はてなキーワード: イタリア代表とは
1986年、メキシコW杯、アルゼンチン vs イングランドの試合で、ディエゴ・マラドーナが手でボールをゴールに押し込んだやつ。審判が見逃してゴールが認められ、アルゼンチンが勝利。この一件でイングランドのファンは大荒れし、世界中のサッカーファンが「いや、ハンドじゃん」とツッコミを入れた。
この事件の影響を受けて「フェアプレーってなんなんだよ?」という議論が白熱。のちにVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)導入の布石にもなった。
1994年、アメリカW杯で、コロンビア代表のアンドレス・エスコバルがアメリカ戦でオウンゴールしてしまい、コロンビアがグループリーグで敗退。帰国後、メデジンで射殺される。犯人は「自殺点をありがとう」とか言ってたらしい。
世界中にサッカー界の闇が知られるきっかけとなった事件であり、南米がどれだけ麻薬カルテルやギャングの影響下にあるかを示した一件でもある。南米こわい。
1989年、FAカップ準決勝のリヴァプール vs ノッティンガム・フォレスト戦。観客が詰めかけすぎて圧死事故が起こり、96人が死亡、700人以上が負傷。スタジアムの構造や警察の対応に大きな問題があったことによる事件。
関係者がボロクソに叩かれた結果、イギリス政府が本気を出して安全基準を大幅に改善。立ち見席廃止や観客動線の見直しが義務づけられて、サッカー観戦の安全対策が強化された。
2006年、W杯決勝、フランス vs イタリアの試合。フランスのジネディーヌ・ジダンがイタリアのマルコ・マテラッツィに頭突きして退場。マテラッツィの挑発が原因と言われるが、ジダンはこの試合が最後の大舞台だっただけに世界中のサッカーファンが唖然としてしまう。
W杯決勝の舞台での衝撃シーンとして歴史に残り、現在まで各方面でネタにされることになる。挑発したマテラッツィにも問題があるんだが、インパクトの強さ的にジダンの方ばっかイジられてて不憫だなと思う。
2006年、イタリアのセリエAで審判操作による八百長が発覚した大事件。ユヴェントスが関与していたことで、クラブが2部降格。この件への関係者が続々とペナルティを食らったり辞任したりという一大事になる。
イタリアサッカー界が大打撃を受け、改めて公平性が問われるきっかけともなった。その後イタリア代表がW杯で優勝し、なんとなく汚名返上みたいな雰囲気になったが、ジダン頭突き事件も相まって微妙に後味の悪い優勝となっている。
2015年、FIFA幹部の贈収賄スキャンダルが発覚。複数役員が逮捕され、長年会長を務めていたゼップ・ブラッターも辞任。W杯開催地の選定不正も疑われ、FIFAへの信頼を揺るがす一件となった。サッカーの歴史上で、カルチョ・スキャンダルすら余裕で超える最大の事件といえるかもしれない。
サッカー界のトップ組織が利権まみれなんじゃないかということで、これ以降FIFAにはかなり厳しい目が向けられることになるわけだが、この件を扱ったNetflixのドキュメンタリーが事実は小説より奇なりを体現しててマジで面白いからみんな絶対に見てくれ(小学生並みの感想)。
新型コロナウイルスの感染対策の効果を実証するため、英政府が大人数の観客の入場を認めた6~7月のサッカー欧州選手権で、観客計約6400人が感染したとみられることが、政府が20日に公表した調査報告書で明らかになった。
感染者の多くは、イングランド代表がイタリア代表に屈した決勝の観客。
英、満員観戦で6千人超感染 サッカー欧州選手権(共同通信) - Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/3c36d2f1dbb9864ff7791a4de60accddc5c10fd6
「欧米ではワクチン接種が進み、ノーマスクでのスポーツ観戦など日常を取り戻している」論者の方はどう言及されるんでしょうか。
「私たちは胸を張っていきたい。間違いなく大きな体験で、感極まってしまうほどだ。私たちのパフォーマンスが祖国のパワーになれば」
プールA、0勝4敗で大会を去る事になったロシア代表、ワシリー・アルテミエフキャプテンは、試合後、晴れ晴れと語った。
「素晴らしいチームと試合をする機会が失われたことは辛い。こんな決定はおかしい。日本に台風が来るのは珍しくないのだから、他のやり方を用意していないのはおかしい」
台風19号の影響で試合中止、ニュージーランドと勝ち点2を分け合い、W杯史上最高の勝ち点を獲得しながらプール敗退となったイタリア代表、セルジオ・パリセキャプテンは言った。
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ラグビーW杯は大会23日目、プール戦の帰趨が次々と決まっている。
勝負事である以上、必ず敗者が出るのがスポーツだが、勝ち負けや勝ち点の勘定が全てであるなら、こんなセリフは出ないと思う。
当事者にとって、この大会と試合はただ単に「勝ち負け」以上の意味や物語がある。
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この試合の結果でノックアウトラウンド進出を勝ち取れば、そのチームは勝者と見ていいだろう。
結果を掴み取った国では勝者のドラマが語られるに違いない。
プールAの突破をかけた大一番は台風で開催が危ぶまれた事でキックオフの前から波乱模様だ、この1戦はどのような物語を双方にもたらすのだろうか。
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スコットランドはプール突破のためには勝ち点5か、日本に惜敗ボーナス1を与えない上での勝ち点4が必要で、つまりは大量トライか、日本を寄せ付けない展開での勝利が求められる。
裏を返せば、日本は勝利はもちろん、試合をロースコアに抑えるか、食らいつければプールが突破できるという状況だ。
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しかし、「計算して試合をロースコアに抑える」というのがラグビーでは難しい。
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考えられる日本の戦術としては、キックを多用してエラーを誘い、スクラムやラインアウトを増やして、セットアップなどに時間がかかる、ぶつ切りでスローなラグビーをするというのがある。
しかし、スコットランドと比べると日本は相対的にセットプレーが強くない。
また、キックからの切り返しはスコットランドの得意とするところで、相手の強みを出すリスクがある。
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もう一つ考えられる方法が、アイルランド戦のように、一度もったボールをなるべく離さず攻め続けることで、自分たちが時間を使うというプランだ。
この場合は密集でのコンタクトが増えるので、フィジカルやフィットネスが求められる。
身体の衝突は消耗するので、それをどう抑えるかという工夫が求められる。
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あるいは、それらコントロールの難しいスローな展開を捨てて、日本の攻撃力を最大に活かすオープンな点の取り合い、走りあいを挑むという線も全くないとは言えない。
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勝ち点、日程を含めて日本に有利な状況に変わりはないが、そもそもスコットランドには日本を圧倒する地力がある。
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自力で勝るスコットランドの不安材料は勝点以外にもあり、それは中3日のスケジュールだ。
ロシア戦で多くの選手を休ませたとはいえ、スコッドの上限は31人。
一試合23人の登録メンバーなので、どうしたって8人は前試合からの連戦となる。
少なくないメンバーが準備に時間をかけられない事は、後半に効いてくるかもしれない。
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試合前、台風の被害にあった方のため黙祷が捧げられ、続いて両国の国家が斉唱される。
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試合はまず前半6分、日本のキックオフからのペナルティ絡みの攻防で、ゴール前まで攻め込んだスコットランドが先制のトライを奪った。
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8分、日本はリスタートのキックオフからペナルティを獲得しスクラムを選択する。
増田はこの浅い時間帯にペナルティゴールを狙わなかったことに驚いた。
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ここからの攻防は日本のノックオンでスコットランドボールのスクラムとなる。
有利な状況から、ランでの突破を狙わず、キックで攻めるスコットランドだが、これが日本にボールを渡すだけの結果になってしまう。
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ここまで、日本はボールを蹴らず、ペナルティーゴールのチャンスにスクラムを選択してまで走りあっている。
対するスコットランドのキックはサモア戦で日本が使ったものに近く、アンストラクチャーからの攻防を狙っているというより、衝突を避け、消耗から逃げているようにも見える。
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これはずれたが、18分、日本はディフェンスラインをブレイクした福岡からパスを受けた松島がトライ!
コンバージョンも決まって7−7。
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21分、スコットランドボールのスクラムで日本としては痛いことに具智元が負傷交代となる。
しかし、交代で入ったヴァルアサエリ愛の活躍でこれに組み勝ってペナルティを獲得、切り返しの連続の攻防から稲垣がゴールエリア中央に飛び込みトライ!
コンバージョンも決まって14−7。
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そして38分、日本はスクラムで再び組み勝ちペナルティーゴールを獲得、これは外れたが、その後のドロップアウトから日本はラインをブレイクした福岡堅樹がインゴールに飛び込みトライ!
コンバージョンも決まって21−7で前半を折り返した。
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前半、日本はキックを蹴れる場面でも徹底的にキープして地上戦を挑み、対するスコットランドは消耗を避けて後ろに走らせる意図でキックを繰り出した。
しかし、スコットランドの選択は思わしくない結果をもたらし、寄せ付けずに終えなければならなかった前半で2トライ分のビハインドを負ってしまった。
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後半のスコットランドはプール突破のためフィットネスの不安を跳ね返して3トライ以上取らなければいけない。
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後半、キックオフからの攻防でペナルティーを得て深く攻め込むスコットランド。
しかしラインを突破できないだけでなく、日本に攻守を切り返されてしまい、しかも悪いことに、ボールが渡ったのがおそらくこの大会でも最速のランナーの一人である福岡堅樹。
全く追いつく事ができずにトライとコンバージョンを献上し、28−7とされてしまう。
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スコットランドは大変悪い状況で、レイドローがスクラムからハイパントをあげても誰も落下点までチェイスに行くことが出来ない。
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その後5分にわたる長い攻めで7点を返して28−14としたが、プール突破に向けた3トライは非常に厳しい目標だ。
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50分、日本は田中と山中を投入し、試合のペースをコントロールしにかかる。
意図的にロースコアにするのは難しいとはいったが、残り30分で14点のアドバンテージを持っての事なら話が違う。
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53分、トライを狙うしかないスコットランドは、ペナルティを得てもゴールを狙わずランで攻撃、これを攻め切って待望のトライ。
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試合の分水嶺になることが多い60分に激しいフィジカルバトルを挑む日本。
これを守りきったスコットランドだが、攻撃回数21フェイズに及ぶ我慢比べはスタミナを大きく削った。
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62分、日本ボールのスクラムからの攻めを切り返してもスコットランドのランナーはディフェンスを振り切ることが出来ない。
最終局面でやっと自分達好みのアンストラクチャーな展開になったのに、ここまでで背負ったものが大きすぎた。
67分には苛立って掴み合いまで演じ、このペナルティで自陣深く攻め込まれてしまう。
70分には密集で押し負けるという屈辱的なターンオーバーからまたも自陣に張り付けられ時間を使われてしまう。
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72分、スコットランドにとっては試合を蘇らせる最後のチャンス、ペナルティーを得て前進して攻め込むが、日本のディフェンスを突破できない。
74分、日本はFWと田中が織りなす伝統芸能「ゆっくりスクラム」で時間を潰す。
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77分、スコットランドにとってのタイムアウトが迫る中、最後のスクラムを切り返した日本、インゴール間際で時間を潰し、迎えた80分、ドラが鳴った直後にボールをタッチの外に蹴り出した。
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日本は相手のして欲しくないことを徹底的に仕掛けつづけ、対するスコットランドは限られた選択の中で取り得るプランで臨んだとはいえ、前半の消極性で負ったビハインドが悔やまれる敗戦となった。
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4年前、スコットランドは中3日のスケジュールで挑んできた日本を下したが、今回は初戦の雨や決戦前の台風による開催不安に苛まれ、そして今度は自らが背負った中3日での連戦の不利の前に涙を飲むことになった。
試合開催前の運営批判など、議論を呼んだ発言もあったが、命運を引き寄せるため全ての人々が全力を尽くしたのだったと信じたい。
最後まで諦めなかった誇りは傷付けられるべきではないと思う。
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彼らの旅はこれで終わったが、日本はこれで史上初の決勝トーナメントに進出し、ベスト4を争うことになる。
運命という言葉はチープだが、多くの人がまた、楕円球で行われる陣取り合戦以上のドラマを見るのだろう、その相手は、4年の月日を経て再びW杯の舞台で相見える、南アフリカだ。
サカオタ増田です。
普段サッカー関連のブクマではあまり見かけない一部idの、今回の解任劇について怒り嘆くタイプのサカオタを嘲って小馬鹿にするようなブコメに反論をしたくなった。
http://b.hatena.ne.jp/entry/s/www.footballista.jp/interview/44512
増田はサカオタなので、Jリーグ欧州各国リーグやACL、CL、CWCなどのクラブチーム選手権、W杯、EURO、コパアメリカなどの国別対抗戦や、欧州の親善試合やら予選なんかも隙あらば見るくらい、雑多にアホのように、現地で、または画面越しにサッカーを見ている。特にW杯やEUROなんかの国別対抗戦は短期開催&時差で寝不足フラフラだが見る。
そんな増田が、W杯のような国別対抗戦を楽しいと感じるその最大の魅力は、「抗えない俺たちのサッカー性」への哀愁である。
スーパースターのスーパープレーや、ダークホースの快進撃や、うちの子(応援しているクラブチームから選出された代表選手)の活躍をハラハラドキドキと待ちわびたり、という楽しみは当然である。
が、1か月寝不足でフラフラ、仕事にも支障が出かねない鑑賞行動を取るのは、出場各国のそれぞれの「俺たちのサッカー」からの逃れられなさに、しみじみと浸るのが本当に楽しいからだ。
サッカーにあまり興味がない方の中にはひょっとしたら驚く人もいるかもしれないが、今年のロシアワールドカップには、イタリアとオランダは出場できない。どちらもサッカー強豪国である。
イタリアはW杯優勝歴4回でドイツと並んで優勝回数歴代2位、オランダは優勝こそしたことはないが決勝や準決勝の常連の強豪国である、が、彼らは欧州予選で負けた。
世代交代に失敗したということもある、イタリアについては自国リーグが汚職やらなんやらでスッカスカのぼろぼろになったこともある。欧州予選がとてもしんどいという大前提もある。
イタリア、オランダ、どちらの国も、激しく「俺たちのサッカー」な国である。
イタリアサッカーは緻密な戦略に基づいた堅い堅い守備が特徴、オランダサッカーといえば華麗なパス回しとサイドアタッカーによる全方位性・攻めダルマサッカーである。これはもう、増田が子供のころの何十年も昔からずっとそうである。イタリア代表も、攻撃的にならなきゃだめなんじゃなかろうかと変化しようとした時期もあったが、結局上手くいかずW杯予選に敗退した。オランダ代表が守備を見直そうとした感じは伝わってこなかったがw(その辺もオランダらしくて大変カワイイが)、偉大なるロッベン、ファンペルシの後の世代交代もイマイチで予選に沈んだ。
増田が観察している限りでは、彼らは、変わりたくても変われない、捨てられない俺たちのサッカー性を抱きしめて当惑し悲しんでいるように見えた。
サッカー強豪国かつサッカーが文化になってる国(日本における野球例えや相撲慣用句と同様、サッカーが文化になっている国はサッカー例えが日常的に使用されたりする)では、むしろ「俺たちのサッカー」は、勝てない理由になるようなものでもあるのだ。
W杯本戦には出場できるが、イングランド(まるでラグビーのようなラン&放り込みサッカー。あれはあれで良いものだ)や、スペイン(世界中で流行したティキ・タカもこの数年は斜陽)も、「俺たちのサッカー」を抱えて、長い不遇の時を過ごした経験がある。
この10年ぐらいでサッカー見だした人はスペイン強くて当然と思ってっかもしれねーが、それ以前のスペインはむしろ「無敵艦隊wwwww」と笑われる、見てておもしれーけど勝てないと言われるサッカーをずっとやっていた。イングランドも、現代ではそのサッカーはもうアレでナニだと自国民からすら思われているが、ずーっと牧歌的な筋肉量がものを言うサッカーをやっている。スペインは変わる気なさそうだがイングランドは変わろうとしては失敗している。
ヨーロッパ勢だけではなく南米勢もだ。ブラジルが母国開催のW杯でやらかしたのは記憶に新しいと思う。ブラジルは強い個性でクリエイティブなプレーを見せるのが俺たち!という「俺たち観」があるが、それでは勝てないねとなりリオ五輪ではなりふり構わず「俺たち観」を引っ込めて優勝を勝ち取った。南米のもう一つの雄アルゼンチンは、歴史背景もあってイタリアに似た性格悪い系の守備が堅いサッカーである。そういえばアルゼンチンはコンスタントにW杯や南米大会で結果出してるからか、あまり「俺たち性」に対して疑義を抱いている様子がないように見えるし、「アルゼンチンのサッカーは底意地が悪い」みたいな言われ方に誇りを持っている様子すら感じられたりするときがある。実際すごい良いですよアルゼンチンのサッカーね。ほんと好き。
W杯で優勝したことある国の数は8カ国しかない。ブラジル(5)、イタリア(4)、ドイツ(西含め4)、アルゼンチン(2)、ウルグアイ(2)、イングランド、フランス、スペイン(各1)である。
ウルグアイの意外っぷりが際立つが、増田はJリーグで、フォルランが若干気の毒な状況下であっても見せてくれた素晴らしいプレーの数々を生で数度見ているので、ウルグアイやっぱすげーなと妙な納得感もある。
つい増田の好きなサッカー話に脱線してしまう、フォルランは置いておいて、たった8カ国しか優勝していないのがW杯であり、並んだ8カ国の顔ぶれの納得感がすごい。
どの国も「俺たちのサッカー」を愛し、その愛の深さ以上に俺たち性に由来する辛酸を舐めてた長い歴史もともに持っている。これが文化であって、このレベルに来てはじめて「俺たちのサッカー」なのだろうと思う。
翻って、日本は。
「俺たちのサッカー」探そうぜ!とひとつなぎの財宝を探すようなキラキラしたオールマイティのお宝だと思っていないだろうか、みなさん。
ショートパス中心、バイタル小さめに保ちながら俊敏性と組織力で相手をかき回す華麗なサッカーが、日本における「俺たちのサッカー」なのだろうか。
本当に?
思い出してほしいのだが、日本がW杯に初出場して以来、あまり多くはない勝った試合のほとんどすべてが、相手の攻撃や崩しにしつこく食らいついて、ボールをハラハラ爆弾のように皆で回しながらキープして、耐えて耐えてワンチャンでゴール、というパターンのほうが勝ち試合のパターンとしては多いのではないか。俊敏性と組織力に加えて持久力でコンタクトの弱さを補う、ど根性サッカーだろう。
自分が応援してるチームの試合って見ている時はアドレナリンが出てるし、勝とうもんならもういろんなこと忘れてしまうが、実は国際試合における日本代表の「勝ちパターン」は、ど根性サッカーである。個の選手のキープ力がない分パス回しでなんとかしのいでるのを、「俺たちのパスサッカー」と勘違いして見ている人も、実は少なくないのではと思っているのだ、増田は。
観戦してると興奮だけはあるんだよど根性サッカーって、手に汗握るシーンも増えるし。その興奮を充実に置き換えて「パスサッカー=充実」みたいに勘違いしてやしないだろうか。何のためのパスなのか、というところまでちゃんと「パスサッカー」なのだろうか。
増田は、今の日本のサッカーでスペイン代表やFCバルセロナのようなティキタカが出来ているとは全く思わない。しあと10年ぐらいでも出来ないんじゃないかと思っている。代表で見られるパス回しはどちらかと言うとハラハラ爆弾型であって能動的なパス回しからの崩しなんてさせてもらえないことのほうがほとんどだし、Jリーグを見ていても「プレッシャーがかかった中で正確なプレーができる」という日本サッカーの大きな課題はあまり克服されていないよなぁ…としみじみ感じる。これは欧州でやってる日本人選手でもなぜか代表戦になるとプレーの精度が落ちるので、こういうのが日本の「俺たちのサッカー」なら、増田にとっては納得感はすごくあるのだ。
コンタクトプレーじゃ勝てないからビクビクとパス回ししてワンチャン狙いだ!という、チマチマしたサッカーが「俺たちの日本サッカー!」と自虐的に誇るのであれば、増田も大いに賛同できる。
だが、多分だけど「俺たちのサッカーを!」と簡単に言う人たちの頭の中の俺たちのサッカーはもっと格好いい、W杯獲った時のスペインみたいなの想像してるのではないだろうか。
あと今の日本式の「俺たちのサッカー」ではW杯を獲れる日は金輪際来ないと思う。もっと先に獲るべき国がある。攻めダルマ・オランダとか。永遠の当て馬・ベルギーとか。チリやメキシコなんかも日本よりずっとW杯に近い。どころかそのうち中国あたりに抜かされても全然おかしくないと思う。
日本らしいサッカーを、オールジャパンで、という言葉は、JリーグからCL、国別対抗戦まで舐めるように消費するサカオタにとっては、虚しさと「他の強豪国ばかにすんでねーわ」という怒りである。
繰り返すが、「俺たちのサッカー」は、それを手にしたら無敵になれるようなものではなく、むしろ「逃れられない俺たち性という弱点」の裏返しでしかない。
たくさんのサッカー強豪国が、「逃れられない俺たち性」の上に、対戦相手に最大のリスペクトを払いながら相手を打ち破れる「穴」を探してつけ込める戦術を叩きこんで、それでも勝てないかもしれないのが、ワールドカップという大会なのだ。強豪国オランダは一度も優勝したことがないんだぞ。EUROで20年以上前に一回優勝したことがあるっきりだ。それでも増田はサカオタとして、オランダ代表の捨てられない俺たち性を目撃しては哀愁と感動を覚えるのだ。それがサッカーだと増田は思う。「俺たちのサッカー」がまるで希望のカードのようにありがたがることが、かなりくだらないことだと思う
あーあと、元のフットボリスタの記事は「短期決戦のW杯のチームの作り方はクラブのチームの作り方とは違う」という話がさわりの一つだと思うのだが、そのあたりについて言及しているブコメがなかったのも、君らもうちょっとこう、小柳ルミ子のように年間2000試合とは言わんけどもう少しちゃんとサッカー見てからわしらサカオタのこと馬鹿にしてほしいわと思いましたよ。
なぜ怒り嘆いているかということ自体、具体的なひとつひとつについては、下記のnoteがよくまとまっていると思ったので言及はしない。
https://note.mu/hatonosu/n/nac5433ccc430
ただ、この記事のブコメ、http://b.hatena.ne.jp/entry/s/note.mu/hatonosu/n/nac5433ccc430 の中で一つ、文句を言っておきたいブコメがある。
ハリルホジッチ監督の手腕をどの程度評価するかは、その人のサッカーの好みの問題と何を目的にしているかによってかなり幅広に分布すると思うが、100点満点の高評価だという人はいないと思う。あくの強い監督であることは有名だったし、サカオタ界隈では就任時からこれは揉めるぞーと冗談が交わされていた。ただこの時期にそんな理由で解任されるほど低評価だとは思えないということと、その理由が子供じみてばかばかしくて、未来がないから怒っているということのほうが大きい。元のnoteの記事から読み取れるかと思うのだが…、単に上げ足を取りたいのだろうか。
付け加えると、ハリルホジッチ監督をことさら低評価に喧伝していたのは、主にスポーツ新聞や老舗系サッカー雑誌のネット記事中心、要するに「旧メディア」側だということは言っておきたいのと、彼ら旧メディアのバッシングはトルシエの時のほうがむしろ激烈だったなーとか、オシムが代表監督だった時もオシム特有のけむに巻く言葉の尻を捕まえてイライラさせられる記事を垂れ流してたなーとも言っておく。もっといえば、JFAのちょうちん持ちのような記事が出来る理由は、PV乞食な側面もあるだろうが、W杯本戦や再来年の東京五輪の取材融通やメディアパスの確保量を考えた忖度はあると思う。
長々しい文章をつづっているうちに2時間が経過し、なでしこの予選も、忖度モードでオーストラリアとともに本戦進出が決まりそうである。いやーめでたい。
男子代表は俺たちのサッカーを貫くのだろうから、その俺たち性から醸される悲哀を私も楽しむことにする。もちろん応援もするが。
だからですね。外的な評価として絶対的に得意であるということと、内的な比較において相対的に得意であるということをごっちゃにされてませんかね。
例えば日本代表の常連の遠藤保仁はパスを出すのが得意な選手だが、それがイタリア代表のアンドレア・ピルロぐらいに上手いかと言うと、おそらくそうではない。ただ、例えば彼はマンマークや対人守備はJリーグでも怪しいぐらいに苦手だったり、ドリブルで持ち上がるというプレイはあまりしない中で、彼の中ではパスは得意なプレーなんだ。
レベルを変えて、高校サッカーで一昨年から俺が注目してる京都橘の中野克哉という選手がいて、彼はドリブルが非常に得意なんだけど、それが例えば日本代表に選ばれた斉藤学や世界的に有名なドリブラーのリオネル・メッシほど上手いかと言われると、決してそうではない。でも、中野くん個人で見た場合、彼はドリブルは得意なプレーなんだ。
もっと分かり易く、お前が大好きな俺の体育の成績が2だとか4だとか。体育の成績が平常3の人間でも、手を使う球技は苦手で、道具を使う球技はそれに比べればやりやすく感じ、それによって成績が上下する。それを指して、個人の中での比較の問題として、得意不得意があると言っている。
それが、平常5を取るような奴でも、競技に関して何となく「野球は得意だがサッカーは苦手だ」とか「剣道は得意だがテニスは苦手だ」とか、個人の内的な比較として、個々人のレベルに関わらず得手不得手は存在しているんだ、と言っている。
お前は常に絶対的な尺度で測って、何か一つの競技に長けた人間は万能にある程度何でもこなせる、と言っている。それは、一定のレベルではそうだろう。確かに日本代表に選ばれるようなサッカー選手で、100mに20秒もかかるような奴がいるとは思わない。
ただ、俺はある程度の運動神経があって仮に万能に何でもこなせたとしても、個人の中には比較の問題として得手不得手が存在する、と言っている。
遠藤保仁はパス出しが非常に上手い選手で、戦術(誤字のため訂正)先述の通りパスは非常に得意な選手だが、マンマークは非常に苦手としていて、ギリシャ戦でも後半たしか5回あったコーナーキックで3回は選手のマークを遂行できていなかった。遠藤は日本でも一流の選手だが、個人の内的な比較として、パス出しは得意でマークは苦手である、と言える。そのマークが苦手な遠藤でも、高校選手権に一人放り込んだらコーナーキックのマークはちゃんとやってのけるだろう。だが、遠藤個人の中で見た場合、やはりマークは苦手だと言わざるを得ない。
中野克也は高校レベルではかなり有力なドリブラーだし、彼のプレーの中ではドリブルが一番得意だということが出来る。しかし、これをいきなりドイツやスペインの1部リーグに放り込んで通用するほど得意と言えるとは考えていない。
他人の技術との比較や成績や世間の評価のような外的な基準ではなく、個人の行為の中における内的な基準として、得意不得意は常に存在し、そこには球を使うか使わないかや球の使い方のような要因が想定されても良いだろう、と言っている。