「ん? なんだこれは」
ウサクが気になって案内人に尋ねると、俺たちの考えているものとは違う意図で話を展開させてくる。
「最近は錠剤タイプが人気なくなっているんですよね。やっぱり吸ったり注入したりしたほうが実感湧きやすいのか」
「貧困さ。貧困が原因だよ。相関関係だとか因果だとかは知らないけれども、きっと貧困が全ての元凶なんだ」
要領は得ないが、どうやらこれは薬品らしい。
気になってそのパッケージを手に取り、裏面に書かれた成分を確認する。
まさかと思い、近くに並んでいた他のパッケージも調べてみると、ほとんどが危険な麻薬だった。
なんでこんなものが、こんな大通りの雑貨屋に堂々と売っているんだ。
ウサクがぼそりとつぶやく。
それに対する案内人の答えは予想の範疇ではありつつも、俺たちはそれでも驚愕せざるをえなかった。
「ええ、合法です。というより、『合法』と表現するのも変な話だけれども」
「ああ、でも推奨はしていません。それでも買うなら自由ですが」
「ちょっと待て。推奨していないのに、なぜそんなものを売る?」
戸惑いを隠せない表情で質問をするウサクに対して、案内人は屈託のない表情で答えた。
その店を出て、その後も宿までの道中にある店を回ってみたが、当たり前のように麻薬が出回っていた。
その国には、その国のルールがあるとはいえ、俺たちはどうしても訝しい気持ちがくすぶっていた。
それが一番最初に爆発したのは、やはりというかウサクだった。
案内人の人はまるで言われ慣れているかのように、やれやれと言った反応をする。
俺たちはとある行事で出し物をやった。 このテの行事に消極的な俺たちは、ウサクが自信満々に監督を申し出たこともあって反対しなかった。 こうして、いわれるがまま出来たショー...
≪ 前 案内人の回答にウサクは困惑する。 理屈が伴っているように見えても、それには隔絶されたものがあるからだ。 ウサクが紅潮する。 火が付いたウサクは、そう簡単に止められ...
≪ 前 テーマ曲:「麻薬アブナイ」 歌:ウサク、マスダ、タイナイ 作詞・作曲:ウサク 麻薬アブナイぜ 体に良くない 色々あるし 医療とかで使うケースもある けど一般人は 気...