はてなキーワード: レジとは
名駅前のビジホに泊まる機会があったから、ビックカメラを久々にまじまじと見たんだが、国産メーカーの凋落がモロに現れてて悲しくなった。
パイオニア、ケンウッドあたりの音響メーカー、富士通、NEC、三洋
サンワサプライ、ハイアル、au、docomo、NTT西日本、NTTコミュニケーション
ブランドが山ほどあることが前提で、あの外壁やレジ袋が成り立ってたと思うが、NTT三社を全て載っけてるような現状だと見てても気分が上がらないんだよね。
天気がいまいちなせいで昼間からとても眠かったので、眠気のせいでバイトで凡ミスして客からキレられたら嫌だなと思って、昼寝した。低気圧の夕方っておかしな客ばかり(しかもアラフィフの女性がとても多く、なんか怒りを爆発させるネタを探しに態々出かけて来てるんじゃないかなって感じだ。気に入らない事へキレる反射神経が光速に追い付いてる。)よく来るからなあ。つまんないミスで店じゅう響き渡る金切声で怒鳴られたくはない。
と、昼寝をしたらすごく生々しい夢を見たのだが、あらすじを文章で表すと、地味に荒唐無稽っぽいだけのつまらない話になる。
どういうストーリーだったのかというと、レジの仕様がまたマイナーチェンジされて、店員側のタッチパネルが常にインターネットに繋がっている状態になったというもの。レジ対応一回やるとタッチパネルが広告の画面に切り替わり、5秒以上の短い広告動画を見なければいけないというタスクが発生するし、レジ対応の最中にも広告のポップアップが画面に出て来て仕事の邪魔をするのである。
なんだこの鬱陶しい広告。本部の奴らは何を思ってこんな糞みたいなシステムにしたのだろう? と思いながらも21時まではトラブルがなかった。ところがだ。老人とチンピラみたいな若者の二人組がレジに来てアメリカンドッグ二本を注文してきた。それで私は、他に店内に客がいないからと言って横着をして……レジに注文を入力する前に商品を取って来て、それからレジを打とうとした。ところが、レジのタッチパネルの「フライヤー」の所に金貸し屋の広告バナーがかぶっていて、何をどうしてもフライヤー商品の入力が出来ないのである。私は焦りながら試行錯誤をするのだが無理で、その最中客二人組が早くしろこの能無し! のろま! アメリカンドッグが冷めちゃうだろ!! と罵倒してくる。万策尽きたと思った私はオーナーに電話で聞くしかないと思い、
「申し訳ございません! 今、オーナーに電話で確認しますので、もうしばらくお待ちいただけますか?」
と言ったが、客二人組はもういい!といってレジ横の電子タバコの立体広告を蹴飛ばして店を出ていった。
と唸っている自分の声で目覚めた時、まだ午前10時5分だった。寝ようと思ってから一時間も経っていない。あまりにも鮮明な悪夢だったので、ぼんやりした頭でこんな場合はどう対応すればいいのかオーナーに問い合わせのLINEを送ろうと思い、真剣に文面を考えていたらその間に寝落ちしたのか、それもまた夢の一部だったのか、よくわからないが気づいたらまた夢の中にいた。
出勤したら更衣室の場所が変わっていて、事務所の片隅ではなくトイレの横になっていた。で、新しい更衣室に入ったら、三つの従業員用ロッカーがあった。その一つ一つが充分な大きさがあるし、女子のぶんだけで三つあるってことは、シフトに入った相手と共有しなくて済むし、広々と使えるなぁ、やったー! と思ってそこに荷物と私服を入れた。
そして、上がりの時間の十分前にトイレ掃除をしようとしたとき、交代のバイトが出勤してきたのだが、一人はDさんでもう一人は見たことがない人だった。新しい夜勤のバイトだという。それで挨拶をしようとしたのを新しい夜勤のバイトだという人が遮ってきて、
「ロッカーの荷物、さっさと退けてくれないですか? それ、正社員用なんですけど。っていうか、どうしてただのバイトの分際で個人ロッカーが与えられると思ったの? 笑けるんですけど。ほら、てめえのような下賎の者の荷物置き場はここだよ、クズ」
と、更衣室の隅っこ似合った廃材一歩手前の朽ちかけの下駄箱のような物を指指した。
新しい夜勤のバイトだという人が更衣室を出て行ってから、Dさんがこっちに来て言った。
「ちゃんと説明されないとわかんないよねー。私もさっきあの人に言われるまで、新しいロッカーやっほーって思ってました。なんかね、オーナーが最近クトゥルフ神話にハマってて、それで占い師に正社員を雇って大事にしろって言われたらしくてー、すごい豪華な仮眠室作ったりとか、トイレも特別に改装したりとかして。あ、ちなみにうちらバイトの専用トイレも作って貰えたんだけどこれです」
Dさんは更衣室の片隅を指差した。そこには何の仕切りも目隠しもなく、蓋がなくてしかも小汚なくアンモニア臭い様式便器がぽつんと設置されていた。ケツはお花紙で拭けと。そして、トイレの背後が窓ガラスの填まっていない窓があって、そこが何でか客用トイレの個室と繋がっている。
今日の仕事は暇な時期の日曜日くらい暇だった。Aさんは今日も休みで、オーナーがシフトに入っていた。暇過ぎてオーナーが話しかけて来るのだが、一々距離が近い。以前は2レジにいる私へオーナーが1レジからクソデカボイスで話しかけて来ることが多かったが、それは私がまだオーナーにあまり信用されていなかったからだ。最近は私が「はい」「わかりました」とキャバ嬢のさしすせそくらいの事しか言わず、淡々と仕事をしているせいで、信頼度が上がったようだ。オーナーは心の距離()がすぐ物理的距離になっちゃう質らしい。それで老若男女関わらず、信用している従業員には至近距離で話しがち。
20時から新人の高専五年生がトレーニングに入った。とっくにAさんが詰めこみ教育をしたことを、オーナーはまるで初めて教える時のように教え込んでいた。高専五年生は大人しく聴いて、言われた事を黙々とやっていた。
だが高専五年生は、事務所やバックヤードからフロアに出る時に「いらっしゃいませ」と言うという決まりを、何度オーナーに言われてもちゃんと出来なかった。あまり愛想の良い性格じゃあないのかな。でも話しかければ普通に応じてくるので、全くの無愛想でもない。ただフロアに出るというだけで「いらっしゃいませ」という意味がわからないから言いたくないのだろうか。しらんけど。
まあでも、夜勤の若い男子が無愛想でもほとんどのお客様は全然気にしないから、いいんじゃないだろうか。私だて今までの半生のなかで、気さくで若い男性コンビニ店員なんかたった一人しか見たことがないしなあ。
当店に勤め始める前に私が働いていた同系列他店の夜勤だった、イケメン正社員氏がその唯一の気さくで若い男性コンビニ店員だった。彼は恐そうなおじさん達にとても好かれていたので、男でもそういう性格で損することはないのだろうなと思う。でも別に、無愛想だからといって無闇やたらと因縁をつけられる訳ではない。だが女の場合、接客業なのに無愛想だとわりと致命的だ。時には暴力沙汰にまで発展してしまうので、元が根暗だろうとなんだろうと、仕事中だけは明るくちゃきちゃきしてる振りをしていた方がいいみたい。
21時頃だったかに、久しぶりにセクシャリティを服装で表現しまくるタイプのゲイのお客様が来店。いつものタバコを買っていかれた。左耳にだけピアスってことはタチなんだなこの人……あ、そういえばJUDY AND MARYの『そばかす』の歌詞に「思い切りあけた左耳のピアスには」ってあったけど、女子が左耳にピアスを開けるとなんか別の意味あったりするんかな……と思いつつ見送った。
当店には行楽シーズンとかに、なぜかよくセクシャリティを服装で表現しまくるタイプのゲイの人達が立ち寄るのだが、近くに何か会合でもあるorあったのか、時間を微妙にずらして同じような服装の屈強な男達が続々とやってくるのだ。なんか、平成時代のJK並みに同じ服装をするのが好きなんだな。
もちろん、そういう服装じゃない系のゲイのお客様もいて、パートナーと手を繋いで買い物をしているのを時々みかける。
そういえば、去年の年末だったか……歌舞伎町から車で友達の家に行く途中に寄ったというゲイのお客様が来店したことがあって、そのお客様はAさんを見て、
「あら、あんた良い男じゃない?」
と一目で気に入ったらしかったが、でもお会計の時にAさんに対してなんか意地悪にネチネチと絡んできたらしくて、後でAさんが、
「気に入ったなら優しくしろよな!」
と荒れていた。まあでも、せっかく顔を誉められたのに平常通りクソみたいに雑な接客をしたからだろっていう。
そんなこともあった。
仕事上がりに事務所の隅っこの更衣室で着替えている最中に、ふと壁に着いている姿見がロッカーの扉の内鏡と合わせ鏡になっているのに気づいた。まあでも普段からその二枚の鏡で自分の後頭部を映して後れ毛のほつれチェックなどをしてはいるのだが、うまく距離を取れば小さな内鏡にも腰の辺りまで写せるということには今日初めて気づいた。自分の背中を、無理な体勢にならずに見たのって人生で初めてだが、私って本当に姿勢がいいんだな(この間、女子フリーターアルバイトさんに言われた)ってなんか感動した。
スマホの充電器を買いに行ってきた。昨日まで使ってた顔の描いてある充電器は一年も保たなかった。製品があかんかったというよりは、子供にいじらせたのがいけなかったと思う。彼ら、何度注意してもケーブルの真ん中部分を持って勢いよく引っこ抜いてくださるんよね。スマホ本体のコネクタが死ななかっただけましだろうか。
某電機屋のレジ打ちの人、名札のしたに「笑顔で接客」ってでかでかと書かれたプレートを着けていたが、眉間にすごい皺を寄せた渋面で接客をしておられた。たぶん老眼であろう。私が充電器と一緒にあつ森用のamiiboカードのダミーを渡したので、カードの種類をよく確認するためにすげえ顔をしかめて凝視せざるを得なかったんだと思われ。いい大人の癖して子供が買うようなカードを真っ昼間に買ってごめんやでー☆ 本当は子供達に一人一枚買ってやりたいんだけど、推し住民が出たの出なかったのとか下らない喧嘩をしまくるから、これは親のなので君達には取り合いっこする権利はない! と言い聞かせた上で「使わせて」やるってんでないと家庭が殺伐としてしまうので、仕方なく! 仕方なくね!! 330円払いました。ほんというとそんな小銭使うくらいなら自分の好きな漫画1冊買いたいわ。
久しぶりの晴天からの激しい雷雨、みたいな気圧の乱高下するような日には、来客が少ないのにやってくるのは嫌な客ばかり、というのがコンビニバイトあるある。昨日もそんな客に当たって嫌な気分になった。
そういう悪天候の最中に来る嫌な客の多くが50歳前後の女性。なんか更年期障害かなんかで仕方ないのかもしれないが、だからって許容できるかっていったら残念ながらかなり無理だ。そして、ああいうのが十年後くらいの自分の姿かもしれないと思うと余計に気が滅入る。二十年ほど前にもはや狂人としか思えないほどの有様だった母に振り回されお陰で人生を歪められたことも思い出してしまうし。ま、今の生活に不満があるかといえば別に無いのだが、だからといってあの頃の母を許せるかどうかは別問題だしね。今の暮らしを楽しめるのは自分自身と母以外の人達のお陰であるので。
いいですか、未来の自分よ。その頃にはもう頭ん中が辛い苦しい私だけが世界一不幸誰か助けてよ! っていう気持ちで一杯かもしれないけれど、一時の気の迷いでも壊してしまった信頼が綺麗に元通りになることはないのです。自分の機嫌は自分で取れ。例えそれがどんなに苦しくても。行き付けのコンビニですら若いバイトから「また来たよあのババア」と思われるのは嫌じゃない? しかも他人にそこまで思われる時、身内には大概早く死ねって思われてるよ。
はぁ……。それは果たして努力でなんとか回避できるものなのだろうか。
Aさんとのシフトのはずが、何故かAさんが強制的にお休みを取らされており、オーナーがシフトに入っていた。理由は、新人の高専5年生に仕事を教えたいからだったそう。まさかとは思うが、Aさん、高専5年生からNG(一緒にシフト入りたくない)出されたんじゃないだろうな。
先週の火水木でAさんは高専5年生を完璧に仕上げると鼻息荒くしていたのだが、実際それで何をしたのかというと、高専5年生をずっと棒立ちにさせておいてひたすら説明をして聴かせていた。覚えて貰うべきは皿洗い的な単純作業がほとんどなのにそれは酷いので、見かねて私が高専5年生にちゃんと作業をやらせてくれと口を出したところ、今度は高専5年生が作業をする側から手直しをするわ遅いといって作業を中断させて自分でやってしまうわで、積極的に新人の心を折りにいってんのかお前はという有様だった。
そんな地獄の三日間を過ごしても高専5年生はちゃんと出勤してきた。正直、無言でブッチしてそのまま飛んでも不思議じゃないなと思っていたので、高専5年生のタフさに感動した。
オーナーは、まるで先週の三日間などなかったかのように高専5年生に一から仕事を教えていた。高専5年生は「それもう習いました」みたいな言い返しをせず、オーナーの言う事を真面目に聞いている。高専5年生……できる子!
「増田さん、フライヤーの籠って一回に一個しか洗えないんだっけ?」
と聞いてきたので、
「いえ、四個一緒に洗えます」
と答えたら、オーナーがじゃあ高専5年生君に食洗機のかけ方教えてやってくれというので、そこだけ私が教えることになった。
フライヤー掃除は前半と後半に分けられていて、前半はフライヤー付属の籠と抑え網と籠をかける棚などを洗うのが仕事で、それは夕勤の領分なのだが、夕勤が忙しくて手が回らない事もよくあるので、夜勤の人も一応覚えなくてはならない。後半はフライヤーから油を抜いて入れ換えたり、フライヤー本体をきれいに拭き上げるのが仕事で、夜勤しか作業手順を知らないのだ。
私がオーナーから教えてやれと言われたのはフライヤー掃除前半のやり方の一部なんだけれど、オーナーはそれを知らないって訳では勿論ない。でも私に代われっていうのは、どうやら高専5年生が自信満々にやったら完全に間違えていたからであるらしい。高専5年生は「Aさんがこうやれって言いました」とでもつい反論してしまったのだろうか。オーナーは久しぶりに入った夜勤人材と無駄な衝突をしたくなかったのかもしれない。オーナーはけっこう口が悪いのを自覚しているが治せないらしく、従業員と口争いになりそうになると、他の女性従業員に代わって揉め事を回避しようとすることがよくある。
私が食洗機に籠四つを一度に詰め込む方法を高専5年生に教えて彼に実践させたら、彼は素直に言った通りにやってくれた。よかったよかった。しかしこれ、Aさんが初日に長々と説明していた事の一部なんだけど。やっぱり単純作業は実際にやらせてみた方が早いよなあ……。
高専5年生は、オーナーから全部の作業を初めて教えられるかのように教えられて、私と同じ時間に上がった。この間よりは猫背じゃないし表情もよくなっていた。彼は一通りの仕事を覚えたあとすぐに学校がテスト期間に入るようで、そしたら次にバイトに来るのはお盆過ぎだというから、なかなか大変そうだ。
家族がやってる店が新規オープンするので手伝いに行くことになった。食品関係の店だ。
そんなにいい場所でもないし小規模な店舗だしオープニングで売出しをすると言っても宣伝はSNSと地元のタウン誌に広告を出しただけでそこまで忙しくなる計算ではなかったようだが、実際蓋をあけてみたらものすごい人数が押し寄せてきた。
レジは無秩序な列ができ商品へのアクセスができない状態、しかも横入りなどが多発し小競り合いがおきている、こっちは品出しとレジに追われてるのに店内に入れない奴までもが何かを叫んでいる
駐車場なんてもともと数台分しかないのに周りにあるアパート住人の駐車スペースや通路に勝手に駐車し苦情がくる
オープン当日でさっき届いたばかりの花輪の花を勝手に抜いて持っていく(1時間後に見たら花が一本もなかった)
人でぎゅうぎゅうなのにマスクしないで入ってくる奴、座り込む子供
完全にカオスであった。
人手はできる限り増やしていたしそれなりの打ち合わせやロープレもしていたけどこのザマだ
そもそもオープンでのサービス目当てで集まってくるチェリーピッカーどもにマナーを説くこと自体おかしいのか
本当に全体的な民度が下がっているのか
イギリスからアメリカに移住した初期の移民の多くはイギリス政府から逃れて来た清教徒だったりするし、彼らは所謂 nonconformist (非遵奉派?非国教徒?)だから政府べったりになるのを良しとせずに距離を置こうとする。だから弾圧されて逃げて来たわけだし、今でも米国のキリスト教会はメソジストやバプテストやクエーカーやプレスビテリアンが多い。
一方、アメリカ独立革命の主流派は、啓蒙思想・自然権思想の信奉者たちであって、独立宣言もまさにフランス革命の宣言文のような文章である。もちろん市民革命(特にフランス革命)に於いては教会はアンシャン・レジューム側であり、革命派からすれば敵であった。だから革命後は政教分離が徹底された。(特にフランスで) 「信教の自由」が強調されるのもそういう背景あってのこと。
そういう事情もあって、アメリカでは政府と一般国民の間の緊張感・不信感みたいなものが割と強く、それが陪審員制度や銃を持つ権利の強い擁護などの背景にある。(お前らの勝手にはさせないぞ的な) また、何かと政府の陰謀論が取り沙汰されるのもそういう背景があってのこと。UFOとかケネディ暗殺とか。
タイのことはよく知らん。
やっと夜勤に人が増えた。女子フリーターアルバイトさんが、その人が面接にやって来たときに丁度シフトに入っていて、その人を見てたそうで「高校生くらいの男の子」だったと言っていたが、実際は高専の五年生だった。女子フリーターアルバイトさんにかかると35才以下の男はみんな「高校生くらいの若い男の子」になってしまう。自分とほぼ同くらい見分けてくれ……。
女子フリーターアルバイトさんは「高専」というものをそもそも知らなかったらしく、「それって高校と専門学校のどっちなんですか?」というから、「中学を卒業した後に入る、もっぱら理系ばっかりの専門的なことを勉強する学校」とざっくり説明したら、
「なんだぁー専門学校かぁー。よかったぁ」
と何がいいのかよくわかんないなと思いつつ、
「高専っていったら、理系のすごく頭がいい奴が行くところだよ、少なくとも私の地元では」
と言ったら、女子フリーターアルバイトさんはすごくショックをうけていた。
「えぇー。うちすごい馬鹿だから、そんなに頭のいい人とは話が合わないかもしれない。どうしよう……」
と深刻な顔で言う。まあ、大概の男は女子の頭の中身がいかほどであるかなんてきにしてないから大丈夫じゃね? しらんけど。
私の地元では高専=天才の行くところだが、こっちでもそうであるかは知らないと言った事により、女子フリーターアルバイトさんは初めて私が地元民ではないことを知ったらしい。あんまり気にした事がなかったが、私、女子フリーターアルバイトさんの前で自分の事を何一つ話した事がないんだそうだ。そういえば、以前に女子フリーターアルバイトさんから年齢と子供の数とその年齢を聞かれて答えたくらいしか話した事がなかったかもしれない。実家は何県のどこなのかとか、学生時代何部だったのかとか、事細かにプロフィールを聞かれた。
新人の高専五年生が出勤してくるのは20時30分で、女子フリーターアルバイトさんの上がりの時間は20時なので、女子フリーターアルバイトさんは残念がっていた。棲む世界の違ってそうな人でも、同い年の男なんて日常生活でお目にかかる機会が今や滅多にないから貴重で、やっぱり会えるもんなら会いたいんだとか。
高専五年生は火曜日が初出勤だったのだが、いつもは新人の初日には必ず居るオーナーがその日は休みだった。オーナーは新人教育をAさんに丸投げした。
新人はたいてい入って二週間はトレーニング期間で、その間の働きで本採用かどうかが決まる。だがオーナーは何を思ったのか、高専五年生を今週3日連続でシフトに入れて、来週に「見極める」とAさんに電話で言ったそうだ。雑用の類いを教えるのはAさん任せにして、重要な仕事はオーナーが自ら教えるのだが、来週はその仕事を教えて大丈夫かどうか「見極める」っぽい。
だがAさんはこの三日間で高専五年生を仕上げないと本採用にならないと頭から決めてかかっていて、短期決戦で全部完璧にするという。目の色が変わってるぜ。
とりあえず今週はレジ打ちは教えなくていいというオーナー命令により、Aさんが高専五年生を教えている間、私はレジ打ちや細々とした事をすることになった。そしたらAさんは本当に高専五年生につきっきりになってしまったので、夜ももうたいがい遅いというのに、レジに長蛇の列が出来てしまう。
やっとお客様がみんな帰っていった後、Aさんが高専五年生に教えているのを盗み聞きしたが、そんなに説明することってあるかというくらい延々と講釈を垂れており、高専五年生は真面目にメモを取り続けていた。大丈夫だろうか。メモを取らせるのはいいとして……、やってることは家事と変わらない。バットを食洗機にかけるとか、フライヤーから油を抜いて掃除するとか、大概の人間は見て実践すれば覚えるのではなかろうか。
米飯とサンドイッチとパンの検品・品出し作業は、私が米飯とパン(アイテム数がとても多いから)を担当し、高専五年生とAさんがサンドイッチを担当した。私は自分の作業に集中しているふりをして、二人の様子をチラ見していたのだが、Aさんはまたしてもずっと説明をしている。高専五年生はずっとメモを取っている。作業はAさんが説明をしながらやっていて、高専五年生はそれを立って見ている。検品作業は専用の機械の使い方を覚えなきゃいけないけれど、品出しは手を動かすだけの作業で、覚えることといったら古い商品を前に出して新しい商品を奥につめこむことくらいしかない。そこまで説明することってあるのだろうか。
私は仕事の合間にAさんに何度か言ったのだが、Aさんは、
「来週にオーナーの見極めがあるから、この三日間で全部の仕事を出来るようになってもらわないと」
と繰り返すばかりだ。ただでさえ募集しても人の来ない夜勤の貴重な新人なので、そう容易くクビは切られないだろうし、むしろ普通の新人よりもずっと大切にされると思うのだが。
そんな火曜日だった。
水曜日は私は休み。でも水曜はDさんもシフトに入るので、Aさんがなんかやり過ぎたりしていたら、私よりもよほど直球に文句を言うから大丈夫だったんじゃないかなと思いたい。
そして木曜日。高専五年生は初日のような生彩がなくてしかも猫背になっていた。Aさんは、
「昨日で全作業を教えて彼もよく覚えたように見えたから、今日で仕上がると思います」
と言いながら、なんでかフライヤー棚のバットを自分で片付けているので、
「……で、それで何でAさんがそれを全部やっちゃうんですか? 時間が許す限り彼にやらせて下さい。いくら頭に知識として入っていても、オーナーの前で再現できずにまごまごしたら、何も覚えていなかったのと同じですからね」
と私は言った。こんなに強い口調でAさんにものを言ったのは初めてだったが、Aさんも私がイラッと感を顕にするとこなんか見たことがないのでビビったらしく、「あ、はい」と反論してこなかった。
オーナーがどういうつもりで「見極める」という言葉を使ったのかは、本人に聞かない限り真意はわからないけれど、いつものパターンだと言うほど大した事じゃないので、この三日間で本採用にするかしないか決まるって事はないというか、よっぽど最悪のやらかしをしなければ、高専五年生はずるずるといつの間にか本採用になっているだろうなと思う。ので、オーナーのお気持ちなんかけっこうどうでもよくて、一方、どうでもよくないのは高専五年生当人の気持ちだ。この三日間で、難しいなとかやっていけなさそう、割に合わなさそう……なんて思われたら採用を辞退されてしまう。そうならないで欲しいんだけど、この三日間の詰め込み学習っぷりに高専五年生は何を思ったのだろうか。作業に手を出せば最後までやらせて貰えず、しかもやったそばから手直しをされることでフラストレーション溜まってないかなあ。
上がりの時に挨拶がてら高専五年生と話す。なんか女の子大好きそうなので、夕勤に高専五年生と同い年の女の子がいて、何れシフトが一緒になると思うよと言ったら案の定食いついてきたのだが、
そこなの? と思いつつ、
「うん? フリーターだよ」
と答えたら、「そうですか……」と高専五年生はあからさまテンションが下がった。大概の男は女子の頭の中身がいかほどであるかなんてきにしてないから大丈夫じゃね? と想ったらだいじょばなかったかもしれない。しらんけど。まあ、高専男子なんて今を逃したら一生付き合えないと思うので、女子フリーターアルバイトさんがんばれって思った。
ネットスーパーで買い物をする習慣がついて、久しぶりにリアルのスーパーで買い物してみたら辛かった。
いちいち商品があるところを探してあっちこっち歩かないといけない。しかも人を避けながら。狭いところとかだとカゴの持ち方とか歩く姿勢とか気を遣う。運が悪いと人が邪魔で通れない。探してるものがどこにあるのかわからなくてぐるぐるすることもある。
買うものが多いときは後半、カゴが重くなってくる。カートなら腕がちぎれそうにはならないが、動きにくいし小回りがきかない。
支払いのレジ待ちも辛い。どの列が早いかとか考えるのも面倒。ソーシャルディスタンスに気をつけながら、フォーク並びなのか違う並び方なのか見極めながら、うっかり横入りしてないかとか全方面に気を配りながら、重い荷物持って待たないといけない。まだ並んでない人たちの通行の妨げにならないように気をつかう必要もある。
ネットスーパーなら自分の好きなタイミングでとっとと支払いが済ませられるのに。体を縮めて待たなくてもいいのに。
支払いするときもしんどい。後ろの人を気にしながら早く支払いを済ませないと、みたいなプレッシャーがつらい。
その後の袋詰めも嫌だ。運が悪いと場所が空いてないこともある。袋詰めしてるときに幅寄せしてくる人もたまにいる。袋に詰める順番も考えるのがめんどくさい。あとで崩れると運びにくいから、両端に柱になるやつを入れて、とか本当にめんどくさい。
さらに買ったものを家まで自分で無事に届けるとか、気が遠くなる。
ネットスーパーを利用するようになって、食料品や日用品の買い出しがどれだけ負担の大きい「労働」だったのかがわかった。
近所には残念ながらすごく新鮮な野菜とか魚とかを扱ってるスーパーがない。だから実物を見て美味しそうなものを選ぶなんてこともない。それに、値段がものすごく安いわけでもない。もう、実店舗で食料品を買うメリットがない。