はてなキーワード: 嫌煙とは
多分認識が違う。
喫煙者目線での喫煙所って、例えばコンビニの前にある灰皿とかそういうやつ。
これは本当に日々なくなっていく。
あれは確かに増えてはいるんだけど、生活圏にある喫煙所は圧倒的にお店の前の灰皿なんだよね。住宅街とか地下鉄の駅周辺ってのもあんまり喫煙所はできにくい場所だもんでね。
今あなたがすべきは、場所がないならその辺で吸う人達をなんとかすることです。
「これが迷惑をかけない範囲です」って喫煙者側が提示した範囲をだね、感情的嫌煙論者がすんなり信じるわけないでしょう?
フクイチのトリチウム水見ればわかる。ゼロリスクでないと許容しない人々がいる。大気中の粒子状物質がゼロじゃないと納得はさせられないでしょうな。そんな大気は存在しないんだが。
やっぱだめだね。
中にはまともな人もちらほらいるんだけど、嫌煙ヒステリーに埋もれて冷静に建設的な議論を運べるムードじゃないな、とてもじゃないけど。
フェミの敵はフェミとかウヨの敵はウヨとか言うけれども、ことタバコの話題に関しては、困ったことにどれだけ嫌煙派のキチガイが暴れても喫煙派に利する方向にはならないっていうのがまたね。だから冷静なノンスモーカーもわかっててたしなめないんだろうし。非対称な戦いだよね。
ため息つくしかない。
これは個人的な意見で、この話の内容が310さんのファンの総意ではないのでご理解ください。
私は310さんのファンです。
いままで「あの人たちの代わりに同じファンとして謝ります😭」と(他の界隈話ですが)と言っている方たちを見て本当にそう思ってるのかな、なんて思っていました。まさか自分自身が思うなんて予想もしてませんでした。
zikくんの件についてと、無断転載等についてお話したいと思います。
⚠️話がとっ散らかってます。
まず最初に私は310さんの画像を無断転載してzikくんにトンチンカンな擁護してるいわゆる、アモーレキッズが嫌いです。どうも310さんのファンは年齢層が低い、または成人済みでも精神年齢が低い方が多いなと前々から感じていました。年齢ゆえの考えの浅さ、また知識の足りなさもあると思い、画像転載やDVDの録画を転載することに関しては定期的に注意喚起のツイートをするのみでした。煩わしく思われてたようですが、なかには知らなかったと画像を消してくれる方もいました。今回zikくんにトンチンカンな擁護リプを送った310さんのファンの方たちは自分のやったこと、考えの甘さを自覚してほしいです。まず、自分はどこまで知っていて何を知らないのか(今回でいえば何故zikくんのファンの方が怒っているのか)、そのアイコン(310さんの画像を無断転載したアイコン)で発言することでどのような影響力が生まれるのか。それを頭の片隅に置くだけでも違うのではないでしょうか。Twitterで発言する権利を否定したいのではありません、ただ310さんのアイコンで発言したことで310さん並びに真剣に応援している310さんのファンにどのように被害を与えたか考えて欲しいです。「被害」です。「佐藤流司」という名前でNeverまとめが作成され、「310本人のイメージが
悪くなった」と言われているんですよ。ネットで「佐藤流司 Neverまとめ」で検索すると出てきます。もし仮に将来、310さんに興味持ってくれた方がネットやTwitterで「佐藤流司」と検索したら、今回炎上したファンの言動が芋ずる式に出てくるでしょう。310さんのファンの害悪さは前々から言われていたことですが、今回で決定的になったと思います。初めて会った方に「310さんのファンです」と言ったら嫌煙されるかもしれないですね。ファンなのに彼の活動の足を引っ張るのですか?310さん本人は今回なにもしていないのに、彼を応援しているはずのファンのせいで評判がさがってるんです。DVDは違法にアップされたものを見る、浅はかな考えと行動で本人の評判を悪くする。彼のことを好きで応援しているかもしれませんが、マイナスなことしかしてませんよね。
またこの件で炎上している310さんのファンはいわゆる茶の間と呼ばれる人達です。私だって長年、またたくさんのお金を使っている人からすれば新規の茶の間かもしれません。けれど今まで趣味に使っていたお金とは比べ物にならないくらい使っています。バイトができない期間もありましたがそういう時は行ける公演を大事にして、無断転載の映像は絶対に見ず誕生日プレゼントや毎月お金を貯めて円盤も買いました。行けないのがダメなんじゃないのです。行けないなりの楽しみ方として、DVD無断転載やYouTubeにあげられているもので楽しむのがよくないのです。
私的な話になりますが以前、310さんのファンの方達があまりにも常識がなく注意されてもブロックする、無断転載の画像やDVDも消さない、挙句の果てには「ひどいこと言われたね💦」など傷の舐め合いが多いので310さんを応援することが嫌になった時期がありました。「みんなやってるから私もやっていいじゃん、あれもダメこれもダメ息苦しい、なんで私だけ注意されなきゃいけないの」そう思った方はいるだろうし実際そうツイートしているかたも見ました。でもダメなものはダメなんです、違法ですから。出せるお金が少ないのは仕方ないかもしれません、けれど無断転載動画見て「お金ないからしょうがないじゃないですか!」と自分を正当化しようとするのは間違っています。また転載されたDVDを見ることで彼になにかプラスになっていますか?転載されたDVD百回見れば310さんの懐に1円でも入るんですか??入りませんよね。舞台はボランティアじゃありません。人気がない、お金が儲からない作品に続編はできません。ただ単に金儲けだけではなく、次回作を作るお金、舞台装置、役者さんやスタッフさんへの給料などあまり詳しくはわかりませんが、すべてタダでできるものではありません。人気がない商品は棚から消えていくのと同じように、お客さんが入らないお金も入らない舞台は消えていくのではないでしょうか。今回問題発言をした方たちが大好きな🔪ミュだってお金払う人がいなければ潰れます。
肖像権や著作権など、また炎上していることについて知らないのは仕方がないことなのかもしれません(調べようとすればいくらでもできますが)。これを読んで知った今これからどうするか、今一度考えて欲しいです。
センセイの話によると、こういうことらしい。
だがタバコがポピュラーになりすぎると病気の人間が増え、保険料が増えてしまって本末転倒。
だから教育メディアを通して、タバコのネガティブな側面を認知させることでそれを抑制。
そこで禁煙法を制定。
紆余曲折を経て、最終的に二択を強いるわけだ。
「税金をうんとかけてでも吸いたいか? それとも吸うのをやめるか?」
問答無用で受け入れざるを得ないってことらしい。
「そうやって喫煙家と嫌煙家を対立させ、程よく“議論が深まった”ら、タバコの重税を落としどころとして提示するってわけ」
つまり政府にとって禁煙法の目的はタバコの根絶ではなく、喫煙に関する問題意識の植え付けと、税金徴収の大義名分を手にいれることだった。
「道理で禁煙法が制定されても、センセイたちは割と冷静だったんですね。政府の思惑を理解していたから」
「政府だって、あの市長みたいな輩ばっかりというわけでもないからね。タバコを簡単にクビにできるほど、私たちの国は金も心も豊かではないことくらい分かっている」
「でも、それって……つまり嫌煙家を煽り立てて、その実は喫煙家を飼い殺しにしたってことですよね。税金をたくさん手にいれるために」
「悪い言い方をするなら、そういうことだ。だが私たちはそれで納得せざるを得ない。様々な人間が一つの社会で生きている以上、各々が自分の望むものを享受するには、多少のことは甘受しなければならないからな」
「不服じゃないと言ったら嘘になるが、政府を責める気はねえぞ。社会を動かすのは名分だが、支えるのは実利だ。それを両立させる必要があったから、ヤツらは自分の仕事を遂行しただけ」
タバコによって不健康な人間を増やさず、その上でタバコで多く儲ける。
何だか矛盾しているような気もするが、その矛盾を成立させるのが彼らの仕事なのだろう。
しかし、俺は理屈の上では理解できても、何だかモヤモヤが拭えないでいた。
「じゃあ、市長の前で俺たちが言ったことって、大した理屈じゃないってことですか」
「一応の筋は通ってはいたんだが、まあそうなるな。身も蓋もないこと言うと、禁煙法が上手くいかなかったのだってタバコがポピュラーな嗜好品だったからなのが大きな要因だし」
「今でこそ縮小しちゃいるが、一昔前はこの町で人口の半分以上が親しんでいたもんな。そこまで普及したものを、ちょっとやそっとのことで無くせるわけがねえ」
「そうなんですか。てっきり俺は、あの抗争はセンセイたちが裏で色々と根回ししたからだと思ってました」
俺が冗談めかしてそう言うと、さっきまで笑いに包まれていたカフェはいきなり静かになった。
「……マスダ、そういうことは思っても口にするもんじゃないぞ」
「そうだ。本当に俺たちがそんなことしてたらタダでは済まない。お互いに」
「……まあ、他の理由を挙げますと、組合や協会などの強大な組織があったのも大きいですな。同じ理由で、餅やストロング系飲料とかも結局は合法化されましたし。この調子だと、マリファナもいずれ合法化するかも」
「ははは、さすがにそれはないだろ」
「それにしても、そうやって害悪なものを容認することが結果として是になるなら、いずれ課金ゲームのガチャとかも税金がかけられるだけで残り続けるんでしょうか」
「もう、かかってるよ。近々、値上げするんじゃないかな」
「マジすか……」
「マスダはもう少し、自身の情報アンテナを強化したほうがいい」
『物事には善悪だとか好悪だとかでは単純に語れない。そういうケースが多くある』
センセイが以前に言っていたことだが、俺がその意味を正しく理解する日は、もう少し先になりそうだ。
誰がタバコを吸ってる?
俺たちが吸ってる
それはタバコだよな?
俺たちは愛煙家
誰がタバコを吸ってる?
俺たちがタバコ吸ってる
タバコ 誰が吸う?
タバコ 俺が吸う
タバコ 誰が好き?
タバコ 俺が好き
タバコ 誰が吸う?
タバコ 俺が吸う
俺たちは市長に直談判しに向かった。
いきなり赴いて通して貰えるとは思わなかったが、意外にもすんなり事は進んだ。
「今日はどういった用件で……」
「現状は理解しているでしょう。今すぐ禁煙法を撤廃した方が賢明かと」
「……答えを出す前に、1つだけ聞きたいことがあります」
「市長。つまらん駆け引きはナシでいこうや。お互い時間の無駄だ」
「この『禁煙法』は悪法だと思いますか。それをどうしても聞いておきたいのです。私が禁煙法を制定したキッカケになった、あなたたちに」
ナンセンスな問いだ。
市長は既に答えを用意しており、それは俺たちがどう答えても変わらない気がした。
だが禁煙法を制定した時も“キッカケ”があったから、今回もそれがないと市長は踏ん切りがつかない。
俺たちをアポなく通したってのは、それを求めてのことだろう。
そしてマスターたちは手向けとばかりに答えてあげた。
「結果から言えば、悪法ではありますな。全面禁止にして万事解決というのは、些か短絡的かと」
「古今東西、こういった禁止法が円滑に進んだ試しはない。一度与えたものを、そう易々と奪えると思わないほうがいい」
俺も市長に答えた。
「つまり“人を憎んでタバコを憎まず”ってことなんだと思います」
「マスダ、二重丸をあげよう」
「あれ、花丸じゃないんですか」
割と自信のある回答だったんだが。
「タバコも、それを吸う人間どちらも批判の対象にはなりうるよ。タバコが体に悪いことは事実だし、それを吸う人間の裁量だけ憎むのはフェアじゃない」
「オレたちの主張は、体に悪かろうが人に迷惑をかける可能性があろうが、それが禁止にする理由になるとは限らないってこと」
「画像のキャプチャーとかと一緒で、悪目立ちすれば取り締まりや批判の対象になりやすい。奨励はしていないものだからね。だからといって、権利自体を取り上げたら弊害が発生することもあるんだ」
ああ、やっと分かった。
「つまり禁煙法は、タバコを吸う権利そのものを侵害しているからダメってことですね」
センセイは小さく頷く。
花丸はくれないらしい。
そして俺たちの話を黙って聞いていた市長は、いよいよ口を開いた。
「ふむ、お話を聞けて良かった……」
タバコを吸わない俺にとっては素直に喜ぶべきことではないのだろうが、なんだか奇妙な感覚だ。
「ただし条件があります」
条件?
「だろうな」
そしてタケモトさんたちは、何となく察しがついているようだった。
それから数日後、あの殺伐とした状況が嘘のように、俺たちの町は良くも悪くもいつも通りに戻っていた。
「市長のやつ、最後っ屁でタバコに対して重税という条件こそ出したものの、随分とあっさりと容認しましたよね」
いつもみたく尤もらしいことを言って、しぶるかと思っていた。
「たぶん市長は内心とても焦っていた。禁煙法を制定したものの、予想と違って社会は好転するどころか悪化したんだから。だが今さら禁煙法を撤廃したら、自身の政策が短絡的だったと認めることになり、面子にかかわる」
だから解禁する代わりに、高い税率をかけるという妥協案を持ち出したってことか。
「その提案も、お上が市長に指示をした結果だろうがな。おそらく政府は、禁煙法が最初から上手くいくと思っていなかった。最終的に撤廃するつもりだったんだ」
え、一体どういうことだ。
「撤廃するつもりだったのなら、最初から禁煙法を制定する必要はなかったのでは?」
んん?
再定義されても、その度に企業はわずかな隙間を抜けて新たなタバコを作り出したのだ(厳密にはタバコという名称ではなく色んな名前がつけられていたが、みんな普通にタバコと呼んでいた)。
そうすると自治体は新たにタバコの定義を加えたり変えたりする。
企業は企業でその度に新たにタバコを作り直すというイタチごっこがしばらく続いた。
最終的に自治体が企業そのものに圧力をかけることで、この流れは沈静化する。
だが、この頃になると世論の流れが大きく変わりつつあった。
こういったタバコの中には、他人に害を与えないものも多くあった。
それらまで禁止にすることに疑問を抱く人たちが、非喫煙者からも多く出てきたのだ。
そもそもタバコを吸わない人たちが禁煙法に賛成していたのは、副流煙による健康被害や紙巻きタバコ特有のキツい匂いを理由としていたのが大半である。
槍玉に挙げられやすい喫煙者のマナー問題も個別の事例でしかなく、市民のほとんどは必要以上のマイナスイメージを持っていなかったのだ。
吸わない大衆にとっての分かりやすい理由がない以上、全面禁止を訴える声も必然小さくなっていく。
「いや、タバコじゃない」
「けど、その筒はパイプのように見えるけど」
「これはパイプじゃなくてポエプ。煙はフィルターによって有害でもないし、無臭だから匂いもつかない」
「え?……だったらいいのかな……あ! そっちのあなたは違うでしょ」
度々起きたタバコの再定義に組員が対応しきれず、ロクに取り締まれなかったのだ。
そして、この頃になると喫煙行為は、歩行者の信号無視くらいに有名無実化していた。
自作で“タバコっぽいもの”を密かに楽しむ人が増え、時にはそれを売り叩こうとする者までいたのだ。
当然、そんなことが裏で起きているのを苦々しく思っている人も多い。
その中でも特に眉をひそめていた層は自治体……ではなく元タバコ組合だ。
そもそもタバコの販売は、地域で競合が起きないよう組合で決まりが存在していた。
それが禁煙法で丸ごとなくなったのをいいことに私腹を肥やす人間が跋扈し、元組合の者たちは不満を募らせていた。
市場に出回る粗悪品は排除し、よく出来たタバコを作っていた者は組織に引き込んだ。
当然、サクリムケ組合の統制を快く思わないタバコ販売人も多かった。
このためサクリムケ組合とはしばしば小競り合いが発生し、そこに自警団が介入した日には収拾がつかないことも珍しくなかった。
結果として、禁煙法をきっかけに治安まで悪くなってしまったのだ。
そしてその二つの組織の争いは、いよいよ大規模なものへと発展しつつあった。
「社会を回すためにルールがあるのに、そのルールのせいで乱れるなんて皮肉なこともあるよな。有害なものを禁止にするという点では、決して悪法というわけでもないのに」
マスターたちは談笑していたものの、俺は心のうちに焦燥感を抱えていた。
ハトとタカの争いも、鳥に関心のない人間からすれば同じ動物同士の戦いでしかない。
あの二つの組織の争いが激化し、表面化すれば事態は更に悪化することだろう。
マフィアの抗争じみたことが起きて、一般社会にまで波紋が広がる可能性がある。
「何とかして止められないものでしょうか」
「それは構わないが、あの二つの組織をどうこうしても根本的な解決にはならないだろう。その場しのぎにしかならない」
「それって、つまり……」
確かに禁煙法がなくなれば、以前のようにタバコ組合が公に活動できるから統制しやすくなる。
禁煙法に相応の理由がある以上、撤廃することにも相応の理由がなければ政府は動かないと思うのだが。
「ま、ちょうどいいタイミングだろうな」
タケモトさんたちはゆっくりと立ち上がった。
その動きには焦りも迷いもない。
何らかの打算があるのだろうか。
「むしろ今まで(タバコが)普及していたのが不思議なくらいでしたね」
「すっぱり禁止にするというのは思い切りが良すぎるとも思いますが、現状を踏まえるとそれ位しても良いのかも」
予想以上に『禁煙法』に賛成する人々は多かった。
これが個人にとってどうでもいい対象ならば、肯定する側も否定する側もたくさんいただろう。
だが大半の人々にとってタバコは肯定する理由はなくても、否定する理由はたくさんあった。
「もっとネットとかでネタにされるレベルのこと言って欲しいですよね」
「ま、あのあたりの街のヤカラにインタビューしたら、月並みな意見しか出てこないわな」
この流れにマスターたちは落胆するかと思いきや、意外にも冷静だった。
「みんな、タバコが吸えなくてツラくないんですか?」
「ちょっと口寂しくはあるが、オレたちは依存症になるほど吸ってないからな」
「他の喫煙家たちも、ほとんどは耐えられるレベルだと思うよ。毎日たくさん吸うか、よほど重いタバコを常用しているとかでもない限り」
「なるほど、だから冷静なんですね」
「いや、まあ、それもあるけどな」
タケモトさんが気になる言い方をする。
他にも何か理由があるのだろうか。
「私たちは『禁煙法』が、しばらくしたら撤廃されると思っているんだ」
その答えに俺は少し落胆した。
楽観的な考えだと思ったからだ。
「それは難しいんじゃないでしょうか。多くの人は『禁煙法』を歓迎していますし、タバコの有害性から考えても、改めて普及するほどの理由がない」
「マスダ、物事には善悪だとか好悪だとかでは単純に語れない。そういうケースが多くあるんだ」
センセイの含んだ言い方は要領を得ない。
「じゃあ、どうやって撤廃させるんですか。デモとかをするんです?」
「ははは、違う違う。デモなんて一般大衆からすればタバコ並にウザい行為だよ。ましてや主張が支持を得られないなら尚更」
「まあ、デモをするやつもいるだろう。主張の内容が何であれ、一応は立派な抗議活動だし。だが、それはあくまで問題意識を持続させる位の効果だ」
「では、一体……」
「つまり最終的な判断が政府側に委ねられている以上、この『禁煙法』が失敗だと思わせる必要があるってこと」
それからしばらくすると、センセイたちの言っていたことを俺は理解しつつあった。
なぜか禁煙法ができてからのほうが、消費量は増えてしまったのだ。
まずこの決まりを作った人間がタバコに詳しくなかったうえ、法を急造したものだから色々と穴だらけだった。
そのせいで一般的な紙巻き以外の、マイナーなタバコが普及し始める。
「おい、タバコを吸うのはやめろ」
「吸ってない。噛んでるんだ」
「吸ってない。舐めてるんだ」
「吸ってない。吹いてるんだ」
「んん? どういうことだ」
しかも、それらタバコは紙巻きタイプのものよりも非常に“重い”ものがほとんどだった。
「オレは缶タイプのを試してみたな。だがパイプでアロマやってた身としては、あれはキツすぎるわ」
各タバコを間違ったやり方で楽しむ人も多かった。
「私は噛みタバコを試してみたよ。ちょっとクセが強かったね。飲み込んだときの風味は特に」
「センセイ、それ飲んだらダメなやつじゃ」
「ガムも飲むもんじゃないですよ」
当然そんなことを恒常的にしていれば、重度の依存症になりやすい。
結果として紙巻きタバコが普及していたときよりも、患者数の割合は増えてしまったのだ。
事態はこれだけでは終わらなかった。
センセイとタケモトさんは嫌な予感を察したのか、おもむろにタバコを吸うのをやめた。
「ん……タバコ……?」
だが市長は目ざとかった。
「喫煙席というか、そもそもウチはそういう区分けはしていないので」
「なんですって!? タバコを吸わない人間のことを考えないのですか」
何となくそんな気はしたが、間違いない。
マスターはしぶしぶといった具合に返答するものの、市長は止まらない。
「タバコというものは百害あって一利なしなんです。そしてこの害は他人にもおよぼす。やるならマナーを守ってください」
「巷にどれだけ他人に害を及ぼすものがあると思ってんだ。タバコだけ駄目な理由がねえだろ。ましてやオレたちは喫煙OKの店で吸っている。正当な権利を行使しているだけ」
「その通り。そういった話は実際にマナーの悪い人間に言うことであって、我々に言うことでも、この場で言うことでもない。むしろあなたのほうが、私たちの権利を奪おうとしている点で不当とすら言えますよ」
「あと、『百害あって一利なし』ってのも古い言葉ですね。いくつかの効能があることも判明していますし」
「市長さん。どんな理由があれ、ウチは喫煙OKにしているという前提を忘れないでください。その上であなたには我慢するか、別の店に行くかという選択肢がある。そのどちらも嫌だから私たちにタバコを吸うなというのなら、それは傲慢ですよ」
だが市長の分が悪い。
とりあえずみたいなノリで難癖をつけたものだから理屈が通っていない。
分かりやすい大義名分が効かず、ただ主張を押し通すだけの機械になってしまっている。
逆にマスターたち喫煙家側はこういったことを言われ慣れているのか、理論武装が既にできているようだった。
さすがに形勢が不利だと感じたのか、市長はふと目に入った俺を槍玉にあげた。
「ほら、あそこにいる若者。タバコを吸わない彼に、煙を一方的に吸わせて良いのですか!」
うわあ、もう勘弁してくれ。
俺もタバコは好きじゃないが、だからといってアンタみたいに強い思想は持ち合わせていないんだ。
いくら理屈が通らないからって、俺を自分の主張の担保にしないでくれよ。
「いや、あの……別に俺は気にしていないですし。だからこうして店に居座っているんで」
「まあ、キツいタバコの副流煙を近距離でガンガン吸ったらなるかもですが、一応は離れた場所で換気もしていますし。個人差こそあれどそれが原因でなるって、よっぽどのことがないと……」
「学校で」
「ひぃ~! 情操教育の敗北!」
市長は意味不明なことを言いながら、逃げるように店から出て行ってしまった。
嵐が去って、マスターさんたちは安堵の溜め息を吐いた。
「いやあ、逆に今の時代だからだろ。義務教育の段階でタバコが体に悪いってことをしつこい位に学ばせるからな。今はそいつらが親に、下手したら老獪になっている世代なわけで、そりゃあ喫煙家にマトモな市民権を与えようって声は出ねえよ。逆はたくさんあっても」
「仕方ないですよ。彼らがタバコを嫌うのには相応の理由がある」
「そうは言っても風当たりが強すぎんよ。過剰に悪いところばかりあげつらって。喫煙家の中でも一部の悪い奴をサンプルに理論を展開しやがる」
「オタクの中からソシオパス探し出して、オタクを社会不適合者の集まりみたいに語る、みたいな?」
「マスダ、その例えは分かりにくい」
マスターたちは気持ちを切り替えて雑談に興じていたが、俺は別のことが気になっていた。
俺がそう告げるとマスターたちが固まる。
「ああ、もう気づかないフリしていたのにさ……」
そう、市長はこれまでも破天荒な政策を幾度となく実地してきた。
そしてその不安は数日後、見事に的中した。
コーヒーはコーヒーだとしか思えず、美味いとか不味いとかいう感情が出てこないのだ。
そんな俺でも、たまにカフェを利用したい気分に駆られることがある。
そういうとき利用するのは、近所の『タコトバッキョウシ』という店だった。
少し前までは客引きのために色々なサービスを実地していたが、紆余曲折あって今はこじんまりとしたブックカフェに落ち着いている。
メニューも取り立てて特別なものはないが、地元の常連客に親しまれ、俺もその店に漂っている独特な空気感が嫌いではない。
「おや、いらっしゃいマスダくん。久しぶりだね」
店内を見渡す。
以前と、まるで変わっていないことに安堵感を覚える。
多少の違和感もあるが。
「やあ、マスダ」
「おっす」
店にいたタケモトさんと、センセイが吸っていたタバコの匂いが、その違和感の正体だ。
「バス以外でセンセイと会うのは珍しいですね。しかもこのカフェにいるなんて」
「好きな銘柄が売ってるタバコ屋がこの近くにあったんだ。で、すぐ吸いたいときは、このカフェにいるって感じ」
「二人ともタバコ吸うんですね」
「オレは厳密にはパイプでアロマやってるだけなんだが、まあ広義的にはタバコっちゃあタバコか」
匂いを気にしていたのが顔に出ていたのか、気づいたマスターが換気扇のスイッチをパチパチといじる。
「一応、換気扇はフル回転させるけど、それでも気になるなら我慢してね。うちは禁煙席とかそういうのないから」
俺は軽く会釈すると、センセイたちのいる場所から離れた席に座った。
まあ、それがこの店の方針なら従うが。
「パイプで色々と試してみたけどさ。何だかんだでバニラに行き着いたな。燻製でいうサクラと一緒だ」
「私は別にこだわりはないですが、初めて吸った銘柄が『シーネー・ジパング』だったので、以降はずっとこれですね。愛煙家で好きな人は少ないですが」
「ワシはあくまで香りを楽しむ派ですな。吸いはしませんが、葉巻だと『ヲッチャ・コッカイ』あたりを……」
俺は話の輪に入れないというか入る気もないが、タバコの近年の状況を顧みると、ああやって朗らかでいられるこのカフェはタケモトさんたちにとって特別な場所なんだな。
だが、その時である。
新たな来客がドアを勢いよく開けて入ってきた。
店内に静寂が漂う。
その来客からみれば俺たちは見知った相手ではなかったが、俺たちからすれば知っている人間だった。
「ふう~、まいった。いきなり降り出してきた……」
この町の市長だ。
まだ何も起きていないが、これから何かが起きる。
そしてそれは絶対にロクなことじゃない。
そんな予感がした。