はてなキーワード: 笑顔のままでとは
高校や大学だって普通に男友達と2、3人で一緒に歩いてる時にクラスや学科の女の子たちが声掛けてきたら何かしら用事作ったりしてフェードアウトしなきゃ行けなかった
そこで自覚なく調子に乗って「昼?俺も行きたいw」とか「カラオケ!いいじゃん!行こう!」とかって返事して混ざっちゃうと、女の子たちは表面上は笑顔のままでいてくれるけど、心の中で「お前みたいなチビに用はねえよ。友達の方に用があンだよ。一緒に歩くと私たちのレベルまで下がるだろ」とか思われ、あとで女同士のコミュニティで「ねえ聞いて!勘違いしたキモいチビがいた!」みたいな感じで笑い話の種にされるんだよ
男友達はよくいえば優しい、悪くいえば鈍感な奴らだったから普通に「お前も来いよ〜」とか言ってくるんだけど、俺はその時の女の子たちの苦笑を見逃さなかった
女の子が飛び入りで参加したせいで飲み会や遊びの予定をキャンセルした日は大抵秋葉原のメイドコンカフェ行って金でヨイショしてもらいながら朝まで飲んでたわ
昨年放送されたかぐや様は告らせたいというアニメ、既に両想いの主役二人が何としても相手から先に告白させよう!と頭脳戦を繰り広げる鈴木雅之の主題歌が素敵なラブコメ作品だった
今年の四月から第二期が放送されていて勿論録画はしていたけど都合があって中々見れない…という状況だったけど、何故か11話だけはリアルタイムで見れてしまった
生徒会会計の石上くんが、中学生の時自分の勝手な正義感でイケメン彼氏との仲を破局させてしまった同級生大友さんや同学年の女子から嫌われてしまってかなり精神的に参ってしまい、それでも生徒会や応援団の優しい先輩達の励ましのお陰で過去を吹っ切り、大友さんもそのイケメン彼氏のゲスな面を知らず笑顔のままで居られて良かったね!という割と爽やかなグッドエンドのお話だったんだけど
どうもこの大友さんが好きになれない。いや本当はそのイケメン彼氏の荻野君が元凶で大友さんはあわやリベンジポルノをかまされる所だった被害者なんだけども、話の流れも大友さんが笑顔で居れて良かったという物なんだけど
大友さんはクラスで浮いていた石上に積極的に話しかけてくれた優しい女の子である、あの状況で演技が上手くて優しいイケメンの彼氏より時々話す程度のクラスメイトの言う事なんて信じられる訳がない、石上は自分が中傷されようが進学出来なかろうがそれでも大友の笑顔を守りたかったからあれで良い、そもそも大友が彼氏のハメ撮りやその友達からの輪姦される事を嫌がるだろうという事が石上の勝手な想像で荻野や大友はそういうプレイ込みで愛し合っていた、石上贔屓から大友を非難するのは作中で石上を中傷したモブ達と何も変わらない、大友への非難はその大友を守ろうとした石上を非難してるのと一緒だ、石上への悪口にしても普段悪口を言い慣れていない感じがあって良い人である子が伝わってくる、等々まあそうだよなあ…という正論な感想を視聴後に沢山見た
そこら辺の事情を分かった上でああ、自分は大友の事大嫌いだなあ…と素直に思って、理屈として悪い人じゃないという事と感情としてその人の事を大嫌いになるのは全く別なんだなと感じた
大友が荻野にハメ撮りさせなきゃ今回の話は初めから起きなかったんじゃない?また新しい彼氏が出来たとしてもその男が荻野みたいな悪い男だったらまた同じような事繰り返すだけじゃない?
石上側の視点からするとやり方こそ間違ってはいても悪い男と引き離してくれた石上に何も知らないとはいえ唾を吐くような事ばかりするこの女の事は、幾ら本当は優しくて良い子なんですよって言われても好きになれないな
全く関係ないけど「バカになれなきゃ人を愛するなんてできんよ」という言葉を誰かから聞いて、人が人を愛するってそういう事なのかもなあ…とも思った
今でもたまに思い出す。
心の整理のために綴る。
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ある年の12月31日、近所のお寺さんの年越しのお手伝いをしてから、1月1日の朝の電車に乗って実家に帰ることを予定していた。
両親にもそう伝えていた。
年越しの手伝いだったので深夜の2時ごろ自分の家に帰ってきた。
手伝ってくれたお礼としてお菓子をもらっていた。
昼頃には実家に着きたいと考えていたので、逆算して朝6時には家を出なければいけなかった。
これはもう寝れないなと考えた。
そしてまだ帰省の準備もしていなかった、すぐに手を付けた。
家中を引っ掻き回した。絶対にそんなとこから見つかるわけないとこまで引っ掻き回していた。
捜索のためというより、アレは物に当たっていただけなんだと思う。
パソコンを、ただ実家に持っていきたいだけなのに、なんでこんな目に遭わなきゃいけないんだろうと考えてたことを覚えてる。
もちろん家中がぐちゃぐちゃになった。
深夜とかどうでもいいくらいめちゃくちゃに泣き騒いでたと思う。
途中でカバンが置いてる場所にも気が付いたけど、それで落ち着けたはずもなかった。
とにかく片付けをしなきゃいけないし、でも帰省の準備もしなきゃいけない、深夜まで働いていたからシャワーも浴びたい。
そんな色々なことを考えていたかどうかは覚えていないけど、でも気づいたら放心状態になっていた。
散らかったままの部屋で、なんかもう全部めんどうになって、布団を被って寝た。
実家には帰らなかった。
後で、心配させるようなことを言ってしまった自分の迂闊さには気付いた。
母が家に来ると言った。
こんな状態を見られて、母が心配しないわけがないと分かっていた。
来ないでと伝えることすら甘えてるみたいで嫌だった。
母は結局家に来た。
部屋の片付けはぜんぜん出来てなくて、ぐちゃぐちゃのままだった。
心配してもらいたいみたいで嫌だった。
母はやっぱり心配そうな顔をしていた。
なんで?って言われたし、どうしたの?って聞かれたし、いつから?って呟いていたのを聞いた。
全部に答えるのが億劫だったし、私はとにかくずっと泣いたり鼻水を出したりしていた。
そんな私の姿を見て、母も泣いてた。
やっぱりなって思った。
だから来ないでっていったじゃん!!って、心の中でめちゃくちゃキレてた。
何しに来たの?ってめっちゃ聞いた気がする。
鼻すすりながら。
何しに来たの?って聞いた。
母さんは私の部屋の掃除をしに来たの?って聞いた。
今でも嫌だと思う。
どうしたの?って聞かれて嫌だった。
どうしたのかどうかなんて、自分が知りたい。
色んなことが積み重なってこうなってるんだと思うけど、説明がぜんぶ面倒だったし、それを全部説明してもどうにもならないのは分かってた。
母は私の救世主ではなかった。
自分でもそれは分かっていたはずなのに、心配させるようなことを言ってしまった自分が嫌だった。
心配させたくてこんなふうになった訳ではなかった。
時間が経って少しだけ私も動けるようになってたと思う。あんまり覚えていない。
母の帰り際をよく覚えている。
頭の中で、ずっと大声で寂しい!寂しい!寂しい!という声が鳴っていた。
気が緩んでしまったら、すぐにでも泣き叫んでしまいそうな衝動だった。
けど母にも仕事がある。
私は結局寂しいとは言えなかった。行かないでとも言えなかった。
かわりに私は近くのバス停まで母を見送って、来てくれてありがとうみたいなことを伝えたと思う。
部屋に戻って、シンクに残った母が使ったコップを見て、また泣いたことを覚えている。
この日のことを覚えいている。
結局、私は一番に信頼する母にすら素直に何も言えないんだと痛切に思い知った。
自分のそういった性質をわかってるつもりが、分かってなかった。
この日のことを今でもたまに思い出して、泣きそうになる。
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私はレジ打ちのバイトをしていたのだが、人手が足りず希望の時間よりも少し早い時間にシフトに入ることが増えていた。
学校の研究に費やす必要のある時間を削り、バイトに足を運ぶ日々が続いていた。
そんな生活なのでもちろん、学校の研究がままならなくなってきた。
教授には「バイトが忙しくて」と(今考えるとあんまりな)言い訳をしていたが、「バイトも大変だろうけど、研究もちゃんとしようね」と言われた。
温厚な教授にそのように言われて、さすがにマズイと思ってバイトを辞めることを考え始めた。
一度母に相談して、「辞めるのはやめたら?」と答えられた、
そうかあと思っていた。
でも、そうだね、辞めていいんじゃない?って言葉が欲しかったんだと思う。
バイト先の店長に、来月のシフトは少し減らしてくださいと伝えた。
3~4日後のシフトの時に、「シフトは調整したけど、そういうことはもっと早く伝えてね」って言われた。
大学の教授からも、店長からもどちらからも封じられたような感覚があった。
ある日レジ打ちのバイト中、商品の袋詰の途中でお客様から「袋2つにまとめてくれます?」と注文された。
で、全然うまく袋に詰められない。
ウンウン唸って、最終的にすごい適当に詰めた気がする。
そんなんでいいのかよ、じゃあいちいち面倒な注文つけんなよ、って薄暗い気持ちがワッと湧いたことを覚えている。
めちゃくちゃに涙が浮かんだ。
でも、バイト中だし、なんなら今会計中のお客様は全く無関係だし、ぐるぐる考えれば考える程、手が震えていった。
急に全部めちゃくちゃな気分になって、その場にしゃがみ込んでしまった。
もう気付いたら涙が止まらなくて、前も見えないし、立ち上がれもしない。
でも「これでやっとバイトを辞められるな」って冷静に考えてる自分もいた。
バックヤードで社員さんと話をして、バイトを辞めたい意思を伝えた。
「なにか、悩みでもあるんじゃない?」と心配の言葉をもらった。
何もありません、と答えたらきっともっと心配されると分かった。
いいえ、とにかく研究が忙しくて。と答えた。
バイト先の先輩後輩、社員さんもパートさんも本当にみんな良い人だった。
ただただ私の心の問題だったと思ってる。
あんなに良い職場を離れたのは、すこし勿体なかった気が少ししている。
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本当に先に辞めるべきはこっちのバイトだった。
先輩から紹介された。
いつかレジ打ちのバイトを辞めて、こっちのバイトに専念できるようになったらいいなと思ったのだ。
(紹介された時期、「なんかうつっぽいな」という気持ちがあったので、なにか新しいことを始めて気を紛らわそうという思惑もあった気がする)
在宅でできるらしいし、きっと気軽にできる気がすると思っていた。
このバイトが最悪手だった。
もうあんまり詳しいことは説明がたいへん面倒になるくらい、今でもよく分からない職場だった。
簡単に説明すると、デザインの会社で、デザインを手伝う仕事だった。
最初、面接と聞いて、学校で話すのだろうと思っていたら車で隣の職場まで見学?することになった。
私は一体どのように雇われてるのか、まったく宙ぶらりんのままで、気付いたらたぶん私は働くことになっていた。
デザインの現場はそういうものなのかなと思って、とくに何も口出しはしなかった。
(今でもよく分かってないが、そういうものなんだろうか。
何もかも、今でも納得がいっていない。
何に従えばよかったのか今でも分からない。
なにも分からなくて、ただただ疲労した。
時給、800円くらいだったと思う。(これも聞かされてなかった)
ぜんぜんお金にならない。
なにが勉強だよ、ふざけやがってと今は怒ることができる。
もう遅いけど。
1月1日に母が来たあとのこと、自分でもこれはだめなやつだと自覚し始めて、この仕事もちゃんと辞めようと決意した。
契約書も交わしていないのだし、気軽に辞めてやった。
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あれは鬱だったんだろうな、と思う。
私はあの頃、「鬱にでもなってしまいたい」とよく考えていた。
精神科に言って、鬱ですよって診断書を貰えれば、なんか全部解決するんじゃないかなって思っていた。
近所の病院は人気で予約して1週間から3週間くらい期間が必要だったからだ。
基本的に昼間は元気に動けていた。
でも夜になると急に泣き出したりしていた。
たまに昼間も元気が出なくなって、布団をずっと被るだけの日があた。
寝て起きて泣いて寝てを繰り返す日があった。
あれは鬱だったんだろうな。
ずっと頭にモヤがかかっているような感覚がある。
集中力があった頃を思い出せなくなっている。
たぶん病気にかかっていたんだと思う。
もう元には戻れないんだと思う。
今、バイトは全部辞めて、お金が無いなりに楽しく過ごしている。
それでもたまに、色々なことを思い出して動けなくなる。
中学や高校にあった悲しいことまで思い出す、あれももしかしたら、鬱だったのかもしれない。
私はこれと、一生付き合わなければならないのかもしれない。
尿だけならまだよかった。定期的にトイレに行かせればいいので。
しかし大の方もオムツにするようになり、自分でも出たことに気づかなくなった。
強烈なにおいが部屋のみならず廊下にまで漂ってきて、反射的に顔をしかめてしまう。
トイレに行かせてからもまだにおいが消えない。ぼけ具合がひどい日でも家族にオムツやお尻の状態を確認されることは嫌がり、機嫌も悪くなる。
機嫌が悪くなるとトイレに行ってもらえない可能性があるので、無理に確認したりすることは難しい。
もちろん認知症の程度が軽くなる見込みはない。普段は笑顔で接することができても、悪臭の中では笑顔のままでいられなくなる。精神的にも体力的にもジワジワとダメージを受け続けている感じがする。
男家族は誰も協力的な者がいない。すぐ近くにいても何も様子を見ていなくて、なんのあてにもならない。
そもそもが、かなりの振れ幅のある表現を、一つに収斂させて示すことが、記号だ。
普段余り意識することはないが、夜空に浮かぶお月様を「月」という字形で表現することが、記号化だ。
「こういう描き方をすれば、こういう意味を持つ/こういう表現をしようとしている」という共通基盤整備が、記号化と言える。
つまり「白血病の薄幸の美少女」というのは、ドラマヒロインの記号と言える。
ホラー映画に出てくる「キャンプ場でセックスするカップル」も惨殺対象者の記号だ。
おそ松さんでは、キャラクターの記号化と、シチュエーションの記号化が、とても巧みだと感じる。
イヤミやハタ坊等、そもそもおそ松くんのキャラクターは、ガッシリと記号化されている。
例えば「3本出っ歯」「おフランス帰り」「ザンス」等を外さなければ、まあイヤミに見える。
名前もそもそもが「イヤミ」だし、どうキャラクターを崩そうと、イヤミ以外の何者にもならない。
(「1本出っ歯」「オカッパ」「頭に日本国旗」「ダジョー」のハタ坊にしても、同様である)
これはとても二次創作向きだと言える。
上手でも下手でも、そのキャラクターに見える。
つまり、外見を簡単に描き分け出来る良く似たキャラクター群というのは、強い。
戦隊モノが「ちびっ子に描きやすく造型されている」のと同じ理由で、この記号化は成功しているといえる。
シチュエーションとは状況設定のことで、例えば「壁ドン」がある。
動作ではなく「壁ドン」という記号によって、状況設定を表現している。
(わかりにくければ、少女漫画において結婚式エンドがハッピーエンドの表現、で理解して問題ない)
キャラクターに焦点を合わせると、シチュエーションとは、キャラクターとその他との関係性だ。
「キリッと格好つけるが、無視される」までで、キャラクターのシチュエーションの記号化と言える。
戦隊物で例えれば、「レッドは天然熱血」「ブルーはクールな二枚目」「ピンクは可愛い」などが、性格の記号化。
「ブラックは孤高の一匹狼ゆえにレッドとウマがあわないが仲間思いで、ホワイトと破局後も幸せを祝福できる男」が、シチュエーションの記号化だ。
読んで解るだろうが、判りやすいシチュエーションは関係性を限定するので、ハッキリしたキャラクターほど動かしにくいという難しさがある。
そうすると、関係性毎に切り離されているキャラクターというのは、強い。
基本的にすべてのキャラクターが「他の兄弟に対して」の「状況設定の記号」になっている。
(これに、一松はカラ松の絡みに耐えられないとか、チョロ松は女性が絡むとポンコツ、みたいな個別の関係性が付く)
全てを劇中の言動で見せなければならないという条件がつく中で、この状況設定の記号化に成功しているのは、見事だ。
テトリスブロックの様に記号化が巧みなら、ブロックを積み上げて自分だけの形にするのは、容易で面白い。
その記号の形が想像力を刺激するなら、「こういう絡みでこういうネタを」と組み上げる作業(妄想)がはかどる。
(腐女子による二次創作が想像し難いなら、一本アニメの脚本を書くことを想像してみれば良い。脚本の書きやすさだ)
作品の「要素」が巧みなら、それを組み上げる作業は、それ自体が楽しい時間になる。
記号化の巧みさは、直接には「お話の作りやすさ」に繋がるだけで、腐女子人気とイコールではない。
もちろん、そのシチュエーションが想像力を刺激するなら、人気には繋がるが、それだけではない。
嫌悪感を抱かせるものが画面に現れないということは、とても重要だ。
ポップンミュージックを思い出すような、パステル調でカラフルな画面。
競馬のパック酒やもつ煮込みを画面に描きながら、あくまでもサラッとした爽やかな絵面。
声優の演技や声質も、無理をして取り繕ったものではなく、心地良い声がテンポよく流れていく。
握手する相手の爪の間に垢が溜まっているのが見えるような汚らわしさとは無縁の、清涼感ある下品さ。
テレビから流れるのは、安定感のある箱庭の中でワチャワチャと可愛く動きまわるニートな六つ子の日常だ。
一定ラインのクオリティがあり、愛でるのに不足のない可愛らしさがあり、聞いて心地良い声優が演技をする。
つまり、腐女子に愛されやすい外面をしていると言っていいと思う。
清潔感のある画面で、観て不快でなく愛されやすい外面を持っていることが、視聴の安心に繋がり
劇中に描かれるやり取りが、ブロック化された関係性を持っていることが、創作性を刺激し
可愛らしい男の子達が、ワチャワチャと絡み続ける群像劇は、腐女子を熱狂させる。
これを狙いつつギャグとして作品にしているので、恐ろしいほど練り込まれたアニメだと思う。
見ていない人に説明すると、おそ松さんとは、TIGER&BUNNYと忍たま乱太郎を掛けて、ゆるゆりと銀魂の逆数で累乗して声優を足した感じだ。
声優は腐女子の入口なだけでなく、作品の品質を支え続ける土台になっていると思う。
また、創作活動は『飢え』だというが、それも少し足りない気がする。
『飢え』とは、「もっとここを掘り下げて欲しいのに!」「これだけじゃ足りない!」という渇きだと思うが、
おそ松さんの場合は、「あえて描かないスキマ」というよりも、「創作しやすい記号化」が巧みなのだと思う。
『ファンからいいように解釈できる行間がたっぷりととられていること』というところが、非常に重要なのだと思う。
第一話のネタのように外見をしっかり描いてしまえば、想像の余地が無い。つるんとした記号化されたキャラクターならタップリある。
その上で、キャラクター同士の絡みを想像力で補い続けなくても、不遇なカラ松のような記号化されたシチュエーションをそっと差し出してくる。
エンディングテーマも含めて、相当練りに練ってぶつけてきている気がする。
(第一話が「掴み」ではなく振り切った「媚び」であって、その揺り戻しが2話以降からあざとさを消している気がする)
NEXT 未来のために「虐待の過去を越えて~児童養護施設 生い立ちと向き合う」
http://www4.nhk.or.jp/next-mirai/x/2015-11-11/21/893/2075030/
なんか見た。
番組名やテーマの仰々しさにかかわらず、施設住みの眼鏡非モテ系女子の就職・進学を悩みという、なんだかいい意味での普通のストーリーだった。
再婚した義理父が、食事もまともにあたえず、DVだったと10数秒話すだけ。
母親とは時々連絡をとっている。
進学に反対の母に対する愚痴をテーブルにつっぷしながら、職員の人に告げる。
カゲロウデイズ系な今風なイラストをしこしこ描いて、こっそり専門学校の説明会にいったりする。
「絵好きなんだね」と説明会にきているロマンスグレーなおっさんにいわれて、
へにゃへにゃした感じで「そうなんですよー」とか言ってる。
普通だ。
なんかみたことある、こんなの。
最初の学校での進路面談では、「やっぱ就職を」と言ったりして。
先生も「一年から就職したいって言ってたもんね」なんて返している。
でも、上述のようにこっそり絵の道いきたいとか思ったりしている。
奨学金あればいけるんじゃない、とか考えている。
ぽろっと「ネットにあげてみたり」とか「個性的な絵かくねって言われるんですよ」と言ったりして自我がぽろぽろこぼれてる。
なにこれ、なんか身近すぎて痛いんですけど。
これほんとに施設とか関係なしに、ただの同級生撮ってるだけじゃねえの。番組盛り上がるの??
雨の日だ。
カメラは職員の人と街中に消えてゆく背中を追いつつ、近くの濡れた植物のアップに移る。
あとはナレーションで、3時間話して、結局就職することになることを告げられるのみ。
10月。
夜の自転車。
へにゃへにゃ声で言う。
病院の介護職について、夜間でイラストの専門学校にいくという。
それ、結構大変だぞ。
特に18.19で。絵もそこそこうまいけど、ネットにあげているぐらいだから、爆発的才能、そんな自分でもないよな
とか思ってたりするわけで。
でも描いているときは、なんか自分の中のなにかが、ぐにゅぐにゅってできあがっていく感じがして。
どうなんだろ。アニメーターとかなるのかな。でもくっていけるのかな。
そんな風にみていた。
最後。
COOLMINTとロゴのはいったTシャツを着て(結構この格好のシーン多い)、3,4歳ぐらいのパジャマ姿の女の子を、ひゅーーって
感じで抱き上げて、くるくる回して、食事のテーブルにそっと下ろす。
番組的には就職の喜びの延長って編集だけど、ほんとのところはどうなんだろう。
でもそんな感じの演出。
抱きあげられた女の子はにやにやしている。
手をむりやりばんざいさせられてまだにやにやしている。
当の主人公の彼女は、別のテーブルで職員の男の子とおしゃべりしながら食事し始める。
ナレーションは、虐待受けたひとの救いなれば、と撮影受け容れた云々と語っている。
そんなおしゃべりにな夢中な彼女の背中に、さっきの幼女が後ろからぎゅうと抱きつく。
幼女の顔はやっぱりにやにやしている。
彼女は右手でごはんを食べながら、左手でそっとそんな女の子の背中に手をあてる。
顔をべったりくっつけて。10秒ほど女の子はじっとしたあと、そのままひょこひょこと離れて歩きだす。
例の彼女は、相変わらずおしゃべりに夢中で、なんか、ずっとそのまま箸をもって話つづける。
そこで自分は泣いた。
何度かエンドシーンだけ見なおした。
そっと下ろす彼女。
顔は一度だけそちらにむけたあとは。そっと左手だけ幼女にまわして話し続ける。
幼女、何事もないように去る。
おしゃべり中の彼女。
ああ、もうなんかね。
これが欲しかったんでしょ。NHK。半年以上取材してさ。カメラも一台でしょ。うろうろするわけだよ。
どう番組にしようとか思って。
そんでこれだよ。
なんだよこれ。
なんだよこれ。
なんだかなあ。これ。
妻が死んだ。いつも元気な女性だった。僕と娘がいたずらしてはよく怒られていた。いたずらが過ぎて正座の刑になった時は肝が冷えた。初めは足が痛いと泣いていた娘も、たくましくなった。つい、この間の正座の刑の時など、ずっと俯いているので体調が悪いのかと見てみると、すーすーと眠っていた。大したやつだった。妻に教えてやると妻も一緒に笑った。妻は娘を抱えて部屋へと連れて行った。やれやれ。苦笑まじりに立ち上がろうとする僕に、振り返った妻は笑顔のままで言った。この子の分もあなたがやっておいてね。おかげで風邪を引いた。
そんな妻が死んだ。「ママー、ママー」 娘は妻の体を揺すっている。「ねえ、ママおきないよ?」
「ママはね、死んじゃったんだ」 「しぬ?」 「そう、死ぬ。死んだらもう起きないんだよ」 「うそだー」 「本当だよ。だからママはもういないんだ」 「うそだよ。だってママここにいるよ?」 妻を指さす娘につられて僕も妻を見る。確かにいる。とても死んでいるとは信じられないくらい綺麗で、今にも目を覚ましそうだった。でも彼女は死んでいる。脈もないし心臓ももう動かない。笑ったり泣いたり、僕たちを怒ってくれることも、もうないのだ。涙が出そうになった。「パパ?」娘は不安そうに見上げていた。
「ねえ」 僕は言った。「ママにいたずらしちゃおうか」
「うん!」 娘は嬉しそうに頷いた。まずは鼻先を上に押し上げて豚鼻にした。「ブタさんだブタさんだー!」 娘はけらけら笑っている。手を持ってきて鼻の穴に入れる。「あはは、はなくそほじっちゃいけないんだ!」 ほっぺたをぐにぐにと動かす。「へんなかおー!」 両手で円を描くようにして頭の上に持ってくる。「おさるさんだ」 耳を引っ張ってやる。 「うっきー……」 指をピースの形にして顔の前で前後させる。 「カニさんだ…………」 次は髪を、と手を伸ばした僕に娘は言った。「もういいよ、パパ」 娘は俯いていた。「ママはしんじゃったんだね」
その後は二人で妻の体を元の位置に戻し、髪を整え、綺麗にした。妻とは思えないくらいに綺麗だった。「ばいばい、ママ」
手を繋いで帰った。娘はずっと俯いていたので、どんな顔をしているのかわからなかった。ただ僕の手を握る力は強かった。僕も強く握りかえした。大したやつだ。
中学生の頃、父が大嫌いだった。
おしゃべりでお調子者で背が低く威厳のない父を軽蔑していた。
まぁ、これぐらいの年頃の娘にはよくあることなんだけどさ…
母が若くて綺麗(父と母は20歳差)な分、余計に父が疎ましかった。
中3の夏休み、夏期講習のあと、
友人とマックで喋っていて帰りが少し遅くなった(22時ぐらい)。
電車の中は席は全て埋まっており、酔っぱらいが多くてイヤな感じ。
あと4駅ぐらいで地元の駅に着く頃、ドアの付近で女の人の叫び声があがった。
「や、やめてください!」
「なんだぁ? 俺が痴漢だってのか!」
バシン!
「え?」と思って見ると、背が高く、ガッシリしたチーマーっぽい男が女の人を殴っていた。
「や、やめろよ」と他の男性の声がしたが、それもドンとかバンという音がして消えた。
「ふざけんな、てめぇら! おら、文句があんなら来いやぁ!」
と、チーマー風の男は怒鳴り、
殴られた女の人はその場にうずくまって泣いている。
(うわーヤダなぁ、関わりたくないなぁ、誰か止めてくれないかなぁ)
と、私はうつむいて気配を殺していた。
他の乗客も私と同様に関わりたくないオーラを出しながら見て見ぬふり。
「おいおいおーい、ダメだよー女の人殴っちゃー」
…父の声だった。父が同じ車両に乗っていたのだった。
父はいつもの調子の良い感じでチーマー風の男に近づいていく。
(っ!? 馬鹿親父! 余計なことして怪我したらどうすんの?)
「あ? なんだ、おっさん? やっちまうぞ、おい?」
「まぁまぁまぁまぁまぁ、とりあえず静かにしよう。な? な? な?」
「なめんな、ごらぁ!」
(やられる!)と思った瞬間、動きが止まったのはチーマー風の男だった。
ゆっくりと倒れ込んでいく男の片腕を取った父はニコニコ笑顔のままで
「はーい、もう大丈夫ですよー。
次の駅で降ろしますので、証言ご協力お願いしまーす」
殴られた男の人、その駅で降りるから証言するという人3人ぐらい、
そして、私が次の駅で降りた。
「お父さん!」
「ええーっ!? ○美、おまえ、乗ってたのぉ??? あっちゃーまいったなぁー」
その後、取り調べなどで2時間ぐらいして、
結局、私は父といっしょにタクシーで帰った。
タクシーの中、父は大まじめな顔をして
「お母さんにはお父さんが暴れたこと、絶対に内緒な、な?」
「…あの人になにしたの?」
「ん? いや、パンチなんて10cmからの至近距離でもいけるもんなんだよ。あははは」
その後、私は母に聞いた。
「お父さん、昔は怖かったのよぉー。
でもね、お付き合いする時、お母さんが条件出したの。
『下品な言葉遣いしないこと、怖い顔しないこと、暴力をふるわないこと』
お父さんがずっと約束守ってくれたから、お母さん結婚したのよ」
この事件以来、私は父が大好きになり、
父のような人と結婚しようと思うようになりました。
お父さん(;´Д`)ハァハァ
出会い系サイトで知り合ってメールしていた子との待ち合わせ中。
写メで見るぶんには結構可愛かったけど、画像がちっさくてよくわからんかったから、ハズレやったら途中でトイレとか言ってばっくれようかなぁとか、もし約束ぶっちされたら買い物にでも行こうかなぁとか考えていたら、案の定約束の時間を三十分過ぎてもやって来ないメル友子さん。
あぁ、こりゃぶっちだ、ぶっちですよチクショウと半泣きになっていたら、パンダみたいなアイメイクの女の子に話しかけられた。
そして、その声に振り向くと、いきなり、全開の、満面の、爽快なくらい無鉄砲で、痛快なほど無警戒な、俺みたいな日陰者では少し引いてしまうくらいの、そりゃぁもう見事に天真爛漫を絵に描いたような笑顔が、そこにあったのでした。
そして、今になって思えば、その瞬間からもう、ハンズの前で声をかけられたはじめのこの時から、俺はとっくに参っていて。信じられないくらい惚れっぽくて、びっくりするくらい冷めやすい俺だけど、この時ばかりは、本気でもう駄目だと思った。きっと多分、それは勘違いで、それはもっとずっと後になってから感じたことなんだろうけど、ともあれ、この時からあの子は、(はてなにより削除しました)は俺の全て、だった。
「寒いなぁ、ほんまに。こんなとこで三十分も待っとったら耳たぶしもやけになりそうやで。はは」
唐突に向けられた謎の全開笑顔と、ものすごいマスカラがダマになりまくってるパンダアイメイクの大きな目に若干引きつつも、それでも地は結構可愛いなこの子、色白だし下手なメイクなんかせんほうがいけてんのにもったいないなぁ、っつーかいくつだこの子、十八、九くらいかな、若いな、逆ナンか、逆ナンなのか!?といったことを東京大学物語(漫画)の村上くん(前述の漫画の主人公。妄想壁あり)ばりに0.2秒くらいで思考して、屈託のないその子の笑顔とは真逆の自虐的で曖昧な、うまくは笑えてないんだろうなぁ、まぁでもいっかみたいな、偽ることにさえ投げやりな、とても笑みとはいえない引きつった微妙な表情を返しつつ、そう言った。
「ほんま何してんねやろな、メル友さん。はよきてあげたらええのに」
「せやな、なんでこぉへんのかな俺のメル友ちゃん。はよきて!このままでは遭難してしまうわ・・・って俺がメル友待ってるとか何でしってんねん!」
とりあえずノリ突っ込みしてみるも、何でこの子俺がメル友子ちゃん待ってるって知ってんだろー、エスパーか!?伊藤なのか!?とかまたまた(0.2秒)してたら、目の前の女の子が満面の笑顔のままで左腕の袖をまくって、むき出しになった腕をこちらに向けてきた。
「なに、それ?はやってんの?」と、真似して同じように袖をまくろうとするもダウンジャケット着てたんでうまく出来ずに断念する。
「いやいや、どう考えても違うやろ。いいからはよみて!ここ!」
さすがのパンダさんも俺の天然っぷりには畏れをなしたのか、さきほどの笑顔も曇ってちょいイーっとなっとったので、言われたとおり彼女のむき出しの左腕を見てみると、黒いペンでなんか番号みたいなんが書いてあった。
「おー、んー、こりゃぁ、あれだ。俺の携帯の番号、ですな」
ここで驚くのは非常に癪だったので努めて冷静を装ってみる。基本努めることは大嫌いな俺だけど、こんな時だけは頑張っちゃうんです。
「ほー」
そして仕返しにイーッって顔をしてみる俺。
「でもな、そのバイトはもうやめたんよ。なんかいちいちパソコンがずらーっとならんでる事務所みたいなところにいかなあかんくて、パソコンで文章とか作るのもめんどうやし、人騙すのとかはあんまり性にあってなかったかな?み・た・い・な」
今度は途端に小悪魔フェイス。みたいな?あれだな、八重歯が可愛いな、この子。
「へー、そうなんだー」
てきとうに返事をしつつも、だいたい筋書き(メル友=パンダ=サクラ)も読めてきたし、そろそろ場所かえよーかなーとか、考えてみる。
なにしろ、最初にあの子が言ったとおり外は寒いのだ。
「とりあえず、俺の耳たぶシモヤケ未遂の容疑でファミレスに連行やな。行こーか、メル友さん」って言って、手を繋いでファミレスへ向かい、事情聴取を行うのでした。