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2018-03-04

天まで飛ばそ

父の法要から一日明けた朝、漫然とテレビをつけていたら、NHKみんなのうたが始まっていた。

あ、ボブネミミッミじゃん、そう思って聞き流した次の曲が七尾旅人さんの「天まで飛ばそ」だった。優しい歌声に枯れたと思った感情がぶり返してきた。

花粉症の鼻をすすっていると母も洗濯物をハンガーにかけながら「この歌誰が歌ってるの?」と聞いてきて、答えられなかったからググって今また歌詞を読んでる。

隠した願いを天まで飛ばそ。あの子は知らない。あの子は知らない。

渡しきれぬ夢を天まで飛ばそ。あの子は知らずにここから旅立つ。

親の心 子知らず、なんて言うけれど、自分もまた知らなかった。

父に勘当されて十数年、妹に見せてもらった家族自分を除く)のLINEチャンネルにも、遺書らしい遺書にも自分名前が登場することはついぞなくて。

死ぬ二週間前にお互いに様変わりした顔を合わせた席で「ひさ…」「次に会うのは葬式だな」と会話にならない会話を交わしてすぐに病室を出ていったから、最後まで父が自分のことを思い出す時間があったかどうかも不明で。

それでもあの時の掛け違いの理由を何処かに遺していってくれたらと願わずにいられなくて、書斎を探してみたけど、出てきたのは茅田砂胡さん、菅浩江さん、小野不由美さんと懐かしい著名のファンタジーばかり。晩年抗がん剤研究をしていたと聞いたが、仕事に関する本は古いバイオインフォマティクス参考書を除いて一切なかった

目を閉じれば思い出すのは、港南台の子ども科学館に、青葉台郊外の勤め先の研究所と、土日車で連れて行ってもらった子どもの頃の記憶ばかり。あの延長線上に、父の秘された希望もあったのだろうか。隠した願いはもう一生分からない。今の自分ははっきり違うということだけが分かる。歌を聞いて三度去来するのはもう解決すらできないこの寂しさだ。

後、数年もすれば自分子ども名前と一緒に隠した願いをそっと飛ばすだろう。夜をギラギラ自己主張するのではなくて、色々な人が打ち上げた願いの中にひっそり混ぜて、旅立ったあの子が気づかずに手に取ってくれることを願おう。そうしてくれたら、いやもし選ばなかったとしても自分から伸ばした手で願い星を掴んだとしたら、それが親としての本願だ。

2014-09-12

本が好きだった。本のことしか考えてこなかった人生だった。

親は教育熱心なひとで、物心ついたときから近所の公立図書館に連れられて育った。

一方、実質母子家庭のような家庭環境で、そこまで裕福でもなかったうえに、完璧主義者の母親であったので、自分お小遣いをもらって好きなものを買うという環境でもなかった。

母については、わたしたちのために苦労してきたのだなと申し訳なく思うし他にも色々思うところはあるのだけれども、それは本題ではないのでここには書かない。

とにかく、娯楽のない状況だったので、図書館で本を借りるか、サンテレビ野球中継を見るかくらいしかお金のかからない趣味はなかった。友達漫画を貸してもらったりもしたけれども。正直、そのことをさして不満にも思わなかった。

我が家お小遣い制度というものはなく、欲しいものがあればその都度申告して買ってもらうという方式だった。本だけは何も文句を言われなかった。ありがたいことだと思うけれども、正直この制度欠点も多いなと思っていて、わたしは今でも本なら自分で選んで買うことができるのに、服を自分で選ぶことができない。いつかお金持ちになったら、ドンキでいいなと思った雑貨を罪悪感を抱くことなく好きなだけ買いたい)

持てる限りの記憶力をハリー・ポッター登場人物プロフィール呪文の暗記に注ぎ込んだ小学時代はやみねかおるも好きで、小学6年生のとき図書室で『踊る夜光怪人』を見つけて、この世にこんな面白い本があるんだと思った。

中学生のころに森博嗣を好きになり、京極夏彦西尾維新を夢中になって読んだ。今思えば、お前森博嗣とか大してよくわかりもしないまま読んでただろという感じだし、今でもだいぶわかってないと思うんだけどさ。荻原規子茅田砂胡乙一島田荘司恩田陸も読んだ。辻村深月が大好きだった。とにかく、中学高校時代と、講談社ノベルスに関わりのありそうな本はたいがい手を出した。近所の公民館パソコンスペースがあったので、時間があるときにはハリポタダレン・シャンイラスト考察サイトをめぐって過ごした。

高校生の頃『活字倶楽部』という雑誌たまたま見つけ、そこで『銀河英雄伝説』という小説があることを知った。当時は絶版だったので、近所の図書館の地下書庫から出してもらって一気読みした。そのままの勢いで友人に「とにかく、最初20ページは飛ばしてもいいから読め! 2巻までは読め!」とすすめた。銀英伝が好きすぎて、その夏にすくってきた金魚すくい金魚たちに提督たちの名前をつけた。

「おかあさん、ヤンが死んでる!」

ちなみに銀英伝ではないが「巽」と名づけた金魚もすぐに死んでしまった。今の実家では、フリッツオスカーとアーダルベルトだけが生きているんだけれども、どの金魚もそろそろ寿命という感じだ。

進学させてもらって、大学生になってからはもう少し色々読んだ。

際立った傑作というのはない気がするんだけれども、カポーティが一番好きだ(正直『冷血』は好きじゃないしもっと彼らしい作品があるだろうと思う。ちくまから出ている短篇集がいちばん好き)。サリンジャーも好きだし、4月に亡くなってしまったけれどアリステア・マクラウドという作家もっと知られたら良いのにと思う。

3年ほど前、人生で読める本は限られているなということに気付いて、それからは注意深く本を選ぶことにしている。最近好きなのは皆川博子津村記久子コナン・ドイルだけど、だから何だというわけでもない。

そんなわたしも、四捨五入してもう30という年になってしまった。

好みのタイプは?という話題になり「本が好きで穏やかで裏表があんまない誠実なひとがいいな」と答えたら「聖☆おにいさんブッダでいいんじゃね?」と返され、

ルーピン現実いねーんだよ」と別の友人に説教され、正直今に至るまで毎日小説のことばっかり考えてて自分あたまおかしいんじゃないかなって思う。

これはただの、本を読むくらいしか趣味のなかった女の回想みたいなもので、なんのオチがあるわけでもない。

ただ、わたしは毎日ばかみたいに小説のこと――主に、その登場人物のことばかり考えながら生きている。

腐った妄想をしているわけでもなく、『白鳥異伝』の菅流かっこいいよなあ、とか考えながら生きている。

ハリー・ポッター本命キャラが殺されたことを未だにねちねち言う。

島田荘司作風の変化を残念に思い、既刊を全部読むのが勿体無くて法月綸太郎をちびちびと読む。

ちなみに、こんな感じの人間だったので、高校途中まではオタク仲間とつるんでいたんだけれども、一番好きなジャンルが違ったので在学中から疎遠になった。同じように本が好きな友人が1、2人いるので、彼女たちとは今でもよく話す。それは幸福なことだと思う。正直、他にも同じような本の趣味をしている同級生はいたし、当時はよくその話をした。ただ、彼女たちがわたしと同じように、未だに毎日現実かそれより重いレベル小説登場人物について考えているとは到底思えないので、積極的に連絡をとろうとは思わないし、話題が切り出せない。自意識過剰なんだろうけど、そんなふうに、未だに地に足を十分つけるわけでもなくふらふらしている自分ときどき怖く思う。

ジャンルを変えればどこにでもごろごろしている話なんだとはわかっている。長い上に固有名詞がだらだら出てきていやみったらしいのはわかっている。

から、ただの回想録めいた日記

追記:

ブコメありがとうございます。正直コメントがついたとしても「キャラ読みしかしてない腐女子」的なことしか言われないかなと思っていたので、共感してくださる方がいてびっくりしています。本当に、子どもに本ばっかり読ませても、子ども性格よっちゃ、いつまでもこんな感じで現実に地に足つかない感じになる可能性もあるわけで、何事もほどほどが一番だと思います。黒出目金のジークフリードは早いうちに昇天し、コメットのフリッツは年をとってだいぶ動きが緩慢になってきました。

この世代オタク女の子には、アニメではなく講談社ノベルスや電撃、角川某レーベル系の文庫本、その他とにかく面白そうな小説を読んで、感想をお互いに共有しながら育ってきた子がいるのだということを少しでも知っていただけるとうれしいです。ミステリ界隈ではキャラ萌えだろうとよく批判されますが、みんな各々好きな読み方をして、好きな作家の新刊は未だに追いながらも、各々それなりに幅広く読んでいる感じです。今でも。すいませんだらだらと。

2008-08-02

男友達から「ラノベ何がお勧め?」と聞かれたときに答える10冊

01 賀東招二フルメタル・パニック!

02 秋山瑞人イリヤの空 UFOの夏」

03 茅田砂胡デルフィニア戦記

04 あざの耕平Dクラッカーズ

05 桜庭一樹GOSICK」/「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない

06 野村美月文学少女シリーズ

07 支倉凍砂狼と香辛料

08 新井輝ROOM No.1301 おとなりさんはアーティスティック!?」

09 西尾維新戯言シリーズ

10 成田良悟バッカーノ!

次点有村浩「図書館戦争

盛り上がりと読みやすさを主眼においてチョイス。十二国記は長いし、爽快感という点では微妙なので除外。

キャラ萌え系は普通の本読みの人にはおもしろくないと思うので外してみた。

今回聞かれた相手は、07と次点、09は読了。ということで、今回は05と06、番外の「悪魔のミカタ」をお勧めしてみた。ちなみに、「ROOM No.1301」は隠れた名作。「砂糖菓子」はラノベ最高峰だと思っているので追加。

2007-10-18

http://anond.hatelabo.jp/20071018102441

増田エントリを読んだら甘酸っぱい気持ちがこみあげてきた。

中学から大学までは本当に本が好きだった。当時は毎日本屋に行ってて、ラノベばっかりだけどたくさん本を買っていた。今でも当時買ってた本の記録がテキストファイルで残っている。

SFなら野尻抱介森岡浩之秋山瑞人秋山完笹本祐一あたりが好きだった。田中哲弥SFだっけ? 大久保町は面白かった。野尻抱介クレギオンシリーズ最高。最近アニメになった時をかける少女高畑京一郎タイム・リープを思い出しながら見てた。あ、あと比較的最近読んだのだとマルドゥック・スクランブルも面白かったな。

ファンタジー小野不由美久美沙織三浦真奈美荻原規子水野良茅田砂胡ひかわ玲子三浦真奈美の風のケアル主人公が空飛んでるところの描写が好き。久美沙織ドラゴンファームシリーズまた読みたくなってきた……。

ミステリ綾辻行人西澤保彦東野圭吾森博嗣北村薫米澤穂信あたり。東野圭吾映画化やらドラマ化やら今でも大人気だね。京極夏彦姑獲鳥の夏しか読んでない。とみなが貴和のEDGEシリーズ今でも続いてるのかな? メタミステリっぽいのは苦手だった。

ホラー貴志祐介鈴木光司とか。SFとの区別がつきにくい作品も多かった気がする。

その他のラノベ読書暦を遡っていくと、上遠野浩平麻生俊平秋田禎信神坂一深沢美潮とか。ブギーポップサイト作るくらい好きだったよ。パンドラは読んでてゾクゾクきた。滝川羊の風の白猿神はどうなった?

ほかには田中芳樹乙一恩田陸五條瑛氷室冴子谷山由紀マイナーだと思うけど藤原京の邪眼シリーズが今でも妙に印象に残ってる。ゲームメガテンシリーズが好きならおすすめ。手に入らないだろうけど。

就職したら死ぬほど忙しくって、小説はあまり読まなくなった。

学生の頃は本を読まなきゃ生きていけないと思ってたけど、今じゃ技術書で命を繋いでる。

2007-08-16

http://anond.hatelabo.jp/20070816003217

基本的に読書好き

* 京極夏彦とか森博嗣とか好きだった

誰か、腐女子かイパン人かに限らず読書好きの子と出会える場所を教えてください。。。書店

合コンに月0.5~1回位行く程度だとそもそも機会として非常に少ないかもしれないけども、それにしても最近のふつうの女の子って読書好き全然いなくない?これは合コンに来るタイプの人には少ないってこと?

自身がテレビまったく見ないで本読みまくるタイプなので話の合う子と会話してみたいんだけど、ついぞ見たことがない。いや一人だけいたな。茅田砂胡好きな子が。自分はあまり好きな作家ではないので(読みはしたが)話は弾まなかったが。。

趣味領域が違うとそういう危険もあるやね。

 
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