「湯本」を含む日記 RSS

はてなキーワード: 湯本とは

2024-08-30

星野氏「リベラル派の正義依存」論の具体例:リベラル派のための解説

星野智幸氏の『言葉を消費されて 「正義」に依存し個を捨てるリベラル』(ttps://digital.asahi.com/articles/ASS8V026WS8VUPQJ006M.html)が話題である。その主張の要点は、以下の通りである

最初これを読んで思ったことは「何を今さらである欧米における近年のリベラル派の度を越した正義依存問題は、ソーシャル・ジャスティス・ウォリアー(Social justice warrior)やバラモン左翼といった批判や自省の中で、多かれ少なかれ言及されてきことである。それにも関わらず星野氏が、さも苦悩の末に新しい認識に至ったかのような筆致でリベラル派の正義依存問題提起していることに、正直驚いた。

しかさらに驚いたのは、リベラルからの反応である星野氏が何を問題視しているのか、全く分かっていないようなのだ

高橋健太郎

ttps://x.com/kentarotakahash/status/1828424826039738677

ちなみに、貴方の言う「カルト的に「正義」に依存し個を捨てる」というのは、実際にはどういう行為を指しているんですか? まあ、個人判断よりカルト熱狂に飲み込まれるなんてことはよくありますが、それが「正義」と何の関係が?

平野啓一郎

ttps://x.com/hiranok/status/1828581602613666289

僕は星野さんは友人だと思っていますが、敢えて書きます星野さん自身言動はその通りだったとして、だからと言って、「リベラル思想は疑う余地のない正しさを備えていて、そのような考え方をする自分には否定されない尊厳がある、とリベラル層は思いたいのだ」云々の雑な話をどうして出来るんですか? それがリベラルの大多数ですか? 自分だけは、例外的思慮深い真のリベラルであるかのように話されていますが、内容は、昨今のリベラル批判の大波にスッポリ呑み込まれて、その尻馬に乗っているだけじゃないですか。リベラルの弱体化が歴史的にも危機的なこの時に。自分政治的発言が「消費」されていると感じるなら、「消費」されない言葉を工夫すればいいじゃないですか。瀬戸内さんだって林京子さんだって大江さんだって、みんなやってきたことでしょう。自分は、小説があるから、もう政治的発言は止めた、でいいでしょうけど、他の人たちはどうなるんですか? しっかりしてください

このリベラル派の反応を見て、「何を今さら」という認識を改めた。星野氏がリベラル界隈の空気にどっぷり浸かっている中で、リベラル派の正義依存問題認識するに至るのは大変な知的苦痛を伴うことであり、それは意義深いことではないか、と。

星野氏の論考には具体例がほとんどないので、リベラル派は問題提起の要点を理解できないのかもしれない。そこで、あくま自分理解に基づくものであり星野氏の真意と完全には一致しない可能性はあるが、「リベラル派の正義依存問題の具体例を補完してみたい。

ネット上の反応をざっと見ると、高橋平野両氏の先の引用のように、リベラル派の批判は次の二点に集約されるように思われる。

1. リベラル派の正義依存問題の具体例は何か。

2. 仮に正義依存問題の具体例があるとしてもそれはリベラル派の特定個人又は集団問題であり、広くリベラル一般問題としていいのか

1. リベラル派の正義依存問題の具体例:草津町性犯罪虚偽告発事件において町長糾弾したフェミニスト

リベラル派の正義依存問題の最も分かりやすい具体例は、草津町性犯罪虚偽告発事件(ttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%BB%92%E5%B2%A9%E4%BF%A1%E5%BF%A0)において町長糾弾したフェミニスト達であろう。この事件は、新井祥町議(当時)が黒岩信忠町長から性犯罪を受けた、という虚偽の告発をした件である。以下、吉峯耕平氏Togetterまとめを引用しつつ説明する。

新井氏の証言告発当初から信憑性が極めて低いものであった。

ttps://togetter.com/li/1973629

新井氏は2015/1/8に町長室のソファーに座っている時に、黒岩氏に机との間に押し倒された、と証言した。しかし、実際の町長室を見ると机とソファーの間が狭すぎて押し倒すスペースが無い。これに対して新井氏は「当時は机とソファーの配置が全く違った。新井議員記者会見をやった後、町長証拠隠滅のために模様替えをやった」と反論したが、実際には模様替えは行われておらず、この反論も虚偽であった。

他にも新井氏の主張には信用できない理由が山ほどあった。

ttps://togetter.com/li/1973629?page=2

供述以外の証拠がなにもない

・午前の町長室(隣室には町職員が勤務)で性交という供述内容が不合理・不自然

気持ちが通じた等と供述しており、供述に著しい変遷

それにも関わらず、例えばフェミニスト北原みのり氏は新井氏の証言を信用した。当初は北原氏も信憑性を疑っていたようだが、三井マリ子氏の「現代魔女狩りだ」という発言に感化されたようである。最終的に北原氏が証言を信用した理由は、被害者沈黙せざるを得ず「ミソジニー社会」では女性言葉は軽視されるという一般論と、新井氏が知的だったという印象論、この二つのである

ttps://togetter.com/li/2278947

北原氏の変遷はまさに、「『正義』に依存するために個人であることを捨てて」証言信憑性を精査しなかった具体例であろう。

北原氏は「町長性犯罪を実行した」と事実摘示してはいない点に留意する必要はあるが、恣意的な切り取りと印象操作をしている。例えば、2020年12月1日町議会において、湯本議員は①模様替えが虚言であること、②新井現場の録音の一部を公開したことを指摘し、新井氏の告発信憑性が低いことを説明している。

ttps://x.com/kyoshimine/status/1737202101842059771

しかし、新井氏はこのことに触れず、以下のように印象操作を行った。

ttps://x.com/kyoshimine/status/1737210416521220255

ttps://dot.asahi.com/articles/-/13943?page=2

その様子はこのコラムでも記したが、傍聴席には高齢男性たちが並び、新井氏にむかって「うそつき」「(あんな女とは)犬でもしない」など激しい言葉で罵っていた。それは議会というより、新井氏が裁かれる現場のようだった。

その後、新井氏は名誉毀損と虚偽告訴の罪で在宅起訴されたが、この期に及んでも北原氏は次のように言う。

ttps://togetter.com/li/2278947?page=4

ttps://dot.asahi.com/articles/-/13943?page=3

SNSでは、支援者やこの件についての記事を書いた者への謝罪を求めるような声もあがっているが、支援者たちに謝罪を求めるのは間違いだ。支援者被害者を選ばない。少なくとも私は、フラワーデモを通して、被害者は選ばないと決めた。

リベラル思想は疑う余地のない正しさを備えていて、そのような考え方をする自分には否定されない尊厳がある」という星野氏の指摘は、一連の言動をする北原氏の動機を上手く説明しているように思われる。

2. 正義依存問題リベラル一般に当てはまるか:糾弾した人を批判したリベラル派は何人いたのか?

吉峯耕平氏Togetterまとめを読むと、北原氏の他にも多くのリベラル派が上記の虚偽告発事件に際して正義依存問題というべき糾弾をしている(ttps://togetter.com/li/2283797)。しか平野啓一郎氏が疑問視するように、正義依存問題リベラルの大多数に当てはまるものなのだろうか。確かに上記糾弾に参加していないリベラル派も多い。

自分理解ではやはり、正義依存問題リベラル一般に当てはまる事象だと思う。その根拠は、リベラル派の中で上記町長糾弾者を批判した人が皆無に近いかである

日本リベラル派は何人存在するだろうか。立憲民主党支持率が5%、有権者総数が1億人程度いるので、500万人が立憲民主党の支持者であり、少なく見積もってもその1割の50万人は意識的リベラル派であろう。少なく見積もってもリベラル派は50万人もいるのに、件の草津糾弾問題批判した人は何人いるのか。この内のさらに1割の5万人が糾弾に参加した人を批判していれば大きな話題になっているはずだが、実際にはそうはなっていない。

「『正義』に依存するために個人であることを捨てている」、要するにリベラル派は党派的な動機で、糾弾に加担した同じリベラル派への批判を避けたのではないか、このように疑われる状況なのである

それでもなお正義依存問題リベラル一般には当てはまらないと反論したいのであれば、件の糾弾者達を批判したリベラル派を5万人挙げろとは言わないが、まずは5人程度は挙げる所から始めるべきだろう。

2023-06-26

温泉好き、という認識に対する勝手懺悔

中年おっさんです。

自分職場でも知り合いの間でも、温泉好きという認識をされている。それが今となっては居心地が絶妙に悪く、かと言ってその認識を訂正するにも微妙ニュアンス過ぎて言い出し難く、ここで匿名懺悔したいと思います

そもそも自分自分自身の認識でも温泉好きでした。

社会人になって自由になるお金別に大した額ではない)と時間が手に入る用になってから、なにか趣味的なものを見つけようとする数年があり、その後「これは大変気持ちよくて良いものだぞ!」と温泉(←もうここが間違いだったわけですが)を「発見」してから日本全国の温泉宿だの日帰り温泉だのスーパー銭湯だのに出かけてきました。

30代後半がピークで年間に100箇所くらいは行っていたと思います

その頃は自己認識でも自己紹介でも「温泉大好き」でした。

しかし、あちこち行くと、当然、自分の中で評価軸みたいなのができていくじゃないですか? ここの宿は何点くらいだな、とか、こっちの日帰り温泉は何点くらいだな、とか。

その積み重ねの中で、自分温泉になにを求めているのか? どういうポイントが加点要素なのか。そういうのが自己理解されていきますよね。

自分場合、それが5年とかもう少しかかって蓄積体系化されてゆきました。

その結果、自分別に温泉きじゃなかったのです。

自分が好きなのは「広い風呂」でした。

細かく言えば「広い風呂」「開放感がほしい」「人は少なければ少ないほどよい」「景色が良ければさらに良い」というのが評価軸でした。

そのころは山奥のマイナー秘湯系にも行っていて、温泉好きの中でもかなりガチ目な行動をしていたわけですが、別にそれはガチ温泉好きだからだったわけじゃなくて、単純に人の少ない開放感のある湯を求めていただけだったっぽいのです。

その自己認識に達してから過去自分を詳しく検証してみると、自分は泉質とかに全然要求がないのです。もちろんあちこち行ったんで基礎知識みたいなのはあるし、入ってみればここは炭酸系だなとか油系だなとか理解は出来ます。その気になればうんちくっぽいことも多分言えます

けれどそれに対する好みみたいなものがない。なんでも喜んで入れる、というよりもそこまで興味もこだわりもない。

自覚をしてから検証をしてみた結果、別段源泉どうこうとか泉質とかですらなく、人工ラジウム温泉でもちっとも減点を感じないのです。

広くて開放感がありひっそりしてれば「ええやんけ!」と大満足できちゃうのです。

自分でもちょっとショックでした。温泉きじゃなかったんです。

自分が好きなのは「広くて開放感があり、他人に煩わされることがなく、景色が良く、できればそよそよ風なんかが吹いている、大きな風呂」でしかありません。

そういうふうに言語化してみると、人気の温泉だとかはむしろマイナスしかなく、好みに合ってるのは寂れた温泉なのです。しかも、昔は人気だった温泉地の大きめの旅館だけど、いまは人気が落ちてガランとしてる。――鬼怒川だの湯本だのあたりのそれが居心地が良い。という感じなのです。やぶ塚温泉ホテルとか最高でした。

でもその好みって、温泉宿サイドに立ってみれば、人数入れてなんぼの客商売なのに、自分以外の客はむしろいないで欲しいっていう、とても嫌な客じゃないですか。それも微妙自己嫌悪ですし、とても公言できる好みではないです。

なので、ここでかってに懺悔したいと思います

おれ、温泉きじゃなかったよ。

2022-01-09

男って脳に障害があるんじゃないか

03/04 蒲郡市パブコロナをばらまいてやる」死亡 (57歳 男)

03/17 名古屋 中区「この店はコロナでやっていない」(19歳 男バイト)

03/26 名古屋 ドラッグストア「俺、コロナなんだけど」(49歳 男バイト 中山浩一)

03/29 名古屋 ビックカメラ「コロナビーム」(42歳 男会社員 岸野尚史)

04/07 名古屋 マッサージ店「これコロナ」(78歳 男自称自営業 杉山淳)

04/08 名古屋 三菱UFJ銀行コロナ」未逮捕 (年齢不詳 男)

04/17 大治町 役場「俺、コロナの陽性反応が出た」(37歳 男無職 北憲和)

04/26 東浦町 受け入れ施設「どうしても出たい」施設脱走 (年齢不明 男)

05/01 名古屋 区役所「てめえらを殺すなんて簡単だ」給付金巡り誤解 職員けが無し (75歳 男無職 湯本松次)

05/02 豊田市 コンビニ 「邪魔だ、どけろ」感染防止のビニールシートに (63歳 男自称青果末永安則)

05/05 愛知県 HPで怒りのコロナ患者個人情報・行動履歴フル開示 (495名全員)

05/15 東郷町施設「俺コロナだぞ」とツバ吐きかけ(63歳 男無職 伴野徳保)

05/15 名古屋 中川区「俺はコロナだ、コロナばらまくぞ」息吹きかけ (54歳 男バイト 山田幸弘)

07/19 岡崎 留置所クラスター 生放送で「ゴホッ...ゴホッゴホッ...ゴホッ..はぁ...はぁ...コロナ」(30歳 男無職 へずまりゅう  )

09/28 名古屋 西区 警察署「俺は100%コロナ」(35歳 男無職 古田航))

01/08  岡崎 列車内 「俺はコロナだ」(20歳バイト北島陽樹)



女にとって地獄だこの国

2015-12-23

ポップス名盤Blue Avenue / 花澤香菜」について(長々と)語りたい

このアルバムはすごい名盤だってものすごく語りたいです。音楽にうるさい方々にも積極的に聴いていただきたいなと思う次第です。

でも、こういうのをあまりべた褒めするのって結構怖いですね。音楽の好みは人それぞれですし。

自分が最高!って思ってても世間的には全くそんなことないなんてことは本当によくあります。妙に褒めると反発をくらいかねないです。

実際、音楽雑誌とかの「2015年ベストアルバム特集」をぱらぱら読んでみても全然話題に出てなかったので。まあそんなもんです。自分視野が狭いだけです。

はいえ、それなりに注目されて評価されてるのかなってのはなんとなく勝手に思っていたので、年間ベストに入ってなくてちょっとがっかりしました。

から自分で語ろうかな、と思い至るわけですが、やっぱり、ハマってしまったあまりに冷静さを失った文章になる気がするので、書いて叩かれるのが少し怖いところはあります

からここに書きます

声優花澤香菜

アルバムについて語る前に花澤香菜という人について少し。

花澤香菜とは、声優です。人気若手女性声優です。名前くらいは聞いたことがある人が多いと思いますし、検索したほうが理解は早いです。

声優の中ではアニメの出演数がトップクラスに多いです。1年間に何十本も出ていたりします。最近は少し落ち着いてきましたけどね。

特徴は、ウィスパーボイスというか、天使のようにかわいらしい声ですね。ヒロインボイスです。個人的には少し荒げた演技も好きですが。

声に含まれ倍音成分がものすごく豊富らしいです。科学的に実証されてるらしいです。

声優なので、当然ソロ歌手デビューする前からキャラソンとか歌っていました。化物語の「恋愛サーキュレーション」という曲がレジェンド級に有名です。

あと、セキレイという作品ライブで歌った時の歌い方がネタにされてて、わりと音痴っぽい扱いを受けてました。

ソロ歌手デビュー

そして、2012年に満を持してソロ歌手デビューをするわけですが、みんな歌の方は割と心配してました。

私も深夜アニメはよく見ていて花澤香菜さんのことは当然知っていましたが、当時は特別好きというわけでもありませんでした。

しかし、プロデュースするのがROUND TABLE北川勝利だというニュースを聞いてにわかに興味が湧いたのを覚えています

ROUND TABLE、及びfeaturing Ninoは好きで聴いていましたし、声質との相性も良さそうだということで、けっこう期待していました。

その後2013年に1stアルバムclaire」がリリースされたのですが、確かに名盤でした。

北川さんをはじめ、中塚武神前暁カジヒデキ宮川弾矢野博康沖井礼二などなど、渋谷系の流れを汲むポップス好きにとってはたまらない作家陣で、花澤さんにぴったりの歌を作ってくれました。

花澤さんも声優らしく表現力豊かに歌いこなしていて素晴らしかった。「マダダーレモー」とはなんだったのか。たぶん自分の歌い方ってのを少しずつわかっていったんでしょうね。

1年後の2014年には25歳の誕生日を迎えることにちなんで25曲入りのアルバム「25」をリリースしました。ものすごいハイペースです。

この2ndアルバムでは岩里祐穂さんを作詞に迎え、花澤さんと意見を交わしつつパーソナルな部分を反映させた曲作りをしています

そのうえで、25曲という多さを生かして幅広いジャンルの曲に挑戦していきました。

そんなこんなで、アニメやらレコーディングやらライブやらで多忙を極めた後に迎えたソロ活動3rdシーズン集大成が「Blue avenue」になるわけです。

ここでようやっとBlue Avenueの話

Blue Avenueリリースされるまでに、3つの先行シングルが発売されました。

『ほほ笑みモード』

『こきゅうとす』

『君がいなくちゃだめなんだ』

しかし、この3曲を聴いて「このアルバムってこんな感じか」と思ってはいけません。

しろ、この3曲がアルバムの中で最もコンセプトから外れている曲といっても過言ではないでしょう。

Blue Avenueってこんなアルバム

では、このアルバムはどんなコンセプトで制作されたのでしょうか?

Blue Avenue」のコンセプトは一言でいえば「ニューヨーク」です。

テーマニューヨークになった経緯はインタビューで話されています

──今作のテーマは「ニューヨーク」とのことですが、なぜこのテーマを?

ニューヨークはわりと後付けなんです。アコースティックライブの「かなまつり」みたいな少人数でのライブを何度か経験して、少ない音と声で作り上げる空気感っていいなと思っていて。

3rdアルバム方向性を考えているときに、「あの自由音楽を楽しむ感じを生かすなら、ジャズをやってみるのもいいんじゃない?」って意見が上がったんです。

その中でニューヨークというキーワードが浮かび上がって。ジャズの街でもあるし、ほかの新しい音楽に挑戦するのにも「ニューヨーク」をテーマにすれば統一感のある作品になるんじゃない?って。

花澤香菜「Blue Avenue」インタビュー (1/3) - 音楽ナタリー Power Push

ジャズAORフュージョンレゲエなど、これまでのアルバムと比べると「大人」な雰囲気を持った曲が多めのアルバムになっています

そして、ニューヨークといっても70~80年代くらいのニューヨークイメージという感じがします。

それはSwing Out Sisterが参加してるのもあるかもしれませんね。

詳しい方ならば、楽曲クレジットを見ればこのアルバムがどういったアルバムなのかがわかるかもしれませんね。

ということで曲目・スタッフリストを載せたいのですが、長いので記事の末尾に載せました。

曲目リストへジャンプ

Blue Avenueのすごいなと思うところ

こういうのをあまり主張するのもどうかと思うんですが、参加しているミュージシャンが豪華です。

クレジットを見ていただければわかるように、今までのアルバムでおなじみの作家陣に加え、シングル曲ではSTUDIO APARTMENTやくしまるえつこがサウンドプロデュースをしたり、2つのニューヨークレコーディング曲においてウィルリーやスティーヴ・ジョーダンなどの海外スタジオミュージシャンの参加、80年代から活躍するイギリスユニットスウィングアウトシスター提供曲など、一流の人たちがたくさん参加しています

まあ、極端な話、名前は知らなくてもいいと思うんですけどね。聴けばわかりますから。「I ♥ NEY DAY!」「Nobody Knows」での軽快なドラム気持ち良いなあとか、「Dream A Dream」の洋楽っぽい感じがすごい良いとか。ここでいう洋楽っぽいってのは英語圏の歌っぽいなあっていう意味ですね。洋楽日本語カバーみたいな雰囲気がありますね。それもまた味。そして、セリフパートがあって、もしかして本業声優であることを意識して作ってくれたのかなとか想像してみたり。

おなじみの作家陣もすごい良い仕事をしてくれています。というかキレキレです。特に矢野博康作曲「We Are So in Love」が光ってますね。4つ打ちフュージョンで、イントロからもうたまらないです。シンバルズの頃から思っていたんですが、矢野さんは王道のポップソングもいいんですけど少し趣味に走った感じの曲を書くと時々とんでもない名曲を生み出しますね。

一つだけ主張しておきたいのは、みんな決して無駄遣いではないということですね。すべてが良い方向に結びついています

ニューヨーク」というコンセプトがあって非常に統一感があるのが素晴らしいです。

最初に「シングル曲がコンセプトから外れている=ニューヨークっぽくない」と言っておいてなんなんだ、と思われるかもしれませんが、このアルバム面白いところは3つのシングル曲が違和感なく自然に収まっているところなんですね。

バラードの「君がいなくちゃだめなんだ」が終盤に入ることでアルバムがよりドラマチックになっています。そこから最後の曲「Blue Avenueを探して」に続くのがもう最高ですね。西寺郷太さんの歌詞がいいんですよ。

クラブミュージックの「ほほ笑みモード」ややくしまるえつこさんの個性が色濃く出ている「こきゅうとす」も、意外なくらい自然に入ってるんですよね。それは曲順が考えられているのもあるんですが、「ほほ笑みモード」がアルバムミックスになっていたりなど、音づくりにこだわっているからというのもあるのでしょう。後述しますが、このアルバムは音が良いです。

アルバムとして非常によくまとまっていて、通して聴いた後の余韻が良い感じです。

  • 音質の良さ

NYで録音した2曲は際立って音が良いんですけど、それに劣らず全体的に非常に高いクオリティの音づくりがされています。花澤さんのアルバムは1stの頃から一貫してソニーの茅根裕司氏がマスタリングエンジニアを務めていて、常にクオリティが高かったんですが、今回は最高の出来栄えなのではないでしょうか。オーディオに詳しいわけではないので断言はできないですけど。

シングル曲が違和感なく収まっているのもマスタリングによるところが大きいのでしょうか。詳しくはわかりませんが、ぜひ良いヘッドホンでじっくり聴いてほしいと思えるくらい良い音です。

ニューヨークっぽいということでAORとかフュージョンを取り入れた、と聞いても正直ピンとこない人が多いんじゃないかと思いますAORってどんな音楽かを説明できる人って実はそんなに多くないのではないかと。結構マニアックなところを突いてきてると思います(そんなことないよ、常識だよとお思いの方もいるでしょうが)。

でも、そういうジャンルとか全く分からなくても「良いな」と思えるようなアルバムになっているのではないかと思うのです。それは曲自体がそう作られているというのもあるかもしれないんですけど、やはり花澤香菜が歌うということでポップスとして完成されるというか、そこに花澤さんの歌のすごさがあるのではないかと思っています

3rdアルバムを出すまでの3年間で60曲以上のオリジナル楽曲を歌い、ライブも精力的にこなしてきたからこそその次元に達しているというか、こういう曲を楽しみながらポップスとして歌える筋力がついたのではないかなと思うのです。それこそ「25」あたりの頃の怒涛のスケジュール千本ノックのように効いてるのかもしれないですね。

1stの頃は作家の作る曲を最大限に活かすために歌うという感じ、それこそ声優としてディレクションに応えるような感じで歌っていたように思うのですが、「Blue Avenue」ではコンセプトの発端が花澤さんの意見であることからも、ちゃん歌手になってきてるのだなと感じます

当然ですが、豪華なメンツに霞むこともなく、曲に負けているだとか歌わされてるだとかいう印象を全く受けません。むしろ北川さんも他の作家さんも花澤さんをプロデュースすることで新しい扉を開けているような感じさえします。インスピレーションを与える「ミューズ」なのかもしれませんね。

私が花澤さんのアルバムの中で際立ってこれを好きなのは、花澤さんと作家陣が一緒になって制作している感じを受けるからなのかもしれません。化学反応が起きているのをひしひしと感じます

また、花澤さんは1stの頃から自作詞曲を歌っているのですが、今回も2曲作詞していて、ちょっともこなれてきたというか、アーティストとしての一面が出てきたような感じがします。

タップダンスの音が聴こえてきたら」では音楽に身を委ねることの喜びをシンプルに書いていて、歌を楽しめている感じが伝わってきます

タップダンスの音が 聴こえてきたら

軽やかなそのリズムに 身をまかせて踊るの


寄りかかる小説も どんな優しい言葉

はいらない ふみならそう 夢中になるだけさ

一方、「プール」では暗い部分を歌っている感じで、こういうのがあるとなんというか、深みが増しますよね。

花澤さんは詞を書くと少し重たい感じになってしまうみたいで、それもまた個性というか、人気声優としてバリバリ活躍している彼女の影の部分が垣間見れるようで、イイですよね。

どうやって喋ってたか

ねえ どうやって眠ってたか

どうやって歩いてたか

ねえ どうやって 笑ってたのかな

からない 思い出せないの


空っぽプール 泳ぎ続けるの

空っぽプール 泳ぎ続けてる

ライブがすごい

しかたらここまで惚れ込んでいる理由ライブを見たからなのかもしれません。花澤香菜の歌の魅力の真骨頂ライブにあるのかもしれません。

武道館公演の映像を収録した「Live Avenue Kana Hanazawa in Budokan」というBDが発売されているのですが、アコースティックライブ映像も収録されていまして、他にも素晴らしい映像特典もありまして、とても素晴らしい商品です。

花澤さんの歌って生演奏にすごく合うんですよね。地上波で「こきゅうとす」を披露したこともあるんですけど、それとは全然違いますね。ライブの「こきゅうとす」すごく良いです。

武道館ライブではバックバンド通称「ディスティネーションズ」にホーンも加わって、とても豪華なものになっています

一番の見どころはジェームス・ブラウンの「Get Up (Sex Machine)」(ゲロッパ)に合わせて花澤さんが好きなパン名前を叫ぶというパフォーマンスメロンパンメロメロ!)。冷静に考えるとすごくくだらないシャレなんですが、演奏ガチであることと、みんなすごく楽しげな様子が印象的で、とても幸せ空間が出来上がってるなあと感じました。

あと、花澤さんのパフォーマンスがいちいちかわいらしいんですよね。「Merry Go Round」の振り付けとか。

そして、アコースティックライブが素晴らしいんです。花澤さんの生歌ってこんなに良いものなのか、とため息が出ますよ。本当に、歌がヘタであるような扱いをされていたのが嘘みたいです。声量は確かにそんなにないのですが、歌の細かい表情付けがまらなく上手いです。ピアノギターだけの少ない音だと余計に際立ちますね。

こんな人に薦めたい

誰にと言われれば万人に、と言いたくもなるんですけども。

最近星野源やらceroやらで、ブラックミュージックとかシティポップとかそういう言葉がよく聞かれるようになったんですけど、このアルバムもそれと同じ文脈で語ることができるのではと思います

シティポップ」ってもはや言葉が独り歩きしだしてよく分からない感じなんですけど、街のことを歌うのがシティポップだとするなら「Blue Avenue」も十分当てはまりますよね。

また、北川勝利さんをはじめとした作家陣は、最近評価の流れがある気がする「渋谷系」や、最近流行り気味の新しい「シティポップ」の世代狭間にいる人たちなんですよね。どちらも独り歩きしてあやふや状態にある言葉ですけど。

良質な音楽を作ってきながらも長らく日の目を見なかった人たちがこうやって素晴らしいものを作り上げてくれている、というのも感慨深いものはありますね。

そして、70~80年代ニューヨークイメージってことで、けっこうオッサン向けなのかもしれません。……年間ベストに入らなかったのは革新性がないと思われたからなのかも。私は花澤香菜さんが歌うだけで十分新しいと思うんですけど。


というわけで、以上、Blue Avenueについてでした。

参考

花澤香菜Blue Avenueインタビュー - 音楽ナタリー Power Push

http://natalie.mu/music/news/111594

花澤香菜×北川勝利が明かす、“極上のポップソング”の作り方「人生音楽がより密接になってきた」|Real Sound|リアルサウンド

http://realsound.jp/2015/04/post-3000.html

曲目、スタッフリスト

01.I ♥ NEY DAY!

作詞岩里祐穂 作曲編曲北川勝利 ホーンアレンジ村田陽一
BassWill Lee
Drums : Steve Jordan
Electric GuitarDavid Spinozza
Piano, Organ : Rob Mounsey
Trumpet : Jeff Kievit
Trombone : Mike Davis
Saxophone : Andy Snitzer
Conga, Tambourine : 三沢またろう
Electric Guitar : 山之内俊夫(流線形
Wind Chime, Chorus北川勝利ROUND TABLE
Chorus : acane_madder

02.ほほ笑みモードアルバムミックス

作詞岩里祐穂 作曲編曲STUDIO APARTMENT
Guitar堀越雄輔
Vocal Direction : 北川勝利ROUND TABLE
Sound produced by STUDIO APARTMENT

03.Nobody Knows

作詞岩里祐穂 作曲北川勝利 編曲北園みなみ北川勝利
BassWill Lee
Drums : Steve Jordan
Electric GuitarDavid Spinozza
Piano, Organ : Rob Mounsey
Trumpet : Jeff Kievit
Trombone : Mike Davis
Saxophone : Andy Snitzer
Conga, Tambourine : 三沢またろう
Wuritzer, Claviniet, Analog Synthesizer北園みなみ
appears courtesy of Polystar Co.,Ltd.)
Wind Chime, Shaker : 北川勝利ROUND TABLE
Chorus : acane_madder

04.ブルーベリーナイト

作詞作曲編曲宮川弾
Programming, Clarinet, Saxophone, Chorus宮川弾
Guitar後藤秀人
Chorus : acane_madder

05.Trace

作詞岩里祐穂 作曲編曲 : mito
Drums千住宗臣
GuitarSaigenji Permalink | 記事への反応(0) | 15:20

 
ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん