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2016-04-24

富士通退職して思うこと

筆者は、新卒入社した富士通を三年で退職した。

退職から一年が経過し、新しい職場(WEBベンチャー企業)での仕事に慣れたこと、

また、富士通の同期入社の友人から頻繁に転職の相談を受けるようになったこともあり、本エントリ執筆する。

はじめに、筆者の退職理由を簡単に述べると、富士通という会社未来を感じなかったことと、やりたい仕事はできないだろうと判断したためである

参考までに、筆者は公共機関向けのシステム開発部門所属していた。

担当していた業務は様々で、小規模なシステム開発や、子会社・下請企業管理であった。


1.成果主義を謳いながら実態は年功序列主義

富士通には、人材キャリアフレームワークという社員評価制度があり、現場には、入社何年目はこのレベル仕事、といった暗黙の了解がある。

本人の能力や意欲とは全く無関係に、入社後の経過年数で、仕事裁量の幅が大きく制限される。

このことはいわば、学習指導要領ならぬ、業務指導要領があるようなものだ。

このような枠組みや暗黙の了解存在すること自体問題なのではなく、その枠組から逸脱した人材を想定しない・評価しないことが問題なのである

筆者がお世話になった優秀な先輩方は、この業務指導要領の要件を満たして手に余った人、

いわば天井にぶつかった人から先に、より大きな仕事がしたいという理由で辞めていった。

筆者もその一人である

既存産業の大きな成長が望めなく、社員個々の多様性重要視される昨今の経済情勢において、

高度成長期における横並び思想をもとの作られたやり方が未だに社内を謳歌しているのは時代錯誤というほかない。

富士通への提言として、これから時代は、年齢も在籍年数も関係ない人材評価制度を作っていくべきである

そして重要なのは会社既存事業でいかに利益を上げたかについての評価ウェイトを下げ、

いかに新しい発想で新しい事業を提案したか・実現したかという評価項目を設立するべきである

なお、富士通には社内ベンチャー制度があるが、これはうまくいかない可能性が高い。

なぜなら、社内ベンチャー承認するのは旧式の人材の典型である高齢経営であるからだ。

いままで数十の社内ベンチャー審査結果を見てきたが、彼ら経営層に事業の将来性を判断する能力はないと痛感した。

また、他の理由としては、富士通既存事業と衝突すると社内ベンチャーが潰されるということがある。

将来性のない既存事業を残して、将来を託すべき社内ベンチャーを潰すという企業風土なのだ


2.社内既得権益集団が絶対に損をしないルール

富士通という会社には多数の既得権益集団がいる。そして、社内のルールは彼らが決して不利にならないように作られている。

なぜなら、ルールを作る権限は、先頭を走る集団、1980年代大成功を収めた既得権益層がガッチリ握っているからだ。

いわば、前を走る人を抜かしてはいけないレースのようなものだ。

このような出来レースで若手社員モチベーションが続くはずはないことは明らかだ。

筆者は、決して年功序列主義を批判したいのではない。

既得権益層が年功序列悪用して、部下の手柄を自分の手柄にし、部下の失敗を部下に押し付けている実態に対する批判である

ノブレスブリージュ、権利を有するものには義務がある、という思想がある。

富士通既得権益集団には会社技術力や社員を率先することで、企業としての地位を向上させていく義務がある。

実態は、社内の後進に抜かされることを恐れるあまり、後進の他社に抜かされている。

これでは既得権益集団が義務果たしていないことは明らかだ。

ちなみに、この既得権益集団に有利なルールが生み出した現状については、

同じく富士通OBである城繁幸氏の著書「若者はなぜ3年で辞めるのか?」(光文社新書)が詳しい。


3.企業ビジョンを失った社員たち

経営学において「ヴィジョナリーカンパニー」という名著がある。

この本によると、会社が永続的に成長・発展していくためには企業理念ビジョン)を社員ひとりひとりが持つことが必要不可欠であると指摘している。

富士通企業理念は、変革に挑戦し続ける姿勢や、よりよいICT社会づくりに貢献することを掲げている。

しかし、富士通という会社の現状として、このヴィジョンを失っている社員、とくに管理職がとても多い。

30代を過ぎて会社に定住することを決めた社員に変革に挑戦しようという熱意ある人物はひとりもいなかった、

そういう人々にとってICTで社会づくりなどどうでもいいのだ。

ただ顧客要求を聞いて、それを子会社下請けに作らせて予算や利益を達成することにしか興味がない管理職が大半であった。

これでは富士通企業理念など誇大広告もいいところである

元GEのCEOであるジャック・ウェルチ氏は、たとえ成果を出していようと企業ビジョンを共有しないものはクビにしろと自著で語っている。

このポリシーを導入したら、富士通管理職の80%はクビになるであろう。そのくらいに富士通管理職は夢や熱意のない人物ばかりであった。

そのような人材が将来的に会社破壊する、というウェルチ氏の指摘の正当性を、富士通という会社惨状が示しているのは皮肉という他ない。

富士通への提言として、ウェルチ氏のやり方を実行すればよいのだ。

成果によって管理職のクビを決めるのではなく、ヴィジョンを共有できているかでクビを決めるのだ。

このやり方を実行すると既得権益を握って離さな経営層や管理職が一掃される。

既得権益にしがみつくだけの人物こそ、ヴィジョンを持たない人物である割合がとても多かったことを付け加えておく。


4.発展途上国レベル業務標準化の原因

経営コンサルタント大前研一氏は、日本生産性アメリカの半分しかなく、もはや発展途上国にすら負けていると指摘している。

その原因について、日本では業務標準化が全く進んでいないためであると述べている。

このことについてITベンダに勤めていた経験から詳解したい。

まず、マイナンバー関連のシステムを例に挙げる。

自分の住む自治体と異なる自治体マイナンバーのITシステム比較してみてほしい。

ここで、自治体が異なればITシステムも異なることに気づくはずである

はたして自治体ごとに個別マイナンバーシステムを作る必要があるのだろうか?

答えはもちろんノーである。全国どこでも一律の業務であるべきであり、同じITシステムを導入するべきである

なぜ、各自治体ごとにITシステムがバラバラなのか。

その理由業務標準化がなされていないためである

自治体ごとに業務フローが異なるために、別のITシステム使用した時に業務がこなせないという事態が発生する。

そのため各自治体が個別にITシステムをITベンダー発注することになる。

そこでITベンダー各自治体ごとに個別のITシステムを作ることになる。

ITベンダーからすると一度作ったことがあるものカスタマイズして、業務の順番を入れ替えたり、扱うデータを多少変更するだけで済む。

それなのに膨大な金額を請求するわけだ、ITベンダーとしてはボロ儲けである

(なお、主要ITベンダー決算書を見ていただくとわかるが、ITベンダー利益率が高いわけではない)

特に自治体のITシステムは国民の税金で作られているわけである

各自治体は、このような現状を放置していて、国民に申し訳ないと思わないのであろうか?

このことは、決してITベンダーにの責任があるわけではない。

総務省が陣頭指揮をとって各自治体の業務標準化統一化を進めなくてはいけないのに、それが全くなされていないのは監督官庁としての責任放棄である

このように業務標準化が全く進んでいない現状は自治体に限らず、民間企業においても同様である

会計パッケージにおいて、世界デファクトスタンダードになりつつあるSAP導入に失敗する事例を数多く見てきた。

失敗する理由は、個々の企業業務に合わせてSAPをカスタマイズしており、そのカスタマイズでは対応できない業務フロー存在するからである

問題なのは、そのような業務フローは、決して必然的業務ではなく、過去の慣習から存在しているだけであることがとても多い。

ここにおいて、ITシステム業務に合わせるのではなく、ITシステムに合わせて業務の方を変えていかなくてはいけないのだ。

日本サービス流通業生産性特に低い。

このことは、サービス流通業顧客からSAPのカスタマイズ無理難題があがってくることが特に多いことと無関係ではないであろう。

富士通は、既存顧客業務標準化およびデファクト・スタンダードとなるITシステムの開発の陣頭指揮をとる役割を果たすべきだが、その望みは期待できない。

なぜなら関係が深い企業において、業務効率化すると大量の社内失業者を出すことになるからだ。

そのような"顧客との良い関係"を崩すようなことはやらない会社である

日本という国のあるべき姿を長期的に考えた際に必然的なことであるにもかかわらずである

富士通企業理念である、よりよい社会づくりに貢献するとは、まさにこの業務標準化を推し進めることなのではないのか。


5.時代に取り残されたガラパゴス化した閉鎖社会

富士通には外国籍社員が相当数在籍している。しかし、彼らに求められる日本人への"帰化圧力"がとても強い。

同期入社中国籍の友人は、対外発表会のために完璧日本語発音の練習をさせられていた。

完璧日本語発音日本人に任せるべきで、中国精通しているというメリットを活かせる部署配置転換するべきである

この現状に直面した外国籍社員は数年で辞めていく。

なお、残った外国籍社員をみると、小学生から日本にいるなど、生まれたのが海外というだけのほぼ日本人だったりする。

外国籍社員離職率が高いことに対して、本部長が提示した対策が、

長く働きたい会社とはどのような会社か、というテーマ外国籍社員を集めランチタイムディスカッションさせるというものだった。

この話を聞いたとき、筆者は絶句してしまった。

この席で「無能な人が本部長にならない会社で長く働きたい」という大喜利でもすればいいのだろうか。

富士通グローバル企業を表明しているが、このような組織海外進出などできるはずもない。

なぜならば富士通利益構造では、海外において利益を上げられないからだ。

このカラクリ解説大前研一氏が詳解されているので、参考にしていただきたい。※1


6.富士通の良いところ

ここまで富士通に対する批判と改善提言を述べてきたが、富士通の良いところについても触れておきたい。

まず、個々の社員仕事力や組織力といった点では、他の大企業比較して遜色ない。ただし、富士通の主要グループ企業に限るが。

数十を超える大企業および中小企業仕事をしたが、やはり大企業は個々の社員レベルが高く、組織力も高い傾向にある。

顧客として他社と仕事を進めていくうえで、大企業の方が優秀な担当者に遭遇することが多く、仕事がとても進みやすかった。

この理由について、大企業社員育成能力が高いことはもちろん、社内チェック体制が整っているからではないかと思う。

社内で質の悪いものは弾いており、社外に出さないようにしているのだろう。

また、富士通顧客主義がきちんと徹底されている会社であると感じた。

筆者と富士通顧客主義が異なっていた点はあるものの、顧客起点に立つという考え方は大事なことである

これは、筆者が富士通入社して良かったと感じることである

人間関係について、他社と比較して良好な会社であると感じた。

柔らかい人が多く、職場雰囲気はとても良かった。お世話になった直属の上司や先輩方は、優しく丁寧なご指導をいただいたことに感謝している。


7.おわりに

最後に、立花隆氏の著書「東大生はバカになったか」(文春文庫から名文を引用したい。※2

「いま、この辞めたい気持ちを逃したら、この会社に骨を埋めて、あそこにいる連中と同じになってしまうと思った。」

結局、筆者の退職理由は、偉そうな顔をしているがロクなビジョンも打ち出せない富士通上層部のような人間になりたくなかったからである

富士通という会社必要なのは、優秀な若手の育成などではなく、無用老害排除である

筆者には、富士通という会社は、沈みゆく泥船にしか思えなかった。


※1「産業突然死」の時代人生論、第44回 談合をなくす二つの妙案-"便利なゼネコン"はいじめの温床

http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/a/46/

(この記事ゼネコンITゼネコン(ITベンダー)に置き換えていただきたい。)

※2 引用にあたり、語尾を改めた。


補足1.城繁幸氏の著書「内側から見た富士通」(光文社)についてのコメント

この本は富士通が先んじて導入した成果主義が、名ばかりで社員のやる気を奪う結果に終わったという実態を告発した本である

この本について、いくつか述べたい。

まず、本題である成果主義経営層のご都合で導入されて、社員モチベーションを奪うという最悪の結果に終わったという指摘はまさにその通りである

また、この本が出版されてから10年以上経つが、実態は改善されていないし、する気もないのだろう。

(そもそも経営者のご都合成果主義の導入を失敗だと気づく能力が欠如しているのかも知れない)

富士通では、そもそも「成果」などを評価されていない。

管理職仕事は、部下の成果を評価することではなく、予算内におさまるように部下の評価を調整することであった。

なお、成果主義の導入を評価している現場社員は誰もいなかった。

成果主義を批判する幹部社員はいなかった。おそらく批判すると何らかのペナルティがあるのではないかと邪推している。)


補足2.転職について

筆者の転職について、考慮したことをいくつか述べる。

まず、次の会社仕事の選び方および交渉の進め方については、山崎元氏の著書「会社は二年で辞めていい」(幻冬舎新書)を大いに参考にした。

転職は考えていなくとも、今の時代を働く考え方、人材価値セルフマネジメントなどは一読の価値がある。

富士通という大手を辞めたはいいが、次の会社で苦労している人が多いという意見についてコメントしたい。

筆者に言わせれば、それは転職のツメが甘いのだ。

現職のどこに不満を持っていて、そのうち、どこが改善余地があり、妥協するべきであり、次の職で改善を期待するのか、についての思慮が浅い。

社会ルールをわかっていないで転職したとしか思えないケースもある。

そもそも富士通という会社に勤めているにもかかわらずITゼネコン生態系を理解していない社員がとても多い。

下請け企業にいけばもっとやりがいのある仕事ができる、などという浅い考えで転職する人はいる。

ITゼネコン下請け生業とする会社社長は、中間管理職と何一つ違いはない。

上の指示(元請け発注)を受けて下に伝達するだけであって、自身で新しい事業を生み出す能力のない企業である

筆者はITゼネコン生態系から離れた企業を選んだ。

新しい会社は、自社で新しい事業を生み出す能力があり、きちんと利益を上げている。

転職において改善したかったこと、専門的な業務ができること、自分アイディア事業に活かすことができること、それらがすべて達成できた。

なお、富士通からWEBベンチャーに転職する人が多いと思われがちであるが、一番多いのは地方公務員である

2016-01-18

35年勉めて幹部もやった会社を辞めることになったので、愚痴る。

結局何が悪かったのかわかるようでわからんようで、まだ正直気持ちの整理もできていないが、落ち着かせる意味増田に書かせてもらう。

今度、35年つとめた会社退職することになった。いや、正確には一応は役員になっているから、解任か。

解任理由は簡単、

会社人生はいろいろやった。自分なりに会社に貢献してきたつもりだったし、事実、苦しいときには俺がやった事業会社の新しい展開をやれたとは思う。

ただ、その事実のものを、専務の奴は気にくわなかったんだと思う。

もういい加減、愛想が尽きた。今は、あん会社は徐々に腐っていけばいいと思う。

入社したころ

入社したときは、企画職でも営業でもなく事務職だった。ただ、ちょうどその頃会社はその頃の看板商品が大ヒットしていて、人手が足りなくなってた。

そこで、他の部署に応援に回される事になって、いろいろな部署の応援をやった。

人海戦術DM発送、苦情受け付けに倉庫整理、制服の繕い物、展示会の売り子から営業の補助まで、何でもやったよ。その中で、最終的にある製品企画プロジェクトに回された事が転機になった。

そのプロジェクト全然注目されて無くて、一応商品化は済ませていたものの、社長専務の覚えも悪く全然売れてなかった。

ただ会社の景気だけは良かったからお取りつぶしにされる事無く済んでいた。

こんな、他にもいくつかあったプロジェクトの一つだった。一応は責任者という立場だったが部下はいなかった。

プロジェクトに関わってから

会社はどこまで行っても同族企業で、その上社長や専務が強力なコネクションを持って仕事を取ってくるような所があった。

から社長専務の覚えがめでたけりゃ予算をもらえてそれだけである程度売れる。

ただ、そういう所はひたすら専務の言うことを聞いてなきゃだめ、言いなりになってないと駄目と言う感じだった。

一方で、そうではないところは完全に日陰。だから俺がやる事になった所は、商売としてはさっぱりだったが、その代わり注目もされないので専務に横やりを入れられることもなく、自由にやる事ができた。とにかく当時は看板商品が売れに売れてお取りつぶしにするような手間すら惜しかったのだろ。

どうせつぶれるのだろうし、いろいろな場所でいろいろな手伝いをして歩いてずっと考えてたビジネスプランを実行してみることにした。

それが、当たった。ビジネスプランには自信が無いわけじゃないが、時代に当たった運もある。

もちろん、始めはいろいろと難しかったけど、取り組み初めて数年で軌道に乗り始めた。

プロジェクト成功と、時代の流れと、看板商品廃止

ちょうど時代は、昭和という時代が終わり数年たったころ。

バブルの残り香が消え始め、酔いが覚めるように人々はだんだんともうバブルは終わったんだと言う空気感になり始めた頃。そんな時代が切り替わるタイミングというのはいろいろと古い商売と新しい商売が入れ替わっていく。

そんなタイミングにあっても、出た芽は小さくて、昔から商売をしている人にすれば、たまに生まれてすぐに消えるようなものに見えていたと思う。だからそう言う新しいことをやろうとしている人は、今の商売でうまくいっている人々に相手にされていなかった。

そこに俺は、今の商売でうまくっている所の看板を使って乗り込むことで、一気に市場存在感を出すことができた。今流で言うと社内ベンチャーということになるのだろうか。最初は小さかった商売だんだんとうまく行き始めた。

ただ、うまくいきすぎた。いや、違うか、本当に時代が変わっていた。これは悪い事に、これは看板商品の方がだんだん時代に通用しなくなってきたことも意味してた。前の看板商品だんだんと売れ行きが鈍っていく。一方で俺の商品は売れていく。

そうして、あるとき有力な取引先が3つも相次いで路線変更をし、うちの商品のそれまでの看板製品の扱いを大幅に絞った。その代わり採用されたのが俺がやってた路線商品

うれしいと思うよりも、もう必死だったよ。気楽にやってたのにいつの間にか主流の落ちた売上を俺が支えなきゃならない立場になってしまった。必死必死会社を守るために働いた。幸いにして努力は報われてどんどん売上は伸びたが、主流派商品はどんどん駄目になっていった。

そして…主流派商品がついに販売できなくなった。

よく覚えている、阪神淡路大震災があり、オウム真理教事件があった頃だ。

専務が関わっていた主流派の方は、既存設備が無理がたたって主力品が販売できなくなった。

一方で、同系統代替品を用意はしていたが、売れない。それはそうだ。時代の変化について行けなくなったから。前と全く同じ商品だったから売れていただけで、時代に合わない違う新製品を出しても売れなくなっていた。

会社は支える事ができた、ただ、それが…

一方で俺の方の商品は順調に売れていた。そこで、俺はよかれと思って、俺の方の商品に、主流派商品をセット販売を少しずつ始めていた。どうも専務たちはそれを本当はやりたくないような雰囲気が合ったが、当時は完全に俺の商品以外は赤字になっていたからだ。

また、この新しい商品ノウハウは社内にも公開した。当然だ、秘密にする理由がない。

これで、だんだんと社内の方にも広まり始めた。

これによって主流の方のラインだんだんと復帰し始めた。

ただ、ここまで来ても俺がやっていた方のラインは、メインのラインと完全に交わることはなかった。ただ、スタッフ交流は行われていたし、現場レベルでは別に完全に分離されているわけじゃなかった。

社長専務が主流の方に力を入れていて、こちらに何も言ってこないのは以前からだったし、何よりもそう言う体制があったからこそ、時代の流れの変化に会社として対応ができたから、それはそれで好ましいと思って、特に気にしなかったんだ。

ただ、今思うと、だんだんとひずみが蓄積していったのだと思う。

新しい時代の変化と、決定的な出来事

いくつか時代象徴する出来事というのがあるが、オウム真理教事件が以前の時代の節目を象徴したものなら、俺にとってのその次は、リーマンショックだったと思う。

この頃から市場環境が再び大きく変化し始めた。商売環境が再び変化し、90年代確立しつつあったやり方が再び通用しなくなった。顧客予算配分が大幅に変わり、そもそも市場が縮小し始めた。これにより売上が頭打ちになり始めた。当然手は打っている。手を打ったから大幅な売上減少にまでは至らなかったが、このままではじり貧なのは間違いが無い。

そして時代が回るうちに、うちの会社で主流派社長専務がやってきていた古いスタイルが再び受けるようになってきた。主流派は、こちらが作り上げ、提供したやり方と、80年代からやっている古いやり方両方を知っているため、堅調に伸び続けた。

当然、我々も後を追おうと考えた。

しかし、ここで、2つの決定的な出来事が起きた。

  1. こちらから流派側に協力を求めたが、拒否された。
  2. 再び来た時代の節目に、打とうと考えた新たな手を禁止してきた。

この二つのうち、どちらかを認めてくれるのならば、まだ耐えられた。ただ、両方とも封じられてしまったら、もう手も足も出ずに、座して沈んでいくのを待つしか無い。

しかし、もう問題は俺だけの問題でも、俺の部下だけの問題でもなく、供給責任として商品を届ける取引先や、それに連なる経済生態系に対して責任が及ぶようになってしまった。

そこで俺は、ここへ来て明確な指示への違反をした。いろいろと問題にならないように配慮をしつつ、せめて影響が小さくなるように、できる限りの手配をし、できる限りの手を打った。

専務からは何度も話は合った。そのたびにできる限り社の方針に従いながらも、しか責任は果たすように新しい方向に舵を切っていった。

とどめとなった「うわさ」

専務からの締付は強くなってきてはいたが、専務はそもそも会社愛が非常に強い人間でもある。ある程度の自制は効いていたのか、俺や幹部には強く当たるが、実際に決まった業務に影響が出るようなことはなかった。関係性は冷え込んで、それは取引先にまでしれるような状況になっていたが。

均衡状態が一気に動いたのは、ある噂だった。

それは俺が、独立するというものだった。

タイミングとしては最悪だった。社長専務はもう高齢で、後継者の話がでて、専務の娘が会社に入り、次期社長に決まっていた。そこでいろいろな整理が始まっていた頃だった。

もちろん、俺にはそんな気は全くなかった。弁解もした。ただ、これが「とどめ」になった。

専務からの指示はどんどん強くなっていった。それは俺に言うだけではなく、従来は現場レベルではある程度協業できていた末端の業務にも影響が出始めた。

そして去年の1月専務に呼び出された。慌てて向かうとそこには専務の他に取引先の人間と、会社顧問弁護士がいた。専務取引先の人間に、独立する気も社長の座をねらってもいないと直接説明するように求めた。

俺は求められたように、何度も繰り返していた同じ話をした。そんなつもりは全くない、これからもやっていくつもりだと。事実として、社長専務戦後直後から作り上げた偉大なブランド力と、会社の巨大なシステムがなければ商売は続けられないし、それを辞めるメリットはどこにもなかった。冷静になれば誰にでもわかることだ。

ただ、専務はその取引先がいる席上で、そういった説明だけではなく、俺がやっている商品がいかに駄目か、いくらやっても会社の主流は専務商品であり、劣った亜流であるかを演説し始めた。顧客まで馬鹿にするような発言。はっきり言って事実じゃない。そうして言ったのだ。主流になっているラインと、俺がやっているラインが分かれて摩擦がある事そのもの存在せず、もし存在しているとしたら刃を向けているのと同じだから、辞めてもらうと。

話はあっという間に広まった。

言い分。

わかっている。いくらやっても主流になれないことは。

だが、会社問題になったときに、古いやり方に固執して市場変化に対応できず、それでも売ろうとして製品を壊してしまったの誰なのか、収益を上げて会社を支えたのは誰なのか、それぐらいは人気視していると思っていた。

専務後生大事に掲げる理想ははっきり言って利益になってない。それは我々が作り上げた売れ筋の土壌の上にしか存在できないものだ。それを認めろとは言わないが、否定するということはどういうことなのか。

主流になりたいと思ったことがないと言ったら事実ではないが、主流にしてくれと言ったことはないではないか。それでも何故、敵視してくるのか。

専務の言い分、それがすべてでたらめとは言わない。もっともな指摘はあるだろう。古い伝統理想を掲げることは大事だ。

しかし、古い理想を古いやり方が再び流行が回るように時代の流れになったからと言って、それは合っていたとは言わない。

止まっている時計は必ず一日に一度は正確な時間を示す、しかしそれは時を動かしているものいるからだ。止まっていることと動いている事は全く違う。

正直愛想が尽きた。

今、会社は手足、足かせをして新しい手法を認めていない。

この方針は続けることになるだろう。少なくとも社長専務がいる限りは。その娘がいる限りは。ただ、誰の目にもその方針でいつかは行き詰まることはわかりきっている。消えてしまうことはないだろうが、市場は大幅に縮小することになるだろう。

専務取引先がいる席上でこう言った。「辞めろ」と。本流と一緒にやろうとしたとき、それを拒否し壁を決定的にした本人が、摩擦が存在するならば、辞めろと。ならば辞めてやろうと思う。

今後について

ただ、そう決めたからと言って、いきなり出社しないとかではなく、いなくなっても問題が無くなるまで引き継ぎをするあたり、結局俺は小物なのだと思う。

あいつが勝手に辞めたか会社が駄目になったとか言われるのも癪に触る。部下が困るのも本意では無い。結局一年かかってしまった。

希望を言うならば、ただ、進行の遅い癌のようにじわじわ会社をむしばんでいって、最後どうにもならなくなった時に、あのときあいつが残っていれば違ったのだろうなと言わせたいと言う程度の希望はある。(これは呪いでもある)

金なら十分すぎるほどあるし、仕事しかしてこなかったから養わなきゃならん家族もいない。これからは気楽にやろうと思っている。

悩み事としては、俺が辞めるではなく独立して新しい会社を興そうと考えてると勘違いして、ついて行きますと言ってる部下をなだめるのに苦労している。

俺も、それなりに人望はあると思ったが、そこまでとは、正直感動した。

感動したが、部下たちもあん会社でそんなことを言ったら会社での立場が完全に駄目になることはわかりきっているのに言ってしまった。だからといって本当に会社を興してうまくいくとは思っていないので彼らを拾うこともできない。

もう噂になっていると言う所で頭が痛いが、最後奉公だと思って(会社はどうでもいいが、部下や取引先は大切だ)各方面にこの下げなれた軽い頭を下げに行ってくるつもりだ。

(この話はフィクションです。現実団体、そのほかとは関係がありません。よく似ているものがあっても、無関係です。)

2013-06-19

http://anond.hatelabo.jp/20130619082921

100万貯めたいのは創業支援融資(支援額の1/3の自己資本必要な奴)を利用したいから。

別に独立するつもりはない。社内ベンチャーと言う形で建前だけ法人たちあげて融資受けるのが目的

理由は会社から全く予算がおりないから。サーバーしろソフトしろ設備しろ予算がおりないから自腹切ってる。

だけど月々節約した金をちまちま突っ込んでても埒あかない状況になってる。まとまった金がほしい。

融資を受けた金で試したいことを全て試してそれで結果が出れば良し。

結果が出なくて借金で首が回らなくなったら自殺夜逃げを考えてるから連帯保証人は使えない。

そもそも連帯保証人になってくれそうな人間もいない。今のアパートを借りた時の連帯保証人は亡くなってる。

連帯保証人の義務自体は遺族に相続されるそうなんだが、それを知ったら何を言われるか分からない。

そんな訳で引越し家賃を抑えるのも難しい。うつ持ちじゃ保証会社も使えそうにないし。

社内ベンチャーと言う形に会社がOK出すかについては恐らく問題ない。

会社の金を使わない限りにおいては放任主義と言っていい程緩いからだ。

ていの良い理由をつけて融資額を会社に徴収される可能性もあるがそこまであくどい会社だとは思ってない。

それでもそうされたなら、その程度を見抜けない人間がこの先で何やってもうまくいかないだろう。人生に見切りをつけるには丁度いい。

実際のところは思考の結構割合死ぬことに占められてる。死ぬ前に国の金を使ってもう一回だけ勝負をしてみたいと言うだけだ。

2011-08-19

仕事の非効率化なんてのがあるのか

anond:20110816230915

ブラック企業

自分独立したいと思ってる。そのうち、納期を後ろには延ばせない、朝も夜も仕事だ、なんて状況は出てくるだろう。

ひとりならいいけど、社員を使ったら、これは確かに大変だ。

でも、自分達がやるべき事は、今日10時間かけた仕事を、明日は8時間でやれるようにする事でしょ?

『今はサービス残業でかろうじて食いつないでるけど、来年は、収入が増えなくても利益を増やそう』って発想が、健全企業ってもんじゃいか経営者なら、PDCAが回る仕組みをちょっとでも進めていかないと未来がないんじゃないの。

そういう意味で、社長さんの言った『必要悪』という言葉意味が気になる。『いまだけ必要な、緊急措置』という意味なら健全だが、『未来永劫必要な悪』という意味なら、企業努力が足りない。

PDCA回しなさい。

寝言

ブラック企業社長さんは、自覚があるだけいい。

『○○さんの仕事がなくなるから効率化しない』なんて言葉は、虫酸が走る。

公園たばこをポイ捨てする人が『掃除する人に仕事を与えている』なんて言ってるのと同じたぐいの寝言だ。

だって、その人がポイ捨てしなければ、掃除の人は、いつもやらないシミ取りとか、もっといい事ができるかも知れないじゃないか

自分達を成長させない発想は、日本ダメにこそすれ、決して豊かにしない。当たり前だ、一定収入に対してコストを増やすだけなんだから

日本ダメにしないで

効率化する手段があるなら、仕事を午前中に片付ければいい。余った時間は、気分転換に遊びに行くとか、さっさと帰るとか、どうにでも使いようがあるじゃないか

時間までオフィスにいることが給料になる、って発想は、大学生バイトまでで終わりだ。

もしもやる気があるなら、世界に商品をどう売り込むか、新しいビジネスを立ち上げればいい。社内ベンチャーを認めたっていいじゃない。どうせ暇な時間だ。

革命起こしなさいよ

そもそも、ダメって言われたからやりません、って態度も、一人前の大人じゃない。

スクリプトを組んで効率化したなら、こっそり使ってアウトプットを出せばいい。『手で書きました』って言いながら、その間に他の仕事をしてもいいし、遊んでたっていい。

道が見えてるなら、まずやればいいじゃん。

情け無用で言えば

仕事量に対して人間が余ってるのは、自分仕事を生み出さないからだ。

仕事量が多すぎるのは、効率が悪いからだ。

そこをまずクリアできないと、本当に東南アジアに負けっぱなしになるよ。

自分会社子供に勧めるか?の前に、自分仕事ぶりを子供に誇れるか?と尋ねてみたい。

2010-07-30

http://anond.hatelabo.jp/20100729223701

ほんのすこしづつですが、お互いの意見が近づいてきていますね。

ただ、少数精鋭と呼べるようなレベルになってくると、一介の中小企業としては無理な話。

要は、他人を経営に一切かかわらせない!というほど潔癖な話でもなく、おおまかにでも手綱をつけられたらいいの。

ここに関しては、「それが必要になる商売がそもそも邪道」と言う定義なのだから、仕方が無いのかなと言う感じです。

そういう(複数の才能が集まった)ベンチャーは結構あるけれど、そういうのは「博打」と定義されてしまっていますしね。

定義の時点で、「それを必要としてはいけない」としてしまっているから、このまま話を続けても言い方を変えながら同じ事を繰り返すだけになるでしょう。


以下、邪道な商売の話なので、話半分程度に。

家電業界なんかは特許依存していたりします。

生み出した優位性は、やはり占有したいですしね。

大抵技術職には「年間2つの特許をとること」なんて目標が設定され、査定に影響したりします。

このとき、会社にとって重要なのは、生まれた特許会社権利とすること、ではないんですよね。

それを産み出せる限られた人間を、きちんと会社にとどめる事、なんですよ。

特許とまでは行かずとも、回路設計やらソフト設計でも才能というのはあり、「この人が居なかったら完成しなかった」なんてプロジェクトは良く見かけます。

そういう人が抜けていき、商品開発力が無くなれば、会社としては終わってしまうのだから、規模の大小なんて関係なく、「(重要な)人が抜けるのは致命的」です。

そうした「(才能ある重要な)人物」について、再調達の目処など、確実性をもって立てられる企業はないでしょう。


こうした開発プロジェクトみたいなものを、社内ベンチャーのように動かす企業も増えてきました。

発起人がそれぞれの分野で才能のある奴を集めて、プロジェクトを起し、設計・開発、プレゼンなどをチームとして全部やるわけです。

独立ベンチャーで、ニュアンスとしてこれに近い感じになるものはそれなりの数あるはずですが、そうした才能に頼ってしまうのは商売として邪道ですし、難しいですよね。

2008-01-02

http://anond.hatelabo.jp/20071229170009

正直渋谷でいい服屋ってなくね?

でも、自分に自信がないひとには少しでもプロお金を払って

買ってもらうというのはいいサービスなのかもしれないね。

でも、サイズだけで選んで買ってくるの?

その人の全身写真とかいらないの?

ドレッドの人とかにドテラがこれからは流行りなんです!とか薦められたりしないかな。

ちょっとドキドキしちゃうね。

と、おもったら結構しっかりしてた。

http://www.lookup-fun.jp/html/newpage.html?code=87

利用しようとは思わないけど。

でも、自分の場合和服が欲しいんだけどどこでいいのが安く買えるかわからないので、

こういうところにちょっと頼んでみたいなんていうのはあるかもしれない。


と、思ったら!!

営業拠点(渋谷) 〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂1-15-3プリメーラ道玄坂707 

本社 〒409-0112山梨県上野原市上野原3796(株式会社かいわ内)(株式会社かいわ:超精密プラスチック金型設計製作及び成形加工)

http://www.lookup-fun.jp/html/company.html

なんだこれ!

社内ベンチャーとか、二代目のおもいつきビジネスなのか?なんなのか??

むしろ本業のほうに興味が湧いた・・・

超精密微細プラスチックってなんなのとか創れるのかな・・・・

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