15年ぶりくらいに見た。
最後のトンボ救出シーンは不要論もあるらしいが、やはりあったほうがいいでしょ。
このシーンにまつわる素敵なピースが数多くある。
事故を写す白黒の家具調テレビだったり、テレビにかじりつくバーサさんの静かでゆっくりとした興奮ぷりだったり、「夏にたまにこんな風がふく」という窓をゆらす風の描写だったり。デッキブラシのオヤジや、デッキブラシで飛行するキキを写すために画面に入ってくる街の描写。
どれも愛おしい。
チラというよりパンモロシーンも結構あって、これはいかんでしょと思った。
中身が成熟しつつあることを考えると、13歳のパンツはやはりだめだよ、ぱやお。
少女・幼女はぱやおが世界で最も愛するものだから、まあ仕方がないとして。
ナウシカの婆様、ラピュタのドーラ、トトロの「めーいちゃーん」のババア、魔女宅の奥様、紅の豚で働く老婆。
とにかく少女か老婆なんだよ、女は。
ハウルでは主人公がその2つの属性をもつわけで、ぱやおの女に関するある種のこだわりがこの点にあると見て間違いないんじゃないのって思った。
フェミニストに嫌われるわけだ。
上野千鶴子が言うには、13歳は初潮の来る年齢であり、黒い魔女服がつつむキキの体は女性性を帯びてうんちゃら…
というのには、うなづくことはできなかったが。
今回は2度再生したわけだが、1回目は普通にまわし、2回目は人物や筋を見ずに背景の書き込みだけを見た。
圧倒的に美しいな、街も海も空も緑も。
ウルスラが「夏の間は(山小屋に)いるつもりだから」と言ってたり、トンボが「夏休みの間に飛ばすんだ」みたいなことを言っていたので初めて認識した。
お友達の感じはいかにも夏休みを謳歌する富裕層のクソガキドモであるところは記憶にあったが、トンボの「家」そのものが写っていることに改めて気づいた。
あの家は金持ち。
パン屋のオソノさんちや、何度か映る港湾労働者の家とは明らかに違う階層。
いやー映画っていいですね。