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2023-10-11

チェスなんかよりも女が得意な業界で勝ててないことを問題視しろ

まあこれなんですけども。

チェス、将棋…ボードゲーム界に「男女格差」が残る理由 頭脳戦で「女脳は男脳より弱い」というのは本当か | 概要 | AERA dot. (アエラドット)

上の記事で言ってることは基本的違和感はなくて、要は分母が圧倒的に男に偏ってるから当然トップ層も男ばっかりになるって話ですよね。

 

そういうことはあると思うんですよ。そもそも子供の頃から将棋が好きでもっと強くなろうなんていう女、あんまりいないのわかるじゃないですか。

記事中ではチェス将棋は男の遊びっていうイメージあるからみたいに言われてますが、そんなんあるわけなくない??少なくともプレイは誰でもできるじゃん。

てか男だって大体は一回やって終わりだよ。負けるし強くなれる気しねーから

なんか将棋みたいな(子供にとって)訳のわからんアブストラクトな遊びを面白がれるの、こう言っちゃあなんだけどASDみたいな連中ばっかりでしょ。そんでそういうのって大体男でしょ。だからなんも不思議はなくない?

ブコメ読んでたら碁はけっこう男女の差が縮まってきてるっていう話があって、確かにそれはそうなんだよね。去年最年少でプロ入りした仲邑菫とかもいるしね。ハンマーパンチ上野は棋戦にも出てるしね。

とはいえまあ五十歩百歩ですわな。女の棋士女流じゃないプロにもいるとはいえ、人数比は圧倒的だよ。

 

なんか話それてるけど、つまりそもそもやりたいですか?って話。

囲碁とか将棋とかチェスとかで強くなりたい女の子、そんなにいますか?って。

 

俺がなんか異常なのではと思っているのは、服飾業界だ。

服飾を志望する若者は、女の方がずっと多い。多分8割ぐらいは女だ。そしてアパレル系の会社も女ばっかりだ。

棋士の男女比よりは全然マシだが、とにかく女の方がずっと多い業界だ。

しかも消費する側も女の方が圧倒的だ。メンズファッションマーケットは女の半分ぐらいしかないんじゃないか

(というか、気にしたことなかったが、単にファッションブランドという場合、それは基本的に女向けのものだ。男向けはわざわざ「メンズ」とつけないといけない。わざわざ「女流棋士というのと対照的だ)

そのような状況でありながら、業界トップと言えるファッションデザイナーには、男がかなり多い。俺が知ってるようなトップブランドだと半分以上は男なんじゃないのか?

 

 

とここまで書いたところで実際どうなんかわからんなと思って調べました。

先日までやってたパリコレ2024春夏でショーをやったブランドと、デザイナー(クリエイティブディレクター)と、その人がいつからやってるかの一覧になりますソース基本的ヴォーグジャパン(https://www.vogue.co.jp/tag/2024-springsummer-pariscollection)から

 

ピータードゥ ピーター・ドゥ 創業者
ディオールマリアグラツィア・キウリ 2016~
ドリスヴァンノッテンドリス・ヴァン・ノッテン創業者
サンローラアンソニーヴァカレロ 2016~
バルマンオリヴィエ・ルスタン 2011~
クロエガブリエラハース 2020~
ジバンシィマシューウィリアムズ 2020~
ラバンヌ ジュリアン・ドッセーナ 2013~
キャパレリ ダニエルローズベリー 2019 ~
アンダーカバー高橋盾創業者
ロエベジョナサン・アンダーソン 2013~
ヴァレンティピエールパオロ・ピッチョーリ 2016~
ヴィヴィアンウエストウッドアンドレアス・クロンターラー 2022~
ルイヴィトンニコラ・ジェスキエール 2013~
ステラマッカートニー ステラマッカートニー 創業者
コムデギャルソン川久保玲創業者
シャネル ヴィルジニー・ヴィアール 2019~
ミュウミュウミウッチャ・プラダ創業者
メゾンマルジェラジョン・ガリアーノ 2014~
バレンシアガ デムナ・ヴァザリア 2020~
リックオウエンス リック・オウエンス 創業者
コペルニ セバスチャンマイヤーアルノー・ヴァイヤン創業者
アレキサンダーマックイーン サラ・バートン 2010~
クレージュニコラス・デ・フェリーチェ 2020~
ノワールケイニノミヤ二宮創業者

 

カールラガーフェルドが亡くなったのって2019年だったんですね。なんかもっと最近だと思ってました……

こうしてみると、25ブランド中、18ブランド男性ですよ!!ヴィヴィアンウエストウッドは本人が亡くなったばっかりで、夫によるヴィヴィアン本人のクローゼットを元にしたコレクションと書いてあったので、もしかするとアンドレアス・クロンターラーディレクターやるのは今回だけなのかもしれないですが……

 

でまあ18/25、すなわち72%が男性らしいですよ。トップデザイナーたちは。

いいのか?これで?

女がファッション消費するのだけが好きで作るのはそんなに……っていうんならわかる。それならそれでいい。

でも服飾系専門学校とか、女の方が多いだろうが??(海外では全然違いますとかあるのだろうか。それも調べようかと思ったけどもうちょっと疲れてきましたので有識者補足ねがいます)

女ども、入門だけしといてその先へ行く気はないのか?

それともこれはファッション業界根付構造男尊女卑だというのか?客も、業界人も、ワナビーも女の方が数が多いのにか?(でも、これはなくはないような気がしている。金持っているのは男だし、権力を持った女は男が大好きだし、ゲイがすごいエンパワーされてる業界だし。いや、全て偏見です、すみません

 

とにかくだよ、将棋だとかチェスだとかのしみったれた遊びは陰キャにやらしときゃいいだろうが!!

持ち味をイカ!!!得意な業界でまずは勝とうや!!!

しっかりしろ女ども!!!

 

 

ブコメ言及ありがとうございます。以下追記です

 

 

 

 

その「女が得意な業界で勝ててない」ことが本当に女性側の努力不足能力不足に由来するものなのか、それとも男がトップにいることへの無条件の信頼信用という社会構造に起因しているのか、もう少し考える余地

 

そういうのは実際あるんだろうと思っていて、それはつまりファッション消費者たちは業界の外の芸能界なり経済界なりの人間たちで、そこで男どもが未だに椅子をあけていないからだね。でもさあ、どこのブランドフェミニズムめっちゃ推してるんだよ。ウチの服は女性をエンパワーしますって言ってんの。

それなのにこの状況がダサいって思うの。

 

 

阻害してる人・社会構造があるんよ。「女がやる気がないから」って話は問題半分でしかなく、ココ・シャネルの頃から構造は変わってないのがもう半分

 

私も業界人ではないから実際のところは知らないので、推測でしかないんだが、マジで何も変わってないのか?あんだけMeTooとかやったのにか?

本当に何も変わってないよっていうんだったらもうどうしようもないんだが

 

 

視点は良いけどそこから導き出される結論は残念やな。偏見増田の良い部分を歪めている

 

いや偏見ってどの辺が偏見になるんだよ。

そりゃまあ多分偏見はあるんだろうが、それならそれで正しいバランスのとれたご意見をお聞かせくださいよ。

そうでなきゃおめーの方に偏見あんのかもしれないだろ。100字で足りなきゃ増田に書けよ。

 

 

この、自分世界観人間観への圧倒的な確信から繰り出される力強い(※婉曲表現)男女論、なんか既視感あるな……

 

確信なんかしてねえんだよふざけるな。日々迷いっぱなしだわ。「力強い(※婉曲表現)」てのは何らかの揶揄だよな?疑義があるなら真面目に書いてくれ。

既視感があるっていうなら思い出して書名でも書いてくれ。

 

 

“女ども、入門だけしといてその先へ行く気はないのか?"ないわけなく、それを解きほぐしていかないとねってずっとみんな言ってると思うんですが…

 

そうだよね。ずっと言ってる。100年ぐらいは言ってるんじゃないか?それでこの体たらくはどうしたって言ってんの。

 

 

この手の勝ち負けがハッキリとな分からないジャンル差別がキツそう(無意識偏見評価が変わってしまう)

 

それはあり、でも改善はしていると思う。実際、人種とかデブかについてはかなり多様性担保していこうねって感じになってると思う。

勝ち負けに関しては、まあブランド成功してたら勝ちでいいんじゃない?そんでパリコレでショーやれるってのは、ハッタリとかがあるにしても、一定成功指標ではあるのではと思います

 

 

「女が輝く職場」と誇るアースなんちゃらも経営陣はセクハラおっさん寡占で、女は店舗運営のみ https://fumufumunews.jp/articles/-/17409 https://www.asahi.com/sp/articles/ASN366TW7N36ULFA043.html ストライプにかぎらすアパレル全般そうよね

 

結局金を出してるのが男っていう場合結構あるだろうね。

だけど現代はさあ、もう「女だから」で排斥しづらくなってんじゃないかと思うんだよね。だから言い訳しづらくなってきてると思うんだよ。

これからってことなのかなあ。頑張れみんな

 

 

東コレはどうなんだろ。パリコレは並のドメブラじゃ金続かないからキツいでしょ。女性だとツモリとか山本耀司の娘のトコとかmameあたりはパリでてたけど今どうなっとるのん

 

mame、なんかこないだのパリファッションウィークのショー一覧の中に名前あった気がする……

かに国内ブランドだと経営女子みたいなのけっこういる気がする……他のブコメでも言われてたけど、世界トップまで目指そうって人はあんまりいないってことなのかなあ。

 

 

ファストファッションカジュアルブランドデザイナーだと男女どっちが多いんだろう。デザイナー全体のすそ野が男女どちらが多いかによって、結局、世界中の産業の男女差の問題と同様に帰結する気がする

 

かに…….ワナビーに女が多いのは明らかなんだけど、プロまで行ったやつの男女比ってどうなってんだろう。


てか返信書いてるうちに思ったより反響もらったな。増田がこんなバズったことないから嬉しいわ。

 

 

※以下再追記です

 

 

すごい伸びてくれてありがとうございます

 

 

ブコメ結構言われてて、トラバでも露悪的に書いてくれてる話で、出産育児の話があって、まあそれはあるよね〜ってなりました。

ただまあ、考えると残念なのは普通の女のキャリア出産育児でアレするとかはクソではあるけどこれからだよなって思うんですけど、

トップ層の才能と強さがあるような女たちでさえそうなってしまうんか……??ということです。

だってセックスはともかく、出産はしなくても良くないですか?うっかり産んでみたとしても、育児なんかパートナーにでも友人にでも丸投げしたら良くないですか?

そうではなくて、やっぱり子宮本能には逆らえないっていうんなら、すげえしんどい話だよなと思うんですよね……

いやまあ、最終的には個人個人で戦っていけってことでしかないんですけどね!!

でも統計的に女がそうっていうなら、やっぱ社会構造も変えられなくない?って思っちゃうんだよな……



あとASDを雑に揶揄したことに関してですが、完全に私の不徳です。すみませんでした。

強い言葉を使ってバズりたかったために、わざとあのように書いてしまいました。本当にすみません

私自身は、ASDについて、個人特性という以上には特に何とも思っておりません。


 

※再々追記

ホッテントリトップに入ってる!!超嬉しい。

ちなみに、上で「しっかりしろよ!」などと言っていますが、自分は具体的な行動はできていないと思いますし、実際のところ具体的な行動って何?という感じもしています

まあ日々の仕事粛々とやっていくしかないわなというのが正直なところです。

もちろん、不当な扱いを受けたor誰かが不当な扱いを受けているのを見たら、それはその都度、ちゃんと言っていかなくてはな、と思います(その時その場で正せるとは思わないですが、少なくとも表明だけはしていこう、ということです)。

あとヴォーグジャパンパリコレレポート記事が追加で出ていましたね、エルメスアンリアレイジ、ヨウジヤマモトジュンヤワタナベってやっぱ男ばっかやないけという感じもしますが、エルメスゴルチエの後はずっと女性じゃなかったっけ?(今調べたら違いました。すみません。今は女性ですが)

 

 

とにかくこんな雑な語りに付き合っていただいて感謝いたします。

いろいろ新しいことを考えられてとても楽しかったです。仕事をサボって調べた甲斐がありました!

2019-08-05

派手な異能デスゲーム

(マズイな……)

(ああ……)

マスダ達は、テレパシー危機感を共有した。

懸念しているのは、猛威を振るっている雑誌の濁流だ。

仲間が数人、雑誌の下敷きになったが、問題はそれだけではない。

マスダ達の戦略は「見」である

基本的に、テレパシーメンバー補充の能力しかない彼らは、積極的攻撃をしない。

強力な能力者達に潰し合ってもらい、弱った生き残りを倒す。

それが狙いだ。

しかし、今回のように強すぎる者が出てくるとそうもいかない。

無傷で生き残られては、マスダ全員でかかっても勝てない可能性があるからだ。

(俺が行こう)

マスダの1人、ニノミヤが名乗りをあげる。

(おい、お前はダメだっ!お前は貴重な「二段ジャンプ持ち」なんだぞっ!)

仲間の制止も意に介さず、ニノミヤは、二段ジャンプ雑誌激流遡上していった。

(跳躍(ジャンプ)が雑誌マガジン)に負けるかよっ!!)

やがて、ニノミヤはテンチョウの元へたどり着く。

高台の頂上、開けた場所にテンチョウはいた。

両者の距離は、数十メートル

(マスダの二段ジャンパーか……)

すぐにテンチョウもニノミヤに気付く。

その足下には、十数本の酒瓶。

テンチョウは、瓶を1本手に取った。

その間も、増援を防ぐべく、もう一方の手で雑誌を出し続ける。

(〜〜〜ッッ!!)

瓶が投擲されて初めて、ニノミヤはその正体に気付いた。

火炎瓶である

酒瓶、新聞紙ライター花火灯油……。

コンビニによっては、その商品だけで、簡易式火炎瓶を作ることも可能なのだ

近づきさえすれば勝てると踏んでいたニノミヤに、これを防ぐ手段はない。

ひたすらジャンプして避けつつ、テンチョウに近付こうとするが、数本は当たってしまう。

結局、テンチョウまで数メートルのところで力つきることとなった。

それは、テンチョウがとどめを刺そうと火炎瓶を投げる体勢に入ったときだった。

突然、火炎瓶が爆発し、彼の上半身は炎に包まれた。

「 Добрый день 」

現れたのは、ロシア人

それと、ニノミヤと同じ顔をした日本人である

(二段ジャンパーは2人いたのか……)

それが、テンチョウの最期思考であった。

「『二段JUMP普及協会』なんだ。1人のわけがないだろう?」

マスダの1人にしてもう1人の二段ジャンパー、ナナミは、燃え盛るテンチョウに向かってそう言った。

彼は、《謎露西亜人》セルゲをおぶって雑誌を乗り越えてやってきたのだ。

いまいちもえない」セルゲの炎も、火炎瓶を持った相手には有効であった。

「二段ジャンプが、手から無限唐揚げを出せる奴に負ける訳にはいかない」

ナナミは、ひとりごちた。

ナナミがニノミヤに近づいた瞬間だった。

2人は、炎に包まれた。

セルゲが再び火を吹いたのだ。

ナナミの脳裏によぎったのは、セルゲの裏切りへの怒りではなく、協会員の全滅への悲しみであった。

一方その頃、島の反対側。

アキュウの近くには、《沈黙回春》の能力により、続々とムッツリな参加者達が集まりつつあった。

サキュバス……エッロ……)

(三連発とかアキュウさんすげえ!)

(まさに性豪!)

(性豪伝説だわ……)

のちのアキュウ性伝である

To be contibued...

2014-12-02

僕はもうプログラミングしなくていいんだ

大学回生の夏、下宿の扉に「出入禁止」とチョークで大書し、親を呼ばれて精神病院に連れて行かれた。

 

パソコンを買ってもらったのは小学三年生の冬だった。今でも覚えている。1996年12月2日のことだ。Windows95発売で世間は揺れていた。インターネット回線がうちに来たのは翌97年の1月、これはそこそこ早い導入だったと思う。さらに翌々年の99年にはケーブルテレビ常時接続になった。親には先見の明があったが、しかしパソコンには詳しくなかった。PC-8001も確かそうだ。親はこれが次世代の必需品になると確信して買っていたが、買った一方で使い道が分からなくてオブジェとして放置していた。親はPC-8001パソコンだと言っていたけれど、僕にとってパソコンはおっきなテレビが標準で付属しているものだったし、マウスもなかったので、それがパソコンだとは到底思えなかった。でも親は言った。今度来るのは違うんだ、オフィスも入っているパソコンなんだ。僕は聞いた。一太郎っていうやつは入ってないの?テレビで言ってたよ、と。親は答えた。オフィスってのは一太郎より機能がスゴイんだよ。僕はへぇ、とだけ言った。どちらにせよペイントは入っているだろう。ペイントなら親戚の家で使わせてもらったことがある。パソコンお絵かきができるのだ。マウスをカチカチして、キーボードをカチャカチャするのだけが楽しみで、納品の日を一週間ひたすら待った。その頃、漢字宿題提出が滞っていて、そのままでは居残りでさせられることになっていた。僕は久々に奮起した。いつもは踏み倒していた宿題を、全部一気に終わらせた。家に帰るとパソコン電気屋さんの手で設置されつつあった。今は亡き、ニノミヤで買われたパソコンであった。

 

97年にインターネットを始めた。一日一時間まで。実のところ電話代の問題ではなく、一時間ほど使うとブルースクリーンが発生するからだった。一日一時間以上動かすと壊れるから。PC-8001キッチリ買った親なのに、それぐらいの(?)ITリテラシーであった。ただ別にそれを責めるつもりはない。僕はすぐにアングラサイトに入り浸った。人に飢えていたのだ。普通のチャットには人がいない。テレホタイムにならないと、誰一人ログイン氏亡いのだ。でも、アングラサイトなら四六時中書き込みがある。僕は思う存分厨房行為を楽しんだ。煽り騙りなんかは、小学生がやっても大人がやっても大して変わらないものだ。You is a big fool manという文句をリアルタイムで目にした人は、多くても数百人だっただろう。何千、何万のツイッタラーが押し寄せ、ブクマが1000以上付くような今の炎上とはほど遠い暢気さだ。当時の匿名掲示板とはそういうものだった。誰一人本気で投稿しなかったし、しかし誰一人面白くない書き込みをしようとはしなかった。トイレでもネタを考え、思いつけばすぐに投稿し、ワラタが付くのを待ち続ける。あやしいあめぞうあやしい、2ch。人の多いところから人の多いところへ。ワラタが多くもらえる場所へ。気づいたらインパクが終わっていた。

 

その一方で僕は中高一貫私立校入学していた。高校受験がないことから、ネット依存さらに加速した。しかし2000年を境にアングラ掲示板は衰退の一途をたどり、2ch一強時代を迎えていた。1ch.tvボコったりするなど楽しいネタがないわけではなかったが、匿名掲示板ネタの宝庫と言うより、本気でちゃんと議論することもできる場所になり始めていた。ちゃんと議論しようとしたらすぐさま崩しにかかるのが2ch隆盛以前の匿名掲示板文化であったが、2003年頃を境にはっきりと潮目が変わっていったように思う。まあその辺はどうでもいい。アングラと非アングラの境目は消え始めていた。

 

その狭間に、僕は生きていた。

 

自分掲示板を設置することにした。けれども何をして良いのか分からない。CGIレスキューに救援要請をして本も買った。Perlだ。Perlしかない。しかしPerlがどうして動いているのかは、全く分からなかった。何十行、何百行もの文字の羅列が、どこでどうなって、掲示板になるのか。インタプリタコンパイラ?訳が分からない。そもそもCPUがどうやって動いているのかも分からない。僕にとってプログラムとは、セットアップウィザードCD-ROMをギュンギュン言わせながらインストールするものであって、掲示板というものは、Teacupで借りるものだったからだ。でもどうやらそうじゃないらしい。コンピューター翻訳するのがコンパイラです。さっそくコンパイラを使ってみましょう……

 

お手上げだった。

 

コンパイラがないのだ。コマンドプロンプトにはない。Linuxを入れる?使い方が分からない。Vine Linux初心者お勧めだった頃の話だ。ボケッとしててもGNomeぐらいは動かせる程度には簡単になっていたが、そこからターミナルを開いてgccでコンパイルするなんて想像も付かないことだった。Hello, Worldはなんとか表示できても、それをGUIで動かす方法が分からない。僕はデスクトップに「Hello, World」のポップアップウインドウを表示させたかったのに。全然訳が分からなかった。

 

プログラムが動いている方法を知らなければならない。プログラミングを学ばなければいけない。しかし全体像を把握するにはあまりにもほど遠い……。絶望感が支配し始めていた。Hello, Worldはできたけれど、その先が全くわからない。どの参考書を読んでも分からない。ググってもググっても分からない。ポインタで躓く初心者が多いです!……どの本にも書いてあったけれど、僕はポインタどころか、変数の種類がたくさんあるところでお手上げだった。int?char?long???意味不明文字列が並び続ける。メモリメモリって、挿したらいいんじゃないの?確保?fopen????どんなプログラミング言語も、何一つ分からなかった。その頃インターネットは加速し始めていた。切るのが当たり前だったJavascriptが復権し、Ajaxと名を変えてやってきた。掲示板スクリプトもどんどん高機能化し、もはやPerlを知るだけでは何一つできないようになってしまった。苦痛の日々が始まった。どの言語も、全く分からなかった。分からなければならないという焦りが募っていった。

 

あるとき、一年間ほど、とりあえずお手上げのままにしておくことにした。大学受験が迫ってきたからだった。そして案外あっけなくそれは終わった。僕は某大学情報科学科に入った。

 

教授ガイダンスで説明したとおり、情報科学科のプログラミング演習はそれほど多いものではなかった。一回生の時なんか、キーボードを目で追って人差し指で打っている人もいるぐらいだった。学校の授業はアテにならない。そして大学受験でいったん引っ込んだ、とにかく十代でなにかしないと、という焦りが復活してきた。

 

大学キャンパスは広すぎた。何をして良いのか全く分からなかった。授業内容はひどくつまらなく、何が役に立つのかも分からず、ただただ苦痛で、キャンパスサークル活動に打ち込んで楽しく過ごせるほど社交的ではなく、かといってオタク集団に混じる勇気も無く、とにかく、とにかくここで四年間、四年間で何かしないと、何かしないと就職に間に合わない、大学院進学に間に合わない、十代のうちに何か大きな事を成し遂げなければならない。日々研鑽に励み、日々プログラミングスキルを磨き、日々勉強会に参加し、日々コードを書き、日々環境設定をし、日々本を読み、そして日々コードを美しく書かなければならない、そういう焦りだけがどんどん加速していった。大学生協で片っ端からプログラミングの本を買った。ド初心者向けのPerl本から、美しいコードは何か、みたいな本まで。でも、どれ一つ、僕のスキル向上には役に立たなかった。プログラミングスキルの向上=自分自身の地位=生活の保障、と思っていた自分には、悪夢のような現実だった。

 

とにかくインターネットと一緒に歩んできた僕にとって、ITスキルはすなわち力であり、むしろITスキル以外は何の価値も持たないもの、と思えるほど脅迫的な観念にとらわれていた。入ってくる情報さらに増えていった。Cができるのは当たり前、Ruby on Railsがアツい、Java、PHPはもちろんできるよね、MySQLは当然使えるよね、もちろんHaskellSchemeObjective-Cもやらなきゃね……何一つできないのに、習得すべき言語だけがどんどん増えていく。加えて美しいコードを書け!という文句が飛んでくる。クソッタレが。何が美しいコードじゃ。goto使ってもいいだろ。好きなだけ使わせろクソッタレが。全部getsで書いてやる。クソが。アルゴリズムアルゴリズム勉強会勉強会ビューティフルコードMacMacMacジョブズジョブズジョブズ……???????????????

 

それでもなんとか、そう、なんとかなった。友達が優秀だったのだ。僕には到底できないような、きれいに整理されたコードを書く人だった。聞けば在学中から外注プログラマをやっていて、それなりに稼いでいたのだという。性格ちょっとアレで、風俗に勇気を出して行こうかどうしようか迷ったけどその金でオナホ買ってシコってオナホを床に叩きつけたみたいなヤツだったけれど、そいつからもらったコードを、わざと汚く成形し、変数名も汚らしくし、提出し、なんとかなった。結局自分最初から最後までプログラムを作ることはできなかった。丸々コピペはしなかったけれど、コピペがなければ卒業は無理だっただろう。

そうして三回生の終わり、試験がどっと押し寄せてきた。一月のことだった。機械学習と……なんだっけ?そういう感じの試験が、2月の初日、行われることになった。三回生はただでさえ試験が多かったが、その大トリこそが機械学習だったのだ。

 

僕は試験放棄した。

 

まるで意味が分からなかった。推論、それは分かる、機械学習機械学習??やっていることは数式だしベイズがどうの……まるで分からない。泣きそうだった。三年間必死こいて勉強したり勉強会に行ったりプログラミングスキルを上げようとしたり本を読んだり色々したのに、何一つ得るものは無かったのだ。僕はあやしいわーるどオマンコ連呼していた頃から、何一つ成長出来なかったのだ。そしてそれは、間違いなく、疑いようがなく、自分のせいだった。自分頭が悪いせいで。自分の勉強不足のせいで。自分のせいで……コンピュータとともに、十何年も育っていた僕にとって、コンピュータに関するスキルこそが、全ての力の基準だったのに、その全てを否定されたような気持ちだった。プログラミングができなければ、死ぬだって友達はみんな就職して、SEになったりSIerで働いたりネットワーク管理者になったりしてるのに、僕はなんで、こんなところに。そいつらに取り残されるのに。みんな勉強会に出てMacを持ち寄ってハッカソンしてるのに。泊まり込みでプログラミングしたりしてるのに。なんで僕は、fgetsすらマトモに使えず、getsとscanfだけであなた名前を入力してください オマンコ オマンコさん、こんにちは!みたいなプログラムしか書けないんだ。

 

大学回生になった。研究室を選択する必要があったがしなかった。しないでは困るとのことで、適当に書いたらその一番上に配属された。でも一切研究せず、下宿に引きこもって何もしないをした。今日輪講はここまで進みました!という報告が毎週回ってくるが、まるで研究室では日本語でなくアラビア語公用語になっているのではないかと思えるぐらいの光景だった。この頃、近所の人の証言によれば、言動がおかしく、訪ねてきた人に暴言で返し、殺す殺すなどの声が聞こえ、時折モノを投げつける音が聞こえたりしたそうだ。まあよく知らない。僕は普通に何もせずぼんやりネットを見ていただけのような気がするけど。

 

それからしばらく経った。

 

結局僕は中退した。そして別の大学に入り直した。今度は、工学じゃない別の場所に。みんなキーボードの文字を読みながら指先でキーを叩いている。安心する光景だった。僕らはプログラミングを習わなくてもいい。これから習う必要も無い。タッチタイピングだって、できるに超したことはないだろうけど、できなくてもいい。ただ、そこにある便利なモノを使えば良いだけなのだChromeを使っていて、うっかり開発者向けコンソールを開いてしまっても、何も分からなかったことにして閉じて良いのだ。きっとマクロを書けば、楽ちんに勝手にやってくれるような作業を、人の手で何度もやる。それでいいんだ。マクロを考えるために必死になる必要なんか無い。マウス右クリックコピーペースト。それでいいのだ。キーバインドすら覚えなくて良い。メモ帳を使ってもいい。viやEmacsキーバインドを覚えなくてもいい。マウスも使えないようなエディタと格闘する必要は無い。Macを買っても、XCodeportsを入れる必要は無い。iTunesiPhoneを同期させて、音楽を聴くだけでいいんだ。

 

僕はもうプログラミングしないでいいんだ。

 

それが分かったとき、全てから解放されたような気がした。僕を苦しめ続けたプログラミングというものは消えてなくなった。パソコンでやる作業は、昔と一緒、匿名掲示板オマンコと書き込むだけだ。それ以上のことをしなくてもいいんだ。勉強会に出てハッカソンする必要は無いんだ。プログラミングスキルを錬磨しないと死ぬなんてのはウソだったんだ。美しいコードを書かないと天罰が下るというのはウソだったんだ。毎日毎日はてブホッテントリを見てると、プログラミングマスターしなければならないこと、何何する方法開発者必須スキル、便利ツール、Macでのアプリ開発、セキュリティ、通信、データベース勉強会ハッカソン、そういうもので溢れている。苦しくないのか不思議で仕方ない。もちろんプログラミングをしていて楽しい人もいるんだろう。けれど、僕みたいに、プログラミングという行為が苦痛で苦痛で苦痛でしかない人もいる。たとえ1000回の同じ操作でも、人力でやる方がマクロを書くよりも楽だという人も、ここに存在するのだ。そしてそのような人の存在も当たり前に肯定されるのだ。みんな苦しまなくて良いんだ。誰かが勝手にやってくれればいい。できる人にお金を渡して、僕らはそれを享受するだけで良いのだ。ここでプログラミングという言葉を連呼したけれど、コーディングという言葉との違いとか、そういうのを気にするような人とおつきあいする必要は無いのだ。いずれプログラミング必須スキルになるとか言われて何年も何年も苦しみ続けてきた。けれど、そんなことをする必要は無いんだ。

 

さようなら。僕はもうプログラミングしません。

 

 

 

 

それでぶっちゃけここからが本番なんだが、十代でなんとかしないと、という焦りはこないだの青木君の小四なりすましの話に似ている。僕もそうだった。僕らの世代だと登大遊氏なんかが結構輝いてて、ああいう感じにならなきゃ、と思っていた節はある。十代の時になにか成し遂げないといけない、そのためには誰かに認めてもらわなければならないという焦りは、どれくらいの「大人」に理解してもらえることなのだろうか?誰かの承認を得たいという承認欲求を、同じ世代の誰かを使って満たすことができず、むしろ同じ世代の誰かを一緒に引き連れて、承認欲求を満たしてくれる「教祖」にすがりつく。NPOの大学生が「承認」を欲し、政治家が「承認」を与えているのだ。AO入試用の作文?図?みたいなものも見かけたが、「私はリーダーシップがあります!」とか実にくだらないことしか書いていない。しかしそういうものでさえ、学生団体とやらは「承認」してくれる。結局、オウム真理教が丸ごと開けたポジションに、バラックが建ち並び闇市が行われていて、コミュニケーションで自然と得られるはずの承認欲求が、法外な札束で取引されている、そんな感じのような気がする。

 

意外にブクマが増えていた。PC-8001は俺が産まれる前に買われたもので、ずっとオブジェだったのだ。動くかどうかもわからない。テレビに接続するコードがなかったから。

2008-06-08

http://anond.hatelabo.jp/20080608180434

日本橋は既にオタクの街ではないような・・・

ただエロDVD屋とメイドサービス業の店の多い街ってだけな気がする。

 

90年代   大阪秋葉原電気街的な意味で)

 ↓

00年代前半 大阪秋葉原オタクな店・マニアックPC関連商品が揃う街的な意味で)

 ↓

で、そこから電車男ブームに端を発したメイドサービス業ブームと、

不景気によるニノミヤとかの大手電気屋の相次ぐ撤退があって、今はただの

 ↓

現在 ただのモラルが安い街、って感じ。

何よりも秋葉原ほど観光地として特化してハジケてるわけで無いのが痛い。

もしも秋葉原みたくある種割り切ってハジケてしまっていれば変わっていたかも。

あと、そもそも街が臭いんだよなあ。独特の匂いがする。

 
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