はてなキーワード: 喫煙所とは
冬の間週二日の休みは天気が悪くなければ必ず車で二時間ほどで行ける雪山へ行く。
彼の休みは水曜日と日曜日なので連休ではない。連休は盆と正月以外は一切ないし有給休暇みたいな物もない。仕事に対してもまじめで休日にもまじめに取り組める旦那を尊敬する。私だったらそんなスケジュールで働いていたら休みは一日寝て終わってしまう。
車を買うときは四輪駆動以外候補にもならず、休みの日の前日、朝まで仕事や飲み会があっても朝5時までには帰宅し、そのまま準備をしてリフトが動く時間までに山へ向かう。
当然小遣いじゃ週二日も雪山には行けないので、安く仕入れた板や機材をリカバリーやメンテナンスをしてフリマサイトで売り払いスノーボード資金を年間通して貯めている。
もちろん、彼と出会うまで雪山なんか行ったことなかった私を漏れなく連れていく。
それぐらい彼はスノーボードが大好きだ。
もちろん見るのも大好きで、今期のオリンピックはハーフパイプの平野君が金メダル候補だったこともあり決勝を楽しみにしていた。
だが丁度決勝の日は彼の休みの日で夫婦で雪山に行く事にしていた。
録画をセットし、結果を家で万全にワクワクしながら見るために全ての情報を遮断。Facebookは見ないようにし、道中携帯電話に速報が入らないように私がアプリの通知を切ってあげた。同じく速報が入るラインニュースはブロックした。
レストハウスにテレビがあり、もちろんチャンネルはオリンピックに合わせていたのでわざわざちょっと離れたところにあるテレビのないセンターハウスでお昼を食べた。
喫煙所でもわざと「今日帰って結果見るの楽しみだね」みたいな話をして、結果を言うなオーラを夫婦で出した。
思いつくことはすべてやった。
が、彼は不意に結果を知ってしまうことになる。
雪山に放送局があり、ラジオ放送のようにDJがしゃべっていた。
朝からオリンピックの話なんか全く口にしていなかったのに、競技後の放送時間枠で当たり前のようにDJは平野が銀、王者ショーンホワイトが表彰台のてっぺんに戻ってきたことを告げた。
苦情を言ってやるとまで言い出す位怒った。
旦那の言い分としては
「こんなド平日に雪山に来てる奴は、家で真昼間の決勝戦を見ようと思えば見れる奴らだ。でも見ないで雪山に来ることを選んだ。
そういうやつが沢山いるのに、俺みたいに録画して帰ってみるのを楽しみにしてる奴らもいるはずなのに、結果を言うなんて最低だ。」
と今まで見たこともないぐらい怒っていた。
私的には確かに旦那の言い分も間違ってはいないと思うのだが、情報が勝手に入ってくるようになった現代でもう旦那の言い分は通らないと思う。
結婚して3年たち、今まで見たこともないような怒りをそこで出すのかと驚いてしまった。
しかも憤る怒りではなく、冷静に淡々と怒るほうのあれ。怖いやつ。
結果を聞きたくないという旦那に協力はしたしそれは楽しかったのだが、なんだか旦那がすごく理不尽な事に怒る自分勝手な人なんだなと思ってしまった。
確かにこれから映画を見ようというときにトイレや喫煙所で自分がこれから見る映画を見終わった人達が感想を話しているのにイラっとすることがある。でもその人たちは少し考えてないだけで特に悪いことをしているわけではない。
今回のDJだって、自分の仕事をしているだけで思いやる必要があるわけではない。どちらかといえば、結果を伝えなければならない立場の人間だと思う。
50年も生きてて、「個人的な楽しみを妨害された」というだれにでも起こりえる理不尽に耐えられないのかとなんだかすごく残念に思った。
長々と書いたが、言いたいことは「そんな子供みてーな事で怒ってんじゃねえぞ」って事です。
長らく客先の喫煙所で避雷針を見つめていたことだけは記憶している。吾輩はここで始めて煙草を吸った。
無職になったその日からモラトリアムが背中をつつきはじめ、それはそれは非社会的で終わりのない倦怠におぼれた生活をするのだろうと考えていた。しかし退職から1ヶ月が経過した今でも、朝7時に起床しモーニングCROSSを見ながらコーヒーを飲み、今日はカーテンでも洗濯しようかしらと考えながら村上龍を読んでいる。なんでもない連休中の1日を過ごしているような気分だ。
金銭面は考慮しないとして、この生活が半年、1年、それ以上と続いた場合、非社会的で倦怠におぼれた無職生活が待っているのだろうか。確信はないが無職期間がどれだけ長引いても今とそう変わらない暮らしを続けている予感がする。思うにこれは、自分は無職でも一般的な社会人と変わらぬ生活を送っているとポーズが取りたいだけなのではないだろうか。誰に対してのポーズか、社会に対してだ。理由は単純明快で、我輩は概ね順調だった人生に傷がつくことが、最早盲信に近い「真っ当な人間」という生き物に戻れなくなることを何よりも恐れているのだった。
「喫煙をしよう」と考えるとどうしても金銭の支払いは避けられない。気軽に栽培できるものでもないし、人にもらうこともあまりない(もらいタバコは流儀に反する)。日頃から喫煙している私のような人間は、財産が不足している状況では満足に思考もできなくなってしまう。そこで、知人に頂いたアッサムティーを吸うことに決めた。
まずは手巻きタバコ同様、紙で巻いて着火し喫煙してみる。ちなみに手巻きタバコ用の紙などという上等な物品を購入する余裕はないので、メモ帳を適当なサイズにちぎって使用する。フィルターはシケモクの使い回しだ。紙に紅茶を乗せ、巻く。ここで通常のタバコ葉とは感触が違うことに気づく。固い。粒が大きい。これでは形として巻くことができても、火を点けて吸っている最中に中から葉が流れ出てしまうのではないか。ということで一旦撤収し、紅茶葉に水を含ませたのち適度に乾いたものを使うことにした。これなら柔らかく、また葉が多少膨らんでいるため、巻きやすく落ちにくい。メモ帳で手巻きする際に注意すべきなのは、糊付きの紙と違って固定されていないので、常に指で押さえていないと解けてしまう点だろう。灰を落とすときにうっかり開放してしまい、クラッカーさながらに赤熱した葉が飛び散る事態だけは避けたいところだ。慎重に着火し吸ってみる。……なんだろう。煙はそこそこ出るが、遠くで野焼きしているような味がする。美味くはない。しかし似非とはいえ1週間ぶりに火をつけたタバコである。燃焼温度を上げないよう、ゆっくりと吸っていく。吸えば吸うほど分かるが、これは完全に失敗である。バーベキューをやった日に着ていた服の匂いのようなものが喉と鼻腔にまとわりついている。二度と吸うことはないだろう。
とはいえ、タバコの吸い方は様々存在する。次は水タバコ(シーシャ)を試してみよう。水タバコはタバコ葉に直接火を点けないかたちで喫煙できるため、普通に喫煙して失敗したネタでも美味しく吸える可能性が残されている希望の星である。私は水タバコを吸うための器具を持ち合わせていないが、時間だけはあるのでなんとかなるだろう。調べてみると、1.5Lのペットボトル・キャップ付きスチール缶・ビニールテープ・アルミホイル・ストロー2本を使って作れそうだ。キャップ付きスチール缶の底面にアイスピックで穴を空け、底から高さ3~4cmほどで切断し、ひっくり返してビニールテープで留める。漏斗のような形になるが、この穴の空いた面に葉を乗せ、アルミホイルを被せた上に熱した炭を置いてキャップ側から吸うのである。缶のキャップに穴を空け、ビニールテープで補強したストローを差し込む。同様に、ペットボトルのキャップにもストローを差し込み連結する。一本残ったストローはペットボトルの肩のあたりに穴を空けて差し込む。これに水を入れて吸えば、煙が水を通過し肺に流れてくるということになる。さて、水タバコを吸う際にネタとする葉っぱ類だが、こちらにも多少の準備が要る。少し水を含ませるなどして適度に加湿したあと、蜂蜜を少しだけ加えて練るのである。本来は煙の量を多くするためにグリセリンも加えるのだが、味がすれば煙など出ても出なくても関係ない。一人暮らしの経験が長い方なら蜂蜜くらい調味料入れの奥に眠っているのではないだろうか。幸いなことに私の家にも白くなった蜂蜜が転がっていたので、湯煎して使うことにする。炭がない、という方は、残念ながら私と同じようにライターなどで常に熱を加え続けるしかない。5分ほど炙り続け、ようやく温まってきたところだろうか。少し吸ってみる。煙はほとんど出ないが、ほんのりと紅茶の匂いがする。不味くはない。むしろいけるんじゃないか。ペットボトルをボコボコ鳴らしながら勢い良く吸ってみる。水タバコは肺を使って強く吸う吸い方が適した喫煙器具である。紅茶の匂いが確実に感じられる。気のせいではない。嫌な匂いは今のところなく、「いい香りを肺いっぱい嗅いでいる」という感覚が一番近い。味も匂いも強くはないが、これはどちらかと言えば美味い部類である。水タバコのいいところは、一度環境を整えて吸える状態にしてしまえば相当長い時間吸っていられるという持久力にあるだろう。今回はネタの分量が少なかったが、30分ほどいい香りを嗅ぎ続けることができた。調子に乗って吸いすぎると炭化しきったペーストを炙って吸っているだけということにもなりかねないので、適当な時間で切り上げたほうがいい。
紅茶を力技で吸ったときの記録は以上だが、推奨は決してしない。単純に面倒で、失敗する危険もそこそこある上、それに見合うほどの美味さはない。ただ、私と同じように金がない状況でどうしても喫煙かそれに似た行為をしたい場合、参考になれば幸いである。運良くハーブティーなどが手に入った場合、水タバコはそれなりに吸える選択肢の1つと言えるだろう。
思い返してみれば喫煙歴13年。
親のたばこをくすねて吸ってたマイルドセブンからキツイのがカッコいいと思ってハイライトのメンソール、バニラ風味が気に入ってキャスター、兄が吸ってたからなんとなく真似してフィリップモリス、長く吸えて後味にケミカル感のないアメスピと色々と吸ってきた。
一昨年の5月ごろだったか、とあるイベントに行ったとき、隔離された喫煙所でぷかぷかたばこを吸ってると、綺麗なキャンペーンガール的お姉さんがIQOSの試飲を進めてきた。
ガジェット好きの自分は雑誌か何かで見てIQOSの存在は知ってたけど、世間的にはまだまだ知名度がなかった頃。
周りの喫煙者たちも勧められるがままに吸ってはみるが、「あーなるほどね」と気のない返事をして、お姉さんのセールストークから逃れるのだった。
自分も吸ってみたが熱気とともにやってくる煙がどうにも受けつけられず、「悪くはないと思いますがねえ」と苦笑いしながらお姉さんから離れ、2本目のアメスピゴールドに火をつけた。
その後アメトークで触れられたのが原因らしいが、IQOSは大ヒットし、一時入手困難になった。
IQOSストアには長蛇の列ができ、ネットショップでもプレミア価格。
街中でもIQOSを吸う人たちが目に見えて増えてきた。
みんなが欲しい欲しいと言うと自分も欲しくなる。自分がこれほど俗物的な人間だとは思わなかったが、私は強く後悔した。なんであの時、お姉さんの言うがままにIQOSを買わなかったのか、と。
しかしながら自分がIQOSを欲しいと思った頃には、IQOSはもう普及し過ぎていた。
こうなるとまた違う感情が頭をもたげてくる。
「人と同じものは持ちたくない」。
さてさて現在、加熱式たばこと呼ばれるものにはものは3つの勢力がある。
1つはもちろんIQOS。それに続くのがgloとプルームテックだ。
喫煙所で紙巻たばこを吸う人間よりもIQOSを吸う人間の方が多いのを見ることが決して珍しくなくなった現在、私にはIQOSを買うという選択肢はない。
そしてこの間、ついに公式オンラインショップからgloを購入することができた。
確か11時からの先着順販売だったが、もちろんこちらは仕事中である。トイレに行くふりをしながら何度スマホで販売ページをリロードしただろうか。なんとかカートに商品を押し入れ、2日後にgloがやってきた。
さらに先日、プルームテックも手に入れることができた。こちらは公式による幾度の抽選販売に漏れた末の、落選者向け優先販売という形で手に入れたので喜びもひとしおであった。
それからは手に入れた喜びもあって、常に加熱式たばこを吸っていた。寝起きの一服、食後の一服、会社から抜け出たときの至福の一服。
開封してほとんど減ってない愛飲していた紙巻たばこ一箱とビックの小さなライターはお守りのようにカバンの奥底に眠っていた。
今日のことだった。出先の喫煙所でgloを吸おうと思うが充電切れ、プルームテックは家に置き忘れる始末。
まあ、こんなの時のためのお守りだ。
カバンの底から潰れた紙巻の箱を探し出し、1本を咥える。たばこ葉の香りが懐かしい。ビックのライターで火をつける。なんだか悪いことをしている気がする。
たばこ一本吸うのにこんなにドキドキするのはいつ以来だろうが。随分と昔に戻ったようだ。
「失われた時をもとめて」のマドレーヌの一節を思い出しながら、久々の紫煙をゆっくりと、深く、強く吸う。
く、くせえ!
驚いた。ツーンとする刺激が鼻腔を刺す。
たばこの香りやら喫味やらをそこのけに、ただただ不快な痛みとも呼べる焦げ臭。
何かの間違いだろうとコンビニで同じ銘柄を買い吸ってみるが、やはり、くせえ。
家に帰ってgloを充電器に繋いでプルームテックを吸う。呼吸に合わせて先端のLEDが青く光る。
なんだか味気ない。加熱式たばこは味気ない。そんなことは知っている。
でも今は味のないガムを噛んでいるような気がする。
https://anond.hatelabo.jp/20171011081045
性癖でしょ?
痴漢ものAVが好きとか、マジックミラー号が好きとか、スカトロが好きとか、そういうのの一種じゃん。ゲイって。
それじゃなきゃ勃たない、心が震えないんでしょ?
そういうの、たとえばブログとかTwitterとかFacebookとかの自己紹介に書いてあったらキモいじゃん。
何の権利があっててめえの性癖を俺に知らしめてんだボケがと思うじゃん。
もちろん、LGBT差別(というのが何なのかよく分からんが、たとえばゲイという集合自体をゲイであるために嘲けるようなやつらがいたとして、そういうことをしているバカ)者もキモいんだけどな。
「人のセックスを笑うな」って本とか映画とか見てねぇのかよ。俺は見てねぇけどよ。
人の性癖とかセックスとか笑うのってほんとキモいしバカだと思うわ。笑ってるお前も相当変で下手なセックスかもよ。無自覚なだけで。
でまぁ、話を戻すとだ。
オープンなゲイがなんでキモいかっていうのの半分は自分の性癖を臆面もなく公開してること。
もう半分は公開した性癖を社会に押しつけて権益を勝ち取ろうとしていること。
知らんわボケ!
俺だって青姦大好きだけど迷惑になるから自分が持ってる山の中でしかしないし、痴漢モノ大好きだけど社会的には認められてないからイメクラで我慢してるし、 なんなら三十路になってもやっぱりJKとは思うけどモラルに反するからなくなくAVの女子「校」生でがまんしてるし、そういうプレイをお願いしまくってたら嫁には引かれてセックスレスだわ!
ゲイたちは、ひっそりとバレないように、プライベートにゲイプレイを楽しめよ。
うっかりゲイだと知ってしまった方は、性癖聞いちゃったって気恥ずかしさとともに、さっさと話題を変えて後はそっとしとけよ。
内輪の飲み会での下卑た会話で性癖露出大会やるなら、思いっきり人をよく見て、すっと交わすかぶっちゃけトークするか選べよ。聞いた側は何を聞いてもその場ではお下劣ジョークかまして、後は酒に流して忘れろよ。
新宿二丁目の博多天神の前でベロチューしてたゲイども、キモいんだよ。セックスレスになりやがれ。
色々思うところがあるが、きっと向こうも色々思ってる。
でも自分の中では気持ちを精算できたから今日は好きなラーメンを食べて、一杯引っ掛けて帰ろうと思う。
ラーメンを食べ終わり駅前の喫煙所で一服しようとタバコを取り出すと一人の女性が近づいてきた。
俺「それはちょっと.....笑」
今日仕事辞めて明日から新しい職場に勤務する俺には答えたくても答えられない質問だった。
タバコを吸い終わり立ち去ろうとする俺に最後に彼女はこう言った。
「何か他に信ずるものがあるんですか?」
いつものバーは三連休の最終日という事もあり、俺とマスターの二人きりだった。
とりとめのない話をしてほろ酔いになったところで店を出る。
飲んだ帰りはコンビニに寄りたくなる。
2つのポテチで悩んだ末に、湖池屋の「柚子香るぶどう山椒」というちょっとプレミアムなポテチを選んだ。
家に帰ってちょっと期待しながら袋を開けた。
その衝撃でとびだしたポテチが宙を舞った。
拾った一枚を口に入れると柚子の香りに続いてぶどう山椒の味が口内に広がった。
どこか懐かしい味がする。
これは遠い昔、まだ幼かった頃、
煙草も酒も、仕事で悩む未来も、宗教勧誘も何も知らなかったあの頃。
その辺の草をむしって喜んでいたあの頃。
そう、あの時むしった草の香りが今、俺の口いっぱいに広がっている。
その瞬間、俺は思った
ほら、たばこって大麻よりも依存しやすいみたいなことよく言われるじゃん。
事の真偽は知らないけど、そんなに中毒性が強いのに、なんで吸っても吸っても続かないのかなあと気になるんだ。
今やたばこなんて害悪でしかなくて、吸えば吸うほど健康も悪化するし後ろ指をさされるしでいいことが無いのは知ってる。
でもなんかこう、そんなに中毒性が高いものなのに続かないっていうのは、自分の体のどこかがおかしいんじゃないかって、ちょっと思うんだ。
ある意味、「趣味が禁煙」「禁煙なんて簡単だ。その証拠に私は何度も禁煙している」みたいなものなのかもしれないけれど。
小学生の時に所属していたスポーツチームの監督が、喘息持ちのメンバーの前で思いっきり吸っていて、ひどいなって思ってたから。
同じく小学生のころ、卒業文集に「今だから言えるごめんなさい」みたいなコーナーがあったんだけど、同級生の女の子が「お父さん、たばこが嫌いだからってお父さんのたばこ隠してごめんなさい」って書いてるのを読んで、それは違うだろうと思ってたから。
テレビを見てもたばこによる健康被害のことしか言ってないし、たばこなんて人間の屑がやるもんだと思ってた。あと火が怖かった。熱いじゃん。
でも大学生のころ、彼女に振られて家族と喧嘩して成績も下がっていって……ととにかくなにもいいことが無い時期があったんだ。
もうやる気なんて失せて、なんにもやりたくなくて、でも元々エネルギーが有り余ってるような性格だったから何かやりたくて、じゃあどうせなら非行にでも走るかって思って、吸ってみたんだ。
一番オーソドックスなのを、と思ってマイルドセブンを買った。何年かしてもう一度買おうと思ったらメビウスになってた。それくらいの興味しかなかった。
吸ってみた感想は、正直よくわかんなかった。別にまずくもないけどおいしくもない。ベーコンから肉のにおいを取ったものをひたすら嗅いでいるような、ひどくぼんやりした感じ。
でも思ったのは、とにかくこれ、ぼんやりできるなってこと。火をつけて、吸って、はいて、でも下手するとやけどするから気をつけなくちゃいけなくて、の繰り返し。
火への注意って意味では集中してなきゃいけないけど、それ以外は単純作業で、でも健康への害っていう意味では自傷行為のような面もある、それがとにかくエネルギーの切れてた当時のおれにはちょうどよかった。
活動としての強度がちょうどよかった。だからひたすらぼんやりできた。彼女に聞かせたかった話とか、母を泣かせてしまったこととか、研究者になる夢とか、全然考えなくてよかった。
たばこ吸ってる人ってみんな、すごいストレスと抱えてるけどうまく吐き出せなくて、その代わりにたばこを吸ってるんじゃないか、なんて思ったりしてた。
だから夜な夜な近所を徘徊しては、落ちてるたばこの吸い殻を集めて、家に持って帰って捨ててた。
つらいよな、おれもめちゃめちゃつらい、でもさ、ポイ捨てしてみんなに迷惑かけちゃいけないよ、今回はおれが拾っておくからさ、お互い早く元気になれるといいね、なんて思いながら。
人とのつながりが切れていたおれにとって、たばこを吸って自分の体を傷つける一方で、そうやって善行を積むことでなんとか社会に居場所を作りたかったんだと思う。
なんだかそういうメンタルの動きが大きくなるにつれて、たばこを吸わなくなった。最初に買った1箱目か2箱目も、全部吸い切らずに捨てちゃったはず。
でもメンタルの波が若干収まったころ、またなんとなく吸うか、みたいになって、数か月に1度たばこを買ってた。1箱吸いきることはまれで、2~3本吸って人にあげちゃったり、半年放置して捨てたりしてた。
田舎でシフト勤務のこの業界では、趣味がパチンコとたばこしか存在しないようなもの。ギャンブルに興味のないおれは、周りに流されてまたなんとなくたばこを吸うようになっていた。
たばこを吸っていると上司の覚えがいい。喫煙所で顔を合わせるという単純接触効果でしかないんだけど。同期や後輩もみんな地方出身のマイルドヤンキーばかりで、たばこなんて当たり前だった。
あるとき同期の女の子を好きになった。めちゃめちゃかわいかった。喫煙所で毎日のように彼女について話した。仲の良かった先輩が親身になって相談に乗ってくれたりした。
彼女は酒もたばこもやらない人だった。それらに嫌悪感は無いけれど、自分ではやらない。そんなところも好きだった。
一緒にご飯に行ったり、お茶したり、家に来てくれたりもした。傍から見てもうまくいっていたと思う。
もっと彼女と同じ景色を見ていたくて、おれは酒とたばこをやめようかと思っていた。そう彼女に話すと、彼女はいつも「そんなことしなくていい」と言った。
どうしてそんなことを言うのかよくわからなかった。
そしてついに彼女に告白した。結果はだめだった、と思う。なんというか、適当にはぐらかされた。
しばらく経ってから、彼女がおれの相談に乗ってくれていた先輩と付き合いはじめたと知った。不意打ちだった。
奥手でうまく動けないおれに、常々「そんなだからだめなんだよ」と言っていた先輩。元ヤンで、中学からずっとたばこを吸ってる先輩。
たばこすら続かないおれと、吸い続けたうえ彼女を手に入れた先輩。
全く関係ないことは知っているけれど、比べようと思えばいくらでも比べられるものなんだな、人って。
最近本屋で、小さな瞬間が云々という本を見かけた。ただ鼻を触るだけ、そういうまず仕損じることのないようなことから始めることで、習慣を身に着けることができる、みたいな内容だったと思う。
ところで今おれの部屋にはアメリカンスピリットの3本ぐらい吸ったウルトラライトが1箱、未開封のライトが1箱、煙草屋で買った、手巻たばこのセット(一式と葉っぱの試供品がいっぱい入ってる)が転がっている。
前回たばこを吸ったのは3か月前だ。ただ、それだけ。