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はてなキーワード: 古文書とは

2015-12-06

ちょっとから変体仮名とかくずし字勉強してるんだけど

全然読めねー

昔の人よく読めてたなこんなん

これで識字率が高いのまじですごいわ

いちおう公式なやつとか江戸の一般向けの百人一首とかは

比較的簡単らしくまあまあ読めるようになったけど

さらに古く個人的古文書は全く駄目だ

もっと丁寧に書けやって

イラつかなかったのかね

2015-09-16

http://anond.hatelabo.jp/20150916093426

「昔のオタクってこういう生態だったんだなぁ」と古文書を読み解くように楽しめばよい。

2015-09-15

ラノベとか大好きじゃないですか。

今、皆ラノベについて語ってるんでしょ?

ほら、そうなっちゃうと僕も一家言あるって言うか、血管にラノベが流れてる人間として言っておかないとってさ。

僕ぐらいのラノベオタになっちゃうと、もう息を吸うようにラノベを読んでる。

当然涼宮ハルヒも五巻くらいまでは読んだし、龍盤七朝ケルベロスも読んだ。大久保町シリーズも読んだし、銀英伝も読んだ。

あとは、皇国の守護者も読んで、餓狼伝も読んでる。トーキョーウォーも。

西尾維新? 当然抑えてるよ。刀語外伝読んだ。

あとバスタードノベライズも読んだ。冬の巨人も、ケイオスヘキサ三部作も読んださ。

僕くらいの剛の者にとっては、最近ラノベ、いいと思うよ。

より多くの人が文学を好きになればいいね

冗談はさておき、読書はいろんな物につながるから、まあ普段からできるだけ鍛えておけば、魔法書の解読成功率が上がって魔法ストックを得やすくなるし、古文書収集やすくなって、魔法使いギルドにも入りやすくなる。

四次元ポケットとか、使えれば便利なんだろうけど、いつになれば読めるようになるんだろう。

2015-06-25

メンタルいわし病気になって休職復職→転属

療養半分みたいな体で初めてやる仕事に放り込まれて、職場環境は少人数になって快適になったけど、

新しい仕事は頭に入れてないと話にならないことが多すぎるのに、自分が生まれた頃に作られた資料しかなくて、知らない言葉表現だらけで資料読むのも一苦労。

古文書は仕方ないにしても現在の作業手順すらもロクに資料にまとまってない状況で、なんかもう俺の頭ではとてもじゃないけどすぐには対応できないんだけど、

上司から教育係の先輩ともども一ヵ月も経つのにまだできないのかって怒られる。(無理)

そうこうする内に早々に作業が振られ始めたから、先輩に教えてもらいながらまだ理解が足りてないことを理解する時間もないまま、

とりあえず不完全な知識で目の前の問題を無理やり考えたり、やっぱり無理なので調べたり覚えたり理解したりしないといけないからてんてこ舞いになって、

その途中で古文書表現曖昧な部分を先輩に聞いたら先輩も詳細は知らないとか言うのでその実態解明タスク割り込みで追加されて、

当初の目標達成に必要な作業がどんどん増えていって、当然当初の締切には間に合いそうもなくて、

作業が当初の見込みより増殖してるからスケジュール引き直したいんだけどリスケジュールどころか上司からはどやされて、

なんとか間に合わせようと日付変わるまで仕事して、案の定翌日熱出して休んで、有給がもうないから欠勤になって、

なんで土日出て来ないの?ってシレっと言ってくる上司宇宙人しか見えなくて、なんかむしろ休職前より勤務時間長くなってることに気付いて。

あー、もう辞めるしかないのかなー……会社結構好きだったんだけどなー……。

2015-06-20

http://anond.hatelabo.jp/20150620185006

それが病だとしたら人類共通の症例だよ。

どこにでも昔を、そして社会体制のせいで失ったしまった物を懐かしむ者は多い。

大量の餓死者を出した旧共産圏にさえいる。

古代古文書にも書かれている。

対して、社会変革おかげで得た物は実力と言うことに脳内で置き換えられてヨカッタという人は少ない。

政治家というのは、特に看板の人は文句ばかり言われるものさ。

2015-01-07

はてな村内輪ネタは端から見ていても楽しいです

ブクマ自分ブログもほぼ書かないロム専で(IDは1年前ここに愚痴を書いてみたくて取った)うっすらとしかこの界隈のことを知らないのですがだんだん理解してくるとすごく楽しいなと思う。

この内輪の感じ 謎の中毒性で、素人が簡単に楽しいというのはいけないことのような気がするのですが、あの人が言及していたのはこれか、みたいなのが分かったときに謎の快感が湧き出てしまい。

古文書解読とはこういう気分なのか。

 

 

以下ファンレターみたいなの

アジ先生

ちょうど腐女子デビューした時に801ちゃん1巻が出て小ネタとかあるあるが面白くて、以来ずっと単行本を買っている。

ので801ちゃんの人という認識だったのにその前にはてな村の人だと知ったときは驚いた。はてな村奇譚もそれ以外も楽しみにしています

余談ですが先日のコミケで生801ちゃんさんにあえたのに染垣ロスのその気持ち本当に分かりますしか言えなかった……本当はもっと長年のファンとしての想いを……???

ブギーポップ私も好きというかすごく思い入れが強いのでこれから小ネタのしみにしています

hagexさん

hagexさんもTwitterおたくトラブル記事が回ってきて行き着いてしまった……。

ブログ記事を遡って一夜を明かすなんて初めてでした。hagex脳こわい。

いつも楽しく拝見しています。以前、デザフェスでちらっと拝見したのですがイケメンでした。

・topisyuさん

hagexブログを見ていたらいつのまにか。お二人のコラボ?の時は読者としてはとても面白かったです。

いつかのためにと思い育児関連や嫁姑問題についての記事を読みイメトレしてるけどよくない気がする。

つかこんなお母さんになりたい。

 

奇譚おもしろいです、というだけの話。

2014-04-17

エセモラリストもの主張する神観

彼らにとって神はどうやら目に見えないもののようだ

世界の裏側、あるいは天国のような異世界にいて彼らを見守ってるらしい

現実のある地点には神はいて、かつ同時に複数の地点に存在する

拝むとその神が持つ現実に起こる事象に介入する力によって、彼らに都合のいい現実をもたらしてくれるんだそうだ

あるいは現実のある事象を司ってて神様がその気をなくすと事象のものが起こらなくなる

神にも色々いるが、とりあえず天照大神は日の光の神様

この神様太陽のものから岩屋にこもったら核融合が起きなくなる

まぁ少なくとも太陽が生まれてからこっちずっと我々を照らし続けていかしてくれるわけ

さて、ぼくの同僚は結構人を見下す

神の庭で働いてるにもかかわらずね

差別もする

特に中国人韓国人

と金権威が大好き

彼らが参拝者にさんざん説いて聴かせる天照大神の御神徳は選びはしないのにね

神に仕えて、神の意志を代弁するような物言いをするけど

なにも考えてないね

嘯いて、騙っているだけだね

彼らには神の声は聞こえてないし、見えるのは誰が書いたかわからん古文書だけ

彼らの言い分だと神は尊い恵みを与えてくれて、自分らは神に仕えてるらしいけど、

ただの穀潰し、恵みは貪り楽はしたいけど尊敬してほしい

プライドは守ってほしいから、他人をこけ落として優越感に浸りたい

口を開いた瞬間論理破綻する

神の庭で働くなら人を大事しろ

神はどんな罪人でも生かす

2013-08-25

野崎まど『know』論・前編——知ルはいかにしてブッダとなったか

野崎まど『know』を読んだ。早川SFクラスタでやたらと評判がよいのでいつか読もうと思いつつも、過去に同氏の作品を拝見した中生まれていたわだかまりと作品の底のようなもの邪魔をしていたのだが、ここにようやく機会を得たので所感をはき出しておこうと思う。

本作のジャンルは?

一言でまとめると、『know』という作品はSF的/ライトノベル想像力によって描かれた『ブッダである。つまり〝知ル〟という名の少女が正覚を得るまでの生涯およびその後の万人救済を、それに連れ添ったものの手で描いた物語の体裁を採っている。宗派技術過激派大乗仏教といったところ。福音書と呼んでもよいのだが、本書に織り込まれた示唆エピグラフクライマックス創世記引用であることなど)に反して作中で知ルらが辿った道は真言宗のそれに近いように思えたため本稿ではそちらの用語を採用する。

こう考えると『know』というタイトルも知ルという少女を指すとも解釈できる。だが最もわかりやすいのは目次に並ぶ章題だろう。〝birth〟から〝death〟までまさしく一生が記されている。

物語を振り返る

さて本作の舞台は2081年の京都情報材と電子葉という未知のテクノロジーによって情報空間現実と思考との直結を果たした世界である。一方で情報へのアクセス保護格差法律で規定されるまでに進む。そんな中、語り手を務めるのは作中トップクラス情報エリートである

〝birth〟の章では全知を定められた十四歳の少女・知ルとの出会いとともに、社会革新の原動力となった研究、そして彼女誕生が描かれる。ちなみにこの配置のために作者は作劇上結構な力業を用いている。またここではもうひとりのクラス9・問ウも登場している。彼の姓であるアリステラというのは「最上級」を意味する名前。位置づけがわかりやすい。ただ女性なのは気にかかるが……。

〝child〟では神護寺を訪ねて高僧と悟りについて問答する。ここで択ばれた真言密教とは即身成仏を極意とし、また教えを秘する——つまりオープンの逆をゆく——ことを是とする仏教の一宗派であり、つまりは作品の主題と密接に関わる教義を掲げている。物語構成上から初日にふさわしいといえよう。

〝adult〟では京都御所に匿われた古文書を通じてイザナミイザナギの二柱の行いから生きたまま黄泉路を往く手段を学び取る。これで境界を越える準備は万端、残るは実践のみである

〝aged〟において知ルは当初の目論見通り入定を果たす。その前夜、主人公と知ルは〝知恵の実をかじる〟と称して情報交換における無上の行為に達する。つまりセックスをする。

〝death〟では知ルの死後の肉体と、彼女の還りを信じる主人公の姿が描かれる。この情景は高野山奥の院空海が今でも生存しているという伝説を想起させる。

物語の外側へ

そしてエピローグでは生還した知ルによる革新が成った社会が語られ、物語は終わる。

——わけだが、この小説価値はなんと言っても計算されたフィニッシング・ストローク最後の一撃)だ。

作中では真理に至るための方法を量子葉によって脳を育て、高密度の思考による情報ブラックホール化を行うことだと説明しているが、これはあらゆる意味で知ルを育てた天才技術者の言うように「我々では無理」なのだ。彼の生誕は2014年であり、刊行年の一年先に設定されていることに留意したい。アーサー・C・クラークの名作『幼年期の終わり』は年少の読者に対して希望を残したが、この作者の意地の悪さはそれさえ許さない。

しかも知ルが死後の世界で目にし、人々に広めたものが何であるかは一切語られることなく物語は終わる。

この物語が抱える問題意識情報格差である。作者はそれを人類間のレベルから、全知の存在たる神との格差へと推し進めた。だからすべての人が全知となった瞬間、格差は消滅し、万人救済が果たされることになる。しかしそれはあくまで作品世界内の話にすぎない。読者はその外にいる。その格差を肌で感じた瞬間、初めて読者は揺さぶられ、知ることへの欲求を呼び覚まされる——格差を埋めたいという渇望によって。ただ純粋に「知ることと生きることは同じ」と断じた知ルに比べて何と浅ましいことだろう。けれどそれもまごうことなき人間本質である。語り手が中途半端情報強者に位置づけられていたことも、妙に鼻持ちならない人物であったことも計算ずく。すべてはこの一行の効果を最大化するための小道具に過ぎない。

もとよりメタフィクション指向する作家であると感じてはいたが、人工的な世界を下敷きにすることでより巧みにそれを演出できるようになったらしい。

読者への挑戦状

で。

実はここまではすべて前置きである。読者を操ることを至上とするこの作家メタフィクションへの可能性をこの程度のウェルメイドな小説に留めるはずがない。

この作品に残された最後の謎はずばり〝ただひとりに向けられた暗号である。正直な話、この解明に挑む資格があるのは野崎まどの全作品を電子化して常に携帯するような気狂いだけに違いない。

けれど非才を尽くしてその手がかりくらいは拾い集めておきたいと思う。

(後編へ続く)

2013-03-10

http://anond.hatelabo.jp/20130309233920

残念なソフトウェア開発の現場は、沈みかけの巨大な船に乗った航海に似ている。

船底の穴から浸水必死でかき出しながら、どうにか進んで行く。そういう航海だ。

船のどこにどれだけ浸水箇所があるのかは分からない。

ある穴を塞ごうと船底に板を打ち付けたら、

それによって別の場所に新しい穴を空けてしまったりする。

船の構造はあまりに複雑で、膨大な部品の間にどんな依存関係相互作用があるのか、

誰も完全には把握していない。

それは、はるか昔に組み立てられた太古の船で、

構造把握の手掛かりは、代々伝わる不十分で不正確な古文書だけなのだ

新任の船員は、出た水に対してとにかく手当たり次第に対処した。

どんな物でも使い、徹夜で穴を塞いで回った。

ひたすら大きな声で号令を出し、

いかに早く穴を塞ぐかが、船員の間で競われた。

何人もの船員が過労と心労で倒れ、

航跡には水葬者が点々と残された。

船員たちが経験を積むうちに、浸水するのは船室の新しく手を加えた部分だと分かり始めた。

船室の改装作業の一部でよく穴を空けてしまうらしい。

そこで彼らは、改装作業を終えた時のチェックリストを用意する事にした。

穴を空けていないかの確認事項をリストに列挙し、

作業の後にそれを読んで各部を確かめれば、

穴を空けたままにしてしまう事は無くなるだろう。

しかし、浸水はあまり減らなかった。

穴を開けてしま作業パターンは膨大だった。

それが船底だったら・機関室だったら・客室だったら・甲板だったら・竜骨沿いだったら・板だったら・柱だったら・ドアだったら・蝶番だったら・ドアノブだったら……。

不思議な事だが、ドアノブを直しても浸水する事がこの船にはあった。事例が少なくて原因は良く分かっていない)

チェックリストの長さは、すぐに人が把握できる数を超えた。

複雑な船に対するチェックリストはそれ自体複雑になってしまったのだ。

浸水して沈みかけた船の構造を反映したチェックリストは、

それ自身浸水して沈みかけになった。

船員達はやがて、修正する部品を仮組みして水槽テストするようになった。

事前に水漏れが無いかをテストしてから実際に船に取り付ければ、

部品が新しい水漏れの箇所にはならないはずだ。

それでも、浸水はなかなか減らなかった。

まず、水槽と実際の大海原とでは、

水圧や比重やその他もろもろの条件が大きく違った。

また、既存部品と新しい部品とを取り付ける境界部分そのものについては、

やはり実際に取り付けてみないと分からない部分も多かった。

何より、部品のものが既に複雑だった。

それに対する事前のテストも、天候や波の高さ・潮の流れなど、

様々な特殊な条件を考慮する必要があり、

テストする項目も非常に複雑なものになってしまった。

テストが本当に妥当ものか、穴を見落としていないか、

誰にも分からなかった。

浸水して沈みかけた船の構造を反映したテストは、

それ自身浸水して沈みかけだった。

ある時、水平線上に別の真新しい船が見えた。

それは黒い小ぶりの船で、いかにも俊敏で頑丈そうな船だった。

自分達の乗る船が大波や嵐に遭って戦場と化している時でも、

その黒船は悠々と航海を続けているように見えた。

船員達の一部は、そんな黒船を憧れと羨望の眼差しで眺めた。

しかし、他の船員の一団は、

あの船は小さくて目新しいから、華やかで順調そうに見えるだけで、

俺たちのような信頼と伝統のある大型船舶とは違う、ヨット遊びみたいなものだ。

と、その船の小ささを馬鹿にしてみせた。

ある船員はその船の特徴的なマストの形状を真似て、

自分達の船にも似たようなマストを取り付けてみようとした。

しかし、船は俊敏にも堅牢にもならず、新たな浸水しか生まなかった。

それで結局、この船には今のやり方しか無いのだ、

という保守的な声が、船員達の間で支配的になった。

マストの取り付けが失敗するのを見ていたある船員は

「積荷信仰カーゴカルト)……」とつぶやいた。

その船員は、船に乗る前の学生時代から、小さなヨット作りに熱中していた。

最新の材料設計技法を駆使した小さなヨット自分で組み立て、海に浮かべて楽しんでいた。

自分ヨットが有名なヨット雑誌掲載されたこともあり、それが今でも誇りだった。

そんな彼が、今では大型船舶の穴埋めに奔走していた。

現実の足元で起きる浸水を、ひたすら塞いで回る日々だった。

ああなっていれば……こうなっていれば……そんな仮定が頭の中を何度もよぎった。

それでも彼は忠実に、言われるがまま、浸水を塞いで回った。

ある時彼は、比較的大きな船室の改修を任された。

久しぶりの新しい仕事に彼は熱中し、

自分の知識の全てを注ぎ込んで新しい船室を設計した。

上司がその設計を見たとき、彼の顔は曇った。

「このアタッチメントはなんだ?」

はい、それによって新しい部品既存部品と切り分けられて、

浸水がここより先に及ばないようになります

それに、今後また改修があった場合

アタッチメントの部分から丸ごと入れ替えることができます

「こんなアタッチメントなんて見たこと無い。

他と同じように作り直せ。

それにこの部分の文言はなんだ?」

はい、それによってこの部品使用箇所が限定されて、

他の部分で使われていない事が証明できます

「そんなの他の誰が読んでも分からないだろう。

これを見た客にも、何で今までと違うのか説明できない。

こんな文言は削って他と同じようにしろ

何でちゃんと今までと同じように作らないんだ?」

謙虚な彼は、ただうな垂れて、言われるがまま指示に従った。

彼は善良な人間だったので、自分のこだわりのために無闇に人と衝突するよりも、

職場雰囲気や他の船員達との関係を大切にしようと思った。

彼はそうやって、日々の仕事とどうにか折り合いを付けて、

船員稼業を続けていった。

大きな衝突も無く、仕事も手早かったため、

他の船員達からは頼りにされた。

ただ、週に一度の飲み会や船を挙げてのパーティーでは気後れを感じ、

自分の部屋に戻ってヨット雑誌を読んだり、

船の模型を作っていたくなった。

「皆さんの頑張りで今この船が航海できています今日はこの場の皆さんに感謝を込めて、乾杯!」

そんな乾杯音頭が、何だか空々しく聞こえた。

船底では、今も浸水を塞いでいる船員がいるのだ。

善良な彼も、つい冷笑を浮かべてしまった。

ある時、黒船が大きく進路を変えた。

目を見張るような素早い転換だった。

それから、船員達の集まり船長が怒鳴り込んできた。

「今すぐ黒船を追って進路を変えろ」

何でも、新しい大陸が見つかって、そこにたどり着ければ一攫千金だと言う。

「何が何でもすぐやれ。黒船に先を越されるぞ」

船員達は口々に、それは無理だと言った。

まず、ただでさえ浸水箇所が多くて、それを塞がないといけない。

進路を変えると負荷が掛かる部分が変わって、新しい浸水が無数に起こるだろう。

新しい部品必要だし、

それを作って水槽テストして長いチェックリスト確認して……とにかく無理がある。

「とにかくやれ。オーナー命令だ」

その日から、船上は戦場になった。

無理な進路転換とその影響で、新しい無数の浸水が生じた。

浸水が生じるとその原因を追究してチェックリストテストに反映する決まりになっていた。

まり浸水があるたびにチェックやテストが大変になった。

するとチェックやテストは消化不良になり、

浸水も見落としや誤魔化しが増え、

それがまたチェックやテストを難しくするという、悪循環となった。

船員の誰もが「これは無理だ」と感じていた。

船長はただ大きな声で怒鳴っていた。

ヨット作りの好きな船員も、一心不乱で働いていた。

しかし彼は、構造的にこの船が進路転換に耐えられないことを、

どこかで勘付いていた。

隣の船員が水葬に伏されるのを見送りながら、明日は我が身だと思った。

ある時、船室に大きな音が走った。

何かが裂ける音と、それに続く悲鳴のような音が船中に響いた。

船は船底から二つに裂けていた。

無理な進路転換のせいで、船体に大きな負荷が掛かったのだ。

もはや誰にも沈没を止められなかった。

船長やそのお気に入りの船員達だけは、

あらかじめ確保してあった専用の救命ボートでいち早く脱出していた。

しかし、一般船員向けの救命艇は不十分で、何よりそこに行き着く道も複雑で、よく把握できなかった。

多くの船員は、船と運命を共にした。

ヨット作りの好きな船員も例外ではなかった。

海の上に放り出された彼は、自分もこのまま死ぬのだと思った。

静かな海で、上司の怒号が聞こえないのが、ひどく幸福に思えた。

海のはるか向こうでは、黒船滑るように新大陸を目指して進んでいた。

僕はあの黒船を知っている、と彼は思った。

僕は知っている。あの船がどんな構造を持っていて、

どんな組織精神のもとに航海しているのか。

学生時代にも勉強したし、毎月のヨット雑誌でも扱っている。

僕はそれをずっと夢見ていたし、自分ヨット模型でも試してみたことがある。

僕はあの船のことをよく知っている。

ただ、この沈んだ船では、その知識が生かせなかった。

それは何故なんだろう。

黒船から目を離すと、周囲にはあらゆる汚物が浮かんで、

自分と同じように海を漂っているのが見えた。

彼は、パーティーの時と同じように冷笑を浮かべた。

理由はどうあれ、結局は、沈むべきものが沈むのだ。

それは真っ当なことなんだ。

あのままボロ船が航海を続けてしまった方が、

結局は、犠牲になる人も金も人生も多かったのだ、と。

きっと黒船新大陸に辿り着くだろう。

そこで目覚しい成果を挙げるだろう。

まれ変わったら、あんな船を作ったり乗る仕事に着きたい。

だが、この職業も同じ船乗りではなかったか

船が好きで、船に憧れて、この職業に就いたのでは?

それは間違った事なのか? 船が好きなのに?

疑問は尽きなかったが、冷たい海水ゆっくりと彼を殺していった。

最後の力を振り絞って水平線の黒船一瞥すると、

その優雅な姿をまぶたの裏に止めたまま、

船乗りの夢を見ながら、彼は死んでいった。

2011-03-22

東日本沖で起きた巨大地震について」について

この日記で論じているのは、下記のページの文章についてです

東日本沖で起きた巨大地震について http://sk01.ed.shizuoka.ac.jp/koyama/public_html/etc/EastJM9.html

地震学者の性質

地震が発生したとき地震学者は《大変なことが起きてしまいました。》と勿論思うけど、その一方で「地震キター!これで論文5〜6本書けるから、私の学会での地位も安泰だ」とも思ってしまう者です

東日本沖で起きた巨大地震について」書かれた小山先生も《大変なことが起きてしまいました。》と思う一方で、「チキショー!これが富士山大爆発だったら俺のテリトリーだったのにい」とほんの少し、本当にほんの少しだけど、思ってしまったでしょう。

小山先生の著作

Amazonで「小山真人」と入力して検索すると解りますが、小山先生は以下の本を書いたり監修されたりしてます

先生の次の本は「《東日本全体の地殻歪が再配列不安定化》している。それに伴って富士山の活動も活発化してるため、いつ噴火してもおかしくないのだ」という内容になります

その本の狙いの一つは「富士山噴火が近いので、観測・研究のために予算を投じるべきだ。ついては私、小山真人研究予算をつけなさい」というものです予算の確保も研究者重要仕事の一つであり、また、自己主張が強くなくては学者としてやっていけないので、このことは恥じることでも何でもありません。

火山」と「地震」の違い

さて今度は Google で「小山真人」を検索して、

を見てみましょう。

画面を下の方にスクロールしていって論文タイトルを眺めると、小山先生の専門は「火山であることが解ります先生の専門である火山」と、先生が「東日本沖で起きた巨大地震について」で論じられた「地震」の間には以下の大きな違いがあります

科学的な観測が可能になってからは噴火の記録がない富士山は「いくつかの火山」には含まれません。2000年に噴火した際に素早い避難で被害を抑えた有珠山などが噴火予知しやすい火山になります

地震予知が不可能なのは地震学者が怠慢なためではありません。日本全国をカバーする満足な観測網がなく、地震発生時のデータが取れないためです。それでも「ある地域での大地震は周期的に発生する」という仮説のもとに粗い精度で「200年〜300年周期で大地震が発生する」と言っているのです

このロングスパンの周期を突き止めるために、小山先生のもう一つの専門である歴史地震」が用いられています。古文書に記された地震に関する文書を調べ「吉原では灯籠が倒れたという記述があるから震度は6ぐらいだな」と見当をつける研究です。ひたすら古文書にあたり、いつの地震のものかはっきりしない記述年代の見当をつけ、震度の見当をつけ、震源地を探っていくという考古学に近いものが「歴史地震です

小山先生の予知で解らない点

地震予知現在レベルは「地震は、いつか、どこかで、必ず起こる」というものです。にもかかわらず《歪の再配列にともなう地震火山噴火が、今後数年かけて東日本全体で起きていくことになるでしょう。》と断言できる理由が解りません。

今回うごいた太平洋プレートに沿った部分に歪みが生じているというのなら解ります。《実際にインドネシアでは》と小山先生が挙げている事例は、同じプレート境界で地震が続くことを示しています。なのでこの文章の主旨が「太平洋プレートの境界で、今回うごいていない、十勝沖・根室沖、伊豆諸島沖で大規模地震が続く可能性がある」なら理解できます

もし歪みが異なるプレートもしくは内陸の活断層に生じると言いたいのであれば、同じプレート境界での地震を挙げるのではなく、内陸部で大地震が発生している事実、もしくは隣接する異なるプレートの境界で大地震が発生している事実を挙げなくてはなりません。

それでも地震火山噴火が東日本全体で起きるという理由は何なのでしょう。現在地震学で、そのような知見が得られるのでしょうか。

もし《歪みの再配列のために地震火山活動が起こる》と言いきれるだけの知見があるなら、どこに歪みが生じていて、それがいつ頃解放されるのか言えるのではないでしょうか。「どこで解消されるか解らないけど、とにかく東日本のどこか」というのは、一体なんの根拠があって断定できるのでしょう。

から安心して良いという話ではありません

小山先生が挙げられたプレート図を見れば解りますが、日本はいくつかのプレートがぶつかる地点に位置しており、大地震が起こりやすい国です

しかしこれは、昨日今日そうなった訳ではなく、ましてや東北地方太平洋沖地震が発生してそうなった訳ではなく、日本列島が形成された頃からずっとそうなのです東海大地震については、何十年も前から「いつ起きてもおかしくない」と言われ、東南海南海地震についても警戒が続いています。

なので東北地方太平洋沖地震によって《地学的に平和で安定した時代は終わりを告げた》わけではなく、日本に住む以上は「地震は、いつか、どこかで、必ず起こる」状態にあります

地震に対して備えるのであれば、地震のない日が何年も続いても、日々備えを怠らないことが重要となるでしょう。大地震が起きたからと言って慌ててパン・カップラーメントイレットペーパーを買い占めるのとは、異なる態度が重要です

小山先生テーマに「防災」もあります事実淡々と述べて行く中で防災意識が高まらず、歯がゆい思いをされたこともあるのではないでしょうか。そうした思いが、今回のようなある種「煽っている」文章を書かせているのではといます。

結論

要するに何が言いたかたかと言うと

ということです

2010-11-16

http://anond.hatelabo.jp/20101116114100

えぇと、「社会が安定している」のが是なんだよな…。

いわゆる尖閣諸島問題の発端は、中国の領海侵犯から始まっているんだ。

1971年12月までは、問題でもなんでもなかった。

1971年6月台湾12月中国が相次いで領有権を主張した。その根拠は、尖閣諸島中国側の大陸棚接続しているとの主張にくわえ、古文書尖閣諸島を目印として航海に役立てていたという記述が見られることで、最も古くから同諸島の存在認識していたという解釈による。

ここから全てが始まってる。

社会不安定にさせたのは中国なんよ。

ビデオを公開すれば、中国共産党ダメージを与えることができる!

ダメージを与える事にはならない。

漁船衝突事件以前の状態へ戻るだけ。

中国の視点からすれば、攻撃がかわされたと言うだけであって、反撃が来るわけでもない。

尖閣諸島ビデオ非公開がなぜ国益につながるのか?について考えてみるよ。

国益には繋がらない。

中国は、民主党、管政権に対して譲歩を何処までも引き出せると勘違いするだろう。

1940年日本アメリカとの交渉に行き詰っていた。アメリカは、日本に対して譲歩を何処までも引き出せると勘違いした。

結果、日本アメリカ戦争状態に突入する。

今回の事件も、長引けば長引くほど戦争状態に突入する可能性が膨らむ事には変わりない。

そんな簡単なことなのに、なんで、安定した社会を望まない人たちが多いのかな?

今回の件に関しては、あなたは既に安定していない状態を安定していると思い込んでいるだけ。

常に不安定要素は生まれ続けている。

世界は安定を求めているが、この世界が有限である限り、何かは何かを奪わないと豊かになれない。

まずは、何が最も安定している状態なのかを考えてみるといい。

2009-11-25

http://anond.hatelabo.jp/20091125174702

私の場合は、症状はもっと軽度だったんだけど、アメリカにいたころ、

何回か日本人セラピストにみてもらった。ほとんど効かなかったな(笑)

すっごい高いから、罪悪感はたしかにあるよね。

自分語りしか出来ないので悪いのだけれど、

今、江戸時代古文書を読む仕事してる。

考えてみれば、セラピーみたいなもんだ。

アイデンティティを取り戻せ! みたいな。

歴史は、固い岩盤のようなもので、

掘って掘って出てくるのは、まぁ大体「モノ」であるからして、

解釈なんて余計なことをせず、解読翻刻のみに集中すれば、

人を裏切ることがない。人間の世の中が続く限り、

おそらく永遠、絶対のものだ。(もう終わってるし。)

自分結婚もして子供もいるけれども、

ナマモノの相手は、案外大変だよ。

趣味は悪いが、死人の声を聞こうとするのが、

自分にとっては最も安らぐ時間だったりする。

なにかそういう、「確かなもの」があれば、

心のanchorになるのじゃないか。

あと、水村美苗さんの『私小説』は帰国子女に絶大な癒し効果がある。

私は二ページごとに泣きながら読んだ。超オススメ

2009-01-31

「近頃の若い者は…」と紀元前エジプト古文書に書いてあった件

21世紀初頭の会話

 A「なんだあの音楽配信ってのは」

 B「インターネットを利用して、音楽というか曲をPC携帯電話に送るやつのことですか」

 A「アルバム一枚まるまる配信してるのか」

 B「それもやってますけど、1曲単位ダウンロードしてる人の方が多いかと」

 A「音質悪いんだろ」

 B「まあCDよりは落ちますわね。データ圧縮してありますから」

 A「それなのにCDの売り上げが落ちてんだって?」

 B「みんな忙しいんですよ。携帯iPodで聴ける方が手軽だし、アルバム一枚聴くなんてかったるいし。曲単位で買えば安いし」

 A「ほんと音楽本質的価値を知らないバカばっかだな」

 B「そうですか」

 A「だってそうだろ。音楽アルバム一枚聴いてなんぼだろよ。いい音で聴いてなんぼだろよ」

 B「単に価値観の違いじゃないすか」

 A「そんなことねえよ。本質的価値ってのは古今東西不変なんだよ。データ音楽聴いてるやつなんてバカだ」

 

20世紀初頭の会話

 A「なんだあのレコードってのは」

 B「黒い円盤に、音楽というか曲を録音するやつのことですか」

 A「交響曲まるまる録音できるのか」

 B「今のところそこまで長く録音できないんですよ。短めの曲単位の方が多いかと」

 A「音質悪いんだろ」

 B「まあ生演奏よりは落ちますわね。録音ですから」

 A「それなのに演奏会のチケット楽譜の売り上げが落ちてんだって?」

 B「みんな忙しいんですよ。家で聴ける方が手軽だし、演奏会行くなんてかったるいし。自分演奏するのはもっとかったるいし」

 A「ほんと音楽本質的価値を知らないバカばっかだな」

 B「そうですか」

 A「だってそうだろ。音楽演奏会で生で聴いてなんぼだろよ。いい音で聴いてなんぼだろよ」

 B「単に価値観の違いじゃないすか」

 A「そんなことねえよ。本質的価値ってのは古今東西不変なんだよ。レコード音楽聴いてるやつなんてバカだ」

2008-11-10

http://anond.hatelabo.jp/20081110025712

ま、占領されでもしない限り残るんじゃね?自国語で書かれた古典古文書アクセスが容易というのは人類的に見ても財産だし。

バイリンガルになろうぜ!って結論でおkな気も。ある層からは英語使えなきゃ話にならない時代であるというのは確かってだけで。

2008-04-07

下で古典、って書いてあってふと思い出したのだが、「古書」って、所謂どういう本なんだろう。

古典の原本とかじゃあないよな、多分。

古文書っていうのもまた別の部類だよな、多分。

2006-11-13

[]『水からの伝言』の世界

昔、妖精現実のトップにあった記事。探しても見つからないや。

水からの伝言」…水は否定的な言葉を見せたときと肯定的な言葉を見せたときで異なる結晶を作る。

(念のために言うが、↑は科学事実ではない。しかしネタとして、あえて) これが成り立つ世界を考える。ただし、次の公準も仮定する。

公準: 悪意・うそ・いつわりの言明は否定的である。

考古学的応用: 水は世界中言語を理解できるので、 未解読文字の解読に役立つ。 少なくとも、お礼を言っているのか、宣戦布告の文章か、といった程度の判別はつく。 「正しい解読結果をアルファベットで表記したとき1文字目は大文字小文字を区別せずにAである」「…Bである」…と書いてある30枚弱の紙を水に見せて、どれが肯定的かを判断することを、結果の文字列長(この整数値も水に問い合わせることができる)だけ繰り返せば、あらゆる謎の古文書が解読できる。 水さん、ありがとう

問1: 解読結果が1万文字以内であることは分かっている文がある。 解読結果の文字列長を表す整数値を必ず確定させるのに必要な最小の「水への問い合わせ回数」はいくつか。

問2: 現在は不治の病であるXについて、それを根治する薬品があると仮定する。 その有効成分をIUPAC等の標準的な化合物命名法で記述して1万文字以内であると仮定せよ。 以上によって、水が肯定否定を判断できるなら、難病のいくつかが克服できることを説明せよ。

問3: 水に問い合わせられるときP=NP問題は肯定的に解決されるか。

軍事的応用1: ゆえにRSA暗号楕円曲線暗号、その他、いかなる未知の暗号であっても、ダイレクトに高速にクラックできる。 上記同様、解読結果のどれが肯定的か1文字ずつ判断させるだけで良い。量子通信・量子暗号さえ解読できてしまうだろう。

軍事的応用2: さらに、暗号に限らず、情報一般に応用できるから、チャフによる妨害や、敵の欺まん電波を見破るように水を結晶させる装置を弾頭に装着することで、電子妨害を受けない強力な兵器を構築できる。

あらゆるプライバシーは破られ、あらゆる外交機密はばれる。水さん、ちょっと漏れすぎです。

DRMも破られるので、水は著作権を侵害する。

このように、情報を「絶対的」に評価できるデバイス存在する世界では、社会の秩序が保てない。

こういうの、大好きだ。

2006-10-14

ルーク

Web上のいざこざ後の「別れの言葉」は、「再会の誓い」であると古文書に書かれておる

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