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はてなキーワード: 言い得て妙とは

2023-04-15

 はじめて触ったその子の手は、すこししめっていて、でもすごくやわらかくて、ぬるかった。でも、確かに熱を帯びていた。わたしはその時、わたしではないものが、わたしの中に入り込んでくるのを感じた。はじめての感覚。これが他者を知るということなのだろうか。甘美で、それでいて、刹那の味。乳酸飲料とは言い得て妙なのだ。そういう青春が誰にでもあって、今は誰もが忘れているだけで、ふとした瞬間に思い出して、失われた純潔に思いを馳せる。情熱を思い出す。だけど、失われたものを想起することと、失われたものを取り返すことは違う。そういうわけで、恋と結婚が生まれるのだ。前者には美しさと儚さがあり、後者には信頼と恐怖がある。どちらが優れているとかいないではなくて、単に両者は全く異なっているだけである

 たとえばもし、この星に夜がなかったとしたならば、人間は死に絶えていただろう。陰鬱人間は、夜無くして生きられない。健康人間もまた、夜無くして生きられない。眠れないかである。その上で、私は、夜がもっとも嫌いなのだ。だが、そういう夜もまた、あっていいと思う。

 はじめて触ったその子の手は、すこししめっていて、でもすごくやわらかくて、ぬるかった。でも、確かに熱を帯びていた。わたしはその時、わたしではないものが、わたしの中に入り込んでくるのを感じた。はじめての感覚。これが他者を知るということなのだろうか。甘美で、それでいて、刹那の味。乳酸飲料とは言い得て妙なのだ。そういう青春が誰にでもあって、今は誰もが忘れているだけで、ふとした瞬間に思い出して、失われた純潔に思いを馳せる。情熱を思い出す。だけど、失われたものを想起することと、失われたものを取り返すことは違う。そういうわけで、恋と結婚が生まれるのだ。前者には美しさと儚さがあり、後者には信頼と恐怖がある。どちらが優れているとかいないではなくて、単に両者は全く異なっているだけである

 たとえばもし、この星に夜がなかったとしたならば、人間は死に絶えていただろう。陰鬱人間は、夜無くして生きられない。健康人間もまた、夜無くして生きられない。眠れないかである。その上で、私は、夜がもっとも嫌いなのだ。だが、そういう夜もまた、あっていいと思う。

2023-03-03

anond:20230303102254

言い得て妙だな

かに国民感情的には子供なんて非効率ものに構う余裕が無いんだろう

それまでは特別意識しなくとも子供なんてのは勝手に生まれて育っていくと思っていたけど、社会が育てないとと意識しだしたら途端に面倒くさくなったんだろうね

建前では子供のためってあるけどその根底子育てに対するネガティブ義務感が漂っている

2023-02-26

はてブ陰湿風習が残る田舎ネット版なんじゃね?

今回のヨッピーの件もだけど、はてブ問題視する人は一方的ブコメをつけて回る非対称性が原因じゃないかって言う人が結構いる。

でも問題本質はそこじゃないんじゃね? って気がすんのよ。

だってさー、俺も含めてはてブ使ってる人間なんてSNSなどの他のサービスに比べたらものすごく少ないじゃん。

初期アイコンでも何回か書き込んだら名前覚えられたりするくらいには、ブコメつけるのいつものメンツなんだよね。

一昔前にはてな村って言い方が定着してたでしょ。

漫画書いてた人も居たし。

はてな村ってのは本当に言い得て妙だったと思うんだ。

書き込むのはほとんど同じ人達で、言い争うのさえ毎回同じ様なメンツ

異なる価値観流入してくる機会が少ないから、自分と似たような価値観ばかりに触れて考え方が凝り固まっていく。

凝り固まった価値観を持つ様になるから、たまに自分と違う価値観に触れるとやたら攻撃的になって自分達の視界から排除しようとする。

TwitterなどのSNS自分からブロックミュートで閉鎖的な環境を作りがちなのが問題視されるけど、はてブ場合は元から利用者が少ないか勝手に閉鎖的な環境になってる。

自分からブロックしたりミュートしないと閉鎖的にならない環境よりも、人が少ないせいで何もしなくても閉鎖的な環境の方が凝り固まった価値観が生まれやすいと思うんだ。

田舎の寂れた村はまず地理的要因で人が来なくなって閉鎖的になっていくし、カルト宗教マルチ商法などはカモにしたい相手孤立させて閉鎖的な環境に取り込もうとする。

はてブそもそも利用者が少ないサービスから閉鎖的な環境にどんどんなっていく。

ブコメをつけられた人が反撃しやすい仕組みも価値観流入を促す仕組みではあるけど、わざわざ攻撃的な事に限定しなくてもいいと思う。

大事なのは異なる価値観の持ち主と交流する機会を増やす事で、必要なのは交流を促す仕組みだと思うんだ。

個人的にはブコメ文字数制限を30文字くらいにする事が有効なんじゃないかと思ってる。

100文字もあると結構言いたい事言えちゃうから、そこで完結しちゃってSNSブログなど他のサービスを使わなくなっちゃってる面があると思うんよ。

ブコメだけで完結させずに色んなサービスを利用してもらって、その過程交流の機会を増やす事が重要なんじゃないかなぁと思ってる。

2023-02-19

理解のある彼くんを解放したい

躁鬱10選手アラサー女。付き合って3年になる彼氏がいる。どこに出しても恥ずかしくない「理解のある彼くん」。

彼を私から解放したい。

理解のある彼くん」という概念が名付けられた時、ああついにきた、と思った。

ネットの語彙って残酷本質を突いて立ち現れるよね。こどおじとか片親パンとか和室界隈とか。

からこの、「欠陥だらけの女になぜか彼氏ができてしま現象彼氏になってしまう優しい被搾取者の男性たち」にもいつかは名前がつくんだろうと思っていた。

理解のある」っていう語彙、本当に言い得て妙いらすとやみたいなファンシーな絵の載った「うつは誰でもかかる病気」「まずは相談してみて」的文句の書かれたパンフレットみたいな、許容と慰めと綺麗事それからその裏にある哀れみや見下しの目線を含んだ婉曲語の極地だとおもう。

少し自分語りをする。

私は中学時代から立派な陰キャ典型的オタク女、スクールカースト底辺を這いずる喪女だった。大学からはそれに精神疾患が加わった。

躁鬱の中でも2型という、躁があんまりなくて鬱とノーマルモードを繰り返すような病気。一生治らないから、ありがたく手帳を賜った。

彼とはマイノリティの集いみたいな、生きづらい奴集合的な、よくあるネットイベント出会った。

今考えれば彼のどこが該当者だったのかわからない。その集いはコンセプトがコンセプトだったから、みんなお互い事情があるんだな、何かしらの脛傷持ちなんだろうなって暗黙の了解の元で、病名やら経歴やらには深く突っ込まずに、でもここにいるのはどこかしら同類なんだなって安心感の元で仲良くなった。だから付き合おうって言われた時も、いずれこの彼くんも精神疾患発達障害セクマイ虐待歴か、そんなことあたりを告白してくるんだろうなと思って、ある意味安心して自分病気ゲロった。

それが、付き合ってみたら違った。

彼は精神疾患発達障害セクマイ虐待歴も何にもない健常者だった。国立大卒で、定職についていて、オタク的な公言するに憚られる趣味もなく、身長は170後半あり、顔だって贔屓目抜きで悪くない。

唯一、典型的理解のある彼くん」らしくメガネをかけてはいる。だけどマジでそれくらい。

こんな男が私と付き合っていていいはずがない。

再三言うが私はオタク喪女で、顔は言うに及ばず。薬飲んで暴食したせいで体重は60キロある。仕事休職を繰り返している。実家は太くないしお金は全部割り勘。料理ほとんどしないし掃除洗濯だって最低限しかできない。

さら性的トラウマ(笑)のせいで初めてそういう雰囲気になった時彼を突き飛ばししまい、以来身体関係はもてていない。処女が腐っている。

どう考えてもおかしいんだよ。

まともに考えて彼には私と付き合うメリットがない。

毎日毎日、私は彼の貴重な時間を奪っている、もっと素敵な女性と付き合って幸せになれるはずの彼の人生搾取している、そんな罪悪感で辛い。

私が知らないだけで、彼にはこんな女が魅力的に見えてしまう、逆ダメンズウォーカー的な心の歪みとか悲惨過去があるんだろうか?一体どうやったら「理解のある彼くん」の目は醒まさせられる?別れよう、って言うべきなんだよな?どうやったら傷つけずに彼を私から解放できる?

誰か教えて欲しい。

2023-02-13

anond:20230213231231

目がイっちゃってる人は俺も前から思ってたけど

フリーター言い得て妙

かにそうとしか言いようがないわ

2023-02-05

anond:20230204185559

洗脳と言われれば、そうかもしれない

現職の親会社は、カテゴリ的には中小企業だけど、地元ではそれなりに名の知れた企業なんよ。子会社を全部集めると従業員数は数千人になる。
経営者は常に地元雇用を作る為に会社をやっていると公言していて、地元の名士みたいになってる。
歴史も深くて、プライベートカンパニーとして安定しているって言われている。
からここに就職できたら安定だ、安心だと地元ではずっと言われている会社だった。


から見ると親会社本体子会社区別はなくて同一視される。
「○○会社の人」って言われて、そこに勤めているというと「いいなーうらやましい」って言われる所があった。
新卒就職するとき専門学校から推薦で入社が決まった。教師からも「こんないい所から内々定が出たんだから他の就職活動はやめろ。絶対に行け」って言われた。
正直他に行ってみたい会社とか、話を聞いてみたいところとかあったんだけど、全部キャンセルすることに。
ろくに就職活動せずに、他の会社とは比べずに、とにかく良い会社なんだろうと考えて入社した。


よい会社に入ったって周りから評価されるし、親兄弟もそういう評価だった。
家族には介護必要なのがいるから、家を出るって選択肢は端っから無くて。(それ自体は全く違和感はない。家族のことは好きだ)

そして仕事上でも、普段接する親会社社員の人はそれなりに頼りにしてくれるので、俺がいなきゃ駄目なんだって気分になっていた。
けど、確かに、これはなんか洗脳の類いである気はする。



じゃあ、何故転職しようと思ったかというと、コロナ禍になったからなんだよ。


コロナ前も、俺はそもそも技術が無いしコミュ障から、常に勉強してないと捨てられそうで不安で。
あちこち勉強会なんかに行ってた。メーカ講習会とかは会社相談しても「予算がないからごめん」って上司に言われれば予算はない。
後は自分お金をだすしかなくて、参加費が安い草の根的な活動に参加していた。
でもそうなるとと宿泊はできないから、いつも勉強会本会には出るものの、慰労会や交流会には出ずにとんぼ返りしてた。回数もそんなに何回も出る事はできなかった。

さらに、仕事は増える一方で、効率化してもそれを上回るレベルで忙しくなってきて勉強する時間も気力も無くなってきて、親も年取ってきて、介護では俺がやらなきゃいけないことはどんどん増えていって。
休日時間がないから外に出て行けない。そんな感じになってた。

それがコロナ禍になってそれらがみんなオンラインになったのよ。
交通費がいらなくなった。元々草の根勉強会やら非営利学会みたいな奴だったから参加費は安い。、
自宅でいくらでも勉強会に出られるようになった。家族を見ながらでも参加できたし、慰労会もオンライン飲み会化されて。
勉強会に出てくるのに、絶対に慰労会には参加しない謎の人扱いされていたのもここで知った。
ブレイクアウトルームで親しく話をするようになった人とかいて。それで、段々と今の環境違和感を覚えるようになって来てた。

そうこうしているうちに、普段コミュニケーションはLinkdInでやってると言う事も知って、そっちで交流するようになった。そして、勉強会の幹事をやってくれって言われて、オンラインで全部完結できるからと引き受けたり、企画も手伝ったりした。

増田言葉を借りると、洗脳が溶け始めたというか。
でも、決定的だったのはここからで。

親会社からLinkdInの俺のアカウント掲載内容を問題視するような声が出てきた。全公開にはしてなかったんだけど、どっかで見れたらしい。
会社規定で社名などは公開してなかったし、仕事の内容は一切載せてなかったのだけれど、技術の話や話題は色々と載せていた。
更に勉強会の幹事に関連する情報は載せていた。それが、問題だというのだ。曰く、仕事で身につけた技術の話を外でするんじゃないと。

かにそうかもしれない、と思って素直に従って全部クローズしたんだけど、勉強会の幹事は続けていた。が、後にそれすらも駄目だと言われて、会社NGになったと別の人に頼んで変わってもらったところで。


普通会社は、自社社員自主的勉強会への参加をNGを出すなんてことは有り得ないし、そんな事をする権利はないはずだと言われる。


ここからなんか強烈に違和感がわいてきた。そこから、色々と調べたり、本を読んだりして、転職ちゃんと考えるべきかもしれないと思うようになった。

洗脳と言われれば、そうかもしれない言い得て妙だね。ナイス増田!!!
……寝るわ。ありがとう

2022-12-21

anond:20221221122244

アノンとは言い得て妙ですね

Colaboと連帯する人達も、そういうネーミングないものかね?

2022-12-14

anond:20221214114450

ああ、学級会は言い得て妙だな

はてなじゃ批判されがちな学級会だけど、結局みんな学級会が大好きなんだよ

2022-12-10

魂の殺人言い得て妙

萎縮から再生の有無とか正直現状の効果では些細な話で

無理矢理射たれた人に一生投げ捨てられない荷物を抱えさせることには何ら変わりない。

今は医療技術は発達してますよってのは「絶望しないでください」ってニュアンスしか言えないはずで

「治せるから被害は大したものじゃない」というニュアンスで言ったら外道

2022-11-13

コンカフェ推し卒業した話

この世にありふれている悲劇とわかっている出来事でも、いざ自分の身に降りかかると気持ちの整理に時間がかかるもので。

先日、自分推していたコンカフェキャスト卒業した。コンカフェというものに初めて訪れて、初対面で気に入ったキャストだったので、今後その娘以上に特別存在は現れないだろうと思えるほど、素敵なキャストだった。自分にとってのコンカフェとは、その娘のいる空間のことだった。

喪失の悲しみと向き合うために、今の自分感情を整理する必要があると思い、コンカフェに通う中であった悲喜交々文章としてアウトプットすることにした。取るにたらないオタクの身辺雑記しかないが、今コンカフェ推しがいるヒト、推し卒業が迫っているヒトにとっての一つの導になれば良いなと思う。

通っていた期間は一年と少し

元々コンカフェというものに興味があって、職場の同僚と飲んだ後に、「一度寄ってみたいんだ」と誘い、とりあえず最寄りの評価が高そうな店を訪れたのがきっかけだった。前提知識がない状態入店し、そこでたくさんお話をしてくれたのが推しだった。

推しの魅力はなんといっても人間離れした美しい顔立ちとプロポーション、そしてコンカフェ嬢らしからぬ素朴さにあるのだが、これは万の言葉を尽くしても伝え切れるものではないので置いておく。

推し出会ってから卒業までの1年と数ヶ月、ほとんど欠かすことなく通い続け、多い時では週に4〜5回行っていたこともあった。店が帰路の途上にあるのでアクセスが良く、推しの出勤日は帰宅時に必ず寄るようにしていた。

仕事の疲れや日々の嫌気は、推しと接することで解消され、明日への活力になった。推し出会ってから仕事パフォーマンスも向上した実感がある。職場でも、コンカフェに通っていてこんなに可愛い推しがいるんだと喧伝していたので、良いイジられのネタにもなって、コミュニケーション活性化した。「今日推しの出勤日なので」といえば、残業も切り上げられ、飲みに誘われることもなかった。コンカフェに通っている間は、私生活にも良い影響が多分に出ていて、「推し精神安定剤」とはよく言ったものだと実感した。

それくらい、自分日常の中に推しは溶け込み、なくてはならない存在になっていた。一年という期間は、推し活としては恐らく長いものではないのだろうが、ヒト一人の生活を変えるには充分な期間といえる。

推しのおかげで、自分人生は間違いなく好転した。そのことについては、ただただ感謝したい。

全通オタクジレンマ

ここからは少し愚痴っぽい話になる。推しは素晴らしいという前提は当然のものとして、コンカフェというシステム上、どうしてもつきまとう歯痒さというものがあって、これはいくらか共感を得られるのではなかろうかと思っている。

前述の通り、自分推しの出勤日には必ず店に行くようにしていて、所謂全通オタク状態だった。滞在時間も大体2時間程度で、顔出しだけして帰るということは極力ないようにしていた。それは推しへの目配せとかではなく、単純に自分が少しでも長く多く、推しを見ていたかっただけだから必然そうなってしまったのだ。

自分の知る限り、他に全通している推しオタクはいなかったように思う。他のキャストからも「推しちゃんのお客さんと言えば貴方ですよね」という話をされて、嬉しかった記憶がある。店自体が、あまり単価の安いところではないので、足繁く通うことにたしか抵抗はあったのだが、それを差し置いてでも通いたくなるほど、推しは魅力的だった。

しかし、会う頻度が高いほど、話す時間が長いほど、注ぎ込む金額が多いほど、推しの中での自分存在希釈されていく。これが避けようのないジレンマだった。

毎日顔を見る人間と、月に一度しか会わない人間、どちらとの時間を優先するかと言われると、それは後者だろう。1ヶ月ぶりにコンカフェに行ったのに、常連ばかりを相手にして自分放置となれば、店や推しに愛想を尽かされてしまう。なので、毎日居て、いつでも話ができる自分のような存在はどうしても後回しになってしまう。

推しは客に対して非常にフラットな接し方をするタイプで、誰か一人を贔屓することはなかった。自分に会いに来る客は皆等しく対応し、新規の客にも積極的アプローチしていた。これは自分が都合のいい解釈をしているだけで、ただ単に相手をするのが厄介だから干されていたという可能性も決してなくはないのだが、それを想定するのはあまりにも辛いので、見えないふりをしておく。

ともかく、通えば通うほど推しからの優先度が上がるというわけでもないので、実のところ、金額に対する満足感というのは求めるべくもなかった。他に全く客がいない、あるいは他キャスト担当しかいない状況であれば、推しと長く話すことはできたが、そうでない場合は、推し自分のところにいてくれた時間というのは、決して長くはなかった。

それを不満と思うのであれば、コンカフェという、キャストにある程度接客裁量が委ねられている業態の店に行くべきではないので、不満ではないのだという自己欺瞞は絶やさずにいた。

言い得て妙な話だが、キャバクラガールズバーお金を払って女性チヤホヤされに行くところだが、コンカフェお金を払って女の子チヤホヤしに行くところなのだ。そこに気付くと、自分立場俯瞰できる。そういう業態の店をわざわざ選んで行っているのだから、甘んじて受け入れるべきだ。そう自身に言い聞かせることで、ジレンマと向き合っていた。

そんな、迂遠理屈を介してでも行きたくなるほどに、推しは魅力的だったのだ。

最終日の寂寥

推しの出勤最終日は、生誕と卒業を併せたイベントとなった。

推し学生なので、学業及び就職活動に専念するために卒業する、というのが名目だ。

最終日、自分オープンから店前に待機し、一番乗りで入店し、ラストまでの8時間店に居続けた。

店で最高額のシャンパン推しのオリシャンを一本ずつ入れ、フラワースタンド発注し、細やかな誕生日プレゼントを渡し、物販のグッズは全て買い占め、ランダムアイテムも全てゲットした。結果的冬のボーナスを全て注ぎ込んでも足りない程の会計となったが、最後花火なので、後悔はない。

シャンパンを開ける時も、フラワースタンド搬入された時も、推しは喜んでくれた。推しのコンカフェ人生集大成に、多少の花が添えられたなら、これに勝る喜びない。

しかし、それでもなおどうしても、ジレンマが鎌首をもたげる。

最終日の8時間の内、推しと会話ができた時間はおそらく30分にも満たなかった。対面で5分以上連続で話したタイミングは一度もなかった。

推しほどのポテンシャルがあるキャストの生誕卒なので、当然ながら店は盛況を極めた。推しは絶えず各席を回り、オタク達に別れを告げ、思い出話に花を咲かせ、これから人生展望を語っていた。

それを横目で追いながら、机上に増えていくグッズを眺めることしかできなかったことが、とても寂しかった。

ほんの10分程度でも積もり積もった思い出を語らう時間があれば、この寂しさを覚えることはなかっただろう、ということはきっとなく、ヒトの欲に際限はないので、10分あったならばもう5分、さらに5分と、より長い語らいを求めていただろう。なので、この寂しさは決して埋まることはなかったのだ。最終日を迎える時点で、抱えるべくして抱えた当然の帰結だった。

ただ、しかしただ、ほんの少しでも、この一年と少しの期間の思い出が報われる時間が欲しかったと思うのは、贅沢なのだろうか。推しのために誰よりもお金を使った。自分は高給取りではないので、決して平然と出せる金額ではなかった。当日も、誰よりもイベントを盛り上げるべく尽力したつもりだって。誰よりも推しと長い時間を過ごしてきた。そんな自分が、多少でも特別扱いを求めるのは、傲慢だったのか。

推しのオリシャンは、閉店1時間前に急遽下ろしたものだった。店長には「せめて、推しのコンカフェ人生最後のポンは、自分にさせて欲しい」と頼んだ。自分のオリシャンが空いた数分後に、別卓でも軽快な破裂音が鳴っていた。自分は、横に座っていた会社の同僚の肩を叩きながら、腹を抱えて笑った。周りにいたキャストが引き気味に目線を寄越すくらいには、大声で笑った。おかしくて仕方がなかった。

その後、店長が気を遣ってか、「一番最後に退店してもらうので、席に残っててください」と声をかけてくれた。

自分と、会社の同僚と、地元の友人の3人で店を出る間際、もうここしかタイミングがないと思い、「少しだけ語らせてほしい」と推しに声をかけた。とにかく何かしら思い出を語ろうと思ったが、酔いが回っていて、うまく言葉が出てこなかった。ヘラヘラ笑いながら「これからも頑張ってね」的なニュアンスを伝えた気がする。みっともない限りだった。

それで、終了だった。

勘違いオタクの滑稽な末路

こうして文章にしてみて、自分は結局最終日に構ってもらえなかったことが悔しかったという、それだけが言いたかったのだと気付いた。

お金時間を費やせばそれだけ推しにとって特別存在になれるのだと勘違いしていたその結果の醜態だった。

当然、そんなわけはない。コンカフェとは、支払った分の見返りを求めて通うところではないのだと、自分最後の日まで気付くことが出来なかった。理屈としてはわかっているつもりだったが、その日まで実感を得ることができなかった。

あるいは自分もっと、ヒトとして魅力があって、喋りも達者で、推しを楽しませることができる人間だったら結末は違っていたのだろうかと、詮無いことを考えてしまう。ただ座って会話もままならない状態で金だけ注ぎ込んでいたら、それは養分になって当然だ。

自分の非を治そうともせず、そんなところで延々愚痴を垂れ流すことしかできない下らない人間なのだから、相応の結果だったのだろう。

推しが居ない生活に戻って、自分はこれからどうなるのか、今はまだよくわからない。

願わくば推しの今後の人生で、ほんの一瞬でも自分のことを思い出す時間があれば良いなと思う。それが少しでも良い思い出としてだったなら、多少は報われるだろうかと思う。

やまない雨はないとかいってるけど

今その雨をしのげる傘をくれよ

とは言い得て妙

2022-11-12

anond:20221112000501

ありがとうカツアゲ言い得て妙だな

アメ玉とかチロルチョコなんて本当に要らないわ

そんなものでも繰り返し「贈呈」されてしまうと辟易するのは分かる

大抵の人は何も考えず反射でありがとうって言うしそれに対して内省なんかしないだろうから増田はまあ細やかな神経の持ち主なんだろうと思う

2022-10-19

美的センスカスのお前につまんねえ絵大量生産させられるAI可哀想

AIでここまで描ける!」っていう新鮮な驚きが薄れた今、絵に限らず元から創造する側だった人たちは面白い活用の仕方を編み出している。

対して消費しかしてこなかったくせに自己顕示欲だけいっちょ前の奴らは、似たような構図の頬を赤らめた美少女絵をせっせと量産し続けている。

後者みたいな奴らに限ってAI画材と口にするが、まあ言い得て妙だとも思う。どんないい画材使ったって独創性センスの無さはごまかせないもんな。

ところでお前の上げた水着絵、顔と体の塗りの法則が違いすぎてグラビア雑誌袋とじコラージュみたいなことになってんぞ。せめて審美眼くらい磨いてみたらどうだ。

2022-10-17

anond:20221017110500

実際はコップに水がうっすら溜まっていって、何かのきっかけであふれちゃう感じ。

まさに言い得て妙だと思います

2022-10-16

ボッチザ・ロックをうっかりロック・ザ・ボッチって言って

なかなか言い得て妙だなって思った。

一人ロック

一匹狼。

ロンリーウルフ

2022-09-22

若者が困ればフェミニスト屋が儲かる」

最近出来たことわざ(揶揄?)らしいんだけど、確かに言い得て妙


産業という、学歴社会経験などが色々不足している若者でも大金を稼げる仕事を奪い

福祉()やAV女優お助け爺さんに繋げて、フェミニストが儲ける。


若者が好む、アニメ漫画を燃やして潰す事で、活動実績を重ねていったフェミニストは有名になり儲かる案件に繋がれる。


困った若者がいれば、福祉(搾取)に繋げる事で、フェミニストが直接儲かる。


勿論若者の中に男性は含まれない。

若者女性搾取され、若者男性未来を潰されて、フェミニストけが儲かる……


若者の敵はフェミニストなのだろう。

2022-09-19

下山家で思い出したのだけど

天然であれ意識高い系の怖いところはそこだったんだよなと思い出した

自己啓発セミナーみたいな怖さもあるけど

どっちも、最初はいい話みたいなはずだったのに、いつの間にか狂気にすり替わってる

でも、みんな止めない、

止めるどころか応援してる、本人しにそうなのに

熱狂が生み出す狂気

人間社会バグだと思う

リアリティーショーというのは言い得て妙

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