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2022-07-03

1999年紀伊國屋書店における漫画撤去問題

出典: フリー百科事典ウィキペディアWikipedia

1999年紀伊國屋書店における漫画撤去問題とは、1999年児童ポルノ販売禁止されたことをきっかけに、紀伊國屋書店で成年向けマンガポルノにとどまらず、ヌードや性描写を含んだ一般向けの漫画までもが一時撤去された出来事である。過剰な自主規制の一例と指摘される。

概要

1999年児童買春児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童保護等に関する法律(以下、児童ポルノ禁止法)が施行され、児童ポルノ販売禁止されたことにより、各書店では児童ポルノに該当するおそれがある書籍雑誌などが撤去された。そんな中、紀伊國屋書店が各店舗に対して、児童ポルノ禁止施行にともなう注意事項を通達した。その中に、児童ポルノ禁止法の規制対象外であった漫画アニメーションも注意が必要な物の中に含まれていた[1][2]。

その結果、BLを含めた成年向けマンガだけでなく、『バガボンド』や『ベルセルク』、『あずみ』などのポルノグラフィではない、未成年ヌード描写や性描写を含んだ一般向け漫画が、一時的紀伊國屋書店から撤去される事態になった[3][4][5]。他にも山本直樹や『センチメントの季節』を初めとした榎本ナリコの一連の作品なども撤去された[6]。

あずみ』は1997年文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞した作品であり、また『バガボンド』は2000年文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞を受賞、『ベルセルク』も2002年に第6回手塚治虫文化賞マンガ優秀賞を受賞している。これらはいずれも芸術的価値が高いと評価された作品であった。

この影響はマンガだけにとどまらず、『本上まなみ写真集』などの有名タレント出版物撤去対象になった。売り場には「児童ポルノ禁止法が施行されました。当店は法律を順守します」という内容の張り紙が出され、この一連の撤去の影響は大手出版社を始め、数十社にも及んだ[6]。

https://ja.wikipedia.org/wiki/1999%E5%B9%B4%E3%81%AE%E7%B4%80%E4%BC%8A%E5%9C%8B%E5%B1%8B%E6%9B%B8%E5%BA%97%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8B%E6%BC%AB%E7%94%BB%E6%92%A4%E5%8E%BB%E5%95%8F%E9%A1%8C

2021-12-03

昨日今日に読んだBL

 シーモア無料で読めるBLを物色したのだが、無料作品最近新刊が出た作品の1巻部分とか以外は、精神力をごっそり削がれるなぁ。ずらりと並ぶ表紙の裸率の高さたるや。無料なんだから仕方ないけれども、頭痛くなってしまい、面白そうなタイトルが探せない。

 ともあれ、読んだBLのことを書く。

オレとあたしと新世界(古宇田エン)

 シーモアで今月の9日まで、4話ぶん無料公開されている。

あらすじ

 日雇い労働者マコトは、ある夜、仕事仲間に連れられて入ったゲイバーでしのぶと出会う。しのぶが元彼が家に置いていった棚を解体する為の工具をマコトから借りたことがきっかけで二人の距離は縮まる。仲のいい友達のはずが、いつの間にかしのぶの部屋に入り浸っていたマコト。ほぼ恋人同士状態にも関わらず、マコトはしのぶの本名さえ教えて貰えないまま日々が過ぎていった。そんなある日、しのぶは職場ゲイバーの夏恒例の日帰り海遊びから帰ったら本名を教えるとマコト約束する。ところが海遊びの帰りのバスの中、マコトがしのぶの肩に持たれたまま寝入ってしまい、目を覚ますと……。

増田感想

 軽い気持ちで読み始めたら、ヤバい、猛烈どシリアス。わかりやすい超特大不幸急展開に突き落とされてしまったぁ! すごくベタなんだけど前フリほぼ0でこれはかなりきついな。1話目の陽気なゲイバーのイケイケなノリはなんだったのか。ずっと陽気な仲間でキャイキャイしながら支え合っていくのではなかったのか。

 時の経過とか時系列がかなり分かりづらくて、何度もページを行ったりきたりしてしまった。そこが分かりづらいからこそ突然のシリアスにまんまと衝撃を受けてしまったのだけれども、しかしそれにしても第一話半ば辺り、解りづらすぎね? という気もする。

 期間限定無料の4話のラストがあまりにも引きが強すぎて、思わず1巻を買いたくなってしまったのだが、某BLレビューサイト確認したところ、最近4巻が出たばかりでしかも未完。3巻から4巻が出るまでに三年以上の空白があったというので、続きを正座待機するのはかなり辛そう。完結するまで買うのは止めとこうかな。恋愛ものというよりも、とあるゲイカップル人生を描いた超大作なのかな。読むのに覚悟が要りすぎる。あと、読み応えはあるけど萌えはしなかった。



『飛行少年ズ』(野火ノビタ

(【追記】おもいっきタイトル誤変換していた!「非行少年ズ」ではなく「飛行少年ズ」が正しい)



 「野火ノビタ」は榎本ナリコ先生二次創作でのペンネーム。本作は『幽遊白書』(冨樫義博)の二次創作BL漫画で、カップリングは蔵馬✕飛影。

あらすじ

 百年後の未来。飛影が東京タワーの近辺をうろついていたところ、偶然蔵馬と再会する。妖力を喪いただの人間となった蔵馬は、人としての天寿を全うして一度死んだが、自分そっくりアンドロイドに憑依して復活し、日本に帰ってきたという。ちなみにタイトルsteel man No.28の意。つまり鉄人28号

  • 『好き好き大好き』

 黒龍に心の表層部を喰われてしま精神幼児化してしまった飛影が、蔵馬の背中にへばりついて離れなくなってしまった話。タイトル戸川純の曲から

 大人になった蔵馬が、飛影と自身との関係ピーター・パンとウエンディの関係になぞらえて語る話。

二次創作なので感想を書いても仕方ないような気もするが……。

 一話目は飛行して、2話目はぶっ飛んでいて、三話目もやっぱり飛行していた。さすが『飛行少年ズ』というタイトルなだけのことはある。久しぶりに読んだが、懐かしき平成同人誌のにおい! 楽曲引用、枠外で語られるどうでもいい設定、変な模様のスクリーントーン。懐かしい、ああ懐かしい!!

 『SM-28ラスト辺りの飛ぶシーン、鉄人28号というよりはサイボーグ009だった。002と009は飛ぶというよりは墜落したのだけれど。『好き好き大好き』は全力で飛ばしてるギャグから最後ストンと切なさ残すエンドなのがとてもいい。これ、こういうところが、野火ノビタ先生同人誌の好きなところ。『飛行少年』では、唐突にフック船長役で軀が登場したけれど、そんなことして、剃刀入の殺害予告とかビリビリに破られた本の返送とかに遭わなかったのだろうか。と、昔の過激派やおいちゃん(←腐女子という言葉が当時はなかったのだ)恐すぎ伝説を当時の同人界隈を知る人からいたことがあるので思った。ピーター・パンとウエンディ……原作はどうかなと思うが、二次創作での蔵馬と飛影の関係性って概ねそんな感じがする。

 榎本ナリコ先生の『センチメントの季節』が読みたくなっちゃったな。BLじゃないけど。


 私自身はリアタイ当時はBLをまだ知ったばかりだったという(むしろ幽白で知ったのだが。)のもあり、幽白BLにそこまで深い思い入れはない。だが、野火ノビタ先生の蔵飛はすごく印象に残ったので、大人になってから再録本を買った。今の私のBL読書傾向からすると、幽助✕蔵馬辺りにハマりそうな気がするが、さてどうかな。といって、幽白全巻読み返すのはちょっと億劫だ。いざ読めば面白くて徹夜読破しかねないほどだというのは、分かっているけれど。


『日々、君』2巻(小池定路

あらすじ

 劇団の手伝いやさとるの脚本を通して、演劇をしてみたいと思ったいつきは、そのまま入団新米役者として稽古に精を出すことになった。一方、さとるはというと、いつきが入団したことを嬉しく思いながらも、私情を挟んで依怙贔屓をしてしまうのではないかとおそれていた。また、自身のいつきへの感情性愛含みの恋愛だと気付き、自己嫌悪に陥ってしまう。

増田感想めっちゃネタバレする。)

 んまぁー!? 想像以上にちゃんとBがLしているではありませんこと!?

 ていうか、最後まで恋なのか何なのかわからないままもだもだし続けて終わるのかなと思っていたから、ちゃんと告るまで行ったことに驚いてしまった。その前に、いつきの豪快な脱ぎっぷりに動揺したさとるが、「そういう意味」での欲をいつきに対して持っていたことを自覚して悩む……ところまで行くとも思ってなかったし。ほのぼの系かと思ったら、案外シビアに掘り下げたな。1巻の冒頭辺りでまず、いつきのうなじの辺りが綺麗だと独白していた時点で、さとるがそういう欲を持っているのはモロ見えだったから、今更いつきの後頭部の刈り上げ部分を触りたい以上のことを言うとは思わなくて。いいけど……読んでるこっちもかなり動揺する展開w

「同性をそんな目で見るのは失礼では?」

「異性に対しても失礼じゃないの?」

 というさとると坂上の会話が印象的。自分気持ちを打ち消すのに、もはや同性だから言い訳にはならない。いい時代だけど奥手人見知りには退路がなくて大変かもなあ。

 それと、最強に萌えた&笑ったのは、パーカーonパーカーいつきくん。いつきのかわいい挙動の最たるものがこれ。かわいい

 この巻で早くも完結になってしまったけれども、もっとさとるといつきの日常を見てみたいなぁと思う。小池先生あとがきに描き足りないと書いておられたので、小池先生ツイ垢フォローしなくては! ちなみに、ずっと自キャラで遊んでいるタイプBL作家さんが私は好き。

 

2021-11-25

最近読んだBL

 今月は某BLレビューサイトマンスリーくじが当たらなかったので、若干乏しいBLライフ。『ボーイズラブアンソロジー Canna』の十周年本(分冊版)が欲しいんだけど、百円ほどお小遣いが足りない……。ラッキーなことに、欲しい分冊の中に私の推し作家朝田ねむい先生と座裏屋蘭丸とハジ先生と文善やよひ先生作品が収録されているのだ。すごい、なんてお得……! 丸ごと買ったら2700円以上、分冊だと700円強。推し作家さんがバラけていたら分冊買うのは損だったのでよかった。

 それにしても、BLお小遣いが月2000円なのと3000円(←運良くくじが当たって千円加算された場合)なのとでは、BL満足度がかなり違うな。

『寄越す犬、めくる夜』1巻(のばらあいこ




あらすじ

 主人公新谷は、高校生の妹の面倒を見つつ、ヤクザ経営しているカジノバーテンダーとして働いている。ある夜、新谷ディーラー菊池ウエイトレスと組んで客からの上がりをガメている現場を見てしまい、菊池に盗みをやめる様に注意する。菊池ウエイトレスの様子から、二人が誰かの指示で盗みをしていたことを悟る新谷。首謀者で菊池の先輩である竹田新谷は話をつけるが、竹田菊池を売り、盗みがカジノ店長須藤の知る所となる。報復として須藤要求してきたことは……。


増田感想

 まるで映画の冒頭の様に、状況説明必要最小限。BL作品にしてはちょっと解りづらいスタートに驚き。

 菊池馬鹿っぽさがとてもリアル社会の最底辺層を生きるチンピラの、無駄にイキリ散らしている感、その割には暴力に弱すぎるところ、根の純朴さ……というか、端的に言ってIQ常人3分の2くらいしか無いんだろうなという。そして新谷のお人好しさ加減も、慈愛や博愛というよりは、発達障害的な何かで自制心が低いだけなんだろうなという感じ。すごい、はっきり言って馬鹿しか出てこない。でも嫌いになれないし無視できない。そんな感じの類の馬鹿さ。愛のある描写とも言うかもしれない。

 同作者の別作品秋山くん』もそうだけど、日本社会底辺層の人々とその暮らしぶりを描くのが異様に上手い。なしてそんなに上手いのか。作者自身がけっこう修羅場を潜っている人なのか。それとも単に、裏社会を描いた映画ばかり観てるとか、『ウシジマくん』や『カイジ』をやたら読み込んでいるのか。ともかく、何でこの人こういうのを描くんだろう? と、作品の魅力もさることながら作者本人の来歴がつい気になってしまう。

 本作、前から存在は知っていたんだけど、タイトルが『寄越す犬、めくる夜』なのか『めくる夜、寄越す犬』なのか最近までわからず……。今頃になってやっと、『寄越す犬、めくる夜』だと知り、おぼえた。略称が『よこいぬ』だから『寄越す犬』が先。もうわすれない、たぶん。物凄く「痛い」(アイタタタという意味ではなく)BL漫画として有名だけど、本当に痛いな。救いがあるとは思えんストーリーキャラ設定。何話目かの表紙絵の須藤が異様に可愛いのだが、物語1話から読んでいってそんな可愛い須藤を見せられると逆に気味が悪いというか、グロテスクというか。救いの無さが一層際立つ。


 ところで、『寄越す犬、めくる夜』は少し前に完結していて、来月に最終巻が発売される。その関係で、今、シーモアで1巻が期間限定無料で読める。そんな訳で、今月はお小遣い関係で乏しいBLライフを送る私にも読めたのだった。ちなみに、何故か知らんけど修正が白スラッシュが入るのみ。普段BLKindle電子を買って読むだけなので、こんなに修正の薄いBLを読むのは私は初めてだったのだけど、こんな可愛い絵柄でちんちんだけリアルに描かんでも……という感想。まあ、秋山くんの脇毛で、作者が変なところでリアル志向なのは知ってたけれども。

作者の人となり気になりすぎ問題

 気になりすぎてググってみた。のばらあいこ先生はすごく漫画が上手なのに、商業BL作品がこの『寄越す犬、めくる夜』と『ぬるくなるまで待って』と『秋山くん』しかないっぽい。あとは女性向けで『にえるち』かな。興味深い作家さんなのに作家買いに手間取らなさそうなのは、良いのかなんなのか。

 『ONE PIECE』のサンゾロ描きの人気同人作家でもあるらしい。感想を読むぶんには、同人誌のほうもエロ&エモに定評のある作家さんなのかな。ぐーぐる検索結果にずらりと並んだ、サンゾロ本の感想たち……それがまさかの「読書メーター」に投稿されているので、何事かと思った。のばら先生サンゾロ本が東京漫画社から出版されている? この業界に私は全然詳しくないのだが、こういうのって原作著作権者版権元に許可取ってやってるものなのだろうか。許可取ってやってるものなんだよね? 出版社がやってる以上はガチ営利目的なんだし。なんかすごい。あ、でも思い出したが私、榎本ナリコ先生幽白エヴァ同人誌再録本(これは双葉社)なら持ってるわ。二次創作同人誌商業目的でも出版されているというのは、今更な話か。

きのう何食べた?』1巻&2巻(よしながふみ

 再読。


増田感想

 前々から思ってたけどシロさんの物言いが物凄くキツい。泣かされつつものほほんと付き合い続けるケンジの人徳がすごい。私はもしもあんなに口の悪いのが自分パートナーだったら、かなり嫌だな。2巻でシロさんの元彼鬼畜エピソードちょっと出て来るけど、鬼畜彼氏にはおおらかで暴言を吐かなかったらしいシロさん。惚れた弱みだろうか。好みのタイプではないケンジにはワガママが言えるって面白いけど、にんげんそんなもんかもなーって気がした。同作者の『1限めはやる気の民法』の主人公田宮もシロさん的なキツい性格キャラで、攻めの藤堂がマイペース鷹揚キャラだった。そういうのが作者の性癖カップリングなのだろうか。

 物語よりも料理が中心で、起こった事件解決しないでほっぽり出したまま料理シーン書いて食べるとこ書いて「おわり」ってなるのすごい。特に双極性障害っぽい女性が元夫に息子の親権を取られた上に息子との面会を拒否られる話なんか、そこで終わるのかー!? と驚愕した。現実円満解決なんかしなさそうな話だけどね。

2021-05-26

anond:20210525184319

結局のところ二次創作ジャンルとしてはもっぱら「恋愛小説」なので、例えば冒険とかアクションとかミステリーとかそういうのはあまり求められていないかもしれない。

たとえばONE PIECE冒険バトルもの)とかるろうに剣心時代劇剣戟アクション)とかの二次創作でも原作主題抜きに、読み手恋愛が読みたいのね。なぜなら原作では恋愛こそオマケでそれを詳細に描写する暇がないのだから

二次創作では、原作行間を埋めるお話が求められる。原作アナザーストーリーを展開するのは、原作同様、話のテンポをよくするためにキャラ日常人間関係描写犠牲にしなくてはならないので、読者のニーズは満たせない。

それに、物語を展開させると、どうしてもストーリー面白さの為に原作から逸脱させないといけなくなるのだが、そうするともうそれは二次創作とは言えなくなるじゃん? そういうのが上手い字書きもいるけど、小説漫画と違って絵で二次創作であることを示せないから、読者はなんか違うもの読まされてるって思ってしまう。

また、キャラぶれが生じ易いのも問題登場人物人間性は、たった一言、たったひとつ動作で大きく変化する可能性がある。オリジナル小説だったら、キャラぶれをするに任せて後のストーリー展開まで方針変換をすることもできるけど、二次創作でそんなことをすると「飛影はそんなこと言わない」という大事故を起こして顰蹙を買う

文章が長くなればなるほど、物語が進めば進むほど、キャラぶれは起こり易くなるもの。むしろキャラの変化を楽しむのが小説醍醐味ひとつであると思えば、二次創作小説長編小説を書くのはかなり難しいと思う。できなくはないけど、かなりの技量が要る。

という訳で、読んでもらいたいなら諦めて恋愛小説として二次創作を書くのがおすすめだね。物語を書くのが諦められないなら、思いきって一次創作転向して、なろうやカクヨムで書こうか。

だがしかし! 世はキャラ萌え時代というかなんというか、ストーリー面白さだけを追求してもなかなか読者は食いついてくれないので、それなりユニークで愛されるキャラ作りをしなきゃいけないのだが、文章だけで愛されキャラを描くというのはなかなか至難の技である……。

ここで唐突おすすめ本。

『美しい彼シリーズ』(凪良ゆう)

商業BL小説大人タイトルBL少女漫画から派生したジャンルだと、凪良先生AbemaTVの何かの番組で仰っていたのだけど、その言葉通りに恋愛漫画定番ネタを次々とくり出してくるのだが、それがどれも「そう来たか」とクスリと笑ってしまうような斬新な描写のされかた。糞ベタネタでも書きようによってはこんなに面白いし萌えるという見本。登場人物心理描写も秀逸でキャラが立ってるので、またこ主人公達に会いたいと思い再読してしまうのである

榎本ナリコ+野火ノビタ (2)』(榎本ナリコ

幽遊白書』(冨樫義博)の二次創作漫画漫画榎本ナリコプロになる前に野火ノビタ名義で書いていた同人誌の再録。ちなみに第1巻は『新世紀エヴァンゲリオン』の二次創作で、第3巻には幽白二次漫画オリジナルに焼き直した作品が収録されているはず。私の小説が確かならば。

そもそも原作幽遊白書』は、ストーリーの為に人間関係描写を惜しげもなく切り捨てつつ、確かにそこにはキャラ同士の確かなリレーションシップ存在するというのを端的に描写した点が秀逸。二次創作のし甲斐のあるコンテンツなのである

本書はそんな幽白二次創作であるのだが、漫画という表現方法の強みを存分に活かして無茶苦茶をやっている(誉め言葉)。

特に飛影の人物描写がかなり思いきっていて「飛影はそんなこと言わない」の連発なのだが、絵が飛影なんだから飛影だよな(絵柄もだいぶ独創的なので、ツンツン頭やあの服装で飛影だとやっとわかるくらい。)……と思いつつ読んでみれば、思わぬ所ですごく飛影みのある描写差し込んでくるので、驚嘆させられる。

メインカップリングの蔵馬×飛影が振り切っているのに対して、蔵馬と海藤の会話は原作に非常に忠実で、再現力がすごすぎてすごい。

収録されている『宇宙士官候補生』は蔵馬と飛影のその後ifを描いたSF作品なのだが、そこまでやる!? って感じのオリジナリティの高い漫画であるオリジナルでやれったって、主人公達が蔵馬と飛影じゃないと何だかからない話になっている。ベタ恋愛コメディ同人食傷した上級者向け。蔵飛ラブラブやおい漫画大隆盛という背景事情あってこその、切ない物語

小説では中々できない、ストーリー重視の二次創作作品の見本。

左近の桜(シリーズ)』(長野まゆみ

KADOKAWAから出版されているので「商業BL」の括りには入らないのだが、中身は実質主人公総受けBL

主人公は、男性カップル専用一見さんお断り連れ込み宿の長男坊、という萌える設定だったのに、なんと、シリーズ第二作目にして、早くもその美味しい設定はカットされてしまう! 江戸情緒の残る怪しい宿屋での情事はどこへ。以降はそんな設定などなかったかのように、作者独特の世界に読者は引摺り込まれていく。これはこれで面白いけど、なんか違う所来ちゃった感。面白いけど。

設定にホイホイされて寄ってきた読者達にど派手な裏切りかましてマイワールドに引きずり込むなどという暴挙が許されるのはプロ小説家だけ、という見本。

2021-02-21

高校生までに読んでおきたいマンガ100

1.田沼雄一郎 Seasons

2.鳴子ハナハル 少女マテリアル

3.榎本ナリコ センチメントの季節

4.山本直樹 ビリーバー

5.陽気婢 2×1

6.ホムンクルス はじらいブレイク

7.藤丸 ラブミーテンダー

8.月吉ヒロキ 少女たちの茶道ism

9.けろりん ピンクトラッシュ

10.べろせ べろまん

11.きい 群青ノイズ

12.ゴージャス宝田 キャノン先生トばしすぎ

13.ヘリを やみつきフェロモン

14.たかやki 恋糸記念日

15.師走の翁 円光おじさん

16.スミヤ Grand Hotel Life

17.大塚麗夏 みだらぶ

18.柴崎ジョージ とくべつな毎日

19.三巷文 こんなこと

20.ロケットモンキー Primal

21.こっぽり生ビール 宵はじめ

22.七保志天十 彼女のスキマは僕のカタチ

23.獲る猫 アノコトイイコト

24.ICHIGAIN セイシュアゲイン

25.きいろいたまご 思春期エロス

26.長月みそか あ・でい・いん・ざ・らいふ

27.雨がっぱ少女群 小指でかき混ぜて

28.関谷あさみ Your Dog

29.mogg 裸の学校

30.てりてりお な美らる

31.doumou 惚れときどきヌクもり

32.立花オミナ ボーイ・ミーツ・ハーレム

33.左カゲトラ そーじゅくダイアリー

34.愛上陸ジラ

35.荒井啓 群青群像

36.ビフィダス 情交の日々

37.牡丹もちと シコやかなるときもハメるとき

38.軽部ぐり ふしだらハニー

39.Hamao キャンディドロップ

40.いーむす・アキ いーむすまみれ

41.翁賀馬乃介 粘膜

42.らんち コイナカ

43.そうま竜也 もっちゃん

44.岡田コウ チュー学生日記

45.中年 年刊中年チャンプ

46.東山翔 Japanese Preteen Suite

47.花見沢Q太郎 痛快すずらん通り

48.如月群真Favorite

49.ヤマダユウヤ 溺れる白昼夢

50.ぢたま某 聖なる行水

51.胃之上奇嘉郎 BLACK MARKET +PLUS

52.石川シスケ あなとも

53.みちきんぐ 主従えくすたしー

54.赤月みゅうと 奴隷兎とアンソニー

55.高津 それは歴史にカかないで

56.三上キャノン いっちゃうカラダ

57.ポン貴花田 天使マシュマロ

58.法田恵 イナカナかれっじ

59.田中ユタカ 愛しのカナ

60.なぱた ひとりじめ

61.小梅けいと スクールラブ.ネット

62.馬鈴薯 かわいげ

63.鉢本 性欲群青

64.紙魚丸 Queen’s Game

65.南北 みんなのお嫁さん

66.えーすけ 初恋より気持ちいい

67.Kanbe 痴戯のナカ

68.ドバト 少女ギャングと青い夜

69.青木幹治 抱きしめなさい

70.Hisasi ポルノスイッチ

71.緑のルーペ ガーデン

72.川崎直孝 アとエのあい

73.ハードボイルドよしこ 秘め事セックス

74.Pennel 放課後冒険時間

75.ムサシマル キャラメルボックス

76.フクダーダ 相思相愛ノート

77.Cuvie 肌色レンアイ

78.のなかたま なまイキえっちじゃダメですか?

79.ひょころー かくしデレ

80.きさきさき 素でキスが出来んほど本気で好きです

81.Reco てんぷてーしょん

82.ユズハ はじめてえっち

83.荒田川にけい おひさまはまわる

84.rca ネイキッドスイーツ

85.ひげなむち みすでぃれくしょん

86.クジラックス ろりとぼくらの

87.駄菓子 純潔の終わる日々

88.皐月芋網 痴的性活

89.もじゃりん にゃんにゃんちゃう

90.月野定規 アフタースクール

91.鉄山かや 処女ホリック

92.ぴかお おともだちから

93.雛原えみ 夢現ロマンティック

94.平間ひろかず ゼッタイ交尾日記

95.六角八十助 とろとろにシてあげる

96.終焉 めすさかり

97.かるま龍狼 はだかな

98.黒木秀彦 33歳みだら妻

99.うさくん マコちゃん日記

100.火鳥 ひとりあそび

……ん?

2007-12-09

http://anond.hatelabo.jp/20071209171940

関係ないかもしれないが

女性は性に目覚めるあたりからセミなどをはじめとする昆虫が駄目になる、さわれなくなる、というエピソードが榎本ナリコセンチメントの季節」にある。直接的表現ではないが「セミ爆弾」として羽海野チカハチミツとクローバー」の中にもある。年齢を重ねるとともに、という点ではあずまきよひこよつばと!」でもさりげなく表現されている。「昔は平気だったのに…」というあたりがポイントになるという点ではふれあい量説や経験量説を覆す材料となっていると思われ、非常に興味深いのだが、どうだろうか?

2007-06-19

榎本ナリコの『スカート』を再読した。

色々思い出した。

 
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