そもそもが、かなりの振れ幅のある表現を、一つに収斂させて示すことが、記号だ。
普段余り意識することはないが、夜空に浮かぶお月様を「月」という字形で表現することが、記号化だ。
「こういう描き方をすれば、こういう意味を持つ/こういう表現をしようとしている」という共通基盤整備が、記号化と言える。
つまり「白血病の薄幸の美少女」というのは、ドラマヒロインの記号と言える。
ホラー映画に出てくる「キャンプ場でセックスするカップル」も惨殺対象者の記号だ。
おそ松さんでは、キャラクターの記号化と、シチュエーションの記号化が、とても巧みだと感じる。
イヤミやハタ坊等、そもそもおそ松くんのキャラクターは、ガッシリと記号化されている。
例えば「3本出っ歯」「おフランス帰り」「ザンス」等を外さなければ、まあイヤミに見える。
名前もそもそもが「イヤミ」だし、どうキャラクターを崩そうと、イヤミ以外の何者にもならない。
(「1本出っ歯」「オカッパ」「頭に日本国旗」「ダジョー」のハタ坊にしても、同様である)
これはとても二次創作向きだと言える。
上手でも下手でも、そのキャラクターに見える。
つまり、外見を簡単に描き分け出来る良く似たキャラクター群というのは、強い。
戦隊モノが「ちびっ子に描きやすく造型されている」のと同じ理由で、この記号化は成功しているといえる。
シチュエーションとは状況設定のことで、例えば「壁ドン」がある。
動作ではなく「壁ドン」という記号によって、状況設定を表現している。
(わかりにくければ、少女漫画において結婚式エンドがハッピーエンドの表現、で理解して問題ない)
キャラクターに焦点を合わせると、シチュエーションとは、キャラクターとその他との関係性だ。
「キリッと格好つけるが、無視される」までで、キャラクターのシチュエーションの記号化と言える。
戦隊物で例えれば、「レッドは天然熱血」「ブルーはクールな二枚目」「ピンクは可愛い」などが、性格の記号化。
「ブラックは孤高の一匹狼ゆえにレッドとウマがあわないが仲間思いで、ホワイトと破局後も幸せを祝福できる男」が、シチュエーションの記号化だ。
読んで解るだろうが、判りやすいシチュエーションは関係性を限定するので、ハッキリしたキャラクターほど動かしにくいという難しさがある。
そうすると、関係性毎に切り離されているキャラクターというのは、強い。
基本的にすべてのキャラクターが「他の兄弟に対して」の「状況設定の記号」になっている。
(これに、一松はカラ松の絡みに耐えられないとか、チョロ松は女性が絡むとポンコツ、みたいな個別の関係性が付く)
全てを劇中の言動で見せなければならないという条件がつく中で、この状況設定の記号化に成功しているのは、見事だ。
テトリスブロックの様に記号化が巧みなら、ブロックを積み上げて自分だけの形にするのは、容易で面白い。
その記号の形が想像力を刺激するなら、「こういう絡みでこういうネタを」と組み上げる作業(妄想)がはかどる。
(腐女子による二次創作が想像し難いなら、一本アニメの脚本を書くことを想像してみれば良い。脚本の書きやすさだ)
作品の「要素」が巧みなら、それを組み上げる作業は、それ自体が楽しい時間になる。
記号化の巧みさは、直接には「お話の作りやすさ」に繋がるだけで、腐女子人気とイコールではない。
もちろん、そのシチュエーションが想像力を刺激するなら、人気には繋がるが、それだけではない。
嫌悪感を抱かせるものが画面に現れないということは、とても重要だ。
ポップンミュージックを思い出すような、パステル調でカラフルな画面。
競馬のパック酒やもつ煮込みを画面に描きながら、あくまでもサラッとした爽やかな絵面。
声優の演技や声質も、無理をして取り繕ったものではなく、心地良い声がテンポよく流れていく。
握手する相手の爪の間に垢が溜まっているのが見えるような汚らわしさとは無縁の、清涼感ある下品さ。
テレビから流れるのは、安定感のある箱庭の中でワチャワチャと可愛く動きまわるニートな六つ子の日常だ。
一定ラインのクオリティがあり、愛でるのに不足のない可愛らしさがあり、聞いて心地良い声優が演技をする。
つまり、腐女子に愛されやすい外面をしていると言っていいと思う。
清潔感のある画面で、観て不快でなく愛されやすい外面を持っていることが、視聴の安心に繋がり
劇中に描かれるやり取りが、ブロック化された関係性を持っていることが、創作性を刺激し
可愛らしい男の子達が、ワチャワチャと絡み続ける群像劇は、腐女子を熱狂させる。
これを狙いつつギャグとして作品にしているので、恐ろしいほど練り込まれたアニメだと思う。
見ていない人に説明すると、おそ松さんとは、TIGER&BUNNYと忍たま乱太郎を掛けて、ゆるゆりと銀魂の逆数で累乗して声優を足した感じだ。
声優は腐女子の入口なだけでなく、作品の品質を支え続ける土台になっていると思う。
また、創作活動は『飢え』だというが、それも少し足りない気がする。
『飢え』とは、「もっとここを掘り下げて欲しいのに!」「これだけじゃ足りない!」という渇きだと思うが、
おそ松さんの場合は、「あえて描かないスキマ」というよりも、「創作しやすい記号化」が巧みなのだと思う。
『ファンからいいように解釈できる行間がたっぷりととられていること』というところが、非常に重要なのだと思う。
第一話のネタのように外見をしっかり描いてしまえば、想像の余地が無い。つるんとした記号化されたキャラクターならタップリある。
その上で、キャラクター同士の絡みを想像力で補い続けなくても、不遇なカラ松のような記号化されたシチュエーションをそっと差し出してくる。
エンディングテーマも含めて、相当練りに練ってぶつけてきている気がする。
(第一話が「掴み」ではなく振り切った「媚び」であって、その揺り戻しが2話以降からあざとさを消している気がする)
どうでもいいがチョロ松は常識人アピールしてるだけのクズだろ。
不合格 おそ松さんの独自性の説明になっていない 他の作品にも簡単に流用できる理屈なので、こじつけにしか見えない
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