大抵のモノゴトは学問になってて、体系立てて土台を作る簡単な入門がある程度決まってる。
ただ「政治」って言う言い方をすると、トタンに曖昧になって、実は体系的な入門書って、無い。
何故か。
「政治」を「語る」というのが、凄く曖昧なことだから。ソレはものすごく広い概念なのよ。
だから、「家庭で両親の聞いてたから」という理由は、わりと「帰国子女が自然にネイティブ並みにバイリンガル」と同じ。
つまり、後付けでそこまで行こうとすると、凄く苦労する。
でも、やり方がないわけじゃない。
じゃあ、開戦の切っ掛けはどこまで「自分の言葉でさかのぼれるか」自覚してるか?
石油の禁輸措置?ソレは何故起きた?移民が嫌われた理由は?三国干渉は何故起きた?日清戦争の理由は?
こういう、「アタリマエに知ってるよ」という事を、「アレ?この角度からは調べたこと無かった……」と気が付くのが一歩目。
ブコメでも言うように、「当たり前のことを、当たり前としてキチンとおさえる」能力に関して、池上彰さんは超一流。
例えば、ガンジーは知っとるだろう。助走を付けて殴ったりはしない史実の方の人だ。
が、その背景にあるインドとパキスタンの超仲悪い関係まで習ったかどうか。
インド旅行に行ったことある人なら判るだろうけど(最近は判らんが昔は)親族にパキスタン人が居るか、みたいなこと入国審査時にかかされる。
これは、インドとパキスタンが、ガチガチの戦争を何度もやってるからだ。
今も、領土を巡って、宗教を巡って、核開発を巡って、深刻な対立状態にある。
で、これも遡ると、かの大英帝国の植民地政策からの独立が原因にあったりする。
とかいって、聖☆おにいさん読まんでも、ブッダがインド人だってのは知ってるだろうが、
何で、現在のインドは仏教徒が少数で、北のイスラム、南のヒンディーに絶滅まで追い込まれて、
ネパールやスリランカに細々と生き残るようになったか、みたいなのは習って無かろう。
というように、現在の政治状況を知る為には、膨大な「過去あいつに殴られたから仲悪い」みたいなのを、延々と遡る必要がある。
近道はない。
聞き流すだけではネイティブにはなれないなら、地道に学ぶしかない。
世界情勢については、通り一遍ソレこそ新書を読めば良いと思う。
アメリカ、南アメリカ、ヨーロッパ(ドイツ)、英国、イスラム、ロシア、インド、アフリカ、南アフリカ、中国、台湾、北朝鮮。
ざっとこの程度を「何を揉めてて、どこと仲悪いか」を抑えておけば、十分だろう。
で、日本の場合は割合に簡単で、「日本の政治」について語るには、明治政府以降だけ抑えておけば十分。
例えば、97代内閣総理大臣の安倍晋三さんは、自由民主党の細田派だ。
で、親父さんが安倍晋太郎さんで、中曽根内閣の外務大臣として有名だけど、元々は農政方面に強かった。
で、その現内閣総理大臣の安倍晋三さんの父親の安倍晋太郎さんの奥さんが洋子さんで、このひとは岸信介さんの長女だ。
で、岸信介さんといえば第56、57代内閣総理大臣の岸信介であって、この人は商工省(→軍需省→商工省→通商産業省→ときて、現在の経済産業省)出身で、満州経済を取り仕切った大立役者。かの有名な東条内閣に商工大臣として入って、太平洋戦争の物資を切り回した。後、軍の横やりで降格、敗戦を感じて東条内閣の倒閣、日米講和を画策してる。この辺を信頼されて極東国際軍事裁判では無罪放免。
で、この岸信介が敗戦後にはじめた日本再建連盟というのが、憲法、軍備、外交を、自国に取り戻そうというヤツであって、
ここまで来てやっと、現内閣総理大臣の安倍晋三さんが、なんでまた憲法改正の話題になる度に「じいちゃんの野望を叶えたいだけだろ」みたいに揶揄されるかが判るわけだ。
政治とは、ざっくりと言っても、国の政であって、その国をどう運営するか、どういう方針を立てるか、という話になる。
で、国というのはある程度のまとまりの共同体であって、ソコには設立の経緯も、近所の国との付き合いもある。
例えば、最近シンガポールの初代首相リー・クアンユー氏が亡くなられた。日本人はこの人には足を向けて寝られない。
30年以上シンガポールという国を率いてきたクアンユー氏だが、日本人による華僑大虐殺を切り抜けてる。
英国による植民地支配、日本による占領、そしてマレーシア連邦から追放されるように独立したシンガポール。
日本人がマーライオンを平和に観光できるのも、昭南島と呼ばれた時代を、赦し、現実を見据え、金を引っ張って建国したクアンユー氏が居てのことだ。
こうした、「過去何があり、誰がどういう経緯で何を行い、その国では何が重視されるか」を果てしなく学習し続けた先に、やっと「政治」が語れるようになるわけだ。
これは、新書を一冊読めば英語が話せるようにならないのと同じで、興味を持って学び続けるしか方法がない。
町会議員、市会議員、県会議員、自分の住む街の政治に関わる人の選挙が、必ずあるはずだ。
彼らは、必ず何らかのバックボーンを持ち、何らかの主張を持ち、何らかの理由があって政治に関わっている。
ソレを調べ、自分の街にとって誰を選ぶのが一番良いか決める。
それには、自分の街の財政基盤(大抵固定資産税だろうが、徴税状況はどうだ?どこが一番多く払ってる?)を知る必要があり、そのためには産業を調べる必要があり、何で稼ぎ、どう使い、何が無いと困るのかを知っておく必要がある。
都市計画はどうなっていて、ベッドタウンなのか工業地帯なのか、子育ては教育は、医療は介護はどうだ?
少なくとも、そうして自分の住む街(もしくは故郷の街でも良い)について知っていて、それについて「語れる」人は、「国政について私はこう思う」と聞きかじりの知識を披瀝する人よりは、よほど「政治について勉強し、語れる人」だと言えると思う。
はじめに、百合の花が咲いていた。
長い年月が過ぎ、天変地異、地殻変動の後に、人類の住まう地に大きな塔が聳え立った。
この塔はなんとも不吉であった。
姉妹たちは皆、この聳え立つ塔に恐怖した。
勇敢にもその塔へと登って行った。
これは私の住んでいるこの世界の神話『キマシタワー物語』の一説である。
小さい頃おばあちゃんによく聞かされたが、当時から好きではなかった。
今では学校の授業でもさんざん聞かされるこの話はネィロ教であるこの町の住人なら殆どが知っている。
塔の中でセーナに生きる喜びを与え、人類の救世主として現れたのが
ネィロ教の始祖シコッテ・ネィロ様なのだそうだ。これが町の歴史。
現在、奇間市の中心には町のシンボルである奇間市タワーが立っている。
この塔は教団の本部でもある。
とても大昔の地殻変動で出来上がったには見えない、おそらく神話に因んで建造された塔。
この時まで私はあの物語をただのお伽噺だと思っていたのだ。
父親は物心つく頃にはいなかった。ちなみに祖母は父の母親で、母とは血のつながりはない。
複雑な事情があるのかわからないが、家でそういう話はなんとなくタブーになっていた。
祖母はネィロ教団の元幹部で、今でもご意見番として影響力をもっている。
それが直接の原因ではないが、私に対して同年代の風当たりはキツく、
不登校ぎみで家に籠ることが多い。
そんな私の楽しみはインターネットで知り合った友達とのチャットやネットゲームだった。
同じように不登校で悩みを打ち明けあって仲良くなった小豆ちゃんとは3年ほどの付き合いになる。
お互い男性に対しての免疫がなく、同年代の男子ともろくに会話をしたことがない。
しかし、アバターを通してならなんとか男子とも会話ができるのだ。
小豆ちゃんとは自撮りの写真を送りあったり、ビデオチャットもたまにする。
不登校になったのも、男子から人気だった小豆ちゃんにクラスの女子が集団で陰湿ないじめをしたのが原因らしかった。
いつものようにビデオチャットしていると、小豆ちゃんの後ろに映る部屋の本棚が気になった。
しかし、そこに写るその本は見たことのない本だった。
「どうしたの、セーナちん」
「その右端のネィロ様の本…」
「えっ!??」
「・・・え?」
「あぁ、ごめんごめん。セーナちんが『ネィロ様』なんて言うからwwwそりゃあ好きなんだろうけど」
「え?どういうこと?」
「だってセーナちんもネィロ先生の小説好きなんだよね?だってHNもセーナだし・・・・」
「ん?・・う~ん??」
なんだか微妙に会話が成り立たない。
「へ???」
「あずにゃん?何言ってるの?ネィロ様は大昔の人だよね?」
「wwwそりゃあけっこうご高齢だけど、大昔ってwひどすぎww」
「え~と、ゥイキにも年齢は載ってないみたいねぇ。『この街の真実シリーズ』で人気になった作家...→(URL)」
この時、小豆ちゃんはネィロ様についての詳細が書かれたゥイキのURLを貼ったらしいが私にはアクセスできなかった。
「ん?どうしたのぉ~?セーナちん。」
「さっきの本、どこで買ったの?」
「どこで、っていうか普通に書店でも推してたし、あ○ぞんでも売ってるじゃん。レビュー凄い数だし、→(URL)」
これもアクセスできず。
「・・・」
小豆ちゃんはふざけて言ってるわけではなさそうだ。
「ごめん、ちょっとはしゃぎすぎた?何だかセーナちゃんと好きな本の話できて嬉しかったから…」
「ううん。そうじゃないの。なんか今日は疲れてるのかも、もう寝るね」
「そっかぁ。おやすみ~ノシ」
「おやすっみ~ノシ」
混乱していた。
自分を取り巻く世界が、ガラス細工のように音を立てて壊れていくような、なんとも言えない気分だった。
つづく
一つ目は「すでに妻から男性タレントに離婚届は渡されている(離婚は成立してない)」という解説の言外の(離婚はしていない)という意味を汲み取れず「(男性タレントはすでに離婚して)独身なの?」と言い出したから周囲が「ちがう」とツッコミ。
説明不足があったって話じゃないの?
というか
こういうのが汲み取れないのは、論理的思考力がないということになるのか?
説明する側に論理的思考力があるなら、色んなタイプの人がいる事を想定して
「離婚届は渡されているが、離婚は成立してない。」きっちり言葉で説明すればいいじゃん。
齟齬が発生しないように。
件数がほしいんだよ。件数が。Altavista やExciteが生きてたころに比べて、やたらめったら”最も的確な検索結果を表示するために、上の 92 件と似たページは除外されています。”みたいに除外されてるページが多すぎる気がするよ。最盛期が過ぎたというより、絞りこまれ過ぎなんだよ。
そんな気がしませんか?
一つ目は「すでに妻から男性タレントに離婚届は渡されている(離婚は成立してない)」という解説の言外の(離婚はしていない)という意味を汲み取れず「(男性タレントはすでに離婚して)独身なの?」と言い出したから周囲が「ちがう」とツッコミ。
二つ目はその通り。
しっかりしていて、丁寧で優しいから
好きなんだ。
パンツじゃなくスカートで女の子してるけど、ミニスカートとかははかなくて、ちゃんとしてる。
口数少なくて、ピシッとしてるし、クールなんだけど、
話すと人柄の良さが溢れ出てくる、
何、このかわいい生き物
車もないし、近くにコストコもないのでネットの通販は重宝している。
以下、定期的にまとめ買いしているもの
・500mlの炭酸水
割物としても使えるし、そのまま飲用してもよし。
500mlのサイズが調度良い。
職場で買うと高いので、持参する。水筒なんてめんどくさすぎるので不可
・パックのご飯
炊飯なんてめんどくさいので、パックでいい。
ダメだった。1回目はその時期は忙しいから、ということで、2回目は会話の中で自然と「一緒にどこかに行きたい」ということを仄めかしたのだけどスルーされて、こりゃもうだめだなと思って一度諦めようとしたのだけどどうも諦めきれず、今日3回目のデートに誘ってみて、ダメだった。
お相手とは前の職場の同僚という関係だったのだけど、自分にとっては「これでもか」っていうくらい外見的にも内面的にも理想的な人だったし、正直これまで出会ってきた女性のなかで、一番アプローチをかけた。だけど、叶わなかった。
学問とかそうした類は自分が頑張れば頑張るだけ相手も振り向いてくれるのだけど、どうも対人関係の場合はそうもいかないらしい。こういうことがあると、恋愛って難しいなあと思わされる。
トーキョーライブ22時という番組をたまに見ています。ジャニーズの人が週替わりで出ていて(今日は関ジャニの人だった)、バナナ(声が明らかにおじさん)が喋ってて、何か企画をやったり視聴者からの悩み相談に答えるようなテレ東らしい番組です。今日も両親と見ていました。
今日の視聴者からのお悩み相談が『ずっと引きたて役のプロで今の仕事場でもマドンナ的存在がいて自分は話しかけられない』みたいな内容で。その相談してる人は「19年間引きたて役のプロでした」とか言っていました。両親は「めんどくさそうな人だね」とか「さっきから引きたて引きたてとかコーヒーかよ」と言っていました。
確かにそうかもしれないけど、でもその人の気持ちがわからなくもないなあ、とも思いました。なぜかというと、わたしもそうだからです。仕事場でもそこまでちやほやされた経験はありません。同い年の愛嬌があって仕事ができる方の周りにはいつも人がいます。わたしの周りには人はいません。
愛嬌のある人と愛嬌のない人だったら愛嬌のある人のほうが接してて楽しいもんね。だからわたしは人から好かれないんだろうなと、相談をする視聴者さんの声を聴いて実感してしまいました。わたしもこれから先、こうして卑屈な精神を持ちながら仕事をしていって、クソババアになっていくしかないのかもしれません。
そして関ジャニの人も自分は引きたて役だとか言っていたけど、メンバー内格差とかあるのかなと思いました。教えて関ジャニファン。
それは頭の形が変だとか、見た目のことを言っているのではなく、頭の中のことについて考えている。
それも4年も5年もずっと考えているんだ。
まずそれに気づき始めたのは、高校生の頃に始めた飲食店の頃からのアルバイトだ。
僕はとにかく物覚えが悪かった。先輩や上司の人から教えられる仕事がまったくできない。
それに人の話が聞けないのもあった。とにかくオーダーが取れない。
そして、そんな毎日が繰り返される日々の中で、僕は他のアルバイトと比べて格段に能力が悪いことにも気づいた。
大学に入ってから始めたアルバイト。不安がいっぱいだったが、とにかく簡単なものから始めてみた。
しかし、できない。マニュアルがあるものはできるが、人から教えてもらうものができない。
だから、僕は質問をたくさんした。だが、同じ質問を何度も繰り返してしまう。
そして僕は大学をやめる。
そのあと両親に大迷惑をかけて、なんとか派遣の仕事を始めるものの、やっぱり人の話が聞けない、覚えられない。
僕は仕事ができないことがバレないようにと必死に隠す努力をした。
そして、それが来た。
僕はこの頭の中を普通の人と同じくらいに治したい。
でも、両親はそれは変ではない、病気でもなんでもないという。
じゃ、どうすればいい?
どうしようもない?
僕は仕事ができないことが情けなくてしょうがなくて、とにかくもう頭に浮かぶのは死にたいという現実からの逃避だ。
僕はこのままの状態でまた新しい仕事についてもきっと失敗すると思ってる。
死ぬか治せるか。
僕は普通の人になりたい。
何もしていないのが苦手である。
別に人に会う用事でなくてもいいし、遊びじゃなくても全然よくて、だから「皇居ラン」とか「休日出勤」とか、そういうのでもいいので、とにかく何かしら1日にひとつは「予定」を入れる。
予定がひとつでも入っていればいいかというとそうでもなくて、一つ予定が入ると、今度はその前後を「埋めたい」気持ちが強まってくる。1日に2、3つ予定を入れるとやっと安心する。とにかく、区切りなくあたえられている白いキャンバスを区切って区切って塗りつぶさないと気がすまない。
かといって、何でもいいから時間をつぶしたいわけではない。単に時間が埋まるだけの予定、たとえば別に興味ない飲み会とかに行くと、「わざわざ金を払って時間を無駄にして余計なカロリーとって何をやってるんだろう」と、とてつもない後悔に襲われる。恋人とデートするときでも、相手の趣味のスポーツ観戦とかだったりすると、「別におもしろくねえな……」と、早く帰りたい気持ちでいっぱいになる(まあそれは結局相手のことがそんなに好きじゃなくていっしょにいるだけでも幸せ、みたいな状態じゃないということかもしれない)。だから基本的に、同じアイドルとか同じコンテンツが好きなオタクとは週1でも週2でも会ってさわげるけど、どんな人と付き合っても、月1か隔週がよくて、週1も週2も時間をさくなら、もっとちゃんと有意義な「予定」を入れたいと思ってしまう(別にオタクとだべるだけなんて、世間では有意義でも何でもないだろうけど)。
あと、1日中単一の予定で埋められてしまうのもいやだ。休日出勤という予定をつくった場合も、「休日に仕事をしてしまった〜」という後悔はないんだけど、「今日仕事しかしてない……」という気持ちにはなる。友人でも恋人でも、そしてたとえ共通の趣味の人間であったとしても、ある人と会う予定が入った時に、後ろに予定がないとその予定が半日以上つづいてしまうんじゃないかという時にも、無理やり別の予定を後ろに入れてしまうことが多い。予定があるフリして別れて、本屋とかデパートとか行って買い物してしまうこともある。だから仲の良い友達に恋愛相談をすると、「とりあえず1日中いっしょに過ごせる人を探してみたら?」と言われたりする。
でも、だからこそ、こっちの好きなものになんでもつきあってくれる人のことをすごく尊敬してる。先日、こちらから「最近会ってないな〜」と思って久しぶりに誘った人に、「何したいですか?」って聞いたら、「別に特にしたいことないからなんでもいいよ〜」って言われて感動してしまった。私と目的を共通にする何かの当てがなくても会ってくれるなんて。
私ももっと、「特にやることがない時間」とか「特にいっしょにしたいことがあるわけじゃないけど会って楽しい人」を増やして、大切にできる人間になりたい。
彼らは、論理的に考えられないだけではなく、他人の発言をちゃんと聞く能力や文章を精読する能力に欠けているよね
わかる、すごくよくわかるぞ
そうだよ君のアプローチを待っているよ
僕で良かったら相談に乗るよ^^
別に冷たいとかじゃなく、いちゃいちゃも普通にするし仲良いカップルだと思うけど、一週間間が空くともうえっちしたくてしたくて堪らなくなる…。承認欲求をセックスで満たしてるみたいだ…。
欲求不満かと思ってオナニーしても、セックス欲が全く満たされなくてあまり意味がない…。一体なんだってこんなふうになってしまったんだろう
床に這いつくばったまま、俺は自分の能力について詳しく説明した。
「信じられないだろうから、実演して見せてやるよ」
さっと目を走らせる。男ばっかりかと思っていたら一人だけ女がいた。
「そこの女とそこの男は夫婦だろ」
まだ親指にギロチンのはまったままの不自由な手で、二人の男女を指さす。二人の間にはピンク色のリボンが渡されており、真ん中に結婚式で投げたであろうブーケが結ばれている。
「それも新婚だ。違うか?」
オールバックの男が目を見張った。
「まだまだあるぞ。お前がこの中で一番偉い立場だろ。で、二番目はそいつだ」
オールバックの斜め後ろに立っていた、七三分けのメガネ男を指さす。オールバックの男に続いて、周囲からの関係の厚い人物だ。
「あとは……」
部屋の隅にぽつねんと立っている男が目についた。そいつの周りだけ、極端に周囲との関係性が薄い。集団の最後尾に居て、青瓢箪とはこいつのためにあるのだと言うような、病弱そうな青白い顔をして周りをビクビクと伺っている。女だったらまだしも、男でこういうタイプは、どうもご遠慮したい感じだ。要するに、はぐれ者なんだろう。
しかしそれをなんと言って指摘しようか考えあぐねいていると、オールバックの男が口を開いた。
「お前の能力が本物だと言うのは分かった。だが、そんな力、どうやって手に入れた?」
「あんた達の教祖様と一緒だよ。ちょっとした荒行をやったら身についた」
そう、それこそ死ぬような荒行だった。というか死ぬ気だった。皮肉のつもりだったが、その場の空気が凍りつくように止まった。彼らは何かを牽制するように、目だけでお互いの顔を見合っている。
オールバックの男は俺に背を向け、後ろの男達と円陣を組むと、肩を寄せあって何やらひそひそと相談を始めた。一分とせずに相談は終わった。オールバックの男は、また床に転がされた俺の前にしゃがみ込み、未だに俺の指にはまったままの酉のような形の拷問器具を外した。
「お前には使い道がありそうだ。生かしておいてやる」
* * *
それからずっと、俺は真っ白い部屋の中に監禁されている。あの後、部屋から人は居なくなり、代わりにマッチョ男がベットと便器を一つ持って入ってきた。ここに寝ろということらしい。拘束を解かれ、手足は自由になったが、部屋から出ることはできそうになかった。部屋の電気はそれからしばらくして勝手に消えた。窓もなく、今が夜なのか昼なのかも分からなかったが、おそらく消灯時間なのだろうと思い、ベットにもぐりこんだ。とても眠れないだろうという思いとは裏腹に、幕が下りるようにすっと寝入ってしまった。疲れていたのだろう。
次の日、俺は鉄の扉の下から食事が差し入れられる音で目を覚ました。この部屋唯一の出入口である鉄の扉には、床から十cmほどの位置に猫の通り道みたいな、小さな戸がついていて、そこから食器の乗ったトレイが差し入れられた。まるで監獄だ。メニューはパンと牛乳とオムレツで、味の方は想像に反して美味かった。熱々でふっくらしたオムレツとパン。まるで高級ホテルの朝食だ。まるでと言ったが、高級ホテルで朝食を取ったことなどないから想像でしかないが。
朝食を取って、ベットの上でぼうっとしていると昼になったのか、また食事が差し入れられた。それも質素ではあるが中々美味い。しかし、退屈でしょうがない。何せ、することが何もない。部屋の中にあるのはベットとおまるのみ。まさかこの歳でおまるにまたがることになるとは思わなかった。それ以外は真っ白の壁があるのみ。見ていると、頭の中まで白に埋め尽くされるようだ。本当に時間が流れているのかさえ怪しくなる。囚人だってもっと充実した日々を送っているはずだ。
だから扉に鍵が差し込まれる音がして、ドアノブがガチャリと回った時は飛び上がって驚いた。扉が開け放たれる。
「調子はどう?」
聞き覚えのある声がした。
「お前。この、裏切り者!」
西織あやかだった。彼女はホテルのルームサービスさながら、ワゴンを手で押して部屋に入ってきた。
「裏切ってなんてないわよ。最初から仲間じゃなかったんだから」
「な、なんだと!」
「あんだけボカスカ殴っておいて、素直に言うこと聞くとでも思ったの?」
そう言われると、ぐうの音も出ない。
「ほら、食事よ」
見るとワゴンの上には、芳しい香りを立てるビーフカレーが乗っていた。本当に食事だけは申し分ない。
「あんたの世話は、私がすることになったから」
彼女はおもむろにワゴンの上からカレー皿と水とスプーンの乗ったトレイ持ち上げ、それを床に置いた。そして、犬にでも言うような口調で言った。
「ほら、食べなさい」
「何?」
西織あいかは扉の前を離れて、俺に近寄ってきた。扉は開いたままだ。この場に居るのは女一人。チャンスだ。
俺は腰掛けていたベットから飛び起き、彼女に躍りかかった。また首でも締めて意識を飛ばしてやろう。怯むかと思った彼女は、しかし終始落ち着いた顔で、手早く腰から何かを引きぬいたかと思うと、
「ひぎぃ!」
俺の股間を強かに打ち付けた。目の前に火花が散った。俺はたまらず床に崩れ落ち、股間を押さえて尺取り虫のように床をのたうち回った。床から見上げると、西織あいかは俺を打ち付けた警棒を掲げて言った。
「ふふふ……私には逆らわないことね」
「くっそ……」
彼女は俺を置いてワゴンを押して部屋を出て行った。扉に鍵をかけるのも忘れない。俺は股間の痛みが引くまで、しばらく床をのたうっていた。痛みが引くと今度は自分が哀れに思えてきて、
「うぅ……うぅう……」
まるで乱暴された乙女のように、めそめそと泣いたのだった。
* * *