はてなキーワード: 定例会とは
民主党政権時代、松本龍氏(復興大臣・防災大臣)による「書いたらもうその社は終わり」などとの発言について、主にリベラルと思われる方々による「言論により辞任させた案件で報道の自由が実現されたもの」という評価が目立っているので、事実関係を整理した上で感想を残しておく。
東日本大震災後、4ヶ月ほど経って、復興担当大臣と防災担当大臣を兼務していた松本氏は被災地である岩手県・宮城県に赴き、両知事と面会した。その時の主な発言は以下の通り。
◯(自身が面会場所に到着したときに村井知事がまだ到着していなかったことについて)先に来るのが筋だよな。お迎えするのがね。
◯(村井知事が面会場所に後から入ってきたことについて)今、あとから入って来たけどお客さんが来るときは、自分が入ってからお客さんを呼べ。いいか、長幼の序がわかってる自衛隊ならそんなことやるぞ。わかった? しっかりやれよ。
両知事に発言に対する発言ともに問題視されたが、特に言論統制という意味では村井知事に対する「書いたらもうその社は終わり」という発言が問題だろう。
前提として、面会場所には地元メディアだけでなく全国紙などなども詰めかけており、地元メディア以外にも既知であった。
なお、「書いたらもう終わりだから」発言について、以後「当該発言」という、
◯地元テレビ局である東北放送は、当該発言まで含めて、「波紋を呼びそうです」と問題視して放映した。
◯松本氏の問題発言について、当該発言はカットして報道した。(確認できただけでNHK・テレビ朝日系・TBS系・フジテレビ系・朝日新聞・毎日新聞など)
◯特に毎日新聞は、「オフレコです」まで報じたにもかかわらず、当該発言は報じなかった。
◯読売新聞はWEB版において、22時台に、復興大臣の発言集として当該発言があった事実のみ報道し、特段問題視はしなかった。
◯村井知事は定例会見において、東北放送の報道による当該発言について、「冗談で言ったのだろう」とコメントしたが、この村井知事の発言を報じた全国マスコミは産経新聞のみ(夕刻、WEB版にて)であった。なお、産経新聞も村井知事の発言を報じたのみで特段の問題視はしなかった。
7/3に報じられた東北放送の当該発言のニュースがYouTubeで100万回の再生を記録するなど一斉に拡散され、当然批判的な論調であった。
不明である。良く人口に膾炙されるものとして以下の通りであろうか。なお、いずれにしても根拠はない。
そもそも報じられており、それをきっかけに辞任まで追い込んでおり、問題視されるものではない。(参考 https://b.hatena.ne.jp/entry/s/togetter.com/li/2362888)
当該発言の当日、東北放送以外のマスコミも面会に同席しており、知っていたにも関わらず即日又は翌日に報じなかった。
東北放送の報道が広まり報道せざるを得なくなってからの後追いではないか。
異常なまでに特落ちを恐れるマスコミの普段の様子からすると異様ですらある
東北放送は問題視している。大手マスコミすべて東北放送よりも報道の自由を重視していないというのならともかく、日頃報道の自由を錦の御旗のように掲げる大手マスコミが揃いも揃って報道の自由を軽視しているとは考え難い。
まさか大手マスコミの中の人が揃いも揃って報道の自由なんてどうでもいいと考えているわけではあるまい。それはマスコミの方々に失礼だ。
松本龍氏は、義兄が指定暴力団工藤会の総裁である野村悟氏(殺人罪で無期懲役刑)であり、また本人も部落解放同盟の要職を歴任してきた者であることから、報復を恐れて報じなかったのではないか
※部落解放同盟による圧力についてはウィキペディア関係記事(https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E7%A2%BA%E8%AA%8D%E3%83%BB%E7%B3%BE%E5%BC%BE)を参照
特段の反論はない。
東北放送の報道が拡散され、世論が批判的になった(隠しておく必要がなくなった)後に大手マスコミによる報道が始まったのも傍証と言える。
工藤会は北九州市を地盤とする暴力団であり、また、部落解放同盟による事件も概ね関東以西、多くは関西以西で起こっていることから、東北放送には気兼ねする必要がなかった(または松本龍氏の発言にこめられた意図を完全には理解できなかった)。
そもそも東北では村落や集落の意味で「部落」という言葉が使われているくらいだし、納得感がある。
東北放送の意図は定かではないが、東北放送がなければ、松本龍氏による言論封殺は成功した可能性が高い。
憲法学(報道の自由)や社会学(メディア論)の格好の研究対象と思われるが、何故か研究はなされていないようだ。
大手マスコミはこれを報じなかったばかりか、擁護記事も目立った。いくつか例示しておく。
◯困難な状況に置かれている「後輩」を厳しい口調で激励するつもりだったのかもしれない(7/5東京新聞)
◯(当該発言に触れなかった上で、)防災担当相として震災の政府対応を担ってきた強い自負が、被災県の知事や国会に対する不満につながったとみられる(7/4毎日新聞)
以下の通り、ブコメでは「でも自民党や安倍政権よりマシだし」とのコメントも目立った。
◯松本龍については敬称を付ける気も起きないくらい擁護の余地がない。が、自民党の麻生、森、安倍あたりはこれと同レベルの発言が山ほどあるので、この一点だけで民主党政権がダメというのは党派性がすぎる
ただ、「同レベルの発言が山ほどある」とのことだが、マスコミに対して「この事件を報じたら終わり」などとの発言は探せなかったのでいくつか例示いただきたい。
また、あったとしてこのように大手マスコミから報道されず、また擁護されたかも合わせて例示いただきたい。
(ブコメ)
7/4の22時に報じたって書いたね。
その時点で7/3の東北放送報道がYouTubeで再生されまくって、更に村井知事もその件で質問を受けてたから、まさに隠す必要がなくなってからの後追いってのの傍証なんだが・・・全然読めてないのな
「両性の合意のみに基づいて」の「のみ」は、婚姻を異性婚に限るという意味ではなく、婚姻をする2者以外の意志の介入(端的には家制度下による両者親族の意向など)に歯止めをかけるために入れられた文言である、というのが、24条1項の立法者意思についての一般的理解。そもそもこの憲法が誕生した時代に、「同性同士が結婚する」というアイディアは、法曹界だけでなく当時の同性愛を実践する当事者にとっても全く現実的なものではなかった。
このことから、立法者意思説に立った場合も法律意思説に立った場合も、24条1項は、同性婚を積極的に禁止しているわけではなく(人間と法は、その時点での想定の枠外のものを「禁止」しない)、同性婚を「想定していない」(未規定)という解釈が一般的である。2021年の札幌地裁判決に始まる各地での同性婚訴訟の判決も、このような解釈に基づいている。その点で、https://anond.hatelabo.jp/20240316113208 の増田が書いている「憲法は同性婚を想定していない、というのは憲法学会の通説であり」は100%正しい。
ただし、同じ増田が追記で書いている「両性の合意がない以上、それに準ずる制度は作れたとしても憲法上の婚姻には該当しないって理屈付けしなきゃ無理」のほうは間違っている。「憲法で同性の婚姻が保障されていない状態のまま、民法戸籍法において規定された婚姻を同性に拡張すること」自体は法律論的には問題がない。憲法上では未規定だった対象や事項を下位法で包摂するというのは、憲法24条以外の憲法条文でも当然存在する。たとえば肖像権・プライバシー権は憲法上では想定されていなかった未規定の権利だが、第13条の幸福追求権という抽象的な包括的人権から敷衍される具体的権利性のひとつととらえることにより、後に民法で規定され保護されることになった。そこは、増田も引用している高橋和之先生がこのように書いている通りである。
「日本国憲法は、人権をそこで列挙した個別的人権類型に限定したのではなく、時代の変化に応じて生ずる個人の新しい必要・要求が具体的人権として個別化されることを認めている」
なお、ここで元増田に都合の悪いことも書いてしまうと、元増田が引用している高橋和之氏の「立憲主義と日本国憲法」 の
婚姻の自由については憲法24条が保障しているが、近年議論され始めた同性間の結婚まではカバーしていないというのが通説である
という部分は、実は2020年発行の第五版では「通説であった」と改められている。このことは国会質疑でも取り上げられている。https://twitter.com/P_reDemocracy/status/1597644240489701377
それはともかくとして、2021年札幌地裁判決では、少なくとも同性カップルに対して権利保護の仕組みを一切立法しないのは国会の裁量範囲を超える違憲状態であり、このような違憲状態を解消するうえで、実際に現行の民法戸籍法が規定する婚姻を同性に拡張することで解消するか、それとも海外のシビルユニオンやPACSのような、婚姻と似たような形で同性間にもパートナーシップの法的保護を保障する、別建ての法律を新たに創設することで解消するかは、国会の広範な裁量に委ねられる、としていた。以後の各地域での同性婚訴訟の基本的な流れも基本的にはこの立場にあった。「同性間に結婚を許してもいいし、同性向けに(あるいは同性も含めて)結婚みたいな別制度を作ってもいいから、とにかく何かやりなさいよ」ということだ。
一方、今回の札幌高裁判決は、この建て付けから一歩踏み込んで、現行民法戸籍法が同性間の婚姻を認めていないことは、憲法24条1項にも違反するとしており、ここまでの判決とは大きく意味合いが変わった。これは同性婚訴訟の当事者を支援する法曹にとっても予期せぬ判決で、驚き混じりの賞賛の声が出ているほどだ。ただし、その「違憲である現行民法戸籍法のあり方」に対してどのような立法的解決を図るかは、引き続き立法機関たる国会の裁量に任されていると考えられる。よって、憲法24条1項の定める「婚姻」の下位分類として、現行民法戸籍法の定める「婚姻」と、新たに民法で規定される「何か」(たとえばシビルユニオンやPACSのような婚姻類似制度)が併存する、という建て付けも可能であろう。その点では、札幌地裁判決に続く一連の判決での示唆と、求める立法的解決の形が激変しているわけではないと思う。
とはいえ(これまで保守派が「同性婚を禁止している」と認識していた)24条1項自体にもとづいて「現行民法戸籍法は違憲だ」という判決が出るというのは結構すごいことで、おそらくこの判決が出たことで「国会がどのあたりを落としどころにするか」というラインも変わってくると思う。おそらく自民党保守派も「婚姻制度が提供する法的保護のごく一部について最低限保障するようなショボいシビルユニオンを作れば違憲状態は解消され、保守派も何とか納得するだろう」だったものが、「同性パートナーシップを現行民法戸籍法の「婚姻」には絶対入れさせたくないが、そのためには、あるていど充実したシビルユニオン法案を提案せざるを得ない」という感じになるかもしれない。法相から以下のような物言いが出てきたのはその潮目の変化を表していると思う。
小泉龍司法相はこの日の定例会見で「国民生活の基本や国民一人一人の家族観にも関わる問題で、国民的なコンセンサスと理解が求められる」とし「われわれも、議論を進めるという意味では貢献できるところがある」
岸田首相「同性婚規定、なくても憲法に違反しない」 札幌高裁が「違憲」判決出したのになお後ろ向き:東京新聞 TOKYO Web
与党内でも、公明党はもともと同性婚推進派だし、自民党内で同性婚反対の論調をリードしてきた安倍派はいまズタボロの状態にある。外堀は徐々に埋まりつつある気がする。
増田でバズった某エントリーの通り、『株主に突っ込まれるまで無視』が正しい戦略なんですよね
なぜなら炎上に気づかない人たちは謝罪にも謝罪に気づかないからです(コストが無駄。なんなら謝罪きっかけで話を知ってしまうまである)
自分たちのメイン客が、『倫理的消費(エシカル消費)に気を使う余裕のある所得を持っていない』 or 『ネット感度低い』 とわかっている場合は、
謝罪しない方がお得です
でも何を思ったのか、よもやHuluやジブリの会社としてどっかからツッコミでも入ったのか、
倫理的消費に興味がなくネット感度の低い大衆向けサービスをやっている日テレが、
おそらく1円の得にもならないのに、まさかの内部調査チームを立ち上げ上げたんですよね
ここまででもだいぶ驚きなのに、内部調査のコメントには腰を抜かしました
26日の日テレの定例会見で「できあがった作品の二次利用などについては契約を結ぶが、ドラマ制作の詳細について契約書は存在しない」
制作過程や著作者人格権に関わる契約については、「作品ごとにはない。法律に基づいた枠組みでの了解は当然あるが、約束事を文書で取り交わしているわけではない」
コンプライアンス担当の取締役執行役員が責任者を務め、顧問弁護士ほか、外部から著作権分野に詳しい弁護士、コンテンツ制作の契約法務などに実績のある護士を招く
とりあえず、TV業界御用達の脚本家協会のひとつは下記のように書いているので、著作人格権と著作財産権、特に著作権法第20条の規定の解説から、日テレ弁護士さんにお願いしたいです
あと契約書についても日テレ弁護士さんに解説をお願いしたいです
【日本シナリオ作家協会・脚本契約7原則】
(1)「オリジナル企画」および「オリジナル脚本」の脚本家は、原作者として尊重されなければならない。
(2)「オリジナル企画」および「オリジナル脚本」が映像化に至らなかった際は、特段の取り決めがある場合を除き、いかなる場合も著作者である脚本家が任意に利用できなければならない。
(3)企画開発費と脚本料を一元化してはならず、企画段階の企画書・プロット執筆、脚本執筆には、別途ギャランティが支払われなければならない。
(4)脚本料は受注時に取り決め、長期間に及ぶ脚本執筆 の場合は随時支払われるものとし、決定稿を提出した後、速やかに支払いが完了されなけれ ばならない。
(5)企画開発および脚本執筆のために必要とする取材費、資料費、交通費その他の実費については、発注者が負担しなければならない。
(6)氏名表示に関して著作権法第19条の規定を遵守し、宣伝・広告活動の際にも配慮されなければならない。
(7)著作権法第20条の規定を遵守し、脚本家に無断で脚本を改訂してはならない。
派閥とは、木曜の昼間に一緒に弁当食べる定例会をやっている、掛け持ち不可の組織である。
ただし過去には他の曜日に定例会やってた派閥や、掛け持ち可だけど木曜日に定例会やってたグループもあるので、本質は「掛け持ち不可」というところにある。
谷垣・石破グループや他党内の集団は掛け持ち不可を明言はしていない(だからといって掛け持ちしている人はほとんどいないけど)ため派閥とは呼ばれない。
なんで派閥を作るかというと、日本の政治制度は長らく自民・社会の二大政党かつ当選数3~6の中選挙区制だったため、党内で複数の候補を出す必要があったからである。
派閥の力関係で党内候補者を決め、選挙戦は主に派閥単位で戦うため、どっちつかずの掛け持ちは許されない。
社会党内にも派閥はあったが、こちらは理論集団である社会主義協会との距離感というイデオロギー的な意味が強かった。
で、中選挙区制が終わった今派閥が存在しなければならない理由というのは本質的には存在しないのだが、資金集め・選挙協力・総裁選の推薦人集めなどに便利だから惰性で存続している。
初めて正社員として採用された会社がブラックなんじゃないかと思い始めている。
でもずっとフリーターだったせいでブラックだったのか自分が甘いだけなのかどうか判断がついてない。
自分が甘いだけなのであれば考えを改めたいので、今後のために「社会人ナメすぎ ホワイトなほう」とか「まあまあブラックだけどうちのほうが辛い」とかそういう披露大会でもいいので、一般的に見てうちがどんなもんなのか教えてほしいです。ブラック度合い以外のところにフェイク入れてます。塾の運営みたいなことをやってる。
・勤務時間
定時は9時〜17時だけど授業は9時〜18時までやってることが多い。
なので実際は生徒の対応とか当日の支度で朝8時には教室に着いていないと間に合わないし、授業が終わってから翌日の準備をするしかないので早くても18時20分頃、19時退勤はザラ。
けどタイムカードは9時ギリギリ、18時直後に押すように遠回しに言われている。
社員みんなそうしているので自分だけ実際の時間通りに押すわけにいかない。同調圧力に弱くてすみません。誰かが声を上げないといけないことは分かってますが右に倣えをしています。
ワンオペで電話応対もあるし、そもそも間に合う仕事量じゃないので当然昼休みなんてない(勤務時間上は1時間引かれてる)のでおにぎり齧りながらパソコン触ってる。
途中、みなし残業で指定されている残業時間が大幅に減らされて、「これで残業代で給料が増える!」と思ってたら続けて「だからさらに残業を減らすように」と言われた。すでにギリギリで切り詰めているので、タイムカード押す時間を誤魔化せという意味でしかない。
ちなみに他の社員に合わせてタイムカードを短めに押してもある程度の残業時間はカウントされるはず(定時9−17のところタイムカードは9−18なので)なんだけど、定例会議では残業時間0ってなってる。
・経費
必要な物品は定期的にアスクルとかで注文するんだけど、そもそも予算がケチなのですぐ足りなくなる。そういうときどうするかというと、各々が近場の100均で自腹で買ってる。クリアファイルとかコピー用紙とか掃除用具とか。領収書もらって経費精算みたいなのは認められていないらしい。みんな当然のようにそうしているが私はそうしたくないので、ボロボロのクリアファイルを無限に使い倒している。
・休日出勤
恥ずかしながら休日出勤が何なのかよく分かってないんですが、休みの日に出勤したら給料は出ないですよね?
休みのはずの社員から当然のように電話がかかって来る。タイムカード押してないので給料は出てない。
教室間で移動させなきゃいけない物品はなぜか宅配便を使わず、休みの社員が自家用車で運搬している。
会議で「○○さんは長距離運転するのが好きみたいだから」でひと笑い起きてたけどクソおもんなくないですか?
ガソリン代が出てるのかとかは知らない。私は比較的新入社員寄りなので、まだそういう役目はまわってきていない。
パッと思いつくところだけ書いたけど、離職率も高い。先に辞めた社員からは退職証明書を出してもらえなかったと聞いた。
あ、手取りは20を少し超えるくらいです。ボーナスは1月分。中途で入った初年度の寸志は無かった。
とにかく基本給以外の余分なお金を絶対に支払いたくないらしい本社も本社だけど、休日出勤とか自腹で備品を買ったりとか、黙って続けてる私たち側も相当頭悪いのでは?という考えが最近止まらない。思い出したらまた追記します。
残業自慢でもブラック自慢でもいいんですが、この会社がブラックなのか、それともこういうのはまかり通っていることなのか、辞めたほうがいいとは思うんだけどワンオペなので言いづらいとか、見捨てていいのかとか教えてください。お願いします。
https://qiita.com/technuma/items/df14245d75244b8f437d
この記事を読んで非常に感銘を受けた。
いつも損失確定回避バイアスに囚われ続けて、自分の進捗具合が悪いのを報告できない。
気を引き締めた矢先、また失敗してしまった。
毎週始めにチーム内で定例会議が開かれる。
長期的な仕事の日程に対して、状況整理をし、それを踏まえて今週やるべき仕事を組み立て、チームリーダーに伝える場である。
今週までに確実に終わらせないといけないタスクがあった。
とある仕事が一段落ついたので、それを資料にまとめる仕事だった。
作成にかかる時間を考え、木曜までには完成できそうな見込み、金曜は納期がまだ先の別タスクをしますと伝えて合意した。
水曜の朝になっても熱は下がらず、急遽休んだ。
この時点で、私の頭の中は、資料作成完了が一日ずれてしまうことでいっぱいだった。
来週からは別の仕事の日程が既に出来上がっていたからだ。最終的に顧客に納品する仕事になるので、チームリーダーからはこの日程はずらせないと聞かされていた。
何としても残り2日で資料作りを終えなければいけないという気持ちを抱えて過ごした。
次の日の朝、熱は完璧には下がらなかったが
しかし、微熱と鼻詰まりのせいか、日中ずっとボーっとして頭が回らなかった。
1日に25%ずつ進めなければ終わらないものが、10%程しか進められなかった。
今日、体調は全快ではないが昨日よりはマシだった。
資料作成を始めたが、手を動かす途中で、作業量の見積りを誤っていることに気づいた。
月曜に考えた資料構成内に、本来含めなければならない項目が折り込めていなかった。
とにかくやらなければとフル残業して進めたが、結局完成しなかった。
終業連絡に併せて「進捗80% 遅延しており来週からの業務について相談したい」という情報をチームに伝えた。
「体調不良は理解してるし、その分だけ足が出るのは許容する。しかしそれは容易に予見できたはず。もっと早く見通しを連絡してくれ。理由は言わなくてもわかるはず」との事だった。
落ち着いて読めば、何も間違った事は言われていない。
だが、この連絡を見て、俺は恐怖で体が震え、小一時間動けなくなってしまった。
個人商店で進めていた仕事を、少人数チームで進めるように変わった時の事だ。
チームリーダーは、同じ部署内の年上の先輩だった。普通に雑談する仲だが、一緒に仕事をするのは初めてだった。
リーダー「説明ありがとう。ところで〇〇の説明が無いのはなんで?」
俺「〇〇ですか?…すみません、何もできていないです」
リーダー「なぜできていないの?」
俺「〇〇をする発想自体が無かったです」
リーダー「他にも▲▲と■■も先にやるべきだと思うけど、状況は?」
俺「同じ理由でできていないです」
リーダー「本来真っ先にやるべきことができていないのに、なぜ開き直っているの?」
俺「えっ、いやそんなつもりは…(進捗報告なのでありのままを伝えるべきと思ってた)」
リーダー「それでどうする?やるの?やらない?」
俺「(やらない理由を説明できないので)あ、はい、えっと、やります」
リーダー「どう進めるの?日程は?」
俺「えっと…(考えていないので何も話せない)」
リーダー「思いつかない?じゃあ…これこれこうで、こう進めるのは?」
俺「そうですね、いいと思います」
リーダー「他のは?」
俺「(思いつかないが、さっきのように何か言われるのが怖くて)同じようなやり方で…」
リーダー「それだとこういうところで躓くよ。こっちはこうして進めて…」
リーダー「なんか全部俺に考えさせようとしてない?本来君の仕事でしょ?」
俺「あ、いえ、そんなつもりはなく、すみません」
これ以来、適当な事を話すと何か言われるかもしれないという恐怖がずっとつきまとっている。
困った事があっても、助けを求めるには、何を助けてほしいのかを適切に説明できないと、そもそも相談する資格が無いと思ってしまい、すぐに声をかけられなくなってしまった。
同様に、進捗が悪いときは、どうリカバリーするのか説明できない時に「結局俺任せ?」と言われてしまうのが怖くて、正直に打ち明けづらくなってしまった。
そんな事をしても仕事が順調に進む訳はなく、チームリーダーから責められ、精神的にどんどん辛くなる。
それでも自分は変わらず、状況を隠し続ける。
ウソの進捗をしてサビ残・休日に家族に隠れて仕事する事も多くなってしまった。
今週チームリーダーには出張予定が沢山入っていたので、俺の状況を細かく確認する余裕は無かった。俺はそれをうっすら理解していたので、内心ものすごくホッとしていた。
けどチームリーダーのサポートやプレッシャーが無いと仕事ができないお荷物人間のような気がしていて、どんどん自信が無くなっている。
今はチームリーダーに怒られないかどうか日々怯えながら目の前の仕事に取り組んでいるだけ。
このままで良くないと思いつつ、自分でも何を変えたらいいのかわからず、頑張ろうと思っても、結局変わらない自分に嫌気が差す、そんな事を繰り返して今に至る。
ソース:https://www.thetimes.co.uk/article/china-kills-own-sailors-with-trap-set-for-us-and-british-vessels-75wdfkc2p
関連:
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2023/08/post-102482.php
https://www.dailymail.co.uk/news/article-12589429/chinese-sailors-trap-yellow-sea.html
http://www.mod.gov.cn/gfbw/wzll/dbzq/16004988.html(解放軍報。艦長薛永鵬について)
内容:
・8月21日に、中国の原子力潜水艦「093型(商級)攻撃型原子力潜水艦」(東部戦区所属。艦長・薛永鵬)が黄海で沈没。乗組員55名は全員死亡したものと考えられる
・アメリカやイギリスその他のアメリカの同盟国の潜水艦をはめることを目的とした罠に引っかかって沈没
("The submarine hit a chain and anchor obstacle used by the Chinese Navy to trap US and allied submarines."(デイリー・メール))
・台湾国防部も報道を否定。「台湾国防部の報道官は、[8月]22日に台湾の報道機関が放送した定例会見の中で、台湾の軍と政府は潜水艦の事故があったという証拠を入手しておらず、一連の報道の裏を取ることはできなかったと述べた。」(newsweekjapan.jp。[]内は筆者補う)
・タイムズとデイリー・メールの報道は、イギリス政府から漏洩したとされる機密扱いの報告書に基づく
https://news.yahoo.co.jp/articles/e574e0f64084f4e5428d2fd6883f5bfcc7028c89
東京都、ジャニーズの風間俊介さん起用を継続へ 「パラ応援大使」
故ジャニー喜多川氏による性加害問題をめぐり、東京都の小池百合子知事は15日、都の「パラリンピック応援大使」を務めるジャニーズ事務所所属の俳優・風間俊介さんについて、起用を続ける考えを示した。
問題を受け、同事務所のタレントを起用したCMを取りやめる動きが相次いでいる。
都政策調査課によると、風間さんは2019年以降、パラスポーツ振興やバリアフリーの推進に関する会議のメンバーにも在籍。都のホームページなどに応援メッセージを無償で寄せている。
小池氏は同日の定例会見で、「風間さん本人が障害者スポーツに熱心。基本的にはボランティアで来てもらっていて感謝している」と話した。これまで事務所を通していたが、風間さん本人から承諾を得る形に切り替えるという。
風間さん以外に都で大使などを委任している同事務所のタレントはいないという。小池氏は今後の起用方針について、「コンプライアンスの問題を解決するまでは事務所との新たな契約を行わない」と話した。
牛丼チェーン店での「ごちそうさま」をめぐるマウントの取り合いの件で、少しだけ体験談を
Aは創業者が多く年配の方が多い団体で、Bはその後継者が会員の8割を占める組織、Cは地方でそれなりに成功した人が集まったグループだった
それぞれ「定例会」というものが月に数回あり、そこでは会食を伴うことがほとんどで、定例会後はそのまま夜の街へと繰り出すことも多かった
それぞれの組織で若輩者だった私は、先輩方についていき酒の飲み方を教わったり、美味しいもののご相伴にあずかったりして、いわゆる「夜の街の作法」を学んだのだが、ここでもグループごとに明確に差があった
まずAの団体では、会食時に「いただきます」「ごちそうさま」は欠かさず、給仕をしてくれるホテルのスタッフへも感謝は忘れない
思うよりも先に口が「ありがとう」を再生しているかと思うほど、周囲に生かされてきたという謙虚さがまず先に立つ
夜の街でも粋な飲み方が多く、訪れる店のランクもその地方ではかなり上流の方で、着物を来た女性が上品に接待してくれ、飲み物もこちらから「どうぞ」というまで口にしない
店が混み始めるとサッと会計して退店する
次いでBの組織だが、結論からいうとここが一番ゴミ溜めレベルで品性が低かった
彼らはお礼や謝罪を口にすることは自身のプライドを傷つけると思うのか、たとえ飲み物を絨毯にこぼしても「おい、拭いといて」の一言で済ます
食事前に私が「いただきます」と手を合わせると「給食じゃないんだからw」と揶揄されたこともある
そして夜の街ではキャバクラを梯子し、それぞれの店で飲み散らかし、大声で女性の容姿を罵り、まさに傍若無人の振る舞いだった
Cのグループでは、地元では少しばかり名が通った「名士見習い」レベルの方が多かったが、ここでは職種ごとに品性の差が激しかった
BtoBの商売をしている方や士業など、オフィシャルな席が多い人ほどAの団体メンバーのような所作が徹底されていたが、BtoCの商売、例えばコンビニ経営者や飲み屋のオーナーなどはBの組織にいる者と大差なかった
お金を持っている分、Bよりも質が悪い場面もあって、口に合わない料理は大声で貶し、その際に「この前エクシブで食ったステーキの切れ端よりもまずい」だの「こんな酒、1合2万の酒を飲み慣れてるから飲めたもんじゃない」と付け加える
彼らの口から「いただきます」はおろか「ありがとう」という感謝の言葉も聞いた記憶がないし、全ての返答は「おう!」「おーう!」で済ます点は、言語野が機能していない可能性と野性味すら感じるレベルだった
この状態で夜の街に繰り出すのだから、女性スタッフを触ろうとするは序の口で「おい、この後ホテル行くぞ」と値段交渉を始めたり、それが叶わないと「なんだこの店!最悪だな!」と騒ぎ、同席するこちらが赤面するような行為のオンパレードだった
話を戻すと、たとえ二者の関係性に商取引が介在していたとしても、誰かの手間をかけさせたり食材への感謝がある人は、収入がどうであれ「いただきます」や「ごちそうさま」を言うし、他者への感謝は心の隅々まで染み込んでいる
一方、その段階への発育途上の者ほど、自身の実力を高く見積りすぎて横柄な態度を取り、なんならそれを仲間と認定した人へも強要したりする
低所得者ほど「ごちそうさま」を言うという指摘は一理あるかもしれないが、あまりにも見ている世界が小さすぎて、まるで知見を伴っていないことに恥ずかしさを感じる
「こちそうさま」や「ありがとう」というコストがかからない行為で好感度は上がりこそすれ、下がることはないはないのだ
周りよりも一段高い位置に立ち見下ろしたい者たちへ、品性はお金では買えないが、お金を使い他者から学ぶことは可能なのだから、自身の実力を見極められない者こそ一度謙虚に周囲を見回すことをおすすめしたい
前もって断っておくと、この文章は自分が読んだ本をあしざまに貶すために書かれている。信じてもらえないかもしれないが、自分は普段ならフィクション、特に小説に対するネガティブ感想は書かないようにしている。新刊だとネガティブな感想が売上=作家の収入にダイレクトに響きかねないからである。他人の収入に影響を与える覚悟はない。ただ、本作はもう書店に並ぶことがないのが確定しているので、その点は心配しなくていいだろうと判断したので、放流させてもらうことにした。
樋口毅宏が書いた『中野正彦の昭和九十二年』という小説がある。この本、本来なら12月19日発売だったのだけれど、イースト・プレスが発売日前に回収を決定したことで話題になった。以下、その際の回収理由である。
https://www.eastpress.co.jp/information/detail/2034
その内容の表現手法の個性から、出版にあたりしっかりとした社内議論が必要であると考えます。しかし、今回刊行に至るプロセスにおいて社内で確認すべき法的見解の精査や社の最終判断を得ることを行っておりませんでした。同時に刊行時においても契約書の締結が終了しておらず、刊行における責任の所在が曖昧だということが発覚しましたので、社内協議の上、回収対応といたしました。
この回収理由、一読して意味がよくわからないと思う。法的見解の精査とはなんぞや? 契約書の締結とは? そういう疑問がわいたので、この記事を書いている増田は書籍回収の報が出てすぐ書店に駆け込み、回収前に購入することができた。で、いざ読んでみて、「あーそういう意味ね……」と朧気ながら理由らしきものも推測することができたのだが……。
先に言っておくと、回収騒ぎの責任は100%版元にあり、その点において樋口毅宏氏に責任はない認識である。フィクションはなんでも書いていいからフィクションなのであって、版元はフィクションの書き手である作家を守らなければならない立場だろう。誰が悪いにしろ、配本が始まってる段階で回収することに対して版元は作家に対して極めて不誠実である。というか回収の原因と思しききっかけが、Twitterでイースト・プレスの社員が騒いだことっぽいのも最悪だ。最低限コンプライアンスは整えろ。大体フィクションの記述をヘイトって騒ぐんじゃねえ。
※編集者が抗議した件は→https://togetter.com/li/2008033
……が、そもそもこの本は絶対買わなくていい。作品の記述がヘイトだからではなく、単に小説として苦痛だからである。小説読んで「小説のていをなしていない」って感想が出てしまったの10年振りくらいだぞ。それくらいきつい。
正直、自分と同じ被害を誰にも受けてほしくないので、以下にきつい理由を苦痛度・ドン引き度を添えて列挙しておく。
『中野正彦の昭和九十二年』は、安倍晋三を「お父様」と仰ぐネトウヨ青年の主人公が、昭和92年=2017年の2月~11月にかけての日々を語るという構成になっている。
いきなりネタバレになるが、本文の殆どはブログに書かれた内容を引用しているという体裁である(終盤で判明する)。なので、「実際にあったニュースに対して主人公が意見を開陳する」という構成になっているのだが、そのパートが長すぎて苦痛なのである。たとえば、連載時の本文を引用すると、以下のようなものである。
https://twitter.com/byezoushigaya/status/1275385842286997505
6月8日 「驕るな! 安倍首相」現職文科幹部が本誌に激白 「不満を持っている人は大勢いる」
【緊急特集】 政権批判で“更迭”釜山総領事私的会 話をご注進したのは誰だ? 読者調査では「前川喚問」 賛成 86% 内閣支持率2 2% (週刊文春)
青天の霹靂とはこのことか。
これまで無条件で寄せてきた信頼がすべて音を立てて崩れ落ちた。記事を読むまでもない。まさか中韓による見えざる言論弾圧がここにも......?
わかった、編集長がハニートラップに嵌められてゲス不倫をしたネタで脅されているに違いない。
一刻も早く会社ごと共謀罪で逮捕→お取り潰し。芥川賞と直木賞は安倍お父様と昵懇の見城徹に譲渡すべき。幻冬舎で二大文学賞を運営していけばいい。直木賞の選考委員長はもちろん百田尚樹大先生。選考委員長に就任と同時にこれまでの全作品を対象に直木賞を獲得。芥川賞も同時受賞されるといい。
夢が広がる。希望が出てきた。
それよりきょうの菅官房長官の定例会見で気になるところがあった。
東京新聞の望月衣塑子とかいう記者が、「前川さんだけでなく、複数の告発が出ています。もう一度真摯にお考えになって、文書の公開、第三者による調査という考えはないですか」「(文科省が再調査をしないのは)安倍総理や官房長官の菅さんたちが判断しているのではないのか」「(文科省が再調査をしないのは)安倍総理や官房長官の菅さんたちが判査という考えはないですか」「(文科省が再調査をしないのは)安倍総理や官房長官の菅さんたちが判断しているのではないのか」「(文科省が再調査をしないのは)安倍総理や官房長官の菅さんたちが判断しているのではないのか」などと執拗に質問を重ねていったのだ。事務方が何度も「同じ趣旨の質問はやめて下さい」と頼んでいるにもかかわらず、「きちんとした回答をいただけていると思わないので繰り返し聞いています」と返した。
おかげで通常十分程度の会見は四〇分に及んだ。菅官房長官はおまえのようにヒマではないのだ。
もしこの間に北朝鮮からミサイルが飛んできたらどうするのだ?おまえひとりのアピールタイムのせいで日本が崩壊したらどう責任を取るつもりなのか。
もっと空気を読め。他の新聞社、テレビ局の政治記者を見習え。一流大学を卒業して、難関と呼ばれる大手マスコミに入り、自分の意見は一切絡めず、官邸の発言を一語一句正確に国民に届けることを至上としているではないか。
ひとりだけジャーナリズムを発揮したつもりになって目立とう精神はやめろ。共謀罪が成立したら東京新聞は取り潰し。女だてらに記者をやる生意気な奴
これ自体はネトウヨ文章のよくできたパロディで、個人的にはそんなに違和感がない。
ただ、作中では毎日~2日置きにブログを更新している体裁になっているので、上記のような文章が約8ヶ月分、延々と続くのである。2-3ページとか4-50ページならまだいい。300ページある分のうち200ページだぞ。正直、きつい。きつすぎる。
あと、前述のとおり本文がブログの記載であることを終盤で明かしてるのは小説技法として失敗してると思う。事前に知っていた方が読者も読むときのスタンスの置き所が安定する筈。自分は少なくとも知っていた方がすんなり読めたと思う。
引用したような文章が続くのはまだいい。ただ、個人的にきついと思った理由がもう一つある。主人公の人となりがほとんど開陳されないのである。
主人公の中野正彦は、ピザ屋のバイトをして糊口をしのぐ男である。近所の既婚者女性と不倫関係にある一方で限られた金で風俗通いをする日々を送っていたが、作品の冒頭で彼は沖縄の基地運動をする男を暗殺する。ネットで知り合った「会長」に心酔し、彼から命じられたのだ。中野正彦は国を救うための次の指令を待って日々を過ごしている……。
こう書き出してみると、それなりに設定は盛られている。ただ、前半200ページのうち、その辺りの記述に費やされるのはおそらく30ページに満たない。そして、その描写があまりにも「薄い」。不倫や風俗パートは実質タダのサービスシーン以上の意味が見いだせない。
何より、一番気になる「どうして彼がそのようなネトウヨにハマったのか」という部分が殆ど説明されないのである。たとえば、どんな生い立ちで、どういう家庭環境で、どういう趣味嗜好でどういう性格の人物か、それが200ページかけてほとんど開陳されない。されたとしてもあまりにも薄っぺらい。
個人的な趣味の話になるが、この手の「嫌悪されるような人物を主人公にした小説」は、その人物に共感させてこそそのグロテスクなネトウヨ描写に効果が生まれると思うんだよ。その「共感」がない。結果、「ただきつい文章を読まされる」だけになっている。せめてそこは「きつい文章を書いているような人物に共感してしまう」くらいのことはしてほしかった。
正直、この本は200ページくらいから話が動くので読むなら終盤100ページでいいよ……と言いたいのだが、こっちはこっちできついのである。終盤の展開は以下のようなものである。
せめて設定考証をしろ!!マグニチュード11.3は荒唐無稽だがまだいい、高さ50メートルの津波も千葉神奈川沿岸全滅もまだ許す。東京湾沿岸から20キロメートル地点まで津波が来たら中野も壊滅しとるわ!!!Googleマップをみろ!!!!!
そこから先の被災生活の描写はそれなりに読ませるものがあるのだが、この時点で小説としては〇〇の判定を下した。ググれば、あるいは校閲に出せばツッコミの入る内容を残すな。
ここまでが「小説として」きびしい理由である。ただ、それ以外にも、ここからは個人的な感覚で「ちょっとどうかなー」って思った部分を書いておく。この辺は多分回収理由にも関わってくるのでそこそこ大事な話題でもある。
東京大震災が起きたことで東京は大パニックになって、大久保とかでは外国人、というか朝鮮人虐殺などの暴動が起きたりする。で、左派的な人達も暴動によって処刑されたりするのね。その際に殺される人の名前が実在の人物なんですよ。「江川紹子」「タマガワトオル」「青木理」の3人は確実、それ以外にもいたかもしれないが読み飛ばしてるかもしれん。
これ自体は別にやっちゃ駄目とか言うつもりはない。朝鮮人虐殺するような人は左派も吊す。それはそう。ただ、実在の人物名出して作中で処刑させちゃうのには結構ビビった。政治思想がどうとかそういう話じゃなく、実在の人物やぞ。それができるのがフィクションのいいところだけど、マジで殺したぞおいってなる。
上記でわかるとおり、本作の特徴は実在の人物名をガンガン出してくるところにある。安倍晋三をはじめとして、先に引用したところでも見城徹とか望月衣塑子とか出してるしね。
でも、本作の中で1人だけ仮名にされている人物がいる。田永クリニックを運営する田永克哉という人物である。高須克弥やんけ! 実在の人物名出して殺すまでやっといてそこは仮名にするのなんなんだよ!!!!!
「実在の人物を出して酷い展開を描く」が徹底されているなら好き嫌いや作品の是非は置いといてその心意気は買ってやろうという気持ちにもなれたよ。でも高須克弥で日和るのは流石になしだろ。いい加減にしろよ。
これ以上続けると血管がキレそうなのでそろそろまとめるが、つまり『中野正彦の昭和九十二年』には「①全体の2/3近くが薄っぺらく、読んでいて苦痛」「②ググればわかるレベルの設定考証ができてない」「③実名を出す態度が一貫してない」という3つの欠点があるわけである。
正直、本件を問題にしたイースト・プレスの編集者は失敗だったと思うよ。こんな小説として苦痛の作品、つまらなさから世間から黙殺されて仕方ないレベルで、話題にするような対応にさせたのが良くない。単につまらないよ。というか話題になったから買って読んだの失敗だった。金の無駄。金返せ。あと作品自体はヘイトではない。作品の中にヘイト描写がたくさんあるのはたしかだけど、「フィクションの描写としてのヘイト」と「作品の主張としてのヘイト」はわけて考えなきゃ駄目でしょ。
……で、ここまで整理したところで、あらためて回収理由の件に戻る。
「社内で確認すべき法的見解の精査や社の最終判断」「契約書の締結が終了しておらず、刊行における責任の所在が曖昧」ってあるけど、これ多分実在のニュースをめちゃくちゃ引用してること、実在の人物が作中で殺されたり、ネトウヨ男の語りであしざまに貶されたり(例えば、山口敬之の事件の被害者の方とか)することへの法的リスクを精査できてなかったんじゃないかなと思う。
1箇所2箇所とかならまだいいけど、前述のとおり「ネトウヨ男の語り」って体裁で実在人物をあしざまに書くパートが200ページくらいあるんよ。これは推測だけど、
みたいな展開があったんじゃないかな……と勝手に妄想してしまった。
なんというか、この本は回収されたことで本文にアクセスできずキャンセルカルチャー云々の話に回収されそうになっているのが結構つらいなと思うところで、プレスリリースのとおり実名人物出してフィクション書く時の炎上リスク全然精査してなかったって話だと思ったのである。信じるかしんじないかはあなたしだいですが……。
あと、それはそれとして作品は本当につまらないから変に神格化されないでほしい。この増田は「2200円が本当に無駄だった、金返せ」「メルカリで数千円単位で転売されているのが本当に勿体ない、100円でいい」という二つの気持ちから執筆されました。
ただ、本作は続編として「橋下徹が首相になった二〇三九年の日本を舞台に、弁護士の主人公小林大助が、死刑囚中野正彦の再審弁護人として奮闘する」という展開の『小林大助の昭和一一四年』という構想が存在するらしい。本作の出来からするとあまり期待はできないのだが、気になるは気になるので出たら買って読んでみようかなとは思う。この増田は「読まずに批判をするな」のモットーの元運営されています。