はてなキーワード: もののけとは
だから、深読み以前に宮崎作品って誰にでもわかるものじゃ全然ないでしょ。後期なんか特に。
俺はもののけの舞台が島根とか烏帽子御前が元売春婦とか、千尋の生理、湯屋が売春宿とか風立ちぬが断罪の話とか、そういうテーマと直結してたり主人公の動機になる重要な部分が、解説見るまでわかんなかったよ。別に他人を巻き込むわけじゃないけど似たような理解の人もよくみる。メインターゲットの子供にわかるかってのも微妙だろ。
そういう風に近作が公開されるたびにわからんと言われ続けた作家を誰でもわかる王道扱いすんのはどっか認識間違えてるから。あれが観客動員数一位の国民的作家になってる方が異常なの。こんな変な人が引退するならそれは作家性によるもので、TVアニメ業界の動向とか関係ない。
feita ハナハル先生の絵は絵としては好きだが、綺麗すぎてどうも個人的に興奮しない。クール先生のような絵柄の方が抜ける。
・小森さんは断れない! (巨乳の女子高生と貧乳どもの友情関係)
・小林さんちのメイドラゴン (超高年齢のドラゴンだが見た目はロリでメイド)
・旦那が何を言っているかわからない件 (収入はあるが自宅警備員)
この人は不均衡な関係性の人間を、ひたすらベタなシチュエーションで普通に使っているのを描くのが好きなのかな。
露骨に凸凹な関係性を強調しながら、そこの部分が問題になってないお話ばっかりかいてるきがする。
ただその中でちょっと気になるのが奇形の女の子について描いてるこの2作品。
・滅子に夜露死苦
さっきも書いたけど小森さんのスタイルも俺にはちょっと奇形ないきものに見える。
feitaさんがヌケると言っているのはどちらの方なのだろうか。
15年ぶりくらいに見た。
最後のトンボ救出シーンは不要論もあるらしいが、やはりあったほうがいいでしょ。
このシーンにまつわる素敵なピースが数多くある。
事故を写す白黒の家具調テレビだったり、テレビにかじりつくバーサさんの静かでゆっくりとした興奮ぷりだったり、「夏にたまにこんな風がふく」という窓をゆらす風の描写だったり。デッキブラシのオヤジや、デッキブラシで飛行するキキを写すために画面に入ってくる街の描写。
どれも愛おしい。
チラというよりパンモロシーンも結構あって、これはいかんでしょと思った。
中身が成熟しつつあることを考えると、13歳のパンツはやはりだめだよ、ぱやお。
少女・幼女はぱやおが世界で最も愛するものだから、まあ仕方がないとして。
ナウシカの婆様、ラピュタのドーラ、トトロの「めーいちゃーん」のババア、魔女宅の奥様、紅の豚で働く老婆。
とにかく少女か老婆なんだよ、女は。
ハウルでは主人公がその2つの属性をもつわけで、ぱやおの女に関するある種のこだわりがこの点にあると見て間違いないんじゃないのって思った。
フェミニストに嫌われるわけだ。
上野千鶴子が言うには、13歳は初潮の来る年齢であり、黒い魔女服がつつむキキの体は女性性を帯びてうんちゃら…
というのには、うなづくことはできなかったが。
今回は2度再生したわけだが、1回目は普通にまわし、2回目は人物や筋を見ずに背景の書き込みだけを見た。
圧倒的に美しいな、街も海も空も緑も。
ウルスラが「夏の間は(山小屋に)いるつもりだから」と言ってたり、トンボが「夏休みの間に飛ばすんだ」みたいなことを言っていたので初めて認識した。
お友達の感じはいかにも夏休みを謳歌する富裕層のクソガキドモであるところは記憶にあったが、トンボの「家」そのものが写っていることに改めて気づいた。
あの家は金持ち。
パン屋のオソノさんちや、何度か映る港湾労働者の家とは明らかに違う階層。
いやー映画っていいですね。
遅ればせながらゴジラを見てきた。作品の感想は事前の期待が大きかったせいもあるがイマイチ。その理由を自分なりに一晩考えて出た結論が「人間にとって都合のいい存在としてゴジラを描いてしまっているから」。1954年に公開された初代ゴジラは明確な反戦・反核のメッセージを含んだ作品であり、水爆実験でよみがえったゴジラは、人間がコントロールできない「核兵器」という科学技術を使うことへの批判として描かれている。
人類が調子こいて水爆実験連発。その衝撃によりゴジラが目覚める。
↓
↓
ゴジラを殺せる可能性のある、水中の酸素を破壊するオキシジェンデストロイヤーという化学兵器を若い科学者が発明。
↓
しかし博士はその兵器が戦争に使われることを恐れ、使用を拒否。
↓
ゴジラをぶっ殺すか? 強靱な生命力を研究対象にするべく生かすのか? 議論が割れる。
↓
結局、オキシジェンデストロイヤーでゴジラ死亡。博士は兵器の悪用を恐れ設計図を破棄し、自らの命を絶つ。
ゴジラは60年前から反戦・反核のメッセージとともに、際限のない科学への信頼に対する警鐘も鳴らし続けている。しかし、ラストでゴジラを倒すのは核兵器よりも強力な化学兵器であり、これは結局諸刃の剣である科学の呪縛から逃れられない人類を象徴的に描いている。「人類が核実験を続ける限り、第二第三のゴジラが現れるだろう」という最後のセリフは今もって有効だ。これがハリウッド映画であれば、「核兵器でも死なない大怪獣を倒した科学技術は素晴らしい! 人類の叡智バンザイ!」的なハッピーエンドになるはず。
ネタバレになってしまうので詳細は避けるが、なにが言いたいのかというとゴジラは大自然や神様といった人間にとってアンタッチャブルな概念の具現化であり、人類のために戦うヒーローになってしまっては興ざめということ。この辺はおそらく、神様が世界と人類を想像したというキリスト教的な欧米の世界観では理解しにくい存在なのかもしれない。それらの文化圏では神様とはこの世界のスタートとゴールを設定した絶対者であり、人類を正しい方向に教え導く役割を担っているのだから、試練を与えつつも最後にはハッピーエンド(人間にとって都合のいい)が約束されていなければならない。
その点、日本では不可侵な存在としての神様を描くのが得意なようで、例えば「もののけ姫」のシシ神さま。あれなんかは完全に、人類ともののけの人智を超えた存在として描かれている。シシ神さまにとっては森を守るアシタカも森を開発しようと企むエボシ御前も関係なく、ただ目の前の者に死と生命を分け与えるだけ。間違っても「お前は森を大切にしているから褒美として寿命を10年延ばしてやろう」とも「お前は森を破壊した罰として寿命マイナス10年!」とも言わない。人間の都合ももののけの都合も一切勘案に入れず、己の職務に忠実なだけだ。それは、どんなに弱者や善人が住んでいても地震や台風が発生するときは容赦なく発生するのと同じこと。つまり、本来自然や神様は人類の都合など考えない、極めて不条理な存在であるわけだ。
もうひとつの例としては、「ドラゴンボールZ神と神」のビルスさまも同じ。「プリンが食べられないから地球を破壊」「寿司がまずかったら地球を破壊」「ジャンケンに負けたら地球を破壊」といったセリフのオンパレードは、神様の不条理な一面をこれ以上ないくらいよく表している。初代ゴジラにとっては自衛隊であろうと戦災孤児であろうと自らの進路に存在する者は容赦なく踏みつぶすだけだ。
そんな人類の都合など考えないゴジラを期待して見に行った自分からすれば、なぜ98年のエミリッヒ版ゴジラがあんなにも酷評されているのかよくわからない。今作では日本の原発事故を絡めてはいるが、それもイマイチ批評性に欠け(というか単なる方便)、中途半端な社会派作品に堕してしまっている。
一つ興味深い点を挙げれば、人類がゴジラを「撃退」もせず「征服」もせずに「共存」の道を選んだこと。(続編のためにはゴジラが人類に撃退、征服されてしまっては元も子もないのだが)。これまでどんな凶悪な宇宙人も自然災害も撃退して乗り越えてきたハリウッド映画、これまで世界の警察を自称して世界中に西欧的価値観を広げてきたアメリカ。そんな、アメリカという国家が共存の道を選んだこのラスト、実はなかなかにレアなのではないかと考えている。メインキャストで唯一の東洋人である渡辺謙が発した「愚かな人間は自然を征服できると思っているが、そんなことはできない」というセリフは、「自然や子どもは管理されるべき」といったキリスト教の教えとは180度異なる。今回のハリウッド版ゴジラは反戦・反核のメッセージを含む初代ゴジラとは異なり、アメリカの外交の変化とリンクした作品として捉えるとまた違った一面が見えてくる。
(鈴木敏夫のジブリ汗まみれ 2010年1月12日 庵野秀明ゲスト回その2 続き)
鈴木:何なんですか。
庵野:まあ、目標みたいなもんですかね。設定のひとつですよね、目標設定の。到達点じゃないんですよ、それがゴールではないんですよ。
鈴木:ゴールではないんだ。
鈴木:あ、そうなんだ。
庵野:人としては較べようがないんで、やっぱり作ってる作品になると思うんですけど。超える超えないっていうのは。そういうのは、何をもって超えるかとかそういうのはありますけど、まあ、なんだろう……意識ゼロじゃないですね。
鈴木:宮さんを仮想敵にしたのは、作品で言うと何やってたときなの?
鈴木:ほお。
庵野:ちょうど師弟対決とか世間で言われてたとき。『エヴァ』の前の映画(『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』)やってたときに『もののけ』がやってたんで。
鈴木:なるほど。
庵野:あのときは殆ど同時だったんで。興行では勝てる気はなかったですけど、中身では勝ちたいと思ってましたね。
鈴木:どうだったの。
庵野:……。
鈴木:まあ、そんなに簡単には言わないだろうけど。
庵野:まあ、言わんとこうと……。
庵野:それはもう過去の自分だったりするわけです。いまの『ヱヴァンゲリヲン』がそうですね。前の『エヴァンゲリオン』よりいいものを……いいものっていうか、いまの自分が入っている分。12年分を出して、別のものにしようと。「誰か」って最終的にスタッフになっちゃうんですけどね。スタッフが頑張ってるから自分も頑張らないとになりますね。
鈴木:後身の育成ってどう思ってるんですか。
鈴木:今度のね、米林(宏昌)ってのが面白いよ。いまのこの『(借りぐらしの)アリエッティ』やってるんだけど。シナリオは宮さん中心にやってるんだけど、コンテは全部自分でやってるから。だからいわゆる芝居は彼が、演出は。それでそのコンテ、宮さん見てないから。
鈴木:だいたい上手な人って、ふつう教えるのって苦手だよね。宮さんだって必ずしも上手じゃないもの。
庵野:そうですね。宮さん、何もないところで人に教えるのは難しいんじゃないですか。
鈴木:実際の作品作りながらだったら、ね、色々出来ると思いますけど。
庵野:そっちのほうがいいと思います。『エヴァンゲリオン』、テレビが終わって僕はボロボロで一回ガーッと落ちて、そこから跳ね上げてくれたのも宮さんのお陰で。
庵野:だったと思います、いま思えば。本当に引き篭もって、本当にあのときはこのまま生きててもしょうがないな、みたいなこと考えてたときに、電話一本くれて。「とにかく休め」と。半年ぐらい休んでも大丈夫だから、自分がそうだから(笑)。そういえば宮さん、3年くらい休んでたなあ、とか。あれでちょっと立ち直りましたね。やっぱりアニメが好きだったんですね。やっぱりアニメを作りたいなっていう風に戻ったんじゃないかと思いますね。
鈴木:宮さんのとこぜひ来て下さい。宮さん元気になるから。だって、庵野のこと好きだったものね、宮さん。いまでも本当によく話すよ。どうしてるって話を。
おわり
第1回
http://anond.hatelabo.jp/20121203123633
鈴木:ひどいこと言うんだもん、色々(笑)。『もののけ(姫)』のときもねえ……。『もののけ』どうだったって聞いたら、「レイアウトがダメになった」って(笑)。
庵野:ダメでしたね。よく宮さん(宮崎駿)、このレイアウト通したなというくらいダメでしたね。
庵野:いやー、ダメでしたね、レイアウトはかなりね。レイアウトが世界一の人だと思ってるんで。
庵野:ええ。あの空間の取り方のなさっていうのは、ちょっと、あれは歳取ったのかなって思っちゃいました。
鈴木:すごくフラットになっちゃったんだ。だからすごいのはお話のほうで、画のほうはどっちかっていうと結構サラッとしてるっていう。
庵野:サラッとしてます。あれが『(崖の上の)ポニョ』でまた粘りが出ててよかったなっていう。
鈴木:『ポニョ』の前にね、宮さん、ディズニー・チャンネル見まくったんだよね。そしたら「動きすぎだ」って最初言ってたのが、途中から「いや、動き過ぎだと思ってたけどそうじゃない、動くことに意味はある」って。それで突然「世界は動いてるんだから、やっぱり動かすべきだ」って。それをテーマにやりはじめた『ポニョ』はどうでした? なんて今頃聞くのもあれなんだけど(笑)。
鈴木:いまでも。
庵野:うん、いまでも長いと思いますね。お母さんが宗介を置いて車で行っちゃうじゃないですか。それで二人っきりになるあたりからは、あんまりノレない感じですね。それまではすごいよかったですね。
鈴木:えっ。
庵野:お母さんがいいです、もう。
鈴木:お母さんが。
庵野:いや、それがいいですよね。いままで宮さんになかったものじゃないですか。
鈴木:そうしたら宮さんがね、「あれは勝也がやってて俺じゃないから」って(笑)。
庵野:そうそうそうそう、それがいいんですよ。いままでの宮さんにはできなかったこと。
庵野:いいですよね。線だけでそれ出すんですよ。
庵野:宮さんが手を入れてないってのがまた良かったんですね。
庵野:あれにまた入れ直したらもうブチ壊しだったのを、それをグッと抑えてるのが大人になったというか――
庵野:歳を取ったというか。
鈴木:僕ね、すごい覚えてるのは、スタジオ……あれは(スタジオ・)グラビトン?
鈴木:あの、もりやまゆうじ(森山雄治)がいて。そこで初めて(鈴木が庵野に)会ったの覚えてるんですよ。
鈴木:あ、そっか。
庵野:桜田にあった、フリーのアニメーターが寄り集まってるスタジオ界隈ですね。
鈴木:あのとき自己紹介されたの覚えてるんだよ、俺。順番がちょっとぐちゃぐちゃなんですけどね。ただ、当時もりやまゆうじっていう人と一緒に押井守の原作で漫画をやってたんですよ、『とどのつまり』っていう。それで、そこのスタジオに漫画の原稿取るっていうんで1ヵ月に一回行って。押井守が原作を書いて、彼が画を描いてたんですけど。そこで(庵野が)登場して、あの「住所不定なんです」って。
庵野:ええ、家なかったです。
鈴木:えっ、そんななってんの、もう。
鈴木:あ、なってんの。そうなんだ。
庵野:ええ、23、4。24くらいだったと思いますね。『(風の谷の)ナウシカ』のあとですもんね。
鈴木:そうだよね。
庵野:ええ。大阪のアパート引き払って、とにかくカバンだけ持って――
庵野:ええ、宮さんのとこ行って。で、家はないのかって言われてありませんって。そのときは高校時代の友達のところに荷物だけ置かせてもらって。トップクラフトで寝てましたね、寝泊まりは。
鈴木:ああ、あそこで寝てたんですか。あの応接で?
庵野:いえ、応接なんかで寝ないですよ。机の下ですよ。机の下か、隙間。壁と動画机の隙間が60センチぐらいあって。そこで寝てましたね。
鈴木:とにかく『ナウシカ』始まったときに、やらせろっつって。当時トップクラフトってところで『ナウシカ』作ってたんですけど、現れて。なんか原画持って来たんだよね。
鈴木:それで宮さんが気に入って。その画を見て、多分ここがいいだろうっていうんで巨神兵を。
庵野:いきなりですよね。めちゃくちゃです。ズブの素人ですよ(笑)。
鈴木:それで粘りのある画面を描いてくれるだろうって。
庵野:いやあ。
鈴木:でも描いてくれたじゃない。
庵野:まあ出来てよかったですけど。でもよく任せましたよね。
鈴木:宮さんの独特の勘だよね。あまり給料払えなかったよね、多分。
庵野:いえいえ! あれは貰えましたよ。
鈴木:あ、本当?
庵野:それまで安かったですから。『(超時空要塞)マクロス』のテレビは大学のときのアルバイトでやったんですけど、1カット1800円でしたから。
庵野:ええ。まあテレビシリーズですから、そんなもんです。1800円です。
鈴木:はあ。でも、あの巨神兵は凄かったよね。粘っこいでしょ。だってあれだけやるのに、あれ秒数どれくらいあったの。
庵野:長いのが十何秒ですか。普通6秒か8秒で、でも伸びてやっぱり10秒になってたと思いますね。
鈴木:それをどのぐらいの期間でやってたんですか。
鈴木:ああ、でも当時だとそれぐらい、それでもすごいよね。
庵野:んー、まあ巨神兵については一個悔しいのは、中(動画の中割り)を7枚にするべきだったと思いますね。宮さんはあのとき「中5でいいんだ!」って言ってて。でも中5は速いんじゃないですか……って。でも中7にすると枚数が増える上に尺も延びるから間に合わないって、中5でいいって。そして影も2色つけなくていい、1色でいいって。「ええっ~!」というやつですね。あのときは影は2色……まあ、それでも2色は許してくれたんですけど、「3色つけたら殺す」という風にメモがありますよね。
鈴木:やっぱり影を付けたくない人なんですよ。
庵野:ええ、でも大きさはやっぱり影で出せるものがあるじゃないですか。
庵野:いや、記号だからこそ、ですね。でも色々教えてもらったのは、本当に板野一郎と宮崎駿、この二人ですね。アニメの技術だけじゃなく、作り方みたいなものも横で見てて。だから僕の師匠はこのふたりですね。実際色々教えてくれましたからね、手取り足取り。
鈴木:いや、ジブリ、西ジブリって作ったでしょ? だからいまトヨタのなかで若い人、22人やってるわけですよ。そういうとこ行って、ちょっと特別講義を……。
鈴木:みんな喜ぶよね。でも喋るだけじゃなくて、実際のね、なんかやってくれるといいんじゃないかって。
庵野:昔、宮さんが塾を二馬力でやってたときに、一回行きましたね。でも宮さんって自分が好きか、こいつはいけるっていう人じゃないと教えないじゃないですか。
庵野:依怙贔屓と、やっぱり自分の下駄が欲しいので。自分の役に立ちそうな奴しか労力を使わないですよね。
庵野:僕が『ナウシカ』のときに色々教えてもらったのはそれだなあって。巨神兵をこいつにやらせとけば、自分はそれを直す手間の分、ほかのことやれるっていう。それだと思いますね。
鈴木:でも、だってアレやってくれるだけですごいホッとするんだもん。
鈴木:でも、ラストシーンは『ナウシカ』よかったんですかね、あれで。
鈴木:宮さんの最初の案は、とにかく王蟲が突進してきて、そこへ降り立つナウシカ、それでいきなりエンドマーク。それて王蟲の突進は止まると。……これは困ったんですよ。
庵野:いやー、引かれないと困るでしょうね。
鈴木:だから延々、僕ね、それこそ最後のほうコンテが出来たとき、高畑さんとふたりで阿佐ヶ谷の喫茶店で8時間ぐらい、色々話したんですよ。これで行くのか行かないのかって(笑)。それでとにかく現状はいまある案。2つ目がナウシカが死んで、伝説の人になる。で、3つ目がね、死んだあと甦るっていう。それで最後さ、高畑さんがね、「鈴木さんどれが好きですか」って(笑)。
内藤:好き嫌いになるんですか。
鈴木:そりゃやっぱ甦ったらいいんじゃないですかねえって。じゃあ、つってふたりで宮さんのとこに言いに行くんですよね。いやー、判断が早くて。「ふたりで決めたんでしょ、じゃあそうします」って。考えないんだよね。
庵野:あのとき見せてもらったのは、巨神兵と王蟲が戦うのは、見たかったですね。
庵野:あれかっこよかったですよね。まあ巨神兵は大変でした。僕は全然描けなかったと思いますよ、あのコンテのままだったら。
鈴木:でも――
庵野:まあ、宮さんだったら出来たんですね。『ナウシカ』の途中で、最初に面接でお会いしたときにはすごく緊張したんですけど、段々それが解けてただのオヤジになっていったんで。普段アニメ作ると、宮さんってフィルターかけちゃうじゃないですか。
庵野:ええ、いい人っぽく。
庵野:『ナウシカ』の打ち上げのときに言ってたんですよ宮さんが、「人間滅びてもいいじゃん」っていうの。
庵野:『ナウシカ』の打ち上げのときに、最後のほうの相当宮さんも飲んでたときに、スタッフのアニメーターの若い女の子がひとり食って掛かってて。「人間が滅びてしまうじゃないですか、そんなの作っていいんですか」みたいなことを言ったときに「人間なんてね、滅びたっていいんだよ!! とにかくこの惑星に生き物が残ってれば、人間という種なんていなくなっても全然いいんだ!」っていうのを怒鳴ってるのを僕は横で聞いてて、この人すごいとそのとき思ったんですね。クリエイターとして宮さんが好きになった瞬間でしたね。人そのものに執着してないってのが根っこにあって、あれはすごくいいですよね。
鈴木:「もしかしたら私達そのものが汚れかも知れない」、いやー、もうそのセリフ読んだときにね、ああこの人、人間よりあっちのほうが好きなんだって。
庵野:『ナウシカ』の7巻は宮さんの最高傑作だと思いますね。まあ巨神兵のくだりは別にしてですね、宮さんの持ってるテーマ性っていうのが、あれに、すごくこう――
鈴木:集約されてる?
庵野:集約されてるっていうか、もう原液のまま出してるわけですよね。本当に、本当はすごくアレな人なんですけど。
鈴木:あの、負の部分っていうのか。
庵野:それがストレートに7巻には出ててよかったですね。『ナウシカ』の漫画にも色々出てますけども、7巻は特にそれが凝縮していていいですね。
庵野:あれは……『ラピュタ』のころだったと思いますけど。吉祥寺で言った覚えがあります、最初にね。
鈴木:あれはだけど俺、宮さんに真剣に庵野がやるならいいんじゃないですかって。俺はこう説得したんですよ、宮さんを。「3部作にしたらどうだ」って。そうするとね、多分2本目は、宮さんが書いてるように、ある種、殺戮の映画だと。第2部はそういうことでいうと、さあ、このあとどうなるんだろうという、そういう映画を作ればいいわけだから、庵野がやれば絶対面白くなると。で、その締め括りをね、宮さんが第3部でやったらいいんじゃないかって。いい説得でしょ。
庵野:僕がやりたいのは7巻ですけどね。
庵野:ええ。
鈴木:未完だもんね、一応、あれで。
庵野:まあ、あのあとも語りたいです。
鈴木:いやかくね、宮崎駿に関して語らせたら一言も二言も、一家言も二家言もあるっていう。
庵野:2ヵ月半くらいですかね。
鈴木:そしたらさっきの、もりやまゆうじのところに居たってことなのね。そしてしばらく経ったら、また『火垂るの墓』のときに現れたんだよね。
庵野:ええ、そうですね、就職活動ですね、仕事がなかったんで。宮さんのとこ行ってなんか仕事ないですかって。『トトロ』のオープニングをやるか、高畑さんのほうでなんか戦艦を描くのがいないっていうんで、じゃあそっちをやるかどっちだって。宮さんは前にやったんで僕は高畑さんと仕事しときたいですって。
鈴木:そうだよね、覚えてる。それで戦艦にイルミネーションと――
庵野:ええ、イルミネーションと花火の。実際には重巡ですけどね、戦艦じゃないですね。
鈴木:で、やってもらったら、なんかのときに話したら、よく覚えてるんだけど「二人のこともよくわかったんで」って(笑)。
内藤:そうなんですか。それでひたすらそれを、超えるために。
庵野:超えよう超えようと。
内藤:それで超えたときに人はどうするんですかね。なんか達成しちゃうじゃないですか。
鈴木:はっきりしてる。
鈴木:……そうだよね。
内藤:鈴木さんは仮想的とは違うんですけど、高畑さんの話をするときに――昨日もそうなんですけど――毎回高畑さんの話するときに、その当時の怒りが込み上げてくるみたいで……。
鈴木:いや、そりゃ色々ね。高畑さんって……曖昧じゃないからね。昔、押井守と雑誌で対談したときに、押井守が『赤毛のアン』の第1話、これが僕がアニメーションをやるときに非常に大きな影響を与えられた。簡単に言うと、30分の話を30分でやっていた。こんなことテレビのシリーズでやっていいのか。それで勇気づけられた思い出がある。そこに描かれていたのは日常を描くっていうことで……って言った瞬間、高畑さんがね(語気を強めて)「あなたが使ってるその『日常』っていうのはどういう意味なんですか」って言ったのよ。そしたら押井さんがね、黙りこくったんだよね。
鈴木:仮想的ではないんだけど、ねえ。
鈴木:うーん、甦るんだよね。
鈴木:宮さんにとっての仮想敵は? わかりやすいよね、高畑勲だよね、やっぱりね。
庵野:ずうっとそうですよね。
鈴木:そう。いまだに毎日喋ってて、誇張すれば半分は高畑さんの話だもの。
鈴木:高畑さんがいるから作ってる。高畑さんが作ろうとするから作る。おまけに高畑さんに作ってもらいたい。それが変わってないもんね。この期におよんでね、画コンテ描きながらね、「こういう画コンテ描いたらパクさん(高畑)に叱られる」って(笑)。なんちゅー純粋な人だろうと、そこは。
庵野:何回も挑戦してますよね、高畑さんを超えようと。そのたびに思い知ってるような気がします。
鈴木:やっぱり宮さんはね、高畑さんという大きな存在に包まれてる、と自分で思ってるんだよね。面白いんだよ。
??:(聞き取れず)
鈴木:やっぱり、ありますよね。まったく宮さんは宮さんの道行け、だから俺は勝手に行く、じゃないんですよね。やっぱり宮さんという人と一緒に作って来たわけでしょ。それで作ってきた人が、こうやって世間から認められて。それでいま作ってるものに対して、誰よりも関心が深い。誰よりもその内容を見返して、内容を把握して、それを自分のなかで整理しようとする。気を許すわけにはいかないよね。それが自分にある種の緊張をもたらしてるのは確か。それは高畑さんすごいですよね。だからそういう人が、誰かがいるから俺もやるみたいなことは大きいですよね。だから押井守もそうだったね。もし宮さんがいなかったら、宮さんみたいな映画作りたかったって。同時代に宮さんがいるから、俺はこんな変な映画作るんだと。自分で言ってましたけど、「変な映画」って(笑)。
庵野:いいですね。
庵野:あ、見ました見ました。
鈴木:どうだった。
鈴木:そうなんだ。「かな?」。
庵野:かな、と。
(以下に続く)
2ちゃんねるの「iPhone4S当確連絡ない人が阿鼻叫喚するスレ 11」にID:u8t5JCMAとして書かせていただいたが、あまりにもおもしろい話なので増田に転載w
95 : キャリア表示について自治スレで議論中[] 2011/10/21(金) 11:59:19.72 ID:u8t5JCMA
ちょっと聞いてくれ
昨日やっと入荷の電話きて金曜休みだから11時に取り行くって予約入れたんだ
昨夜はwktkしながら4Sのフィルムやケース調べて寝たの4時ww
3GSからの機種変だったからホワイトプランが変わったなどの説明受けて、いよいよ手に入る!と思ったとき
は?
もう予想guyすぎてたいして怒りもせず予約キャンセルだけして今帰ってきました\(^o^)/
しかし冷静に考えてみると怒鳴り散らしてゴネれば何かもらえたかな?
104 :キャリア表示について自治スレで議論中[sage] 2011/10/21(金) 12:04:05.69 ID:883QanE0
それ実話?!
実話ならあまりに酷すぎるw店員もこの状況で間違えるか??ひょっとして予約順とか操作されたんじゃね?で、苦し紛れの嘘をついたと…
にしても、それでも怒らないとはあなたは仏かもののけの類ですか?
106 :キャリア表示について自治スレで議論中[] 2011/10/21(金) 12:08:43.34 ID:u8t5JCMA
>>104
さっき起きた実話ですよww
寝起きだったってのもあって怒るとゆうより呆れましたw
笑い話ひとつできたとプラスに考えて明日アポスト並びに行きますwww
112 :キャリア表示について自治スレで議論中[sage] 2011/10/21(金) 12:12:08.83 ID:4dwT12xx
…ネタだよな?
117 :キャリア表示について自治スレで議論中[sage] 2011/10/21(金) 12:15:49.12 ID:FQLWQYsW
ワロタw つーか、ネタ乙。
122 :キャリア表示について自治スレで議論中[] 2011/10/21(金) 12:18:03.80 ID:u8t5JCMA
実話に基づく実話なんだこれがww
128 :キャリア表示について自治スレで議論中[sage] 2011/10/21(金) 12:19:36.66 ID:F2IXvuql
>>122
というか他の人の分を回してもらえばよかったのに
まあそんなことがあったらそこで買いたくない気持ちはauで経験したからわかるけど
141 :キャリア表示について自治スレで議論中[] 2011/10/21(金) 12:27:12.41 ID:u8t5JCMA
>>128
カウンターの裏でなにやらトラブってたからおそらくその店には在庫ないw
「え?どうすればいいんですか?」って聞いたら「入荷を待っていただくしか…」って言われたしw
しかもキャンセルしたら「ありがとうございます」って言われたw
ワロスwww
143:キャリア表示について自治スレで議論中[sage] 2011/10/21(金) 12:31:04.01 ID:F2IXvuql
>>141
ありがとうございますwww
148:キャリア表示について自治スレで議論中[sage] 2011/10/21(金) 12:34:11.29 ID:Fu1y9njr
>>146
このレスしてるときは逆に面白かったけど、だんだん怒りが込み上げてきたからソフトバンクの総合案内にクレームの電話してやったww
その場で責任者読んだりすればよかったんだけど、怒り慣れてないからか怒れなっかったのが悔やまれるorz
販売してるのは代理店てのはわかってるけど何かしらの指導が入ることを期待。
孫さんにもぜひ読んでもらいただきたいですwww