はてなキーワード: あの国とは
理屈が伴っているように見えても、それには隔絶されたものがあるからだ。
ウサクが紅潮する。
火が付いたウサクは、そう簡単に止められない。
「それは分かりません」
「いーや、分かるね! あんな毒性の強い、依存性の強いものが普及しているんだぞ!」
「さっきから、そればっかりだな。こんなもん自由じゃない、単に無秩序なだけじゃねえか」
ウサクの強い言葉に、さすがの案内人も不愉快そうな表情になる。
すると、案内人は俺たちに店内にでかでかと書かれた看板を指す。
どうやら、麻薬に関することが書かれているらしい。
「見ての通り、麻薬については町中で掲げている。義務教育レベルでも、口を酸っぱくして麻薬については説かれている。子供は保護者管理の下で購入、使用が認められている。つまり、この国で麻薬が体に良くないことを知らないで買ったり、使わない人間はいないように出来ているんだ。みんな自分の意志で買って、使っているんだよ」
「そのせいで問題行動を起こしたり、成分を偽って騙したりして第三者に使う奴だっているだろ」
「もちろん、それに関しては罰されるよ。でも、それは麻薬をそんな風に使う人間が悪いんであって、麻薬そのものが悪いわけじゃない」
「ざけんな。ここまで悪影響が出るものがロクな規制もしないで普及していて、個人の問題だけで片付けていいわけがない。麻薬そのものにも何らかの抜本的な対策をすべきだ」
「この国では麻薬が体に良くないことだっていうのは常識だ。商品にも注意書きがでかでかと書いている。それでも使う人がいるなら、それは“個人の自由”じゃないか」
「それは社会がちゃんと回っている範疇での話だろ。何でもかんでも個人の意思を大義名分にして、社会が回るわけがないだろうが!」
「ふん、つまらん理屈ばかり捏ねる奴だ。あんたがどれだけここで抗議しようが、この国で麻薬を取り扱うことは認められているんだ」
「貴様、なんだその言い草は! 我は何一つ間違ったことは言っていないぞ!」
ウサクはまだ言い足りないようだったが、俺たちはこれ以上は不毛だと感じた。
別にウサクの言うことが間違っているとも思わないが、ここでとやかく言ったところでこの国の麻薬の普及も、それを使う人間もいなくなるわけではないのだ。
俺たちはウサクを引っ張って、予定より早めに自分たちの国へ帰ることにした。
だが、それから間もなくして、その国の大臣は麻薬の規制・禁止を法で固め、取締りも厳しくすることが発表された。
「私の判断が間違っていた。個人の意思を尊重しすぎたのだ。自由は大事だが、自由すぎてもダメなのだ」
あの国のことを知っている人からすれば、ある意味で当然の帰結であった。
ウサクはこの一件にある意味で安堵し、テレビに向かって吐き捨てるように言った。
「やっぱりな。こうなることは目に見えていた。いやーよかった、よかった。ルールとは人間のためにあるのではない。社会の大意なのだ。個人の意思とは秩序のもとであることを知れ、愚民共よ。フハハハ!」
ウサクの増長に俺は呆れ果てていたが、タイナイはそれを見てフォローしてきた。
「まあ、ウサクはああいう言い方しかできないけれども。何でもかんでも好きなだけ普及させれば社会が崩壊するのは間違いないね」
「せーの、麻薬撲滅!」
あの大統領も、もはや辞める辞めないを通り越して、てめーいつ辞めるんだコラという状態になっている。
ナッツリターンの時もそうだったが、いったん来るとこまで来てしまうと、あの国は流れが速い。
さて、あの問題の発端のひとつに、大統領と親しい有力者の娘が入試や面接で不自然に優遇されたこと、
確かにコネや親の権力を笠に着てやりたい放題というのは面白いものではない。
しかし、例えばあの有力者の娘とやらが真面目に馬術をやっていればそれでよかったのか。
今の制度自体に、それだけで済まない歪みがあるような気がする。
我が国でも、学生スポーツというのは、メジャーなものほどセミプロと化している。
ほぼ運動能力のみで選抜され、日々練習に明け暮れ、そして培った能力とやらで就職していく。
大学生活において、彼らはキャンパスにろくに通ってないし、試験だってどうせまともに受けちゃいない。
そんなのはもはや公然の秘密だ。長嶋一茂なんかはアホなので堂々と言っちゃってるが。
だが、それがおかしいという声はなかなか上がってこない。
なぜかというと、都内のキャンパスに通う一般学生にとっては所詮他人事というのもあるし、
また、今の学生スポーツではそうでもしなければ活躍できず、名前が売れないとわかっているからだ。
まっとうな弱小チームより、傭兵でもいいから勝ってもらった方がいい。
体力と根性があり、上の言うことに従う人材は、企業にもなんだかんだで需要がある。
まあそういうわけで、当分今の流れが変わることはないんだろうが、
結局、ポリコレとかどうでもいいから、こういう結果になったんじゃないか、という結論に至りつつある。
トランプの支持者も、彼にポリコレを攻撃したり、マイノリティを差別したりというのは、
大して望んでいないのだと思う。
マイノリティが憎いとか、差別したいとかよりも、ただただどうでもいいのだろう。
はてブで盛り上がっているような表現の自由でさえ、彼らにとっては二の次なのかもしれない。
「トランスジェンダーの人がどのトイレを使うかなんて、どうだっていいだろ?」
「そんなこと」より、自分たちの生活や雇用をどうにかしてくれよ、ということだ。
もちろん、マイノリティの側からすれば、そうであっても恐ろしいのだろう。
今まで声を上げて戦い、献金もして勝ち取ってきたものが奪われるとすれば、
あの国の分断は思った以上に深いということだろうか。
日米中ロ、どこも北にいったん「戦闘で勝つ」ことはできるかもしれない。でも「戦争に勝つ」ことができるかね? マッカーサーは一度、北朝鮮に「戦争で勝とう」としたわけだが、それでどういうことになったか知らないわけじゃないよね。北相手に「戦争に勝つ」ってのは、国際政治も含めた全体の中で「勝つ」ということでなくてはならない。その意味であの国に「勝てるから攻め込もう」という国があるかね。
そして戦中戦後に大量に発生するだろう難民、それにまぎれたゲリラ、テロリスト、そして不安定な管理の下にある核ミサイル発射の危機…そのどれ一つとっても、実行された時点で、実行された側の政治主導者は、危険な戦争に自国民を巻き込んだ見通しの甘さを激烈に批判されるだろうね。それだけのリスクを冒して得られるメリットを示せなければ、戦争自体が継続できないのでは。だが、一体どんなメリットが示せるだろうか? ……事前に「北の脅威」を過剰に宣伝して「脅威の排除」をメリットと国民が感じるようにする? なるほどそれは一つの手だ。だがその宣伝は同時に、北からの「反撃リスク」を実際以上に高い効果のあるものと感じさせるという意味では、結局宣伝の効果は相殺されるのではないだろうか。イラクの時のように「大量破壊兵器があるから」とやる? 残念ながら「ある」と本人らが宣伝しまくってる現状を見ても、それが戦争へのモチベーションとして働くよりは、抑止力として働く効果の方が大きそうだね。
ならば「非人道的な政治体制の転覆」それ自体を目的とする? それほどの「正義」感と人類愛、人権意識の高い国(笑)がアメリカ以外にあるかなあ。そしてそのアメリカは……過去の経験というトラウマに襲われてる、その上イスラム原理主義と同様の泥沼戦争を継続中……ときたら、まあ手を出す気自体が起きないだろ。
結局あの国については、ゆるやかに崩壊を待ちつつうまくお隣の韓国に吸収してもらうのを待つ……くらいしか対応のしようがない。正直「戦争で北に勝つ」なんて、あなたのあげたどの国にとっても夢物語だ。あの国に勝ち、あの国を自分のいわば「領土」として引き取りたいと積極的に思う国はない。そして、勝ちたいと思わない限り戦争には勝てない。オレが言ってるのは最初からそういう話。あの国は当分あのままだ。それは、誰もあの国に「勝ちたくない/勝てない」からだよ。
君の名は。やらシン・ゴジラやら何かと震災と絡めたレビューが見られるし製作者も意図している
確かにあの震災は大きな規模だったし、未だに傷跡を残している。
しかし、俺らの前には未だにブラック企業がのさばっているし、役人の不正もなくならないし
子供は減る一方だし、地方はどんどん過疎化するし、都心はラッシュで痴漢に飛び込みも無くならないし、
芸能人は不倫するし、昭和の名優は死ぬし、台風は来るし、野菜は高いし、うなぎは絶滅しかけてるし、
若者は馬鹿だし、大人はずるいし、老人は面倒だし、男は傲慢だし、女はヒステリックだし、
ネットは殺伐としてるし、基地外が人をいっぱい殺すし、あの国はミサイルをぶっ放す。
メディアもインテリも政治家も、震災をダシにそれまでと同じやり方で金を手にするだけだ。
いつからか人々が抱えている閉塞感や断絶感は何も解消されていなくて、むしろ喧嘩の火種が増えたくらいだ。
なのになぜ、人々の意識や、目の前に広がる風景、生活が変わったように吹聴する?
震災なんて20後半から上の人は阪神淡路を見てるだろ。もんじゅだって同じ頃に事故ってる。
なのになぜ、全国民が共通してこれまでに無い経験をしたかのように思いたがる?
今の日本の状況は、もうずっとあらゆる面で同じ下降線で、
震災は通過点にすぎなかった。
バブル崩壊や、あるいはあの戦争のような、国の運命を変える分岐点なんかじゃなかった。
この国で繰り返される災害で、繰り返される失敗というだけだった。ありきたりの鬱展開だった。
大変動やサードインパクトじゃなかった。ポストアポカリプスにはならなかった。結局日常系に収斂されてしまった。
あの震災がかように特別な非日常的事件、時代の分水嶺のように語られるのは、
あの時この国のシナリオが、或いは自分の人生のシナリオが劇的に変わるんじゃないかと感じた幻想を忘れられなくて、
一方で目の前の辛い、過去からずっと続く苦しい現実を忘れたくて、甘い夢を見る現実逃避に過ぎないじゃないか。
もうそろそろこの過大評価をやめにして、目の前の問題に地道に取り組んでいかなければ、
70年前のような本当の災いがこの国を襲うことは免れ得ないだろう。
日本の労働効率が悪いだの、長時間労働が悪だのと言われている。
実際その通りだと思う。今の過剰なサービスを見ると、廃すべきものも多いかもしれない。
しかし、長時間労働をやめれば効率がよくなり万事うまくいく、みたいな言い方には賛成できない。
今の賃金のまま、暇な時間だけ与えられても、たぶん安い娯楽につぎ込んでおしまいだ。
だいたい、そういうこと言ってる人間に限って、都会の便利さはしれっと享受してないか?
もし長時間労働をやめたら、たぶん病院の待ち時間は今よりさらに長くなるし、
コンビニは夜間と休日開かないし(それでいいという人も多いと思うけど)、
通販の到着は数日遅れる。いったん上がったレベルを落とすというのはそういうことだ。
そもそも、効率がいいと言われる国ってだいたい、たまたまでかい企業が集まってるだけじゃないのか?
んなこと言ったら日本だって、東京だけ切り取ったら東京国は凄まじいことになる。
それを実際やってるのがシンガポールだと思うので、個人的にはあの国の言ってることが信用できない。
あとは資源国。そりゃ黙っていてもガスや油が湧いてくるなら苦労しませんわな。
まず資源がなければ成り立たないのであって、制度の良し悪しは問題じゃない。北欧礼賛と同じ理屈だ。
この国の最初の栄光は、せっせと金銀を掘っては輸出してた時代で、それが枯渇した時点で終わった。
次に人間を搾り取って今まで頑張ってきたが、どうやら石油より先に枯渇しそうだ。
衰退を受け入れて、三等国として生きていくのもひとつのあり方ではあるが、
(たとえばキャラクターについて言えば、感情を押し殺したようにして淡々と語る綾波は市川実日子に、外国語を混ぜたご機嫌なアスカは石原さとみに、真意のわからぬまま無理難題を突きつけてくるゲンドウは〈あの国〉アメリカに、それぞれ入れ替わっただけである。)
ゲンドウくんはあれでも現場の総司令という立場なわけで、矢口=ミサトさんとみるなら赤坂さん=ゲンドウくらいだろうか。
そこで米国代表としてか弱い女性を置くことで、日本人男性が日本人男性の力で国を守ったという体裁が保たれる。
かつ、あの日本語と英語を織り交ぜたヘンテコな日本語は、彼女をか弱い存在だけでなく変な奴として提示する。国際的な観点からでなく、あくまで日本人の側から見られた変人だ。
自分にはカヨコは強引でマッチョなキャラクターに見えたけれども、それでも「か弱い」という見方もあるんだな。
カヨコの優秀さの描写は足りないような気がしたし、終盤の日米の間で板挟みになって悩むのもとってつけたようには感じたけど。
あの映画は、機械オタクの男が設計室に引きこもってひたすら戦闘機の流線型のフォルムにうっとりしているだけで、その戦闘機がどれだけ戦争の悲劇を生んだか、とか、そうした男の機械オタクたちが生んだ戦争技術によって死んでいった女性への視点が欠如しているだとか、政治的またジェンダー的な観点からさまざまに批判を呼んだが、