はてなキーワード: 一曲とは
日本では'76年に、フィレス・レーベルの作品がまとめて再発売されたことがありましたが、ボックス形式としては本邦初で、しかもCDのボックスとしては今回が世界初ということになります。また同時に、<ヒーズ・ア・レベル>という、関係者のインタビューを中心にした本が白夜書房から発売されます。それを読みながらこのBOXを聞きますと512倍楽しく聞けることを保証致します。
1958年、17才にして彼は”スター”でした。この後ポップスの歴史を彩ることになるクリスタルズやロネッツ、キャロル・キングやバリー・マン、ビーチ・ボーイズやビートルズの誰よりも先に<NO.1ヒット>を持っていた!、このことが良くも悪くもスペクターのその後の人生を決定づけたと思います。ポップス史上、#1ヒットを星の数ほど作り続けたリーバー&ストラーや、ジョージ・マーチンも、自らの#1ヒットはなく、このことが彼を単に<プロデューサー>の範疇では捉えられない最大の理由です。<彼を知ることは、彼を愛することだ>というデビュー曲の<彼>は、もちろんスペクター本人の意味で、そこには強引さ、傲慢さも感じられますが、実はそれが力強くもあり、<スターの要素>そのものだともいえます。彼の仕事ぶりを評して、全てを自分一色に染めてしまう、という批判をよく聞きますが、これはことの本質を理解してい居ない人の発言です。かれは<裏方>ではなく<スター>なのです!それを、アーティストの持ち味を引き出すのがプロデューサーの仕事だ、という常識的な意味で彼を捉えようとするから批判的になるのです。彼こそが<スター>で、誰が歌おうか演奏しようが、他の人は全て脇役なのです。単に映画監督と言う視点でヒッチコックを捉えるとおもしろい解釈は生まれない、というのにも似ています。(誰が主演でもヒッチの映画になります。黒沢さんもそうですね。)
デビュー・アルバム「TEDDY BEARS SING」のB-1「I DON'T NEED YOU ANYMORE」の<ステレオ・バージョン>はナント、リード・ボーカルの女の子の声が左で、真ん中がフィルのコーラス、しかも、ところどころリード・ボーカルの3倍くらいの大きさでコーラスが<邪魔をする>といってもいいほどの前代未聞のバランス!です。
デビュー前からしてこうなのですから、自己主張とかワガママなどという、なまやさしいことではないのです。
SCHOOLもの
のちにブラック・ミュージックにのめり込んでいった彼ですが、スタートは白人ポップスでした。まずは自らのヴォーカリスト、ギターリスト、および作曲家としての才能を試すところからはじめた、というところでしょうか。'50年代後半は、まだ黒人音楽は一般的ではありませんでしたが、若者の間では熱狂的な指示を得ていました。スペクターもいろいろな黒人アーティストを聞いていたようですが、こと自分のデビューに関しては、世間的に穏便な方法をとったところなど<奇[...]
また'50年代中期には「暴力教室」をはじめ「HIGHSCHOOL CONFIDENTIAL」など<怒れる若者>をテーマにした映画が続々と作られ、その代表としてJ・ディーンが登場し、代表作が「理由なき反抗」-REBEL WITHOUT A CAUSE -でした。このように、当時の若者のキー・ワードの一つは<REBEL>であり、「乱暴者」のマーロン・ブランドのような皮ジャン、サングラス、バイクというスタイルが流行しました。
彼のでデビュー・ソングはたしかに<学園もの>でしたが、それまでの、例えばドリス・デイの「先生のお気に入り」調のホンワカしたものではなく、女の子が自分の想いを直接的、また積極的に<ナゼわかってくれないの?>と切々と歌い上げるというのは冬至の若者のフィーリングにピッタシきたようです。実はこの手法、スペクター特有の<ソフィスティケーションの中の直接性>というもので、彼を理会する上で大事なことなのです。
ある程度、あるいはそれ以上の音楽の素養がなければミュージシャンや作曲家になれなかったジャズと違って、ギター1本あればだれでもロックンローラーになれる、というのがロックの時代でした。子供が技術を会得して成長し、大人の仲間入りをするのがジャズだとすると、ロックは、子供が子供のままで音楽ができるというのが特徴でした。ヒョットしたらオレにもなれるかもしれないと、多くのシロウトがわれもわれもと参加したことが、音楽の単純化に拍車をかけました。ジャズが豊満でふくよか、とすると、R&Rは骨と皮だけといえましょう。ジャズが大人の音楽で、背景はナイトクラブと女性とお酒が似合いましたが、子供の音楽として誕生したR&Rの背景に一番ピッタリだったのはナント、<ガレージ>でした。
麻雀同様4人(あるいは3人)いればすぐにできたのがR&Rの特徴でしたが、ニュー・ヨークのようにせまいところで大声を上げれば、お母さんに怒鳴られるだけですからストリートへ出るわけです。50'sのDoo Wapブームの背景は街角-ストリート・コーナーが似合ったわけです。
それにくらべて土地の広大な中西部や西海岸は車がなければ不便なので、当選、どこの家にもガレージがあり、ここが若者の格好の練習場所となりました(蛇足ですが、今の日本のロックのサウンドの背景は<貸しスタジオ>--密室--ではないでしょうか?)。さて、楽器は感覚でどうにか弾けますが、作曲というのは簡単そうでもやはり多少の音楽の素養は必要です。しかし、若者の、なんでもいいからR&Rをやりたい!という想いはこんなことではくじけません。骨と皮だけのロックを、さらに皮も捨てて骨だけにしたのです。それが<ギター・インストゥルメンタル>でした。これは、楽器を感覚的にかき鳴らすだけですから、とりあえずだれにでもできました。ジャズの単純化がロックとすれば、これはさらに、ロックの単純化で、その極致であったわけです。
これが<ガレージ・サウンド>の正体でしたが、この時代に呼応するかのように、新しく生まれた現象がありました。それは、録音機が少しずつ普及し始め、ガレージや居間などでの<ホーム・レコーディング>が行われるようになったことです。そして、デモ・テープのような、ある意味では乱暴
チャートに登場するようになり、まさに音楽の大衆化が、内容だけではなく、音質までにも及んだのです(エルビスもバディ・ホリーもデビュー曲は地方の、オヤジさんが社長、オカミさんが専務、というような町工場風のスタジオで録音したものです)。
それまでの録音は、演奏者と録音技師はガラスを隔てて別々の仕事場でした。技師が演奏者にマイクの使い方を指導することはあっても、演奏者の方が技師に注文をつけるというケースはめったにありませんでした。しかし、ホーム・レコーディング特有の、機械いじりの好きな少年の思い付きや、また機材不足からひねりだした斬新な工夫は、新しいサウンドの母体となるのです。
スペクターは、テディー・ベアーズの録音の時から、スタジオ内と調整室を行ったり来たりして、録音技師を困らせていたようですから、コダワリの姿勢は最初からのようです(口述しますが、後年よくいわれるワグナー好きやソウル・ミュージックの追求というのは、スターにありがちな<後付け>である、と私は考えています)。
このホーム・レコーディングが、実は<スペクター・サウンド>の根幹なのです!<BACK TO MONO>の意味もこのことなので、一つのかたまり、大人数、熱気、乱雑の中の整理、複雑の単純化、そして<ホーム>、これが彼の求めたものでした。かたまりは<MONO>、大人数はミュージシャンの数、熱は<ハル・ブレインのドラム>、整理は<J・ニッチェのアレンジ>、単純化は<L・レビンのミックス>、そしてホームは<西海岸>、これがスペクター・サウンドの中味の分析ですが、詳しくはこれも後述します。
この当時のロックンロール少年と同じく、スペクターもギター少年でした。本名のフィル・ハーヴェイとしてインスト・レコードも発表しています。また'58、'59年はインスト・ロックの当たり年で、チャンプ栖の「TEQUILA!」が#1になったり、B・ホリーのインスト版ともいえるファイヤーボールズ、リンク・レイ、そしてジョニーとハリケーンズ、サント&ジョニー、サンディー・ネルソン(「TO KNOW HIM~」のドラムはデビュー前の彼です)、そして極め付きはギター・インストの王者、デュアン・エディーの登場でした。
日本ではなぜか、ほとんど評価されませんでしたが、ギターリストとして一番の人気とヒットのあった人で、そのサウンドのユニークさとポップ・シーンへの影響は大きいものがありました。またイギリスでの人気は特に異常で、'60年の人気投票では1位でした(すごい!)。近年リバイバル・ヒットした「PETER GUN」などは後の<007シリーズ>や<バット・マン>のもとになったともいえますし、日本では未公開の映画「BECAUSE THEY'RE YOUNG」のテーマは、彼の"トワンギー・ギター"と流麗なストリングスとのコンビネーションは、すぐアル・カイオラが取り入れて「荒野の7人」となって登場、西部劇のインスト・テーマの基本形となりました。また「ビートルズがやってくる ヤァ!ヤァ!ヤァ!」のジョージ・マーチン楽団の「リンゴのテーマ」も、まさにD・エディーのマネジャー兼プロデューサーがレスター・シルで、テディー・ベアーズの録音の際、隣のスタジオで仕事をしていて知り合ったといわれ、この人と出会ってなければ<スペクター・サウンド>はこの世に存在しなかったといえるほど重大な出会いでした。
シルはこの時すでにスペクターがプロデューサー向きであることを見抜き、早速契約を結び、最初に買った曲のタイトルがナント「BE MY GIRL!」。
スペクターについては、まわりにいた人に才能があったので、本人にそう才能があったわけではない、という人もいますが、これは間違いです。確かにまわりにいた人々は有能でした。しかし、彼はプロデューサーとして一番重要な要素である<何をやりたいのか>ということが明確にありました。それは前にも述べましたがいろいろな意味での<直接性>というテーマを持っていたことです。これはもちろんR&Rのイディオム(佐野元春調)ですが、荒々しいサウンドの中の直接性より、スペクターがポップスに折り込んだ直接性の方がより<暴力的>ですらありました。
例えば、R&Rの時代になって<BE>という動詞で始まるビッグ・ヒットは「BE MY BABY」が第1号です(BE CAREFUL~などの慣用句を除く)。簡単なようですが、作る側にまわってみると、これが簡単に言い切れるものではないのです。まさにこれをスパッと言い切れるのが<スター>なのです。「TO KNOW HIM~」の断定と「BE」の命令。このシェイクスピア調の、時代がかったともいえる口調が、逆に新味を呼んだのではないでしょうか。この大時代的で、且つ直接的な手法は「I WANT TO HOLD YOUR HAND」(ユーモアの点ではJ&Pの方が数段上ですネ!)に共通したものを感じます。
シルと契約直後、スペクターはD・エディのセッションを見学しています。さっそく実地訓練をさせようというシルの計らいで、時は'59年の4月の後半でした。この年のエディーの最大のヒットは6月に発売された「FORTY MILES OF BAD ROAD」(9位)で、この曲はナント<ベース・ドラムだけをイントロでフィーチャーした、ポップス史上初のヒット曲>なのです。さて、ベース・ドラムのイントロといえば「BE MY BABY」ですが、この2曲の因果関係についての疑問を、10年ほど前の<ニュー・ミュージック・マガジン>で発表したことがありましたが、時期的にはこの推論が成り立つようです。が、モチロン、その因果については全く憶測の域は出ておりません。
エディーのスタジオは1トラックのテープ・レコーダーが1台しかないという粗末な設備ながら、そのエコーを駆使してのサウンド作りは、特に録音にはうるさかった若き日のスペクターには刺激的な体験だったと思われます。トワンギー・サウンドの秘密であった水道管やドラム缶をエコーに使用するという一風変わった手法は(そのためシルは何10個もドラム缶を買い、しかも一番響きのいい缶を探したといいます)スペクターが興味を持たなかったはずはありません。
そのような多彩な録音技術を駆使していた人は、D・エディー・サウンドの製作者<リー・ヘイズルウッド>でした(エンジニアはエディー・ブラケット)。ヘイズルウッドといえばナンシー・シナトラとのデュエットやアストロノーツの「太陽の彼方に」の作者として日本ではおなじみですが、エディーのプロデューサーとして最初に評価された人なのです。
~
中したスペクターは、一瞬たりともヘイズルウッドの背後から離れなかった>と発言しています。
その後シルは、スペクターをプロデューサーにすべく、今度はニュー・ヨークのリーバー&ストラーのもとへ送り込みました。’60年代の代表的なコンビがレノン&マッカートニーとすれば、’50年代はリーバー&ストラーの時代で、ロック・ビジネスを目指す人々にとっての目標でした。スペクターの学校の先輩でもあった彼らのデビューに一役買っていたのが、これまたレスター・シルでした。シルがマネージャーをしていたコースターズをきっかけに、ドリフターズ、そしてエルビスへの曲提供やプロデュースを行い、初のR&Rにおける独立プロデューサーとしての地位を確立したのがこの二人なのです。
スペクターにとって、このニュー・ヨークでの修行時代の最大の収穫はベン・E・キングのヒット曲「SPANISH HARLEM」をJ・リーバーと共作できたことでしょう。これはR&Rビジネスへの切符を手に入れた、つまり、お墨付をもらったということ......って、最大の自信となったことは疑う余地はあり.....
ま.... ドリフターズの「THERE GOES MY BABY」...にストリングスをフィーチャーする手法を....ことも<スペクター・サウンド>への引金になったと、私は思います。その手法でプロデュースしたジーン・ピットニーの「EVERY BREATH I TAKE」は、全くドリフターズ調でしたが、すでに<スペクター・サウンド>は出来上がっていた、ともいえる、本家を凌ぐ作品でした。<ゴフィン&キング>との最初の作品でしたが、この日のセッションにはリーバー&ストラーをはじめ、B・バカラック、B・マン&C・ウェイル、アルドン出版社の代表のD・カーシュナーら、そうそうたる顔ぶれが集まったといいます。そしてこの作品が、ここに集まった全ての人にスペクターの印象を強く与えることとなり、一緒の仕事が始まるわけです。特にこの曲で印象深いのはドラムのフレーズですが、G・ゴフィンの証言によれば、フィルはドラマーのゲイリー・チェスターに指示をして、それが実に的確だった、ということです。
この修行時代にすでに、J・ニッチェやH・ブレインがいなくても、これだけのものを作っていたことは見落とせません。スペクター・サウンドを作ったのはやはり彼なのです。
この曲は残念ながら大ヒットにはなりませんでしたが、来たるべき<スペクターの時代>の幕開けを飾るにふさわしい素晴らしい曲でした。
また、この頃、レスター・シルとリー・ヘイズルウッドは共同活動を解消、スペクターは新たなパートナー、いわば後釜としてシルと関係を結び、それが二人の頭文字を合わせた<PHIL+LES>の誕生となりました(シルとヘイズルウッドのレーベル名は二人の息子の頭文字から<GREG+MARK>というものでした)。
私は藤井風のアンチでも何でもなく、むしろライブに行くぐらい好きで、他のファンとの交流も楽しんではいるんだけど、
それはYouTubeやブログ等で、藤井風の一曲一曲の歌詞を取り上げて、
【○○(曲名)の○○(フレーズ)に隠された深い意味とは!?】とか、
【○○(曲名)の歌詞の意味を教えます!実はこれは○○の歌だった】
みたいに、その人のスピ観と絡めまくった解説を何十個とあげ続けている人たちだ。
これを一曲ならまだしも、ほぼすべての曲にわたって、一点の疑問も持たずにまるで聖書の聖句のように有り難がって絶賛しているのを見ると、申し訳ないがとても気持ち悪いと思ってしまう。
見なければいいだけなんだけど、それが煽情的なサムネとともに関連動画や記事として流れてくる。
悪いが見てて恥ずかしい。
藤井風の歌詞は素晴らしいと思うし、いわゆるスピ的な要素も多分に含まれることは事実で、私もそこが好きだし、心の中でそうやって賞賛してる分にはいいんだろうが、それを上記のような動画や記事にして逐一垂れ流しているのを見ると、野暮の極みというか、どうにも、当人を利用した自慰行為を見せつけられているような生理的な嫌悪感が湧いてしまう。
歌や演奏のカバーとか物真似、曲全体の解説などは全く気にならないのに、上記のような人達だけはどうにも気に障る。
といってもファンで同じように感じてる人間なんてほぼいないだろうし、止めろという権利なんてないんだが、
この不快感の理由を説明できる人に説明して欲しいという思いで増田にそっとつぶやく。
この気持ち何なん。
私は、1993年の1月に生まれた。1歳から大学までは、神戸市で生活していた。神戸はとてもいい場所だ。街の中心部である三宮はおしゃれな街で、大阪駅までも直通で30分。中華街で有名な豚まんを食べ、旧居留地の優雅な建築を抜ければ、港から海を見渡せる。中心部から少し足を伸ばせば、B級グルメを出す飲食店が立ち並ぶ下町の長田、六甲山の麓に日本屈指の酒蔵を擁する灘などにも行ける。どの地域も個性にあふれた「退屈しない街」だ。この街で人生の3分の2を過ごせたことを、私は幸せに思っている。
私が住んでいた地域には大学があった。このキャンパスは自然豊かなことで知られていて、敷地内に公園や池があったので、私は物心ついたときから時々家族とこの大学内を散歩していた。子どもだった私は漠然と、大きくなったら私もこんな学校で勉強するのかな、なんて思っていたものだ。
私が小学校にあがる前のある日、父とふたりで大学の中を歩いていた。ふと父が「父さんは今日こっちの道に行きたいんだ」と言って、普段は入らない芝生の中へ私を連れて行った。杉の木立の中には、小さな茶色の碑があった。父はその石碑の前で足を止め、静かに手を合わせた。「これは何なの?」と尋ねると、父はこの石碑が、阪神淡路大震災で命を落とした学生たちを追悼するための慰霊碑だと教えてくれた。銘板に刻まれた名前の中には、地元で教員をしていた父の教え子がいるという。父は何十年も教員として勤務していたが、彼が家庭内で教え子の話をすることはほとんどなかったので、少し驚いた。
小学校にあがると、音楽の授業で「しあわせはこべるように」という歌を習った。この曲は阪神淡路大震災のことを歌っており、神戸市内の小学校では震災学習の一貫として習うのだ。たぶん、1995年以降に神戸市で勉強した人間なら、誰もが諳んじて歌える一曲だろう。小学校でも中学校でも、毎年1月17日には黙とうを捧げ、校長先生のお話を聞いた。ある年の学校新聞の1月号に、同級生とその妹のことが書かれていたことも覚えている。2学年下に在籍していた彼の妹は、まさに阪神淡路大震災の混乱の中、1月17日、被災直後に生まれたという話だった。
高校生にもなると、「しあわせはこべるように」を合唱する授業はなくなった。進学校だったので受験勉強は忙しく、みんな志望校に入るため必死だった。そんな中で、一学年上の先輩にとても頭の良い人がいた。先輩は部活でも目立っていて、関西の超有名大学への現役合格を果たしたことはすぐに後輩の私たちにも知れ渡った。卒業式の日に卒業生代表挨拶を担当したその先輩は、両親を阪神淡路大震災によって亡くしたことをみんなの前で話してくれた。10年以上が経った今でも、あのスピーチを鮮明に覚えている。その次の年に起きたのが、東日本大震災だった。
高校を卒業すると、私は自分の実家から一番近い大学に進学した。それは、子どもの頃から家族と散歩していたあの学校だった。私の学部はかつて父と散歩したキャンパスからは少し離れていたのだが、それでも時々あの慰霊碑を見に行くことがあった。いつのまにか、私は父の教え子だったという誰かより1歳年上になり、成人を迎えた。成人式の会場に向かう途中のタクシーでふと「私たち、本当はもっといたかもしれないな」と思った。
大学を卒業して上京すると、色々な地域出身のさまざまな年齢の人と関わりあうようになった。地元は神戸なんです、と言うと、ほとんどの人が「おしゃれなところだね」なんて言ってくれるので鼻が高かった。しかし時々、50代くらいの人と話すと「震災の時、もう生まれてた?」と聞かれることがあった。生まれてたけど2歳になりたてで記憶はないんです、と返すとだいたいそこで話は終わるのだが、ごく稀に「実は僕は当時大阪に住んでいて…」と、当時の記憶を話してくれる人もいた。
ある時、友達に誘われて行った飲み会で、誰からともなく東日本大震災の話になった。その飲み会には東京出身者が多かったので、彼らは当日の様子を思い出して話していた。乗っていた電車が止まったこと。復帰のめどが立たず、線路を歩いて帰ったこと。その時、自分の前を歩いていたお姉さんが泣いていたこと。
その会話の中で、参加者のひとりが「〇〇さん(私)は関西だから、こういうの想像できないかもしれないけど…」という言葉を発した。私も被災者だから分かるよ、と返すと、彼は「何言ってるんですか」と少し笑った。阪神淡路の時に2歳だったよ、と告げると彼は気まずそうに「そっか、そっちか」と呟いた。
彼は私より少し年下だったから、もしかしたら阪神淡路大震災のことをリアルタイムでは知らないのかもしれない。小学校の社会の教科書にはきっと地震のことも載っていたはずだけど、自分が高校生の時に体験した東日本大震災の方が記憶としてはハッキリしているに違いない。彼のことを個人的に責めようとは思わないが、そうか、忘れられているのか、という虚しさが心に残った。
私は今、違う場所で暮らしているけれど、今でも自分が育った神戸はとてもいい場所だと信じている。街の中心部である三宮駅前には、かつて「神戸阪急ビル」という名のビルがあった。この辺りは震災で大きな被害を受けてめちゃくちゃになったという。街のランドマークだったというビルは取り壊され、それからずっと低層のビルが駅舎に繋がっていた。このビルは2021年に高層ビルとして生まれ変わり、震災前の姿を模した外観でリニューアルオープンした。私より年上の世代は新しいビルを見て「元の神戸の姿だ」と喜んでいたが、私には正直良く分からなかった。私が毎日のように遊んだ三宮は「仮の姿」だったのか!それでも、西洋風のモダンな茶色のファサードは、「私の好きな神戸」の姿に近いような気がしていいなと思った。
私は今日、30歳になった。平成初期に生まれた私たちは、阪神淡路大震災の記憶とともに生きる「最後の世代」だと言われている。確かに、地震は私にとってすごく身近な問題であり続けてきた。だけどこれまでの人生、別に24時間365日「亡くなった方々のぶんも、毎日を大切に生きていこう」と思いながら過ごしてきたわけじゃない。忙しい日常を生きていると、震災のことを全然考えない日がほとんどだし、まだ2歳になりたてだったから当日の記憶もまばらだ。でも、成人式の時にふと過ったあの感情を、誕生日のたびに思い出すのだ。阪神淡路大震災がなければ、私たち、本当はもっといたかもしれない。地元の同級生は、実はもっと多かったのかもしれない。自分の人生のどこかのフェイズで、あの時いなくなった誰かが私の大切な人になっていたかもしれない。
記憶も年をとる。誤解を恐れずに言うと、阪神淡路大震災のことは、これからどんどん忘れられていくだろう。神戸と縁のない人たちにとっては、もうすでに阪神淡路大震災のことは別の災害の記憶に塗り替えられているかもしれない。はっきり言って、これはどうしようもない、誰が悪いわけでもない、日本に住んでいる限りは、大きな地震が定期的に起きることは避けられないのだから。でも、少なくとも私は― 傷ついた神戸の街に育ち、ゆっくりとその傷が治っていく中で青春を過ごした私は、これからも阪神淡路大震災を忘れることはない。「最後の世代」という言葉は、「私たちは本当はもっといたのかもしれない」とリアルに思える「最後の世代」だということなのだろう、と今は思っている。30歳になった今日も、またふと考えた。私と一緒に年をとってくれる誰かが、本当はもっといたのかもしれない。
ヒトカラって恥ずかしい気がして一回も行った事なかったのね。
こないだまた東上線が人身事故で2時間位止まった時、どうせ動かないだろうから池袋のカラオケで初めてヒトカラをしてみた。
独身の時は飲み会や合コンの時、結婚してからも会社の付き合いでしか行った事なかった。
やっぱり最初は恥ずかしくて(1人なのに)20分くらい電子端末をいじり続けたんだけど、ためしに一曲入れてみてやっぱりマイクは恥ずかしくて地声で歌った。
やっぱり恥ずかしいんだけど、なんか凄く気持ちよかった!
下手でも大声で歌うってこんなに気持ちいいんだなってはじめて知った(もちろん他人の迷惑になるから1人の時だけだが)。
何曲も地声で歌い続けて、最後の方は恥ずかしさに快感が勝ってマイクで歌った。
あんなに東上線が止まるのになんで今まで行かなかったのか後悔した。
こういうのがストレス発散というのだなぁと感じた。
月 | 記事数 | 文字数 | 文字数平均 | 文字数中央値 |
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01 | 76911 | 7473133 | 97.2 | 42 |
02 | 75299 | 6531830 | 86.7 | 38 |
03 | 71202 | 6653992 | 93.5 | 41 |
04 | 76147 | 7274615 | 95.5 | 42 |
05 | 74828 | 7187392 | 96.1 | 41 |
06 | 74723 | 7481541 | 100.1 | 43 |
07 | 87558 | 8381360 | 95.7 | 42 |
08 | 73931 | 7404282 | 100.2 | 42 |
09 | 70109 | 6703363 | 95.6 | 41 |
10 | 77557 | 7523511 | 97.0 | 43 |
11 | 70704 | 7036899 | 99.5 | 44 |
12 | 75036 | 7582951 | 101.1 | 43 |
1年 | 904005 | 87234869 | 96.5 | 42 |
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日 | 記事数 | 文字数 | 文字数平均 | 文字数中央値 |
---|---|---|---|---|
01 | 2267 | 225653 | 99.5 | 46 |
02 | 2573 | 270359 | 105.1 | 44 |
03 | 2398 | 220277 | 91.9 | 43 |
04 | 2378 | 268689 | 113.0 | 45 |
05 | 2469 | 222788 | 90.2 | 37 |
06 | 2654 | 250772 | 94.5 | 43 |
07 | 2577 | 272854 | 105.9 | 42 |
08 | 2504 | 233327 | 93.2 | 43 |
09 | 3300 | 280708 | 85.1 | 40 |
10 | 2353 | 239716 | 101.9 | 41 |
11 | 2513 | 271065 | 107.9 | 46 |
12 | 2965 | 294819 | 99.4 | 49 |
13 | 3160 | 301991 | 95.6 | 44.5 |
14 | 2889 | 251317 | 87.0 | 43 |
15 | 2251 | 227165 | 100.9 | 44 |
16 | 2011 | 215945 | 107.4 | 41 |
17 | 2400 | 251188 | 104.7 | 44.5 |
18 | 2381 | 218612 | 91.8 | 41 |
19 | 2378 | 243169 | 102.3 | 42 |
20 | 2519 | 222012 | 88.1 | 43 |
21 | 2551 | 259587 | 101.8 | 44 |
22 | 2417 | 245054 | 101.4 | 41 |
23 | 2152 | 187827 | 87.3 | 42 |
24 | 1648 | 145297 | 88.2 | 41 |
25 | 1951 | 224628 | 115.1 | 46 |
26 | 2312 | 271633 | 117.5 | 47 |
27 | 2203 | 242390 | 110.0 | 46 |
28 | 2251 | 225717 | 100.3 | 45 |
29 | 2219 | 232252 | 104.7 | 40 |
30 | 2409 | 285311 | 118.4 | 45 |
31 | 1983 | 280829 | 141.6 | 46 |
1月 | 75036 | 7582951 | 101.1 | 43 |
■泣く子供が許せない /20221223231018(194), ■男性向け同人とかに検索避け文化とかがない理由が今更ながら分かった /20221211130053(185), ■お前らは知らんかもしれんけど騒音問題の近隣トラブルは戦争なんだよ /20221206210542(79), ■ユザワヤに男がいた /20221204024032(77), ■このcolabo叩きの空気が本当に怖い(追記あり) /20221211082129(77), ■何度も聴いてる珠玉の一曲ってある? /20221228232608(72), ■Colaboを叩いている人たちはよく考えてほしい /20221230032323(62), ■恋人がTRPGにハマりすぎた末路 /20221207122508(62), ■そもそも男女で同じ賃金がおかしいのではないかという話 /20221226163816(62), ■エスカレーターを歩かせたくないなら歩けないようなUIにすべき? /20221202083200(61), ■おすすめの短歌を教えてほしい /20221216144610(60), ■都民は車欲しくないの? /20221221141858(56), ■いわゆる「下方婚」したけど離婚しそう /20221206155751(56), ■結婚出来ない俺たち /20221230235357(53), ■独身のおじさんからだけ税金をうまくとる方法 /20221220163818(51), ■毎日同じ食事じゃかわいそうなのか? /20221218000135(51), ■男のいう「結婚しないと狂う」は理解できない /20221228124518(50), ■最近のはてなへの違和感 /20221213130939(50), ■元友達は33歳で気が狂っちゃってたな /20221226233748(47), ■2022年で一番良かった事を聞かせて欲しい /20221221220754(47), ■結婚したい女はメーカー地方工場勤務総合職の男を引き取ってくれ。専 /20221227021526(46), ■表現の自由戦士の99%は10年前嫌韓ネトウヨやってた奴ら /20221218122959(46), ■3大イラッとくる入力フォーム /20221220223603(45), ■Colabo騒動は本当にくだらない /20221214110105(44), ■ケーキのパネル詐欺に遭った話 /20221225211832(43), ■初めて出来た彼女と女叩きの過去 /20221229235915(42), ■ニットキャップ、キットカット、ラップトップ /20221226201351(42), ■なぜ女性向け漫画にはモラハラくそ男子が大量に出てくるのか /20221202220535(42), ■みんなお願いだ、都の担当者を責めないで上げてほしい。我々にそんな裁量はない /20221203184541(42), ■うつ病の妻を病院に行かせるにはどうしたらいいか /20221213123802(41), ■くせえオタクへお願いだ /20221219222559(41), ■食パンにつけると旨いもの /20221210130432(40), ■別に流行りじゃないけど今年読んで面白かった漫画 /20221215021301(40), ■ /20221205110146(40), ■女性はなぜあんなにもサラダを食べたがるの? /20221224164826(39), ■ColaboのB/Sに対する雑感 /20221201125743(39), ■はてブ「NISAやiDeCoは貯金のつもりでやればいい」←騙されるなよ /20221224151558(39), ■おじさんは女性に無料の接待を期待するのをやめてほしい /20221212142453(38), ■酷い目に遭わされたときにその場で暴れたり大揉めできるタイプの人が羨ましい。憧れすら抱く /20221201145052(38), ■PK戦の代わりになるもの /20221206175709(37), ■ /20221202162107(37), ■これに金をかけておけば間違いないってやつ教えて /20221223225252(36), ■なんでもそつなくこなす新人の口癖が「小学校でやりました」なのがうざい /20221218112218(36), ■暇空氏へカンパした一人として、なぜカンパしたか説明する /20221209103355(36), ■2022年買ってよかったもの /20221214083354(36), ■はてなのブルジョワバラモン左翼おじさんが「風俗は選んで就く仕事」という幻想を抱く理由 /20221225173634(36), ■オタク文化の大衆化にすごくがっかりした /20221228200137(36), ■一緒に住み始めてから彼がどんどん変わっていく /20221219235408(35), ■『困窮している若い女性、子供』では無く『少年』を助けるのが物凄くしんどい /20221204154146(34), ■ミソジニーの男性が増えすぎてないか? /20221209084805(33), ■夏が好き←まあわかる 冬が好き←意味不明 /20221213102932(33), ■その昔は平野綾がオタクのパブリックエネミーだったな、と思い出した /20221217131116(33), ■急募 髪が終わり始めたワイがすべき髪型 /20221216153730(33)
星野由妃 エデンの街
かな。
新井由美 翳りゆく部屋
亜羽根綾乃 大きな風
サラ ブライトマン Time to say good bye
ルイ・アームストロング What a wonderful World
池田綾子 空の欠片
Ben E. King Stand By Me
Bob Dylan Blown' in the wind
Janis Joplin Mercedes Benz
John Lennon Just Because
Larry Williams Just Because
John Denver Take me Home, Country Roads
Queendom Chiki Chiki Ban Ban
JOLLY Chiki Chiki Ban Ban
森山良子 桜
J.S.Bach BWV1061/62
J.S.Bach BWV1063/64
J.S.Bach BWV1065
・Hevia(エヴィア) 「タンシラへの旅」
エレクトリックバグパイプ奏者Heviaのアルバム「The Other Side」収録の一曲。
はじめてタワーレコードで視聴した時固まったのを未だに覚えてる。いまでも車内で時々流してます。アルバム全体では、他にいい曲(「ブダペストにて」とかも好き)もあるけど全体的にちょっと似た雰囲気の曲も多く少し飽きる人もいるかもしれない……けど、この曲はずっと強い光を放っている。と、思ってます。
何人かナイマン先生のピアノレッスンをあげてる方がいますが、私はHere to thereが圧倒的に聴き返してる曲
https://www.youtube.com/watch?v=buYeFqt5ml8
https://www.youtube.com/watch?v=NrcemZpOmpI&ab_channel=RuneHede
moonriders 何だ?この、ユーウツは!!
https://www.youtube.com/watch?v=s7WGGMQub2Y&ab_channel=moonriders-Topic
https://www.youtube.com/watch?v=e2JYvCp6Jxs&ab_channel=LittleNell-Topic
Eric Idle Always Look On The Bright Side Of Life
https://www.youtube.com/watch?v=SJUhlRoBL8M&ab_channel=Melonhead622
私のことを知ってる人が万が一見たら「〇〇じゃん!」ってまるわかりだな
一曲は難しい
これについて、いちプロデューサー(注: アイマスファンのこと)視点からの意見を書きたい。
元々がアイドルプロデュースゲームであった過去から、プロデューサーはファンであると同時に、メタな運営目線からコンテンツを応援するという姿勢をとりやすい。
そして、その視点はある種の義務感、あるいは使命感を芽生えさせる。できる限りコンテンツのことを把握し、運営の気持ちに寄り添い、盛り上げていこうという気持ちだ。
これには良い面と悪い面がある。そして、この両面とバンダイナムコのすれ違いによって、アイマスは負のスパイラルに陥っていると考えている。
↓いわゆるアイマスPの良い面と悪い面(の一部)
良い面
(注: ライブ終了後に客席から巻き起こるコールのこと。もともとは一部の厄介ファンが起こしていると見られていたが、公式がそれを取り入れる姿勢を見せたために一般化した)
・ライブや配信でのファンと演者の交流がコンテンツを育てていく
悪い面
・コンテンツに満足できない=もはやプロデューサーを続ける資格はないかのような空気がある
・ライブ全通に非常に大きな価値があり、これを逃すとモチベーションを失いやすい
(注: 全てのライブに参加していること。抽選倍率が高い場合もあり、人脈と財力が大切になる)
・「もっとこうしてほしい」という意見は個々人の中で飲み込むべきで、ネガティブな発信は禁忌とされている
・ゲームではストーリーの進行がほぼないので、ライブに通っていないとついていけない
さて、それではなにが負のスパイラルなのか。
それはバンダイナムコの好む「みんマス」展開と、新シリーズ・新アイドルによる拡大路線の相性の悪さにある。
(注: 複数シリーズの垣根を越えてコラボさせることを、「みんなまとめてアイドルマスター」というある曲の歌詞をもじってみんマスと揶揄する)
プロデューサーは全通、つまりコンテンツの最初から最後まで、できるだけすべてを把握し、参加することを非常に重視している。これは裏を返すと、途中参加Pの肩身の狭さを生み出す。
例えば、初代アイマスではアーケードからのPが最上位、アニメからは新参(もう10年以上も前なのに!)という空気がある。
そこで、バンダイナムコは新シリーズを追加してきた。古くはデレミリ、直近はシャイニー。
そうすると、「新シリーズは1stライブから行ってるからね!」と言えるプロデューサーが生成され、末長く支援してくれるのだ。
一方で、近年のバンダイナムコは、複数コンテンツの越境コラボや合同ライブを好む傾向にある。
単独ライブよりも大きな会場を使えるし、各シリーズから「全通」の義務を持ったプロデューサーが動員されるからだ。
合同ライブはもちろん、満場一致の「最高」のコールで迎えられるのだ。
ところが、シリーズが増えてアイドルも増えてくると、そのライブに行っても自分の担当アイドル(注: 要するに好きなキャラクターのこと)は一曲や二曲しか歌ってくれないのだ。
もっと悪いと、自分の担当アイドルは何年も参加しないこともありえる。
例えば、来年2月の合同ライブは各シリーズから歌唱ユニット単位で参加することになっているが、全ユニットのうち、参加するのはほんの一部。そして参加するユニットもメンバーが全員揃うわけではない(なんで?)
こうして、義務感で参加したライブで得られるリターンは年々減っていく。
アイマスという箱は拡大し、個々のコンテンツは希釈されていく。減った動員を補充するため、また新しいシリーズ・アイドルを作り、越境コラボを行う。そして個々のコンテンツはさらに希釈されていく。
プロデューサーがそうした不満を発信することはほとんどない。希釈度に耐えられなくなった時、静かにライブの抽選への応募をやめる。