はてなキーワード: 西武ドームとは
うたの☆プリンスさまっ♪マジLOVE LIVE 6th STAGEという
それに対する訴訟を起こそうという話を耳にした。
訴訟で、07年F1日本グランプリ訴訟(F1訴訟)ってのがあって。
その訴訟の結果からわかることを一言で表すなら「やるだけ無駄」
この会場、西武ドームなど目じゃないほどド田舎(というかほぼ山中)にあり、
そこに14万人の観客を運ぶため、運営はパーク&ライド(P&R)システムという方式を
導入した。観光地等で導入されている方式で、会場から離れた場所に
駐車場を設け、そこから会場まではバスでまとめて運ぶ…というヤツ。
ところが、運営の見通しが完全に甘く、多くの観客が訪れる2日目に
P&Rシステムは破綻して数万人が肌寒い雨中で2~4時間バスを待つ羽目になり
その他レースに間に合わなかったり、混乱を避けるため
3日目の観戦を諦めたりした…という大失態があり
それに対して参加者130名ほどが慰謝料等を請求した訴訟だった。
結局、この訴訟は、約半数の訴訟参加者が和解金を受取って途中で訴訟を離脱、
以下、ソースを載せるが
詳しい方は調べてみてほしい
参考記事:http://archive.as-web.jp/news/info.php?c_id=1&no=46084
http://news.livedoor.com/article/detail/7383079/
①「P&Rシステム」「リストバンド方式」という、前例の少ない方式を
観客、運営双方が初めて行った
②運営の不手際により多くの観客が長時間の待機を余儀なくされ、
開演に間に合わなかった観客もいた
よく似ている。楽しみにしていたイベントを
運営の不手際によって酷いものにされてしまった心境は、F1訴訟の原告団と
同じものだろうし
今まで多くイベントへ参加し、物販列に5時間ほど並んだ経験なども
ある自分もよくわかる。
まず、時間と手間がかかりすぎること。
参加者から聞き取り、資料を作成し、弁護士と相談し、法廷に出向いて
さらに資料を集め、作成し…の繰り返し。普段の生活と両立できるか?
次に、得られるモノの少なさ
長時間の待機に倒れる参加者や、女性がトイレにも行けずに野外で…
といった、あまりに酷い事例ですらたったこれっぽっち。
しかも、
現状、何を訴訟の基礎として
請求するかすら決まっておらず、
ただ「悲しかった、悔しい」では具体的な損害を主張し、
立証できないから
仮に訴訟が始まったとして
認められるのは、チケ代の一部か慰謝料くらいで前例と同じなら数千円。
とても労力に見合う金額ではない
と、いうのは発起人の方も承知の上のようだし
「金銭が欲しいんじゃない!責任の所在と謝罪が欲しい」とのこと
それを求めるならカネと時間の掛かる訴訟なんて起こすだけ無駄である
【5月30日16時追記】
ムービックプロモートサービス訴訟垢 @prilive20170527 によれば
『事前準備不足を含めた不手際により
①開演が押した事
②1万人近くの観客が 入場出来ないまま公演が開始した事
③MCカット等完全な公演を提供されなかった事 以上に対しての訴訟を行います。』
このような点に対して訴訟を起こすとされている
①に関しては、一般的にドームライブで、一定の遅延が常態化されている、
という反論をされてまず通らない。
間に合わなかったことに対して慰謝料についての追求になるだろうが、
入場が可能だった観客もいることもあって、それが認められるとはとても思えない。
③に関しては、事前に内容が知らされていない、変更される可能性がある
また、人員配置の不作為についての追求も検討されているようだが
F1訴訟や、野外フェス近隣で雷に打たれ、参加者が死亡した事例や
運営側の相当の落ち度を立証できない
限り認められない傾向にある。
【以上追記】
今まで例にしてきた07年のF1GP、実は自分も参加者の一人で。
運良く2日目の混乱には巻き込まれなかったが
混乱のニュースをみて3日目(メインイベントはこの日)の参加を諦め、帰宅した苦い思い出が。
正直怒った。3日目も参加したかったし。
でもF1が好きだから、翌年も同じ場所で行われたF1日本GPに参加してみて驚いた。
スムーズに、何の問題もなくレースを楽しめ、良い思い出になった。
なぜか?運営が血のにじむような努力で「カイゼン」をしたからに違いない。
(08年1月に訴訟を起こされ、実際の裁判はもっと後からだから、訴訟に関係なく、07年開催が終わってすぐ動いたのは間違いないだろう。
1から作り直すのはどれだけ大変か、考えて欲しい。)
なにより参加するファンに楽しんでもらい、次も訪れてほしいから。
(結局、ライバル会場の改装完了が主な理由として、富士スピードウェイでのF1開催は無くなったわけだが…)
そして「カイゼン」するためには、何が良くなかったか、辛かったかを
自分の思いの丈を伝えるだけで事足りるのだ
抗議の声をより大きくしたいなら、署名を募るという手段もある。
次回カイゼンを行ってくれるだろう。
これだけの事件を起こして(しかも他にも前科があるようだ)カイゼンできない運営なら、
いつか命にかかわるような失敗をするだろうから、参加しないというのも
抗議の方法としてはアリなのかもしれない
「こんな点が悪かったから、次楽しめるよう改善しろ」と求めればいい。
そのやり方のほうが、ずっと楽しくファンを続けられると考えないのだろうか?
過ぎた時間は戻らないし、その過去のためにこの先貴重な時間を無駄し
嫌な思い出を増やす行動をわざわざ起こすとはいかがなモノだろうか。
訴訟という行為が、演者や楽しむファンを傷付ける行為にならないかだけでなく
危うくする行動にならないか?よく考えてほしい。
【5月30日16時追記】
「プリンセス」の皆さんの意見は、できるだけ読むようにしている。
それを踏まえて、自分が一番伝えたいことを追記する。
法を大学で学んでいる者として、「訴訟は当事者を不幸にするものである」
残念ながら、現状、日本で対企業の訴訟は生半可な気持ちで起こせるものでないし
「うたプリ」をよくしたいから、自己犠牲を顧みないという考えも結構だと思う。
だが、作品は違えど、二次元のアイドルのドームライブに参加し、
ライブを楽しんで、次のライブを楽しみにしている自分としては、
ライブイベントの開催に尻込みになったり、
対策のためにコストがかかり、チケット代に転嫁されて値段が高くなる
可能性もある。
その結果が、アイドルファン以外のライブを楽しんでいる人々にとっても
どのような結末をもたらすのか。
必ずしも幸福な結末になるとは限らない。大変な苦労を要し、
双方にとって不幸になることもある。
両当事者にとって、よりよい結果が得られることを期待する。
http://anond.hatelabo.jp/20170414050958
ブックマークにもあるとおり、お値段の安い席ではそれなりにヤジも飛ぶのが野球場なのでもう二度と行かないとなる気持ちもわかります。
とはいえ一度で終わってしまうには惜しいので、個人的観測内でオススメな野球場をばいくつか。
隣に声のでかそうなオッサンが座ってなければ安心して観戦できます。
野球観戦には少々厳しい季節(春はまだ寒く、夏は文字通り酷暑)なのと、アルコール類を販売していないのでそのあたりは気を付けて。
閉所恐怖症でなければ、アクセスよし、客の質よしでいうことありません。特に国際大会は和やかな雰囲気で楽しいですよ。
巨人戦の雰囲気は知りません。敵地なのでおいそれと近づけないのです。
DeNAになってからチケットがとりにくくなっていますがこちらもアクセスよし、客の質よしで申し分ない野球場。
いい席に座るか、大音響で応援している真っ只中の外野席に座るかの2択。
外野席は人が多すぎると売り子さんが来ないことも過去にはありました。
外野席座るときは大声を出して大いに応援をやると決めていくのがオススメ。楽しいですよ。
おすすめできません。私が観戦した中でヤジが一番ひどかったのがこの球場。
アクセスはいいのですが、結構いい席に座ったのにヤジが多くもう二度と行きたくありません。
ヤクルトファンもひどい人が多いですが、神宮の阪神ファンは身の危険を感じるレベルで危ないので100m以内に近づかないことを強く推奨します。
札幌ドーム、千葉マリンスタジアム、西武ドーム、ナゴヤドーム、京セラドーム、マツダ(広島)、福岡ドームは観戦経験ありません。ごめんなさい。
札幌はホーム移転しちゃうので今のうちに見に行くとよいかもしれません。
西宮球場とかグリーンスタジアム神戸超オススメなんですがもう球場がなかったり一軍の試合してなかったりで見に行けないんですよねー
ラブライブ!サンシャイン!!のライブに参加したお話です。
昨日今日と横浜アリーナで開催されたこのライブ、本当に素晴らしい内容でした。
私は2日目は残念なことに昨晩から体調を崩してしまったため、初日のみの参加でしたが、本当に満足のいく、多幸感の溢れるライブでした。
ステージ上部にピアノが設置され、桜内梨子さん役の逢田梨香子さんが懸命に目の前の88鍵と向き合う姿に心を揺さぶられました。
鍵盤を押す指が震えており、間違えないように慎重に…という心情が顔に表れており、それが大きなスクリーンを通して客席や全国の映画館へ流されているのかと思った時には、本当にこんなことしていいのかとも思いました。
ピアノの経験もなかったことでしょう。まさか、そんな自分が横浜アリーナで1万人を越えるファンの前でピアノを弾かされるなんて思ってもいなかったことでしょう。
彼女が当初、この構成を発表された時にどんなキモチになったのか、そもそもいつどこでどんなふうに発表されたのか、1人のファンである私には想像の余地もありません。
もし自分が同じ立場だったら、泣きながら拒否する以外に道はないと思います。怖いもん。
それでも、逢田さんは初日の公演で見事に弾ききりました。本当に心に訴えかけてくるようなパフォーマンスでした、ありがとうございました。
さて、本日の公演。
私は参加していない身分なので自分の瞳で確かめていないことなのですが、どうやら演奏途中で間違え、曲も止まってしまったんだとか。
肩を震わせる彼女のもとに、すぐに他のメンバーが駆け寄り、その後もう一度はじめからやり直したんだとか。
もしこれが本当なら、本当に頭が下がると同時にめちゃくちゃ「こわい」と思いました。
まずは逢田さん、本当にお疲れ様でした。頭が下がるばかりです。是非ともその場で応援させてもらいたかった。
そして、これってスゴくこわい問題だなって思いました。
奇しくも今日の公演でピアノを間違えて曲を止めてしまったこと、偶然です。
しかし、このハプニングがありライブは俗に言うエモい状態に入り、多くの観客の感動を呼び起こしたことでしょう。
よく「ハプニングを楽しもう」「ライブにハプニングは付き物」と言われますが、毎回毎回こんなハプニングがあったんじゃ観てるこっちも仕方がないです。
うまく表現できないため言葉の綾があるのですが、それでエモさを感じるのってすごいこわい問題じゃないですか?
μ'sの3rdライブを体験した方なら同意いただけると思うのですが、個人的に彼女たちの全てのライブを通して、最も印象に残っているMCと言われ、3rdライブのアンコールでのあのシーンを挙げる方々が多いと私は思っています。
端的に言えば「演者の泣く姿を垣間見たい」そして「頑張れ」って言いたいっていうエゴの権化みたいなアレ。
昨日の伊波さんのMCで印象的だったのが、多くの観客が執拗に拍手をしていたのに対し、「泣かせようと思ってるでしょ!」とバッサリ切ったあの場面。
あの一言で、図星を突かれた方々もいたのではないかと思います。
楽しかったから泣く、悲しかったから泣く…涙には様々な種類がありますが、感情の経過と変化の結晶が涙だと私は考えています。
決して、私たちが左右できるようなものではない。しかし、それを意図的に求めようとしている、つまり多少のハプニングに姿を表してほしいと思っていること。(今回のピアノの一件では、流石に観客側も一瞬凍りついたと聞いていますが…)
それって不健全じゃないですか?
というかそもそも、ピアノ初心者がピアノを弾かされるってこと自体がスゴい異常なことだと思っています。
これはAqoursや多くのアーティストのパフォーマンス全てに言えることだと思います。
私もいくつか楽器を嗜んでいるため、パフォーマンスをする側の精神をある程度は理解しているつもりです。私の場合、多い時には何百人以上の観客を前に演奏を披露することがあるのですが、やはりライブをするというのは楽しいです。
一方で、練習はやはりストレスが重なります。あくまでも私の想像ですが、Aqoursのダンスレッスンなどでも様々なストレスやプレッシャーがあったかと。そして特に。今回のピアノ披露は何よりもまず、彼女のプレッシャーが画面越しに伝わってきました。人ってあんなにも必死な顔をするものかと。
たしかに感動は産んだかも知れませんが、私のフォロワーさんの言葉を借りれば、彼女を追い込んでいたのは言うまでもないと。
ライブで自他共に楽しむため、もっとライブを盛り上げるため…というのを重々承知の上で、それでもやはりあのピアノの一件は本当に大変だったんだろうなと感じました。そもそも、そんなこと本当にやらせていいのか。マジでわかんねぇ。書き掛けの文章な上に、自分でも言葉の綾が多く見受けられる文章なのですが、これ以上の表現が思いつかなかったため、ここで筆を置かせていただきます。
ダンスの話になるのですが、あれだけの時間を掛けて、あれだけ完成度の高いステージ見せるのってラブライブ!くらいですよね。
以前、μ'sの飯田里穂さんが仰っていたことですが、ラブライブ!のリハは本当に長期スケジュールだったとのこと。おそらく、今回のAqoursもそうだったのでしょう。
そのせいか、他のライブでは感じられないような感動を覚えることが多々あります。
このような完成度の他に、ラブライブ!ではなく、ラブライブ!サンシャイン!!だけで私が感じたイメージが2つあります。
ひとつは、年齢が近いこと。
私は現在21歳で、Aqoursのメンバーとも歳が違いのですが、本当に同年代なのかと頭をひねるくらい、彼女たちは本当に輝いている。
特に、渡辺曜役の斉藤朱夏さん。彼女のダイナミックながらも指先まで繊細にコントロールされたダンスには本当に開いた口がふさがりませんでした。きっと、あのステージに上がるまで何年も何十年もの積み重ねがあったことと思われます。
年齢が近いせいか、μ'sの頃は少しお姉さんくらいに見えていたメンバーも、Aqoursでは明らかに他人事ではない、自分のすぐそばの出来事のように様々な事象を感じるようになりました。
そしてふたつめに、ラブライブ!サンシャイン!!という作品が、ラブライブ!の頃よりもより観客をコンテンツに取り込もうとしている姿勢。
この「輝き」の正体、物語を通して一度もそれが何なのか名言化されることはありませんでした。
一方、ラブライブ!サンシャイン!!では「輝くこと=楽しむこと」と第13話で名言化されました。この後に披露されるMIRAI TICKETの1シーンで、千歌さんが「一緒に輝こう!」と観客席(=いわゆる私たちの側)へと訴えかけるというものがあります。
また、この傾向はAqoursの物語の根幹にも通じているのではないでしょうか。
Aqoursは自分たちの歩みを「0を1にする物語」と題しました。ここまで物語のテーマを明らかにしたこと、当時の私には本当に驚きでした。
μ'sが「1を100にする物語」であれば、Aqoursは「0を1にする物語」であるということ。μ'sの頃には明言化されていなかったことが、Aqoursの物語ではわかりやすく、伝わりやすく(そしてあえて伝えようと)私たちに提示されたのでした。
この2点の結果、私はAqoursのコンテンツに足を踏み入れることに、圧倒的当事者意識を感じざるを得なくなりました。
μ'sの頃はどこか他人事のように見ていたというわけではないですが、Aqoursのライブを見て「自分も何かを始めたい」「何かやり遂げたい」と昨日のライブを見て強く思うようになりました。
これって、制作側のピンポイントな狙いに見事に食らいついた事例だと思っており、この2日間のライブでまさにAqoursがライブを通して私たちに伝えたかったことだと感じています。
以前よりも強く、当事者としての意識を持たざるを得なくなったAqoursのライブ。このコンテンツを追い続ける限り、進めば進むほどその魅力に打ち負かされることが容易に予想できるのが素直に「こわい」と感じました。
最後になりますが、初日のみの参加ながらも、Aqoursのライブ本当に楽しかったです。
一年前は「いや、μ'sがファイナルライブやるんだからAqoursの2ndシングルとかしらねぇよ!」とAqours関連の情報をぶった切っていた私ですが、幸か不幸か意志薄弱な私は、昨年夏にコロっと斉藤朱夏さんにヤられてしまいました。
先ほど、これほどダンスに鍛錬を重ねているのは極めて稀だと書きましたが、それもあってか本当にライブを観ることが楽しくて仕方ありませんでした。
今年の夏には神戸、大阪、西武ドームを巡るツアーもあるんだとか、また彼女たちの奏でる音楽に身体を預けられる時間が来るという事実だけで、今から心が踊ります。
これはまだ先の話だと思いますが、彼女たちもスクールアイドル。きっと終わりがあると思います。しかし、今この瞬間は本当に楽しい。その多幸感、際限のない底知れぬ多幸感こそが、私がラブライブ!サンシャイン!!のことを「こわい」と感じる一番の理由です。
なんだかんだ言いましたが、やっぱりラブライブ!ってスゴいです。ライブという空間が非日常的なものであるということを理解しつつも、やはりラブライブ!には何か他のコンテンツには無いものがあるのだと思います。あの4時間が本当に楽しすぎてこわかった、今後もコンテンツのオタクとして心の扉を更に下へと開き続けさせられるのが本当にこわい。
ラブライブ!サンシャイン!!って、本当にこわい作品。
そして、とても重いものです。
あまりの多幸感は、ライブが非現実だと理解っていてもいつか何かで身を滅ぼす気がする。
その日が来るまで、せいいっぱい楽しみたいものです。
叫べるという点についてはああいう娯楽の観戦モノには共通しているところだと思う。違うのは、やっぱり観客と舞台の人間たちとの物理的、精神的距離感じゃないかな。西武ドームレベルになるともはや野球とかと物理的距離感では大差ない気がするけど、精神的にはみんな一体となっているというか。
野球だと、必ずしも全員が野球が好きで見に行ってるとは限らないだろ?
取引先が野球スタジアムのスポンサーだから接待で野球観戦に行く、賭博目的で行くなど。
みんな一丸となって応援しているように見えて、心のありかはバラバラ。
それに対してアイドルのライブは(多分)みんな行きたいと思って、そこにいるから、純粋に応援しているように見えて、精神的な統一感が心地いい。叫ぶにしても、それを許容する雰囲気がある。野球場での絶叫は近くの人からすると「(なんだあのチンパンジーひくわー...)」ってなる。
アイマスって事あるごとに「みんなで一緒に」って言葉を使いたがるが、そういう観客たちの思いを汲んでるんじゃないかって俺は思う。もうアイマスは引退した身だけど。
2月8日に西武ドームで行われたリアル車将棋のニコ生タイムシフトを見終えた。言わずと知れた羽生善治四冠と新進気鋭の豊島将之七段が対局したのだが、まず場所が野球場であること、対局者はそれぞれ4時間の持ち時間を持つが、普段の対局とは異なり時間切れの場合秒読み勝負とはならずその時点で負けとなること、また直接対面せずに一塁側、三塁側に設営されたテントの中で考慮し、マイクで指し手の宣言を行い、そしてそれを合図にドライバー達がグラウンドへ駆け出し、でかでかと描かれた「将棋盤」上に配置された「駒」である車に乗り込んで目的の場所へと移動することで対局を進めていくという、スケールの大きい、あえて別の言い方をすると非常に馬鹿馬鹿しい企画だ。
個人的には将棋は駒の動かし方と大まかな戦法しか分からず、見る方も有名な棋士はなんとなく知ってはいるものの棋戦を積極的に見ることはあまりない程度の者なので将棋の詳しい内容を語ることは難しいし、車に至っては公共交通機関の発達している都市部での乗用車利用は禁止してしまえばいい、くらいの考えを持ったことがある程度には車の所有欲がない人間である。
そんな自分がこの番組に興味を持ち、最後まで見続けることになったポイントは、なぜこのような企画を立て、実行できたのか?という一点に尽きる。
今回の番組はドワンゴに並んでトヨタの主催という立場で行われた。つまり番組の本質はトヨタの宣伝だ。ドローン空撮を利用した壮大なオープニングから始まり、MCやゲスト、解説の棋士が次々と入れ替わりながら途中休憩時以外ほぼノンコマーシャルで進行していくのは快適だ。ゲストは盤面の動きの多い序盤と終盤に将棋側、長考が多い中盤に車側を多く呼んでいたように思うが、盤面解説の棋士に対しても積極的に車のエピソードについても聞いていくというコンセプトで進められ、番組全体の長さは10時間を超えるものとなった。
駒となる車も、羽生側は往年のトヨタ車、豊島側は世界初の量産型燃料電池車であるMIRAIをはじめとした最新のトヨタ車が選ばれ、豊島側の歩兵、銀将、飛車が成ったときは専用の車種に入れ替わるという演出も用意された。展開の都合上、成銀と龍王の出番はなく閉会式での紹介のみとなったが…。
陳腐な表現だとは思うが、今回の番組はネット番組ならではの特性というか、地上波テレビではできないことを惜しみなく行う「良さ」を見た気がする。今回のような番組は当然ながら地上波では行えるはずもない。例え無尽蔵の予算があったとして、公共性が求められるとされる地上波放送においては10時間もの間、たった1社の宣伝のためだけの番組を生放送し続けることを許す土壌がないからだ。地上波で行うとなるとたとえば1時間とか2時間の枠に圧縮され、視聴者に分かりやすいように編集され、宣伝色も薄められたものが届けられる。それはおそらくクライアントの思惑と必ずしも合致しないものになるだろう。
登場するゲストたちも、次々に「こんな企画誰が考えたんだ?」と口にした。東洋経済の記事によるとドワンゴがトヨタに持ち込み実現した企画とのことだが、トヨタ側の真剣な取り組み具合もその記事から見て取れるように、この番組を通していわゆる「若者の車離れ」をなんとかしたい、というトヨタの思いが強く感じられる番組作りだった。ネット番組にありがちの低予算番組とはせず、社長決裁が必要となる規模で行うほどの企画を通した担当者の努力には敬意を表したい。
そういう意味で番組全体を通して特に印象深かったのは、終盤戦に差し掛かったあたり、レーサーの脇坂寿一氏とトヨタマーケティングジャパンの社員が登場した時間帯だ。脇坂氏がトヨタ社長の豊田章男氏自らレースに出場するというエピソードを紹介したり、チャーリー・チャップリンが「あなたの最高傑作は何か?」と問われたときの言葉を引用した「ネクスト・ワン」を会社のキャッチフレーズにしているといった話、そして企画担当者の話を通して、トップをはじめとした社員達がが商品を好きであることが企業にとって強い力であるということを感じた。
本論とは外れるがピストン西沢氏の言葉も車将棋ならではといったもので興味深い。「羽生陣営の玉将である二代目クラウンはエンジンが冷えてしまうと大変なので、車ファンとしては定期的に動かしてほしい」。玉将はいったん駒組みが終わってしまえば終盤攻められない限り動くことはないし、実際本局でもその願いが叶うことはなかったのだが、終盤羽生玉が攻められた際に、移動中エンストをしてタイムロスを起こしてしまうクラウンを見たときにはある種の痛快さを覚えた。
さて、このように自分としては今回の番組はクライアントであるトヨタの思いが強く反映され、それが功を奏した画期的なものであるように感じられ、それが最後まで見続ける原動力になった。もちろん100点満点の番組だったという訳ではなく、段取りの悪いところや会場のチョイス(他に会場の空きもなかったのだろうが、吹きっ晒しの西武ドームで10時間以上過ごすとか…)などの改善すべき点も見られた。トヨタの思いにマイナス方向の印象を持った視聴者もいるかもしれない。もしこの番組に続編があるとしたらどうなるだろうか?たとえば「○○社vs××社」のような企画となったとき、別の意味を持つことになるだろうか。また、今後もドワンゴがまったく別の業種に対して大規模な番組企画を持ち込み、それが実現した際にどういう番組になっていくかというところについても注目していきたい。