってるtwitterで、これは絶対バブルだ、みんな慎重になれ的なことを書き込んだら「アメリカ株をやらないやつは馬鹿。今利益出ていないやつは幼稚園児以下のうんこ」みたいに煽られることが増えたのである

バリュー株メインで銘柄選定していてあまり儲かっていないオイラは少しムカついているので、株価暴落するとメシウマなのである。(欲しい銘柄が安く帰るし、ショートでの儲けも狙うことができる。)

さて、バブルはいつはじけるのだろう?その時強気一辺倒で掛け金を上げ続けた哀れな子羊たちはどういうことを言うのだろう?今から言い訳が楽しみである



最後に一つエピソードを紹介したい。

2ヶ月くらい前のことだ。コロナ緊急事態宣言が解除された解放感で、友人と焼き肉を食べに行っていたときエピソード

イラと友人が肉を食べていると、隣の席に不動産営業と思しき、こんがり日焼けした肌に高そうなスーツを少しだけ着崩したチャラ目のグループがやってきて、席に着くなりアメリカ株の話を始めたのだ。

なすだっく?ってのを買ったら絶対上がるんだよ。ここ10年ずっと右肩上がりだったっし、俺もコロナの後に友人の勧めで始めたけど、1月でもう30万儲けたぜ!マジヤバい!お前らも早くアメリカ株できる証券口座開いて、なすだっくを買うんだよ!」

面白そうな話をしていたので盗み聞きをしていたのだが、彼らはNASDAQ株式市場名前であり、日々変動する数字がその取引所株価指数意味していることも、自分たちが買っているのは株ではなくて指数に連動するETFと呼ばれる上場投資信託であることも理解していないようだった。

ソーシャルディスタンシングで座席の間引かれた店内に響き渡る彼らの声を聞いて、かの有名な靴磨きの少年エピソード自分体験するとはと、しみじみ思ったのであった。

2020-08-13

日本半導体産業についての話_その2

https://anond.hatelabo.jp/20200813115920

上記記事を書いた増田です。外出して戻ってきたらまさか100ブクマ越えだったんで、調子に乗って続きを書きます

イメージセンサー

ソニーセミコンダクタソリューションズグループ

要するにソニー半導体事業部。金額ベースイメージセンサー世界シェア50%を超える王者

裏面照射型や積層型といった新技術世界に先駆けて開発しており、技術・規模両面において市場リードしている。

ただし、スマートフォンデジカメハイエンド品がメインなので、数量シェアでは過半数を下回る。

また車載向けではシェトップではなく絶対的王者といえるほどその地位は安泰ではない。


熊本テクノロジーセンター

ソニーイメージセンサーの基幹工場。初めからイメージセンサー向けで建てられたという特徴がある。

イメージセンサーの主流がCCDからCMOSに切り替わるタイミングでの大規模投資が功を奏し、近年では珍しい日本企業電子デバイス分野での覇権獲得につながった。

長崎テクノロジーセンター

みんな大好き、SCE久夛良木さんがPS3で夢を見てCell Processor量産のために大規模投資をした工場

もともとハイエンドプロセッサ向けの工場だったのだが、PS3爆死のあおりを受けて設備投資が中断。

ソニー本体が65nmまででプロセス投資凍結 → 東芝へ売却 → ソニーによる買戻し → イメージセンサー工場に転換という数奇な運命をたどる。

大分テクノロジーセンター

もともとは東芝の先端ロジック半導体製造の主力拠点

これまたPS3GPUであるRSXの製造担当していた。ソニーイメージセンサーの規模拡大のために東芝から買収。

山形テクノロジーセンター

もともとはNECの先端ロジック半導体製造拠点製造品目としてはWii / Wii UのCPUが有名。

NECロジック半導体部門分社化したNECエレクトロニクスが旧ルネサス合併後、日立系との勢力争いで非主流派となり、工場閉鎖が検討されていたところをイメージセンサー製造能力拡大を図りたいソニーが買収することになった。

こうしてみると、ソニーイメージセンサーシェア拡大には競争力のなくなった各社のロジック半導体工場の買収が大きく寄与していることがわかる。

最も、製造品目の転換にはデメリットもあって、最初から専用工場として建てられた場合に比べて効率が劣る部分があるのだ。

例えば、半導体の配線材としては銅が使われているのだが、金属汚染を避ける必要があるため工場内のレイアウトはそれを考慮されている。

ところが先端ロジック半導体では10層以上使っており配線工程が多いのに対して、イメージセンサーでは3層程度だったりするので、工場をそのまま流用すると製造装置の配置で効率が悪くなる部分が出てきたりするのだ。

パワー半導体

ごめん、ぶっちゃけパワー半導体は詳しくない。三菱電機東芝富士電機あたりが主なプレーヤー

現状では売り上げ、技術ともに世界上位だとは聞いているが、懸念点はある。

彼らは国内自動車メーカー重電家電メーカーに納めるモジュール向けに生産しているのがメインで、半導体メーカーとして世界顧客積極的に売るという感じではないようなのだ

かつての総合電機本体が自社の家電向けに半導体生産していたのが、国内メーカーデジタル家電のシェダウンで売り上げを落とし衰退したのを見ているだけに将来が恐ろしい。

ドイツInfineonアメリカON semiconductorのようにウェハを300㎜化して外販増やす戦略もとっていないようだし、どうなることか…

非先端ロジック / マイコン / ディスクリート / アナログ

ルネサスエレクトロニクス

かつてはマイコン世界一。旧ルネサス時代日立系・三菱系の製品ラインナップを統合できない間に、NEC系の製品も入ってきて大混乱。

顧客が1社購買を避けるため、一時的には1+1+1=3になっていたが、現在はいいとこ1+1+1=1.5程度ではないだろうか。

民生機器向けのローエンドマイコンではPICAVRを有するMicrochipの攻勢を浴び、ハイエンド品ではArmベースで開発しやすさをうたうST Microの攻勢を受けて苦しい状態が続く。

ちなみにアナログ半導体でも日本最大、世界シェアでTop10位置する。さすがは日本代表する半導体メーカー

とはいえアナログ半導体については国内工場ガンガン閉鎖したため、ぶっちゃけ国内製造している割合は大きくなく、買収した米国の旧Intersilの寄与分が大きい。

東芝

電子工作雑誌トランジスタ技術に乗っているような個別半導体を今でも作っている貴重な日系メーカールネサスが古い工場ガンガン閉鎖してほとんど個別半導体から手を引いたため、

ちょっとした単機能部品を使おうと思うと日系メーカーでは東芝がほぼ唯一の選択肢となることも多い。

アナログディスクリート部門の売上自体NANDを作っているキオクシアに比べて規模が小さく地味な存在ではあるが、個人的には頑張って製造を続けてほしいと思っている。

ローム

何かと癖のある京都メーカー。かつてはデジタル家電向けにカスタムICを作り高収益企業として知られていたが、最近ではそうでもない。

とはいえ車載向けの比率を増やしたり、沖電気半導体事業買収 / ヤマハから工場買収といったように経営的にはいろいろ模索している。

総合電機系の半導体メーカーが軒並み没落する中で、大崩れせずに生き残っているあたりはさすが京都系というところか。

なお、独自の社風は業界内でも有名。技術を身に着けた男性社員転職して出ていかないように、地元京都女子社員顔採用してお嫁さん候補としている等の都市伝説あり。

ちなみに筆者は就活生であったこローム選考書類を送ったのだが、他社では聞かれたことがない出身中学校を教えてくれと追加連絡があり、返信後にお祈りされるという謎の経験をしている。

■ TI

アメリカ代表する世界最大のアナログ半導体メーカー。半世紀くらい前から日本拠点を構えている。外資系のためドライな部分があるようで、工場老朽化すれば容赦なく閉鎖している感がある。

主力工場は旧Spansion (AMD富士通が合弁で作ったNORFlash memoryの会社)から買収した会津若松工場

小規模な工場が使われることの多いアナログ半導体では珍しく先端品同様300㎜ウェハを使った大規模工場だぞ。さすがはアナログ王者といったところか。

ON semiconductor

アメリカの電機メーカーMotorola半導体部門のうち、アナログ / ディスクリート部門分社化三洋電機半導体部門を買収。

日本にもそこそこの規模の工場や開発拠点を有しているが、気がかりなのは将来性。リクナビを見る限り、あまり積極的人材採用してる感じじゃないんだよな。

定年等の自然退職分の補充だけというか。日本進出している外資でも、Western DigitalMicronは割と積極的採用投資している感じなのだが、同じ外資でも方針が分かれるのだろうな。

デンソー

トヨタが日系半導体メーカーの衰退に危機感を覚え、自前の開発リソース強化を決断グループ半導体開発のリソースデンソーに集約。

富士通から工場を買収したり、東京設計拠点を開設してルネサス等の大規模リストラ失業したエンジニアを引き抜きしたりしている模様。

筆者の同僚も1人ここへ転職していった。

ファブレス半導体

■ ソシオネクスト

富士通Panasonicの先端ロジック半導体設計部門統合してできた日本最大のファブレス半導体メーカー

デジタル家電画像処理に強みを持つのだが、台湾勢とのガチ競合を避けるために若干ニッチシフトしている感がある。

富士通と旧Panasonic拠点が併存しており、社内文化の融合はあまり進んでいないとの噂。

メガチップス

任天堂関連銘柄最初からファブレス創業した日本では珍しい企業大阪地盤だが、旧川崎製鉄半導体部門を買収して関東にも拠点を確保した。

ソシオネクスト誕生するまで日本最大のファブレス半導体メーカーだった。

ザインエレクトロニクス

日本ファブレス半導体メーカーといえばかつてはここが一番有名だった。カリスマ社長創業して、講演会や本の出版も盛んにやっていた。

デジタル家電で急成長してリーマンショック前には200億くらい売り上げがあったのだが、今では30億くらいに落ち込んでいる模様。

ある程度年齢を重ねて思うのだが、経営者がメディア積極的露出する会社経営に割くべきリソースを浪費しているような気がする。

筆者も大学生のころは意識高い系だったので就活の時にはこの会社を志望していたのだが、今思えば採用されなくてよかったと思っている。

その他

日亜化学

LED大手。売り上げでは日系半導体メーカー上位だが残念ながら筆者は詳しくない。

シャープ

10年ほど前までは世界ランキング20位くらいに位置していたが、

最近はあまり開発リソース設備投資がされていないようで存在感があまりない。

EPSON

まりよく知らない。そこそこ(数百億)事業規模ある模様。

日清紡

本業は繊維メーカーなのだが、最近はなぜか半導体メーカー出資をしている。

オーディオファン知名度の高いオペアンプで有名な新日本無線や、電源ICを作っているリコー半導体部門を買収している。

ミネベアミツミ

アナログ半導体一定リソースを割いている模様。10年ほど前に元になった会社のミツミルネサス工場を買収 / SII半導体部門独立したエイブリックを買収など動きあり

それにしても、エイブリックはあの事業規模でガンガン広告出しているが、費用対効果めちゃくちゃ悪くないだろうか。渋谷看板を見たが主要顧客へのアピールエンジニア採用には役に立たない気が…

トレックセミコンダクター

岡山県アナログ半導体メーカーちょっと前に上場した。

日本半導体産業についての話

業界人です。お盆休み帰省できず暇を持て余した友人から急にSkypeがかかってきて、「そういえば日本半導体産業って衰退してるってよく言われるけど今どんな感じなん?やっぱり人件費中国韓国に勝てないの?」みたいなことを聞かれて、日本半導体産業の規模感って一般にあまり知られていないと思ったので、備忘録的に日本半導体製造している主要メーカーとその工場について書いてみる。

始めにロジック半導体メモリ半導体から。気が向いたら他の分野も書く。

追記:書いた

https://anond.hatelabo.jp/20200813164528

はじめに 半導体製造コスト人件費について

半導体工場使用される製造装置寡占化が進んでおり、世界中どのメーカーでも使われる装置自体に大差はない。

この辺の記事 (https://eetimes.jp/ee/articles/2003/17/news048_4.html ) を見てもらうとわかりやすいけれども、各工程使用する装置はどの分野も3社程度で寡占されている。

これらの装置費用が非常に高いため(一番高価な露光装置で50億超、最新のEUVだと100億)、製造コストに占める人件費割合は低い。

工場で働く人たちは装置メンテナンスや、管理システムの構築、製造計画プランナーとかで一般的な工場ブルーカラーイメージとはタイプが異なる。

先端ロジック半導体

リーマンショック後の2010年あたりで新規設備投資ほとんどなくなった。もはや質・量ともに諸外国と先端品で競えるレベルに無く、外資系企業の買収が進む。

経産省TSMC誘致を企画しているようだが、現状の日本国内には先端品の需要が少なく、実現性は低いと思われる。

現存する日本の主要工場は下記の通り。

ルネサスエレクトロニクス

那珂工場:40nm

日立三菱電機NECロジック半導体部門の流れをくむ日本代表する半導体メーカーだが、

売上的には縮小均衡を重ねて 1+1+1=1 と残念な結果に終わっている。

かつてはSoCマイコン車載等様々な分野で世界一の売り上げを誇っていたが、現在では上記のすべてで世界一から陥落している。売れるものがなくなれば工場への投資はできないわけで…

ユナイテッドセミコンダクタージャパン (台湾UMC富士通から工場買収)

三重工場:40nm

かつてのフラッグシップスパコン、『京』のCPU製造した工場。他にもSparcプロセッサや、VIAGPU、各社デジカメSoC等、地味にいろんな会社受託製造をしていた。

が、プロセッサ需要TSMCに流れ、デジカメ市場大幅縮小。車載分野に活路を見出そうとしているが先行きは大丈夫なのか…

■ タワーパートナーズセミコンダクター (イスラエルTower JazzセミコンダクタPanasonicと合弁)

魚津工場:45nm

Panasonicが自社のデジタル家電で使うプロセッサ製造するために設備投資をしていたが、

台湾Mediatekデジタル家電向けプロセッサ太刀打ちできず規模縮小。

一時期32nmの半導体世界に先駆けて量産との報道が出ていたが、現在では作っていない模様。

Panasonic半導体製造分野から手を引きたくてイスラエル会社に51%株式譲渡運営の主導権を渡す。

今は何を主力で作っているのだろう?

ちなみに。規模はともかく一般的に半導体イメージがそんなにない下記の国でも、実は日本よりも進んだ製造プロセス工場を持っていたりする。

先端ロジック半導体製造に関しては、すでに勝負がついた感がある。

ドイツ:Global Foundries(資本は米) 12nm

フランスST Micro 28nm

アイルランドIntel 10nm

イスラエルIntel 10nm

中国SMIC 14nm

メモリ半導体

日系・外資含めた主要メーカーは3社。技術設備投資ともに世界2位の水準。現在も年間数千億円が継続して投資されている。

20年ほど前、『メモリ装置があれば誰でも作れる汎用品』との言説が流行し、各社一斉にロジック半導体シフトした時期があったが、結局は今に至るまでメモリ分野のほうが競争力を維持できているというのは何とも皮肉

外資系の影響力は増したが日本産業が残っており、お金も回っている。

■ キオクシア (旧東芝メモリ)

四日市工場3D NAND 96層

東芝メモリ(現キオクシア)のNANDFlashメモリの主力工場増設を重ねて規模だけでいえば全世界で最大の半導体工場だったはず。

2次元NAND時代には微細化で世界トップクラス技術を誇っていたが、3次元化に出遅れ技術的な優位がなくなってきている模様。

96層世代では辛うじてキャッチアップできたようだが、技術的には韓国サムスン電子・米Micronに先行を許す。中国メーカーYMTCの製造が急速に立ち上がる中、先行きは予断を許さないだろう。

北上工場3D NAND 96層

上記四日市工場は確かに世界一の規模を誇っているのだが、これ以上規模を拡大すると人材募集が難しくなる(東海地方理工系人材自動車化学とも取り合い)ことや、周辺の交通渋滞慢性化による物流効率低下、地震等の自然災害事業が壊滅するリスク等を踏まえて2019年に新設された最新鋭の半導体工場

ただ、工場の規模がまだ小さいため、電気水道工業用ガスといったインフラ費用が割高になることや新規採用したオペレーターの習熟度等の影響で四日市工場よりも製造コストは高いと推測される。

■ Micron Memory Japan (旧エルピーダメモリ)

広島工場DRAM 1Znm世代

NEC日立三菱電機DRAM部門統合してできたエルピーダメモリ破綻後、米Micronが買収。

米国企業になり財務に余裕ができた影響か設備投資が増額されており、昨年には世界に先駆けて1Znm世代DRAMを量産に成功

ちなみに1Znm世代とは何ぞやという話だが、DRAM業界ではプロセス基準サバ読みがもともと横行していたのだが、20nmを切ったあたりで微細化のペースが落ちた結果、具体的に何nmといえなくなってアルファベット世代を表している模様。

なお、リクナビ新卒募集要項を見ればわかるが、待遇は日系メーカーよりはるかに良い。

■ Western Digital

上記キオクシアの半導体工場共同運営していた米SANDISKを米Western Digitalが買収。

投資折半しているだけでなく、日本に開発拠点製造人員も擁しており、何気に日本国内での事業規模は大きい。

余談だが、日立フラッシュメモリから撤退したとき人員が旧SANDISK日本法人に流れ、日立HDD部門Western Digitalに売却していることから管理クラスは旧日立系が多いとの噂。

日本法人社長日立出身だしね。なお、キオクシアとWestern Digitalは同じ分野の仕事をしているにもかかわらず、上記Micronと同様、リクナビを見ればわかるように日系メーカよりも良い待遇となっている。

半導体業界を志望している学生諸君、キオクシア受けるならWestern Digitalの方がいいぞ!

2019-04-15

anond:20190411005234

この人、同じ値段で Micron チップと SpecTek チップ搭載製品が並んでたら迷わず Micron を手に取るよ。

2019-04-13

anond:20190411005234

1.一般的にA<Bという評価がされている場合において、Aというブランド品をBというブランド品と偽って販売する行為違法景品表示法商標法

 1-1.Aを作るa社とBを作るb社に資本関係の有無は関係ない。a=bでも同様

 1-2.ただし、AをBとして販売することを前提にa社から仕入れ場合(OEM、PBなど)は合法(a社とb社との合意が条件)

  1-2-1.ただし、消費者に対してその行為を告知する必要があるとともに、b社は実質的製造者としてa社とともに製造物責任を負う場合がある

2.これらは個別事情考慮して判断する

 SpecTekはMicronのサブブランドであることは誰も否定していませんし、SpecTekのHPにもそのようなことが書いてあります

ではそもそもSpecTekは何なのかというと、Micronで製造された製品でMicron基準を満たさなかったものを更にふるいにかけてSpecTek基準を満たすものをリマークして売るところです。

 で、今回の流れを上でいうと

Bとして売るつもりで作ったらb社基準不良品なのでAで売ってもいい条件でa社に渡した(問題なし)

   ↓

a社基準でギリだったからそういうマークを付けてAとして売った(問題なし)

   ↓

それを買ったc社が「aってbのサブブランドから問題ないっしょ」(と思ってたかは謎だが)とb社のロゴを(勝手に?)貼ってBとして製品に組み込んで売った(問題あり!)

   ↓

更にそれをd社が仕入れて「Bが入ってますよ」と宣伝して販売(グレー)

d社がリマークを本当に知らなかったのなら、Bのつもりが実はAだったことが分かった時点で「ごめんなさい」すれば終わってた話です。

ところが「c社が偽造してたけど偽造じゃないよ」「スペック的にはちゃんと動いてるから問題ない」などと意味不明供述を(以下略

そうすると、まず起こる疑問は「Micronがやったのか?」であって、「ドスパラSSD偽装NANDを使っているのか?」にはならないんです。

そりゃ偽装NANDは確定していますから疑問にすらなりませんね。

仮に偽装があったとして、偽装主体Micronであればドスパラ批判したのは筋違いですし、Ritek主体なら証拠を出せという話です。

それをやったのはRITECということはしました。

事実と異なり、Micronチップと言い張ってますが)

ですので今更

あと、Micronが再刻印した場合Micron責任でそのチップMicron型番で出しているんですよ。なぜ、Micron側の品質基準でチェックし直して出荷した可能性に思い至らないのか不思議でなりません。それを証明しろと言いますか?その証明がなかったら低品質NANDを出荷した証拠になるんですか?

なんてのは周回遅れもいいところです。Micronリマークしていませんので(おそらく)SpecTekに渡した後の流通は把握していないでしょう。

 と、ここまで書いてふと気づきました。MicronとSpecTekがダンマリなのはなぜなのかと。もちろんこの問題を把握していないという可能性は十分ありますが、そもそもMicron→SpecTek→RITETKへとチップが渡った時点で製造者責任放棄してるんじゃないかと。つまり例の人の解析によればSpecTekの中でもかなり粗悪な部類にはいチップですので、RITEK製品化した後にSpecTekのまま出荷すると問題があった場合にSpecTekも責任を問われることになりかねない。だから不良品対応はせずリマークすることを条件にRITEK格安で売り払ったのかもしれません。ところがチップをただ黒塗りしただけではただの怪しいSSDとして売れませんから誰かが気を利かせたのかMicronマークしてしまった。殻割りしたドスパラリマークに関わっていようがいまいが「Micronチップが見える」と言って売る。

これならRITEKが嘘をついてまで泥をかぶる理由がわかりそうです。ドスパラも、何処からどの程度関わっていたのかわかりませんがRITEK同類他社との今後の取引を考えてすっとぼけることにしたのでしょう。その結果960GBでまたやらかしてるみたいですが。

もちろんこれはあくまで推察です。でもそう疑われても仕方がないほど状況証拠はそろっています

まず、あなた不正証明するんですよ。

私は例の人じゃないけどこうやって検証できますし、その他にも大勢の方がこの問題検証しておられます

貴方は見ないふりしていそうですが。

2019-04-12

anond:20190406224912

SSDじゃないけど近い業界企画・開発職してる.

僕もA氏もこの内容を理解しているし,リマーク品という指摘も妥当だったと思う.

「廃棄品」など扇動的表現技術系読者の鼻についたとも思うけど.

一般論として半導体特にNANDメモリは数社の巨大メーカーが大量製造する一方 製造ばらつきも極めて大きい.畑でとれる野菜と同じにね.

から動作検査で選別し,高品質品は専用の後工程を持つ自社ブランド(Micron),残りはグレード別にサブブランド(SpecTekとか)と分けて販売することで広いマーケットニーズ対応している.

「SpekTekマークの上にMicronと書くのは廃棄品利用であり偽物」というA氏の主張はこのビジネス特性に基づく.

そして皆の指摘どおり,今はドスパラこそ疑惑を認めた形に見える.

結局 メーカーであるRitekMicron製として部品を購入していないんだよ.

からリマークの経緯とか 性能例とか ウダウダ話をそらしてばかりいる.

コンプライアンス違反がない」というドスパラ表現は法的・ビジネス的には何の保証もない.

何を「無添加」にしたのかわからない回転寿司屋もあったね.

リマーク否定できないからこそ こう言うしか無い.

逆にあなたは何者だい?理系大学生

技術教科書は読んでいても ビジネスで苦しんだ経験はなさそうだが.

2019-04-11

anond:20190411005234

わざわざ SpecTek なんてサブブランド作って刻印する意味は?

最初から Micron って打っときゃ良いんじゃないの?

ドスパラSSD騒動リマーク疑惑言いがかりであること(補足2)

先日、こういうエントリーを書きました。

ドスパラSSD騒動リマーク疑惑言いがかりであること

https://anond.hatelabo.jp/20190406224912

ドスパラSSD騒動リマーク疑惑言いがかりであること(補足)

https://anond.hatelabo.jp/20190410003400

今回は少し趣向を変えて、アカウントAの人の疑惑の出し方の問題を指摘します。

アカウントAの人は、

SSD構造理解していません。

どういうことか解説します。

SSDの容量がどのように決まるかご存知でしょうか。NANDチップの容量を足しただけではありません。「予備領域」と呼ばれる、ユーザーからは通常見えない領域がありますWindowsディスク管理等では見えませんが、予備領域を設定するツール等では見えます)。つまり、ざっくり言うと下のような式になります

NANDチップの容量-予備領域SSDの容量

簡単に言うと、128GB分のNANDチップが使われているのに容量が120GBSSDは、8GBが予備領域として確保されているわけです。

この予備領域は、故障して使えなくなったユーザー領域代替になるほか、書き換えの際の一時保存場所SLCキャッシュ機能など広範な用途で使われています

予備領域SSD寿命や速度にとって重要である一方、ユーザーには「予備領域○○GB」のような形では公開されていません。どういうことかと言うと、

予備領域の容量は製品保証対象外

ということです。

NANDチップは、特に安いNANDチップは不良ブロック(記録できない領域)が最初からまれている可能性がありますSSDメーカーは出荷前テストでそれを検出し、不良の割合基準を超えるなら出荷せず、基準以下ならそのブロック無効にして出荷します。この時、予備領域で吸収することでユーザー領域は減らさないようにします。こうして製品としてのスペックを守りつつ歩留まりを上げているんですね。歩留まり向上は低価格化に直結します。

不良ブロック代替は先ほど触れた予備領域の使い方の一つです。個体によって値が変わるからメーカーは予備領域の容量を公開しないのかな、と思っていますが、特に関係いかもしれません。

ブロックという用語はこの後も出てくるので少し触れておきます。これはNANDチップデータを扱う際の単位です。

NANDチップセルデータを保存しますが、セル一定数まとめたものをページ、ページを一定数まとめたものブロックと呼びます

書き込みはページ単位、消去はブロック単位で行います。記録の最小単位セルなのですが、セル1個1個を個別には制御できないということです。そのため書き込みや書き換えのプロセスはかなり複雑になっているのですが、本筋ではないのでここでは割愛します。

ページとブロックの容量(ページサイズブロックサイズと呼びます)はNANDチップモデルによって異なります。大容量化につれてページサイズブロックサイズも増加傾向にありますが、ある時期からNANDチップメーカーデータシートを公開しなくなったので、最新世代については詳しく分かりません。

Hynixデータシートではありませんがブロックサイズを含めたデータを公開していたのでご紹介します。

https://www.skhynix.com/eng/product/nandRaw.jsp

これによると、HynixTLC NANDチップブロックサイズは4~13.5MBのようですね。

ここまでが前提です。

アカウントAの人は何をしたか

改めて、アカウントAの人が繰り返している不良認定プロセスを見てみましょう。氏のツイートから引用します。

Bad Block数は34とドスパラSGNANDの40に近い数値、、間違えなく黑片、、

これは旭東エレクトロニクス(SUNEAST)のSSDを不良認定した時のものですが、見ての通り不良ブロックの数しか見ていません。

「黑片」というのは、中国不正SSDが語られた際に出てきた言葉で、製品に使えないレベルNANDのことを指すようです。

ここまで読んで頂ければこれの何が問題か分かってもらえたと思いますが、念のため解説します。

不良ブロックが34個。これは確かにいかなとは感じますしかし、重要なのはこれが何を表すかです。

不良ブロック34個は、出荷基準を満たしていないのでしょうか?では、しきい値は何個ですか?分からないですよね。

また、同クラスの他製品と比べて多いのでしょうか?しきい値は分からないとしても、NANDチップMLCTLCなどの種類、プロセスルール等によって大きく特性が変わるのですから、同世代、同クラスの他製品比較をせずに評価はできません。34個という数だけで評価するのは検証の体をなしていません。

引用した部分でドスパラSSDにも言及していますが、ドスパラの時も同じことをしています。その時は40個という数字を見て

どうやってこのチップエラーさないで動くようにしてるんだろ、、、

コメントしているのですが、下手すると予備領域というものがあることすら知らないのではないかと疑ってしまますSSDの容量=NANDチップの容量と考えているのであれば疑問を持ったのも理解できるのですが。予備領域を知っているのならこんな疑問は出ないんですよね。

話を戻しますが、このNANDチップブロックサイズが分かりません。ブロックサイズが分からないということは、無効になっている容量が分かりません。不良ブロック34個は、何MBなのでしょうか。

仮にブロックサイズHynixと同じであれば合計130MB~460MBくらいです。予備領域が130MB~460MB少ないことは、SSD製品として許容範囲外なのでしょうか。ちなみに、先述の通り予備領域の容量は非公開であり、製品保証する仕様範囲外です。もう少し言うと、この時のSSDは120GBなので8GBのうちの130MB~460MB、つまり予備領域の1.6~5.6%です。彼の人の住む世界では、SSDの予備領域が5%減ると使えなくなるのでしょうか。

まとめると、アカウントAの人は何を表しているのか分からない指標を使って不良認定をしているのですね。そしてそれで何か分かった気になっているのですから、端的に言って論外です。騒ぎにでもならなければ、わざわざ否定する価値もありません。

まとめ

ColorfulSSDの時は、ざっくりまとめると以下のような内容でした。

ロゴが偽物>刻印する工場や時期で変わるから全部同じじゃない

・日付の刻印が全部同じ>大量に一括で仕入れてるから

・容量偽装だ>データシートから該当部分を抜粋して問題ないと指摘

疑惑全否定ですし、反論余地はありませんでした。

彼の人はBGAチップを付け外しするというちょっと珍しいスキルを持っているようなので騙される人もいるのかもしれませんが、私から見てこの人はNANDチップSSD仕様についてはド素人です。また検証プロセス妥当性の確認方法があまりに雑で、調査研究製品レビュー等の実務を行うための訓練を受けた経験があるとも思えません。ただの「自称詳しい人」です。

正直なところ、Colorfulの件であれだけ恥をかいたのだからもう少し慎重になるかと思ったのですが、何も学んでいなかったようですね。この程度の知識レベルあんな騒ぎが起こせるというのは、誰でも情報発信できる社会弊害を見た気分です。

世の中は皆さんが思うよりずっとしっかり動いていますセンセーショナルな内容に引きずられるのはある程度仕方ないとしても、もう少し慎重に元ネタに当たってほしいな、と思う次第です。

だって、SpecTekの刻印の上にMicronロゴがあったら、まずSpecTekって何だというところからスタートですし、SpecTekのサイトを見ればMicronだと分かるわけです。そうすると、まず起こる疑問は「Micronがやったのか?」であって、「ドスパラSSD偽装NANDを使っているのか?」にはならないんです。自作クラスタは、それくらいできる人たちだと私は思っています

余談ですが

Twitterの通知欄に、バッドブロック40個で品質は分かるとか、偽装証明を求めているのは悪魔の証明だとか出てきまして、さすがに失笑してしまいました。

一応コメントしておきますと、仮に偽装があったとして、偽装主体Micronであればドスパラ批判したのは筋違いですし、Ritek主体なら証拠を出せという話です。何も証明できないのであれば、悪魔の証明云々ではなく存在しない疑惑について騒いでいるだけなんですよ。だから最初から言いがかり」だと書いています。他の事はどうでもいいです。スタート地点が間違ってるんです。

あと、Micronが再刻印した場合Micron責任でそのチップMicron型番で出しているんですよ。なぜ、Micron側の品質基準でチェックし直して出荷した可能性に思い至らないのか不思議でなりません。それを証明しろと言いますか?その証明がなかったら低品質NANDを出荷した証拠になるんですか?

まず、あなた不正証明するんですよ。

2019-04-10

anond:20190410003400

まり現時点でも「MicronブランドNANDを使った信頼できるSSD」であり「ドスパラブランド品も信頼できる」と考えてる人が居るってことか

ドスパラSSD騒動リマーク疑惑言いがかりであること(補足)

先日、こんなエントリーを書きました。

ドスパラSSD騒動リマーク疑惑言いがかりであること

https://anond.hatelabo.jp/20190406224912

うまく伝わっていない部分があるかなと感じたので、少し補足します。

まりこういうことです

アカウントAによる疑惑は、以下の3点が根拠でした。

・基板が不正SSDに使われたものと似ている
NANDチップが再刻印されている
・再刻印前の型番が廃棄品を表している

しかし、似た基板が出回るのは業界常識であり、それを根拠不正を疑ったという事実だけで、アカウントAの人は不見識だと分かります

NANDチップの再刻印は、当のMicronが再刻印できる立場にある以上、再刻印事実だけでは不正を疑えません。出荷前に追加テストをしたのか、再刻印しただけなのか、何も分からいからです。

刻印前の「SG」型番はSpecTekにとって普通に売り物なので、廃棄品ではありません。

以上からアカウントAによる告発の内容は全て誤りないし証拠不十分です。

不正を疑うのであれば、疑う側が不正証拠をそろえるのが世間ルールです。それが不十分なのですから疑惑が誤りであるという結論以外あり得ません。

不正証明はできますか?

それでもなお偽装を疑うのであれば、不正であることの証明必要でしょう。

ドスパラを散々批判した方々、どなたか証明できますか?
ドスパラは売価ベースで数千万レベルの損害が出ていると思われますが、ご自身発言責任を負えますか?

私はMicronが再刻印したと考えるのに十分な根拠があると思っています。どなたか否定できるだけの材料を持っているでしょうか。

Micronが再刻印により品質偽装したのでしょうか。では、どなたか、今回のNANDチップがあるべき品質を満たしていないと証明できますか?

RitekMicron以外から不正NANDを買ったのでしょうか。それを示唆するような証拠は一切ありません。これは使われたNANDチップ不正であるということを前提にして初めて成立する疑惑なので、不正NAND存在自体疑義がある以上「不正NANDを買っていないとは証明できない」という反論はただの言いがかりです。

前回のエントリー本質的な部分として、

疑惑否定するには証拠が不十分であるという論証で事足りる

という点があります。今回のSSDで使われたNANDチップ正規であることの証明必要ないんですね。

こはちょっと私の書き方も悪かったかもしれません。分かりやすくなると思って重要でない部分に推測を交えた説明を盛り込んだのですが、そこに引っかかりを覚えた人がいるようです。何なら、推測を入れた部分は全部飛ばしてもらって結構です。それで論旨は変わりませんし、文章も成立します。

少し余談ですが

SpekTekとMicron関係も補足しておきます

前回のエントリーで、SpekTekはMicornの子会社ですらなく一部署である、と書きました。なぜ子会社ではないことが重要なのかということです。

子会社親会社資本関係があります親会社子会社筆頭株主である、など)。しかし、資本のもの独立していますもっと言うと、在庫独立しています

もしSpecTekが子会社だった場合工場を持たないSpecTekはMicronからNANDチップを購入するという形になりますMicronからすると、SpecTekのNANDチップは一度手を離れているわけです。

何かしらの理由でSpecTekのNANDチップMicron側に戻したい場合、買い戻すというプロセス必要になります倉庫が分かれていれば配送コストもかかりますし、ぶっちゃけ面倒です。

一方、部署である場合在庫倉庫共通です。SpecTek側でダブついた、Micron側で足りなくなったといった際に融通しやすくなります

要するに、同じ会社からこそこれ以上ないくらい再刻印やす環境にあると言えるわけです。

ところで、Micron刻印は本物でしたよね。少なくとも一見して偽物と分かるような刻印ではなかったはずですが、どなたか偽物だと看破できたのでしょうか。

2019-04-08

anond:20190406224912

郷に入っては郷に従えの精神を重んじて・・・

枕詞として

念のため書いておきますが、私はドスパラ関係者ではありません。

また某ツイッターアカウント(アカウントA)さんでもありません。

アカウントAさんのツイートから記事を拝見し、言及記事の作者(アカウントBとします)さんの記事に対し第三者という視点で記します。

揚げ足取りのような内容になる点、また引用が飛びまくる点についてはご容赦ください。

では本題

疑惑とは何だったのか編>

話を戻しますが、これは中国でも問題視され、ニュースにもなったようです。アカウントAの人は、この報道を元にそのデザインの基板=不正品の疑惑があるという思い込みしました。

とありますが「思い込みしました」という思考こそアカウントBさんの「思い込み」以外のなにものでもない気がします。

一般的思考としては過去にアウトであった基板デザインと同等であれば「疑わしき」と感じるのはしご普通思考と感じます

結果、今回のリマークが露呈するわけですが。

そして少し引用前後しますが、

中国全体を見た時の技術力向上は目覚ましいものがありますが、昔と変わらず偽物文化も根強く残っているようです。SSD例外ではなく、怪しげなSSD用基板、怪しげなNANDチップ通販で売られています。中には廃棄品の横流しが疑われるようなものなどもあるようです。

アカウントBさんもお書きになってるようアカウントAさんもこのことをご存知だったゆえ、先の「疑わしき」と感じられた1要因かと感じます

<なぜ疑惑が正しくないといえるのか編>

要するに、SpecTekの型番が入ったNANDチップMicron工場生産されたものです。Micron用、SpecTek用で生産ラインが分かれているのかは分かりませんが、仮に分かれていたとしても、Micron工場生産したNANDチップMicronロゴを再刻印してMicronブランドとして販売することに何の問題があるでしょうか。

逆を言えば、なぜMicronの子会社でもなく、むしろdivisionであるSpecTekの名のままで提供しなかったのでしょう?

ここはアカウントBさんお得意の「推測」になってしまますがSpecTekで出すよりMicronで出すほうが

「性能が確かで、知名度があり、印象がいい」と思われる

からなのではないでしょうか。

当方無知なだけかわかりませんがMicronは知っていますがSpecTekは知りません。

同じ値段かつ同じ性能と仮定した場合

(a)Micronチップ(マーク刻印)が搭載されたSSD

(b)同じMicron社のSpecTek製チップ(マーク刻印)が搭載されたSSD

があれば当方は迷わず(a)を選びます

理由は先に記した通りで「性能が確かで、知名度があり、印象がいい」なMicronから

そして(b)がSpecTekではなく、samsung東芝チップ(マーク刻印)されたSSDであればどちらにしようか迷います

理由は同じくMicronsamsung東芝も「性能がry...だからです

ここは私の想像ですが、単純にSpecTekブランドで出荷予定だったNANDチップに注文のキャンセルなどがあり、同じ仕様NANDの注文があったMicron側に渡したというだけの話ではないでしょうか。

疑惑を立証、断定する段階において「推察」ましてや「想像」など論外かと存じます

アカウントAさんのよう同じ基板だ怪しいぞ?と仮説の段階ではアカウントBさんが記されたような想像はよいでしょうが

言及記事においてはレポート論文における「結果」「結論」に値すべき項目に記すべきことではありません。

何の証拠もなく記すのは「リマークされることが正当である」と思わせる印象操作しか思えません。

不正NANDチップを使うのはひとえに安いからであって、隠すためにNANDチップ1枚1枚にコストをかけるのはナンセンスからです。ここからも、Micron妥当手続きを経てNANDを出荷したと推測できます

すいません。以下は推察です。

不正NANDチップコーティングを施してもまだ利益を生む価格であれば十二分にやりうることと考えます

また過去の「型番を消すように斜線が引かれている、網掛けされている」だけではすぐバレてしまうという悪い知恵だったのかもしれません。

上記理由も十二分に考えうるため、

1枚1枚にコストをかけるのはナンセンスからMicron妥当手続きを経てNANDを出荷と推測できる

というのは推測すらできぬことと考えます

しかし、この読み方には問題がありますポイントは「/」の読み取り方です。例として「S5」を見てみましょう。「Partially Tested, est yield of 50%」となっており、「部分的テスト済み、容量の推定50%」という意味です。「/」ではなく「,」が使われています意図的に使い分けているということです。他の使用例の紹介は割愛しますが、よく読むと「A/B」は「AまたはB」、「C,D」は「CかつD」という意味で使われているのが分かります

SpecTek社に直接お聞きになったわけではなく、アカウントBさんが型番の読み方を他の使用例を元にご自身なりの解釈で記されているだけでいわば推測。

アカウントAさんの型番解釈と何ら変わりなく感じます

まり、「Simple Test Passers/Extended Test Failures」は「簡易テスト合格、または拡張テスト不合格」、つまり出荷されたのは「簡易テストだけを実行しており、それには合格した」チップであると考えるのが妥当です。

正しい型番の読み方のまま議論すべきで意訳するべきではありません。

あくまでも「簡易テスト合格、または拡張テスト不合格」のNANDチップです。

「簡易テスト「だけ」を実行し」などとは書かれていません。意訳です。

Micron生産してMicronブランド販売するNANDチップなのですから製品に使えないものを出荷するはずがありません。

Micron社に属するSpecTek社が生産したNANDチップであることしか現状は判明していないと思うのですが

どこかにMicron生産してMicronブランド販売するNANDチップ」という記載があったでしょうか。

また「製品に使えないものを出荷するはずがありません」の前提にある「Micron生産してMicronブランド販売するNANDチップ」が

明確ではありませんので結果的に「出荷するはずがありません」とは言い切れません。

ドスパラが今回出した第三者機関テスト結果です。実機でテストして他のメーカー製品と特段差がなかったという結果でした。この調査自体は、比較対象2製品のうち1製品S.M.A.R.T.寿命の項目がない、調査機関名前公表されていない、の2点からイマイチ感が強いのですが、

これに関してはアカウントBさんもお書きのよう多くの方が「第三者機関」の不透明さが強く残ってしまっています

検証調査において大切なのは検証内容/方法検証元というのはアカウントBさんも重要であることはご認識かと存じます

ゆえ、本疑念を晴らすべき販売元がその調査機関公表しなかったことが事態収束に至ってない1要因かと考えます

ドスパラ対応イマイチだなあと思うのはリマークを明確に否定しなかったことですが、販売店という立場があり、自社ブランドについてはメーカーとしての立場もあり、言えないこともあるのでしょう。自分コメントではなく、あくまRitek第三者機関言葉ベースに対外発表しているのは正しい対応であり、批判に当たらないと思われます

アカウントBさんやアカウントAさんの内容に対し、否定的な意見を掲げている方の多くが勘違いしている気がします、

本件の核はアカウントAさんが何度も強く仰っている「リマークの重大さ」です。

そしてこれが本件の問題です。検証結果から性能が十分に担保されているので「良い」では済まされません。

また如何なる理由があるのか察しえませんが販売元がこのリマーク意図を明確にしない限り

本件は「解決したことにはならないと当方は考えます

今はよくわからないメーカーSSDで起こっているだけですがこの問題放置し続けると

先の事例に上げたようなsamsung東芝Crucialといった有名どころでも同事象が発生しうるということです。

こうなるとは我々は何を信じればいいのかわかりません。

名のあるショップで名のあるメーカー商品を買っても正規品かどうか判別もつかない事態になるやもしれぬということです。

2019-04-06

ドスパラSSD騒動リマーク疑惑言いがかりであること

先日、ドスパラリマーク疑惑をかけられた自社ブランドSSD「Z1シリーズ」の調査結果を発表し、そこそこ反響を呼んでいるようです。「疑惑はそこじゃない」というのが主流の反応なのですが、ここで反論しておこうと思います

私の中での結論は、「誰も何も問題のある行動をしていないし、製品にも問題はない」です。順を追って説明します。

念のため書いておきますが、私はドスパラ関係者ではありません。

疑惑とは何だったのか

そもそも疑惑は、某ツイッターアカウントアカウントAとします)が「Z1」を購入して分解し、疑惑を突きつけたところからまります。「Z1」発売に当たり、ドスパラ公式ツイッターアカウントが分解写真を載せ、MicronNANDが乗っていますね、というようなツイートをしたのですが、それにアカウントAが反応した形です。

分解したところ、NANDチップの表面がコーティングされていることに気付き、削ったらSpecTekの型番(正確には型番を短く表記した型番コード)が出てきたというのです。

SpecTekのチップMicronロゴと型番を上書きしている、これは「リマーク品」だ、というわけです。

少し面倒な話なのですが、これには前提となるエピソードがあります

SSDに限らずPCパーツは多くが中国工場生産されています中国全体を見た時の技術力向上は目覚ましいものがありますが、昔と変わらず偽物文化も根強く残っているようです。SSD例外ではなく、怪しげなSSD用基板、怪しげなNANDチップ通販で売られています。中には廃棄品の横流しが疑われるようなものなどもあるようです。

少し前、明らかに正規品ではないNANDチップが搭載されたSSD複数見付かり、話題になりました。日本に入ってきていない中国メーカーのものなのですが、同じデザインの基板を使っている、NANDチップの表面の刻印おかしい(型番を消すように斜線が引かれている、網掛けされているなど)という共通点がありました。

アカウントAがドスパラSSDツイートに反応したのは、そのデザインの基板が使われていたからです。

補足しておきますが、別メーカーSSD共通の基板デザインが見られるのはよくあることです。私はSATA2の頃からウォッチしていますが、その頃既にありました。中国には基板設計生産を行う下請け業者がいますSSDの基板の基本構造はそう変わらないので、ベースデザインを基に少しアレンジしただけの基板が複数メーカーに出回るというわけです。もちろん、同じSSDメーカーからOEM供給を受けているので中身がほとんど同じになるということもあります

国内流通しているSSDでも、別メーカーSSDがほぼ同じ基板デザイン採用している例は複数あります。もちろん怪しい聞いたことのないようなメーカーではなく、です。これらの事情を考えると基板デザインをフックに疑惑を持つことがそもそも不適切であり、他の根拠はこれから探すというのであれば、言いがかりであると言えます

話を戻しますが、これは中国でも問題視され、ニュースにもなったようです。アカウントAの人は、この報道を元にそのデザインの基板=不正品の疑惑があるという思い込みしました。そしてドスパラSSDを買って分解したわけですが、副産物としてNANDチップコーティングに気付きました。

さらに、アカウントAの人はSpecTekの公開している資料を元に、型番にある「SG」という文字列が「テスト不合格品」であると断じました。

ドスパラはこれに反応し、「Z1シリーズ」のOEM販売である台湾Ritek確認問題はないとの回答を得て発表します。同時に、第三者機関調査を依頼するとしました。その発表が今回あったということです。

ここまでが経緯です。

まとめると、疑惑は2つあったと言えます(基板の話は論ずるに値しないので除外します)。

リマーク品」のNANDチップを使っているのではないか
不合格品の低品質NANDチップを使っているのではないか

・なぜ疑惑が正しくないと言えるのか

ここから解説編です。なぜリマークではないと言えるのか。

それは、SpecTekがMicronと同じ会社からです。

SpecTekのホームページを見れば分かるのですが、サイト運営会社Micron Technologyになっています。「About(会社概要)」のページを開けば、SpecTekはMicronの「division(部署)」であると明記されています子会社subsidiary)ですらない、同じ会社ということです。SpecTekの半導体チップMicron工場生産されています事務所Micronアメリカ本社内にあります

要するに、SpecTekの型番が入ったNANDチップMicron工場生産されたものです。Micron用、SpecTek用で生産ラインが分かれているのかは分かりませんが、仮に分かれていたとしても、Micron工場生産したNANDチップMicronロゴを再刻印してMicronブランドとして販売することに何の問題があるでしょうか。

アカウントAの人が勘違いした理由シンプルで、SpecTekとMicronが同じ会社だということを知らなかったからです。

ここは私の想像ですが、単純にSpecTekブランドで出荷予定だったNANDチップに注文のキャンセルなどがあり、同じ仕様NANDの注文があったMicron側に渡したというだけの話ではないでしょうか。

NANDチップにわざわざコーティングを施して刻印をし直すという手間をかけている点は、アカウントAの人も「初めて見た」とツイートしています。それもそのはずで、不正NANDチップを使うのはひとえに安いからであって、隠すためにNANDチップ1枚1枚にコストをかけるのはナンセンスからです。ここからも、Micron妥当手続きを経てNANDを出荷したと推測できます

これだけで疑惑が成立しなくなるとは思いますが、一応もう1つの品質問題にも触れておきます

品質という疑惑には、2つの入り口がありました。「リマーク品」であるという点と、「SG刻印問題です。前者は説明済みなので、後者解説します。

SpecTekは「NAND Flash Component Part Numbering Guide」というPDFを公開しています。ここに型番の読み方が書いてあるわけです。

SG」は末尾につく2桁のコードで、「Grade and Product Definition」と定義されています。例えば、「AS」は「Full Spec for SSD100%)」となっていますSSD用のNANDチップということですね。

問題の「SG」は「Simple Test Passers/Extended Test Failures」となっていますアカウントAの人は、これを「簡易テスト合格、かつ拡張テスト不合格」だから不合格品だと考えたわけです。

しかし、この読み方には問題がありますポイントは「/」の読み取り方です。例として「S5」を見てみましょう。「Partially Tested, est yield of 50%」となっており、「部分的テスト済み、容量の推定50%」という意味です。「/」ではなく「,」が使われています意図的に使い分けているということです。他の使用例の紹介は割愛しますが、よく読むと「A/B」は「AまたはB」、「C,D」は「CかつD」という意味で使われているのが分かります

まり、「Simple Test Passers/Extended Test Failures」は「簡易テスト合格、または拡張テスト不合格」、つまり出荷されたのは「簡易テストだけを実行しており、それには合格した」チップであると考えるのが妥当です。

Micron生産してMicronブランド販売するNANDチップなのですから製品に使えないものを出荷するはずがありません。そもそも簡易テスト拡張テストの内容が分からない以上、これだけを見て判断すること自体が間違っているとも言えます拡張テストは「不合格でも特定製品には利用できる」という可能性もあるわけです。

もう一つ、SpecTekは「SG」の入った型番を普通に売っているというのもありますSpecTekの製品ページではNANDチップの「Part Number(型番)」の一覧を確認できます。そこに、「SG」の入った型番が大量に載っているんです。「SG=廃棄品」なんかではありません。

加えて、ドスパラが今回出した第三者機関テスト結果です。実機でテストして他のメーカー製品と特段差がなかったという結果でした。この調査自体は、比較対象2製品のうち1製品S.M.A.R.T.寿命の項目がない、調査機関名前公表されていない、の2点からイマイチ感が強いのですが、100TB以上書き込んでピンピンしているというのは格安SSDとしては上等だと思います100TBというデータ量は、毎日50GBずつ書き込んでも約5年半かかります一般的パソコンの使い方ではそんなに書き込まないので、心配するだけ無駄というか、むしろ安心です。

・つまり疑惑なんてなかった

以上で説明は終わりです。

冷静に一次情報に当たれば、第三者機関調査なんて待たずに言いがかりだと分かる内容でした。

また、製品の内部パーツをどうこう言うのは自作PC業界の独特な慣習なのでそこは尊重しますが、そもそも製品保証すべきは「製品スペックであるということは覚えておくべきだと思います。「MicronNAND搭載」とうたったのであれば、Micron以外のNANDは使ってはいけません。しかし、ある個体を開けたらMicronNANDが使われていた、というのは製品MicronNANDを使っていることを保証しません。仮に別の個体HynixNANDが入っていても文句を言う筋合いはないのです。

今回に限って言えば、内部写真を公開したのがドスパラ公式アカウントだったことと、勘違いとはいえリマーク疑惑が出たので同一視していいのかは微妙ですが、本来ドスパラ保証すべきは寸法とインターフェースSMIコントローラーTLC NAND、最大読み書き速度くらいです。

ドスパラ対応イマイチだなあと思うのはリマークを明確に否定しなかったことですが、販売店という立場があり、自社ブランドについてはメーカーとしての立場もあり、言えないこともあるのでしょう。自分コメントではなく、あくまRitek第三者機関言葉ベースに対外発表しているのは正しい対応であり、批判に当たらないと思われます

iPhoneだって、かつて「A9」がSamsung製とTSMC製の2種類があり、TSMC製の方がバッテリーが長持ちするなんて騒動がありました。しかAppleは両者から供給を受けていることは認めつつ何も対応しませんでした(検証報道批判したりはしましたが)。両方とも公表しているスペックを満たしているのなら、本来この対応が正しいんです。

MicronMicronブランドNAND販売したのですからMicron問題はありませんし、それを買って使ったRitekももちろん問題はありません。販売したドスパラにも問題はありません。どちらかと言うと、本来問題視されることのないNANDチップコーティング剥がしてまで筋違い問題提起をしたことの方が問題なのではないでしょうか。NANDチップ刻印は、購入したエンドユーザーに見せるためのものではありません。iPhoneを分解して、筐体の内側にマーカーで目印が書いてあったら文句を言いますか?今回アカウントAの人がやったのはそのレベルのことだと思っています

最後に、こんなことを言うのもなんですが、アカウントAの人は、かつてリンクスインターナショナル販売したColorful TechnologyのSSDにも同様に基板デザインを起点にした疑惑をかけ、言いがかりだったことが判明しても謝罪コメント1つ出さなかった人です(ご本人は、偽装NANDである証明はできないけど本物である証明もできないからセーフとでも思っているのかもしれませんが)。この人の言動を元に疑惑拡散すること自体不適切だと言えます

(2019/04/10追記

補足の文章を書きました。

https://anond.hatelabo.jp/ashitagaarukara/20190410

2019-02-04

16GB×1枚で9,980円、Micronチップ搭載の安価DDR4メモリが入荷

https://akiba-pc.watch.impress.co.jp/docs/news/news/1167896.html

メモリも安くなったな。

俺は16GB(8GB×2)積んでるが、増田は何GB積んでる?

 
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