はてなキーワード: 障害者差別解消法とは
障害者差別解消法によって禁じられてるんですよ
伊是名夏子氏のブログ・Twitterから話題になったJR東日本の車椅子乗車拒否問題。結局なんだかんだ言って有耶無耶になって終わった感があるので今更ながら考えたことを投稿。
事の顛末は以下の通り
改正バリアフリー法が施行された2021年4月1日。伊是名は来宮神社観光のため、宿泊施設や飲食店は予約した上で、友人・介助者・子供ら5名で電動車椅子で出発。JRは事前連絡せずに小田原駅で来宮駅下車をJRの係員に伝えた。しかし来宮駅は無人駅で階段しかないため、係員はバリアフリー化されている熱海駅下車を推奨した。伊是名は車椅子で乗車可能なタクシーは1ヶ月前からの予約が必須と主張し、バリアフリー法にのっとり対応するよう求めたが、利用者数3000人以下の来宮駅は同法対象ではないと説明を受ける。伊是名は次に障害者差別解消法を根拠に合理的配慮を求め、駅員3・4名を集めて電動車椅子を運ぶよう要求。急に人員を確保できないとするJR側と交渉中に、伊是名は新聞社数社に取材を要請。駅係員と1時間ほど交渉の末、熱海駅に向かった。小田原駅から連絡を受けていた熱海駅では特別の計らいで、駅長を含む係員4名が一行を急遽出迎え、来宮駅まで同行。階段降下時には、100キログラム超の電動車椅子を4名で手持ち運搬した。熱海駅長の教示で、復路は伊是名が事前連絡をおこない同様の措置がとられた。
〜引用ここまで〜
伊是名氏は宿泊施設・飲食店を予約している。なのになぜ移動手段についての事前連絡ができなかったのか。
伊是名氏の主張するとおり障害者にも自由に移動する権利は認められるべきである。ただ、バリアフリー対応のタクシーという代替の手段もあるわけで、伊是名氏は利用の1ヶ月以上前から予約が必要であるためこれを利用できないと自身から主張している。結局のところ、自身の不手際からくる旅行の行程の綻びをJR側に押し付けているだけにすぎない。問題提起のためにあえて準備をせずJRを利用しようとしたのであれば尚更たちが悪い。
交通事業者に駅バリアフリー化を求めるという気持ちもわかるがJR側が説明したように来宮駅はバリアフリー法の対象外である。JRは法に従って業務を行っているため責任の所在はここにはない。バリアフリーについて訴えかけるなら立法機関に対して行うべきだろう。
伊是名氏が主張した合理的配慮について。そもそも合理的配慮とは何か、内閣府作成のガイドブックより引用する。
〜以下引用〜
合理的配慮は、障害のある人から、社会の中にあるバリアを取り除くために何らかの対応を必要としているとの意志が伝えられたときに、負担が重すぎない範囲で対応すること(事業者においては、対応に努めること)が求められるものです。重すぎる負担があるときでも、障害のある人に、なぜ負担が重すぎるのか理由を説明し、別のやり方を提案することも含め、話し合い、理解を得るように努めることが大切です。
〜引用ここまで〜
合理的配慮というものは、義務ではないが、可能な限り対応しようという努力目標ということである。
今回の対応について、社民党が出した声明文に対しJ-CASTニュースの取材でJR東日本横浜支社は次のようにコメントしている
〜以下引用〜
当社では、お客さまのご要望を承りつつ、代替手段であるタクシーの手配や、可能な範囲での駅係員の手配による来宮駅での介助対応を行っており、『合理的配慮の提供』を行ったものと考えております。
〜引用ここまで〜
事業者側がどれだけ合理的配慮を行ったと主張しても、受け取る側が合理的配慮と感じていなければそれは合理的配慮ではないという考え方もできる。
この点は両者の言い分が理解できることであり今回の問題で一番難しいポイントだと思う。
今回熱海駅から係員4人が駆けつけて、100kgを超える電動車いすを運んだことは、合理的配慮の枠を超えた特別な計らいであったとされる。合理的配慮の枠を超えるということは、つまり負担がかなり重かったということである。
このような特別な計らいを目撃した身体障害者が同じ対応を主張し、これを認められなかった際に「伊是名氏は対応してもらえるのに私は対応してもらえないのは差別ではないか」という考えを持つことは容易に想像できる。かなり重い負担をかけて対応した上に、一度対応した手前これが当たり前になってしまうというのは事業者にとってはかなりしんどい。特別な計らいを当たり前にしようとする運動は、かえって他の身体障害者に対する合理的配慮の幅を狭めてしまう可能性がある。
そもそも、バリアフリー化を求めるのは良いが財源はどこにあるのか。国からの補助もあるだろうが、交通事業者の出費も馬鹿にならない。
交通事業者の出費は主に運賃収入によって賄われる。バリアフリー設備は健常者(高齢者等を除く)にとっては必要のない設備である。必要のない設備を設置するために、運賃が上がるというのは健常者差別ではないだろうか。
基本的に身体障害者は、介助者1人を含めて運賃が半額となるケースが多い。受益者負担の原則に則るならば、ある程度運賃を上げてこれをバリアフリー化の財源とすればよいのではないかと考える。
○主張ばかりでは賛同は得られない
他の障害者から伊是名氏に対して否定的な意見が多く寄せられたという記事を見たが、主張ばかりする存在、丁重に扱わないと何を言われるかわからない存在になってしまうと受けられる合理的配慮の幅も更に狭まってしまう。
伊是名氏の言動には一方的な主張と問題提起を混同している節が見られ、この考えを改めない限りは社会から総スカンを喰らい続けることになるだろう。
労基法は労使間で経営者に責任を課する法律なのに、何故か顧客個人へそこを丸投げするという、一連の騒動で初手から見られる倒錯。これだもの国民の暮らしは良くならない。
バリアフリー法で閾値が求められ、対象外の駅だと分かると、障害者差別解消法違反だと宣い
努力義務であることをスパッと無視して、炎上騒ぎにしたわけだが
「努力義務である」から、みんなリソースが足りねぇんだよ、無理なもんは無理なんだよって言ってて、その一つとして労基法なりが出てくるわけだが
そんなの関係ねぇ、労基法は経営責任者の話だ、破りたくないならバリアフリー対応しろって
なんだ?
控えめにって頭悪くないか?
こんなんばっかりだよ
時間 | 記事数 | 文字数 | 文字数平均 | 文字数中央値 |
---|---|---|---|---|
00 | 155 | 11298 | 72.9 | 37 |
01 | 75 | 13427 | 179.0 | 58 |
02 | 47 | 4908 | 104.4 | 55 |
03 | 20 | 8546 | 427.3 | 172 |
04 | 14 | 528 | 37.7 | 27.5 |
05 | 42 | 4165 | 99.2 | 66 |
06 | 25 | 2135 | 85.4 | 76 |
07 | 66 | 7519 | 113.9 | 39.5 |
08 | 118 | 18293 | 155.0 | 48.5 |
09 | 128 | 8179 | 63.9 | 44 |
10 | 217 | 26469 | 122.0 | 58 |
11 | 344 | 33911 | 98.6 | 52 |
12 | 366 | 26494 | 72.4 | 39.5 |
13 | 204 | 17039 | 83.5 | 43 |
14 | 214 | 21599 | 100.9 | 40.5 |
15 | 278 | 23876 | 85.9 | 40 |
16 | 195 | 13989 | 71.7 | 38 |
17 | 279 | 23841 | 85.5 | 49 |
18 | 263 | 26028 | 99.0 | 42 |
19 | 246 | 20532 | 83.5 | 44.5 |
20 | 244 | 21488 | 88.1 | 42 |
21 | 209 | 24647 | 117.9 | 45 |
22 | 206 | 29069 | 141.1 | 39 |
23 | 234 | 22239 | 95.0 | 43.5 |
1日 | 4189 | 410219 | 97.9 | 44 |
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http://blog.livedoor.jp/natirou/archives/52316146.html
リベラルな人からは絶賛されているが、ネトウヨの自分から見ると
最初から問題提起ありきの行動というか、プロ市民っぽい行動でどうも好きになれない
(チェリーピッキングした)法律に基づく指摘が出来たり、新聞社数件に自分から連絡したりはプロじゃない市民はできんのよ
「来宮駅は階段のみ。バリアフリー(笑)」みたいな愚痴記事で終わるか、せいぜい携帯での撮影くらいまでなんよ
この話題は「車いす利用者全体の意見」として広げるのではなく、「1人のプロ市民の意見」として扱うべきである
実際、車いす利用者でも「事前に確認を取る」「そもそも車で移動する」みたいな意見は出ているっぽいし
ブログ記事からは以下の目的があってこのような活動・情報発信をしたと読み取れる
これは周知できたので成功だとは思うが、どの程度バリアフリー化が進んでいるかくらいも併せて周知してほしい。
以下はブログ記事投稿後のニュースだが、バリアフリー推進活動をしてきたなら大まかな整備状況は把握していたはず
何も知らずに感覚だけで「バリアフリーって全然進んでいない」とツイートはしないだろうし…
https://twitter.com/izenanatsuko/status/1378535246841274371
改正バリアフリー法施行 地方の駅やバスターミナル 整備に課題
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210404/k10012955911000.html
国はこの10年間、1日平均3000人以上が利用する鉄道や、バス、船などの施設でエレベーターやスロープの整備を重点的に進め、鉄道の駅では、去年3月時点で全国3580か所のうち92%で移動の妨げとなる段差が解消されたということです。
実際に行った行動が攻撃的すぎて批判が集まっている現状を見ると「広く浅い」仲間を募集することに関しては失敗だと思う
ただ、本人のTwitterを見ると「リプ欄が地獄」みたいなツイートをどんどんRTしているので
自分の思想に100%賛同してくれる「狭く深い」仲間を募集する方針っぽい
これに関してはネットであの記事を炎上させたのは危険だと思う。数多くの人がコメントしているが
「各公共交通機関に多数抗議」→「改修が不可能なため、駅を廃止」→「問題そのものが無くなったので解決」
という危険性がありうる。改修にはコストがかかるし、今回問題になった来宮駅は無人駅なのでそこまで利益も上げていないだろう。
なので、改修を要求するのはJR等の公共交通機関ではなく、その駅がある各市区町村や都道府県の議会に訴えて予算をもぎ取る方向性がベターなのではないだろうか。
「健常者も障碍者も自由に行動できる」という理想論は理想でしかないので、プロ市民なら現実的な落としどころまで提示まで頑張ってほしい
「JRに乗車拒否された」車イス利用者のブログに賛否 駅員の対応は問題だったのか、国交省に聞いた
https://news.yahoo.co.jp/articles/735e41744a2eb47c169a5e03b290b474a8dd23aa
社民党としては今後取り組む予定の課題だそうなので今後に期待。
複数の駅にバリアフリー設備を設置した実績を重ね、国会議員に1-2人程度、現在の各地方のバリアフリー状況を詳しくいる議員が出たら
「特定の話題に強い議員 / その議員がいる党」としてええ感じになるんでないでしょうか
(社民党にそんな体力も議員数も無い、と言われたらそこでおしまいだが…)
2020年11月に既に似たような案件で訴訟を起こしているケースがあるのを今日知った
コスト面に関しては全く触れていないので本当に解決する気はある? というお気持ち
https://www.asahi.com/articles/ASNCP7DBYNCJPTFC001.html
ブログ内で来宮神社はバリアフリーが進んでいます! みたいな一言があってもよかったのでは?
事業者は、その事業を行うに当たり、障害者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合において、その実施に伴う負担が過重でないときは、障害者の権利利益を侵害することとならないよう、当該障害者の性別、年齢及び障害の状態に応じて、社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮をするように努めなければならない。
過重な負担であれば拒否も認められる(その負担軽減策が事前連絡であるわけで)。そしてこの負担は状況(それこそJRの社員がたまたま休みだとか)によって変わってくる。現状出来る最善の対応をとってもらったわけで、何を要求してるのか、訴えたいのか分からんのよね。
というかロビー活動や議員への訴えかけを通じてバリアフリー法や改正バリアフリー法を実現し、状況の改善が進んだら更なる改正を求めていく必要があるのに、「モンスタークレーマー」扱いされかねない活動家は邪魔でしかないでしょ。
http://blog.livedoor.jp/natirou/archives/52316146.html
障害者差別解消法に真面目に対応しようとすれば、廃線・廃駅、定期券値上げがくるかもー、欧州でも本末転倒がーって吠えてるコメあるけど、上等じゃない?
公共交通機関のほとんどが営利企業って世界に生きてるんだから、当然の話だよね。
廃線・廃駅、定期券値上げで健常者も困ればいい。障害者と同じように困ればいいのよ。
困るなら声を上げるしかない。この人のように。
吠えてるひとたちのどれくらいが、自分の身近なところの廃線・廃駅問題に直面してるんだろうね。
障害者差別解消法なんてない時代から、これまでどれだけ廃線・廃駅が進んできた?コロナで運賃の値上げだって確実に進む。
それを障害者差別解消法、ひいては障害者のせいにしようなんて、どんだけ奢ってるんだろうね。
もちろん、バリアフリー対策が加速の一端にからむことは確かだろうけど。
https://b.hatena.ne.jp/entry/s/note.com/maze_meizu/n/nfd9157a21240
これは障害者差別解消法(障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律 第三章 第八条 事業者は、その事業を行うに当たり、障害を理由として障害者でない者と不当な差別的取扱いをすることにより、障害者の権利利益を侵害してはならない)に触れる内容の告知であり
発達障害の男性を出禁にしたことが、「発達障害者への差別」と誤解されてしまっています。
少し考えればわかることですが、これは発達障害者への差別ではありません。
この問題の本質は、「発達障害」ではなく、「男性」というところにあるように思うのです。
ことの発端は、発達障害を持った男性が、バーのマスター(女性)にセクハラ的振る舞いを繰り返したことによるものです。
女性だったらこのような問題が起こったでしょうか?起こらないでしょうね。
男性の加害性
に依るものだということです。
この点で、決して障害者差別ではないということが理解いただけると思います。
健常者の男性ですら、自らの加害性をきちんとコントロールできていないのに、発達障害を持った方なら一層のことアンコントローラブルになると考えるのは当然のことです。
それは、女性が自分で自分の身を守ろうとするのを妨げたい人たち(主にシスヘテロ健常者男性)が居るからです。
そういった人たちは、姑息なことに、障害者やマイノリティの権利を利用して、女性の自衛権を侵害し、取り上げようとしているのです。
昨今の反差別・ポリティカルコレクトネスの思想の広まりに伴い、以前までは差別し他者の権利を侵害ししてきた人たち、反差別に反してきた人たちが、形成の不利を悟り、
があります。
1.松浦氏のトランス法案への懸念は、現実的な根拠が一切示されていない(=松浦氏はトランス当事者の実態を無視している)
2.現実的な根拠を示さないまま、トランスに対する不安を煽る発言をした
3.その発言によって、ツイッターにおけるトランス差別が悪化した
1.思考実験として検討しただけで、現実的な根拠の有無は関係ない
1.「手術をしなければ、自分で確信する性別として生きることができない」という状況が差別ではない、ということの理由を説明していない
2.トランス当事者の実態をきちんと説明しないまま、議論を進めてしまった
3.自身の発言が、ツイッターのトランス差別悪化の一因となった
・松浦氏は、自身の発言がトランス差別を悪化させたことに対して責任を取っていない
1.自身の発言がトランス差別を悪化させたことを自覚し、トランス差別への明確な反対を表明し続けるべきである。具体的には、
b.トランス当事者の実態を正しく理解し、正しい情報を継続的に発信する
c.トランス差別を悪化させないように、自身の「懸念」をもっと的確に言語化する
2.今後はトランスフォビアを悪化させない形で議論を深めることを目指すべきである。
三橋順子氏による記事「なぜ2019年の日本で、トランスジェンダー女性たちが攻撃されているのか | 文春オンライン」のなかで、松浦大悟氏の発言がツイッター上のトランスジェンダー差別を悪化させる一因となったことが指摘されました。
1月5日放送のAbema News「みのもんたのよるバズ!」で元参議院議員の松浦大悟氏がこう語りました。
「今、イギリスで大問題になってまして、(中略)手術をしなくても性別移行ができるようになっているのが、世界の潮流なんですね。それで性自認が女性だとなれば男性器がついていようとも、更衣室、女性更衣室に入れなければいけないということになっているんですよ。それについてフェミニストの人たちが大反対してまして、『冗談じゃない』と、自分たちは性被害に遭っている人がいっぱいいて、恐怖を感じると。」
(※当該発言はみのもんたのよるバズ!2019年1月5日 - YouTubeの57:36から確認できます)
まず議論を始めるために、「トランスジェンダー」という言葉の定義を確認しておきましょう。
三橋氏は記事のなかでトランスジェンダーの定義について以下のように述べています。
さて、どちらの「定義」が正しいのでしょうか? 実のところ、どちらの定義も間違いではありません。
Feminist Perspectives on Trans Issues (Stanford Encyclopedia of Philosophy) を確認してみますと、トランスジェンダーは「トランスセクシュアル、ドラァグ・クイーン/キング、ある種のブッチ・レズビアン、(異性愛)男性異性装者のような、いくつかの異なった種類の人々の集合を指す包括的な用語(umbrella term)として用いられる」と同時に、「トランスジェンダーという用語はトランスジェンダリスト(出生時に割り当てられた以外の性別としてフルタイムで生活しているが、ホルモンや手術などの治療を行なっていない人)と同じ意味で使われることもある」とされています。
また、森山至貴『LGBTを読み解く』でも、包括的な用語としての「(広義の)トランスジェンダー」と、「異性の服装をすること自体に重きを置くトランスヴェスタイトではないが、医学的な処置を望むトランスセクシュアルでもなく、自らの性自認にしたがって生きる経験やそのような人々のことを指す」用語としての「(狭義の)トランスジェンダー」という、2つの意味があると指摘されています(p.98-101)。
三橋氏の定義も、松浦氏の定義も、いずれも間違いではない。このことを確認したうえで、議論を次に進めましょう。
次に確認しておくべきことは、(1) 日本にもすでに性同一性障害への差別を解消するための法律があり、(2) それでも女湯や更衣室などをめぐるトラブルは生じていない、という点です。
これについては松浦大悟さんの「女湯に男性器のある人を入れないのは差別」論への疑問から引用しておきましょう。
そもそもトランスジェンダーの公衆浴場利用について同様の議論をしたいなら、「障害者差別解消法」(障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律 - 内閣府:引用者注)を引っ張ってくる必要があります。
2016年に施行された障害者差別解消法における「障害者」の中には性同一性障害も含まれており、性同一性障害に該当する人はこの法律によってすでに守られている状況です。
それでも、障害者差別解消法のせいで男性器のあるトランスたちがどんどん女湯に入ってきてトラブルが増えたなんて事実はどこにもないはずです。
ここでもう一度、Abema News「みのもんたのよるバズ!」での松浦氏の発言を確認しておきましょう。
「今、イギリスで大問題になってまして、(中略)手術をしなくても性別移行ができるようになっているのが、世界の潮流なんですね。それで性自認が女性だとなれば男性器がついていようとも、更衣室、女性更衣室に入れなければいけないということになっているんですよ。それについてフェミニストの人たちが大反対してまして、『冗談じゃない』と、自分たちは性被害に遭っている人がいっぱいいて、恐怖を感じると。で、そういう人たちを出てけということを言ってるんだけど、これは差別にあたるわけです、そういう法律ができるとね」
注目するべきは、『イギリスでフェミニストが大反対している』ということしか説明されていない、という点です。松浦氏は、『差別解消法によって、イギリスで男性器のあるトランスたちがどんどん女湯に入ってきてトラブルが増えた』とは一言も言っていない。実際にトラブルが起きているかどうかには一切触れず、ただ単にフェミニストが反対しているということしか説明していないのです。これでは、イギリスで「大反対」しているフェミニストの主張が妥当なのかどうか、まったく分かりません。
つまり松浦氏は、「手術なしで性別移行できるような法律が、実際に女性への被害をもたらしている」という証拠を何一つ提示していないのです。
松浦氏は「正義と正義がバッティングした時のことを野党案であるLGBT差別解消法は想定していないと指摘した」とツイートしています。https://twitter.com/gogodai5/status/1085414545814892544
これに対して三橋氏は、そもそも彼が言うような形で「正義と正義がバッティング」すること自体が「ありえない」と主張したわけです。
たしかに、松浦氏は自らの懸念について、根拠をまったく示していません。
それでも、松浦氏の発言を好意的に解釈すれば、以下のように捉えることができるかもしれません。
『あくまで隙のない条文を作るための思考実験であり、現実的な根拠の有無は関係ない』
もしも松浦氏がこのような立場を取るのであれば、三橋氏の批判を回避することはできるかもしれません。
もう一点、できるかぎり好意的に解釈すれば、松浦氏の立場は以下のようなものと言えるでしょう。
『法律案の条文において、「トランスジェンダー」という用語が「広義のトランスジェンダー」を指すのか「狭義のトランスジェンダー」を指すのか」があいまいである。このようなあいまいな条文では、運用に際して問題が生じうる。私はその点を批判しただけだ』
あくまで一般論ですが、法律の条文に多義的な用語が含まれることは、あまり望ましいことではありません。
この一般論に則った発言として松浦氏の発言を解釈するならば、一般論に則っている部分に関してはある程度の妥当性がある、と言えるかもしれません。
松浦氏は、「私はトランス女性が脅威だなどと発言していない」とツイートしています。
https://twitter.com/gogodai5/status/1085414545814892544
自分の発言はトランス差別ではない、ということを言いたいのだと思います。
たしかに松浦氏は「トランス女性がシス女性へ加害する」とは言っていません。おそらくは「ペニスに対して恐怖をいだく女性(特に性暴力被害者)がいるのではないか」という「問題提起」だと考えられます。
確かに、「女性がペニス恐怖を抱くことの背景への配慮」もまた重要な論点です。
しかし、「トランスフォビアの解消」も同じく重要な論点であることを忘れてはいけません。
「女性がペニス恐怖を抱くことの背景への配慮」と「トランスフォビアの解消」を区別したうえで、その両方を目指した議論をすることが必要となるはずです。
にもかかわらず、松浦氏はこの2つが必ず対立してしまうかのような前提で議論を進めています。この点に、「問題提起」としての不十分さが垣間見えます。
(なおトランスフォビアと「男性身体」への恐怖というテーマについては、こちらの記事で「女性専用スペース」とトランスフォビア - frrootsのtwitter補完メモに詳しく論じられていますので、関心のある方は一読ください)
好意的に解釈すれば、松浦氏の発言自体はトランス差別ではない、と言えないこともないかもしれません。
それでも、不十分な「問題提起」によってトランスフォビアを煽ってしまった、という問題は依然として残るかと思います。
ここで忘れてはならないのは、「手術をしなければ、自分で確信する性別として生きることができない」という状況は、極めて大きな問題がある、ということです。
特例法が求める性別適合手術は、当人の心身に多くの負担を与え、高い医学的侵襲性を伴う医療行為です。「強制断種」の点においても、性の健康と権利の理念から反するといえます。(石田仁『はじめて学ぶLGBT 基礎からトレンドまで』p.99)
言うまでもなく、手術を望む人が手術を受けられる、ということは重要です。しかし、手術を強制されるということは、このように「性の健康と権利」を剥奪されるということです。誰もが持っているはずの当然の権利が剥奪されている。この状況を「差別」と呼ばないのであれば、その根拠を説明するべきでしょう。
松浦氏は先行事例としてイギリスの法制度を紹介し、「懸念」を提起しました。しかしそこで、「手術なしで性別移行できるような法律が、実際に女性への被害をもたらしている」という根拠はまったく提示されませんでした。この点で、松浦氏の「懸念」には、(1) 現実的な根拠がなく、さらに (2) トランス当事者の実態を無視している、という問題があると言えるでしょう。
松浦氏は、あくまで法案の問題点を指摘しただけだ、という反論はしています。しかし、「自身の発言がトランス差別悪化の一因となった」という点については何も述べていません。
もしも仮に松浦氏の「懸念」に根拠があったとしても、トランス差別に反対しなければならないことに変わりはありません。
確かに、議論を深めることは重要です。しかしその過程でトランスへの差別が深まるとすれば、それは問題です(誇張ではなく、差別は人の命にかかわりますから)。そうである以上、トランスフォビアを悪化させない形での問題提起をするべきです。
松浦氏は「トランスフォビアを悪化させない形での問題提起」に失敗した。
(もちろん言うまでもなく、松浦氏の発言以前にも、インターネット上にトランスフォビア言説は存在しました。しかし、松浦氏がトランスフォビアにさらに火をつけてしまった、という点は批判されるべきでしょう)
具体的には
3.トランス差別を悪化させないように、自身の「懸念」をもっと明確に言語化する
以上のことをするべきかと思います。
松浦氏は自己弁護ばかり繰り返さず、自分の言葉が引き起こした帰結としっかり向き合ってください。
曲がりなりにも「政治家」であるならば、自身の発言に責任を持ってください。
差別解消法について議論する目的は、実際に起こっている差別を解消することです。
もしも差別解消法について議論することが、差別を悪化させてしまうとすれば、それはまったくの本末転倒です。
あくまでも目的は差別解消であり、法律はその手段でしかない。議論する際には、この前提を忘れないようにしていただきたいと思います。
この件。
http://www.kokusen.go.jp/hanrei/data/201712_1.html
私は法律のシロートなんで、法律の読み方が間違ってたら教えてほしいんだけど、そもそもこの裁判は、
が争点じゃなくて、あくまで
が争点ってことでいいんだよね? で、判決はBについて明確にNOと言っている。OK、それはわかった。女性専用車両は男性差別ではない。
でもAについては何も言ってないよね?
かかる状況に鑑みると、Yが女性専用車両について、健常な成人男性も乗車することができる旨をあえて掲示せず、これを「女性専用車」であり、女性および小学生以下または身体の不自由な人(その介助者を含む)が乗車するための専用車両であると掲示したことをもって、女性専用車両の表示に関するYの裁量権を逸脱した違法なものと評価することは相当でないし、これが社会的相当性を欠いた、男性の乗客に対する不法行為を構成するということもできない。
ってつまり、「鉄道会社が『健常な成人男性も乗れるんだけど、いちいち説明するのがめんどいからまるで健常な成人男性は乗れないかのような表現をした』ことは違法ではない」ってことだよね?
そうすると、公共交通機関である本件鉄道を運行する会社であり、かつ自ら同車両を設定したYには、現に同車両に乗車する乗客の不安感を払拭(ふっしょく)するため最大限の行為を行うことがむしろ期待されているというべきであって、そのためにはXらに対しある程度強い説得行為が行われたとしても、これをもって直ちに社会的相当性を逸脱した行為と断ずることはできない。そして、一部の鉄道警察隊員が、女性専用車両に乗車中のXらに対して、「駅長さんの要請があれば、あなた方を逮捕しますからね」などとXらにとって必ずしも穏当とはいえない発言をした事実は認められるが、上記のとおりの状況下において、この事実から直ちに鉄道警察隊の行為が不法行為上の違法性を有するものと認めることはできないし、他にYの従業員や鉄道警察隊員が有形力を行使して、Xらをc駅で下車させたと認めるに足りる証拠はない。また、Yまたは鉄道警察隊において、Xを犯罪者として扱ったと認めるべき証拠もないから、かかる事実を前提とするXの主張も採用することはできない。
これは、「鉄道会社が実際に乗り込んだ男性を多少強い言葉で脅しつけても違法ではないし、無理やり引きずり下ろしたり実際に留置場にブチ込んだわけじゃないから違法じゃない」ってことだよね?
ということは実際に男性が逮捕されたりしたら別の話になるのでは???
なお、「出てけと言われたのに出ていかない」ことは不退去罪という犯罪だけど、これって民家や商店には適用できるかもしれないけど公共交通機関である鉄道に適用できるのかな。今ざっと鉄道事業法の条文眺めてみたけど、「乗車を拒んではならない」みたいな条文は見当たらなかった(見落としてるだけとか、別の法律に書いてあるとかだったら指摘してほしい)。
たとえば旅館業法には「客が伝染病患者だったりギャンブラーだったり客室に空きがないとき以外は宿泊を拒否しちゃ駄目よ」という条文がある。仮に、「部屋に余裕があり、予約で埋まっているわけでもなく、伝染病患者でもギャンブラーでもない、きちんとお金を持ってきている客が、俺を泊まらせないのはおかしいとホテルのロビーにいつまでも居座っている」という場合って、不退去罪に相当するの? この仮想の設例ではホテル側がその客を泊まらせないことが違法なわけだから、不退去罪じゃないだろと思うんだけど、法律の専門家じゃないからわからないので誰か教えてほしい。
で、公共交通機関で不退去罪って適用できるのかしら。キセル乗車とか、自由席の切符でグリーン車に乗ってるとかいうわけでもなく、正規の運賃を払って普通の車両に乗っているだけだよね。実際に痴漢をしていたら捕まえられるけど、単に乗ってるだけ、って状況だよね。これに対して「出ていけ」と言っていいの? 言えないの?
「出ていけ」と言っていいんだとしたら、鉄道会社がやろうと思えば「日本人専用車両」とかも作って外国人を排除したとして、それも適法ということになるの? 気になって調べてみたけど、障害者差別解消法はあるけど、性差別・民族差別はないよね(というか、ないからこそ、「女性お断りの居酒屋」や「男性禁止のプリクラ」が存続を許されてるわけで)。実際にそんな馬鹿なことやる業者はいないと思うけど、仮にやる馬鹿が出た時にどうなるのかは知りたい。民事で民族差別として賠償金を科されるだろうとは思うけど……←全ての法律の根本である憲法で人種差別・性差別を禁止してますね。猛省。でも「私企業なんだから女性専用でもいいでしょ」を認めるなら「私企業なんだから日本人専用でもいいでしょ」も通っちゃうんじゃない、って思うんだけど、その辺どうなんでしょ。
仮に「出ていけ」と言うことができないなら、
ってことになるよね?
私は女性専用車両に集団で乗り込んでやろうとかそういうことやってる連中は軽蔑するし、○ねばいいのにと思うけど、それは私の感情の問題であり、法律上乗る権利があるなら彼らが乗ることは許容するしかないんじゃないかなと思う。日本は法治国家であり自由主義社会なので(「犯罪でなければ何をしてもいい教」って書いてる人がいたけど、当たり前でしょ、としか言えない。マナーに反する振る舞いだろうが人を不愉快にさせる行為だろうが法に反してなければやる分には自由に決まってるでしょ。それをやったら友達を失くす、というのと、それをやったら警察に捕まる、は全然違う)。クチャラーは迷惑だし友達がそうだったらお付き合いを考え直したいけど口開けてもの咀嚼することは別に違法じゃないよね、というレベルの話なんだとしたら納得するし、実は違法だという話なら根拠を教えてほしいなと思う。私はクチャラー嫌いだし飲食店で隣の席に座ってほしくないけど、クチャラーが犯罪者として扱われたり根拠もなく公共の場所から追い出されるような社会には反対する。
女性が性暴力の恐怖に晒されていることには本当に気の毒に思うし、女性専用車両が最もコストのかからない解決であることも理解できるけど、それは差別なのでは? という問いにも根拠があるように思えるし、
なのか、
なのか、
なのか、はっきりさせてほしいな、と思う。どれなのかで、私の採るべき態度は変わるので。