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2023-06-02

令和05年最新版 日本半導体産業の現状について

台風仕事休みになりそうなので暇つぶしに。

3年くらい前に日本半導体産業の近況をまとめたのですが、ここ数年で政治家先生たちが何かに目覚めたらしく状況が大きく変わりつつあるので各社の状況をアップデート

前回の記事 https://anond.hatelabo.jp/20200813115920

先端ロジック半導体

■ JASM (TSMC日本法人)

熊本工場:28nm, 22nm (工場稼働時) / 16nm, 12nm (将来計画)

日本政府補助金ソニーデンソー出資という離れ業により、業界人が誰も信じていなかったTSMC工場進出が実現した。現在建屋建設が進んでおり、順調にいけば2024年内には量産開始となる。生産が予定されているプロセスはいずれも世界最先端に比べると古いものだが日本では最先端であり、HKMG(ハイケーメタルゲート、トランジスタの性能を上げる技術)やFinFET(フィンフェット、性能の良い3次元トランジスタ)といった技術が新たに導入される。工場生産される半導体の主なクライアント出資者のソニー。衰退の激しい日本の電機業界だが、ソニーはまだ世界と戦う余力を残しており年間半導体購入金額世界10位で日本トップである。ただし、PS3Cell Processor長崎で作っていたように先端プロセッサをここで作れるわけではない。PS5のCPUTSMCの6nmプロセス製造であり、この工場では製造できないのだ。識者の予測ではイメージセンサー向けロジック半導体生産すると想定されている。

■ Rapidus (ラピダス)

千歳工場:2nm

日本政府国策で、IBMから技術を導入し自前で最先端半導体製造を狙う野心的なプロジェクト。量産開始は2027年を予定。

社長を務めるのは御年70歳になる小池氏。

彼は日立トレセンティテクノロジーズ(ルネサス那珂工場前身)→SANDISKWestern Digitalという国内外半導体メーカー渡り歩いた華麗な経歴の持ち主である

以前に社長を務めていたトレセンティテクノロジーズは2000年日立台湾大手ファウンドリUMCとの合弁の半導体製造会社で、世界に先駆け現在の標準となる300mmウェハに対応した先進的な工場であった。ファウンドリ全盛の今から後知恵で見れば、限りなく正解に近い経営戦略先進性を併せ持っていたがビジネスとしては成功しなかった。工場ルネサスに吸収され、小池氏はSANDISKへと移籍することに。そんなわけで今回の国策ファウンドリRapidusの社長就任小池氏の二十数年越しのリベンジマッチでもある。

なお、氏のポエミーなプレゼン業界でも有名。記者会見日本半導体衰退の原因を「驕り」と一刀両断した一枚のパワポ話題さらったが、本人が一番驕っているのではと不安がる声もある。

ルネサスエレクトロニクス

那珂工場:40nm

日立三菱電機NECロジック半導体部門統合した日本代表する半導体メーカー

5万人いた従業員を1/3にする大リストラ、先端プロセス製造から撤退海外メーカーの買収ラッシュを経て復活。そして大躍進。

昨年の売り上げは1兆5千億円を超え、はじめて統合直後の売り上げ(ピークは2011年3月期の1兆1千億)を抜いた。もう1+1+1=1とは言わせない。

旺盛な車載半導体需要にこたえるべく、政府補助金を得てリストラで閉鎖した甲府工場の再稼働を決定。

コロナ禍では働き方が柔軟になり、リモートワークは全国どこでもできるようになった。ルネサスは開発拠点も大リストラで統廃合しており、三菱系の伊丹NEC系の玉川をはじめ全国にあった設計拠点日立系の小平に集約している。地元拠点が閉鎖されて単身赴任をしている人も多かったのだが、最近ではリモートワークを活用して単身赴任先のマンションを引き払った人も出てきている模様。

ユナイテッドセミコンダクタージャパン

三重工場:40nm

増大する車載半導体需要にこたえるべく、デンソー出資してパワー半導体IGBT生産を始めた。筆者はパワー半導体は専門外で、家電芸人が語る家電説明程度にしか話せないため軽く紹介するにとどめたい。

■ タワーパートナーズセミコンダクター

魚津工場:45nm

半導体部門を手放したがっていたPanasonicイスラエル企業Tower Semiconductorと共同で運営していた工場

Panasonic台湾Nuvoton technologyに持ち分株式を売却したため、現在ではイスラエル台湾共同運営という珍しい業態になっている。

さらに、半導体大手IntelTower Semiconductorの買収を進めているため、将来的にはIntel拠点となる可能性があり、日本IntelCPUが作られる世界線もあるかもしれない。

が、本案件は米中対立あおり中国での買収審査が長引いているため、先行きには不透明感が漂う。

メモリ半導体

■ キオクシア

四日市工場 / 北上工場3D NAND 162層

日本代表するメモリ半導体メーカー。前回からの3年で、積層数は96層 → 112層 → 162層と2世代進化した。競合他社は232層品の量産も始めている(キオクシアは開発完了 / 本格量産前)が、最近3D NANDは闇雲に積層数を増やせば低コストで作れるというわけでもない模様。

なお世間では半導体不足のニュースの印象が強く、半導体はもうかっているとの認識があると思うがコロナ禍でのIT投資ブームが終了したメモリ業界リーマンショック以来の大不況である

キオクシアも例外ではなく、最新の4半期決算1000億円単位赤字を計上してしまった。Western Digitalとの統合のうわさがあるが、もちろん筆者は何も知らないし、仮に知っていても絶対にここには書けない。

Micron Memory Japan (旧エルピーダメモリ)

広島工場DRAM 1βnm世代

ルネサスと同じく、NEC日立三菱電機DRAM事業統合で生まれエルピーダメモリ倒産後に米Micronが買収。

前にも書いたが、DRAM業界プロセスサバ読みが横行しており、20nmを切ったあたりから具体的な数字ではなく1X, 1Y, 1Z, 1αときて、ついに1βnm世代の量産にたどり着いた。広島サミットに合わせて、社長来日。岸田総理会談後大々的な設備投資を発表。1γnm世代を目指して日本初の量産用EUV露光装置が導入されることが決まった。

このEUVというのは波長が13.5nmの極超紫外線(Extreme Ultra Violet)を使った露光装置で1台200~300億かかる人類史上最も高価で精密な工作機械でありオランダASML社が独占的に製造している。もっとも、メモリ業界大不況を食らっているのはMicron例外ではなく、岸田総理と華々しく会談している裏で数百人規模のリストラ慣行。こういう外面の良さと裏でやってることのえげつなさの二面性は、いかにも外資だなと思う。

Western Digital

東芝と共同でフラッシュメモリの開発を行っていたSANDISKHDD大手Western Digitalが買収。キオクシアの四日市工場北上工場を共同で運営している。

Western Digitalメモリコントローラーを内製していることで知られSSDの性能の良さに定評があり、スマートフォン向けの売り上げが多いキオクシアとは、同じ工場運営していても得意としている販売先が微妙に異なり、住み分けがなされている。(そのため、2社統合によるシナジー効果が期待されたびたび観測気球的な記事が出回る。)

なお、もともと日系半導体メーカーが大リストラをしていた時の人材の受け皿として中途をたくさん採用していた経緯もあり、人材流動性は高い。在籍時の仕事ぶりがよければ、他社へ転職していった元社員の出戻りも歓迎と聞く。前述のRapidus社長小池氏は、つい先日までここの社長をしていた。余談だが、上記Micron米国本社社長も旧SANDISK創業者Western Digitalによる買収後に引き抜かれている。こういう話を聞くと、いかにも外資だなと思う。

イメージセンサー

ソニーセミコンダクターソリューショングループ

イメージセンサー世界最大のシェアを誇るソニー半導体部門2020年2021年は米中対立あおりを受けて主要顧客Huawei向けの出荷減少に苦しんだが、2022年度は大幅に売り上げを伸ばし、1兆4千億円となった。他の半導体の例にもれずイメージセンサー国際競争過酷であるため、対抗して人員増強を進めている。Panasonicエンジニアを引き抜くために関西設計拠点を開設し、各地の工場拡張も並行して進めている。調子のいい半導体メーカーはどこも人員増強を進めているが、ここ10年ほどは理工系学生半導体業界人気がどん底、かつ人材ニーズも少なかっため、新卒半導体メーカー就職した絶対数が致命的に少なく30~40歳くらいの中堅技術者の確保にどこも苦労している模様。なお、スマートフォン向けカメラの次の飯の種として、車載用途に数年前から注力開始。最近徐々に成果が出始めている。

ファブレス半導体

■ ソシオネクスト

富士通PanasonicLSI設計部門統合してできた日本最大のファブレス半導体メーカー。昨今の半導体ブームの波に乗り、株式上場、売り上げ2000億突破と非常に好調。3年前は1000億程度の売り上げだったので、すさまじい成長であるもっとも、母体となった富士通Panasonicピーク時の半導体売上が1社で5000億近くあったので、少々物足りなさを感じなくもない。復活は道半ばである

メガチップス

ソシオネクスト誕生するまで日本最大のファブレス半導体メーカーだった。もともと任天堂向けの売り上げが大半だったのだが近年は多角化を進めている。昨年の売り上げは約700億とSwitch人気がピークだった時と比べるとやや劣るが営業利益過去最高を記録している。

ザインエレクトロニクス

かつては日本代表するファブレス半導体メーカーと言えばここだった。昨年の売上高は54億と、3年前紹介したときの30億から伸びたものの、ファブレス上位2社からはかなり離されてしまっている。大昔は韓国サムスン電子に自社製品採用されたのがウリで創業者武勇伝にも頻繁に登場していたが、今では売り上げの75%を国内依存しており海外展開の出遅れが否めない。

非先端ロジックマイコンアナログディスクリートなど

東芝

車載用途のパワー半導体需要が伸びており、石川県工場に300mmウェハ対応ライン建設。この記事でよく出てくる300mmウェハとはシリコンの基板の直径であり、大きい方が製造効率が良い。125mm → 150mm → 200mm → 300mmと順調に大型化が進み次は450mm化と思われたが、大きすぎて弊害が大きく、ここ20年間はずっと300mmが最大サイズである

従来はCPUメモリといった分野の製造しか使用されていなかったのだが、ここ5年くらいでパワー半導体にも300mm化の波が押し寄せてきている。

ローム

何かと癖のある京都メーカー車載事業好調で売り上げが順調に伸びている。次世代パワー半導体材料と呼ばれていたSiC日本国内の他のメーカーリード

余談だが、筆者は学生のころSiC実験で扱っていた。単位を落としまくっていた不良学生だったので、教授がワクワクしながら話していたSiCの物性の話はすべて忘れている。今では家電芸人並みのトークしかできないのでSiCについて語ることはご容赦いただきたい。研究から本格量産まで20年超の時間がかかっていることに驚きである。基礎研究の大変さを実感する。

三菱電機

パワー半導体大手半導体に力が入っていないシャープから福山工場敷地を取得し、300mmウェハ対応ラインを構築。SiCライン熊本に作るぞ!パワー半導体には詳しくないからこの辺で勘弁な。

ミライテクノロジー

日本半導体産業が衰退しまくっていたころに、トヨタ危機感を覚えてデンソーとの合弁で設立した車載半導体メーカーコロナ禍中に行われたオンライン学会に知らない会社の人が出てるなと思って調べたらここだった。

■ TI

米系のアナログ半導体世界大手富士通AMD合弁のNOR FlashメーカーSpansionから買収した会津若松工場茨城県美浦工場を持つ。最近日本法人の話をあまり聞かない。

On semiconductor

米系のアナログ半導体大手三洋電機半導体部門を買収したが、旧三洋新潟工場日本政策投資銀行出資ファンドに売却した。現在日本拠点富士通から買収した会津工場富士通半導体事業から手を引き工場を切り売りしたため、会津若松市内には米系大手半導体メーカー工場が立ち並ぶことになった。

Infineon Technologies (インフィニオン)

ドイツ大手電機メーカー、Siemenseが20年ほど前に半導体部門分社化して誕生した。従来欧州半導体メーカー日本での存在感があまりなかったのだが、富士通マイコン半導体部門を米Spansionが買収、そのSpansionを同じく米Cypressが買収、そのCypressをInfineonが買収した結果、日本市場でも存在感を示すようになった。もともとInfineon自体車載半導体に力を入れており、有力自動車メーカーがそろう日本市場に注目しているというのもある。

■ Nuvoton Technology (ヌヴォトン)

台湾半導体メーカー半導体から撤退したがっていたPanasonicからTower Semiconductor共同運営している工場と、マイコン設計部門を買収する。Panasonic時代は、自社家電向けの独自マイコンをメインに作っていたのだが、Nuvotonに買収された後はArmベースの汎用マイコン設計品目が変わった。日本法人は車載モータ制御向けのマイコン開発に特化させていく方針台湾の開発チームとは住み分けを図る模様。富士通ほどではないが、Panasonic半導体部門を切り売りしており、所属していたエンジニアバラバラになってしまった。研究室が一緒でPanasonic半導体部門入社した友人がいたが、彼は今どこに流れ着いているのだろう?

2021-03-11

新卒採用状況から見る日本半導体産業

半導体業界人増田です。3月になって就職戦線が始まりましたね。というわけで、日本の主要な半導体メーカーが将来を支える人材採用戦略についてどう考えているのか、新卒採用の状況を基に見ていきたいと思います

得に記載しない限り、情報ソースリクナビマイナビで、本体及びそれに準ずる会社についての調査します。(製造子会社等は今回の集計対象外地元に直接求人を出していたりして、採用ルート新卒一括採用とは異なるケースが多いからだ。)

日系メーカー

IDM
企業名採用人数社員大卒初任給院卒初任給備考
キオクシア201~30010,000\215,500\239,500東芝メモリ
ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング201~3009,900\222,000\248,000ソニー半導体製造部門
ソニーLSIデザイン101~2002,200\225,000\252,000ソニー半導体設計部門
ルネサスエレクトロニクス101~20018,958\215,500\239,500従業員数は連結で記載。(単体の記載なし。)IR資料を見ると日本国内の研究開発人員は4200人程度と思われる。
ローム101~2003,480\227,000\249,000従業員数は単体で記載。連結だと22,161人
新日本無線11~151,352\215,500\239,500従業員数は単体で記載。連結だと3,110人
エイブリック11~15984\214,000\238,000従業員数は連結で記載。単体の情報なし
ファブレス
企業名採用人数社員大卒初任給院卒初任給備考
ソシオネクスト26~302,700\220,000\240,000富士通PanasonicSoC部門統合
メガチップス6~10588\217,000\240,000

日本最大の半導体メーカーだけあって、キオクシアの採用人数は予想通り多い。がそれよりも目立つのソニー設計製造部門を合わせればキオクシアを上回り、給与水準も高い。(さらに言えばソニー本体採用から半導体部門配属がある。)最近では関西にも設計センターを開設(台湾企業半導体部門を売却したPanasonicイメージセンサー技術者引き抜きを意図していると思われる。)、事業の拡大指向が見て取れる。ロームも規模を考えると採用人数が多いが、離職率の高さを見越してのことか?ルネサス、ソシオネクスト等のロジック系、アナログ系のメーカー定年退職等の自然減の補充分程度しかとっていないと思われる。

外資系IDM

企業名採用人数社員大卒初任給院卒初任給備考
マイクロンメモリジャパン201~3004,000\312,000\340,000Micron日本法人。倒産したエルピーダメモリを買収したのが母体
ウエスタンデジタル101~2001,000年俸470万年俸500万Western Digital日本法人。旧SANDISKについて記載
オン・セミコンダクタ1~51,800\215,500\239,500モトローラアナログディスクリート部門が分離。三洋半導体を買収

外資系メモリメーカーは人数・給与水準ともに景気がよさそうである。キオクシアとウエスタンデジタル、同じ工場製品共同開発しているのにどうしてここまで差がつくのか…

一方、アナログディスクリートメインのオン・セミコンダクターは人数が非常に少ない。同じ外資といっても、製造品目で勢いが全然違う。

ファウンドリ

企業名採用人数社員大卒初任給院卒初任給備考
ユナイテッドセミコンダクタジャパン6~101,032\215,500\239,500富士通三重工場台湾UMCが買収。
タワーパートナーズセミコンダクタ11~151,920\215,500\239,500Panasonic工場3か所をイスラエルTower Jazzが買収。
フェニテックセミコンダクタ6-10678\200,600\207,700アナログ・ディクリートメインの小規模な日系ファウンドリ

どの会社も、企業規模を考えると採用人数が少ない。工場から現場作業要員は採用ルートが違うというのはあるかもしれないけれど。外資系に売却されているメーカーは、新規投資を絞って既存設備人員利益を出そう的な方針に見えるのは気のせいだろうか?

全体の傾向

採用の積極度合いは各社の主力製品によって大きく変わっている。採用人数から見る方針としては、メモリイメージセンサーが規模拡大、ロジックアナログ現状維持ファウンドリ縮小均衡といったところだろうか。過去記事でも書いてきたが、競争力を保っているメモリ系、衰退傾向のロジック系という方向性新卒採用状況から見ても間違いないようであるロジック半導体も、せめて設計の方がもっと盛り上がってくればよいのだけども...

余談だが、筆者が就活をしていたころは半導体総合電機の一部門であることが多かったので、半導体事業部に狙って配属されるには半導体研究室の教授推薦を取ったりしないといけなかった。今の時代は専業メーカーが増えたので、『半導体業界就職する』だけなら昔よりもやりやすくなっているかもしれない。

用語解説

IDM: Integrated Device Manufacturerの略。設計製造販売までのすべてを一貫して行える半導体企業のこと。といってもここ10年位でルネサスのように自社の工場を持ちながら先端品はTSMC等に外部委託するファブライトと呼ばれる企業もかなり増えた。

ファブレス: 工場を持たない設計専業の会社

ファウンドリ: 自社で製品開発をしない、製造専門の会社

過去

https://anond.hatelabo.jp/20201219004424

https://anond.hatelabo.jp/20200813115920

https://anond.hatelabo.jp/20200813164528

2020-08-13

anond:20200813115920

待遇のいいサンディスクWestern Digitalに買収されてちょっと悪くなった模様。ファブレスだったのが人増えちゃったからねしょうがない。

なおWestern Digitalの中でHDDやってる部門フラッシュメモリやってる部門は全く初任給が違うので注意。

給料に釣られて行くと四日市などという田舎に住む確率が高くなる。

まあそれはマイクロンも一緒か。

あとはどこも残業が多いので新卒ならopenworkなどを見てから考えるべき。思ってるより多い。

まあデバイスメーカーよりほぼ寡占になってて業績がいい装置メーカーのほうが無難かな。

日本半導体産業についての話_その2

https://anond.hatelabo.jp/20200813115920

上記記事を書いた増田です。外出して戻ってきたらまさか100ブクマ越えだったんで、調子に乗って続きを書きます

イメージセンサー

ソニーセミコンダクタソリューションズグループ

要するにソニー半導体事業部。金額ベースイメージセンサー世界シェア50%を超える王者

裏面照射型や積層型といった新技術世界に先駆けて開発しており、技術・規模両面において市場リードしている。

ただし、スマートフォンデジカメハイエンド品がメインなので、数量シェアでは過半数を下回る。

また車載向けではシェトップではなく絶対的王者といえるほどその地位は安泰ではない。


熊本テクノロジーセンター

ソニーイメージセンサーの基幹工場。初めからイメージセンサー向けで建てられたという特徴がある。

イメージセンサーの主流がCCDからCMOSに切り替わるタイミングでの大規模投資が功を奏し、近年では珍しい日本企業電子デバイス分野での覇権獲得につながった。

長崎テクノロジーセンター

みんな大好き、SCE久夛良木さんがPS3で夢を見てCell Processor量産のために大規模投資をした工場

もともとハイエンドプロセッサ向けの工場だったのだが、PS3爆死のあおりを受けて設備投資が中断。

ソニー本体が65nmまででプロセス投資凍結 → 東芝へ売却 → ソニーによる買戻し → イメージセンサー工場に転換という数奇な運命をたどる。

大分テクノロジーセンター

もともとは東芝の先端ロジック半導体製造の主力拠点

これまたPS3GPUであるRSXの製造担当していた。ソニーイメージセンサーの規模拡大のために東芝から買収。

山形テクノロジーセンター

もともとはNECの先端ロジック半導体製造拠点製造品目としてはWii / Wii UのCPUが有名。

NECロジック半導体部門分社化したNECエレクトロニクスが旧ルネサス合併後、日立系との勢力争いで非主流派となり、工場閉鎖が検討されていたところをイメージセンサー製造能力拡大を図りたいソニーが買収することになった。

こうしてみると、ソニーイメージセンサーシェア拡大には競争力のなくなった各社のロジック半導体工場の買収が大きく寄与していることがわかる。

最も、製造品目の転換にはデメリットもあって、最初から専用工場として建てられた場合に比べて効率が劣る部分があるのだ。

例えば、半導体の配線材としては銅が使われているのだが、金属汚染を避ける必要があるため工場内のレイアウトはそれを考慮されている。

ところが先端ロジック半導体では10層以上使っており配線工程が多いのに対して、イメージセンサーでは3層程度だったりするので、工場をそのまま流用すると製造装置の配置で効率が悪くなる部分が出てきたりするのだ。

パワー半導体

ごめん、ぶっちゃけパワー半導体は詳しくない。三菱電機東芝富士電機あたりが主なプレーヤー

現状では売り上げ、技術ともに世界上位だとは聞いているが、懸念点はある。

彼らは国内自動車メーカー重電家電メーカーに納めるモジュール向けに生産しているのがメインで、半導体メーカーとして世界顧客積極的に売るという感じではないようなのだ

かつての総合電機本体が自社の家電向けに半導体生産していたのが、国内メーカーデジタル家電のシェダウンで売り上げを落とし衰退したのを見ているだけに将来が恐ろしい。

ドイツInfineonアメリカON semiconductorのようにウェハを300㎜化して外販増やす戦略もとっていないようだし、どうなることか…

非先端ロジック / マイコン / ディスクリート / アナログ

ルネサスエレクトロニクス

かつてはマイコン世界一。旧ルネサス時代日立系・三菱系の製品ラインナップを統合できない間に、NEC系の製品も入ってきて大混乱。

顧客が1社購買を避けるため、一時的には1+1+1=3になっていたが、現在はいいとこ1+1+1=1.5程度ではないだろうか。

民生機器向けのローエンドマイコンではPICAVRを有するMicrochipの攻勢を浴び、ハイエンド品ではArmベースで開発しやすさをうたうST Microの攻勢を受けて苦しい状態が続く。

ちなみにアナログ半導体でも日本最大、世界シェアでTop10位置する。さすがは日本代表する半導体メーカー

とはいえアナログ半導体については国内工場ガンガン閉鎖したため、ぶっちゃけ国内製造している割合は大きくなく、買収した米国の旧Intersilの寄与分が大きい。

東芝

電子工作雑誌トランジスタ技術に乗っているような個別半導体を今でも作っている貴重な日系メーカールネサスが古い工場ガンガン閉鎖してほとんど個別半導体から手を引いたため、

ちょっとした単機能部品を使おうと思うと日系メーカーでは東芝がほぼ唯一の選択肢となることも多い。

アナログディスクリート部門の売上自体NANDを作っているキオクシアに比べて規模が小さく地味な存在ではあるが、個人的には頑張って製造を続けてほしいと思っている。

ローム

何かと癖のある京都メーカー。かつてはデジタル家電向けにカスタムICを作り高収益企業として知られていたが、最近ではそうでもない。

とはいえ車載向けの比率を増やしたり、沖電気半導体事業買収 / ヤマハから工場買収といったように経営的にはいろいろ模索している。

総合電機系の半導体メーカーが軒並み没落する中で、大崩れせずに生き残っているあたりはさすが京都系というところか。

なお、独自の社風は業界内でも有名。技術を身に着けた男性社員転職して出ていかないように、地元京都女子社員顔採用してお嫁さん候補としている等の都市伝説あり。

ちなみに筆者は就活生であったこローム選考書類を送ったのだが、他社では聞かれたことがない出身中学校を教えてくれと追加連絡があり、返信後にお祈りされるという謎の経験をしている。

■ TI

アメリカ代表する世界最大のアナログ半導体メーカー。半世紀くらい前から日本拠点を構えている。外資系のためドライな部分があるようで、工場老朽化すれば容赦なく閉鎖している感がある。

主力工場は旧Spansion (AMD富士通が合弁で作ったNORFlash memoryの会社)から買収した会津若松工場

小規模な工場が使われることの多いアナログ半導体では珍しく先端品同様300㎜ウェハを使った大規模工場だぞ。さすがはアナログ王者といったところか。

ON semiconductor

アメリカの電機メーカーMotorola半導体部門のうち、アナログ / ディスクリート部門分社化三洋電機半導体部門を買収。

日本にもそこそこの規模の工場や開発拠点を有しているが、気がかりなのは将来性。リクナビを見る限り、あまり積極的人材採用してる感じじゃないんだよな。

定年等の自然退職分の補充だけというか。日本進出している外資でも、Western DigitalMicronは割と積極的採用投資している感じなのだが、同じ外資でも方針が分かれるのだろうな。

デンソー

トヨタが日系半導体メーカーの衰退に危機感を覚え、自前の開発リソース強化を決断グループ半導体開発のリソースデンソーに集約。

富士通から工場を買収したり、東京設計拠点を開設してルネサス等の大規模リストラ失業したエンジニアを引き抜きしたりしている模様。

筆者の同僚も1人ここへ転職していった。

ファブレス半導体

■ ソシオネクスト

富士通Panasonicの先端ロジック半導体設計部門統合してできた日本最大のファブレス半導体メーカー

デジタル家電画像処理に強みを持つのだが、台湾勢とのガチ競合を避けるために若干ニッチシフトしている感がある。

富士通と旧Panasonic拠点が併存しており、社内文化の融合はあまり進んでいないとの噂。

メガチップス

任天堂関連銘柄最初からファブレス創業した日本では珍しい企業大阪地盤だが、旧川崎製鉄半導体部門を買収して関東にも拠点を確保した。

ソシオネクスト誕生するまで日本最大のファブレス半導体メーカーだった。

ザインエレクトロニクス

日本ファブレス半導体メーカーといえばかつてはここが一番有名だった。カリスマ社長創業して、講演会や本の出版も盛んにやっていた。

デジタル家電で急成長してリーマンショック前には200億くらい売り上げがあったのだが、今では30億くらいに落ち込んでいる模様。

ある程度年齢を重ねて思うのだが、経営者がメディア積極的露出する会社経営に割くべきリソースを浪費しているような気がする。

筆者も大学生のころは意識高い系だったので就活の時にはこの会社を志望していたのだが、今思えば採用されなくてよかったと思っている。

その他

日亜化学

LED大手。売り上げでは日系半導体メーカー上位だが残念ながら筆者は詳しくない。

シャープ

10年ほど前までは世界ランキング20位くらいに位置していたが、

最近はあまり開発リソース設備投資がされていないようで存在感があまりない。

EPSON

まりよく知らない。そこそこ(数百億)事業規模ある模様。

日清紡

本業は繊維メーカーなのだが、最近はなぜか半導体メーカー出資をしている。

オーディオファン知名度の高いオペアンプで有名な新日本無線や、電源ICを作っているリコー半導体部門を買収している。

ミネベアミツミ

アナログ半導体一定リソースを割いている模様。10年ほど前に元になった会社のミツミルネサス工場を買収 / SII半導体部門独立したエイブリックを買収など動きあり

それにしても、エイブリックはあの事業規模でガンガン広告出しているが、費用対効果めちゃくちゃ悪くないだろうか。渋谷看板を見たが主要顧客へのアピールエンジニア採用には役に立たない気が…

トレックセミコンダクター

岡山県アナログ半導体メーカーちょっと前に上場した。

日本半導体産業についての話

業界人です。お盆休み帰省できず暇を持て余した友人から急にSkypeがかかってきて、「そういえば日本半導体産業って衰退してるってよく言われるけど今どんな感じなん?やっぱり人件費中国韓国に勝てないの?」みたいなことを聞かれて、日本半導体産業の規模感って一般にあまり知られていないと思ったので、備忘録的に日本半導体製造している主要メーカーとその工場について書いてみる。

始めにロジック半導体メモリ半導体から。気が向いたら他の分野も書く。

追記:書いた

https://anond.hatelabo.jp/20200813164528

はじめに 半導体製造コスト人件費について

半導体工場使用される製造装置寡占化が進んでおり、世界中どのメーカーでも使われる装置自体に大差はない。

この辺の記事 (https://eetimes.jp/ee/articles/2003/17/news048_4.html ) を見てもらうとわかりやすいけれども、各工程使用する装置はどの分野も3社程度で寡占されている。

これらの装置費用が非常に高いため(一番高価な露光装置で50億超、最新のEUVだと100億)、製造コストに占める人件費割合は低い。

工場で働く人たちは装置メンテナンスや、管理システムの構築、製造計画プランナーとかで一般的な工場ブルーカラーイメージとはタイプが異なる。

先端ロジック半導体

リーマンショック後の2010年あたりで新規設備投資ほとんどなくなった。もはや質・量ともに諸外国と先端品で競えるレベルに無く、外資系企業の買収が進む。

経産省TSMC誘致を企画しているようだが、現状の日本国内には先端品の需要が少なく、実現性は低いと思われる。

現存する日本の主要工場は下記の通り。

ルネサスエレクトロニクス

那珂工場:40nm

日立三菱電機NECロジック半導体部門の流れをくむ日本代表する半導体メーカーだが、

売上的には縮小均衡を重ねて 1+1+1=1 と残念な結果に終わっている。

かつてはSoCマイコン車載等様々な分野で世界一の売り上げを誇っていたが、現在では上記のすべてで世界一から陥落している。売れるものがなくなれば工場への投資はできないわけで…

ユナイテッドセミコンダクタージャパン (台湾UMC富士通から工場買収)

三重工場:40nm

かつてのフラッグシップスパコン、『京』のCPU製造した工場。他にもSparcプロセッサや、VIAGPU、各社デジカメSoC等、地味にいろんな会社受託製造をしていた。

が、プロセッサ需要TSMCに流れ、デジカメ市場大幅縮小。車載分野に活路を見出そうとしているが先行きは大丈夫なのか…

■ タワーパートナーズセミコンダクター (イスラエルTower JazzセミコンダクタPanasonicと合弁)

魚津工場:45nm

Panasonicが自社のデジタル家電で使うプロセッサ製造するために設備投資をしていたが、

台湾Mediatekデジタル家電向けプロセッサ太刀打ちできず規模縮小。

一時期32nmの半導体世界に先駆けて量産との報道が出ていたが、現在では作っていない模様。

Panasonic半導体製造分野から手を引きたくてイスラエル会社に51%株式譲渡運営の主導権を渡す。

今は何を主力で作っているのだろう?

ちなみに。規模はともかく一般的に半導体イメージがそんなにない下記の国でも、実は日本よりも進んだ製造プロセス工場を持っていたりする。

先端ロジック半導体製造に関しては、すでに勝負がついた感がある。

ドイツ:Global Foundries(資本は米) 12nm

フランスST Micro 28nm

アイルランドIntel 10nm

イスラエルIntel 10nm

中国SMIC 14nm

メモリ半導体

日系・外資含めた主要メーカーは3社。技術設備投資ともに世界2位の水準。現在も年間数千億円が継続して投資されている。

20年ほど前、『メモリ装置があれば誰でも作れる汎用品』との言説が流行し、各社一斉にロジック半導体シフトした時期があったが、結局は今に至るまでメモリ分野のほうが競争力を維持できているというのは何とも皮肉

外資系の影響力は増したが日本産業が残っており、お金も回っている。

■ キオクシア (旧東芝メモリ)

四日市工場3D NAND 96層

東芝メモリ(現キオクシア)のNANDFlashメモリの主力工場増設を重ねて規模だけでいえば全世界で最大の半導体工場だったはず。

2次元NAND時代には微細化で世界トップクラス技術を誇っていたが、3次元化に出遅れ技術的な優位がなくなってきている模様。

96層世代では辛うじてキャッチアップできたようだが、技術的には韓国サムスン電子・米Micronに先行を許す。中国メーカーYMTCの製造が急速に立ち上がる中、先行きは予断を許さないだろう。

北上工場3D NAND 96層

上記四日市工場は確かに世界一の規模を誇っているのだが、これ以上規模を拡大すると人材募集が難しくなる(東海地方理工系人材自動車化学とも取り合い)ことや、周辺の交通渋滞慢性化による物流効率低下、地震等の自然災害事業が壊滅するリスク等を踏まえて2019年に新設された最新鋭の半導体工場

ただ、工場の規模がまだ小さいため、電気水道工業用ガスといったインフラ費用が割高になることや新規採用したオペレーターの習熟度等の影響で四日市工場よりも製造コストは高いと推測される。

■ Micron Memory Japan (旧エルピーダメモリ)

広島工場DRAM 1Znm世代

NEC日立三菱電機DRAM部門統合してできたエルピーダメモリ破綻後、米Micronが買収。

米国企業になり財務に余裕ができた影響か設備投資が増額されており、昨年には世界に先駆けて1Znm世代DRAMを量産に成功

ちなみに1Znm世代とは何ぞやという話だが、DRAM業界ではプロセス基準サバ読みがもともと横行していたのだが、20nmを切ったあたりで微細化のペースが落ちた結果、具体的に何nmといえなくなってアルファベット世代を表している模様。

なお、リクナビ新卒募集要項を見ればわかるが、待遇は日系メーカーよりはるかに良い。

■ Western Digital

上記キオクシアの半導体工場共同運営していた米SANDISKを米Western Digitalが買収。

投資折半しているだけでなく、日本に開発拠点製造人員も擁しており、何気に日本国内での事業規模は大きい。

余談だが、日立フラッシュメモリから撤退したとき人員が旧SANDISK日本法人に流れ、日立HDD部門Western Digitalに売却していることから管理クラスは旧日立系が多いとの噂。

日本法人社長日立出身だしね。なお、キオクシアとWestern Digitalは同じ分野の仕事をしているにもかかわらず、上記Micronと同様、リクナビを見ればわかるように日系メーカよりも良い待遇となっている。

半導体業界を志望している学生諸君、キオクシア受けるならWestern Digitalの方がいいぞ!

2010-10-19

NEC VALUESTAR VW500をリカバリ領域のみで再セットアップするまでのまとめ

自分用および同様の症状で困っている方用ログ

当初の目的ブートエラーからの復帰

友人から起動しなくなったとヘルプが来たので急行

電源ボタンを押し、BIOS起動後、ブート中にこんなエラー

A disk read error occurred

Press Ctrl+Alt+Del to restart

帰省中1ヶ月ほど放置し、久しぶりに電源を押すとエラーが出るようになったらしい。

変なソフトインストールBIOSアップデート等はしていないとのこと。

エラー復旧に1週間も無駄にした挙句挫折

当初はF8キーを押して[詳細ブートオプション]を開ければ、すぐに直せると思っていたけど、

ブートから進まないのだからF8キーを押しても同じエラーが出るだけ。

一応、F2キーBIOS設定画面を開き、[Load Setup Defaults]を試すも症状変わらず。

 

また、VISTAにはXPの[回復コンソール]がなく、[システム回復オプション]という復旧手段が用意されている。

しかし、このマシンプリインストール版なので、ディスクからの起動できない。

この場合はF8キーを押して[詳細ブートオプション]を開いて、そこから起動できるようだ。

・・・・・・\(^o^)/オワタ

 

その後、試行錯誤を繰り返した結果、再セットアップするしかないという結論に至った。

KNOPPIXデータバックアップを取っておこう

バックアップするにもWindowsが起動しないので、こんな時はいつもLinuxOS Knoppixに頼っている。

公式サイトhttp://www.rcis.aist.go.jp/project/knoppix/)ではDVD版とCD版がiso形式で配布されており、DVDなりCDなりに焼けばOSディスク起動できる優れもの

さらにCD版をUSBインストールしたUSB版も作成できるので、非常用に1つ作っておくと便利。

以下、USBKnoppixの作り方。

こちらのサイトUSB-Knoppixではじめよう http://yumenohako.jp/cgi-bin/knoppix/wiki.cgi)を参考に簡単に解説。

【本題】リカバリディスク(再セットアップディスク)をどうやって作る?

このマシンは前述の通りプリインストール版なのでインストールディスク(再セットアップディスク)が付属していない。

では、どうやって再セットアップするかというと、

しかし、今回はF11キーを押してもエラーが表示されるのみ。それにわざわざリカバリディスク作成しているはずもなく手詰まり

リカバリディスクはこちら(http://nx-media.ssnet.co.jp/から購入できるけど価格は1万円。自作するしかない。

そもそも本来はリカバリディスク作成できるのだからHDD内のどこかにリカバリディスク用のデータが入っているはず。

そこで再びKNOPPIXを起動してみると、[NEC-RESTORE]という名前リカバリ領域が隠しパーティションとして用意されていた。

以下、リカバリ領域を使ったリカバリディスクの作り方。

こちらのサイトLaVieレストア顛末記 http://deme.jp/wing/vol019/demeshin/NEC.htm)が大変参考になった。感謝

以上の作業によりHDD故障していない限りはリカバリディスク作成して再セットアップ可能。

ただし、当初のエラーの原因がHDDにある可能性もあるので、HDDを交換してからリカバリディスクを使用した方がいいかもしれない。

今後はCrystalDiskInfoなどのソフトを使用してHDD監視をするつもり。

【失敗】再セットアップ時のエラー

再セットアップが進むと、シマンテック社の「Norton Ghost」というバックアップツールが起動し、1%2%3%...と作業が進行する。

最初にやった時は、50%ほど作業が完了したところでこんなエラーが出現。

Cannot open GHOSTERR.TXT - insert diskette (434)

File Name ? (546)

Output error file to the following location

A:\GHOSTERR.TXT

[OK] [Cancel]

おそらくGHOSTERR.TXTというファイルの出力先が見つからないのだろうとあたりを付けて、

フォーマット済みCD-RWを挿入後、A:をCDドライブのF:に書き換えてOKを押すと

Application Error 19235

Ghost has detected corruption in the image file.

Please perform an integrity check on the image.

if this program persists, please contact Symantec support center

or contact systematec support

どうやらイメージファイルが壊れているらしい。

このイメージファイルとは、前述リカバリディスク作成手順6以降の[拡張子GHSファイル]。GHSGHOSTの略か?

そこで、Disk4,5,6をNERO9体験版太陽誘電製のTHE日本製DVD-Rを使用し、

念のためディスク1枚あたり4GBを超えないようにし、4倍速で焼き直してみたところ、今度は正常に再セットアップが完了。

最初Windowsに標準装備されている[ディスクへの書き込み]+台湾製の安物DVD-Rを使用したのだが、

どこかで焼きミスしたことがエラーの原因だったらしい。

これを教訓に次からは絶対にライティングソフト国産ディスクを使うことにしよう。

(追記10/22)HDD健康状態は「注意」レベル

CrystalDiskInfoを使用してHDDの状態を調べたところ、案の定「注意」レベルだった。

注意項目生の値 
代替処理保留中のセクタB(11
回復不可能セクタ25(37)

※[生の値]の数値はデフォルトが16進数表記。括弧内は10進数に変換した数値。

やっぱり当初のエラーHDD故障とまではいかなくとも寿命が近いということだったのか。

使用時間は17000時間HDDの交換を検討した方が良いけど、一体型の交換は難しいような。

まずはWestern DigitalHDDからData Lifeguard Diagnosticsでゼロフィルをやってみる予定。

エラーチェックで完全に逝くかもしれないけど、バックアップもしてるし、リカバリディスクもあるし。

あと、VistaのバーションはSP1だと思っていたけど、まだ更新していなかった模様。

そこで更新プログラムインストールしてみると途中で止まってしまい、修復スタートアップする羽目に。

(追記10/24WD Data LifeGuard Diagnosticsのゼロフィルで「正常」に回復

Vista SP1の導入に失敗し、修復スタートアップを行ったものの、12時間経っても終わらず。

そこでいっそのことHDDデータを完全に消去して、再セットアップすることにした(7時間ほどかかる)。

方法としては先日のとおり、Western DigitalHDDの診断ツール「Data Lifeguard Diagnostics」を使用する。

このツールはFDD版とCDしかないので、いつものようにUSB版の作成を試みる。以下作り方と使用方法

再セットアップ後、CrystalDiskInfoを実行すると見事に「正常」レベルに回復。

前回注意項目だった「代替処理保留中のセクタ」と「回復不可能セクタ数」の生の値は0に変化。

なぜか使用時間が14000時間に減少していたものの、とりあえずはHDD故障心配はしなくていいかな。

ちなみにSP1の導入は成功。今後はCrystalDiskInfoを常駐させ、監視を続けることにする。

 

(追記11/8/18)そろそろ限界

あれから10か月後、悪夢ブルースクリーン降臨したので、またクリーンインストールを行った。

CrystalDiskInfoを使用してHDDの状態を調べたところ、「注意」レベルに逆戻り。

注意項目生の値 
代替処理保留中のセクタ2D9(729)
回復不可能セクタ70(112)

※[生の値]の数値はデフォルトが16進数表記。括弧内は10進数に変換した数値。

以前のエラー時よりさらに状況が悪化しており、HDD寿命がかなり迫っている模様。

いつ突然死を迎えてもおかしくないので、重要データバックアップのうえHDDの交換を予定。

 

ブログがないので、増田ログ残し。ツッコミや質問はid:frsattiまで。

 
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