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はてなキーワード: jaxaとは

2023-02-20

北朝鮮の3発のロケット発射は失敗だったのだろうか、成功だったのだろうか

JAXAの発射中止よりもよっぽど大事話題だと思うんだが

『失敗』の言い換え

これは非常に厄介な事態だと思う。今日ロケット関連の記事トップコメントを見てほしい。

[B! 増田] 「JAXAに打ち上げ失敗を認めさせたい人」への説明に悩んでいる

frothmouth普通は失敗」「一般論では失敗」みたいな市民感覚と、科学技術専門家の使う言葉意味が違うのは当たり前で、2者の科学コミュニケーションを繫げるのがメディアに求められる役割なんだけど、記者がコレでは困る

[B! メディア] 国産ロケットH3の打ち上げは「失敗」である

steel_eel 「別にノーミス打ち上げチャレンジじゃないんで失敗じゃないですね。運ぶものロケットが爆発四散とかしたら失敗です」って何度説明されてもノーミス打ち上げチャレンジだと思い込んでいる人々。

(太字強調は引用者)

どちらの人気コメント記者批判的な立場なのにもかかわらず、その書き方は失敗を認めてしまっているように見えることに注意してほしい。ノーミスミス和製英語だが、mistake には失敗の意味が含まれる。これでは開発側に何らかの失敗があったようにも読めてしまう。

ロケット開発に明るい方の分析によると、JAXAのような権威ある機関が「失敗」を認めてしまうと取り返しのつかないことになるらしい。

打ち上げに失敗した」なんて見解JAXAが示したりしたら世界中ロケット業界が大騒ぎになると思うんですよ。

今までの共通認識が変わってしまうし、また安全よりスケジュールが優先されてしま時代に戻りかねない。

ロケット業界の中には「絶対に失敗してはならない」という意識下の前提条件がある。だからひと言でも失敗と発言してしまえば、「JAXAだって失敗してる」「失敗してもいいんだ」とはならずに、失敗の共通認識前線が後退してしまうことになる。「今回の打ち上げは失敗」が未来業界を、失敗を避けるために一か八か勝負に出るような打ち上げをするような体制に変化させてしまう。失敗は成功のもと、と発言した文科相直ちに追及されて謝罪したのも必要なことだった。

ロケット開発に限らず、あらゆる業界で「失敗」が避けられる。皆んなもちょっと思い出して見てほしい。自分からあれは失敗でした、などと言い出した人を、一人でも思い出せますか? … いないでしょ。

だってハッキリ言って、「自分は失敗した」などという自己認識を持つことにメリットはないから。

失敗だなどという認識を持てば自己肯定感は下がり、部下や仲間の士気も落ち、悪いと鬱傾向になってしまいかねない。集中力を失えばプロジェクトは瓦解する。また、失敗感は未来自分や後輩の首を絞める側面もある。失敗するかもしれないという恐怖が心理的安全性を著しく損なう。だから近年、「失敗した」という人は少なくなってきた。長い歴史のなかで人類は「失敗の悪さ」を学んだのだと思う。

にも関わらず「失敗」は相変わらず言われている。主に、敵によって。例えばアベノマスクだって明確に失敗だったとは言えないはずだろう。当時のコロナ禍の五里霧中の状況ではチャレンジングな施策だった。確かに注意深さは十分ではなく、後から見れば問題は多々あった。だけど反体制側の人間は躊躇なく「アベノマスクは失敗だった」と言う。これは立場問題だ。敵側の人にとってはあらゆる隙は「失敗」のレッテルを突きつけるチャンスになる。映画版スラムダンクは失敗だった。はてなブックマークUI変更は失敗だった。ツイッターイーロンマスクは失敗だった…。「失敗」は敵の言葉だ。

味方のフリをして足を引っ張る悪者にならないように、注意深く「失敗」のワードを避けるべきだと思う。失礼ながら、冒頭のトップコメントたちの修正案を考えてみた。

簡単に諦めてしまいがちな部外者である市民感覚と、責任を持って問題に向き合う専門家が使う言葉意味が違うのは当たり前で、2者の科学コミュニケーションを繫げるのがメディアに求められる役割なんだけど…

別に一発クリア打ち上げチャレンジじゃないんで失敗じゃないですね。運ぶものロケットが爆発四散とかしたら失敗です」って何度説明されても一発クリア打ち上げチャレンジだと思い込んでいる人々。

できるだけポジティブ表現に置き換えるのがコツ。見てる人の気分をダウナーにしないように時間をかけるのは時に難しいかもしれないけれど、必ずプラス意味を持つ。誰の心にも響かなかったとしてもマイナスにはならない。そういう細かいケアが求められる時代になってきたと思う。ずっと勘違いされてきたけど、実は、ヒトの心は簡単に折れてしまうのだから

anond:20230220072408

なるほど!

あの記者原稿入稿期限に間に合わせるには、どうしてもJAXAに「失敗」と言ってもらわないと困るからだったと。。。

anond:20230219154851

イーロンもホリエモンペイロードを載せない打ち上げ実験をやってて、そういうの見てる感覚で言うと失敗に見えるのかもね。

JAXA場合はそういうフェーズは何十年も前に過ぎてて、新型ロケット初回からガチペイロードを載せているから慎重にもなるし、打ち上げがうまくいったら成功ではなく、軌道投入がうまくいったら成功なんだけどね。

H3ロケット打上げ中止会見での「それは一般に失敗と言います発言

実際に動画を見てみたけど、捨て台詞ではあるが、相手バカにはしてはいないと感じる。

少なくとも、失礼な言葉は発していない。

どちらかと言うと、議論に興奮して、ついポロッと「捨て台詞」が出たように感じる。

まあ、確実に「捨て台詞」ではあるし、意気消沈しているJAXAの面々に対して発して良い言葉ではないと思う。

この「JAXA可哀想」という状況によって、炎上がひどくなったと思う。

記者が「中止と失敗の違いを、教えていただく」的な態度や考え方ならば、このような発言は出なかったと思う。

あと、失敗して涙ぐんでいる?取材対象者に対して、心理的配慮がなかったのは、少し問題かもしれない。

打ち上げはどうでもいいけどプロジェクトとしてのH3ロケットは大失敗

H3ロケットの総開発費は約1900億円。2020年打ち上げ目標に開発を進めていたが延期に延期を重ねときはすでに2023年

競合のSpaceXアリアンスペースが何度も商業打ち上げロケット成功する中、ただの一度も飛ばせてない。

H3ロケット目的の一つは三菱重工と組むことによる打ち上げ費用削減だけど、それだって他社に全然勝ててない現状。

はてブを含む世論ってどうして宇宙JAXA)に甘いんだろうな。NASA火星にクソデカローバーを送り込んでパラシュートで軟着陸してる中、石ころにタッチしただけで大喜びしてアホくさ。

2023-02-19

anond:20230219154851

うーん、『宇宙の傑作機』シリーズが出るたびにコミケ行ってるぐらいには愛好家ではあるけれど、個人的には「"失敗"としといたほうが良くない?」という感じ。

基本的には、衛星本体ロケットも無事に打ち上げ中止できたという点に絞れば、言い換えると射場視点で見たら完全に"中止"だとは思う……のだけれど、以下にモヤってる点をまとめてみる。

外的要因ではない上に原因特定はこれから

例えば暴風雨なりOリングが固まるような低温なりといった外的要因ならまあ分かるんよ。あるいは「ソフトウェアテスト完了してないので」的な計画の遅れとか。そういう事象であれば誰も"失敗"とは言わないはず(あーいやどうやっても文句をつけたい人は一定数居るか。まああの手の人達無視していいと思う)。

でも今回発生した固体燃料ブースターの点火失敗はそうじゃないよね?まだこれからバラして調べないとわからないけれど、逆に言うとちゃん問題特定した上で何らかの対応を取る必要がある。

なんというかこー、原因特定対策(と場合によっては関係者責任も)を取る必要がある事象を"中止"だけで済ませるのはかなり抵抗ない?「射場で起きていたこと」はそりゃ"中止"だけどさ。

"中止"という言葉で重大性が低く思われてない?

あと、重大事故に発展する可能性のあった話なのに、"中止"という言葉で扱いが軽くなってる気がする。

これは元増田に言ってもしょうがないことではあるけど、「フェイルセーフが動いたので問題ない」みたいな話まで出てて(フェイルセーフ機構が動いた時点で問題ありやろ。致命的状況を防ぐ事ができたというだけで問題が消えた訳じゃない。)

このあたりはJAXA側も記者会見事象として重大なものであるとは言ってるけど、Web雰囲気として国産ロケットの話になると安全意識現場猫レベルになる人多くない?という気がして、長期的に見ると割りと危険な感じがする……

「重大」問答については以下

https://twitter.com/ohnuki_tsuyoshi/status/1626469011423907842

共同通信「重大な事象だととらえた方がいいのか、そうではないととらえた方が良いのか」

※さっきの失敗ワラの人とは別の記者です

岡田「中止は重大と捉えています。原因が重大かは調べていきたい」


「中止だろ早く再開しろや」圧がかかってない?

その日のうちにこういう話が出てきたりさ

「H3再打ち上げは1、2週間後と政府関係者

https://nordot.app/999144117284077568

いやまあ「共同やぞ?」って言うかもしれないけど、記者会見でもこういう話が出てきたり

https://twitter.com/ohnuki_tsuyoshi/status/1626449947011973120

NHK「年度内に打ち上げ可能か」

岡田「それは言えないが、年度内打ち上げを目指して努力する」

いやもちろん以下のようなやり取りもあり急かされても原因追求が蔑ろにはならないだろうけど

https://twitter.com/ohnuki_tsuyoshi/status/1626457752406208513

読売新聞「再打ち上げまで少なくともどのくらいかかるか。期間は3週間だが、数日レベルか数週間か」

岡田事象次第。燃料充填含めて数日で打ち上げできるように作ってあるが、原因がどこにあるか。究明中なのでわかり次第考えていきたい」

それでも、もともとH3開発遅延もあるので政治家サイドから色々急かされてるんじゃないかなあという感じがする。"失敗"はともかく"中止"よか強い表現をつかって急かされない雰囲気を作っといたほうがよくない?

まとめ

うちら業界ではこれは"中止"」で済む話ならそもそもこんな揉めない訳で。

anond:20230219154851

なので「打ち上げに失敗した」なんて見解JAXAが示したりしたら世界中ロケット業界が大騒ぎになると思うんですよ。

今までの共通認識が変わってしまうし、また安全よりスケジュールが優先されてしま時代に戻りかねない。

なんか結局言葉遊びしかないよね。失敗ということにしたとしても「失敗を失敗と認め、失敗から学んで次につなげればよい」だけなわけじゃん

失敗は絶対NGだという共通認識ロケット業界にはびこってるんかね。こっちは10連続打ち上げ失敗でした、とかでも別にいいじゃんって感覚なんだが。

荷物ペイロード)を予定の軌道に届けられたら成功なら、言葉で言うなら失敗は荷物ペイロード)を予定の軌道に届けられなかった場合になるはずで、

今回予定の軌道に届けられなかったんだからそれは失敗だと多くの人は思うでしょうよ。

天候が悪いから延期というのはわかる。でも機器の不調で止まったんならそれは技術者ちゃんとしてれば防げたはずじゃん。実際担当者泣いてたじゃん。

ぶっちゃけ泣いたりせずに淡々機器の不調で延期っすねって言ってたらこうなってなかったと思うよ

結局言葉遊びしかないんだから、ああそうで終わってたよね。

anond:20230219154851

台風が来て中止とか、戦争が始まったから中止とかはわかるんだけど、JAXAさんに責任ある部分で中止したやつは失敗って呼ぶべきじゃないかと思うけどな。

別に失敗を咎めるつもりはなくて、常識的な期間内に再度打ち上げ成功してくれれば全然いいんだけど、素人からするとJAXAさんの方が失敗を頑なに認めないようにみえる。

まぁまずは原因究明でしょ。実は他国スパイ破壊工作で点火しなかったとかあるかもしれないからね。

基準不明なのはだめでしょ

anond:20230219154851

プロジェクト達成基準は事前に掲げられていて成否判定は明確に決まるようになっている・・・訳ではないのか?

政治から圧力スケジュール優先させた結果、いくつかの懸念の声を封殺した」という反省があるのなら(チャレンジャー号のこと?)、なおのこと解釈恣意性が出るような曖昧基準にはなっていないはず。だからいま対外的広報として成功・失敗を明言できないのは完全に政治の話だと思ってるし、そんなことに手こずってるJAXA自身政治への脆弱性如実に見せていて残念としか言いようがない。


あと、荷物ペイロード)を予定の軌道に届けられたら成功、正常に飛行ができず荷物喪失したら失敗

って「成功でも失敗でもない」ケースが多すぎて、まったく使い物にならないんだが。「今回のケースは判定基準のける『順延』のケースに該当します。計画続行中のためまだ成否判定を出すフェーズではありません」とか言ってくれた方がまだ納得できる。それはそれでムービンターゲットだという非難は出そうだが・・・

anond:20230219191650

大方の中止擁護勢はロケット業界区別、失敗主張勢はJAXAの思いつきだと思い込んでるけど、この区別って辞書定義なんだわ。だからそう発狂されても必死キモいなーとしか

anond:20230219154851

権力者が失敗を認めず、醜い姿を晒すことが多い。有名な例では大本営発表だが、昨今でも大学研究機関政府閣僚政治家も醜い姿を晒している。

その様な醜い姿は見飽きている。あの会見でのJAXA報道官はそれに重なって見えた。

JAXA税金を使っている以上、国民感情をいたずらに逆撫ですることは望ましくない。目の前にあの会見の場にいた共同通信記者がいたとしても、彼も税金を支払う国民の一人だ。その記者配慮した話し方がJAXA報道官には求められるべきもの。あれでは失敗ではないと強弁としたと思われても、仕方ない。

JAXA報道官技術者として失敗と中止を区別たかったと思うが、それでは税金依存するJAXA報道官としては失格と思う。

「おっしゃる通り、当日の打ち上げは失敗した。次に活かす様に努力する。」とJAXA報道官が言えば、ここまでこじれることはなかったし、その程度の政治的発想はJAXA報道官として持っているべきだと思う。

JAXA報道官に聞きたいのだが、”失敗と中止を区別すること”にどれほどの違いがあるというのか。技術者矜持の様なものを、そこまで守るべきなのか。その程度を受け流せないようでは、報道官としては失格である

あそこまで強弁すると、いろいろ邪推もしたくなる。

例えば、最近JAXA古川飛行士研究不正ダメージを受けたため、なんとしてでも悪い印象を受けることを避けたかっただけではないのか?

中止を失敗と呼ぶのも場合によってはそんな筋悪ではないと思う

anond:20230219154851

素人には失敗に見えるだろうけど宇宙船業界では中止と呼ぶよ」は確かに正しいけど、「素人が失敗と呼ぶようなもの宇宙船業界の人々にとってはダメージにならない」なんてことはないよね。

ざっくり言うと、「JAXAにとって損害が大きいのなら、たとえ専門的に言うと中止だろうとJAXAにとっても失敗なのでは?」

勝負引き分け試合に負けてるイメージ

https://twitter.com/LH2NHI/status/1626498416745525250 宇宙船業界でいう失敗/中止事情のわかりやす画像

↑でいう "飛行機は離陸前点検を行い、飛行開始が遅れた(宇宙船業界でいう中断)" と "飛行機は墜落した 南無阿弥陀仏宇宙船業界でいう失敗)" だと確かに後者の方がヤバいのがわかりやすいんだけど、

でも "ドクターヘリが緊急点検遅刻して待ってる患者は死亡" と "ラジコンヘリが墜落してメカ太くん(パイロットのつもりでくくりつけたガンプラ)はバラバラ死体に"

だと普通の人は前者の方が大失敗だと思うだろうし、ヘリ業界の人もまあぶっちゃけそう思うだろう

宇宙船業界における中止/失敗の意味がわからずに失敗と呼ぶのはマスコミとして間違いだし、正しく説明してるJAXA認識押し付けるのはおかしいけど、意味を把握して事実については正しく記述した上で「これはJAXAにとっての失敗」というのはおかしくないと思うよ。https://b.hatena.ne.jp/entry/4732580315972260708/comment/hokonch 個人的にはこれに同意だな。

今回の発射中止がJAXAにどれくらい損害与えたのかは知識のないたいていの人はよくわかってないだろうけど、でもだからこそJAXAの人が「ちょっとしたトラブルです。すぐやり直しますよ」と言ってすぐ発射作業再開→無事発射してればそんなに失敗だとは思われてなかっただろう。

でもJAXAの人泣いてるし次回発射予定日もよくわからないんじゃ大損害受けたようにしか見えないっての。

追記1:ブコメに返信

よく判らんが、ロケット軌道に届かず、途中で失速して住宅地に落ちて死者が出たけどペイロードは無傷で回収できたら「プロジェクト継続中であり失敗ではない」って言い張るの?

マジレスしますが、地上に被害が出る前に指令破壊自爆させます。ありえない仮定で、揚げ足取りでは?

https://b.hatena.ne.jp/entry/4732580315972260708/comment/ChieOsanai

揚げ足取り元増田だよ。自爆装置が壊れてる可能性はあるし、ブコメ趣旨ペイロード被害がなくとも他のもの被害をもたらす例一般だろうからその一例だけに反論しても意味ないわ。

anond:20230219154851

今回の事例は失敗と呼ぶべきだと思うけど別にJAXAに認めさせたいとは思わん。そこは金を出す側が判断すればいいこと。

そもそも中止と失敗はレイヤータイムスパンも違うのでどっちかというと話じゃない。今回の17日の打ち上げ単発で見りゃ失敗だし、液体燃料に点火して補助エンジンに点火してリフトオフというプロセスで見りゃ中止だし、衛星を運ぶというミッションで見りゃデッドライン範囲内のリスケだし、別にどれも間違っちゃいない。

まあ中止を連呼する奴らは原因がすぐわかって対策できて期日までに再度飛ばせるという能天気予測をしすぎだと思うがな。

日本マスコミがいよいよ「話が通じなくなっている」恐怖

H3ロケット試験機1号機の打ち上げ中止を共同新聞記者がとくに根拠なく「失敗」だと断定した件について。

まあ関連していろいろ恐ろしい事が多いのだが、個人的に一番やばいと思うのは次の江川紹子氏のツイッター上での発言だ。

https://twitter.com/amneris84/status/1626791731973980160

江川紹子氏はフリーランスジャーナリストの中でも、いろいろな案件をそれなりに中立的立場で扱うことができる人だと思っている。

その人がこの発言というのは、かなり恐ろしい事態が不可逆に進行している証左だ。

共同新聞記者に比べたらそこまでほどの発言じゃないだろって?

いやむしろ、私は共同新聞記者の頑なさなんかよりも、江川氏の紋切りコメントのほうがよっぽどやばいと思わされた。

件の記者鎮目宰司氏は過去の経歴からみても、日本科学政策のものに常に重大な不信感を持っているタイプマスコミ人だ。

それはそれで一つのスタンスであり、そういう立場人間マスコミ内にいて、常に批判言論を提起することは価値があると思う。

しか江川氏はそうタイプではないのにも関わらず、氏の中では

打ち上げは失敗だが、JAXAと主流派メディアはそれを認めたがらないから失敗という言葉を使わなかった」

ということが「議論余地なく確定」している。

対立する議論を読んで、検討した上でそれが結論ならそれでもいい。

しかし今回の江川氏の発言は明らかにそうではない。議論より前に「ストーリー」が出来上がっており、それで終わりだ。

私は江川紹子氏はある種の独立系中立派メディア人の代表サンプルのようなものだと思っている。

そういうひとがこのスタンスだということは、多数派メディア人も同じような反応をする可能性が高いだろう。

というか少なくとも同じような反応をしているメディア関係者ツイッターを多く見て、本当の恐怖が湧き上がってきた。



恐ろしいのは、ここでそもそも宇宙開発プロジェクトにおいて中止や失敗の定義がどうなっているかとか、技術的な話をしてもなんの意味もないってことだ。

逆に、日本科学政策を真面目に批判するため、例えば米国宇宙開発で「失敗」の定義がどうなっているかとか

外国における科学政策マスコミ報道のありかを比較するとか、そういう話にもならない。

もしそれらの話をどちらに展開しても、彼らはその議論を一切無視して

「まあごちゃごちゃ言ってるけど、要するに失敗だったのに日本科学政策組織はそれを認めなかったってことなんやな」

という彼らの中の「事実から一歩も動こうとしないだろう。

そして「まあいいか。そこまで興味ないし」と次の事件に向かうのだ。

本当に話が通じない。

本当に話が通じないのだ。

ここまで話が通じない集団に対してどういうアプローチを取ればいいのだろう?

私にはわからない。

みなさんはどうすればいいと思います

ニート俺はまだ本気出してないだけから失敗してない」JAXAロケット打ち上げを中止しただけだから失敗してない」

何が違うのだろう

JAXA打ち上げ失敗を認めさせたい人」への説明に悩んでいる

2月17日H3ロケット打ち上げについて、次の江川紹子さんのツイートに限らず「JAXA打ち上げ失敗を認めさせたい」という意見ががはてブにもツイッターにも大量に見かけました。

Shoko Egawa on Twitter:

"「失敗」か「中止」か。後者は、何らかの判断があって止めたニュアンス。でもJAXAは「失敗とは考えていない」と。メディアも「失敗」との言葉を避けている。失敗を失敗と認め、失敗から学んで次につなげればよいのでは…という気がするが。"

https://twitter.com/amneris84/status/1626791731973980160

おそらく「失敗を認めたくないから意地を張っている」という考えが根底にあるもしれないのですが、そういう事じゃないんだよと言うことを説明したいと思って頑張って書いてみたい。

ちなみにマスコミが失敗と報道するのは自由だと思っていますあくまJAXAに失敗と認めさせたい人の話。


まずロケット打ち上げ

特定の日時に必ずというものではなく、打ち上げ可能な期間は長く取る ※小惑星探査などはちょっと例外

・少しでも問題があればすぐに中止

とするのが一般的です日本に限らずどこの国でもこのような運用を行なっています。少しでも不安があれば延期するのはある意味山登りと同じ。

批判している人の一部には、そもそもこの点についての理解が無さそうに感じられました。

スペースシャトル事故が相次いだことがあって多数の人命が失われたのですが、その原因の一つとして「政治から圧力スケジュール優先させた結果、いくつかの懸念の声を封殺した」という反省があって、それ以降より安全を重視するようになったという歴史もあります


ここまでが前提でここから本題なのですが、全世界ロケット関係者(おまけで増田のような愛好家)には以下の共通認識があります

荷物ペイロード)を予定の軌道に届けられたら成功、正常に飛行ができず荷物喪失したら失敗

一部成功とか一部失敗とか細かい条件はありますが、イーロンマスクに聞いてもホリエモンに聞いても(NASAロスコスモストップに聞いても)同じ認識を示すはずです。たぶん。

なので「打ち上げに失敗した」なんて見解JAXAが示したりしたら世界中のロケット業界が大騒ぎになると思うんですよ。

今までの共通認識が変わってしまうし、また安全よりスケジュールが優先されてしま時代に戻りかねない。


というわけで、『「意地でも失敗と認めたくない」というレベルの話ではないのですよ』と説明したつもりですがうまく伝えられたでしょうか…。

納得いかないところや反論があればぜひ反応をいただけると嬉しいです。


追記3:はてブに反応(重要なので上に持ってきた)

成功率が比較されているからには世界のどこかに定義が書いてあるはずなんだけど、ここには増田オレオレ定義しか無かった。

そういうツッコミを予想して、定義と書かずに"共通認識"という言葉を選びました。

ジャーナリスト大貫さん打ち上げ成功・失敗について解説しているのでぜひ読んでみてください。

https://twitter.com/ohnuki_tsuyoshi/status/1626484661093548035

それと、インターステラテクノロジズ稲川社長が、まさにタイムリーエントリを書いてくれたので、こちらも超おすすめ

https://note.com/ina111/n/nabc831e05beb [ロケット打上中止後の延期は失敗なのか?]

山登りスペースシャトルのくだりが被ってしまったけれど偶然です。まるでパクったみたいで恥ずかしい

追記4:はてブに反応 20日0:25

当初計画の期限までまだ余裕があるので中止でいいんですよっていうなら理解できるけど、誰も期限がいつなのか書いてくれないんだよな。いつが期限なの?

予備日は3月10日までですが、地元自治体漁協との交渉さらに先の日付にリスケできる可能性があります。これもよくある事です。成功失敗の判断も、ずっと先になるかも…です。

そして実は、本来計画の期限は2年前でした。増田から見たプロジェクト評価は現状かなり厳しいものになっています。もちろん期待はしていて、5年後10年後に成功プロジェクト!と言えること願ってますが。

【余談】LE-9エンジンの野心的なスペック増田的には懐疑的で(エクスパンダーブリザードサイクルを採用するならもっと小型にすればよかったのに、と)案の定、開発に難航して2年間延期してしまいました。

3Dプリンターを使った燃焼室も2号機から採用で、試験機1号機は本来の量産機ではなく、これも懸念するところです。

参考に:

毎週のように打ち上げが行われているスペースXファルコン9ですが、本当にちょっとした理由ですぐに延期します。天候だったり機体側や地上側設備不具合だったり。

「specex scrub」で動画検索してもたくさんヒットします。スクラブは延期の意味です。

wikipedia打ち上げ履歴リストにも、記載されている成功・失敗は上記定義なはず。

https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_Falcon_9_and_Falcon_Heavy_launches

https://en.wikipedia.org/wiki/H-IIA

おまけ:

西谷 格 取材記者妄言多謝 国産ロケットH3の打ち上げは「失敗」である

https://www.newsweekjapan.jp/nishitani/2023/02/h3.php

中国で同じことが起きたら「失敗」と捉えるのでは?』 捉えません。党派性に囚われ過ぎ。

追記1:ブコメに返信

よく判らんが、ロケット軌道に届かず、途中で失速して住宅地に落ちて死者が出たけどペイロードは無傷で回収できたら「プロジェクト継続中であり失敗ではない」って言い張るの?

マジレスしますが、地上に被害が出る前に指令破壊自爆させます。ありえない仮定で、揚げ足取りでは?

追記2:ブコメに返信

増田はまずその白黒つけたいという欲求自覚して「そういう人もいる」という思考に持っていかないと生き難いだけだよ。人間赤の他人認識を共有する必要なんてないし、他人価値観は変えられないんだから

マスコミ報道や個々の感想については否定していません。失敗の認識でも全然問題ないと思いますよ。あくまで「JAXAに失敗を認めさせる」事についてです。明確にそう書いたはずなので、もう一度読んでいただきたく…

みんなミッション定義せず成功と失敗を語りすぎ

今回のミッションが、「2月17日衛星軌道に乗せること」だとすれば、明らかに「失敗」だ。

そうではなく、「〇月〇日までに軌道に乗せること」なら、まだミッションは続いていて成功でも失敗でもない。

他の定義もあるかもしれない。

それだけのことに言葉遊びしてんじゃねえ。JAXAミッションを明らかにしろ

anond:20230219083008

これは好感度問題

まりJAXAなら「これは失敗じゃなくて中止だよね」ってみんなかばってくれるし、

これが東電や岸田総理推し進めていたプロジェクトだったら「いろいろ言い訳してるけどそれは失敗って言うんじゃないの?」ってみんな言い始めるよ

anond:20230219083008

(5)打ち上げイベントの失敗

れいれとかな

マスコミSNS広報して記者や観衆も呼んでネットで生配信もして客を集めてイベントにしたけどカウントダウン終わってあと飛ぶだけという時に打ち上げ中止になってJAXAのその日のイベントは「失敗」した

JAXAロケット打ち上げ失敗について

JAXAロケット打ち上げを急遽中止した件。

どっかの記者無礼質問したこともあって、「しっかりフェイルセーフが働いたことを称賛すべき」「失敗ではなく中止」みたいな論調ばっかりなんだけどさ、

いや失敗ではあるよね?


だって何らかの内部的なトラブルが発生したために当初の予定で打ち上がらなかったんでしょ?

それは失敗でしょ…というかそれが失敗じゃないならなんなんだよ

事前に問題を検知して中止できたシステムは素晴らしいと思うし、またチャレンジすればよいと思うんだけど、失敗は失敗でしょうよ。当初の目的を達成できなかったんだから。そこで日本語こねくり回す必要なくない?

2023-02-18

ツイッターヘイトばら撒きサヨク共同通信記者だったらしいけど

JAXAのやつといい共同通信ってそういう会社なの?

共同通信記者氏の発言への苛立ちに、日本希望を見た気がする

先進的なカルチャーを取り入れている組織、たとえばIT会社なんかでは「失敗を推奨しよう!」みたいな掛け声が飛び交っている。

俺の体感では少なくとも15年前くらいにはそんな掛け声があった。

15年経ってもその掛け声は健在。つまり、俺たちが「失敗を推奨する」カルチャーを手に入れるのは15年やそこいらでは無理だったってことだ。

自分が損をしてでも相手利益を得ることを阻害する行動のことをスパイト行動というらしい。

日本人はその傾向が強く、人の成功を望まず、喜べず、お互いがお互いを邪魔するかのように貧しくなってきている、というが俺の体感だ。

ロケット打ち上げを中止したか失敗したか

そんなのはどうでもいいんだが、共同通信記者氏が中止ではなく失敗と定義しようとし、それをもってJAXAに対する批判的な空気を作ろうとしたことに対し、

少なくともネットユーザが苛立ちを見せているのは、悪い傾向じゃないんじゃないかとしたんだ。

どんなことでも百発百中はあり得ない。ヤクルトスワローズ村上選手ホームランをたくさん打てるのは、それ以上に打席がたくさんあるからだ。

これからも俺たちは中止や失敗をたくさん目にするはずだ。

それを俺たちが受け入れ、むしろ応援していくことができるなら、案外スルッと日本はいい国になるんじゃないかと思ったりする。

受験生「私は入試に失敗していない、中止(未受験)しただけだ」

JAXAの言ってることはこういうことだよね?

入試を受けて落ちたのではなく、そもそも入試を中止した、つまり受けてないから失敗ではないと。

そんなもん、通らないだろ

入試ってのは合格落選の2択なんだよ

それと同じでロケットちゃんと飛んだか飛んでないかの2択なんだよ

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