はてなキーワード: 文学少女とは
静的な魅力って文学少女とかそういう…?
好きなライトノベルを投票しよう!! - 2015年上期 作品別投票結果一覧より。
既に評価を確立している人気の戦記ファンタジーだが、第一部の完結とその終わり方が高く評価された。
http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-886559-3/
『生徒会の一存』シリーズで知られる著者の新作。ゲームガチ勢とエンジョイ勢の対比とともに誤解が誤解を生む賑やかなラブコメが描かれる。
http://www.fujimishobo.co.jp/sp/201503gamers/
元軍人とその相棒が営むパン屋が、戦争で傷ついた街で奮闘する姿を描く、ハートフルなファンタジー。
http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/series/135/index.html
22世紀の深海を舞台に、予想もつかない展開で読者を魅了するモンスター・パニック・スリラー。
http://bc.mediafactory.jp/bunkoj/solaris/
奇才・比嘉智康が描く、テンポの良さとテンションの高さが魅力の多角関係ラブコメ。
http://bc.mediafactory.jp/bunkoj/tama_run/
『文学少女』シリーズの野村美月が贈る、ラノベ新人賞の下読みを務める主人公とラノベ作家を目指すヒロインの青春ストーリー。
毒物に詳しいヒロインが後宮で起こるさまざまな事件を解き明かす中華風ミステリ。「小説家になろう」で人気だった作品の書籍化。
http://ncode.syosetu.com/n9636x/
危機に瀕した人類の救世主としてアニメの中からヒーローがやってくるロボットアクション。熱い展開とスタイリッシュな演出が人気。
今年の電撃小説大賞《大賞》受賞作品。全ての陸地が海に沈んだ世界で、メッセンジャーとして逞しく生きる少女の物語。
http://dengekitaisho.jp/special/21/works/pallasathena/index.html
幼馴染のヒーローを救うために、悪の組織の残党を率いて戦いを挑む主人公のダークヒーロー・アクション。
http://sol-comics.shogakukan.co.jp/solc_dtl?isbn=9784094515398
謎の敵によって人間が滅び、それ以外の種族が空に浮かぶ島へと逃げた世界と、それを守る少女たちの戦いを描いたファンタジー
http://sneakerbunko.jp/series/shumatsu/
「最近のラノベの文章www」として注目を浴びる天才・野崎まどの、意欲的な試みがふんだんに盛り込まれた短篇集。
http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-891099-6/
アニメ化で話題をさらった「ダンまち」がランクイン。人気のある作品には投票を避ける臍曲がりなラノベ読みたちからも支持を集めた。
中卒19歳。父親が性犯罪おこしたせいで、一家離散して、日雇いバイトとかしてるのが主人公。
専門学校行ってる人間できた奴と友達になったけど、リア充生活の友達と主人公とは溝ができる。
で、主人公が劣等感からなのか、本音なのか、リア充の彼女を性的に煽ったり。
昔やったブスが風俗店で出てきて、そいつの今の彼氏の前でブスだのマンコ臭いだの煽ったり。
職場でも殴られて殴り返したり。
家を追い出されていくところなくなって。最後ケンカ後放置されて、裸で海へ。って感じなんだけど。
かなり面白かった。
こういうクズが普通の感覚だし、同じ環境で産まれたら同じ感じのことしてんなーと思った。
このクズと一般で言われるものが、普通の感覚だと思うし、普通の感覚してたらクズ扱いされるってのはどうかと思う。
でも、こういう感じだと社会が成立しないから社会のルールは必要で。だけど、社会のルールがしかれると、クズになった人は一生抜け出せないなと思った。
P.A.WORKSが製作したアニメの『グラスリップ』見ましたよ。中々でした。
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※以下ネタバラシ有
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売上が良くないと言われたら「そうだね」としか言えません。
『グラスリップ』には「あざとい」もそこまでありません。
もっと金を巻き上げてよかったのでしょう。次の『SHIROBAKO』が人気だから、まあ、ほら。
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内容に関しては「おや突拍子もないね」というシーンはありましたが言われている程は、
気になりませんでしたね。口下手な脚本さんなのでしょう。いいじゃありませんか。
だけど頻繁に家を訪ねるの、あれは気になりましたね。ジャスコ行きなよ、田舎学生なんだから。
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ともかく舞台がP.A.WORKSらしいというか『true tears』っぽかったです。
主題歌、学園、ニワトリ、ちびキャラの走るエンディング、三角関係、とかとか。
その一方で止め絵とかアイコンとか、新しい要素もあって感心しましたね。
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デフォルメアイコンを出してコミカルにやるのは慣れましたね、悪くなかったかも。
止め絵は基本的には「ここで止め絵かいな」とよく思いましたけど、
個人的には「いいな」ってシーンも一回二回ありました。難しいでしょうねアレ。
止め絵で映像は停止しているのに音声とか時間は自然に流れていくので、
真面目なシーンで止め絵が入ると「今どうなってるの! 早く!」って気になって、
止め絵が好きになっちゃう人もいるでしょうね、私みたいに。でも、不評でしょうね。うん。
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あ、あとダビデくんの分身心の声。アレ、実写だとそこまで違和感ないでしょうし、
気にならなかったのですけど、ネットだと面白おかしく取り上げられてますね。
人間生きてれば分身ぐらいすることもあるでしょう、さもありなん。
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やっぱりアングルはやや斬新でしたけど、そこまで感心するところはありませんでした。
改善を要求する。評価としては三角でしょうが挑戦したその心意気や良しという感じですね。
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③恋愛要素
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ダビデくんの父親が半分専業主夫みたいだったり(建築家らしい)、幸(薄幸目鏡文学少女)が新しい恋愛したり、
「私は女だけど透子ちゃんも祐くんも恋愛的に好き」って、二人を呼び出してさらっと殴った割に
「(透子にはダビデがいるし?)(祐と二股になるし?)透子ちゃんとはこれからも友達として」って、凄いですよね。
幸(薄幸)ちゃん新しい、素晴らしい。
ともかく世間を先取りした恋愛を提示するのは名作の役目ですね。『グラスリップ』が名作かどうかは、まあ。
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恋愛全体に関しては、感情移入はしませんでしたが逆に悪くないような気もしました。
一話でニワトリをどうするか突然悩んで「相手の意見なんて自分はこれまで聞いてこなかったんだ」という、
当然の事実に主人公の透子は気づいて、そこから周りに目を向けていったら無神経な透子は裏目裏目で悪くなっていく、という。
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改めて周りを見れば、透子を含めて相手と上手くコミュニケーションできない人間ばかりで、
不和も生まれるのだけど「そういう無神経なところ(不器用さ)が好き」という結論が採用されていく。
そういった「相手を許していく」作風なので、ネット的・自己責任論的・他罰的視点で見ると面白くないでしょうね。
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キャラクターを見る際に例えば「透子を取られてしまうのではないか」という問題が作中ありますが、二通りに分けましょう。
ダビデの突然の登場に戸惑って喧嘩する雪哉に対して、やなぎはダビデと直に話す(怒る)ことで場を収める直接性を示す。
透子とダビデの仲を静かに壊そうと企んだ幸に対して、祐は静かに怒って山に登るというまるで口下手な間接性を示す。
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こう「関係を壊す」際には直接性と間接性と分かれるのですけど「関係を築く」際には統一性があるかもしれませんね。
やなぎは独白のように一方的に雪哉に告白したり、雪哉は電話をかけて「お前と話すと落ち着く」と言ったり直接的で、
幸と祐とも一応告白という形を取ったり唐突に親にボーイフレンドだと紹介したり大胆で直接的に関係を築くと。
仲直りの際には、やなぎと幸は口下手なメールを相手に送って、相手がそれに応えるという静かな感じで。
仲直りは静かで、告白は激しくて、分かりやすくていいですね。古典的で。確かにもう少し斬新でも良かったかもしれない。
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透子とダビデはいつも全力という感じで「コミュニケーション滅茶苦茶下手」って感じですね。言うまでもない。
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ダビデの親夫婦の仲睦まじい感じや、透子の親夫婦のデコボコだけれど仲の良い感じ、
なんだか悪くなかったですね。イチャイチャとしていて、平和で、健やかで、落ち着いていて。
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ガラス工房の娘の透子が未来を、ガラス等がきっかけとなって「見える」と言うのと、
ピアニストの母を持つダビデが未来が「聞こえる」というのは似た者同士というか、恵まれているというか。
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こう似ている割に、誰からも好かれる透子と、侵入者として扱われて✝唐突で当たり前の孤独✝を抱えたダビデという、
無神経でコミュニケーション下手同士の癖に、まるで察せない透子と相手を知ってもまるでなってないダビデという、
なんとも対照的というかなんというか、という感じでしたね。なんというか、かんというか。
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⑥青春;動揺と、そのあっけなさ
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『グラスリップ』のネット上の感想をざっと見ると「展開動いて」という意見が、ちらほら。
例えば物語序盤に「未来のカケラ」という未来を見聞きする能力のせいで透子とダビデは知り合うのですが、
実際に透子とダビデが見聞きしていたのは未来でもなんでもなかったという、あっけない結論に落ち着きます。
この「未来のカケラ」は恐らく夢のようなもので、まぐれで「正夢」を見聞きしただけで結局は現実でもなんでもないと。
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序盤に「未来のカケラ」として見えた、線路を歩く「スタンド・バイ・ミーごっこ」も起きなかったし、
ダビデが墜落していくこともなかった上に、幸が入院するのもまるで大したことないと。なんともないと。
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なんじゃそりゃ。
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ただ、そういったハリボテの幻覚に透子は悩まされていきますしハリボテの「未来のカケラ」のおかげで、
最後ダビデの気持ちが分かったようになった、と。なんだかハリボテに悩まされもしたけど、悪くなかったと。
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透子は母親から「青春時代に未来を見てると勘違いしてたけど、なんでもなかった」と言われ、
母が同じく昔「未来のカケラ」を見ていたことを知りますが更に、これより以前に透子は母親から、
本当に未来のことが分かったとしても「一粒で二度おいしい」だけで、別になんてことはないと諭されています。
混乱しても全然なんてことはない、と。『グラスリップ』はあっけない感じに持って行くのですよね。
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劇中あっけないシーンは割と多くて、例えば「てへぺろ」を連発するおちゃらけた祐の姉が、
珍しく泣いて病室から出てくると思ったら、どうやら病室にいるのは彼氏らしいと。一大事じゃないですか。
だけど時が経つと無事に退院してコーヒーを飲みに来ると。なんてことはなかったと。そうなの? 嫌いじゃないけど。
#
新しい恋愛体系とか「そういう無神経なところが好き」とか、なんだか『グラスリップ』ってとても、
許容的で包容力あるなって思うのですよね。「おちこんだりもしたけれど、私はげんきです。」って感じで。
あっけなくて拍子抜けでコケオドシだけれど『グラスリップ』は積極的に許していくスタンスで評価に値します。
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⑦雑な総括
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基本的に映像も美しいですし、終盤の空とかガラスとか月とか綺麗ですよね。
私は『グラスリップ』、とても綺麗な作品だなと思いましたね。別にそんな悪くなかったです。
「ヘイトスピーチ」とか「過激派組織IS」とか排外的な問題が取り巻く今に、
なるほどな、たしかにそういうことはあるだろうと思った。
でもじゃあ、実際に読んであまり評価をしてない場合はどうなんだろう。
ラノベオタクはどんな人でもラノベをしっかり読みさえすればラノベを馬鹿にしたりはしないはずだなんて思ってるのかな。
ラノベは大衆文学の一種、それこそ直木賞とかの一般エンタメ小説と同じものだと思ってるから。
でもぼくはその一般エンタメ小説はくだらない、幼稚だ、時間の無駄と思って積極的には読んでないので(大ヒット作はいま世の中ではどんなもんがはやってるのかなっていう興味で読むけど)、そういう意味でラノベもくだらないと思ってあまり読んでない。
だからといって読まずに評価をくだすのはさすがによくないと思って、とりあえずすこしは読んでみた。
読んだなかでいまぱっと思いついたのだけ列挙してみると、
『涼宮ハルヒの憂鬱』
『狼と香辛料』
『サクラダリセット』
『文学少女』
『AURA』
『神様のメモ帳』
『楽聖少女』
『シュガーダーク』
『巡幸の半女神』
『生徒会の一存』
『聖剣の刀鍛冶』
『十二国記』
こんな感じ。
このなかで面白かったのは『シュガーアップル・フェアリーテイル』くらいかな。あと、荻原規子さんの『RDG』がアニメ化にともなって岸田メル絵でスニーカー文庫から出たけど、あれはよかった。やっぱり文章がうまい。
最高クラスが秋山瑞人とかなら、ラノベのレベルってのもわかっちゃうな。
でも不思議なことに、ラノベではないと思うけど『ビブリア古書堂の事件手帖』は文章うまかったんだよね。ラノベ作家ってわざと下手に書いてるのかもねとちょっと思った。
あと、ついでだから言っておくと、『巡幸の半女神』の2巻打ち切りでああこの業界終わってるなと思った。伏線ばらまいて打ち切りやがったのでもう許しません。ふざけてるんですか!
ぼくは普段は海外文学しか読まないから、大好きなフォークナーとかと比べると、この辺の小説、すべてゴミだと感じた。ちゃんと読解すればフォークナー並みの小説なんだという意見があるなら、ぜひ聞いてみたいところだけど。
ラノベってそんなにすごいんだろうか。
読んだ上で言うけど、ぼくはラノベはとくにすごいとは思わなかったな。
で、10代のオタク系男子向けの娯楽小説だとしたら、大人から「こんなもの……」って馬鹿にされちゃうのもある程度仕方ないのでは。
それってあきらめるしかないのでは。
ラノベオタクのきみらだって、ぼくがアイカツとかたまごっち見てるって言ったら、「アイカツおじさんwwwww」とか言って馬鹿にするだろ?わかってるんだよ!
ラノベ批判するとすぐに「差別主義者だ!」とか言ってくる人がいて、ほんとに困っちゃうね。
そういう人と対話って可能なのかな?
無理だよね。
向こうはもう完全に切れちゃってるし。
というわけで、この話題はもうやめよう。
最後にぼくが言いたいのは、ラノベオタクは「大人でも読める!」「大人でも読むべき!」「傑作!」「文学!」とか煽ってラノベを紹介しないでほしいってこと。何度だまされたことか!ただの娯楽小説だよ!
『“文学少女”』シリーズは、本が大好きすぎて食べてしまうと自称する遠子先輩が、身の周りで起こった事件に文学的な妄想で挑んでいくミステリ作品である。彼女は事件を解決するにあたって、当然のように文学作品を引用する。何故なら、彼女の周囲で発生する事件は、常に文学作品をなぞらえたものだからである。真相を自供する黒幕は、文学作品の登場人物に同一化した自分の心情を滔々と語る。もちろん、その現場には文学的知識に欠けた間抜け野郎は一人もいない。
それらを読んで私は思ったものだ。
何やこの世界、と。
読書は数ある趣味の中でも至高のものであり、そうでない人間は野蛮だという雰囲気に。
本が好きだと嘯きながら、その読み方や語り口は色恋沙汰に目がないゴシップ好きの中年女性と大差ない俗物の文学少女に。
感想を他者とは共有しづらい「味覚」を媒介に垂れ流し、萌え豚よりも動物的に本を消費する文学少女の姿に。
それらの中に、本読みの無自覚な自己肯定と高慢さが透け見えるようで、反吐が出そうだった。
『“文学少女”』シリーズはかように本好きの自己肯定の願望を充足させるために特化された作品シリーズである。シリーズを通して、読書は無条件で肯定され称揚されるものという思想が通底しており、それが現在進行形で本を読む者の自己愛を満たしてやまない構造となっている。
また、私は野村美月の書く恋愛描写も嫌いである。彼女の作品には、「押しの強い男が受動的な女を連れだし幸せにしてくれる」という形式が、手を変え品を変え現れている。デビュー作である『赤城山卓球場に歌声は響く』から始まる『卓球場』シリーズでは主人公の女子大生視点から、友情や友人婚約者へのドキドキ感を描いている。続く『フォーマイダーリン!』では男を振り向かせるために自分を磨いて待つ少女が描かれている。野球では女教師が不良生徒に迫られ、『BadDaddy』シリーズでは男くささとは無縁の父親が、父性と庇護欲を全開でヒロインたる娘を愛してかかる。『“文学少女”』シリーズでは群像劇の色合いを強くし、そこらじゅうでメンヘラモドキが男に救われるのを待っている。
初期作品群ではシンプルな形で流れていた、強い男を待つという構造が、筆力の向上と合わさってより巧妙かつ露骨な形で物語のメインの骨組みとして現れるようになるため、順を追って読んでいくと徐々に苛立ちが強くなっていく。ミステリなりハーレムものなりに変奏してるものの、そこに繰り返し描かれているのはド直球のシンデレラ願望である。源氏物語をベースにした『ヒカル』シリーズでは、さらに一人の男性キャラクターを魅力的な女性キャラクターが取り巻くハーレムものの構造が重ねることで、その訴求力をさらに高いものにしている。
本を読んでいるだけで褒められる子供時代はとうに過ぎ、世間は本を読む人間には意外と素っ気ない。
待てど暮らせど王子様は迎えに来ない【ルビ:Some day my prince won't come】。
我々は自己肯定を切り崩し、現実を生きながら、せめて虚構に夢を見る。
野村美月は、そんな世界に生きる我々が抱く「こうだったらいいな」に巧みにアプローチし得る作家である。彼女の選び出す場面は陳腐でありながらセンシティブで、多くの人の心を捕えて離さない。私は彼女の作品を読む間、間違いなく赤城山で友の手を取り、帚木の咲く地で亡き思い人を見た。作中人物の情動は素朴でありながら率直であり、揺さぶられてしまう。ぱっとしない女の子への感情移入をフックにひっかけられ、気が付いたら魔法にかけられている。好きでもない白球を追って胸を高鳴らせている。
こんなにも嫌いなのに、こんなにも満たされたくないのに、彼女の作品は私を捕えて離さない。
『“文学少女”』シリーズは、本が大好きすぎて食べてしまうと自称する遠子先輩が、身の周りで起こった事件に文学的な妄想で挑んでいくミステリ作品である。彼女は事件を解決するにあたって、当然のように文学作品を引用する。何故なら、彼女の周囲で発生する事件は、常に文学作品をなぞらえたものだからである。真相を自供する黒幕は、文学作品の登場人物に同一化した自分の心情を滔々と語る。もちろん、その現場には文学的知識に欠けた間抜け野郎は一人もいない。
それらを読んで私は思ったものだ。
何やこの世界、と。
読書は数ある趣味の中でも至高のものであり、そうでない人間は野蛮だという雰囲気に。
本が好きだと嘯きながら、その読み方や語り口は色恋沙汰に目がないゴシップ好きの中年女性と大差ない俗物の文学少女に。
感想を他者とは共有しづらい「味覚」を媒介に垂れ流し、萌え豚よりも動物的に本を消費する文学少女の姿に。
それらの中に、本読みの無自覚な自己肯定と高慢さが透け見えるようで、反吐が出そうだった。
『“文学少女”』シリーズはかように本好きの自己肯定の願望を充足させるために特化された作品シリーズである。シリーズを通して、読書は無条件で肯定され称揚されるものという思想が通底しており、それが現在進行形で本を読む者の自己愛を満たしてやまない構造となっている。
また、私は野村美月の書く恋愛描写も嫌いである。彼女の作品には、「押しの強い男が受動的な女を連れだし幸せにしてくれる」という形式が、手を変え品を変え現れている。デビュー作である『赤城山卓球場に歌声は響く』から始まる『卓球場』シリーズでは主人公の女子大生視点から、友情や友人婚約者へのドキドキ感を描いている。続く『フォーマイダーリン!』では男を振り向かせるために自分を磨いて待つ少女が描かれている。野球では女教師が不良生徒に迫られ、『BadDaddy』シリーズでは男くささとは無縁の父親が、父性と庇護欲を全開でヒロインたる娘を愛してかかる。『“文学少女”』シリーズでは群像劇の色合いを強くし、そこらじゅうでメンヘラモドキが男に救われるのを待っている。
初期作品群ではシンプルな形で流れていた、強い男を待つという構造が、筆力の向上と合わさってより巧妙かつ露骨な形で物語のメインの骨組みとして現れるようになるため、順を追って読んでいくと徐々に苛立ちが強くなっていく。ミステリなりハーレムものなりに変奏してるものの、そこに繰り返し描かれているのはド直球のシンデレラ願望である。源氏物語をベースにした『ヒカル』シリーズでは、さらに一人の男性キャラクターを魅力的な女性キャラクターが取り巻くハーレムものの構造が重ねることで、その訴求力をさらに高いものにしている。
本を読んでいるだけで褒められる子供時代はとうに過ぎ、世間は本を読む人間には意外と素っ気ない。
待てど暮らせど王子様は迎えに来ない【ルビ:Some day my prince won't come】。
我々は自己肯定を切り崩し、現実を生きながら、せめて虚構に夢を見る。
野村美月は、そんな世界に生きる我々が抱く「こうだったらいいな」に巧みにアプローチし得る作家である。彼女の選び出す場面は陳腐でありながらセンシティブで、多くの人の心を捕えて離さない。私は彼女の作品を読む間、間違いなく赤城山で友の手を取り、帚木の咲く地で亡き思い人を見た。作中人物の情動は素朴でありながら率直であり、揺さぶられてしまう。ぱっとしない女の子への感情移入をフックにひっかけられ、気が付いたら魔法にかけられている。好きでもない白球を追って胸を高鳴らせている。
こんなにも嫌いなのに、こんなにも満たされたくないのに、彼女の作品は私を捕えて離さない。
以下、チラ裏。
結局は金。例えば桜庭一樹の「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」。富士見ミステリー文庫版では500円。3年後に再版されたハードカバー版では1400円。さらにラノベはイラストレータと印税が折半になるので1冊当り25円の印税。ハードカバーなら10%で140円の印税。ライトノベルレーベルから出た文庫だと、6冊売れてようやくハードカバー1冊分の印税になる。
「中高生が対象なんだから単価の低い文庫で出すのは当たり前」って言う人もいるだろうけど、でもラノベ界で一番売れている(という言われている)西尾維新の主戦場は、単価がやや高い講談社ノベルスやハードカバー並みの単価の講談社BOX。これを考えると、文庫が主戦場だったのに長者番付の常連だった神坂一て、ものすごい売れてたんだなって思う。「文学少女」の野村美月ですら未だにバイトしているっていうし。
さらに一般文芸作家には文学賞がある。直木賞・吉川英治文学新人賞・山本周五郎賞・推理作家協会賞、あと純文学では三島由紀夫賞(芥川賞はラノベ作家には本当に関係に無い文学賞なので除外)。これらは賞金が出る上に、受賞すると普段本を買わないような人まで買ってくれる効果がある。ラノベもアニメ化すれば同じような効果があるだろうけど、深夜アニメと直木賞、どっちが効果があるかは自明だろう。
さらにこれらの文学賞を受賞すると、地方から講演の仕事が舞い込む。これが1時間ぐらい話すだけで100万円ぐらいもらえるというからバカに出来ない。また、ある程度キャリアを積めば新人賞や各文学賞の選考委員になれて、それも収入源となる。純文学系の老作家の主な収入源はそれ(メッタ斬りコンビや福田和也が批判している、大作家の福利厚生)。残念ながらラノベには、まだそこまでのシステムはない。
角川スニーカー文庫が創刊してもう20年以上経つけど、創刊からずっと書き続けている作家ってどのぐらいいいる?50代で現役のラノベ作家は?しいて言えば、田中芳樹が現役といえなくもないけど、彼は遅筆というよりも才能が枯渇しているせいでまともに小説を完結できなくなっているように見える。
資料をあたる能力と知識が必要なファンタジーやSFならば、ある程度年をとってもかけるだろうけど、今日日流行の学園モノって40過ぎたおっさんおばさんが、主要な読者層である10代の若者が納得するように書けるんだろうか。ここ数年で一般文芸に転向した作家たちは、皆1970年代生まれ、いよいよ「若い感性」というライトノベルにとって必要なものが喪失し始め、小説的技術を身につけた作家が転向しているんだと思う。そういえば、2年以上発売延期している谷川流も70年代生まれだった。多分彼もラノベ界を去るつもりなんだろう。
以上、思いつく限り。
中学生のころの教室の様子。40名程度の生徒のなかにはいろいろな派閥やグループがあり、その中にアニメ・漫画好きな男女数名のグループがあった。典型的な「オタク」グループだったといってよいだろうと思う。
しかしその面子は様々だった。典型的な内向的文学少女、子供っぽさが目立つ者、ほとんど誰とも喋らない者がいる一方で、今や司法の場で活躍中のあらゆる点で秀才だった女子も含まれており、外国映画と文学を愛し、少女漫画を巧みに描く彼女はその中で一目おかれているようにみえた。グループの外部へと気軽に越境できる者もいれば、そこに閉じ込もるしか術のない者もいた。しかし客観的にはやはり彼ら/彼女らはひとつの具体的なグループであった。グループとそれ以外の者の関係を客観的に見た場合、そこにはグループへの蔑視感情があったように思うが、5・6名ほどだった彼らはそうした状況に文字通り背を向け、楽しげに過ごしているように見えた。
その蔑視感情について、彼らがバラバラにそうした状況にさらされていたらどうだったろうかとふと考える。私が身近で発生した事件によって知ったことは、最悪の場合は自他へ暴発する暴力によってその解決、文字通りに復元不能な解決が図られることもあるということだった。同じクラスで生じた事件だったが、事件を起こした者は非常に厳しい孤独を生きることを強いられており、オタクとすら呼ばれてなかった。オタクグループはジョックとナードでいえば完全に後者ではあったが、いじめの対象になっていた男子や、持病によって虫ケラにように嫌われている女子生徒はそこにすら属しておらず、属すグループというものがなかった。
また、コロンバイン高校を知っている私は、仮にオタクグループがもっと小さなものだったとしたら、彼らの感情のエコノミーが正気の範囲で機能していたかどうかは分からないとも思うようになっている。そして彼ら/彼女らの精神的な指導者であったあの才女がいなかったらどうだったろうか、とも。
今から思えば、オタクへの嘲笑と典型的イジメは相似をなすある種のヒエラルキーとして機能していたのかも知れない。暴力的激発もなく淡々と結束していたオタクグループは、「集まり、交流する」というさりげない方策によって自身とクラス全体の平穏を延命させていた。つまり必ずしも性向の一致しないオタク達がグループとして存在するという様態はクラス全体が選択した護身のための解であったのかも知れない、と思う。そして本当の暴力はさらに死角においやられていたのだと。
今付き合ってる彼女、すごく好きだし、セックスの相性がすごくいいし、
頭の回転も早いし、話しも合うし、まさに理想的なんだけど、
彼女自身はDQN臭はまったく感じない、上場企業で派遣の事務やってて、
趣味もどっちかって言うと俺に近い若干オタク趣味の文学少女的な感じだからこそ、
知りあって好きになったんだが。
仲良くなってから詳しく家族の話しを聞くと、父親は半分ヤクザっぽい土建屋で
超怖いらしいし、兄貴が昔はヤンキーで今は鳶職してて、喧嘩早くて困るだとか。
その辺、俺が一番苦手な種族なんだけど……。
ていうか、ぶっちゃけ怖いです。
お互いに四捨五入して30歳なので、いわゆる適齢期。
あのねセンターまでの日付が今日もマイナス1! 聞いて聞いてねぇ超びっくりじゃない?(笑)
受験生な自分乙www なんて言ってみる。本当に自分馬鹿すぎる。なにしてるんだろう。コタツで寝てしまいそうな気がする。寒い。夏の終わりから出しっぱなしのノースリーブで鳥肌立ててるのに寒くない不思議。読み返したら寒いって書いてる。バカスwww
気づいた時には多分バカスが死語になっててっていうか流行追いたいわけじゃないしこの手の言葉はあんまり好きじゃない文学少女なんですよ、ねえ。ああもう。会ったことない女の子に好きって言われた。言われてうーん私も好きかなーうーんって思いつつも早く返信しないと不安にさせちゃうって返信したらピー 私も不安になるよ! なんかクラスメートは覇気がなかったり五月蠅かったりもう!
人みんな嫌いそうになる。私が好きになれるのは美点でなく欠点なのかもしれないなと、電車の中で、趣味が悪くて背が低い男の人の短い脚と安そうな靴を見ながら思った。中島みゆきのI love you, 答えてくれ を聴いてた。I love you! 今日はいい天気でした。月は綺麗ですか? 空がねー綺麗だったよー 青かった、東京の空も綺麗だ。大阪の大学に行きたいかもしれない。人間人間人間ああロミオ and YOU! なんで人間なの? こたえーてくーれよ いい曲だよ、中島みゆきの曲はどれも。
カラオケは嫌いだー 増田は好きだー なんか見苦しくってごめんなさい、なんで、匿名日記なのに増田はこの、なんていうんだろう、清潔さ?を保っているんだろう。汚い部分も生ゴミというよりは埃みたいで、どんな人が使っているんだろうと思う。朝はブルーハーツを聴いていたよ。大人キタナイみたいな思想ファッキュー アイラビュー 食べたくもないスナック菓子をわざわざ買って食べて時間ばかり浪費してる。カロリーを消費したい。時間さえあればと思う私は時間があってもなにもしないんだろうな。
論壇外にいはする物のラノベのレビュー書いてるサイトだから外様って表現なんじゃね?
あとどう見ても勘違いなのが
半年間に発売されたラノベに対してその半年が終わった直後に選考を行うというシステム自体がかなりダメダメだと思うよ。
発売直後の作品に次々飛びつく客層ってのは、結構特殊な客層だと思うから。
http://d.hatena.ne.jp/FXMC/20090202
この一文。元々ラノベサイト杯ってのは恒常的にレビューを書いてるblog持ちの評価を公表し
持ってないがblog所持者と同等またはそれの予備軍に参考にしてもらうってランキングなんだから。
それをその特殊層の前提を否定してるんだからもう話しにならない。
本好きなら人に聞く前に、自分でいろいろ読んでみればいいのにと思う女ラノベ読み。
女性向けラノベなら、コバルトとCノベルスが豊富なのでチェックしてみたらどうだろう。
増田に多分ヒットするのが
・多崎礼の全冊
・デルフィニア戦記(→スカーレットウィザード→クラッシュ・ブレイズ)
他、非萌なら
・マルタ・サギーは探偵ですか? (野梨原花南)←すごく女性向けラノベ。自分は好き
・図書館戦争(有村浩) 「海の底」→「くじらの彼」からでもいいかも
・BACCANO! -バッカーノ(成田良悟)
・文学少女シリーズ(野村美月) ←主人公がちょっとうじうじしてるので微妙?
・されど罪人は竜と踊る(浅井ラボ) ←グロ注意報だがおもしろい。女性読者率高い
・プリンセス・ダイアリー(メグ・キャボット) ←児童文学寄り
微妙かもしれないあたり
・ROOM NO.1301(新井輝)←エロと見せかけた青春もの
・とある魔術の禁書目録(鎌池和馬)←超能力バトルもの 一方通行か主人公かに燃えられる
・伝説の勇者の伝説(鏡貴也) ←読んだことないがロードスっぽい
例に挙がってた川上稔は全部読んでるが、増田には合わないと思う。あれは結局キャラ萌、世界萌だから。
あと、意外に合いそうかもしれないのがドラゴンブック。
フォーチュンクエスト読んでれば問題ないと思われる。
・新ソード・ワールドRPGリプレイ集(秋田みやび)
これ以外は無理そうだけど。お好きなのドーゾ
01 賀東招二「フルメタル・パニック!」
05 桜庭一樹「GOSICK」/「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」
08 新井輝「ROOM No.1301 おとなりさんはアーティスティック!?」
盛り上がりと読みやすさを主眼においてチョイス。十二国記は長いし、爽快感という点では微妙なので除外。
キャラ萌え系は普通の本読みの人にはおもしろくないと思うので外してみた。
今回聞かれた相手は、07と次点、09は読了。ということで、今回は05と06、番外の「悪魔のミカタ」をお勧めしてみた。ちなみに、「ROOM No.1301」は隠れた名作。「砂糖菓子」はラノベ最高峰だと思っているので追加。
http://anond.hatelabo.jp/20080226210253
Bさんと久しぶりに2人で出かけることにした。
1度目は学生時代、2度目はお葬式、3度目はある町の寺社仏閣めぐり、
今回はお墓参りである。
集合場所である駅から電車に乗った。
各停しか停まらない小さな駅から歩いて15分ほどの所にお寺がある。
いつも饒舌に喋っている僕はほとんど喋れない。
ときどきBさんが話を振ってくれるのだが、まともな会話が続かない。
自分でも緊張しているのが分かる。
入って左手に20基ほどの墓標が並ぶところにAさんのお墓がある。
彼女が死ぬまで嫌っていた父親の家の墓だ。
春になるとここは桜で埋め尽くされる。
ただ、お彼岸から2週間ほど。
周りの墓には陽気でやや疲れ気味のお花が飾られていたが、
彼女の眠る場所には何もなかった。あの家族。ここに来ていないのか。
「バケツをとってくる」とBさんが離れた。
僕はAさんと1人で対面した。一年半ぶりのことだ。
目を閉じて無心で彼女の顔を思い出した。
そしてようやく言えた。「ゴメンね。一緒にいられなくて」
あの子は、いつも自分が他者にどう見られるのか。そればかり悩んでいた。
なぜ受け入れられないのか。なぜ他者とあわせられないのか。そのことに苦しんでいた。
僕は「他の人の気持ちも考えなくちゃ」を様々な表現で何度も説明した。
ロリオタである僕に小学生並みの体を提供すること。それが交換条件だった。
もう他者との関係を"モノ"で釣るしかできななくなっていた。
ずーっと彼女を助けられなかった自分を責め、後悔し続けた。
でも、彼女を想っての悩みだったはずが、途中で変わってしまった。
この子と2人でいることを想像するのが怖かった。
他者への尊敬も思いもなく、ただ自分のことしか考えられなくなった。
誰かに依存しようとした。誰かに自分を救って欲しかった。
死を選択せねばならなかった彼女と全く同じことをしていた。
Bさんがバケツに水を入れて帰ってきた。
簡単にお墓を掃除をして、僕が線香を付けた。
そしてひたすら手を合わせ続けた。
いつか彼女と会話ができることを祈り続けた。
終わって立ち上がると、そこにはBさんがいた。
「どうです?」
「うん、なんとか」
「いえいえ、自分も来たいなあと思ってたんです」
「ずーっと、ここに来るのが怖かったんだ。
今日、そしてあのとき、Bさんがいなければ
僕はどうかなっていたかもしれない。本当にありがとう」
初めて僕は他者に打ち明けることができた。
この間の心の変動を正直に告白した。
「私もそうですよ」とBさんも続けた。
彼女が抱える闇の一部分を僕に教えてくれた。
それから僕とBさんは、お墓の前で、電車の中で、
そして昼食に入った店で、とりとめもなく喋り続けた。
やっぱ、Bさん。いい子だ。
でも、躊躇いを振り切って、なんとか前へ歩こうとしている。
傍目から見たらヨタヨタはしているけど、でもやりたいことを持ち続けている
僕はそう願い続け、心の中で彼女を抱きしめた
「じゃあ」
「また」
僕らはあっさり別れた。
やがて電車の扉が閉まる。
僕が手を挙げると、彼女は微笑んだ。
僕は肝心のことを忘れている。
Bさんが好きなことを伝えていないのだ。
でも、もう少し経って、
自分で確認できたとき、電話をしてみよう。
それから半年経った。
さて、このような私的なポエムを書き連ねてきた、
その理由についても説明せねばならない。
僕の後輩で、Aさん・Bさんの先輩であるCという男の存在だ。