はてなキーワード: ドアチャイムとは
ドアチャイムがいよいよヤベーので
と検索してみたのだが
屋外設置で発火したら怖い安いのか、たぶん発火しない信頼と実績のクソお高いのか2択になるのね
んで譲れない条件加味するとお高いのしか選択肢がなくて予算オーバーするのね
別に外出先でリアルタイム確認とかしたくない、録画だけしといてくれれば良い
だったらWiFiな必要ないので色々とリスク勘案すると他の方法で無線して欲しい
というかスマホに他人様の動画とか静止画とか残して置きたくないしクラウドにも上げたくない
せっかくカメラついてるんだから防犯カメラも兼ねて動体検知で録画しといて欲しい
静止画でいい、動画じゃなくていい、何枚か撮影しといてくれればいい
でも動体検知してくれるの、とても高いメーカーのしか見つからなかった
と路線変更してみたが、まあ合計額がさして変わらない、むしろ高い
迷いに迷って、結局買ってないわ
だましだましチャイムに頑張ってもらう
壊れたら、また考えよう
もしや自分が少数派なのかと気づいた
悲しい
忘れた頃にやってきて、受信契約を迫られる可能性があるから、気を付けた方がいい。
自分語りですまんけど、過去の体験を当時の日記からセルフ引用するわ。
- 17:51頃ドアチャイムが鳴り「NHKです」と名乗る。
- ドアを開けると男性が立っており、名前、入居年数などを確認される。
- 「受信契約ではないんですが、確認に。去年頃解約されたじゃないですか。テレビって1台でしたか?」と尋ねられる。
- 「では、こちらに記入してもらえますか。前と同じになりますので」と住所、氏名、電話番号などを記入するよう指示される。
- 「前と同じですので、衛星契約に○をつけて下さい」と指示される。
- いろいろと抗議。
- 「確かめもせず解約の確認と思い込んだのは、こちらが悪かった。しかし最初の言い方が誘導尋問的ではないか?」→「誘導尋問ではない」
- 「第3者の立会人を付けて、受信装置がないことを確認して欲しい」→「受信装置がないことを報告する」「お客様の家の中には立ち入れない」
- 「自己申告だけで受信装置の有無を確定するのか?」→「そうだ」
- 「何故、受信装置があるという前提で訪問するのか?何か根拠があっての訪問か?」→「そういう前提ではない。根拠とかそう言う話ではない」
- 「こうやって解約した世帯にいちいち回っているのか?」→「1年に1回くらい伺うことがある。今日のところは受信装置がないことで帰らせて頂く。再び伺うことはない」
- 「今年度はもう来られないとして、また来年度来るのか?」→「その可能性もある」
- 入居後まもなく受信契約を取りに来た男性とのやり取りで発生した不快な内容も伝えた。((これは今日来た男性とは直接関係がないので、無意味な部分はある。何が何でも受信契約をさせようとすることに対する不満の一つとして訴えた。))
- 男性が退去。
例の勧誘とかアルファベット三文字表記が有名なアレのヒデェ集金の話のような勢いでドアチャイム連打しては、出てこいという旨の内容を叫び、またピンポンという作業を数分間にわたって繰り返し玄関前に留まる子供たちが居る。ピンポンしてもダッシュしていかないんだよ。最近の子供、心が強すぎる。
最大限良い方向性に解釈して何かの遊びなのかもしれないと思いつつ怖いしカルチャーが違いすぎて気持ち悪いんだが。宇宙人とかなの?
でもきっとアレ嫌がらせなんだろうなと考えざるを得ない出来事もあったし、ともかく一度のピンポンの回数と子供の大声が多いし続くんで嫌すぎた。
身近に子供いないので、あの叫び声に特有の高音が苦手だ、現実だと。男の子でも声変わり前は耳にキーンてくる。というか、なんで他人の部屋の前で叫ぶの?
あんまり続くので、思い余って緊急時以外に通報したかったらコッチね!っていう番号に電話してみた。応答してくれたお嬢さんの声がとても優しくて、ありがとう!って気持ちになったけど、その最中もチャイム鳴ってたので案外と同情された感じ。
しかし相手が大人ならともかく子供じゃしゃーねーなーとはお互いに分かっていた。でも出没が多い時間帯にパトロールしてくれるらしい。とりあえず有り難い。でも子供だからなって、しょぼんしてたら、次は緊急時のあっちの番号に通報してもらっていいですから!って言ってくれた。重ねてありがとう。お前のように話しの長いヤツの対応がめんどいんで!って副音声はたぶん無かったと思いたい。
でもウチ田舎だから駆けつけるまでに時間かかって現場を抑えるのはムリだろうな。どうやって解決するんだろうな、こういうの。
以下は詳細をっていうか愚痴りたい。
ウチ、集合住宅っていうかアパートなんだが、古くて安いので当然ながらセキュリティはガバガバだ。でもウチ、一階含めて玄関は二階にあるタイプで、そこに行く外階段は二戸でしか共有しない。ウチかもう一戸に用事がなければ上がってこないハズのつくり。
ドアチャイムは玄関の前まで来ないと押せない。わざわざ階段上がって来ないといけないので、何かのついでにピンポンしちゃったぜっていう言い逃れが通用しない位置取り。
遊びにしても、上記の感じなのでリスク高いですよねとか対応してくれたお嬢さんも言う。でも本当に来るの、チャム聞こえてたからそれは疑ってませんと言ってはもらえたけども。
というか、だから逆に怖い。子供とはいえ幼児じゃないんだよ、子供の年齢よくわからないけど、たぶん10歳くらいな感じの男の子がそのへんのリスクを分からないものだろうか。一人じゃなくて三人から五人以上の集団で来ていて、同調圧力があるにしろ一人も危機感を覚えないものだろうか。
小さい子が冒険で人気のない建物に入りたがるのは知っているし、自分にも子供時代はあったから気持ち分からないとは言えない。でもそれって見つからないようにするのがスリルなんじゃないのか?いけない事してる感をお手軽に味わいたいアレじゃないのか?特に廃墟ではないアパートでピンポン連打して出てこいと喚くとか、何なのだろう。
アパートでも空き地でも他人の敷地に入っちゃいけませんとか、そういう教育が出来てないというか、持っていないカルチャーの親御さんなんじゃなかろうかと、思ってしまう。
出てこいという旨の声がけ時、親呼んで来ようみたいな声も聞こえた。ピンポン連打遊びを止めて欲しいのか、ウチに何かしたいのか判断できねーよ、この手の遊びする子供の親じゃ後者かもしれねーよ、刺されたら怖いよ、ヤバいよって泣き言しか出ない。子供が怖いんじゃないんだよ、その後ろにいる親が怖いんだよ、ウッカリで殺されるかもしれないじゃん、いや子供も意味わかんなくてキモいしコエーけども!刃物持ち出されたら子供でも殺せるし、素手でも突っかかられて自衛したら過剰って言われるじゃん子供相手だと!抵抗できなければ子供相手だって大人が怪我させられるんだよ、当たりどころが悪ければ骨折くらいするよ!骨折すればさすがに親が慰謝料払うのかな?でも骨折したくねーんだよ、怪我痛いじゃん!ピンポン時は立て籠もったとして外出狙って突撃されたら防ぎようがないよ、だって近所のお子様だもん多分、いや近所付き合い無いから知らねー子だけどピンポンの頻度的に近所だよ!しかも複数の子供が近所だよ!どれが突撃してくるの?全部が来るの
?その親も来るの?コエーよ!怪我まで行かなくても生ゴミばらまくとか良く聞く嫌がらせじゃん!キツイよ!って丁寧なお言葉を心がけて吐き出した。対応してくれたお嬢さん、ほんとごめん。
そもそも子供たち、よくアパートの敷地内で遊んでる。というか雨とか降ってないといつも来る。遭遇するのは自分が休日の時だけど、それ以外の日も居るんじゃないかなー、この勢いだと。でも同じアパートの子ではない、単身者用。住人が招き入れてもいないと思う、大人が同伴していた事は無い。というか行動パターンからして近所の子だと思う。
自分が越してくる前から遊び場の一つだったんだろうな、まったく躊躇なく入ってくる。
近くに広い公園あるじゃん?広いだけで遊具もロクに無いけど立派な公園じゃん?そっちに行きなよ。
つーか小学校は放課後も児童を収容してくれないものだろうか、日が落ちるまで。ムリか、せめて保護者の監督があれば校庭開放するとか、そういう感じにしてくれれば正論で押し通して学校行くか保育所に預けろ、監督者をつけろ、虐待か?って言えるんだけど。言うだけは。
ほどほどに中途半端な田舎なので一軒家しか無いって事も無くウチ以外にもアパートの需要はあるみたいでポツポツは集合住宅もある。とはいえやっぱり田舎で一軒家は庭は狭くても箱は大きめで三世帯のお家多い。そして最寄り駅が遠いので車は一家に一台じゃなくて一人一台的な文化は濃い、つまり一家に二台以上は車がある。ガチ田舎とかガチ金持ちの住んでる地域なら三台でも四台でもガレージに余裕で入るんだぜ!ってなるだろうけども、はんぱな田舎なので、だいたい一台分の駐車場しかない建売住宅味も深い。不動産関係者はもっと考えて上げて!ムリだろうけど!っていう。半分くらいは必要な台数が収まる駐車場持ってるお宅も有るんだけどね。格差社会つらい。
ウチの隣も月極駐車場。コインパーキングだったら間違いなく煩いし不特定多数が出入りするのアレなので一階が店舗はムリって人種は避ける物件だし、自分も絶対に住まない。駅前とかじゃない住宅多いほどほど田舎の月極は自分の家に家族分の車入らないからって近所の人が借りてるパターンが多くて、そんなに頻繁には出入りしない。マンションの屋外駐車場くらいのノリ。駐車場はいずれ箱建てる予定地とは良く聞くので迷いはしたけど、入居前に聞いた所、実はアパートの大家の土地らしく、もう金ねーから箱は建てないって事だったので。気は変わる事もあると覚悟した上で決めた。
というのが長い前ふりで。何かっていうと地域柄アパートにも駐車場ついてる物件がわりとある。ウチもそうだ、という話。
車の止まっていない駐車場は子供の遊び場になりやすい。とはいえ、本当は遊ばせちゃ危ないしダメだし、そもそも自分が住んでる集合住宅の駐車場であるとか、契約してる月極であるとか、最初のハードルは有るハズだと今回の事があるまでは思っていた。
しかし子供ら気にしない。アパートの駐車場でめっちゃ遊ぶ。隣の月極駐車場でも遊ぶ。ブロック塀乗り越えるのすら遊び。アパート裏の側溝の蓋が格子タイプなので、持ち上げて落として繰り返してがっしゃんがっしゃん音立てて遊ぶ。遊ぶっていうか、側溝の蓋、どうして持ち上げるの?何か落とした訳でもないのに
?というか、よく持ち上がったな、自分はムリだぞ、腰をやってしまう。子供って頑丈だな、羨ましい。
近所の住人しか通らない感じとはいえ公道がコートだぜとばかりに蹴鞠ごっこに興じる。道で遊んじゃダメだよ!っていう教育ができてない子供とその親。怖い。でもって、ボールは相棒とばかりにアパートの外周を駆け、アスレチックのノリでアパートの外階段を上り下りして踊り場で隠れんぼする。やっぱりボールもある。無い時もある。やめろ、ウチのアパートの壁は薄い、紙のようにペラペラだ、貴様らの声も足音もボールも、振動という振動がよく響くんだ、前の道を車が通るよりも大きくな!
通り過ぎていくだけなら我慢しても、留まって遊ぶってどういう事なんだろう、しかも叫ぶ。なんで?
半年くらい前に一度、止めてねって言った事はある。
玄関前で何かずっと遊んでる声がするし転んだかなんかしたらしく、しきりに怪我を心配する声もした。
エ、ウチの玄関前で流血とか面倒じゃない、巻き込むな!現場検証とか聞き込みとかになったら面倒だよ、自分もいつか世話になる想定でご協力するのが社会人だけど、でも面倒だよ、今回その面倒かけたの自分だけど、他人事なら面倒だよ。じゃなくて子供が怪我したとか騒いでたら救急車居る?って普通の大人は心配する素振りを示すものなので疾く去ね!招いてもねーけど!じゃなくてお引き取りください。
ってことでドアチェーンしたまま開けたら小さい玩具を床にばらまいて円陣くんでた。何の儀式?って言いそうになった。
いちおう怪我の有無を確認の上で、ご用事無いなら知らない人のお家の敷地に入っちゃダメなんだよ?敷地ってお庭とかお車とか置いてある場所の事だよ、全部を塀で囲ってなくてもダメなんだよ、この建物にお友達が住んでるのかな?住んでないよね?じゃあ止めてめてね?って言っただけ。恫喝したとか親が出てくるとアレだから、できるだけ優しく穏やかにと自分に言い聞かせつつ。
同じアパートの住人は側溝の蓋がっしゃんがっしゃんの時に窓開けて怒鳴ってた記憶があるので、たぶん何の効果も無いだろうな、と分かっていたけど。目が合って無言で玄関閉めるのも感じ悪くてイチャモンつけられるかもしれないし、もう目が合った時点で終わってたからダメモトで言うだけ言ってみた。
原因これだろうな、きっと。
ずっと家に居るわけじゃないから気づくまで期間あったけど。気づいてからはアパートの駐車場と外階段アスレチック遊びにピンポンがセットになったからな。
あと遊びに来てるの気づかなかったり、やむを得ず洗濯物干しに出ると遊びの手を止めて全員でコッチ見るの。一人じゃない、三人から五人以上の10歳くらいの子供が一斉にコッチ見るの。コエーよ、気持ち悪いよ。自分、悪いことしてないのに、お前らが立ってるのアパートの駐車場なのに。もうヤダー。
子供もしくはその親が突進してきて怪我させられるか殺されるか、自分がノイローゼになるのか。もうなっているのか。
どれが先なんだろうとモヤモヤしている。
子供じゃなければ、勝手に敷地に入った時点でやりようもあるんだろうけど。子供じゃなければヘンな人なので自分はもう死んでいたかもしれず。
モヤモヤする。そして怖い。親が出てきたらどうしよう。やべぇ子の親はやべぇ親だよと思いがち。
吐き出してみたけど、ループるばかりだった。
突然聞こえてくるドアチャイム。
ドアを開けてみると、某アルファベット三文字の某団体の集金と名乗る人。
集「○○○ですが、料金をお支払いしていませんよね。今月分だけでも今支払ってください」
↓
俺「私、口座引き落としですよ」(実際、バカ正直に払ってる)
↓
集「知ってます!!」
↓
俺「???」
↓
集「隣の部屋の人、払ってませんよね!?」
↓
俺「知りませんよ」
↓
集「払ってないんですよ!だからアンタが代わりに払ってください!」
↓
俺「はあ…意味分かんないですけど…」
↓
集「だ~か~ら~、アンタがここで立て替えて、後で返してもらえばいいじゃないですか!」
↓
俺「隣の人なんて知りませんよ」
↓
集「はあ、なっさけねーな!隣の人に話もできねえのかよ、ビビリだなwww」
↓
↓
集「バーカ!ビビリ!」(そのまま立ち去る)
これは白昼に見た夢だったのだろうか。
サイバーメガネさんの「政治・選挙業界の闇の用語集」 というエントリを目にして、学生時代、東京都議選候補者の事務所で働いた時のことを思い出したので、つらつら書いてみる。
その自民党候補者の事務所で働き始めたのは、べつに支持者だったからではない。
むしろ、当時の若者の常で「それほど政治に興味はないが、しいて言えば左寄り」だったと思う。
なのに、なぜ働いたかといえば、単に友人から「とっぱらいの、面白いバイトがある」と紹介されただけの話である。
9時から18時まで日給1万円、延長の時は時給1000円、半日しか来れないときはそれでも良い、しかも昼食付きという条件に魅力を感じて、
選挙公示日の2週間前くらいから、そのバイトにはいることになった。
なお、現在、選挙事務所が、ウグイス嬢などの特殊技能を持っていない単純な運動員をバイトとして雇うのは、公職選挙法で禁じられている筈である。
当時の規定がどうだったのかは、よく知らない。
ただ、バイトにいった初日、「外で何か聞かれたら、○○事務所のボランティアですと答えるように」という注意があった。
あと、昼食は無料で弁当が出たのだが、なにか帳面のようなものに、弁当と金額が書いてあって、サインをさせられたが、
それでいて、とっぱらいの一万円をもらうにあたって、なにかにサインしたり、書類をもらったりすることはなかった。
仕事は、荷物を運んだり、連日どこかの体育館や集会場で行われている個人演説会の会場設営や後片付けをしたり、街頭演説の交通整理やビラ配りをしたり、
要するに雑用だった。
応援にきた時の首相に道を開けるため、群衆を抑える、みたいなこともあった。
あと、選挙カーの通れない細い路地を、候補者を先頭に自転車で走り抜けながら支持を訴えて走り回ったこともあった。
候補者のあとを、背中に候補者名や政党名を書いた「のぼり」をたてて路地を練り歩いたりもした。これは、内部で「桃太郎」と呼ばれていた。
「桃太郎」には「先発隊」が出されることもあった。
あらかじめ、候補者の一群が来る前に、支持者の家に声をかけて、表に出て先生に声をかけてくれるように頼んでおくのだ。
候補者が自ら支持者の家にいったら、公選法で禁じられている「戸別訪問」だが、あらかじめ支持者が公道に出ていれば、そうはならない。
告示日がすぎて、ドタバタと忙しくなっていたある日、印を付けられた地図を渡されて「ここのお宅にいって、先生のポスターを剥がしてきて」と頼まれた。
普段も街中で政治家や政党のポスターを見かけるが、選挙期間中は指定された掲示板以外にポスターを掲示してはならず、
実は、告示日が来る前のバイトの主な仕事として、選挙区を自転車で走り回ってポスターをはがして回る、というのがあったのだが、
それでも「見落とし」というのは当然ある。
そのまま、掲示をしていると、その筋(たぶん、選挙管理委員会)から警告のファックスがくるらしく、
その時は、大急ぎでバイトがポスターを剥がしに駆けつけるのである。
指定された場所は、ゴミゴミとした「アパート」というより「長屋」とでもいったほうが似合うような、古びた木造集合住宅が密集した地域であった。
今でも、東京の東部には案外そういう建物が残っているが、当時は今以上に、そういう地域が多かった。
その雰囲気は、サラリーマン家庭が圧倒的多数を占める、いわゆる「ベッドタウン」で育った大学生にとって、
物珍しさと一抹の不安を呼び覚まさせるに十分だった。
問題のポスターは、その木造長屋の二階の雨戸の戸袋に貼ってあった。
窓から乗り出さなければ、張ることも剥がすことも不可能な場所だ。
マッチ箱のような大きさの昔ながらのドアチャイムを押すと、引き戸を開けて出てきたのは
絵に描いたような「下町のばあさん」だった。腰がかなり曲がっていた。
来意を告げると、「ああ、そう。剥がさなきゃいけないのは知っていたけれど、あの場所じゃ自分でできなくてねえ」と言われた。
二階の窓から身を乗り出して、ポスターを剥がし終えると、ばあさんが冷たい麦茶を出してくれた。
ありがたくいただいていると、ばあさんがこんなことを言った。
「お宅の先生、ちゃんと頑張ってるの? こっちの方、まだ全然選挙カー来ないじゃないのよ。KM党とKS党ばっかりよ」
僕は思わず、ばあさんの方をじっと見た。選挙カーが来るのを待ちわびている人を、人生で初めて見て、いささか驚いたからだ。
「あたしゃね、SK学会とか、KS党とか、大っ嫌いなのよ。だからお宅の先生にも頑張ってもらわなきゃ。あたしも知り合いに投票してくれるように頼んでんだからさ」
ばあさんの言うことは、政策がどうとか、そんなこととは関係ない次元ではあったけれど、でも十分筋が通っていた。
あんな騒々しく名前を連呼して支持者の獲得なんてできるのだろうか、むしろ逆効果じゃないのか、と、それまでは漠然と思っていた。
世の中には選挙カーがこないと「先生、ちゃんと頑張ってるの?」と心配する支持者がいるのだ。
そして、その支持者が、さらなる支持者を獲得するために動いてくれるのだ。
もともと、候補者のことなどろくに興味がなく、選挙カーが来たら「うるせえなあ」としか反応しない層の反感によるデメリットよりも、
「ああ、先生、頑張っているなあ。あたしも頑張らなきゃ」というばあさんの意識に呼びかける効果のほうが、大きいのであろう。
世の中の仕組みをもう一つ知れた気分になって、いささか感心しながら事務所に戻ると、事務所の司令塔でもある候補者の長女に「ごくろうさま」と声をかけられた。
そして、彼女は、笑いながらこんなことをいった。
「あのあたり、ゴミゴミしてほんと汚いでしょう? いっそ地震でも起こって全部燃えちゃえば、再開発でもできるんでしょうけどねぇ」
彼女の父親の地位は、その「ゴミゴミしてほんと汚い」ところに住んでいるばあさんたちに支えられている筈であるのだが、
彼女にとってそこは、さっさと燃えてしまえばいい場所のようであった。
もともと冷めた目でこのバイトをしていた上に、さらに「軽蔑」の気持ちが加わったのだが、それはそれとして、バイト代は魅力的だったので、僕はその事務所に通い詰めた。
そういえば、投票日当日、事務所の整理などの仕事があったので、やはりバイトにいったのだが、
そのとき、事務所の「コールセンター」で、女性たちが支持者名簿を片手に電話をかけまくっていた。
女性たちは、「○○事務所のものですが、本日の選挙、投票にいかれましたか? 大事な選挙ですので、ぜひ投票なさってくださいね」などと呼びかけていた。
「○○候補への投票をお願いします」と当日に電話で呼びかけてしまうと、公選法違反になるということだった。
事務所の幹部たちは、1時間ごとにだされる投票所ごとの投票者数が記された紙を見て、「○○地区の出足がおそいなあ」などと言いながら、
女性たちに「○○のほうを強化して」などと、電話をかける先を指示していた。
結局、その候補者は当選した。開票速報が流れたときにも事務所にいたのだが、それはもう大層な盛り上がりようだった。
関係の深い人々はもちろんのこと、つい一か月ほど前に縁をもったばかりのバイトの大半も、それなりに興奮していた。
一月の間、同じ目標に向かって働くことによって生まれる一体感が、その興奮を生み出すエネルギーの源泉となっていたのだろうが、
先の一件で事務所に軽蔑の念をもっていたので、心の中ではかなり冷めた目でその光景を見ていた。
表向きは、その歓喜の輪に加わって、翌日に行われた祝賀会でも、随分ご相伴にあずかって、ビールやら桶の寿司やらをしこたまいただいたけれども。
このとき、結局、一月で20万近くを稼いだ僕は、その資金で海外へと貧乏旅行に出た。
インドで、現地で知り合った人に
「この国は世界最大の民主主義国なんだけれど、まだまだ文字が読めない人も多いので、
選挙の投票用紙には政党のマークが印刷してあって、それに印をつけるんだ」という話を聞いて、
「選挙ってなんだろう」と考えたりもした。
あれ以来、選挙の現場に直接かかわったことはないが、選挙の季節が来て、候補者の名前を連呼する声が聞こえると、
ああ、この辺りに、あの候補者の支援者が住んでいるのだろうか、などと考える。
選挙は一度も棄権したことはないが、選挙カーによる名前の連呼は、僕の投票行動にはいささかも影響を与えていない。
選挙カーで名前を連呼する事象について言及すると「そもそも公職選挙法で規定されているから、それしかできないのだ」とブコメやトラバでご教示くださる方がいる。
仮に、連呼以外のことが認められ、選挙カーが政策を訴えだしても、「うるさい」と思う人は「うるさい」と思うだろうし、
走り回る選挙カーから、「政策に興味のある意識が高い有権者」の判断材料になるほど意義のある複雑な内容が訴えられるとも思えない。
秋葉原などの繁華街で絵葉書を無料で配っているお姉さんたちがいる。
しかし、ついうっかりお姉さんから絵葉書をもらってはいけない。
言葉巧みに画廊へと連行されて、気が付くと大して価値もない絵(というか版画)を、何十万ものローンを組まされて買う羽目になる(絵画商法)。
エウリアンにかぎらず、路上で見ず知らずの人に話しかけられたら、とりあえず無視するのが基本。
キャンパス内でアンケートと称して、とてもフレンドリーに話しかけてくれる先輩がいたら要注意。
表向きはボランティアサークルだったりするが、実は統○教会などのカルト新興宗教の勧誘だったりする。
彼らと付き合いを続けていると、心理的にマインドコントロールされて抜けられなくなり、家族とも縁を切る事になりかねない。
たとえ相手がどんなに性格的に良い人(多くの場合、末端は悪意もなく良心的な人が多い)であっても、少しでもその匂いを感じたら、きっぱりと関係を断つこと。
奴らはプロだ。ドアホンで新聞勧誘とは名乗らずに「ちょっとご近所に挨拶に・・・」と言いつつドアを開けさせ、言葉巧みに新聞の購読契約へともってゆく。
ドアチャイムが鳴っても、相手をよく確かめずに、むやみにドアを開けてはいけない。
世の中に、簡単に儲かる話など無い。
多分、それはねずみ講、ネットワークビジネス、マルチ商法と呼ばれるものだ。
人間関係をお金に変えてピラミッド上位者が儲かる仕組みだが、末端であるあなたは、最終的にお金と友人を全て失うことになる。
この世の中にうまい話など無いと心得よ。