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2019-10-01

電子書籍元年って2012年だよな

2010年はいくつかある「不発に終わった電子書籍元年」だよ。

以下の記事のほうが感覚的には正しい。

JEPA|日本電子出版協会 「電子出版元年」は何回目?

7月楽天Kobo9月Google Nexus 7Google Playブックス、10Apple iPad mini日本語組版正式対応したiBooks 3.0、同じく10Amazon Kindle 4機種とKindleストア登場。ということで、正真正銘の「電子書籍元年」がやっと訪れた。KoboGoogleAppleAmazonそしてSONY、すべてEPUB 3が基本フォーマットになっているのは感無量。

まりKindle日本語版が登場した2012年が真の「電子書籍元年」だ。

EPUBが基本フォーマットになっている」というのも重要で、

まり2010年電子書籍EPUB準拠じゃなかったか

電子書籍元年」になれなかったし「10年経たずに朽ちて」しまったんだよ。

当然のことをいまごろになって騒ぐほうがおかしい。

2019-05-30

現役校正者が書く校正フローとかの話(追記しました)

現役の校正者です。出版社校閲所属ではありませんので、多くの出版社とお付き合いさせていただいてます

幻冬舎見城徹社長インタビューhttps://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/05/post-12205_1.php)と、そのブコメ拝読していて、いろいろと解説できることもあるかもしれないな、と思いましたので、一般的校正フローがどういうものか、ということについて、増田で書いてみようかなと思います

注意書き


校正フロー全体の流れ(一般文芸小説などの場合

初校ゲラを作る
  1. 原稿が書き上がる
  2. 書きあがった原稿デザイナー(あるいはDTPオペレーター)に渡される
  3. デザイナーによって組版が行われる(よく「流し込み」と言います
  4. 初校ゲラの完成
初校チェック
  1. 流し込みされた原稿ゲラが、関係各所に渡される
  2. 時間をかけて読む
  3. 校正者、ステークホルダの初校戻しを編集者が受け取る
再校ゲラを作る
  1. 編集者が、それらの指摘&自身からの指摘を整頓してまとめ、著者に渡す
    • この段階で、一部の校正指摘は却下されます。一例としては、「誤解による指摘」「著者が過度に傷つきそうな指摘の表現をやんわりしたものに書き換える」などがありえます。誤解なんてないに越したことはないのですが、「意図的な仕込みだとは思うが、ミスだとまずいので念のため伝えておく」というような、杞憂に近い指摘も出てきうるので。
  2. 指摘の一覧を受け取った著者が、「指摘を採用する/しない」の判断をし、自分修正したい部分も書き加え、編集者に戻す
  3. 著者からの戻しを受けて、編集者&著者が最終判断をする
  4. 修正指示=初校赤字校が確定し、デザイナーに渡される
  5. デザイナー修正作業をする
  6. 修正されたゲラ=再校ゲラの完成
再校チェック
  1. 再校ゲラが、関係各所にまた渡される
  2. 時間をかけて読む
  3. 校正者、ステークホルダの再校戻しを編集者が受け取る
完成原稿
  1. 編集者が、校正者・ステークホルダの指摘&自身からの指摘を整頓してまとめ、著者に渡す
  2. 指摘の一覧を受け取った著者が、「指摘を採用する/しない」の判断をし、自分修正したい部分も書き加え、編集者に戻す
  3. 著者からの戻しを受けて、編集者&著者が最終判断をする
  4. 修正指示=再校赤字校が確定し、デザイナーに渡される
  5. デザイナー修正完了する

この段階で、完成原稿扱い(を目指す)というのが一般的です。なお、上記説明では「完成」の判定を誰が責任を持つのか、デザイナーDTPオペレーターの職分の厳密さ、あたりがすっぽ抜けているんですが、そこの解説は省略させてください。パターンがいろいろありますし、枝葉の話かと思いますので。

とても高い正確性が求められる書籍(例えば辞書)の場合や、再校での修正量が想定以上に多かった場合は、さらに「修正指示が反映されているか」「もう一回読み直し」とサイクルを予定している/追加していく場合もありますが、だいたい多くの書籍では「初校・再校」の合計2回まででまとめていると思います

日本国紀』はあのあり方、ページ数などからみて、三校、四校まで実施しているかもしれません。遠くから眺める限り、いろいろと大物な予感がしますので、ちょっと再校まででは済まない印象がします。単なる勘ですけど。そういう意味では、インタビュー内の「通常の3倍以上」というのは、六校、七校まで実施した、という意味かもしれないな、と思っていたりします8-)

剽窃チェックについて

校正作業を行うにあたっては、「リスク認識した場合、そのリスククリアするためのチェックフローを追加する」というスタイルがよく採用されます。実務に沿って言い換えると、まずは「編集者からの依頼としてチェック項目のリストが渡され、それを元に読み進める。そして、実際に校正作業を進めてみて新たに発見されたリスクについては、適宜、リスクに応じたチェックを追加する」という形です。言葉にすると当たり前なように聞こえるかと思います8-)

これを剽窃チェックにあてはめると、「この原稿にはWikipediaコピペが含まれていそうだ」と判断した場合に、「Wikipediaコピペを検知するための確認作業を追加する」ということになります

Twitterで、小池みきさんが「社内校正ときに「ウィキコピペをしてないかチェックする」って作業があった」とお話されていました(https://twitter.com/monokirk/status/1133240351123099648)が、これは、続きの「ネットに詳しくないおじいちゃん郷土史家とかはけっこうやってしまうので」というのが重要ポイントで、リスクが高い状態がすでに認識されていたからこそ、コピペチェックが定型フローに含まれていた、ということだと思います

なので、「『日本国紀』はWikipediaコピペのチェックもしていないのか?」という問いに関しては、「百田尚樹先生文章について、なんらかの剽窃リスクが高く見積もられていなかったならば編集者から提示された最初校正依頼の項目に『コピペチェック』が含まれていなかったとしても、特別おかしいとまでは言えないと思う」という回答です。

そもそもとして、剽窃絶対にしてはいけない・出版倫理にもとる、というのが大前提なので、「著述家として実績を積み重ねた方であれば、剽窃不適切引用はしていないはず」という認識を基本とするのはわりとベーシックです。例えば飲食店において「お客様は全員きっと食い逃げするに違いない」という強いリスク感を持つのがさほどノーマルではない、みたいなことで、「剽窃あるかもしれない」とは考えますが、「剽窃あるはずだ」と強く疑ってチェックを重ねるのはコストが嵩みすぎる、という判断します。「存在する可能性が高いものを探すコストをかける」のと、「存在しない可能性が高い(と考えられる)ものを探すコストをかける」のは現実的には違うのです。校正作業にも締め切りや予算がありますから

ですから、多くの校正作業においては、「この原稿コピペが入ってるのでは? 剽窃かも?」というリスクをどこかではっきり認識したら、その時点からコピペチェックを追加します。「おそらくあるはずだ」に頭を切り替えるからです。「私の場合は」という但し書きはつきますが、おそらく多くの校正者がそうしているでしょう。

では、「最初偶発的に発見するしかないの?」という問いに関しては、「はい。ある程度は偶然に頼ります」というアンサーです。ですが、ベーシックファクトチェック実施していれば、どのみち辞書インターネット・専門書等を駆使して大半の単語記述を見比べながら読むこととなり、「剽窃不適切引用が多数存在した場合、そのうちのどれかひとつ発見する」という可能性はそこまで低くないと思います特にWikipediaからコピペ発見は多少は期待できます。実際、私自身も何度もそのような経緯でコピペ事例を発見したことがあります検索さまさまです8-)

一方で、参考文献のリストそもそも共有されていなかったり、それが不完全だったりすれば、「どこから引っ張ってきたのか」の見当をつけることさえできないので、かなり発見が難しくなります

日本国紀』で校正フロー機能してない問題全体の話

校正作業チェックリストの項目)は追加すれば追加するほど期間と金コストがかかるし、無限時間をかければ当然ペイしなくなってしまます。なので、特に校正フロー最初においては、クリティカルな点や、質への貢献が高い項目を重点的に校正する、というのが多くの場合の実情です。

作品固有の事情として、『日本国紀』がどういう売り方で、どれくらいの期間、どれくらいの利益企画していたか、ということは外側からではわからないので、「通史で全部のファクトを細かくチェックしていけば、校正だけで5年はかかります」というコメントから、「じゃあ5年かけろよ」とだけ言って終わらせてしまうのは、理想的ではあるものの、現実的可能かどうかはわかりません。

2019/05/31追記:「通史で」というところもポイントなんですよね。そもそも日本国紀』を通史相当とみなすのか否かから検討されなくてはならない。一般文芸書と学術書では求められるレベル感が違いますもの

金銭時間が膨大にかかる理想をすべての書籍に一律に求めることはできない実情は既にあるので、「『日本国紀』という作品については、どれくらい理想を突き詰められたのか、突き詰めるべきだったか」という評価判断と合わせての評価のほうが、現場にとっては建設的であろうと考えます。これは単に「校正現場にとっては」という話であって、思想云々、歴史云々の話は学術芸術的観点を含むため、また別枠だと思います。今回の増田でそのあたりを取り扱うつもりはありません。校正作業の話だけをします。

最初お断りしたとおり、私は『日本国紀』をまだ手にとっていないので、どれぐらいの校正コストが支払われるべき作品だったのかについて、特に言えることがないです。もしもこの増田に反応が多ければ、その時は目を通してみようと思っています。その場合見積もりのために数日ください;)

現に剽窃事実誤認誤記と見られる(らしい)記述存在したそうですから、「『日本国紀』において校正フロー全体は正しく機能していなかった」は正しいと言えるとして、ではその原因は何か?については妥当な推測ができません。例えば期間や予算がなかった、あるいは校正者の実力自体の不足で、(作品としての理想、読者の皆様からの期待の両面から)求められる成果にそもそも達していなかった可能性はもちろんあります。また、あるいは部分的に達せられていたとしても、編集の方、著者の方にご確認いただく過程で、指摘が却下されている可能性もゼロではありません。

校正者」という個人さらにその校正力にだけ、校正フロー機能不全の責が向かうとすれば、必ずしもそうとは限らないですよ、ということぐらいは言わせてください。

修正一覧を公開すべき論について

私は見たいです。勉強にもなりますし。

……という感想はさておき、インタビュー内の「版を重ねて修正するのはどの本でも当たり前のようにある」は事実です。また、特段の事情がない場合サイレント修正するのもよくあります

ただ、ごく短い期間で版が何度も更新され、さらに刷りを重ねているとなれば、最新の版以外を「古いもの≒正確でないもの」と認識した上で取り扱ってもらえるのが望ましいでしょうし、その必要性の度合は文芸小説等よりは高いと思います広辞苑記者ハンドブックなどを使用する際に「第◯版を使った」というのが重要視されるように、『日本国紀』第◯版読んだよ、みたいな感じで。

長くなってごめんなさい

増田でこんなに長くていいのかって思いながら書きました。すいません。

2019-02-19

anond:20190219135039

全角カンマ全角ピリオドってどこの業界? ある種の組版ミス記号存在ごと潰すのが目的なんだから普通は半角だと思うけど。

2018-10-13

ふと昔を思い出して

今は全然関係ないことに従事していて、それが大して面白くもないのだが。

たまにはラズベリーパイを弄ったり組版ソフト面白ものを見つけて弄っている。

そんな私が何年か前に30日でできるOS本とDIrectX9入門の本を買って触っていた。昔話だ。

こういうのは、いわゆる御呪いオンパレードだ。

Cを最初にやるときののヘッダーファイル、あるいはwindowsプログラミングウィンドウを表示するときの様な「おまじない」だ。

ロクな説明もされないまま、写経しているうちにコードが増えて行き、なんかサンプルに毛が生えた様なものができて満足するが釈然としない。

分かった気がしない。

OpenGL/GLUTを後年マニュアルを参照しながら一生懸命やったときの方が理解できた気がしたし、オリジナリティのあるコードとなった。

やはりこういう根幹部分の知識悪戦苦闘しなければ、身につけないのだろうかと少し思う。

昨今大量に溢れるラッパーやフックを見て様々な機能が便利になったと感心する。

プログラマとして働いたことはないが、車輪の再発明学習以外においては悪だと学んできたので、それは大変結構だと思う。

ライブラリ再利用は良い。だが、その便利さがかえって学習者の成長を妨げるのではないか

OS本やDirectXを訳も分からず触っていた私の様なコピペキディ(又は写経坊主)が増えないことを願う。

(もう少し時間があれば、pychamかnvimのhaskell pluginが書きたい。)

2018-09-30

anond:20180930022000

人間の目は30fpsの1フレまでしか見えないとか言うけど制御ループ位相遅れと帯域は関係ないとか、フロッピー1枚に新聞紙何面とか言うけどSJIS文字数の話で組版データ基準じゃないとか、そういうやつかな

2018-08-07

anond:20180807210355

自分が本書くにあたって既存組版が汚いのが我慢できずに、自分組版プログラム実装してしまうあたりが、学者としてだけではなく技術者としても尊敬されている所以だな

2018-06-11

anond:20180611225057

しろExcelで美しく組版するアドインを発売すべき。

今までの書類互換性あるから売れるぞ~。

2018-05-07

辞書でたまにある逆に改行するやつ

国語辞典とかで左がキチキチに詰まってて、右行の下の方が空いてるときにそっちに流し込む組版処理たまに見るけどアレの名前ってあるのかな?

印刷用語集 日本印刷産業連合会とか見ても無さそうだし。

2017-10-17

Webライターしかやったことのない人の文章

以下の特徴。基本的には印刷物組版ルールなんて、デジタル媒体で守らなくても別にいいんだけどね。

・「!」「?」の後に全角スペースがない。

和文中で半角かっことか使っちゃう

・「Web」「web」「ウェブ」等の単純な表記揺れはあまりないものの、補助動詞形式名詞表記でしくじる。

他にも何かあれば。

2017-05-09

http://anond.hatelabo.jp/20170508211030

電子書籍が当然だと思ってるので、全然からないです。

今日もおうちに帰れないのです

申し訳ない、さっぱり分からない。

真っ当なシステムを組まないことが理由だとしか思えないので。

少なくとも電子書籍「化」しろなどいう人は誰もいない。

コンピュータ上で組版が終了したら、自動的に、その状態電子書籍なはずなのだが。

違うってんなら、システムが悪い。電子書籍を望む人が悪いのではない。

2016-02-09

つか、表記法は色々パターンがありますっていう組版の規格が、なんでフォーマル規定する文章みたいな扱いになるんだ

お前ら大丈夫

http://anond.hatelabo.jp/20160209110759

この文書は,CSSSVGおよびXSL-FOなどの技術で実現が求められる一般的日本語組版要件記述したものです.

と要約にあるように、そもそも広範な意味日常使用される「日本語」を対象にしたスタンダードを記したものとは思えないのだが?

2015-07-05

新聞紙サイズ存在意義ってなんなの

まずデカい。デカすぎる。

片手ではめくることすらままならない。

電車内で新聞紙を読む人間がいた時の絶望感。

非常に邪魔。腕を広げるな。

そしてうるさい。

バッサバッサバッサバッサやかましい。

電車内で新聞紙を読む人間がいた時の絶望感。

非常に騒々しい。静かににめくれ。

さら記事の途中で折り目がくる。

これは本当に意味がわからない。

数文字読んでひっくり返して続きの数文字読んでひっくり返して次の行の…

って反復横跳びみたいなことをする人間

笑えるのを通り越して泣けてくる。不便すぎる。

A1小判だかA2小判だかブランケット判だか知らんけど

現行より小さくし、消音にし、組版を整えない理由がわからない。

現行サイズを守り続ける意味がわからない。

http://anond.hatelabo.jp/20150704224357

2015-04-04

電子書籍なんていらない

電子書籍なんていらないんだよ。

もし「電子か紙かを選択できることが大事」とか「ハンディキャップを持った人が…」みたいな部分からその必要性を説くのなら、

そういう人がそれを成すために掛かったコストに見に合う対価を払えよ。

きっちりとした電子書籍を一冊作るのに10万円は掛かるんだよ。

うんこみたいなレイアウトでよければそこのコストは限りなくゼロに近づけられるけどさ。

でもそういううんこみたいな電子書籍を出して、それに文句言うのは電子書籍を使う連中なんだよ。

ばかなの?

組版が云々とか抜かしている奴はおとなしく紙の本読め。

だいたい出版社だって本当は電子書籍なんかやりたくないんだよ。面倒くさい割に儲からないから

意識の高い消費者づらして電子書籍必要性を説くやつらは、自分で一度電子書籍データ作成してから意見しろ

2015-02-12

編集者仕事

編集者って何の仕事をする人なんだ。

http://anond.hatelabo.jp/20150211201344

編集者」とひと口に言ってもいろいろなタイプがいて、雑誌社で記者をやっている人が編集者を名乗っていることもあるし、雑誌編集部編集長デスク使い走りしかやってない人や、編集プロダクション所属で実質はDTPオペレータという人もいる。書籍編集者でも、作家様が執筆するような文芸担当実用担当ではずいぶん仕事内容が違うし、漫画写真集辞書みたいな特殊ジャンルもある。さら会社や個人によって仕事のやり方が違ったりするので、「編集者仕事」を一概に定義するのは難しい。

ただ、あえて定義すれば「本や雑誌を作ること」で、ある程度抽象化した形でなら大まかな流れは紹介できるんじゃないかと思ったのでまとめてみた。以下は原則として版元所属実用書系の書籍編集者仕事を想定。文芸漫画世界はよう知らん。

企画

企画は「思い付きを口走ること」でも「まだ世の中に存在しない何か」を探すことでもありません。満たされていない需要を探し出して、それを満たす商品製作を計画することです。そのために常日頃から情報を集めつつ、有望なアイディアを見つけたら市場調査、著者候補をはじめとした関係者へのコンタクト概要記述、目次案作成、仮タイトル考案、収支シミュレーション作成プロモーション概要計画作成などを行ないます。版元所属書籍編集者にとっては、企画が一番重要仕事です。

企画会議

版元所属書籍編集者なら、定期的に開催される「企画会議」で企画をプレゼンして経営陣や営業部門を説得して企画を進める了承を得ます。企画会議にかける前に編集部内で行なう編集会議にかけ、編集長の了承を得る必要があることもあります書籍編集者独立性が高いので不要のこともある)。企画を企画会議より先に進めるには、企画した編集者過去の実績や根回しも結構重要だったりします。

原稿制作

本来は著者の仕事です。「てにをは」はもちろん、取材権利処理も含めて原稿完成の全責任を負うのは著者です。本来は。しかし、実用書系の著者に商品にできるレベル文章を書ける人はほぼいません。原稿は少なくとも再構成場合によっては全面的リライトしなければならないことがほとんどです。これを自身で行なうか、外部のライターなどに発注するかは編集者によります。刊行点数のノルマに余裕があり、著者が書けなければ企画をボツにするという編集者もいます。また、長年ブログを書いているなどと言って妙な自信を持っていてリライトなどに対して「一字一句変えるな!」などと言い出す著者もたまにいますが、こういう著者を説得(というか説教)するのも編集者仕事です。言うまでもありませんが、たかだか2,000文字のブログ記事と、200ページ超の書籍のための文章はまったくの別物です。

組版

原稿がある程度そろったら、紙面の形に組版します。版元所属書籍編集者場合は、ほとんどの場合外部の編集プロダクション発注します(単純な縦組みの文芸書などでは印刷所に依頼することもあるようです)。これらに関する価格交渉なども、編集者重要仕事ひとつです。

校正

校正紙(組版された紙面)を目視確認する作業です。校正紙を著者に送り、内容を確認してもらう「著者校正」もここで行ないます修正の量にもよりますが、2~3回繰り返すのが一般的です。

装丁

装丁カバーデザインなど)についても、外部のデザイナー発注するのが一般的です。とはいえ丸投げで済むわけではなく、書籍の内容や競合の状況によってデザイン方向性を考え、それにそったデザインのできるデザイナーを探し、デザイナー方向性を伝えるための資料を集め、文字原稿についてはすべて編集者側で用意した上で、デザイナー複数回のやり取りをします。

印刷発注

組版装丁の目処が立ち、ページ数も大体決まったあたりで印刷所に見積もりを依頼します。見積もりの額によっては、デザイナー装丁仕様変更を依頼することもあります。特色、UV、箔押し、型押しの使用は慎重に。必要場合はここで印刷所に束見本(つかみほん)の作成を依頼することもあります

部決会議

ページ数が決まりカバーデザインもほぼ完成したら、いわゆる「部決会議」(部数決定会議)にて部数、価格、発売日などが決定されます営業部門などから要望によって、タイトルカバーデザインの変更を要請されることもあります過去の実績や知名度によっては著者や編集者の無理が通ることもありえますが、これらの最終決定権は原則として資金的リスクを負う経営者にあります意見が通らなかった場合には、過去の不甲斐ない自分を恨みましょう。

入稿作業

部数や価格が決定したら、印刷所へのデータ入稿作業を行ないます。売上スリップバーコードデータ作成するのもこのタイミングです。印刷からプルーフや色校正が出てくるので確認します。ここでの確認漏れはそのまま印刷事故につながるので、売上スリップバーコード、奥付などの最終確認複数部署による回覧で行ないます

契約・清算

入稿作業が終わると見本が出てくるのまで間に少し時間ができるので、著者との契約作業を進めておきます契約書は出版社ごとに統一されているのが一般的で、タイトルや著者名、部数、価格などを書き込んで著者に送り、記名捺印したものを返送してもらいます。刷り印税がある場合には、支払伝票の起票などもこの段階で行ないます編集プロダクションデザイナーへの支払い手続きもこのタイミングで。

見本

入稿作業後しばらくすると見本が届くので、まずは修正原本となる数冊を除いてから、著者をはじめとした関係者に数冊ずつ発送します。社内外へ見本を持参しつつ、挨拶をして回ることもあります。続いて雑誌社や有名ブロガーなどへの献本を行ない、書評を依頼したりもします。書籍編集者の通常の業務としては、これでひと段落いたことになります

販促活動

書籍編集者が行なう通常の販促活動としては、いわゆる献本のほかにも、書店に配布する注文書の原稿作成などがありますしかし、書店営業や広告に関しては原則として営業部門主体となって行なうことになっていて、編集部側が勝手に進めることはできないのが一般的です。結果として書籍編集者が行なう販促活動は、営業部門サポートや、著者によるイベントサポートなどが中心となります

増刷対応、改訂企画

実は世の中には間違いのない書籍というのはほとんどなく、それほど厚くない書籍の中にも複数の間違いが含まれていたりします。これを自分で見つけたり、著者や読者から報告を受けたときに記録しておき、増刷といったタイミング修正するのも書籍編集者仕事です。増刷時には、著者への報告や見本の発送、刷り印税なら支払伝票の起票といった作業もありますさらに、刊行から時間が経ち、内容の更新をする必要がありそうな場合には、増刷の代わりに改訂版の刊行を企画することもあります

まとめ

以上です。改めて書き出してみると思っていた以上にやることが多かったと感じたのですがいかがでしょうか?また、原稿制作重要であっても一部でしかなく、原稿さえあれば書籍が出るというわけではないということもおわかりいただけたかと思います一般的実用書の編集者は、この流れを同時並行して年間5~10点程度進めることになります編集者が何の仕事をする人かという疑問解決の参考になれば幸いです。

2014-12-06

赤旗レビュー

概してつまらない。

米帝粉砕』『造反有理』みたいな勇ましい言葉が載っていない。

旧社会党旧民社党が言ってたような左っぽい言葉が並んでるだけ。

権力への切り込みでいったら、週刊誌の方が鋭い。

あと生活欄が広すぎる。

政治がすべてに優先するソビエト組版にしてくれ。

2014-11-05

http://anond.hatelabo.jp/20141105201803

から、思いついてから1秒以内に数式を含めた複雑な絵を書き始めることができるかって話なんだよ。

5秒じゃダメだし10秒とかは論外。文章だけってのは思いついたイメージ日本語に変換するコストがでかすぎるからダメ

あと手書き場合入力レイテンシが知覚できないくらい(10ms以下とか?)でないとダメ

図と数式が全て。それが手書きと同レベルの速度と自由度でできるようになったなら電子媒体が紙を置き換え始めるだろう。

あとコンピュータ事情という意味で言うと、フォント存在しない記号自由発明して入力できる組版システム(ただし手書きと同程度の速度)が必要

texは遅すぎて全くダメ

あと画面解像度低すぎ。A4ノート1枚に細かく色々書くのと同じくらいの入力・表示デバイス必要で、見開きにしたりページを高速でめくって比較したりするのと同程度以上の一覧性も必要

2009-07-08

実験レポートの評価

10年前の話になる.

大学学部1回のときに受講した「物理学実験」なる実習講義は,実験レポートの提出が義務付けられており,そのレポートに対する評価は大変厳しいという噂だった.ならばこそ逆に完璧レポートを提出してやろうと意気込んだ私は,レポート物理的な内容に関することを完璧に仕上げるのはもちろんのこと,理系の文書は TeX なる組版システムで清書するのだと情報の授業で聞きかじっていたこともあり,その TeX とやらで非の打ち所なく美しく清書されたレポートを提出してやろうと心に誓った.情報の授業では周囲の同回生たちが TeXコンパイルにすら四苦八苦している有様だった中,私は一人いそいそと TeX に関する分厚い書籍を購入して,つたないながらも TeX で美しく清書したレポートを提出したのだ.

周囲の同回生のほとんどが手書きで仕上げたレポートを提出するのを,浅薄な優越感とともに一瞥していた.私のレポートを見咎め,そのレポートは何だ,どうやって書いたのだ, TeX とやらで書いたのか,すごいな,と述べる同回生も居た.

最高の評価がもらえる自信があった.

返却されたレポートには「こういうときは TeX のこのコマンドを使ったほうが良い」という類の指摘が赤字でたくさん書き込まれていた.レポートに対する評価が厳しいという噂は本当だったのだ.

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